JPH10168764A - パール光沢を有するスエード調人工皮革 - Google Patents

パール光沢を有するスエード調人工皮革

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JPH10168764A
JPH10168764A JP32824296A JP32824296A JPH10168764A JP H10168764 A JPH10168764 A JP H10168764A JP 32824296 A JP32824296 A JP 32824296A JP 32824296 A JP32824296 A JP 32824296A JP H10168764 A JPH10168764 A JP H10168764A
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suede
pearl
pearl pigment
spot
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JP32824296A
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Hisao Yoneda
久夫 米田
Naomasa Moriyasu
直正 守安
Koichi Ishida
公一 石田
Hiroshi Hosogai
洋 細貝
Kazushi Koyama
和士 小山
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が極細繊維の立毛に覆われ、スエード調
の触感及びルックスと晴天の夜空に光る星空の様なパー
ル調の光沢感を有ししているパール様スエード調人工皮
革及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維布帛とその内部に含浸された弾性重
合体からなる基体の表面に0.5デニール以下の極細繊
維からなる立毛層が形成されており、かつ染色されてい
るスエード調人工皮革において、該立毛層の表面にパー
ル顔料がバインダー樹脂によりスポット状に固定されて
おり、かつ各スポットとそれと隣り合うスポットとの距
離の最短距離が50〜500μmであることを特徴とす
るスエード調人工皮革。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パール調の光沢と
スエード調の毛羽感及びライティング効果を有したスエ
ード調人工皮革及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表面に極細繊維の立毛を有してい
るスエード調人工皮革に関して種々のものが提案されて
いる。例えば特公平6ー37752号公報には、表面が
極細繊維の立毛で覆われているソフトなスエード調人工
皮革が記載されている。またスエード調の立毛表面の外
観を変える方法として、特公平6−33577号公報に
は、立毛表面に折れシボを有したもの、また特許公平5
−45717号公報には、極細立毛表面に捺染方法によ
り染色する方法がそれぞれ提案されているが、立毛とパ
ール調の両立したものは未だ提案されていない。
【0003】またパール様の人工皮革のうちでも、表面
が銀面層付のものまたは発泡構造を有した物については
従来種々提案されており、例えば特公昭57ー2538
2号公報には、繊維基体の表面にパール顔料を含有した
ポリウレタン層とポリウレタンのクリヤー層を積層した
ものが、また特公昭58ー45504号公報には繊維基
体の表面にポリウレタンエラストマーを主体とする隠蔽
層(A)、パール着色層(B)及び艶消し層(C)を順
次積層したものが、また特開平6ー264370号公報
には、メタリックパウダーを有した発泡ポリウレタンの
ヌバックタイプの人工皮革がそれぞれ提案されている。
【0004】以上のように、過去にパール調の光沢を有
した人工皮革は種々検討されてきたが、いずれも銀面層
付の人工皮革に関するものであり、パール調の光沢とス
エード調の立毛感を両立したスエード調人工皮革に関し
ては未だ提案されていない。近年、嗜好の多様性から、
パール調の光沢とスエード調の立毛感を両立したスエー
ド調人工皮革が強く求められている。しかしながら、パ
ール感を発現させるために、立毛表面にパール顔料を塗
布した場合には、表面の立毛が損なわれたり、あるいは
塗布したパール顔料が容易に脱落することとなり、パー
ルの光沢感とスエード調の立毛感を両立することは、従
来の常識からすると殆ど不可能と考えられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
が極細繊維の立毛に覆われ、スエード調の触感及びルッ
クスと晴天の夜空に光る星空の様なパール調の光沢を有
しているパール様スエード調人工皮革及びその製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維布帛とそ
の内部に含浸された弾性重合体からなる基体の表面に
0.5デニール以下の極細繊維からなる立毛層が形成さ
れており、かつ染色されているスエード調人工皮革にお
いて、該立毛層の表面にパール顔料がバインダー樹脂に
よりスポット状に固定されており、かつ各スポットとそ
れと隣り合ったスポットとの距離の最短距離が50〜5
00μmであることを特徴とするパール様スエード調人
工皮革である。
【0007】本発明のパール様スエード調人工皮革は、
繊維布帛とその内部に含浸された弾性重合体からなる基
体の表面に0.5デニール以下の極細繊維からなる立毛
層が形成されているスエード調人工皮革を染色するに先
だって、または染色後に 該立毛表面にパール顔料を含
有するバインダー樹脂液をスポット状に塗布し、乾燥す
るか、さらに好ましくは乾燥後にストーンウオッシュ処
理する方法を用いて製造される。
【0008】この立毛層を形成している極細繊維の繊維
の太さは0.5デニール以下、望ましくは0.01デニ
ールないし0.0001デニールである。立毛繊維の太
さが0.5デニールを越えると、立毛の効果を出すため
には立毛長を大きくする必要があり、そのために後に付
与するスポット状のパール顔料が、立毛の中に埋もれて
しまいパール調の効果が減少してしまう。また0.00
01デニール未満になると皮革のスエード調の効果は良
くなるが、繊維があまりにも細い為に染色しても光の乱
反射の為に淡色の色しか得られないものとなり好ましく
ない。
【0009】本発明の、表面が0.5デニール以下の立
毛層となっているスエード調人工皮革を構成する極細繊
維の製造方法としては、溶解性又は分解性の異なる2種
類以上のポリマーを混合紡糸法、海島型複合紡糸法、分
割型複合紡糸法等の紡糸方法により得られた極細繊維発
生型繊維の一部(例えば海成分)を抽出又は分解除去し
て極細繊維とする方法や、立毛構造を形成した後に立毛
部の繊維の一部(例えば海成分)を分解除去して極細繊
維を形成する方法や、溶融紡糸ノズルから繊維形成性ポ
リマーを吐出した直後に高速気体で吹き飛ばし繊維を細
くするメルトブロー法などの公知の極細繊維の製造方法
を用いることができるが、好ましくは繊維太さの管理や
極細繊維の安定性から、極細繊維発生型繊維を経由する
方法である。極細繊維を構成する樹脂の例としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の芳香環を含むポリエステル類、ナイロンー6、ナ
イロンー66、ナイロンー610等のポリアミド類、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類など
の公知の樹脂から選ばれた重合体が挙げられる。
【0010】また極細繊維発生型繊維を構成する抽出除
去又は分解除去される樹脂成分の例としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ス
チレン−アクリル系モノマー共重合体、スチレン−エチ
レン共重合体等のポリマーから選ばれた少なくとも一種
のポリマーが挙げられる。
【0011】次に上記極細繊維又は極細繊維発生型繊維
を用いてスエード調シートにする方法としては、公知の
方法、例えば該極細繊維発生型繊維からなる絡合不織布
を製造する工程、該絡合不織布に弾性重合体溶液を含浸
・凝固する工程、極細繊維発生型繊維を極細繊維に変性
する工程、少なくとも一面に立毛を形成する工程、得ら
れた繊維立毛基体を染色する工程を順次行うことにより
達成出来る。すなわち極細繊維発生型繊維の絡合不織布
を製造する方法としたは、従来公知の方法により、延
伸、熱固定、捲縮、カット、解繊等の処理を行って、原
綿を作製し、かかる原綿を、カードで解繊し、ウエーバ
ーでランダムウエブ又はクロスラップウエブに形成す
る。得られたウエブを必要に応じて積層し、所望の重さ
にする。ウエブの重さは用途により異なるが、一般的に
100〜3000g/m2の範囲が望ましい。次いで公知
の手段を用いて絡合処理を施して、繊維絡合不織布を形
成する。好ましい絡合処理方法は、ニードルパンチング
法や高圧水流噴射法である。ニードルパンチング数及び
ニードルパンチング条件は使用針の形状やウエブの厚み
により異なるが、一般的には200〜2500パンチ/
cm2の範囲内で設定するのがパール感を有するスエー
ド調人工皮革とする上で好ましい。
【0012】次に繊維絡合不織布に弾性重合体を含浸、
凝固する。繊維絡合不織布に含浸する弾性重合体として
は、公知の高分子弾性体が使用できるが、風合いの点か
らポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。好ましい
ポリウレタン樹脂としては、ソフトセグメントとして、
ジオールとジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体とを反応させて得られるポリエステルジオール、ポリ
ラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエ
ーテルジオール等からなる群から選ばれた数平均分子量
が500〜5000の少なくとも1種のポリマージオー
ルを使用し、これとジイソシアネート化合物と低分子鎖
伸長剤とを反応させて得られる、いわゆるセグメンテッ
ドポリウレタンが挙げられる。
【0013】ソフトセグメントを構成する上記ジオール
化合物としては、耐久性あるいは皮革様の風合いの点で
炭素数6以上10以下の化合物が好ましく、例えば、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールな
どがあげられる。ジカルボン酸の代表例としてはコハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0014】ポリマージオールの数平均分子量が500
未満の場合には、柔軟性に欠け、天然皮革様の風合いが
得られないため好ましくない。またポリマージオールの
数平均分子量が5000を越える場合には、ウレタン基
濃度が減少するため柔軟性および耐久性、耐熱性、耐加
水分解性においてバランスの取れたシートが得られにく
い。また、低分子鎖伸長剤としては、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘ
キサンジオール、エチレンジアミンなどの活性水素原子
を2個有する低分子化合物が挙げられる。また、ジイソ
シアネート化合物としては、たとえば4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート等の芳香族系や脂肪族系、脂環族系のものが挙
げられる。また必要に応じて、顔料、染料、凝固調節
剤、安定剤などを添加してもよく、さらに2種以上のポ
リマーを併用してもかまわない。
【0015】高分子弾性体の付与方法については特に限
定されるものではないが、風合いのバランスの点から繊
維絡合不織布に弾性重合体の溶液を含浸する方法が好ま
しい。また、天然皮革様の柔軟な風合いの点から、基体
層の編織布や不織布を構成する繊維と高分子弾性体との
重量比率は30/70〜80/20の範囲が好ましい。
さらに好ましくは繊維/弾性体の重量比率にて40/6
0〜55/45の範囲内である。基体層で繊維の比率が
低くなり過ぎるとゴムライクな風合いとなり好ましくな
く、また繊維の比率が高くなり過ぎるとペーパーライク
になり目標とする天然皮革様の風合いが得られない。
【0016】弾性重合体を含浸、凝固して得られる繊維
基体を、弾性重合体及び極細繊維発生型繊維の島成分に
対しては非溶剤でかつ海成分に対しては溶剤又は分解剤
として働く液体で処理することにより極細繊維発生型繊
維を極細繊維束に変性し、極細繊維絡合不織布と弾性重
合体からなる繊維質基体とする。もちろん、弾性重合体
を含浸・凝固するに先立って、極細繊維発生型繊維を極
細繊維束に変性する方法を用いることもできる。次に繊
維質基体の少なくとも一面に極細繊維の立毛面を形成さ
せる。繊維立毛を形成させる方法としては、サンドペー
パーによるバフイング、針布起毛等の公知の方法で行え
ば良い。
【0017】次いで得られた繊維基体を染色すればスエ
ード調の人工皮革が得られるが、本発明の特徴であるパ
ール調の光沢とスエード感の両立のために、染色前また
は染色後に、各スポットとそれと隣り合うスポットとの
距離の最短距離が50〜500μm になるようにパー
ル顔料を含有するバインダー樹脂液をスポット状に塗布
し、乾燥する方法が用いられる。
【0018】用いられるパール顔料としては、雲母に酸
化チタンをコーティングしたものや金属の微粉末などが
あるが、なかでも雲母に酸化チタンをコーティングした
粒径1μm〜70μmのパール顔料が、雲母の表面や層
間で多重層反射を起こし、その結果光の干渉により奥深
く高級感ある光沢が得られ、好ましい。またパール顔料
の量はバインダー樹脂に対して10重量%〜300重量
%が好ましい。パール顔料の使用量が10重量%未満の
場合にはパール感が少なく商品価値の少ないものとな
り、300重量%を越える場合にはパール顔料の固着性
が悪くなり、着用中にパール顔料の脱離が生じ耐久性に
問題となる。
【0019】またバインダー樹脂としては、その役目が
パール顔料をスポット的に固着することにあり、弾性重
合体又は非弾性重合体の公知のポリマーが使用出来る。
一例を示せば、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂等が挙げられるが、好ましくは弾性重合体であり、な
かでもポリウレタン樹脂が風合い的に好ましい。バイン
ダー樹脂液は、バインダー樹脂の溶液であっても分散液
であってもよく、バインダー樹脂液中のバインダー樹脂
濃度としては1〜40重量%が好ましい。バインダー樹
脂液の溶媒あるいは分散媒としては、バインダー樹脂を
溶解または分散することができる液であるならば全て用
いることができる。
【0020】次にパール顔料を含有した溶液は、まずバ
インダー樹脂溶液又は水分散液を用意し、その溶液に所
望の量のパール顔料を分散させて得られる。パール顔料
の分散性の安定性を高める為には、必要により増粘剤を
添加しても良い。このパール顔料を含有したバインダー
樹脂溶液をスポット的に立毛表面に塗布するが、その方
法としては、スプレー法、グラビヤ印刷、捺染、インク
ジェット法等の公知の方法で塗布すれば良いが、スポッ
ト状に容易に塗布する方法としてはグラビヤ印刷法が最
も好ましい。本発明の特徴であるスエード感とパール感
を両立させる為には、スポットとそれと隣り合うスポッ
トの最短距離が50〜500μmを維持する必要があ
る。最短距離が50μm未満の場合には、スエード感が
無くなりパール感も全面に生じるため銀付き調となる。
一方500μmを越えるとスエード感が大きくなりパー
ル感が少なくなる。なお本発明において、スポットの全
てが、それと隣り合うスポットの最短距離が50〜50
0μmを維持している必要はなく、一部分ならば、本発
明で規定する最短距離条件から外れるものが存在してい
てもよい。また個々のスポットの大きさは250μm2
〜0.25mm2 が望ましい。
【0021】パール顔料の含有バインダー樹脂溶液を塗
布した後、乾燥を行いパール顔料を固着する。その後塗
布する工程が染色前である場合には、染色処理を行い本
発明の目的とするパール様スエード調人工皮革が得られ
る。パール顔料の輝きを生じさせるためには、染色し
て、背景を濃色に着色することが重要である。すなわち
晴天の夜空に光る星空の様なパール調の光沢を発揮する
ためには、人工皮革が晴天の夜空のように、十分な深い
濃い色調を有していることが好ましいこととなる。もち
ろんパール顔料を塗布するに先立って、人工皮革が染色
されている場合には、再度染色する必要はないが、好み
により、より鮮やかな光沢感を発揮するために、再度染
色してもよい。またパール顔料を固着した後に、ロータ
リーワッシャーの中に小石状の軽石と水と試料(人工皮
革)を入れて洗浄するストーンワシャー処理加工を施す
ことによりパール顔料の固着したところとパール顔料の
塗布していない境界部が不鮮明になり自然な感じがで
て、より天然皮革調のパール様スエード調人工皮革が得
られる。このストーンワッシャーに用いられる装置、条
件に関しては、通常ジーンズ製品や生地に行われている
ものと同一の装置を用いて、ジーンズの場合よりも温和
な条件で、かつ脱色剤を用いない条件で行われる。また
この処理は、人工皮革を1〜30mぐらいの長さにカッ
トし処理するのが好適である。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施態様を実施例で具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の部及び%は断わりのない限り
重量に関するものである。
【0023】実施例1 ナイロン−6/ポリエチレンをチップの状態で50/5
0の重量比で混合して、押出機にて紡糸を行い海島状繊
維(ナイロン−6が島成分、ポリエチレンが海成分)を
紡糸し、延伸、カットして4デニール、51mm長の短
繊維を作製し、ウエーバーでクロスラップを作りニード
ルパンチング機を用いて1500パンチ/cm2 のニー
ドルパンチングを施して絡合不織布を得た。この繊維質
シートにポリウレタン(ポリ3−メチル1,5−ペンタ
ンアジペートとポリエチレングリコールからなる平均分
子量2000のポリマージオール、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートおよびブタンジオールからな
るポリウレタン)のジメチルホルムアミド溶液を含浸
し、湿式凝固させた後、繊維成分の海成分を溶剤で抽出
し、目付270g/m2 、厚み0.8mm、ポリウレタ
ンと繊維の比率が55/45の基体層を得た。得られた
シートのナイロン極細繊維の繊度は0.006デニール
であり、かつ柔軟な皮革様の風合いを有していた。得ら
れた基体層の片面をサンドペーパーにてバフィングして
該ナイロン極細繊維からなる立毛表面を有した基体を得
た。次に下記の条件で染色した。
【0024】 染色条件 ラニール ブラウンGR(住友化学製) 4 %(owf) 染色助剤 1 g/l 染色温度 90 ℃ 乾燥後、揉み、整毛処理を行うと外観が極めて良好で機
械物性の優れた茶色のスエード調人工皮革が得られた。
この人工皮革の表面にグラビヤ印刷機を用いて次の条件
でパール顔料を含有したポリウレタン樹脂溶液を上記茶
色のスエード調人工皮革の表面に印刷した。
【0025】 ポリウレタン樹脂溶液組成 ポリカーボネート系ポリウレタン 4% イリオジン100シルバーパール(パール顔料) 4% (メルク・ジャパン製、粒径10〜60μm) 溶剤(ジメチルホルムアミド) 92% グラビヤ印刷ロール仕様 セル形状 格子型 線数 200線/1インチ セル深さ 36μ
【0026】パール顔料含有ポリウレタン溶液を印刷し
たのち、乾燥を行い、固着後に、軽くブラッシングを行
うと、スエード調の表面感を持った外観の中にスポット
的にパール調の光沢を有した茶色のパール様スエード調
人工皮革が得られた。この製品を走査型電子顕微鏡で撮
影してパール顔料のスポットと隣り合ったスポットの最
短距離を測定すると80μmであった。このものは、濃
色に染色されたスエード面にパール顔料が鮮やかに輝
く、極めて高級感を有するものであった。
【0027】実施例2 上記実施例1で表面をバフィングした立毛基体に実施例
1と同じ方法にてパール顔料を含有したポリウレタン溶
液を染色前に、実施例1と同一のパール顔料含有バイン
ダー液をグラビヤ印刷した後、実施例1と同様の方法に
て染色するとスエード調の表面感を持った外観の中にス
ポット的にパール調の光沢感を有した高級感ある茶色の
パール様スエード調人工皮革が得られた。
【0028】実施例3 実施例1で得られた茶色のパール様スエード調人工皮革
を下記の条件でストーンウオッシュ加工した。 ストーンウオッシュ加工条件 洗浄機 ロータリー洗浄機 水量 200L 水温 40℃ 軽石量 60kg 活性剤 1kg パール様スエード調人工皮革 5kg 処理時間 40分 ストーンウオッシュ加工を行ったあと、タンブラー乾燥
機にて乾燥し、軽く立毛表面を整毛した。得られた人工
皮革は、スポット部分と立毛部の境界がぼやけた自然な
感じの茶色のパール色調を有していた。
【0029】比較例1、2 実施例1で作製した染色後のスエード調人工皮革に、ス
クリーン捺染機を用いて下記の様な開孔部と隣り合う開
孔部の最短距離のスクリーンを作製して、実施例1で使
用したのと同一のパール顔料含有ポリウレタン溶液を塗
布してパール調人工皮革を作製した。 スクリーン種類 比較例1 比較例2 開孔部形状 円状ドット 円状ドット 開孔部最短距離 20μm 1000μm 開孔部大きさ(直径) 150μm 150μm 比較例1で作製したものは立毛感がなく、全面がパール
感で、スエード調の物とはほど遠いパール調銀面付風人
工皮革となった。また比較例2のものはスエード感は残
っているもののパール感が少なく、また人工的に付着し
たスエード調人工皮革のなった。以上の実施例及び皮革
例の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明により、表面が極細繊維の立毛に
覆われ、スエード調の触感及びルックスと晴天の夜空に
光る星空の様なパール調の光沢感を有ししている従来技
術では得ることができなかった意匠性に優れ、衣料用、
靴用、鞄用、スポーツ手袋用等に好適なパール様スエー
ド調人工皮革皮革が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細貝 洋 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 小山 和士 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株式 会社クラレ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛とその内部に含浸された弾性重
    合体からなる基体の表面に0.5デニール以下の極細繊
    維からなる立毛層が形成されており、かつ染色されてい
    るスエード調人工皮革において、該立毛層の表面にパー
    ル顔料がバインダー樹脂によりスポット状に固定されて
    おり、かつ各スポットとそれと隣り合うスポットとの距
    離の最短距離が50〜500μmであることを特徴とす
    るスエード調人工皮革。
  2. 【請求項2】 繊維布帛とその内部に含浸された弾性重
    合体からなる基体の表面に0.5デニール以下の極細繊
    維からなる立毛層が形成されているスエード調人工皮革
    を染色するに先だって、または染色後に、該立毛表面に
    パール顔料を含有するバインダー樹脂液をスポット状に
    塗布し、乾燥することを特徴とするスエード調人工皮革
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 立毛表面にパール顔料を含有するバイン
    ダー樹脂液をスポット状に塗布し、乾燥した後にストー
    ンウオシュ処理する請求項2に記載の製造方法。
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