JPH10226720A - 一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物

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JPH10226720A
JPH10226720A JP9031789A JP3178997A JPH10226720A JP H10226720 A JPH10226720 A JP H10226720A JP 9031789 A JP9031789 A JP 9031789A JP 3178997 A JP3178997 A JP 3178997A JP H10226720 A JPH10226720 A JP H10226720A
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JP
Japan
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oxazolidine
urethane prepolymer
group
curing
isocyanate
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JP9031789A
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English (en)
Inventor
Kazunori Ishikawa
川 和 憲 石
Hiroyuki Hosoda
田 浩 之 細
Akihiro Isaka
坂 明 洋 井
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵安定性および硬化性に優れる一液湿気硬化
型のポリウレタン樹脂組成物の提供。 【解決手段】イソシアネート基の5〜60%に下記式
(1)および/または(2)で表されるオキサゾリジン
を付加してなるウレタンプレポリマー、および、p−ト
ルエンスルホニルイソシアネート誘導体を含有する一液
湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキ
ル基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18
のアルキル基のいずれか、nは1または2を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一液湿気硬化型の
ポリウレタン樹脂組成物に関する。詳しくは、オキサゾ
リジンをイソシアネート基に付加したウレタンプレポリ
マーと、p−トルエンスルホニルイソシアネート誘導体
である硬化触媒とを含有する、貯蔵安定性、硬化性に優
れ、硬化時に発泡を伴わない一液湿気硬化型ポリウレタ
ン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一液湿気硬化型のウレタン樹脂では、空
気中もしくは配合剤に吸着した水分による架橋反応の際
に二酸化炭素を遊離するため発泡がおこり、硬化したウ
レタン樹脂中に空隙が生じて強度の低下を招くという問
題があった。しかし、オキサゾリジンを潜在性硬化剤と
して用いることにより、二酸化炭素の遊離による発泡は
防止され、貯蔵安定性は他の硬化剤を使用した場合より
向上する。このオキサゾリジンは単独で使用しても硬化
時間がそれほど短縮されず、硬化時間の短縮という問題
があったが、塩化水素、錫(IV)を用いることにより、塩
化水素、錫(IV)が硬化促進触媒として作用し、硬化時間
が短縮されることが報告されている(J.Coatings Techn
ology,49,631(1977).)。しかし、オキサゾリジンは3級
アミンでもあるため、一定量以上添加すると貯蔵安定性
を著しく損なうという問題がある。また、塩化水素を硬
化促進触媒として用いる場合、貯蔵安定性はあまり改善
されず、さらに、塩化水素は刺激臭を発生し、被着体を
腐食するという問題がある。錫(IV)化合物を用いた場
合、硬化促進触媒としても効果が不十分で、貯蔵安定性
に関しては、塩化水素以上に効果は劣り、貯蔵安定性を
損なう。一液湿気硬化型のウレタン樹脂組成物で、ポリ
ウレタン成分に、オキサゾリジンと共に、p−トルエン
スルホニルイソシアネート、および、含酸素有機化合物
または含硫黄有機化合物を加えることにより、硬化性、
貯蔵安定性が向上し、オキサゾリジン、p−トルエンス
ルホニルイソシアネート、あるいは、含酸素有機化合物
または含硫黄有機化合物の添加量や化合物の種類を選ぶ
ことにより、ある程度硬化性をコントロールできること
が報告されている。しかし、物性を変えずに広い範囲で
硬化性をコントロールすることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オキサゾリ
ジンを潜在性硬化剤として使用した場合の従来の硬化促
進剤に起こりうる上述の問題を解消し、かつ、貯蔵安定
性および硬化性に優れる一液湿気硬化型のポリウレタン
樹脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のオキサ
ゾリジンを潜在性硬化剤として使用した場合の、一液湿
気硬化型のポリウレタン樹脂組成物の従来の欠点を解消
すべく、特定のオキサゾリジンを付加したウレタンプレ
ポリマーを潜在性硬化剤とし、p−トルエンスルホニル
イソシアネート誘導体を硬化触媒とすることで、貯蔵安
定性、硬化性に優れた一液湿気硬化型のポリウレタン樹
脂組成物を得たもので、下記の構成を有する。
【0005】すなわち、本発明は、イソシアネート基の
5〜60モル%に下記式(1)および/または(2)で
表されるオキサゾリジンを付加してなるウレタンプレポ
リマー、および、p−トルエンスルホニルイソシアネー
ト誘導体を含有する一液湿気硬化性ポリウレタン樹脂組
成物を提供する。
【化2】 (式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキ
ル基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18
のアルキル基のいずれか、nは1または2を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物
(以下、本発明の組成物と知記す)は、特定のオキサゾ
リジン付加ウレタンプレポリマーと、p−トルエンスル
ホニルイソシアネート誘導体である硬化触媒とを含有す
ることを特徴とする。
【0007】以下に、本発明の組成物に含まれる各化合
物について説明する。本発明に用いる特定のオキサゾリ
ジン付加ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基の
5〜60モル%が、上記式(1)および/または(2)
で表される特定のオキサゾリジンのOH基により封鎖さ
れている。従来のオキサゾリジンを潜在性湿気硬化剤と
して含有する一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物で
は、オキサゾリジンとウレタンプレポリマーは、予め化
合させることなく、別個に組成物に配合するが、本発明
では、上述のようにオキサゾリジンとウレタンプレポリ
マーを予め付加反応せしめイソシアネート基をオキサゾ
リジンのOH基で封鎖する。このようにオキサゾリジン
とウレタンプレポリマーと化合させてから用いると、硬
化時の発泡を抑えるだけでなく、物性を変えずに硬化性
をコントロールできるという利点が得られる。上記付加
反応を施す本発明のウレタンプレポリマーは、通常の1
液型ポリウレタン樹脂に用いるプレポリマーと同様、ポ
リオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(す
なわち、OH基に対して過剰のNCO基)との反応生成
物であるウレタンプレポリマーであって、一般に、0.
5〜10重量%のイソシアネート基を含有する。
【0008】このようなウレタンプレポリマーを生成す
るポリイソシアネート化合物としては、通常の1液型ポ
リウレタン樹脂組成物に用い得るものが各種例示され、
具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、p−フェニレンジンイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等
の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシ
アネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジ
イソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリ
レンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシア
ネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変
性またはイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等
が好適に例示され、これらの1種あるいは2種以上の組
み合わせとして使用される。
【0009】他方、ポリオール化合物は、通常の1液型
ポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、お
よびこれらの混合ポリオールである。具体的には、ポリ
エーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロ
ールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,
4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多
価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキ
サイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ス
チレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得
られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイ
ド;等が好適に例示される。
【0010】また、ポリエステルポリオールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリ
メチロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオー
ルの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子カ
ルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合
重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロ
ラクトン等の開環重合体等が好適に例示される。
【0011】さらに、その他のポリオールとしては、ポ
リマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ
ブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエン
ポリオール、アクリルポリオール等や、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールも好適
に例示される。ウレタンプレポリマーに用いるポリオー
ル化合物としては、中でもポリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール等が価格の点で好ましい。ウレ
タンプレポリマーに用いるポリオール化合物の数平均分
子量は、1000〜10000、特に2000〜700
0であるのが好ましい。
【0012】このような、ポリオール化合物と過剰のポ
リイソシアネート化合物とよりなるウレタンプレポリマ
ーを得る際の、ポリオール化合物とポリイソシアネート
化合物との混合割合は、通常、ポリオール化合物1当量
(OH当量)当たり、ポリイソシアネート化合物1.2
〜5当量(NCO当量)、好ましくは1.4〜3当量で
ある。また、このウレタンプレポリマーの製造は、通常
のウレタンプレポリマーと同様に、所定量比の両化合物
を混合し、通常30〜120℃、好ましくは50〜10
0℃で加熱攪拌することによって行なわれる。
【0013】本発明に用いられるオキサゾリジンは、下
記式(1)および/または(2)で表されるオキサゾリ
ジンである。
【化3】 式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル
基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18の
アルキル基のいずれかを表す。具体的には、R1 として
は、芳香族環の無い場合、メチル基、エチル基、ジメチ
ル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のヒド
ロキシアルキル基が挙げられる。これらの中でも特に、
芳香族環の無い場合、メチル基が好ましい。R2 、R3
としては、互いに同一でも異なっていても良く、水素、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−ペン
チル基(すなわち1−メチルブチル基)等のアルキル基
が挙げられる。特にR2 、R3 の一方が水素で他方がイ
ソプロピル基、2−ペンチル基であるのが好ましい。
【0014】本発明に用いられるオキサゾリジンは、湿
気(水)の存在下で開環しイソシアネート基と反応して
ウレタンプレポリマーを硬化させる潜在性硬化剤の働き
を有する。本発明ではオキサゾリジンは、ウレタンプレ
ポリマーのイソシアネート基の5〜60モル%を予め封
鎖しており、このことにより、硬化時の発泡を抑えるだ
けでなく、物性を変えずに硬化性をコントロールできる
という効果が得られるのは前述したとおりである。オキ
サゾリジンによるウレタンプレポリマーの硬化性は、前
記ウレタンプレポリマーを封鎖する、上記式(1)また
は(2)で表されるオキサゾリジンを選ぶことによりコ
ントロールすることが可能である。すなわち、脂肪族基
を有するオキサゾリジンを用いると硬化時間を短縮する
ことができ、芳香族基を有するオキサゾリジンを用いる
と、硬化時間を脂肪族基を有するオキサゾリジンを用い
た場合よりも遅くすることができる。従って、これらの
オキサゾリジンを組み合わせること、および、これらの
オキサゾリジンによるウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基の封鎖率を変えることにより、ポリウレタン樹
脂組成物の硬化時間を目的の硬化時間にすること、たと
えば夏は硬化時間を長く、冬は短くすることができる。
硬化時間をコントロールできると、季節により硬化性を
容易に変えられるという利点が得られる。脂肪族基を有
するオキサゾリジンの具体例としては、下記式で表され
る2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オ
キサゾリジン(式(3))、2−(1−メチルブチル)
−3−((2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン(式
(4))を示すことができる。特に、硬化時間を短縮す
るためには、式(3)で表されるオキサゾリジンにより
ウレタンプレポリマーのイソシアネート基を封鎖すると
よい。芳香族基を有するオキサゾリジンの具体例として
は、下記式で表される2−フェニル−3−(2−ヒドロ
キシエチル)オキサゾリジン(式(5))、2−(p−
メトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オ
キサゾリジン(式(6))を示すことができる。特に、
硬化時間を遅くするよう調節するには、式(5)で表さ
れるオキサゾリジンによりウレタンプレポリマーのイソ
シアネート基を封鎖するとよい。
【0015】
【化4】
【0016】上記式(1)および(2)のオキサゾリジ
ンは、ジエタノールアミンと、相当するアルデヒドを、
トルエン等の水を共沸させることのできる溶媒を用いて
公知の方法により合成することができる。具体的には、
脂肪族基を有するオキサゾリジン合成には、イソブチル
アルデヒド、2−メチルペンタナール等を、芳香族基を
有するオキサゾリジン合成には、ベンズアルデヒド、2
−メチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズア
ルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド等を挙げるこ
とができる。
【0017】上記式(1)および/または(2)で表さ
れるオキサゾリジンを、前記ウレタンプレポリマーのイ
ソシアネート基に対して5〜60モル%、特に20〜5
0モル%付加反応させると好ましい。5モル%未満で
は、未反応のイソシアネート基が多くなり、オキサゾリ
ジン付加ウレタンプレポリマーの硬化性が悪くなる。6
0モル%超では、架橋剤として作用しない未反応のオキ
サゾリジンが多くなり、その結果、硬化後にべとつきが
発生し、さらに、貯蔵安定性に劣る。オキサゾリジンと
ウレタンプレポリマーとの反応は、室温〜80℃、特に
は40〜60℃で、1〜3時間行うのが好ましい。
【0018】本発明に用いるp−トルエンスルホニルイ
ソシアネートの誘導体とは、p−トルエンスルホニルイ
ソシアネートのイソシアネート基に、活性水素を含む化
合物中の活性水素が付加してなる付加体である。ここ
で、活性水素とは、電気陰性度の大きい、N、Oなどに
結合した水素原子、および、電子求引性の大きな、−O
−、−ORなどの基が少なくとも2つ以上結合した炭素
上に結合した水素原子をいう。本発明に用いるp−トル
エンスルホニルイソシアネートの誘導体は、硬化触媒で
あり、前記ウレタンプレポリマーとオキサゾリジンとか
らなる湿気硬化性の化合物中において、室温で湿気の存
在下、オキサゾリジンの加水分解を促進する働きを有す
る。このため、該p−トルエンスルホニルイソシアネー
トの誘導体(以下、本発明の硬化触媒と記す)を含有す
ることにより、本発明の組成物は、硬化性が向上し且つ
貯蔵安定性が向上するという効果を有する。本発明で
は、p−トルエンスルホニルイソシアネートと、後述の
活性水素化合物等の化合物とを、そのまま前述のオキサ
ゾリジン付加ウレタンプレポリマーに加えるのでなく、
反応させてp−トルエンスルホニルイソシアネート誘導
体としてから加えるので、活性水素化合物等がウレタン
プレポリマーと反応することがない。
【0019】本発明の硬化触媒は、p−トルエンスルホ
ニルイソシアネートと、アルコール類、チオール類、ア
ミン類、アミド類、エーテル類等の活性水素化合物;エ
ポキシ類;エステル類;アセタール類;オルソカーボネ
ート類;オルソエステル類;もしくは、活性メチレン化
合物との反応により合成することができる。特に、p−
トルエンスルホニルイソシアネートと、アルコール類、
エポキシ類、エステル類、アセタール類、オルソカーボ
ネート類、オルソエステル類、活性メチレン化合物とを
反応させたものは、貯蔵安定性に優れるので好ましい。
これらの化合物の具体例としては、エタノール、2−シ
アノエタノール、2−クロロヒドリン、2,2−トリク
ロロエタノール、ブタンチオール、ヘキシルアミン、ス
テアリン酸アミド、フェニルグリシジルエーテル等の活
性水素化合物;ギ酸メチル等のエステル類;オルソギ酸
メチル、シクロヘキサノンジメチルアセタール等のアセ
タール類;下記式で表されるスピロオルソカーボネー
ト、ビシクロオルソエステル等のオルソカーボネート
類、オルソエステル類;
【0020】
【化5】
【0021】マロン酸ジエチル等の活性メチレン化合物
が挙げられる。中でも、2−シアノエタノール、ギ酸メ
チル、オルソギ酸メチル、シクロヘキサノンジメチルア
セタール、スピロオルソカーボネート、ビシクロオルソ
エステル、マロン酸ジエチルが、貯蔵安定性の点で特に
好ましい。本発明の硬化触媒の配合量はウレタンプレポ
リマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、特
に、0.2〜5重量部であるのが好ましい。組成物の硬
化を十分に促進する効果を得る点で0.1重量部以上で
あるのが好ましく、また、貯蔵安定性の点で10重量部
以下であるのが好ましいからである。本発明の硬化触媒
を、前記ウレタンプレポリマーとオキサゾリジンとから
なる湿気硬化性の化合物に配合するには、前記ウレタン
プレポリマー製造時に添加してもよいし、オキサゾリジ
ン付加ウレタンプレポリマーに充填剤を混合する時に添
加してもよい。また、本発明の硬化触媒は、p−トルエ
ンスルホニルイソシアネートと、上述の活性水素化合物
等の化合物との反応混合物から該硬化触媒を単離して配
合してもよいし、p−トルエンスルホニルイソシアネー
トと、上述の活性水素化合物等の化合物との反応混合物
のままで単離せずに配合してもよい。
【0022】本発明の組成物には、必須成分である上記
化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、用途
等に応じて、顔料または染料、チキソトロピー付与剤、
帯電防止剤、接着付与剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、老
化防止剤、酸化防止剤、分散剤、脱水剤、溶剤等の公知
の各種添加剤を配合してもよい。
【0023】顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニ
ン顔料等の有機顔料や、各種無機顔料が挙げられる。染
料としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、べんが
ら等が挙げられる。チキソトロピー付与剤としては、エ
アロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本
化成社製)等を挙げることができる。帯電防止剤として
は一般に、第4級アンモニウム塩やアミンなどのイオン
性化合物、あるいはポリエチレングリコールやエチレン
オキサイド誘導体などの親水性化合物を挙げることがで
きる。接着付与剤としては、テルペン樹脂、フェノール
樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレ
ン樹脂等が挙げられる。難燃剤としては、クロロアルキ
ルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素、
リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチル
ビスヒドロキシエチルアミノホスフェート等が挙げられ
る。
【0024】さらに充填剤としては、炭酸カルシウム、
カーボンブラック、クレー、タルク、シリカ、ケイ藻土
あるいはこれらの化合物の脂肪酸処理物、もしくは特願
平8−76962号明細書記載のこれらの化合物のイソ
シアネートアルキルエステル処理物などが挙げられる。
充填剤の添加量は、ウレタンプレポリマー100重量部
に対して、10〜150重量部であるのが、作業性、硬
化性の物性等の点で好ましい。可塑剤としては、ジオク
チルフタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレ
ートなどのフタル酸エステル、コハク酸ジイソデシル、
アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、オレイン
酸ブチル、リン酸トリオクチル等が挙げられる。可塑剤
の添加量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し
て、5〜150重量部であるのが、組成物の粘度の点で
好ましい。特に、ジオクチルフタレート等のフタル酸エ
ステルを用いる場合、ウレタンプレポリマー100重量
部に対して、6〜170重量部として、成分(iv)と
可塑剤を兼ねることができる。老化防止剤としては、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DP
PD)、N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミ
ン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリン(TMDQ),N−フェニル−1−ナフ
チルアミン(PAN)等が挙げられる。脱水剤として
は、メチルハイドロジェンポリシロキサンにパルミチン
酸やステアリン酸などの高級脂肪酸を反応させたものが
挙げられる。溶剤としては、トルエン、キシレン、ミネ
ラルスピリッツ等が挙げられる。
【0025】本発明の組成物の製造方法には特に限定は
ないが、前記イソシアネート基にオキサゾリジンを付加
してなるウレタンプレポリマー、p−トルエンスルホニ
ルイソシアネート誘導体である硬化触媒、さらに必要に
応じて配合される添加剤を適宜加えて、混合ミキサー等
の撹拌装置に充填して、減圧で十分混練し均一に分散し
て組成物とする方法が好適に例示される。より具体的
に、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート
化合物とから得られるウレタンプレポリマーにオキサゾ
リジンを所定量付加し、p−トルエンスルホニルイソシ
アネートから誘導される硬化触媒を単離したもの、或い
は、単離せず反応混合物のままのものを加えてから、必
要に応じて配合されるフィラー等の添加剤を適宜加える
方法、 ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とから
得られるウレタンプレポリマーにオキサゾリジンを所定
量付加反応後、p−トルエンスルホニルイソシアネート
から誘導される硬化触媒を単離したもの、或いは、単離
せず反応混合物のままのものと、必要に応じて配合され
るフィラー等の添加剤とを、適宜加える方法が挙げられ
る。
【0026】
【実施例】以下に、実施例を例示してさらに本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例によってなん
ら限定されるものではない。ウレタンプレポリマーの合成 数平均分子量3000のポリプロピレングリコール50
0g、数平均分子量5000のポリプロピレントリオー
ル500g、ジオクチルフタレート437gおよび、ト
リレンジイソシアネート93.7gを、ビスマス触媒存
在下80℃で8時間、撹拌しながら反応させて、イソシ
アネート基の含有率1.2%のウレタンプレポリマーを
得た。このプレポリマーに所定量(下記表1参照)のオ
キサゾリジンA(前記式(5))および/またはオキサ
ゾリジンB(前記式(4))を加え、50℃で2時間攪
拌しながら反応させた。得られたウレタンプレポリマー
中の全イソシアネート基に対して、オキサゾリジンA、
オキサゾリジンBと結合したイソシアネート基の割合
を、封鎖率〔%〕として下記表1に併せて記載する。
【0027】(実施例1〜4)上述のようにして得られ
た一部のイソシアネート基をオキサゾリジン基で封鎖し
たウレタンプレポリマー100重量部に、p−トルエン
スルホニルイソシアネート0.2重量部、シクロヘキサ
ノンジメチルアセタール1重量部、および下記表1記載
の充填剤等の添加剤を加えて十分に混練し、組成物を得
た。 (実施例5、6)上述のようにして得られた一部のイソ
シアネート基をオキサゾリジン基で封鎖したウレタンプ
レポリマー100重量部に、シクロヘキサノンジメチル
アセタール1重量部、触媒C(下記式(7)、実施例
5)もしくは触媒D(下記式(8)実施例6)、および
下記表1記載の充填剤等の添加剤を加えて十分に混練
し、組成物を得た。 (比較例1、2)組成物の各成分を表1に示す配合と
し、本発明の硬化触媒を配合しなかった以外は、実施例
1と同様の方法で組成物を得た。
【0028】
【化6】
【0029】物性の評価 実施例1〜6、比較例1、2で得られた組成物の物性を
以下に記す方法により測定評価した。 1.硬化性の評価、タックフリータイム(TFT) 得られた各組成物を、縦100mm×横100mm×厚
さ5mmのシート状に成形し、タックフリータイム(T
FT)を測定した。タックフリータイムは、シート状成
形物を指で押さえても成形物が指に付かなくなるまでに
かかった時間(hour)で示す。 2.貯蔵安定性の評価、粘度の上昇倍率 得られた組成物の初期粘度を、B型粘度計を用いて測定
した。さらに、これらの組成物について、70℃で24
時間後の粘度を測定し、初期粘度との比を求め粘度の上
昇倍率を求めた。 3.50%モジュラス 実施例1〜6で得られた組成物の硬化物の50%モジュ
ラスを、JIS K6301の方法に準拠して測定し
た。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】注)各化合物の量は、重量部を示す。*1 :丸尾カルシウム(株)製のスーパー1500*2 :石原産業製のR820*3 :信越化学製のKF910
【0032】
【発明の効果】本発明の一湿気硬化性ポリウレタン樹脂
組成物は、貯蔵安定性に優れ、湿気硬化時の硬化性にも
優れ、硬化時に発泡しない。また、硬化促進剤として塩
化水素を用いた場合に起こるような刺激臭や被着体の腐
食も生じない。さらに、潜在性硬化剤として用いるオキ
サゾリジンの置換基を選ぶことにより、物性を変えずに
広い範囲で硬化性の制御(硬化時間の調節)をすること
ができる。
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキ
ル基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18
のアルキル基のいずれか、nは1または2を表す。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】すなわち、本発明は、イソシアネート基の
5〜60モル%に下記式(1)および/または(2)で
表されるオキサゾリジンを付加してなるウレタンプレポ
リマー、および、p−トルエンスルホニルイソシアネー
ト誘導体を含有する一液湿気硬化性ポリウレタン樹脂組
成物を提供する。
【化2】 (式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキ
ル基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18
のアルキル基のいずれか、nは1または2を表す。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明に用いられるオキサゾリジンは、下
記式(1)および/または(2)で表されるオキサゾリ
ジンである。
【化3】 式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル
基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18の
アルキル基のいずれかを表す。具体的には、R1 として
は、芳香族環の無い場合、メチル基、エチル基、ジメチ
ル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のヒド
ロキシアルキル基が挙げられる。これらの中でも特に、
芳香族環の無い場合、メチル基が好ましい。R2 、R3
としては、互いに同一でも異なっていても良く、水素、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−ペン
チル基(すなわち1−メチルブチル基)等のアルキル基
が挙げられる。特にR2 、R3 の一方が水素で他方がイ
ソプロピル基、2−ペンチル基であるのが好ましい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート基の5〜60モル%に下記
    式(1)および/または(2)で表されるオキサゾリジ
    ンを付加してなるウレタンプレポリマー、および、p−
    トルエンスルホニルイソシアネート誘導体を含有する一
    液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 は、芳香族環に置換基が無い場合、炭素数
    1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキ
    ル基のいずれか、R2 、R3 は、水素、炭素数1〜18
    のアルキル基のいずれか、nは1または2を表す。)
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