JP3901240B2 - 油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置 - Google Patents

油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の操舵力を軽減するための油圧式パワーステアリング装置において、車速、舵角等の自動車走行状態に応じてパワーアシスト量(操舵補助力)を制御することができる操舵力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
自動車の停車時や低速走行時の操舵反力が、タイヤと路面との間の大きな摩擦力により著しく大きく、これを軽減するために、油圧式パワーステアリング装置が用いられている。
【0003】
通常、油圧式パワーステアリング装置用の油圧ポンプは、回転数に比例して吐出流量が増減する可変吐出量型ポンプであるので、比較的操舵反力の小さな高速走行時には、逆に吐出流量が増加して(車速とポンプ回転数とは変速比の変化でもって必ずしも比例しないが、対応関係はある)、パワーアシスト量が増大してしまい、小さな操舵力で操舵が可能となり、適正な運転感覚が得られない。
【0004】
このような不具合を解消するため、特開昭49−102092号公報記載の操舵力制御装置(図23および図24参照)があった。
【0005】
図23および図24に図示の従来の操舵力制御装置では、入力軸01の筒状部02の外周に放射方向へ突起03が一体に突設され、バルブハウジング04と一体の筒体05は、前記入力軸01の筒状部02の外周を囲繞するとともに、該筒状部02の突起03に対向し中心方向へ突出した突片06を備え、該筒体05には、前記突起03および突片06を両側から挟む位置にプランジャ孔07が形成され、該プランジャ孔07にプランジャ08が摺動自在に嵌装されており、高速走行時に、入力軸01が回転された場合、該入力軸01の回転方向に対向したプランジャ孔07に圧油を供給して、プランジャ08を突出させることにより、入力軸01が回転が阻止されるようになっていた。
【0006】
【解決しようとする課題】
図23および図24に図示された前記操舵力制御装置においては、プランジャ孔07およびプランジャ08が必要となって構造が複雑化するとともに、部品点数が増大して、コスト高となり、またプランジャ孔07にプランジャ08が嵌装されているため、両者間の摩擦力により入力軸01の回転阻止力が低下し、高速走行時の操舵力が充分に増大しえない不都合がある。
【0007】
また入力軸01の回転角度が大きくなると、入力軸01の突起03が筒体05の切欠き部09に係合して、入力軸01の最大回転角度が制限されるとともに、入力軸01の回転角度の小さい場合と、大きい場合とでは、プランジャ08の押圧力による入力軸01の回転拘束力が変化(回転角度が小の場合は回転拘束力が小、回転角度大の場合は、回転拘束力が大)してしまい、所要のパワーアシスト量の制御が困難である。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は、前記した難点を克服した油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置の改良に係り、油圧ポンプから吐出された圧油がロータリサーボバルブを介して油圧パワーシリンダの両シリンダ室のいずれか一方に導かれるとともに、該油圧パワーシリンダの他方のシリンダ室内の油が前記ロータリサーボバルブを介して前記油圧ポンプの吸入口に導かれる油圧式パワーステアリング装置において、前記ロータリサーボバルブのバルブハウジング内に設けられ、入力軸に操舵方向と逆向きの反力を与えるための右方反力油室および左方反力油室を有する油圧反力機構と、前記バルブハウジングに付設され、車速、舵角等の自動車走行状態に応じて前記油圧反力機構に対する圧油の供給量を制御する油圧制御弁と、を備え、前記ロータリサーボバルブは、前記入力軸と、その外周に相対的に回転自在に嵌装された入力軸スリーブとを有し、該入力軸スリーブには、前記入力軸の回動に応じて、前記油圧パワーシリンダの前記両シリンダ室を構成する右シリンダ室および左シリンダ室のいずれかに圧油を供給可能に、該右シリンダ室および該左シリンダ室にそれぞれ接続される右方シリンダ通路および左方シリンダ通路が設けられ、前記入力軸スリーブの前記右方シリンダ通路および左方シリンダ通路は、前記油圧制御弁を介して、前記油圧反力機構の前記右方反力油室および前記左方反力油室にそれぞれ接続され、それにより、前記入力軸スリーブの前記右方シリンダ通路および左方シリンダ通路の油圧を、油圧反力機構の前記右方反力油室および前記左方反力油室に直接作用させることを特徴とする。
【0009】
本発明は前記したように構成されているので、車速、舵角等の自動車走行状態に応じて前記油圧制御弁が動作し、前記ロータリサーボバルブの入力軸と一体の受圧面に油圧が直接作用して、操舵方向に対し逆向きの反力が与えられ、パワーアシスト量が低減され、自動車の運転状態に適応した適正な操舵感覚が得られる。
【0010】
また本発明を請求項2記載のように構成することにより、従来のロータリサーボバルブに用いられる大部分の部品を共有化して、本発明適用によるコストアップを最小限に抑制することができる。
【0011】
さらに本発明を請求項3記載のように構成することにより、前記ロータリサーボの軸方向寸法を前記受圧突片およびカバー部材の軸方向寸法分だけ拡大するとともに、該受圧突片の外周部分の径を拡大するだけで足るため、油圧式パワーステアリング装置の小型化が可能となる。
【0012】
さらにまた本発明を請求項4記載のように構成することにより、内燃機関回転数の高い高速走行時に、これに対応して油圧パワーシリンダ高圧側油路中の高い圧油が前記油圧反力機構の反力油室内に導入されるので、操舵反力の比較的小さな高速走行状態において、パワーアシスト量が大巾に低減され、走行車速に適合した操舵感覚が得られる。
【0013】
また本発明を請求項5記載のように構成することにより、前記油圧制御弁の構造を簡略化して、小型軽量化とコストダウンとを達成することができる。
【0014】
さらに本発明を請求項6記載のように構成することにより、自動車の特性に適合した操舵性能が得られる。
【0015】
さらにまた本発明を請求項7記載のように構成することにより、前記受圧ロータの外形寸法を増大しなくても、前記受圧突片の総受圧面積を拡大し、適正なパワーアシスト量を確保しながら、前記ロータリサーボバルブの小型化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図22に図示された本発明の一実施形態について説明する。
油圧式パワーステアリング装置1においては、図1に図示されるように、ロータリサーボバルブ2と油圧パワーシリンダ3とが一体に組付けられ、該油圧パワーシリンダ3のピストン扞9にタイロッド4を介してフロントホイール5が連結され、図2に図示されるように、油圧パワーシリンダ3はピストン10でもって左シリンダ室11と右シリンダ室12(図2では車の前方から後方を見ているので左右逆である)とに仕切られている。
【0017】
またステアリングホイール6と一体のステアリングコラムシャフト7は、ステアリングジョイント8を介してロータリサーボバルブ2の入力軸たるスタブシャフト22に連結されており、ステアリングホイール6を時計方向または反時計方向へ回転操作すると、スタブシャフト22はこれに対応して回転駆動され、このスタブシャフト22の回転に対応して、圧油が油圧パワーシリンダ3の右シリンダ室12または左シリンダ室11に圧油が供給され、ピストン扞9が左方または右方へ駆動されて、フロントホイール5が右方または左方へ方向を変えられるようになっている。
【0018】
さらに図2に図示されるように、ロータリサーボバルブ2においては、バルブハウジング20とギヤハウジング21とは相互に一体に結合され、バルブハウジング20内には、該バルブハウジング20の入力端側にベアリング26を介して回転自在に嵌装された入力軸たるスタブシャフト22と、該スタブシャフト22および出力軸たるピニオン23を相対的に捩り可能に連結するトーションバー24と、バルブハウジング20およびスタブシャフト22間に同芯状でかつ回転自在に嵌装された入力軸スリーブたるスタブシャフトスリーブ25と、スタブシャフトスリーブ25およびピニオン23間に介装された油圧反力機構50とが設けられ、前記ピニオン23はベアリング27を介してギヤハウジング21に回転自在に嵌装され、該ピニオン23は、ピストン扞9と一体のラック13に噛合しており、ピストン10の左右摺動とともに一体に移動するラック13により、ピニオン23は回転駆動されるようになっている。
【0019】
さらにまたバルブハウジング20には、油圧ポンプ14の吐出口15と、油圧ポンプ14の吸入口16もしくはリザーブタンク17とに、それぞれ連通する給油ポート28と排油ポート29が形成されるとともに、油圧パワーシリンダ3の左シリンダ室11と右シリンダ室12とに、それぞれ連通する左方シリンダポート30と右方シリンダポート31とが形成されている。
【0020】
しかもスタブシャフトスリーブ25の外周面には、給油ポート28に連通する周方向給油溝32が形成されるとともに、左方シリンダポート30および右方シリンダポート31にそれぞれ連通する周方向左方シリンダ溝33および周方向右方シリンダ溝34が、周方向給油溝32の軸方向両側に位置して形成されている。
【0021】
また図3に図示されるようにスタブシャフトスリーブ25には、その中心軸に指向するとともに外端が周方向給油溝32に開口した4本の給油通路35が、周方向に亘り等間隔に形成され、該給油通路35の各周方向両側に、それぞれスタブシャフトスリーブ25の中心線に指向した左方シリンダ通路36と右方シリンダ通路37とがそれぞれ形成され、これら左方シリンダ通路36および右方シリンダ通路37の外端は周方向左方シリンダ溝33および周方向右方シリンダ溝34にそれぞれ開口している。
【0022】
さらにスタブシャフトスリーブ25の内周面には、左方シリンダ通路36及び右方シリンダ通路37の中心と溝中心が一致するとともに、スタブシャフトスリーブ25の軸方向と平行な軸方向溝38および軸方向溝39が交互に4条ずつ形成されており、左方シリンダ通路36および右方シリンダ通路37の内端は、各軸方向溝38および軸方向溝39にそれぞれ開口している。
【0023】
さらにまたスタブシャフト22の外周面には、スタブシャフトスリーブ25の軸方向溝38、軸方向溝39で挟まれた部分の巾と等しい巾の軸方向溝40、軸方向溝41が、周方向に亘り交互に等間隔に形成され、スタブシャフト22の中心孔44と軸方向溝41とを連通する排油通路42が形成され、中心孔44は別の排油通路43を介して排油ポート29に連通されている。
【0024】
しかしてバルブハウジング20内にて、スタブシャフトスリーブ25とピニオン23とに介装された油圧反力機構50は、受圧ロータ51と、ロータハウジング56と、カバー部材66とを備え、該受圧ロータ51では、図11ないし図13に図示されるように、受圧ロータ51の外周面の周方向に亘り等しい間隔を在して放射方向へ3個の受圧突片52が突設されるとともに、該隣合う受圧突片52の中間外周面に軸方向へ指向したシール溝53が形成され、かつ、受圧ロータ51の中心に扁平孔54が形成され、スタブシャフト22の出力側に形成された扁平部45に受圧ロータ51の扁平孔54が相対的に回転不能に嵌合されるとともに、シール溝53にシール97が嵌装されており、スタブシャフト22の回転に対応して受圧ロータ51はスタブシャフト22と一体になって回転駆動されるようになっている。
【0025】
また前記ロータハウジング56では、図14ないし図17に図示されるように、ロータハウジング56の内周面の周方向に亘り等しい間隔を在して3個の切欠き57が形成されるとともに、該切欠き57の周方向中心にシール溝58が形成され、前記ロータハウジング56の上端面には、切欠き57の周方向一側に連通する左方放射方向溝59が形成されるとともに、切欠き段部60が形成され、さらにロータハウジング56の下端面には、切欠き57の周方向他側に連通する右方放射方向溝61が形成されるとともに、切欠き段部62が形成され、ロータハウジング56の外周面中央に周方向へ指向したシール溝63が形成され、しかも3個の切欠き57の間の部分には、径の大きなボルト孔64と径の小さなピン孔65とがそれぞれ設けられている。
【0026】
さらにカバー部材66では、図18ないし図20に図示されるように、スタブシャフトスリーブ25の切欠き凹部46に嵌合しうる筒状突出部67が入力側に形成されるとともに、該筒状突出部67に係合切欠き68が形成され、該カバー部材66の出力側にシール切欠き段部69が形成され、ロータハウジング56のボルト孔64、ピン孔65に対応した位置にボルト孔70、ピン孔71が設けられている。
【0027】
さらにまた前記ピニオン23では、図9ないし図10に図示されるように、ピニオン23の入力側に鍔部72が形成され、ロータハウジング56のボルト孔64、ピン孔65およびカバー部材66のボルト孔70、ピン孔71に対応した位置にボルト孔73、ピン孔74が形成され、該ピニオン23の入力端から出力側に向って異形孔75、円孔76およびスプライン孔77が順次形成されており、スタブシャフト22の出力側の扁平部45が異形孔75に遊嵌されるとともに、スタブシャフト22の先端の円筒状軸部47とピニオン23の円孔76とにブッシュ48が介装され、かつトーションバー24のスプライン部49はピニオン23のスプライン孔77に嵌合され、トーションバー24の捩れでスタブシャフト22とピニオン23との相対的回転が可能となっているが、その相対的回転角度は、スタブシャフト22の扁平部45と異形孔75との係合で所定角度を越えないように規制されるようになっている。
【0028】
なお、スタブシャフトスリーブ25の出力側の切欠き凹部46の外周部にピン78が打込まれ、該ピン78はカバー部材66の係合切欠き68に係合されている。
【0029】
またバルブハウジング20には、ステアリング電子制御装置80が付設され、図示されない車速検出手段からの車速信号を受信し、所定車速に従ってリニアにリニアソレノイド81を変化させ、油圧制御弁82を制御するようになっている。
【0030】
さらに油圧制御弁82の弁本体83は、軸方向に2組のランド84、ランド85を備え、一方のランド84は、スタブシャフトスリーブ25の左方シリンダ通路36に通ずるバルブハウジング20の左方シリンダ油路86と、油圧反力機構50の左方圧油室通路88とを連通し、他方のランド85は、スタブシャフトスリーブ25の右方シリンダ通路37に通ずるバルブハウジング20の右方シリンダ油路87と、油圧反力機構50の右方圧油室通路89とを連通するようになっている。
【0031】
さらにまた左方圧油室通路88および右方圧油室通路89は左方放射方向溝59および右方放射方向溝61に接続され、該左方放射方向溝59および右方放射方向溝61は、ロータハウジング56の切欠き57内で受圧ロータ51の受圧突片52で仕切られた左方反力油室90および右方反力油室91に開口されている。
【0032】
しかもバルブハウジング20および弁本体83には、戻り油路92および戻り通路93が形成され、油圧制御弁82の弁本体83の周囲で漏れてバルブハウジング20の下部の油溜室94内に溜まった戻り油が戻り通路93、戻り油路92、排油通路43および排油ポート29を介してリザーブタンク17に戻るようになっている。
【0033】
また油溜室94内には圧縮コイルスプリング95が配設され、リニアソレノイド81の電流が大の時(駐車時)弁本体83が下方へ押下げられ、リアソレノイド81の電流が小になるに従って(低速から高速へ)弁本体83は圧縮コイルスプリング95のバネ力により上昇し、左方シリンダ油路86と左方圧油室通路88が連通されるとともに、右方シリンダ油路87と右方圧油室通路89とが連通されるようになっている。
【0034】
さらにスタブシャフト22の扁平部45には左方反力油室90、および右方反力油室91内で漏れた油を中心孔44内に戻すための孔96が設けられている。
【0035】
なお受圧ロータ51のシール溝53およびロータハウジング56のシール溝58、シール溝63にはそれぞれオイルシール97、オイルシール98、オイルシール99が嵌挿されている。
【0036】
図1ないし図22に図示の実施形態は前記したように構成されているので、ステアリングホイール6に何等の操舵力が働かず、スタブシャフト22が中立に位置し、フロントホイール5に外力が働かず、直進方向へ向いている場合に、ロータリサーボバルブ2では、スタブシャフト22およびスタブシャフトスリーブ25は、図21に図示される状態に設定され、油圧ポンプ14から吐出されて給油ポート28内に供給された圧油は、周方向給油溝32から給油通路35を経由して軸方向溝40に流入し、左右に均等に分流されて軸方向溝38、軸方向溝39、軸方向溝41および排油通路42、排油通路43を介して排油ポート29に流れ、油圧ポンプ14の吸入口またはリザーブタンク17に戻り、圧油は左シリンダ室11、右シリンダ室12のいずれにも供給されず、フロントホイール5は直進状態を保持する。
【0037】
そしてステアリングホイール6を時計方向へ回して右旋回させようとした場合に、図22に図示されるように、ロータリサーボバルブ2では、スタブシャフト22のみが時計方向へ回転され、軸方向溝40と軸方向溝38との連通部分より軸方向溝40と軸方向溝39との連通部分が広くなるので、給油通路35を通過した圧油は、軸方向溝39、右方シリンダ通路37、周方向右方シリンダ溝34および右方シリンダポート31を介して、右シリンダ室12に流入し、ピストン10およびピストン扞9は、左方(図2では右方)へ移動して、フロントホイール5は右方に向き、自動車は右旋回する。左シリンダ室11内の油圧ポンプ14の吸入口またはリザーブタンク17に流れる状態の説明は省略する。
【0038】
そして、自動車が駐車した時には、油圧制御弁82の弁本体83は下方へ押下げられ、左方シリンダ油路86と左方圧油室通路88とは遮断されるとともに、右方シリンダ油路87と右方圧油室通路89も遮断され、左方反力油室90、右方反力油室91に圧油が導入されないため、受圧ロータ51の受圧突片52には何等の油圧圧力が作用せず、スタブシャフト22に操舵反力が加えられない。
【0039】
しかし、自動車が低速域から高速域に移行するに従って油圧制御弁82の弁本体83は上方へ押上げられて、左方シリンダ油路86と左方圧油室通路88とが連通されるとともに、右方シリンダ油路87と右方圧油室通路89も連通されるので、前記したようにステアリングホイール6に時計方向の旋回力を加えた場合には、右方シリンダ通路37に流入した圧油の一部が右方シリンダ油路87、右方圧油室通路89および右方放射方向溝61を介して右方反力油室91に導入され、右方反力油室91の圧油圧力により受圧ロータ51に反時計方向へのトルクが働き、そのトルクによる操舵反力がスタブシャフト22からステアリングジョイント8、ステアリングコラムシャフト7を介してステアリングホイール6に伝達され、パワーアシスト量が低減される。
【0040】
この場合に、受圧ロータ51の受圧突片52は3個有るため、1個の受圧突片52の側面の受圧面積が小さくとも、全体として3倍となり、しかも右シリンダ室12または左シリンダ室11へ供給される高圧圧油が右方反力油室91または左方反力油室90に導入されるので、受圧ロータ51、ロータハウジング56の径および厚みを大きくする必要がなく、油圧反力機構50ひいてはロータリサーボバルブ2の大型が避けられ、これらの小型軽量化が可能となる。
【0041】
またスタブシャフト22,ピニオン23,トーションバー24およびスタブシャフトスリーブ25を従来のロータリサーボバルブのこれらと共用化できるので、ロータリサーボバルブ2のコストダウンを図ることができる。
【0042】
さらに油圧パワーシリンダ3の高圧側油路の圧油を油圧反力機構50の右方油圧室通路89または左方反力油室90に導入したため、高速走行状態で、パワーアシスト量を低減することができ、走行車速に適合した操舵感覚を得ることができる。
【0043】
さらにまた受圧突片52は3個であったが、この個数を増加することによって、受圧ロータ51およびロータハウジング56の径および厚さをさらに小さくして、油圧反力機構50ひいてはロータリサーボバルブ2の小型化を図ることができる。
【0044】
しかも前記実施形態では、車速に対応して油圧制御弁82を動作させたが、舵角に対応して油圧制御弁82を動作させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置を備えた自動車の前半部概略斜視図である。
【図2】本発明の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置の一実施形態を図示した縦断正面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿って截断した横断面図である。
【図4】図2のIV−IV線矢視図である。
【図5】油圧反力機構の分解斜視図である。
【図6】スタブシャフトの縦断面図である。
【図7】図6のVII −VII 線に沿って截断した横断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿って截断した横断面図である。
【図9】スタブシャフトスリーブの端面図である。
【図10】図9のX−X線に沿って截断した縦断面図である。
【図11】受圧ロータの平面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】図11のXIII −XIII 線に沿って截断した縦断面図である。
【図14】ロータハウジングの平面図である。
【図15】図14の正面図である。
【図16】図14のXIV−XIV線に沿って截断した縦断面図である。
【図17】図14のXVII −XVII 線に沿って截断した横断面図である。
【図18】カバー部材の平面図である。
【図19】図18の正面図である。
【図20】図18のXX−XX線に沿って截断した縦断面図である。
【図21】中立状態におけるスタブシャフトとスタブシャフトスリーブとの角度関係と圧油流動状態を図示した要部横断面図である。
【図22】ステアリングホイールを時計方向へ回転させて右方操舵状態に設定した場合のスタブシャフトとスタブシャフトスリーブとの角度関係と圧油流動状態を図示した要部横断面図である。
【図23】従来の油圧式パワーステアリング装置の要部縦断面図である。
【図24】図23のXXIV−XXIV線に沿って截断した横断面図である。
【符号の説明】
1…油圧式パワーステアリング装置、2…ロータリサーボバルブ、3…油圧パワーシリンダ、4…タイロッド、5…フロントホイール、6…ステアリングホイール、7…ステアリングコラムシャフト7、8…ステアリングジョイント、9…ピストン扞、10…ピストン、11…左シリンダ室、12…右シリンダ室、13…ラック、14…油圧ポンプ、15…吐出口、16…吸入口、17…リザーブタンク、20…バルブハウジング、21…ギヤハウジング、22…スタブシャフト、23…ピニオン、24…トーションバー、25…スタブシャフトスリーブ、26,27…ベアリング、28…給油ポート、29…排油ポート、30…左方シリンダポート、31…右方シリンダポート、32…周方向給油溝、33…周方向左方シリンダ溝、34…周方向右方シリンダ溝、35…給油通路、36…左方シリンダ通路、37…右方シリンダ通路、38…軸方向溝、39…軸方向溝、40…軸方向溝、41…軸方向溝、42…排油通路、43…排油通路、44…中心孔、45…扁平部、46…切欠き凹部、47…円筒状軸部、48…ブッシュ、49…スプライン部、50…油圧反力機構、51…受圧ロータ、52…受圧突片、53…シール溝、54…扁平孔、56…ロータハウジング、57…切欠き、58…シール溝、59…左方放射方向溝、60…切欠き段部、61…右方放射方向溝、62…切欠き段部、63…シール溝、64…ボルト孔、65…ピン孔、66…カバー部材、67…筒状突出部、68…係合切欠き、69…シール切欠き段部、70…ボルト孔、71…ピン孔、72…鍔部、73…ボルト孔、74…ピン孔、75…異形孔、76…円孔、77…スプライン孔、78…ピン、80…ステアリング電子制御装置、81…リニアソレノイド、82…油圧制御弁、83…弁本体、84…ランド、85…ランド、86…左方シリンダ油路、87…右方シリンダ油路、88…左方油圧室通路、89…右方油圧室通路、90…左方反力油室、91…右方反力油室、92…戻り油路、93…戻り通路、94…油溜室、95…圧縮コイルスプリング、96…孔、97…オイルシール、98…オイルシール、99…オイルシール。

Claims (7)

  1. 油圧ポンプから吐出された圧油が、ロータリサーボバルブを介して油圧パワーシリンダの両シリンダ室のいずれか一方に導かれるとともに、該油圧パワーシリンダの他方のシリンダ室内の油が前記ロータリサーボバルブを介して前記油圧ポンプの吸入口に導かれる油圧式パワーステアリング装置において、
    前記ロータリサーボバルブのバルブハウジング内に設けられ、入力軸に操舵方向と逆向きの反力を与えるための右方反力油室および左方反力油室を有する油圧反力機構と、
    前記バルブハウジングに付設され、車速、舵角等の自動車走行状態に応じて前記油圧反力機構に対する圧油の供給量を制御する油圧制御弁と、
    を備え、
    前記ロータリサーボバルブは、前記入力軸と、その外周に相対的に回転自在に嵌装された入力軸スリーブとを有し、該入力軸スリーブには、前記入力軸の回動に応じて、前記油圧パワーシリンダの前記両シリンダ室を構成する右シリンダ室および左シリンダ室のいずれかに圧油を供給可能に、該右シリンダ室および該左シリンダ室にそれぞれ接続される右方シリンダ通路および左方シリンダ通路が設けられ、
    前記入力軸スリーブの前記右方シリンダ通路および左方シリンダ通路は、前記油圧制御弁を介して、前記油圧反力機構の前記右方反力油室および前記左方反力油室にそれぞれ接続され、それにより、前記入力軸スリーブの前記右方シリンダ通路および左方シリンダ通路の油圧を、油圧反力機構の前記右方反力油室および前記左方反力油室に直接作用させることを特徴とする油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
  2. 前記ロータリサーボバルブは、前記入力軸と、該入力軸に対し同一軸線上に配置された出力軸と、該入力軸および出力軸を相対的に捩り可能に連結するトーションバーと、前記入力軸スリーブと、前記入力軸と入力軸スリーブとを密閉する前記バルブハウジングとよりなることを特徴とする前記請求項1記載の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
  3. 前記油圧反力機構は、
    外周に放射方向へ突出した受圧突片を有し、前記入力軸に一体に結合された受圧ロータと、
    該受圧ロータを囲繞するとともに該受圧ロータの受圧突片の周方向両端面に対し周方向に間隙を存して前記反力油室を構成する凹部を有し、前記出力軸に一体に結合されたロータハウジングと、
    該ロータハウジングより入力軸側に配置されて前記出力軸に一体に結合されたカバー部材と、
    を備え、
    前記バルブハウジングには、前記反力油室と前記油圧制御弁の出口ポートとを連通する油路が形成されたことを特徴とする前記請求項1または請求項2記載の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
  4. 前記油圧制御弁は、前記ロータリサーボバルブより油圧パワーシリンダの高圧側油路と前記油圧反力機構の反力油室とを断続自在に接続することを特徴とする前記請求項3記載の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
  5. 前記油圧制御弁は、ソレノイドにより可変制御されることを特徴とする前記請求項1ないし請求項4いずれか記載の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
  6. 前記油圧制御弁は車速および舵角のいずれか一方または両方に対応して動作することを特徴とする前記請求項1ないし請求項5いずれか記載の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
  7. 前記受圧突片は複数個であることを特徴とする前記請求項3ないし請求項6いずれか記載の油圧式パワーステアリング装置の操舵力制御装置。
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