JPH1017452A

JPH1017452A - 義歯洗浄用組成物

Info

Publication number: JPH1017452A
Application number: JP19294896A
Authority: JP
Inventors: Hisato Yonekura; 壽人米倉; Takashi Higuchi; 敬士樋口; Kiyoko Tooshima; 記与子遠嶋; Eiji Kunitomo; 栄治国友; Tetsushi Nishioka; 哲志西岡; Yuji Miyasato; 裕二宮里
Original assignee: Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1996-07-02
Filing date: 1996-07-02
Publication date: 1998-01-20
Anticipated expiration: 2016-07-02
Also published as: JP2835710B2

Abstract

(57)【要約】【解決手段】ラウリルスルホ酢酸ナトリウムとドデシ
ルベンゼン硫酸ナトリウムと酸素系漂白剤とを含有する
ことを特徴とする。前記ラウリルスルホ酢酸ナトリウム
は０．０１重量％〜１０重量％、ドデシルベンゼン硫酸
ナトリウムは０．０１重量％〜１０重量％、酸素系漂白
剤は１０重量％〜５０重量％、それぞれ含有するのが好
ましい。【効果】水系溶媒に溶解させた場合、その洗浄溶液が
濁らず、その洗浄を目視しながら効果を実感できるた
め、洗浄がいつ終了したのか分かりやすくなる。さら
に、剤型に関わらず水表面に義歯洗浄剤がすぐに浮かん
でしまうことがなく、発泡等による物理的作用を充分に
うけることができ、洗浄力を低下させることがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、義歯の洗浄・殺菌
に用いられる義歯洗浄用組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】義歯は、装着している間に、食物残渣や
着色物だけでなく、口腔内微生物由来の汚れが付着して
いることが多いことが知られている。特に、義歯床粘膜
面には、カンジダ・アルビカンスを中心とする真菌が主
体をなすと近年言われている、デンチャープラークが付
着していることが多い。

【０００３】これらの汚れを取り除くために、従来、義
歯洗浄剤として、過酸化ナトリウム、過ホウ酸ナトリウ
ム、過硫酸ナトリウム、モノ過硫酸水素カリウム（デュ
ポン社製オキソーン( ＯＸＯＮＥ) ）のような酸素系漂
白剤；次亜塩素酸ナトリウム、ジクロルイソシアヌル酸
ナトリウム、トリクロルイソシアヌル酸ナトリウムのよ
うな塩素系漂白剤；アルカリプロテアーゼ、デキストラ
ナーゼ、ムタナーゼ、イヌラーゼ、グルカナーゼ、リパ
ーゼ、パパインのような酵素；および酸、アルカリ等の
活性成分を配合した組成物が用いられていた。

【０００４】また、これらの活性成分を配合した組成物
に、いろいろな比較的不活性な成分、例えばステアリン
酸マグネシウム等の滑剤、増量剤、バインダー、着色
剤、染料、およびペパーミントオイル、ｌ−メントール
等の香料等を、適宜加えることにより、所望の大きさお
よび密度または色および香味の義歯洗浄剤を得ていた。

【０００５】さらに、物理的な洗浄効果を上げるため
に、発泡洗浄剤とするためには、上記活性成分を配合す
る組成物に、炭酸塩化合物と酸とからなる二酸化炭素生
成混合物をさらに配合していた。この炭酸塩化合物とし
ては、アルカリ金属炭酸塩または炭酸水素酸塩、例えば
ナトリウム、カリウム、リチウム、またはルビジウムの
炭酸塩または炭酸水素酸塩が知られている。一方酸成分
としては、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、ま
たはこれらの混合物が一般的であるが、酸性リン酸ナト
リウムもしくはカリウムを含む他の酸、またはそれらの
混合物であってもよいことが知られている。

【０００６】なお、この発泡洗浄剤に、さらに表面張力
低下機能を付与するために、ラウリルスルホ酢酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム、他の陰イオン性および
非イオン性の界面活性剤を活性酸素配合物の重量の約
０．８〜約２％の量で加えられることも知られている
（特開昭５１ー３８４１５号）。

【０００７】そして、義歯および義歯床に付着した汚れ
を、義歯洗浄剤の活性成分、発泡剤の物理的作用、界面
活性剤による表面張力低下機能との複合作用により、漂
白、殺菌、除菌、蛋白分解、糖質分解等の効果をもって
洗浄することが可能となった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、義歯の汚れを
完全に洗浄するには、長い時間が必要で、少なくとも１
昼夜義歯をつけ置く等の行為をしなければならなかっ
た。

【０００９】また、上記界面活性剤のうちある種の界面
活性剤を含有する義歯洗浄用組成物で成形された義歯洗
浄剤を水系溶媒に溶解させた場合で、酸素系漂白剤が活
性成分の場合には、その洗浄溶液は白濁してしまい、そ
の洗浄を目視しながら効果を実感するということは出来
ず、洗浄がいつ終了したのか分かりにくかった。

【００１０】さらに、ある種の界面活性剤を含有する義
歯洗浄用組成物で成形された義歯洗浄剤を水系溶媒に溶
解させた場合、水表面に義歯洗浄剤がすぐに浮かんでし
まい、発泡等による物理的作用による洗浄力を低下させ
ることもあった。

【００１１】本発明は、酸素系漂白剤を含有する義歯洗
浄用組成物であっても、その組成物から成形された義歯
洗浄剤を水系溶媒に溶解させた場合、その洗浄溶液が白
濁せず、その洗浄を目視しながら効果を実感できるた
め、洗浄がいつ終了したのか分かりやすい義歯洗浄用組
成物を得ることを目的とする。

【００１２】さらに、本発明は、その組成物から成形さ
れた義歯洗浄剤を水系溶媒に溶解させた場合、水表面に
義歯洗浄剤がすぐに浮かんでしまうことがなく、発泡等
による物理的作用を充分にうけることができ、洗浄力を
低下させることのない義歯洗浄用組成物を得ることを目
的とする。

【００１３】さらに、本発明は、発泡成分を含有する組
成物においては、成形された義歯洗浄剤を水系溶媒に溶
解させた場合、その発泡時間を調節することができ、適
宜の発泡時間、強いては洗浄時間を設定することができ
る義歯洗浄用組成物を得ることを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明の義歯洗浄用組成
物は、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムとドデシルベンゼ
ン硫酸ナトリウムと酸素系漂白剤とを含有することを特
徴とする。

【００１５】本発明の義歯洗浄用組成物おいて、前記ラ
ウリルスルホ酢酸ナトリウムは０．０１重量％〜１０重
量％、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムは０．０１重量
％〜１０重量％、酸素系漂白剤は１０重量％〜５０重量
％、それぞれ含有するのが好ましい。

【００１６】

【発明の実施形態】以下、本発明についてさらに詳細に
説明する。本発明の義歯洗浄用組成物に用いるラウリル
スルホ酢酸ナトリウムは、義歯洗浄用組成物中に０．０
１重量％〜１０重量％配合されることが好ましく、さら
に好ましくは０．１重量％〜５重量％配合され得る。配
合量が０．０１重量％未満であると洗浄力がなく、逆に
配合量が１０重量％を越えると打錠性に問題が出てく
る。

【００１７】本発明の義歯洗浄用組成物に用いるドデシ
ルベンゼン硫酸ナトリウムは、義歯洗浄用組成物中に
０．０１重量％〜１０重量％配合されることが好まし
く、さらに好ましくは０．１重量％〜５重量％配合され
得る。配合量が０．０１重量％未満であると洗浄力がな
く、逆に配合量が１０重量％を越えると打錠性に問題が
出てくる。

【００１８】さらに本発明の義歯洗浄用組成物において
は、上記ラウリルスルホ酢酸ナトリウム１００重量部に
対し、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム１重量部〜１０
０００重量部含有させるようにすると、発泡洗浄剤とし
た場合に、水表面に義歯洗浄剤が浮かびにくく、発泡等
の物理的作用による洗浄効果を充分に得られるという点
で好ましく、さらに好ましくは５重量部〜２００重量
部、最も好ましくは１０重量部〜５０重量部含有させる
ようにする。

【００１９】本発明の義歯洗浄用組成物に用いる酸素系
漂白剤としては、過酸化ナトリウム、過ホウ酸ナトリウ
ム、過硫酸ナトリウム、モノ過硫酸水素カリウム（デュ
ポン社製オキソーン( ＯＸＯＮＥ) ）のような酸素系漂
白剤を用いることができ、義歯洗浄用組成物中に１０重
量％〜５０重量％配合されることが好ましく、さらに好
ましくは２０重量％〜４０重量％配合され得る。配合量
が１０重量％未満であると消臭効果が薄れる。逆に配合
量が５０重量％を越えると成形した義歯洗浄剤の安定性
が低下しやすくなる。

【００２０】本発明の義歯洗浄用組成物には、さらに洗
浄剤としての活性成分として、アルカリプロテアーゼ、
デキストラナーゼ、ムタナーゼ、イヌラーゼ、グルカナ
ーゼ、リパーゼ、パパインのような酵素を配合すること
ができる。

【００２１】また、通常用いられているいろいろな比較
的不活性な成分、例えばステアリン酸マグネシウム等の
滑剤、増量剤、バインダー、着色剤、染料、ペパーミン
トオイル、ｌ−メントール等の香料等を、例えば粒状、
顆粒状、錠剤等の任意の剤型にするために、適宜加える
ことができる。

【００２２】

【実施例】

【００２３】（実施例１）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール３．５重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム３．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム０．５重量％

【００２４】（実施例２）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール３．０重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム３．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム１．０重量％

【００２５】（実施例３）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール２．５重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム３．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム１．５重量％

【００２６】（実施例４）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール２．０重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム３．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム２．０重量％

【００２７】（実施例５）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール２．５重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム４．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム０．５重量％

【００２８】（実施例６）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール２．０重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム４．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム１．０重量％

【００２９】（実施例７）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール１．５重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム４．０重量％ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム１．５重量％

【００３０】（比較例１）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール４．０重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム３．０重量％

【００３１】（比較例２）下記の組成を有する義歯洗浄
用組成物を用いて、酸素系漂白剤を配合する発泡性義歯
洗浄剤（３ｇ）を得た。無水クエン酸２３．０重量％炭酸水素ナトリウム４０．０重量％モノ過硫酸水素カリウム２５．０重量％過ホウ酸ナトリウム５．０重量％ポリエチレングリコール３．０重量％ラウリルスルホ酢酸ナトリウム４．０重量％（錠剤崩壊試験）５ｍｍメッシュ程度の網目を有するス
テンレス容器に上記実施例および比較例で得られた各義
歯洗浄剤を１錠入れ、これを容器ごと４０℃のお湯（２
００ｍｌ）に投入し、錠剤が完全に崩壊した時の時間を
測定した。結果を表１に示す。（油脂洗浄試験）スライドガラスをＪＩＳ（家庭用洗
浄、人工汚垢）からなる溶液に１０秒間浸漬させて疑似
汚れを付着させた後、乾燥させてテストプレートを得
た。

【００３２】そして、上記実施例および比較例で得られ
た各義歯洗浄剤を、２５℃の水１５０ｍｌが入ったビー
カーに入れ、すぐに上記テストプレートが垂直に立つよ
うにして挿入した。１５分後に各プレートを取り出して
目視により洗浄効果の評価を行った。結果を表１に示
す。（錠剤浮き試験）上記実施例および比較例で得られた各
義歯洗浄剤１錠を４０℃のお湯（２００ｍｌ）に投入
し、錠剤が浮いた時の時間を測定した。結果を表１に示
す。（溶液の澄明性試験）上記実施例および比較例で得られ
た各義歯洗浄剤１錠を２５℃の水（２００ｍｌ）に投入
し、錠剤崩壊後の溶液の濁り具合を目視により評価し
た。結果を表１に示す。

【００３３】

【表１】

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、酸素系漂白剤を含有す
る義歯洗浄用組成物であっても、ラウリルスルホ酢酸ナ
トリウムとドデシルベンゼン硫酸ナトリウムとを含有さ
せることにより、その組成物から成形された義歯洗浄剤
を水系溶媒に溶解させた場合、その洗浄溶液が濁らず、
その洗浄を目視しながら効果を実感できるため、洗浄が
いつ終了したのか分かりやすくなる。

【００３５】さらに、本発明によれば、その組成物から
成形された義歯洗浄剤を水系溶媒に溶解させた場合、剤
型に関わらず水表面に義歯洗浄剤がすぐに浮かんでしま
うことがなく、発泡等による物理的作用を充分にうける
ことができ、洗浄力を低下させることがない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者西岡哲志京都府京都市左京区田中上大久保町９ (72)発明者宮里裕二兵庫県神戸市東灘区本山南町８丁目６−12 −405

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ラウリルスルホ酢酸ナトリウムとドデシ
ルベンゼン硫酸ナトリウムと酸素系漂白剤とを含有する
ことを特徴とする義歯洗浄用組成物。
【請求項２】ラウリルスルホ酢酸ナトリウムを０．０
１重量％〜１０重量％、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウ
ムを０．０１重量％〜１０重量％、酸素系漂白剤を１０
重量％〜５０重量％含有することを特徴とする義歯洗浄
用組成物。