JPH10249193A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂及びその製造方法

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JPH10249193A
JPH10249193A JP414998A JP414998A JPH10249193A JP H10249193 A JPH10249193 A JP H10249193A JP 414998 A JP414998 A JP 414998A JP 414998 A JP414998 A JP 414998A JP H10249193 A JPH10249193 A JP H10249193A
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acrylonitrile
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靖史 稲垣
Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Tsutomu Noguchi
勉 野口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性に優れた吸水性樹脂及びその製造方法
を提供する。また、使用済みの廃材を原料とすることに
より、資源の有効利用を図る。 【解決手段】 無機顔料及び/又は金属粉顔料とアクリ
ロニトリルとを含有する高分子材料をアルカリ及び/又
は酸処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリロニトリル
を含有する高分子材料を改質することにより得られる吸
水性樹脂、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルを含有する樹脂として
は、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂)、SAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル
樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−ス
チレン樹脂)等に代表されるポリスチレン系樹脂と、N
BRゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)の合成
ゴムとが挙げられる。これらの樹脂は、比較的安価であ
り、特に、前者のポリスチレン系樹脂は、剛性、寸法安
定性、加工性等の特性に優れるため、各種用途のカバー
やケース、電化製品や自動車の筐体及び各種部品材料等
の樹脂材料として多用されている。また、後者の合成ゴ
ムは、チューブやホース、各種緩衝材として多用されて
いる。
【0003】このような状況の中で、これら高分子材料
は、さらなる用途拡大が期待されており、より付加価値
の高いものへの改質に関する検討が望まれている。
【0004】また、上述のような高分子材料が用いられ
た製品は、生産量の増加に伴い、廃材として大量に発生
してしまう。近年では、これら高分子材料からなる廃材
の発生量も増加する傾向があり、地球環境保全の関心の
高まりから、廃材の有効利用についてのニーズも高まっ
てきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高分子材料
からなる廃材は、一般に大きく分けて、埋め立て、焼
却、再溶融の3種類の手法にて処理されている。この中
でも、国内では、埋め立てと焼却が全体の約90%を占
め、ほとんどリサイクルされていないのが現状である。
【0006】廃材のリサイクルとしては、一般に、加熱
溶融し再成形する(但し、熱可塑性樹脂のみ)すること
が行われている。しかしながら、熱による品質の劣化
(分子量低下、樹脂の酸化等)や、ゴミ等の異物の混
入、または種々の着色剤、補強剤となる無機顔料、金属
粉顔料を含有した樹脂が混入することにより色合わせが
必要になる等、多くの問題があった。このように、廃材
を加熱溶融によりリサイクルする場合、処理技術や処理
コストが大きな障害となっていた。
【0007】そこで、本発明は、アクリロニトリルを含
有する高分子材料を改質することにより、吸水性に優れ
た吸水性樹脂及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】さらに、本発明は、高分子材料をとして、
廃材を有効に利用することができる吸水性樹脂、及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
目的を達成せんものと鋭意検討した結果、アクリロニト
リルを含有する高分子材料の改質に、無機顔料や金属粉
顔料が有効に作用する化学的処理を見いだし、本発明を
完成させるに至った。
【0010】すなわち、上述の目的を達成した本発明に
係る吸水性樹脂は、無機顔料及び/又は金属粉とアクリ
ロニトリルとを含有する高分子材料に、イオン基が導入
されてなることを特徴とする。
【0011】上記高分子材料は、構成ユニットとして、
アクリロニトリルユニットを含有するため、イオン基が
導入されても水溶性を示すことがない。アクリロニトリ
ルユニットを含有する高分子材料は、イオン基の導入の
際に同アクリロニトリルのニトリル部分が加水分解され
ることにより、改質物が吸水性を示すことになる。
【0012】アクリロニトリルユニットの含有量は、5
〜80モル%である。
【0013】このアクリロニトリルの含有量が少なすぎ
ると、吸水効果が低下するとともに、イオン基の導入後
得られる吸水性樹脂が水溶性を示すことになり、吸水性
樹脂として使用することが不可能となってしまう。一
方、アクリロニトリルの含有量が多すぎると、高分子材
料自体が堅くなるために、粉砕し難くなり、改質反応が
困難になったりする。また、アクリロニトリルの含有量
が多すぎると、他の構成ユニットであるスチレンや共役
ジエンの含有量が少なくなるために、溶媒やスルホン化
剤等の酸に対して膨潤し難くなり、イオン基の導入が難
しくなる。このため、吸水樹脂として実用上の必要条件
となる電解質水溶液に対する吸水効果が低下してしま
う。
【0014】上記高分子材料のアクリロニトリル以外の
構成ユニットとしては、スチレン、共役ジエン(ブタジ
エン、イソプレン)が挙げられる。これらの構成ユニッ
トは、イオン基導入(酸処理又はアルカリ処理を行う)
際に、イオン基(酸性基又はアルカリ基)を導入し、吸
水性を向上させる。
【0015】また、無機顔料及び/又は金属粉顔料を含
有する高分子材料は、改質反応の際に同顔料が同材料表
面からはずれ易くなり、ポーラス状の表面が発生し反応
表面積が増加することから、改質反応が促進される。引
き続いて、このポーラス状の表面は、改質反応が活発化
することで軟化状態となる。そのため、さらに深部に存
在する顔料までが同材料から脱離されることになり、改
質反応はより加速化されることになる。
【0016】このような理由により、顔料を含有する高
分子材料は、改質反応の促進が図られ、改質後の高分子
材料の表面は、深部までがポーラスな状態となる。した
がって、この高分子材料から得られる吸水性樹脂は、吸
水面積が多くなることから、吸水倍率、吸収速度の点か
ら飛躍的に向上する。
【0017】上述した無機顔料及び/又は金属粉顔料の
含有量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.05
〜10重量%である。
【0018】顔料の含有量が少なすぎると、高分子材料
の改質反応に対する促進効果が低くなる。一方、顔料の
含有量が多くなりすぎると、経済的に不利になったり、
改質反応のコントロールが困難になる。
【0019】上記高分子材料は、上述した無機顔料及び
/又は金属粉が予め添加されている、特定の用途を目的
として成型された使用済み樹脂からなる廃材であっても
よい。高分子材料として廃材を用いることは、環境保護
の観点から非常に有効である。
【0020】一方、本発明に係る吸水性樹脂の製造方法
は、無機顔料及び/又は金属粉顔料とアクリロニトリル
とを含有する高分子材料に、イオン基を導入することを
特徴とする。
【0021】上記イオン基の導入量は、高分子材料に対
して5〜95モル%である。
【0022】上記イオン基の導入は、アルカリ及び/又
は酸処理によるとよい。
【0023】アルカリと高分子材料とを反応させること
により、アクリロニトリル部と共役ジエン部は、加水分
解を受けることになり、それぞれアミド基や水酸基が導
入されることになる。さらに、アルカリを加えることに
より、アミド基はカルボキシル基やその塩、また水酸基
は水酸塩に置換されることになる。
【0024】また、酸と高分子材料とを反応させること
により、アクリロニトリル部は加水分解を受け、アミド
基やカルボキシル基が導入される。一方、スチレン部や
共役ジエン部には、スルホン酸基や−PO(OH)2
−CH2PO(OH)2、ニトロ基等のイオン基が導入さ
れることになる。
【0025】上記酸処理に際しては、例えば、上記高分
子材料をスルホン化剤中に分散させ、スルホン酸基の導
入を行うとよい。具体的には、酸処理に際しては、先
ず、濃硫酸又はクロルスルホン酸のいずれか一方を添加
し、次に、無水硫酸又は発煙硫酸のいずれか一方を添加
するとよい。
【0026】なお、上述した改質処理は、アルカリ又は
酸中で行ってもよいが、高分子材料を溶媒中に分散させ
てイオン基の導入を行ってもよい。
【0027】また、上記アルカリ及び/又は酸処理にお
いては、3.5メッシュ以上のメッシュサイズを通過す
る高分子材料を用いることが好ましい。高分子材料の表
面積を増大させることにより、改質処理される部分が増
大し、高分子材料に対するイオン基の導入率が向上す
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について詳細に説明する。
【0029】本発明の吸水性樹脂は、無機顔料及び/又
は金属粉顔料とアクリロニトリルとを含有する高分子材
料に、イオン基が導入されてなるものである。
【0030】上記高分子材料は、構成ユニットとして、
アクリロニトリルユニットを含有するため、イオン基が
導入されても水溶性を示すことがない。アクリロニトリ
ルユニットを含有する高分子材料は、イオン基の導入の
際に同アクリロニトリルのニトリル部分が加水分解され
ることにより、改質物が吸水性を示すことになる。
【0031】アクリロニトリルユニットの含有量は、5
〜80モル%、好ましくは10〜60モル%、より好ま
しくは20〜50%である。
【0032】このアクリロニトリルの含有量が少なすぎ
ると、吸水効果が低下するとともに、イオン基の導入後
得られる吸水性樹脂が水溶性を示すことになり、吸水性
樹脂として使用することが不可能となってしまう。
【0033】一方、アクリロニトリルの含有量が多すぎ
ると、高分子材料自体が堅くなるために、粉砕し難くな
り、改質反応が困難になったりする。また、アクリロニ
トリルの含有量が多すぎると、他の構成ユニットである
スチレンや共役ジエンの含有量が少なくなるために、溶
媒やスルホン化剤等の酸に対して膨潤し難くなり、イオ
ン基の導入が難しくなる。このため、吸水樹脂として実
用上の必要条件となる電解質水溶液に対する吸水効果が
低下してしまう。
【0034】また、上記高分子材料のアクリロニトリル
以外の構成ユニットとしては、スチレン、共役ジエン
(ブタジエン、イソプレン)が挙げられる。これらの構
成ユニットは、イオン基導入(酸処理又はアルカリ処理
を行う)際に、イオン基(酸性基又はアルカリ基)を導
入し、吸水性を向上させる。
【0035】アクリロニトリル以外の構成ユニットの含
有量としては、スチレン、共役ジエンの少なくとも1種
類以上を5〜95モル%以上、好ましくは20〜95重
量%、より好ましくは40〜85モル%、より好ましく
は50〜80モル%である。
【0036】また、上記高分子材料は、アクリロニトリ
ルの他に、スチレン、共役ジエンが含有されていれば、
さらに、別の構成ユニットが含有されていてもよい。こ
れら他の構成ユニットとしては、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、α−メチルスチレン、(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステ
ル(炭素数:1〜10の飽和及び不飽和炭化水素 )、
酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ビニルピロリドン、ビニルピリジン等が挙げられ
る。
【0037】また、上記アクリロニトリルを含有した廃
材の重量平均分子量(Mw)としては、1000〜20
000000、さらには、10000〜1000000
が一般的である。分子量が1000より小さい場合に
は、改質処理をした際に水溶性を示すことになり、所望
の吸水性樹脂が得られない。一方、分子量が20000
000より大きい場合には、改質処理が難しくなる。た
だし、高分子材料が廃材である場合には、樹脂間に架橋
が形成されている場合があるため、特に分子量に限定さ
れない。
【0038】具体的に本発明に用いられるアクリロニト
リルを含有する高分子材料としては、ABS樹脂(アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、SAN樹
脂(スチレン−アクリロニトリル樹脂)、ASA樹脂
(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂)、
ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−
スチレン樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アク
リル−スチレン樹脂)、NBR(アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム)等が挙げられる。
【0039】なお、上述した高分子材料は、新たに製造
されたバージン材であってもよいし、樹脂原料や成形品
の生産過程での排出品(半端品)、電化製品や自動車等
に使用された筐体等の各種部品材料、チューブやホース
等の各種緩衝材等の、ある特定の用途を目的として成型
された使用済みの樹脂である廃材であってもよい。排出
場所としては、工場、販売店、過程等のいずれであって
もよいが、家庭からの一般廃棄物より工場や販売店等か
ら回収されたものの方が、比較的組成がそろったものが
多いためより好ましい。
【0040】また、この高分子材料は、他の樹脂とのア
ロイ物であっても良く、顔染料や安定剤、難燃剤、可塑
剤、充填剤、その他補助剤等の添加剤を含んでいる廃材
であってもよい。又は、使用樹脂である廃材とバージン
材との混合物であってもよい。
【0041】上述した高分子材料は、本発明の改質処理
を阻害しない樹脂であれば、他の異なる樹脂が混合され
いてもよい。例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロ
ン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。なお、
これら他の異なる樹脂は、全体の高分子材料に対して6
0重量%以下に混合されることが望ましい。他の異なる
樹脂の含有量が60重量%を越えると、廃材へのイオン
基の導入反応が阻害される虞がある。
【0042】次に、本発明の高分子樹脂は、無機顔料及
び/又は金属粉顔料を含有することを特徴とする。
【0043】無機顔料及び/又は金属粉顔料を含有する
高分子材料は、改質反応の際に同顔料が同材料表面から
はずれ易くなり、ポーラス状の表面が発生し反応表面積
が増加することから、改質反応が促進される。引き続い
て、このポーラス状の表面は、改質反応が活発化するこ
とで軟化状態となる。そのため、さらに深部に存在する
顔料までが同材料から脱離されることになり、改質反応
はより加速化されることになる。
【0044】以上の理由により、顔料を含有する高分子
材料は、改質反応の促進が図られ、改質後の高分子材料
の表面は、深部までがポーラスな状態となる。したがっ
て、この高分子材料から得られる吸水性樹脂は、吸水面
積が多くなることから、吸水倍率、吸収速度の点から飛
躍的に向上する。
【0045】上述した無機顔料及び/又は金属粉顔料の
含有量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.05
〜10重量%である。
【0046】顔料の含有量が少なすぎると、高分子材料
の改質反応に対する促進効果が低くなる。一方、顔料の
含有量が多くなりすぎると、経済的に不利になったり、
改質反応のコントロールが困難になる。
【0047】これら無機顔料及び金属粉顔料としては、
上述した高分子材料に対して分散性の良好であるものが
好ましく、カーボンブラック、鉄黒、酸化チタン、亜鉛
華、ベンガラ、群青、紺青、コバルトブルー、リトポ
ン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、黄色酸化鉄、アンバ
ー、シエンナー、オーカー、ビリジアン、アルミニウム
粉、真鍮粉、ブロンズ粉等が挙げられる。特に、カーボ
ンブラック、酸化チタンが好ましい。
【0048】カーボンブラックは、チャンネル法、ファ
ーネス法、サーメル法のいずれの方法によって製造され
たものでもよく、それぞれの単独又は複数の併用で用い
てもよい。なお、平均粒子径としては、5〜500μ
m、好ましくは10〜50μmである。
【0049】酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、
長微粒子チタンのいずれのタイプでもよく、それぞれの
単独又は複数の併用で用いてもよい。なお、平均粒子径
としては、0.01〜50μmであり、好ましくは0.
05〜10μmである。
【0050】これら無機顔料や金属粉顔料は、高分子材
料中に単独で含有されていてもよいし、2種類以上混合
して含有されていてもよい。
【0051】また、これら無機顔料や金属粉顔料は、吸
水性樹脂を製造することを目的として、上述した高分子
材料に添加してもよいし、着色剤、隠ぺい剤、補強剤、
電気伝導性付与剤として他の目的で添加されたものであ
ってもよいし、両方の目的であってもよい。
【0052】本発明は、上述したように、原料となる高
分子材料に、汎用性材料として大量に生産されたポリス
チレン系樹脂製品やニトリルゴム製品等のような、予め
顔料が添加されてなる廃材を使用することができること
から、これら廃材の再利用法として非常に有効である。
したがって、環境保護の観点からは、高分子材料に使用
済みの樹脂からなる廃材を用いるとよい。
【0053】ところで、導入されるイオン基としては、
スルホン酸、スルホン酸塩、カルボキシル基(カルボン
酸基)、カルボン酸塩、−PO(OH)2、−PO(O
H)2塩、−CH2PO(OH)2、−CH2PO(OH)
2塩、−NO2、クロロメチル化アミン基、クロロメチル
化アミン塩が挙げられる。このなかでも、スルホン酸、
スルホン酸塩、カルボン酸塩、クロロメチル化アミン塩
が好ましい。これらイオン基は、単独であっても、2種
類以上導入されていてもよい。
【0054】このように、無機顔料及び/又は金属粉
と、アクリロニトリルとを含有する高分子材料にイオン
基が導入された吸水性樹脂は、同顔料により改質反応が
促進され、吸水性に優れた吸水性樹脂となる。
【0055】なお、このイオン基の導入量は、全ユニッ
トに対して、5〜95モル%、好ましくは10〜70モ
ル%である。
【0056】イオン基の導入量が多すぎると、高分子材
料の改質物が水溶性を示してしまい、吸水性樹脂として
使用できなくなってしまう。一方、イオン基の導入量が
少ないと、吸水効果が低下してしまい、特に電解質水溶
液に対する吸水性効果が低下してしまう。
【0057】以下、上述した無機顔料及び/又は金属顔
料とアクリロニトリルとを含有する高分子材料にイオン
基を導入する、吸水性樹脂の製造方法について説明す
る。
【0058】本発明を適用した吸水性樹脂の製造方法
は、無機顔料及び/又は金属顔料とアクリロニトリルと
を含有する高分子材料に、アルカリ処理及び/又は酸処
理することによりイオン基を導入し、吸水性樹脂への改
質を行うものである。
【0059】アルカリ処理及び/又は酸処理に際して、
高分子材料中のアクリロニトリルには、アミド基やカル
ボキシル基若しくはその塩の置換基等のイオン基が導入
される。一方、スチレン部には、スルホン酸基等のイオ
ン基が導入され、共役ジエン部には、水酸基若しくはそ
の塩の置換基やスルホン酸基等のイオン基が導入され
る。
【0060】アルカリ処理に用いられるアルカリとして
は、無機アルカリが好ましい。無機アルカリとしては、
アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カリウム等)
や、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)
の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、硫
酸塩、リン酸餌過度の化合物及び水溶液が挙げられる。
【0061】上述したアルカリと高分子材料とを反応さ
せることにより、アクリロニトリル部と共役ジエン部
は、加水分解を受けることになり、それぞれアミド基や
水酸基が導入されることになる。さらに、アルカリを加
えることにより、アミド基はカルボキシル基やその塩、
また水酸基は水酸塩に置換されることになる。
【0062】酸処理に用いられる酸としては、無機酸が
好ましい。無機酸としては、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫
酸、クロルスルホン酸等のスルホン化剤や、硝酸、発煙
硝酸、燐酸、塩化燐、酸化燐等が挙げられる。これらの
中では、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン
酸が好ましく、特に70重量%以上の濃硫酸が好まし
い。
【0063】上述した無機酸と高分子材料とを反応させ
ることにより、アクリロニトリル部は加水分解を受け、
アミド基やカルボキシル基が導入される。一方、スチレ
ン部や共役ジエン部には、スルホン酸基や−PO(O
H)2、−CH2PO(OH)2、ニトロ基等のイオン基
が導入されることになる。
【0064】なお、上述した酸処理において、スルホン
化剤を用いる場合、ルイス塩基を併用してもよい。この
ルイス塩基としては、アルキルフォスフェート(トリエ
チルフォスフェート、トリメチルフォスフェート)、ジ
オキサン、無水酢酸、酢酸エチル、パルミチン酸エチ
ル、ジエチルエーテル、チオキサン等が挙げられる。こ
の酸処理において、併用されるルイス塩基の添加量は、
高分子材料中のモノマーユニット全体に対して1〜20
0モル%とされ、好ましくは、2〜100モル%とされ
る。この酸処理において、ルイス塩基の添加量が上述し
た範囲より少ないと、反応中にゲル化物が発生し易くな
り好ましくない。また、ルイス塩基の添加量が上述した
範囲より多いと、スルホン化反応が進行し難くなってし
まい好ましくない。
【0065】上述したアルカリ及び/又は酸の仕込量と
しては、アルカリ又は酸の濃度に大きく影響を受ける
が、概ね高分子材料の重量に対して、1〜500倍、好
ましくは5〜200倍である。
【0066】アルカリ及び/又は酸の仕込量が少なすぎ
ると、スチレンや共役ジエンへのイオン基の導入率及び
アクリロニトリルの加水分解率が低下することになり、
吸水性樹脂としての性能(吸水性)が低下してしまう。
一方、アルカリ及び/又は酸の仕込量が多すぎると、過
剰分のアルカリや酸を水洗及び中和することが必要にな
り、経済的にも作業的にも不利になる。
【0067】これらアルカリや酸は、それぞれ単独で使
用してもよいし、2種類以上で併用してもよい。併用す
る場合は、混合してもよいし(ただし、アルカリと酸は
混合して使用しない)、逐次添加してもよい。例えば、
酸処理を行った後で、アルカリ処理してもよいし、アル
カリ処理を行った後で、酸処理してもよいし、濃硫酸で
処理した後に、無水硫酸で処理(酸処理→酸処理)して
もよい。
【0068】ここで、具体的に、アルカリ処理及び/又
は酸処理は、以下のように行われる。
【0069】(1)先ず、高分子材料に対して濃硫酸又
はクロルスルホン酸のいずれか一方を添加し、次に、無
水硫酸又は発煙硫酸のいずれか一方を添加することが好
ましい。この手法では、先ず、濃硫酸又はクロルスルホ
ン酸のいずれか一方が添加されることによって、高分子
材料中のスチレンや共役ジエン部にスルホン酸基が導入
される。そして、次に、無水硫酸又は発煙硫酸のいずれ
か一方が添加されることによって、同高分子材料がスル
ホン架橋されることとなる。このため、この手法によれ
ば、架橋度の高い吸水性樹脂を得ることができる。した
がって、この手法によれば、水系で優れた形状安定性を
有する機能性樹脂を得ることができる。
【0070】(2)先ず、溶媒中でスルホン化剤(無水
硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、濃硫酸等)と高分
子材料とを反応させることによって、高分子材料中にス
ルホン酸基を導入することができる。または、溶媒中に
n−ブチルリチウムを添加し、さらにドライアイスと反
応させることによって、高分子材料中にカルボキシル基
を導入することができる。または、溶媒中に三塩化燐を
添加し、さらに加水分解することによって、高分子材料
中に−PO(OH)2基を導入することができる。
【0071】(3)ポリスチレン系樹脂廃材について
は、クロロメチルエーテルとルイス酸とによりクロロメ
チル化し、さらにアンモニアや各種アミン化合物と反応
させることによって、樹脂に3級又は4級アミン塩をイ
オン基として導入することができる。または、ポリスチ
レン系樹脂廃材をクロロメチル化物と三塩化燐と反応さ
せ、さらに加水分解することによって、ポリスチレン系
樹脂廃材に−PO(OH)2基を導入することができ
る。
【0072】さらに、上述した改質処理は、アルカリや
酸中で行ってもよいが、有機溶媒を用いた系で行っても
よい。
【0073】反応系に用いられる溶媒としては、炭素数
1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素(好ましくは1,2
−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,1−ジクロロエタン)、脂肪族環状炭化水素(好ま
しくは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シク
ロペンタン)、ニトロメタン、ニトロベンゼン、二酸化
イオウ、炭素数1〜7のパラフィン系炭化水素、アセト
ニトリル、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトン、メ
チルエチルケトン、チオフェン等が挙げられる。好まし
くは、炭素数1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素、脂肪
族環状炭化水素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、二酸
化イオウである。これら溶媒は、そのもの単体で用いて
もよいし、複数混合して用いてもよい。上述した溶媒内
での混合比率は、特に限定されない。
【0074】これら有機溶媒の添加量は、高分子材料重
量に対して約200倍未満であることが好ましい。有機
溶媒の添加量がこの範囲より多い場合には、改質処理の
反応率が低くなるとともに、経済的にも不利である。
【0075】なお、上記改質処理に一度使用したアルカ
リ、酸、及び有機溶媒は、反応終了後回収してそのま
ま、又は抜き取りや蒸留等の手法により回収して再度反
応に使用してもよい。
【0076】ところで、上述したようなアルカリ処理及
び/又は酸処理においては、原料となる高分子材料の粒
径を細かしておくことが好ましい。高分子材料の表面積
を増加させることにより、改質処理される部分を増加さ
せることになり、高分子材料に対するイオン基の導入率
を向上させることができる。
【0077】このように高分子材料の粒径を細かくする
ためには、高分子材料の塊を粉砕機等により粉砕し、こ
の粉砕物を振るい分けするといった手法が挙げられる。
高分子材料に廃材を用いる場合には、ゴム成分が含有さ
れていることがあるため、低温で廃材を凍結させた後に
粉砕処理を行うことが好ましい。
【0078】また、ポリスチレン系樹脂等のような高分
子材料をの粒径を細かくするためには、高分子材料を加
熱溶融し、加熱溶融した高分子材料を微小な粒子状にす
るといった手法を用いることもできる。
【0079】具体的に本発明において、イオン基の導入
率を向上させるためには、高分子材料の小片サイズを
3.5メッシュ以上のメッシュを通過するサイズとする
ことが好ましい。高分子材料の小片サイズがこれより大
きくなると、被反応物の表面積が小さくなり改質処理さ
れにくくなるため、反応時間がかかり実用的でにととも
に、吸水性樹脂として性能(吸水性)が大幅に低下する
ことになる。
【0080】なお、上述した高分子材料へのイオン基の
導入反応では、イオン基を導入する際に、反応系に分散
剤を添加してもよい。これによって、高分子材料は、反
応系において良好に分散することとなり、イオン基の導
入率が向上したものとなる。
【0081】さらに、上述した改質処理の反応温度は、
アルカリや酸の種類、有機溶媒の使用の有無で大きく異
なるが、0〜200℃とされ、好ましくは、30〜15
0℃とされる。温度が低くすぎると、反応速度が遅くな
り実用的でないとともに、イオン基の導入率が低下して
良好な吸水効果が得られなくなる。一方、温度が高すぎ
ると、熱分解により高分子材料の分子鎖が切断されやす
くなり、樹脂が水溶性を示してしまい、吸水性樹脂とし
て使用できなくなる。
【0082】また、反応時間は、反応温度によって大き
く異なるが、概ね1分〜80時間とされ、好ましくは、
5分〜20時間とされる。反応時間が短すぎると、反応
が十分に進行しない。一方、反応時間が長すぎると、生
産効率が悪くなってしまう。
【0083】以上、アルカリ処理や酸処理によりイオン
基が導入された反応物は、反応系全体を多量の水で洗浄
するか、逆性の水溶液で中和するとよい。または同反応
系から同反応物をまずフィルター等で濾過し、これを多
量の水や逆性の水溶液に投入して洗浄してもよい。洗浄
された反応物は、アクリロニトリル基の一部が加水分解
されてアクリルアミドとなり、さらに親水性が向上す
る。
【0084】以上のようにして得られた改質物は、ゲル
状であるために、天日、加熱、減圧、遠心及びプレス等
の乾燥処理が施され、所望の吸水性樹脂となる。
【0085】本発明では、上述した処理方法により、無
機顔料及び/又は金属粉顔料とアクリロニトリルとを含
有する高分子材料から、吸水性樹脂を得ることができ
る。この吸水性樹脂は、大きな吸水表面を有し、且つス
ルホン酸基等の強酸のイオン基と吸水性に優れるアミド
基や水酸基とを有しているため、高い吸水倍率と吸水速
度を有すると共に、単に水だけではなく電解質水溶液に
対しても高い吸水効果を示す。
【0086】このようにして得られた吸水性樹脂は、紙
おむつや生理用品等の衛生材料、土に保水性を持たせる
ことを目的とした土建、農林、園芸用材料(砂漠等の緑
化用)、芳香剤を長期持続させるための保香剤、有機無
機物質からの脱水剤、消化用薬剤、シーリング剤、パッ
キング剤、結露防止剤、静電防止剤、コーティング剤、
乾燥剤、水処理等の種々の用途に使用することができ
る。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明が本実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。
【0088】実施例1 化成品のABS樹脂(構成ユニットとして、スチレンユ
ニットを52モル%、アクリロニトリルユニットを29
モル%、ブタジエンユニットを19モル%含有。無機顔
料として、カーボンブラックを1重量%含有。)を冷凍
粉砕し、16〜65メッシュの粉砕物とした。そして、
この粉砕物:3gを、89重量%の濃硫酸:90g中に
加え、80℃で20分間反応させた。反応終了後、反応
系中の固形物をグラスフィルターで濾過し、水洗の後、
循風乾燥機にて115℃で2時間乾燥した。これによ
り、黒色の吸水性樹脂(実施例1)が得られた。
【0089】この吸水性樹脂(実施例1)中のスルホン
酸基は、全モノマーユニットの42モル%であった。
【0090】実施例2 使用済み8mmカセットテープのガードパネル(透明部
分)(SAN樹脂廃材;構成ユニットとして、スチレン
ユニットを64モル%、アクリロニトリルユニットを3
6モル%を含有。無機顔料は含有せず。)を粉砕し、1
6〜65メッシュの粉砕物とした。そして、この粉砕物
に対して酸化チタン粉末を2重量%添加し、小型エクス
トルーダー(250℃)にて混練を行った。
【0091】次に、この粉砕物:3gを、96重量%の
濃硫酸:90g中に加え、60℃で60分間反応させ
た。その後、室温まで冷却し、60重量%の発煙硫酸:
0.5gを追加添加し、さらに30分間反応させた。反
応終了後、反応系中の固形物をグラスフィルターで濾過
し、水洗の後、乾燥機にて2時間乾燥した。これによ
り、淡黄色の吸水性樹脂(実施例2)が得られた。
【0092】この吸水性樹脂(実施例2)中のスルホン
酸基は、全モノマーユニットの51モル%であった。
【0093】実施例3 使用済みのパソコンの筐体(ABS樹脂廃材;構成ユニ
ットとして、スチレンユニットを45モル%、アクリロ
ニトリルユニットを36モル%、ブタジエンユニットを
19モル%含有。無機顔料として、カーボンブラックを
1重量%含有。)を原料とする以外は、実施例1と同様
の処理を行った。これにより、黒色の吸水性樹脂(実施
例3)が得られた。
【0094】この吸水性樹脂(実施例3)中のスルホン
酸基は、全モノマーユニットの38モル%であった。
【0095】実施例4 実施例1と同じ原料となるABS樹脂の粉砕物を、7重
量%の水酸化ナトリウム水溶液に加え、98℃で2時間
反応させた。反応終了後、反応系中の固形物を濾過し、
水洗の後、乾燥器にて2時間乾燥させた。これにより、
黒色の吸水性樹脂(実施例4)が得られた。
【0096】この吸水性樹脂(実施例4)中のカルボン
酸ソーダ基は、全モノマーユニットの34モル%であっ
た。
【0097】比較例1 実施例1と同じ樹脂組成をもち、顔料(カーボンブラッ
ク)を全く含まない化成品のABS樹脂(ナチュラルタ
イプ)を冷凍粉砕し、16〜65メッシュの粉砕物とし
た。この粉砕物を実施例1と同様の方法で処理を行い、
淡橙色の吸水性樹脂(比較例1)を得た。
【0098】この吸水性樹脂(比較例1)中のスルホン
酸基は、全モノマーユニットの27モル%であった。
【0099】比較例2 酸化チタンを添加しない以外は、実施例2と同様の方法
で処理を行い、透明の吸水性樹脂(比較例2)を得た。
【0100】この吸水性樹脂(比較例2)中のスルホン
酸基は、全モノマーユニットの33モル%であった。
【0101】比較例3 実施例1と同じ樹脂組成をもち、顔料(カーボンブラッ
ク)を全く含まない化成品のABS樹脂(ナチュラルタ
イプ)を冷凍粉砕し、16〜65メッシュの粉砕物とし
た。この粉砕物を実施例4と同様の方法で処理を行い、
黄色の吸水性樹脂(比較例3)を得た。
【0102】この吸水性樹脂(比較例3)中のカルボン
酸ソーダ基は、全モノマーユニットの22モル%であっ
た。
【0103】特性評価1 実施例1〜実施例4、及び比較例1〜比較例3の各吸水
性樹脂について、以下に示すようにその吸水性を調べ
た。
【0104】実施例及び比較例の各吸水性樹脂1gを純
水中に浸漬し、30秒経過後、2分経過後、5分経過後
の重量を測定した。その結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】表1の結果から、無機顔料を含有する吸水
性樹脂(実施例1〜実施例4)は、無機顔料を含有しな
い吸水性樹脂(比較例1〜比較例3)に比べて、吸水速
度及び吸水倍率の両方の点で優れていることがわかる。
【0107】また、本発明の製造方法を適用することに
より、実施例1と略同じ組成と顔料を有するABS樹脂
廃材を用いた吸水性樹脂(実施例4)においても、優れ
た吸水速度及び吸水倍率を示すことがわかる。
【0108】特性評価2 実施例1〜実施例4、及び比較例1〜比較例3の各吸水
性樹脂について、以下に示すようにその吸水性を調べ
た。
【0109】実施例及び比較例の各吸水性樹脂1gを人
工尿と、1重量%の塩化カルシウムに浸漬し、5分経過
後の重量を測定した。その結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】表2の結果から、無機顔料を含有する吸水
性樹脂(実施例1〜実施例4)は、無機顔料を含有しな
い吸水性樹脂(比較例1〜比較例3)に比べて、人工尿
や電解質水溶液(2価の金属塩水溶液)に対しても優れ
た吸水性を示すことがわかる。
【0112】また、特性評価1と同様に、本発明の製造
方法を適用することにより、ABS樹脂廃材を用いた吸
水性樹脂(実施例4)においても、優れた吸水性を示す
ことがわかる。
【0113】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、吸水性に優れる吸水性樹脂を得ることがで
きる。
【0114】さらに、本発明によれば、高分子材料に使
用済みになった廃材を用いることができるため、資源の
有効利用につながり、地球の環境保全に貢献することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 3/20 CEZ C08J 3/20 CEZC

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機顔料及び/又は金属粉とアクリロニ
    トリルとを含有する高分子材料にイオン基が導入されて
    なることを特徴とする吸水性樹脂。
  2. 【請求項2】 上記高分子材料は、アクリロニトリルを
    5〜80モル%含有することを特徴とする請求項1記載
    の吸水性樹脂。
  3. 【請求項3】 上記高分子材料は、スチレン、共役ジエ
    ンの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項
    1記載の吸水性樹脂。
  4. 【請求項4】 上記高分子材料は、スチレン、共役ジエ
    ンの少なくとも1種以上を20〜95モル%含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。
  5. 【請求項5】 上記高分子材料は、アクリロニトリル−
    ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリ
    ル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹
    脂。
  6. 【請求項6】 上記高分子材料は、無機顔料及び/又は
    金属粉顔料を0.01〜20重量%含有することを特徴
    とする請求項1記載の吸水性樹脂。
  7. 【請求項7】 上記無機顔料及び/又は金属粉顔料は、
    カーボンブラック、鉄黒、酸化チタン、亜鉛華、ベンガ
    ラ、群青、紺青、コバルトブルー、リトポン、硫化亜
    鉛、酸化アンチモン、黄色酸化鉄、アンバー、シエンナ
    ー、オーカー、ビリジアン、アルミニウム粉、真鍮粉、
    ブロンズ粉の少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1記載の吸水性樹脂。
  8. 【請求項8】 上記高分子材料は、特定の用途を目的と
    して成型された使用済み樹脂からなる廃材であることを
    特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。
  9. 【請求項9】 上記イオン基は、高分子材料に対して5
    〜95モル%導入されてなることを特徴とする請求項1
    記載の吸水性樹脂。
  10. 【請求項10】 上記イオン基は、スルホン酸基、カル
    ボキシル基、−PO(OH)2基、−CH2PO(OH)
    2基、−NO2基、クロロメチル化アミン基の少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹
    脂。
  11. 【請求項11】 無機顔料及び/又は金属粉顔料とアク
    リロニトリルとを含有する高分子材料をアルカリ及び/
    又は酸処理し、イオン基を導入することを特徴とする吸
    水性樹脂の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記酸処理は、少なくとも1種以上の
    無機酸であることを特徴とする請求項11記載の吸水性
    樹脂の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記無機酸は、濃硫酸、無水硫酸、発
    煙硫酸、クロルスルホン酸、硝酸、発煙硝酸、燐酸、塩
    化燐、酸化燐の少なくともいずれかであることを特徴と
    する請求項12記載の吸水性樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記高分子材料をスルホン化剤中に分
    散させ、スルホン酸基の導入を行うことを特徴とする請
    求項11記載の吸水性樹脂の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記酸処理においては、先ず、濃硫酸
    又はクロルスルホン酸のいずれか一方を添加し、次に、
    無水硫酸又は発煙硫酸のいずれか一方を添加することを
    特徴とする請求項11記載の吸水性樹脂の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記高分子材料を溶媒中に分散させ、
    イオン基の導入を行うことを特徴とする請求項11記載
    の吸水性樹脂の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記アルカリ及び/又は酸処理におい
    ては、3.5メッシュ以上のメッシュサイズを通過する
    高分子材料を用いることを特徴とする請求項12記載の
    吸水性樹脂の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記高分子材料は、アクリロニトリル
    を5〜80モル%含有することを特徴とする請求項11
    記載の吸水性樹脂の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記高分子材料は、スチレン、共役ジ
    エンの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求
    項11記載の吸水性樹脂の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記高分子材料は、スチレン、共役ジ
    エンの少なくとも1種以上を20〜95モル%含有する
    ことを特徴とする請求項11記載の吸水性樹脂の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 上記高分子材料は、アクリロニトリル
    −ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−アクリロニト
    リル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項11記載の吸水
    性樹脂の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記高分子材料に、無機顔料及び/又
    は金属粉顔料を0.01〜20重量%添加することを特
    徴とする請求項11記載の吸水性樹脂の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記無機顔料及び/又は金属粉顔料
    は、カーボンブラック、鉄黒、酸化チタン、亜鉛華、ベ
    ンガラ、群青、コバルトブルー、リトポン、硫化亜鉛、
    酸化アンチモン、黄色酸化鉄、アンバー、シエンナー、
    オーカー、ビリジアン、アルミニウム粉、真鍮粉、ブロ
    ンズ粉の少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    11記載の吸水性樹脂の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記高分子材料は、特定の用途を目的
    として成型された使用済み樹脂からなる廃材であること
    を特徴とする請求項11記載の吸水性樹脂の製造方法。
  25. 【請求項25】 上記イオン基を高分子材料に対して5
    〜95モル%導入することを特徴とする請求項11記載
    の吸水性樹脂の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記イオン基は、スルホン酸基、カル
    ボキシル基、−PO(OH)2基、−CH2PO(OH)
    2基、−NO2基、クロロメチル化アミン基の少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項11記載の吸水性樹
    脂の製造方法。
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