JP2501937Y2 - 動力舵取装置の操舵力制御装置 - Google Patents

動力舵取装置の操舵力制御装置

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JP2501937Y2
JP2501937Y2 JP401395U JP401395U JP2501937Y2 JP 2501937 Y2 JP2501937 Y2 JP 2501937Y2 JP 401395 U JP401395 U JP 401395U JP 401395 U JP401395 U JP 401395U JP 2501937 Y2 JP2501937 Y2 JP 2501937Y2
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input shaft
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車両の操舵を行う入
力軸の操舵トルクを車両の走行、操舵状態によって変化
する物理量要素を検出し、その物理量変化に対応して最
適な操舵感覚を得るようにした動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般の動力舵取装置には、低速時
には比較的問題ないが高速走行時や大操舵角時などの前
記走行、操舵に伴う物理量要素の増大時の操舵力が軽す
ぎて運転者が不安を抱きやすいという問題点があり、こ
の問題点を解消するために開発された、前記物理量諸要
素に応じて入出力の特性(諸要素と入力軸操舵力との関
係)を変化させる動力舵取装置には、大別して例えば特
公昭54−5571号公報(第1従来例)に開示されて
いるように舵取装置に供給する流体の流量を前記物理量
要素によって制御する方式と、例えば特公昭49−29
653号公報(第2従来例)に開示されているように前
記物理量要素の検出によって形成された反力油圧を直接
隅力などの制御力として入力軸に作用せしめる方式とが
ある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例にあっては、制御機構が比較的簡単で一般の
動力舵取装置にも流用しやすい利点をもつ反面、前記物
理量要素の変化に対して流量を変化させても入力軸の操
舵力は余り大幅に変化しないという問題点があり、第2
従来例にあっては、入出力特性の幅を大きくとれる反面
に外部から反力油圧を導入し、さらに直接制御力に変換
する必要があるために構造が複雑になりやすいという問
題点をもっており、そのうえ高速走行時や前記物理量要
素の増大時には常時操舵力制御のための特別な圧力を入
力軸に加えており圧力変動が激しいので、その分余分に
エネルギを消費し燃料消費の効率化の観点からも問題が
ある。
【0004】そこで、この考案は、上記従来例の問題点
に着目してなされたものであり、構造が比較的簡単で入
出力特性に大幅な変化が得られ、しかも適正な操舵補助
力を常に発生させることが可能で且つ耐久性を向上し得
る動力舵取装置の操舵力制御装置を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この考案では、車両を操舵する入力軸と、該入力軸
に作用される操舵トルクに応じて作動流体によって舵取
部材に対して操舵補助力を発生させる動力装置と、前記
入力軸に作用される操舵トルクに抗する反力を作動流体
によって発生させる操舵反力発生機構と、車両の走行、
操舵状態によって変化する物理量要素を検出する検出手
段とを備え、前記検出手段の検出結果に基づいて前記動
力装置及び操舵反力発生機構への流体供給比率を変化さ
せるようにした動力舵取装置の操舵力制御装置におい
て、一定の流量を供給する供給流路を前記動力装置用流
路及び操舵反力発生装置用流路の2流路に分流するスプ
ール、前記検出手段の検出結果に応じて駆動されるステ
ップモータ及び該ステップモータの回転力を前記スプー
ルを駆動する直線駆動力に変換する変換機構を備えた直
動型スプール弁と、該直動型スプール弁の動力装置用流
路及び操舵反力発生機構用流路に入力側が接続され且つ
前記入力軸及び舵取部材間に介挿され両者の相対変位に
応じて左右の操舵方向に応じた圧力差を生じる左右の動
力装置用作動流体及び操舵反力発生機構用作動流体を個
別に前記動力装置及び操舵反力発生機構に出力するロー
タリ切換弁とを備えたことを特徴とする。
【0006】ここで、ロータリ切換弁としては、直動型
スプール弁の動力装置用流路及び操舵反力発生機構用流
路に入力側が接続され前記入力軸と連動するスプール
と、舵取部材に連結されたアウタースリーブとで構成す
ることが好ましい。また、操舵反力発生機構としては、
供給される操舵反力発生機構用作動流体によって前記入
力軸に操舵方向と逆方向の偶力を作用させる構成とする
ことが好ましい。
【0007】
【作用】この考案では、車両の走行、操舵状態によって
変化する物理量要素を検出手段によって検出し、その検
出値に応じてステップモータを駆動して直動スプール弁
を作動させ、操舵補助力を発生する動力装置及び操舵ト
ルクに抗する反力を発生させる操舵反力発生機構への作
動流体供給比率を変化させる。これにより、操舵感覚を
物理量変化に対応して最適状態に維持する。このとき、
直動スプール弁がステップモータ及びその回転力を直線
駆動力に変換する変換機構によって駆動されるので、ス
プールの駆動力を大きくすることができ、作動流体に混
入したダストがスプール及びハウジングに付着してスプ
ールの移動抵抗が大きい場合であっても確実にスプール
を作動させることができる。
【0008】また、直動スプール弁の動力装置用流路の
出力を操舵入力軸及び舵取部材間の相対変位に応動する
ロータリ切換弁を介して舵取部材に対して操舵補助力を
発生する動力装置に供給し、且つ操舵反力装置用流路の
出力を同様にロータリ切換弁を介して操舵入力軸に対し
て操舵反力を発生させる操舵反力発生装置に供給し、動
力装置による操舵補助力と、操舵反力発生装置による操
舵反力との相対関係を直動スプール弁からの流量比率に
よって変化させる。
【0009】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。図1はこの考案の一実施例を示す全体構成図で
ある。図中、1はステアリングホイールであって、その
中心部に連結された入力軸としてのステアリングシャフ
ト2がコラムチューブ3内を通り、ユニバーサルジョイ
ント6を介して操舵力可変動力舵取装置7に連結されて
いる。
【0010】操舵力可変動力舵取装置7は、図2に示す
ように、直動スプール弁としての可変オリフィス弁8
と、動力装置用兼操舵反力発生装置用ロータリ切換弁9
と、動力装置としてのパワーシリンダ10と、操舵反力
発生機構11とから構成されている。可変オリフィス弁
8は、流路12を介して一定流量を吐出するポンプ13
に連結された入力ポート8a 、タンク14に連結された
ドレンポート8b ,8c 、流量可変の出力ポート8d ,
8e 及び戻りポート8f を夫々形成した有底円筒状のハ
ウジング8g と、このハウジング8g の開口端部に螺着
された蓋体8h と、駆動機構8i によって摺動位置制御
されるスプール8j と、パックラッシュ防止用スプリン
グ8k とから構成されている。
【0011】駆動機構8i は、後述する制御装置15か
らのパルス電流によって回転駆動されるステッピングモ
ータ8lと、その出力軸に減速歯車機構8m を介して連
結された螺軸8n と、この螺軸8n と螺合する前記スプ
ール8j に形成された雌ネジ8o とから構成されてい
る。一方、スプール8j は、それに突設された係合ピン
8p が蓋体8h の内周面に形成された軸方向の係合溝8
q に係合されて軸方向にのみ移動可能に構成されてい
る。
【0012】そして、ステッピングモータ8lの回転に
応じて減速歯車機構8m 、螺軸8n及び雌ネジ8o で構
成される回転−直線変換機構を介してスプール8j が移
動され、図2図示の中立状態では、スプール8j によっ
て入力ポート8a が所定開度を保って出力ポート8d ,
8e の夫々に連通し、且つ戻りポート8f がドレンポー
ト8b に連通されている。
【0013】この状態からステッピングモータ8lを正
転(又は逆転)させるとスプール8j が左動(又は右
動)して入力ポート8a に対する出力ポート8e (又は
8d )の連通面積が増加し、他方の出力ポート8d (又
は8e )の連通面積が減少し、しかも両者の連通面積の
和は常に一定値以上となっている。また、出力ポート8
d の入力ポート8a に対する連通面積が減少すると、こ
れに応じて出力ポート8d とドレンポート8c とが連通
状態となって、出力ポート8d に供給される圧力流体が
ドレンポート8c を通じてタンク14に戻される。
【0014】そして、ステッピングモータ8lは、制御
装置15からのパルス駆動電流によって制御される。こ
の制御装置15には、車両の走行状態の変化による物理
量を検出する検出手段としての、ステアリングホイール
1の操舵角を検出する操舵角センサ16及び車両の車速
を検出する車速センサ17とからの検出信号が供給さ
れ、これらに基づき所定の演算処理を実行して、ステッ
ピングモータ8lのパルス数指令値を算出し、これに応
じてステッピングモータ8lに所定パルス数が出力され
る。
【0015】ここで、制御装置15による制御態様の一
例は、図5に示すような、車速に対する可変オリフィス
弁の連通面積の関係で表される。図5において、実線図
示の曲線は出力ポート8e と入力ポート8a との間で構
成される可変絞りA1 の開口面積を、点線図示の曲線は
出力ポート8d と入力ポート8a との間で構成される可
変絞りA2 の開口面積を、鎖線図示の曲線は出力ポート
8d とドレンポート8c との間で構成される可変絞りA
0 の開口面積を夫々示す。
【0016】動力装置用兼操舵反力発生装置用ロータリ
切換弁9は、円筒状のハウジング9a と、これに内嵌す
るアウタスリーブ9b と、これに回動自在に内嵌され入
力軸20(図3参照)と一体に形成されたロータリスプ
ール9c とを有する。アウタスリーブ9b には、前記可
変オリフィス弁8の出力ポート8d ;8e に夫々接続さ
れる一対の入力ポート9d1,9d2;9e1,9e2が等間隔
を保って形成され、入力ポート9d1;9d2の両側に隣接
して夫々入出力ポート9f1,9g1;9f2,9g2が、入力
ポート9e1;9e2の両側に隣接して夫々流路9h1,9
i1;9h2,9i2が形成されている。
【0017】また、ロータリスプール9c には、アウタ
ースリーブ9b の流路9h1,9i1,9h2,9i2に対向す
る位置に夫々入出力ポート9j1,9k1,9j2,9k2が形
成され、入力ポート9d1,9d2;9e1,9e2に夫々対向
する位置に流体通路9l1〜9l4が形成されていると共
に、入出力ポート間にドレン用流路9m1〜9m4が形成さ
れ、各ドレンポート9m1〜9m4がロータリスプール9c
内の空洞9n を通じて前記可変オリフィス弁8の戻りポ
ート8f に接続されている。ここで、流体通路9l1〜9
l4及びドレン用流路9m1〜9m4の夫々は、図2に図示す
るようにロータリスプール9c が中立位置にある状態
で、それらの両端に対向する入出力ポートと僅かな開口
面積で連通している。
【0018】パワーシリンダ10は、そのピストンロッ
ド10a が例えばラックアンドピニオン式ステアリング
ギヤのラック軸とされ、その両端にステアリングロッド
(図示せず)を介して左右の転舵輪(図示せず)が転舵
可能に連結されている。そして、ピストン10b で画成
される圧力室10c ,10d の一方が、前記ロータリ切
換弁9の入出力ポート9f1,9f2に、他方が9g1,9g2
に夫々接続されている。
【0019】操舵反力機構11は、出力軸としてのピニ
オン軸21の上端部に中心軸を挟んで対称的に円筒状の
空洞部11a ,11b が形成され、これら空洞部11a
,11b の中心位置に夫々プランジャ11c ,11d
が介挿され、これらプランジャ11c ;11d の両端と
ピニオン軸21の外周部に嵌合させた円筒体22との間
に圧力室11e ,11f ;11g ,11h が形成されて
いる。また、ピニオン軸21の中央部に入力軸20の端
部が回動可能に挿入され、その対称位置に形成した係合
突起20a ,20b がプランジャ11c ,11d に形成
された係合凹部11i ,11j 内に係合されている。そ
して、圧力室11e 及び11h が前記ロータリ制御弁9
の入出力ポート9j1,9j2に、圧力室11f 及び11g
が入出力ポート9k1,9k2に夫々接続されている。この
場合、圧力室11e ,11h と入出力ポート9j1,9j2
とは、図3に示すように、ロータリスプール9c の内部
に形成した流路9o 及びアウタースリーブ9b の下端
と、ロータリスリーブ9c の下端とで形成される流路9
p と、プランジャ11c ,11d に夫々形成した流路1
1m とを通じて連通され、同様に圧力室11f ,11g
と入出力ポート9k1,9k2とは、ロータリスプール9c
の内部に形成した流路9q 、アウタースリーブ9b に形
成した流路9r 、ハウジング7a に形成した流路9s
と、ピニオン軸21に形成した流路9t とを通じて連通
されている。
【0020】そして、図3に示すように、入力軸20と
ピニオン軸21との間にトーションバー23が介挿され
ている。このトーションバー23は、入力軸20の軸心
に形成された貫通孔24に内装され、その上端がピン2
5によって入力軸20に連結され、下端がピニオン軸2
1にセレーション結合され、一方、ピニオン軸21がラ
ック軸26に噛合されている。
【0021】なお、トーションバー23の下端部は、入
力軸20の貫通孔24の下端部に嵌着された軸受11l
によって入力軸の下端部と相対的回動可能に支承されて
いる。また、可変オリフィス弁8の出力ポート8d と、
ロータリ切換弁9の入出力ポート9e1及び9e2との間
と、油タンク14との間に、流体圧力調整機構としての
リリーフ弁30が介挿されている。このリリーフ弁30
は、可変オリフィス弁8の出力ポート8d から出力され
る作動流体の圧力を所定圧力(例えば50kgf/cm2 )以
内に抑えることによって、操舵反力発生機構11で発生
する操舵反力が過大となって必要以上に重い操舵感を与
えることを防止すると共に、トーションバー23及びそ
の係止用のピン25を疲労破壊による損傷から保護して
耐久性を向上させる。
【0022】すなわち、ステアリングホイール1を右切
りしたときに、操舵反力発生機構11に作動流体を供給
する場合には、図3に示すように、作動流体がロータリ
切換弁9のアウタースリーブ9b とスプール9c との間
の流路9o ,9p を介して操舵反力発生機構11に供給
するので、作動流体の圧力が高いと(例えば140kgf/
cm2 )、これによりアウタースリーブ9b が上方に押圧
されることになり、このアウタースリーブ9b はスラス
トベアリング9u を介してスプール9c (入力軸20)
に接続されているので、入力軸20には作動流体の圧力
に加えてスラストベアリング9u からの押圧力によって
ピニオン軸21から上方に離間する方向の大きな引張応
力が作用することになり、トーションバー23及びその
係止用のピン25に無理な力がかかり、これらが疲労破
壊して損傷することになる。
【0023】以上の操舵力可変動力装置7の接続関係を
油圧回路図で表すと図4のようになる。図中、27,2
8は方向切換弁であって、方向切換弁27は、ロータリ
切換弁9における入出力ポート9d1,9d2,9f1,9
f2,9g1,9g2に対応しており、方向切換弁28は、入
出力ポート9e1,9e2,9j1,9j2,9k1,9k2に対応
している。
【0024】次に上記実施例の動作について説明する。
今、車両が停車状態にあるものとすると、この状態で
は、車速が零であるので、可変オリフィス弁8のスプー
ル8jがバックラッシュ防止用スプリング8k に抗して
左動した位置に保持される。したがって、可変オリフィ
ス弁7は、図5に示すように、入力ポート8a と入出力
ポート8e との間の連通面積が最大となり、入力ポート
8a と入出力ポート8dとの間の連通面積が零となり、
且つ入出力ポート8d とドレンポート8c との間の連通
面積が最大となっている。
【0025】その結果、ポンプ13から供給される圧力
流体が全て入出力ポート8e に供給されることになり、
これがロータリ切換弁9の入力ポート9d1,9d2に供給
される。このとき、ステアリングホイール1を据切りし
ていない状態では、図2に示すように、ロータリスプー
ル9c が中立位置にあるので、入力ポート9d1,9d2
供給される圧力流体は、流路9j1;9j2から入出力ポー
ト9f1,9g1;9f2,9g2に分流されてパワーシリンダ
10の圧力室10c ;10d に供給されるが、両圧力室
10c ;10d が等圧力になるため、ピストンロッド1
0a は中央位置で停止状態にあり、操舵輪は直進走行位
置に維持される。
【0026】このため、各入出力ポート9f1,9g1;9
f2,9g2に分流した圧力流体は、隣接するドレン用流路
9k1〜9k4に流入し、空洞9lを通じて可変オリフィス
弁8の戻りポート8f を介し、さらにドレンポート8b
を介してタンク14に戻される。また、この停車状態
で、ステアリングホイール1を右方向(又は左方向)に
据切りすると、ステアリングホイール1の操舵力がステ
アリングシャフト2ユニバーサルジョイント5を介して
入力軸20に伝達されるので、ロータリ切換弁9のロー
タリスプール9c が図2でみて時計方向(又は反時計方
向)に回動する。
【0027】このため、入力ポート9d1,9d2と入出力
ポート9g1,9g2(又は9f1,9f2)との間の連通面積
が入力ポート9d1,9d2と入出力ポート9f1,9f2(又
は9g1,9g2)との間の連通面積に比較して大きくなる
ので、パワーシリンダ10の圧力室10d (又は10c
)側の圧力が圧力室10c (又は10d )側に比較し
て高くなり、ピストンロッド10a が右方向(又は左方
向)に移動して、所定の操舵補助力を発生し、据切りを
軽く行うことができる。
【0028】このピストンロッド10a の移動により、
圧力室10c (又は10d )から押し出される流体は、
ロータリ切換弁9の入出力ポート9f1,9f2(又は9
g1,9g2)及びドレン用流路9k3,9k4を通じ、さらに
空洞部9l,可変オリフィス弁8の戻りポート8f ,ド
レンポート8b を通じてタンク14に戻される。そし
て、車両が停車状態から走行を開始して、車速が増加す
ると、これに応じて制御装置15から逆転駆動用の所定
パルス数の駆動電流が出力され、これに応じてステッピ
ングモータ8lが逆転駆動されるので、可変オリフィス
弁8のスプール8j が右動することになり、入力ポート
8a と出力ポート8e との間の連通面積が減少するの
で、パワーシリンダ10に供給される流体圧力も減少し
て操舵補助力が減少し、結局入力軸トルクに対するラッ
ク軸26の推力FR は、図6に示すように車速の増加に
伴って減少し、圧力流体による操舵補助を行わないマニ
ュアルステアリング時のラック軸推力MSに近づく。
【0029】なお、図6において、車速が比較的小さい
範囲において入力軸トルクTHの増加がある値を越える
とラック軸推力FR が僅かに増加する程度になる。この
理由は、供給ポンプ13にリリーフ回路が設けられてい
るため、ある値以上には動力補助が行われないことによ
るものである。一方、可変オリフィス弁8の入力ポート
8a と出力ポート8d との間の連通面積は図5に示す如
く車速の増加に伴って増加し、且つ出力ポート8d とド
レンポート8c との間の連通面積が減少するので、ポン
プ13から供給される圧力流体の一部が出力ポート8d
を介してロータリ切換弁9の入力ポート9e1,9e2に供
給される。このため、ステアリングホイール1を右切り
(又は左切り)すると、ロータリ切換弁9のロータリス
プール9c が時計方向(又は反時計方向)に回動する。
【0030】これに応じて、入出力ポート9i1,9i
2(又は9h1,9h2)側の圧力流体の圧力が入出力ポー
ト9h1,9h2(又は9i1,9i2)側に比較して高くな
り、これが操舵反力機構11の圧力室11e ,11h
(又は11f ,11g )に夫々供給されるので、プラン
ジャ11c ,11d が操舵方向と逆方向の隅力を操舵反
力として入力軸20に作用させることになり、ステアリ
ングホイール1の操舵感が重くなって、急操舵が行われ
ることを防止することができる。
【0031】ここで、車速Vをパラメータとしたパワー
シリンダ10の圧力と操舵反力機構11の圧力との関係
は、図7に示すようになり、可変オリフィス弁8の入力
ポート8a に対する入出力ポート8d ,8e の連通面積
が等しくなる所定車速VM を境にして低車速域ではパワ
ーシリンダ10の圧力が操舵反力発生機構11の圧力に
比較して大きく、高車速域では逆に操舵反力発生機構1
1の圧力がパワーシリンダ10の圧力に比較して大きく
なり、車速に応じて最適な操舵感覚を得ることができ
る。
【0032】このとき、操舵反力発生機構11に供給さ
れる作動流体の圧力は、可変オリフィス弁8の出力ポー
ト8d 及びロータリ切換弁9の入出力ポート9e1,9e2
間と油タンク14との間に介挿されたリリーフ弁30に
よって、所定圧力以内に圧力調整され、操舵反力発生機
構11で入力軸20に過大な軸トルクが発生することを
防止し、これにより、トーションバー23,その係止用
ピン25の疲労破壊による損傷を未然に防止すると共
に、ステアリングホイール1の操舵感覚を適正状態に保
持する。
【0033】以上のようにこの実施例によれば、操舵反
力発生機構11に供給する作動流体の圧力を圧力調整機
構としてのリリーフ弁30で所定圧力以内に調整するよ
うにしているので、操舵反力発生機構11で過大な操舵
反力を発生することを防止し、且つトーションバーやそ
の係止用のピンの損傷を防止すると共に、操舵感覚を適
正状態に保持することができる。
【0034】また、直動スプール弁としての可変オリフ
ィス弁8のスプール8j を、ステッピングモータ8l
と、減速歯車機構と、回転運動を直線運動に変換する変
換機構とからなる駆動機構で駆動するようにしているの
で、スプール8j を移動させるための駆動力を大きくす
ることができ、例えば作動流体に混入したダストがハウ
ジング8i 及びスプール8j 間に付着してスプール8j
の移動が阻害される場合でもスプール8j を確実に移動
させることが可能となり、信頼性を向上させることがで
きる。
【0035】さらに、スプール8j には、螺軸8n と雌
ネジ8m との間のバックラッシュを防止するためにバッ
クラッシュ防止用スプリング8k が介挿されているの
で、移動位置精度を向上させることができる。なお、上
記実施例では、操舵反力発生機構11を2つのプランジ
ャ11c ,11d によってステアリングシャフト2(入
力軸20)に操舵方向と反対方向に隅力を与える場合に
ついて説明したが、何れか一方のプランジャを省略して
他方のプランジャのみによってステアリングシャフト2
に操舵反力を与えることもできる。
【0036】また、上記実施例では、プランジャ11c
,11d でステアリングシャフト2に直接隅力を作用
させて、操舵反力を生じさせるようにした場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、プランジ
ャをラックアンドピニオン等の伝達機構を介してステア
リングシャフト2に連結するようにしても良い。
【0037】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、操舵補助力を発生する動力装置及び操舵トルクに抗
する反力を発生させる操舵反力発生装置への作動流体供
給比率を変化させる直動スプール弁のスプールをステッ
プモータ及びその回転力を直線駆動力に変換する変換機
構によって駆動するので、スプールの駆動力を大きくす
ることができ、作動流体に混入したダストがスプール及
びハウジング間に付着してスプールの移動抵抗が大きい
場合であっても確実にスプールを移動させることが可能
となり、信頼性を向上させることができる。また、動力
装置及び操舵反力発生機構に供給する動力装置用作動流
体及び操舵反力発生機構用作動流体を入力軸及び舵取部
材間に介挿した共通のロータリ切換弁で個別に制御する
ようにしているので、ロータリ切換弁を入力軸と同軸的
に配置することができ、全体の構成を簡易小型化するこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の概略構成を示す構成図。
【図2】操舵力可変動力舵取装置のシステム概要を、可
変オリフィス弁、図3のII−II線上の断面でなるロータ
リ切換弁及び図3のIII −III 線上の断面でなる操舵反
力発生機構の接続関係と共に示す説明図。
【図3】操舵力可変動力舵取装置の縦断面図。
【図4】操舵力可変動力舵取装置の油圧回路図。
【図5】車速と可変オリフィス弁の各部の連通面積との
関係を示すグラフ。
【図6】車速をパラメータとして入力軸トルクとラック
軸推力との関係を示すグラフ。
【図7】車速をパラメータとしてパワーシリンダ圧力と
操舵反力発生機構の圧力との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト(入力軸) 7 操舵力可変動力舵取装置 8 可変オリフィス弁(直動スプール弁) 8i 駆動機構 8j スプール 8l ステッピングモータ 9 動力装置用兼操舵反力発生機構用ロータリ切換弁 10 パワーシリンダ(動力装置) 11 操舵反力発生機構

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を操舵する入力軸と、該入力軸に作
    用される操舵トルクに応じて作動流体によって舵取部材
    に対して操舵補助力を発生させる動力装置と、前記入力
    軸に作用される操舵トルクに抗する反力を作動流体によ
    って発生させる操舵反力発生機構と、車両の走行、操舵
    状態によって変化する物理量要素を検出する検出手段と
    を備え、前記検出手段の検出結果に基づいて前記動力装
    置及び操舵反力発生機構への流体供給比率を変化させる
    ようにした動力舵取装置の操舵力制御装置において、一
    定の流量を供給する供給流路を前記動力装置用流路及び
    操舵反力発生装置用流路の2流路に分流するスプール、
    前記検出手段の検出結果に応じて駆動されるステップモ
    ータ及び該ステップモータの回転力を前記スプールを駆
    動する直線駆動力に変換する変換機構を備えた直動型ス
    プール弁と、該直動型スプール弁の動力装置用流路及び
    操舵反力発生機構用流路に入力側が接続され且つ前記入
    力軸及び舵取部材間に介挿され両者の相対変位に応じて
    左右の操舵方向に応じた圧力差を生じる左右の動力装置
    用作動流体及び操舵反力発生機構用作動流体を個別に前
    記動力装置及び操舵反力発生機構に出力するロータリ切
    換弁とを備えたことを特徴とする動力舵取装置の操舵力
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ロータリ切換弁は、直動型スプール
    弁の動力装置用流路及び操舵反力発生機構用流路に入力
    側が接続され前記入力軸と連動するスプールと、舵取部
    材に連結されたアウタースリーブとで構成されている請
    求項1記載の動力舵取装置の操舵力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記操舵反力発生機構は、供給される操
    舵反力発生機構用作動流体によって前記入力軸に操舵方
    向と逆方向の偶力を作用させる構成を有することを特徴
    とする動力舵取装置の操舵力制御装置。
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