JPH10158978A - 抗菌性アクリル繊維及びその製造方法 - Google Patents
抗菌性アクリル繊維及びその製造方法Info
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- JPH10158978A JPH10158978A JP17986397A JP17986397A JPH10158978A JP H10158978 A JPH10158978 A JP H10158978A JP 17986397 A JP17986397 A JP 17986397A JP 17986397 A JP17986397 A JP 17986397A JP H10158978 A JPH10158978 A JP H10158978A
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Abstract
維製品が使用環境でうける処理に対して性能が低下しな
い抗菌性アクリル繊維を及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 キトサン含有量が0.05〜2重量%、
第四級アンモニウム塩含有量がキトサン含有量を上回
り、3重量%以下の範囲にあることを特徴とする抗菌性
アクリル繊維及びアクリロニトリル系重合体を溶剤に溶
解した重合体溶液を、湿式紡糸し乾燥緻密化する以前の
糸条を、キトサンと第四級アンモニウム塩の混合溶液に
浸漬するか、キトサンと第四級アンモニウム塩溶液に順
次浸漬し、その後乾燥緻密化することを特徴とする抗菌
性アクリル繊維の製造方法。
Description
び資材用途等として用いることのできる抗菌性アクリル
繊維及びその製造方法に関する。
快な異臭の発生を防止する目的で近年広く使用されてお
り、衣料用、幼児、老人向け繊維製品として、また最近
では健康と快適を強く求める消費者ニーズを受け、一般
消費者向け製品として市中に広く流通している。
が用いられており、繊維製品への抗菌剤の複合処理方法
も様々である。例えば、抗菌剤としては、銀−ゼオライ
ト系を代表とする無機金属系物質を用いる技術(特開平
5−272008号公報等)、銅化合物又は銅や亜鉛な
どの金属微粉末を繊維中に添加する方法(特開昭55−
115440号公報等)、4級アンモニウム塩を誘導体
を用いる方法(特開昭59−130371号公報)、ト
リクロロカルバニリド等のハロジアリル尿素化合物を用
いる方法(特開平2−259169号公報)、その他の
化合物としてサイアベンダゾール系化合物(特開昭61
−616号公報)、フェノール系化合物(特開昭60−
252713号公報等)、脂肪酸エステル系化合物を用
いる方法(特開昭63−6173号公報等)などが知ら
れている。
繊維は、晒し処理を行うと銀、銅化合物が変性し抗菌性
が失われるという問題がある。
能性付与剤が注目されている。例えば、青森ヒバや台湾
ヒノキから抽出されるヒノキチオールは抗菌、防カビ
性、防虫等の機能を持ち、甲殻類等から得られる天然多
糖類キチンの脱アセチル化物であるキトサンは抗菌防
臭、MRSA等に対する増殖抑制効果、高保湿性、アト
ピー性皮膚炎の予防、改善その他多くの機能を有すると
言われ、繊維に付与して衣類に使用すると快適な感触が
得られるという事例が知られている。
しては、接着剤を用いる方法、キトサン微粉末を紡糸原
液に練り込む方法、キトサンの酸性溶液で処理する方法
等が知られている。しかしながら、キトサンを接着剤を
用いて繊維に付与しようとするとキトサンの凝集作用で
接着剤が凝集硬化してしまったり、またキトサン本来の
機能を発現させようとすると接着剤の量が限定されるこ
とにより洗濯耐久性に劣る。また、キトサンを微粉末に
粉砕してアクリロニトリル系重合体溶液に均一分散し公
知の方法で紡糸しようとしても紡糸口金の紡糸孔に詰ま
る等の理由により生産性よく紡糸することは困難であ
る。
浸漬し、引き続いてアルカリ浴で中和して繊維表面に析
出させる方法で得られたキトサン付与アクリル繊維の抗
菌性能は、染色、柔軟処理等の後加工や洗濯により容易
に失われる。
菌繊維製品に求められる、多くの細菌に対して効果があ
り、繊維の染色、晒し、柔軟処理等の後加工や洗濯、ア
イロン等の繊維製品が使用環境で受ける様々な処理によ
る抗菌防臭性低下を回避し、かつ生産から廃棄まで含め
た全過程で有害な物質を生じない抗菌アクリル繊維及び
その製造方法を提供することを課題とする。
量が0.05〜2重量%、第四級アンモニウム塩含有量
がキトサン含有量を上回り、3重量%以下の範囲にある
ことを特徴とする抗菌性アクリル繊維を第一の要旨とす
る。
溶解した重合体溶液を、湿式紡糸し乾燥緻密化する以前
の糸条を、キトサンと第四級アンモニウム塩の混合溶液
に浸漬するか、キトサンと第四級アンモニウム塩溶液に
順次浸漬し、その後乾燥緻密化することを特徴とする抗
菌性アクリル繊維の製造方法を第二の要旨とする。
ル系重合体とは、アクリロニトリル単位を50重量%以
上含有し、これと共重合可能な不飽和単量体単位とから
なるビニル重合体である。アクリロニトリル系重合体中
のアクリロニトリル単位の量が50重量%未満の場合
は、アクリル繊維の特徴である染色鮮明性、発色性が悪
化するとともに、熱特性をはじめとする他の物性も低下
する。
量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、又はこれら
のアルキルエステル類、酢酸ビニル、アクリルアミド、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、さらに目的によってはビ
ニルベンゼンスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソ
ーダ、アリルスルホン酸ソーダ、アクリルアミドメチル
プロパンスルホン酸ソーダ、ソディウムパラスルホフェ
ニールメタリルエーテル等のイオン性不飽和単量体を用
いることができる。
エビ等の甲殻類の外骨格を形成するキチン質から炭酸カ
ルシウム、タンパク質を除去して得られるキチンを濃ア
ルカリと加熱して脱アセチル化した塩基性多糖類であ
る。
有量としては、後述の測定方法で測定した含有量で0.
05〜2重量%の範囲であることが、抗菌防臭性と染色
性、柔軟性の両立の点から必要である。キトサン含有量
が0.05重量%未満の場合、十分な柔軟性と抗菌性が
発現しないし、2重量%を超える場合は染色性の低下、
あるいは紡績工程でのキトサン脱落による操業性の悪化
が発生する。特にアクリル繊維の長所である発色鮮明性
を維持するためには、キトサン含有量が0.05重量%
〜1重量%の範囲が特に好ましい。
のは実施例のところに述べた方法により測定したのもで
ある。
ともに第四級アンモニウム塩を繊維に含有していること
が必要である。驚くべきことに、この構成によりキトサ
ンを含有することによって得られる柔軟性が恒久的なも
のとなる。第四級アンモニウム塩の含有量は、キトサン
含有量を上回り、3重量%以下であることが必要であ
る。第四級アンモニウム塩の含有量がキトサン含有量未
満では、柔軟性が低くなると共に、キトサンと第四級ア
ンモニウム塩の混合溶液に浸漬する製造工程時において
はキトサンの分散安定化、乾燥緻密化時の繊維の膠着抑
制等の効果が低くなる。又、3重量%を超えると、染色
性の低下、あるいは紡績工程での第四級アンモニウム塩
の脱落による操業性悪化の原因となる。
は、キトサンと第四級アンモニウム塩の混合溶液に浸漬
する製造工程においては、キトサンの安定分散化を維持
し、さらに乾燥緻密化工程で繊維の膠着防止が可能とな
る利点も有する。
し等の後加工時、あるいは洗濯処理時においても維持
し、製造工程でキトサンの安定分散化を容易にするため
には、一般式が
ルキル基、X-はハロゲンイオン、有機酸アニオン又は
オキソ酸イオンを示す。)の第四級アンモニウム塩の使
用が好ましい。ここで有機酸アニオンはカルボキシレー
ト、スルホネート、サルフェート、ホスフェート及びホ
スホネートの群から選ばれる1種以上のものであり、特
にカルボキシレートとサルフェートが好ましい。有機酸
アニオンを用いると、他のアニオンを用いた場合に繊維
上に付着したハロゲンイオンやオキソ酸イオンによって
引き起こされる紡績工程等の後工程での発錆の問題を抑
制できる点で有利である。
は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヒドロ
キシエチルデシルエチルアンモニウム、N−ヒドロキシ
エチルN,N−ジメチルN−ステアリルアミドエチルア
ンモニウムエチルスルホネート、ジデシルジメチルアン
モニウムアジペート、ジデシルジメチルアンモニウムグ
ルコネート等が好ましく用いられる。
0分処理により工程油剤を除去しても低い繊維−繊維間
の静摩擦係数を維持している。このことは染色工程、繊
維製品となった後の洗濯を経ても低い繊維−繊維間の静
摩擦係数、すなわち柔軟性が維持されることを意味し、
最終繊維製品中にて本発明の繊維を70重量%以上使用
する場合は、アクリル繊維製品の最終仕上げ工程時に通
常使用する柔軟剤量を低くすることが可能となる。
帛、不織布等の繊維複合体として用いる場合、抗菌性能
と柔軟性を得るためには、本発明の抗菌性アクリル繊維
が70重量%以上混合し、抗菌性のみを得るためには2
0重量%以上混合されていることが好ましい。本発明の
抗菌性アクリル繊維と混合する繊維としては、使用目的
に合わせて選択すればよく特に限定しないが、通常のア
クリル繊維、綿、レーヨン、ウール、麻、絹、ポリエス
テル等公知の繊維が挙げられる。
法について説明する。上記のアクリロニトリル系重合体
を溶解し、紡糸する溶剤としては、上記重合体が紡糸可
能な濃度に溶解すればよく特に限定しないが、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等の有機溶剤、硝酸、ロダン塩ソーダ、塩化亜鉛
等の無機物の濃厚水溶液が挙げられる。後述する乾燥緻
密化前のアクリル繊維糸条のミクロボイド形成の点から
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の有機溶剤が好適に用いられる。
固糸、洗浄糸、延伸糸と呼ばれる段階のアクリル繊維
に、キトサンが酸の存在下に塩を形成し溶解する性質を
用いて、キトサンとともに第四級アンモニウム塩を付与
することが、後加工、洗濯等の使用環境でのキトサン脱
落、キトサンの抗菌防臭性能の失活を抑制する上で必要
である。本発明のアクリル繊維に付与されたキトサン、
第四級アンモニウム塩の多くは、乾燥緻密化以前のアク
リル繊維糸条に存在するミクロボイドや繊維組織中の比
較的ルーズな部分に取り込まれ析出することにより脱
落、失活が抑制され、抗菌防臭性が持続するものと推定
される。
サンと第四級アンモニウム塩の混合溶液に浸漬する方法
は、工程を簡略化し、キトサン溶液の安定性の点で有利
で、キトサン溶液と第四級アンモニウム塩溶液に順次浸
漬する方法は工程管理を容易にすると同時に、キトサン
の繊維中への含浸程度を独立して制御できるという点で
有利である。
ル繊維の工程油剤処理槽と独立に設けることもできる
し、工程油剤処理槽と兼ねても良い。第四級アンモニウ
ム塩溶液に工程油剤を添加し、乾燥緻密化前のアクリル
繊維糸条を処理することには、恒久的な柔軟性がさらに
顕著となるので好ましい。
度としては、5重量%以下が容易に溶解できるので好ま
しい。酸の種類は特に限定しないが、塩酸、酢酸、乳
酸、蟻酸等が好適に使用可能である。また、酸の濃度
は、紡糸工程の腐食の問題からキトサンが溶解する範囲
で低い程好ましい。
カチオン系又はノニオン系界面活性剤を併用することが
できる。
説明する。なお、実施例において「重量%」は単に
「%」と表示した。 (キトサン含有量の測定法) 1)秤量したアクリル繊維0.2gに70%塩化亜鉛溶
液10mlを添加し、繊維を溶解した。 2)ジメチルアセトアミド2mlを添加して1時間放置
した。
ベンズアルデヒドの1%エタノール溶液)1mlを添加
した。 4)2時間後に波長435nmで3)の溶液の吸光度を
測定した。 5)検量線からキトサン濃度を求め、アクリル繊維含有
量に換算した。
アクリル繊維をDMSO−d6中に4%となるように溶
解し、1H−NMRを測定し、アクリロニトリル系重合
体由来のピークと第四級アンモニウム塩由来のピークの
面積比から繊維中の含有量を求めた。
合体の還元粘度ηredは、アクリニトリル系重合体を
ジメチルホルムアミドに0.5%となるよう溶解した重
合体溶液の粘度を25℃においてキャノンフェンスケ粘
度計を用いて測定した。
で定めた菌数測定法により、黄色ブドウ状球菌による菌
数増減値差を求めた。菌数増減値差1.6以上を抗菌性
有効の基準とした。尚、洗濯方法は同協議会で定めた方
法に従った。
繊維摩擦係数測定機(興亜商会製)を使用して繊維−繊
維間の静摩擦係数を測定した。
度1.96のアクリロニトリル系重合体(アクリロニト
リル/酢酸ビニル=93/7重量比)を得た。これをジ
メチルアセトアミドに共重合体濃度が25%となるよう
に溶解し紡糸原液とした。
セトアミド水溶液を満たした紡糸浴中に湿式紡糸し、沸
水中で溶剤を洗浄しながら5倍延伸を施した後、引き続
き、キトサン(共和テクノス株式会社フローナックC)
0.1%、酢酸0.05%、界面活性剤としてポリオキ
シエチレン(重合度200)0.3%、第四級アンモニ
ウム塩として塩化ジデシルジメチルアンモニウム0.3
5%を分散した工程油剤を付与する油浴中に導き、繊維
重量に対する付着水分量が100%となるように脱水し
た。その後、150℃の熱ローラーで乾燥緻密化を行っ
た。
の中で緩和処理を行い、単繊維繊度3デニールのキトサ
ン処理アクリル繊維を得た。本繊維中の付着キトサン量
と第四級アンモニウム塩量を前記の方法で測定したとこ
ろ0.08%と0.33%であった。また、油浴槽での
キトサンの分離、乾燥緻密化工程での繊維の膠着は認め
られなかった。
処理、水洗、風乾後の繊維−繊維間の静摩擦係数を測定
したところ0.285であった。
績糸を作製した。この紡績糸50g、染料(保土ヶ谷化
学株式会社カチロンblue KGLH)0.25g、
酢酸1g、酢酸ナトリウム0.25gを純水1000g
中に添加し100℃まで昇温し、その温度℃で30分保
持した後、水洗、脱水、乾燥した。染色後の紡績糸に対
し肉眼判定で発色鮮明性を評価すると同時に、洗濯前、
洗濯10回後の抗菌性を評価した。結果は表1のとおり
であった。
において、油浴槽中のキトサン濃度、酢酸濃度、界面活
性剤濃度、キトサン酸性水溶液浸漬後の付着水分率を段
階的に変更し、キトサン含有量、塩化ジデシルジメチル
アンモニウム含有量の異なるアクリル繊維を得た。いず
れも、油浴槽でのキトサンの分離、乾燥緻密化工程での
繊維の膠着は認められなかった。実施例1と同様に操作
して、繊維−繊維間の静摩擦係数、抗菌性を評価した結
果、表1のとおりであった。キトサン含有量2.4%、
塩化ジデシルジメチルアンモニウム含有量2.88%原
綿(比較例2)とキトサン含有量0.4%、塩化ジデシ
ルジメチルアンモニウム含有量3.25%原綿(比較例
3)は紡糸乾燥ローラーと、紡績工程へのキトサン(比
較例2)あるいは塩化ジデシルジメチルアンモニウム
(比較例3)付着が大であり、紡績糸を得ることは出来
なかった。
エチレン濃度0.2%、塩化ジメチルジデシルアンモニ
ウム濃度0.2%のみからなりキトサンを含まない油浴
槽で処理するほかは実施例1と同様に操作して、単繊維
繊度3デニールのアクリル繊維を得た。実施例1と同様
に測定した繊維−繊維間の静摩擦係数は0.455であ
った。
色した紡績糸とした後、染色後洗濯前、洗濯10回後の
抗菌性を評価した結果、表1に示した通り抗菌性は発現
しなかった。
繊維30%と綿70%を混合して紡績糸を作製した。実
施例1と同じ条件でカチオン染色した後、洗濯前、洗濯
10回後の抗菌性を評価したところそれぞれ2.8と
1.9であった。
塩と界面活性剤を塩化ジヒドロキシエチルデシルエチル
アンモニウムの濃度0.3%、ポリオキシエチレン(重
合度200)の濃度0.3%とした以外は実施例1と同
様にしてアクリル繊維を得た。キトサン含有量は0.0
9%、塩化ジヒドロキシエチルデシルエチルアンモニウ
ムの含有量は0.29%であった。また繊維−繊維間の
静摩擦係数は0.320、抗菌性は洗濯前2.8、洗濯
10回後は2.2であった。
塩と界面活性剤をN−ヒドロキシエチルN,N−ジメチ
ルN−ステアリルアミドエチルアンモニウムエチルスル
ホネートの濃度0.4%、エチレンオキサイドプロピレ
ンオキサイドブロックポリエーテル(エチレンオキサイ
ド/プロピレンオキサイド=40/60、分子量500
0)の濃度0.2%とした以外は実施例1と同様にして
アクリル繊維を得た。原綿中のキトサン含有量は0.0
9%、N−ヒドロキシエチルN、N−ジメチルN−ステ
アリルアミドエチルアンモニウムエチルスルホネートの
含有量は0.38%であった。また繊維−繊維間の静摩
擦係数は0.290、抗菌性は洗濯前2.6、洗濯10
回後は2.0であった。
ノス株式会社フローナックC)濃度0.1%、酢酸濃度
0.05%、塩化ジデシルジメチルアンモニウム濃度
0.35%に設定し、また工程油剤処理槽中のエチレン
オキサイドプロピレンオキサイドブロックポリエーテル
(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=40/
60、分子量5000)の濃度を0.2%した以外は実
施例1と同様にして、アクリル繊維を得た。キトサン含
有量は0.09%、塩化ジデシルジメチルアンモニウム
付着量は0.32%であった。また、繊維−繊維間の静
摩擦係数は0.295、抗菌性は洗濯前5.0、洗濯1
0回後4.8であった。
キシエチレン(重合度200)の濃度0.5%とし、第
四級アンモニウム塩を添加しない他は実施例1と同様に
してアクリル繊維を得た。キトサン含有量は0.09%
であった。しかし繊維−繊維間の静摩擦係数は0.41
0であり、原綿の膠着が多く紡績糸を得ることはできな
かった。
和テクノス株式会社フローナックC)0.1%、酢酸
0.05%、界面活性剤としてポリオキシエチレン(重
合度200)0.3%、第四級アンモニウム塩として塩
化ジデシルジメチルアンモニウム0.35%を分散した
工程油剤を付与する油浴中に導」く代わりに、「キトサ
ン(共和テクノス株式会社フローナックC)0.1%、
酢酸0.05%の浸漬漕に導入した後、界面活性剤とし
てポリオキシエチレン(重合度200)0.3%、第四
級アンモニウム塩として塩化ジデシルジメチルアンモニ
ウム0.35%を分散した工程油剤を付与する油浴中に
導」き、アクリル繊維を得た。実施例1と同様にして、
繊維−繊維間の静摩擦係数、抗菌性を評価した結果、表
1のとおりであった。
例11においてキトサン溶液漕のキトサン濃度及び油浴
槽中の塩化ジデシルジメチルアンモニウムの濃度段階的
に変更し、キトサンと塩化ジデシルジメチルアンモニウ
ムを含有するアクリル繊維を得た。実施例1と同様にし
て、繊維−繊維間の静摩擦係数、抗菌性を評価した結
果、表1のとおりであった。キトサン含有量2.48
%、塩化ジデシルジメチルアンモニウム含有量2.96
%の原綿(比較例6)は紡糸乾燥ローラーと、紡績工程
へのキトサン付着が大であり紡績糸を得ることはできな
かった。
面活性剤としてポリオキシエチレン濃度0.2%、塩化
ジデシルジメチルアンモニウム濃度0.2%とからなる
油浴槽で処理する他は実施例11と同様に操作して、単
繊維繊度3デニールのアクリル繊維を得た。実施例1と
同様にして、測定した繊維−繊維間の静摩擦係数は0.
446であった。
色した紡績糸とした後、洗濯前、洗濯10回後の抗菌性
を評価した結果、表1のとおり抗菌性は発現しなかっ
た。
リル繊維30%と綿70%を混合して紡績糸を作製し
た。実施例1と同じ条件でカチオン染色した後、洗濯
前、洗濯10回後の抗菌性を評価したところ、それぞれ
3.1、2.4であった。
中の第四級アンモニウム塩と界面活性剤を塩化ジヒドロ
キシエチルデシルエチルアンモニウム濃度0.3%、ポ
リオキシエチレン(重合度200)濃度0.3%とした
以外は実施例11と同様にしてアクリル繊維を得た。原
綿中のキトサン含有量は0.1%、塩化ジヒドロキシエ
チルデシルエチルアンモニウム含有量は0.29%であ
った。また繊維−繊維間の静摩擦係数は0.334、抗
菌性は洗濯前4.26、洗濯10回後は3.5であっ
た。
中の第四級アンモニウム塩と界面活性剤をN−ヒドロキ
シエチルN,N−ジメチルN−ステアリルアミドエチル
アンモニウムエチルスルホネートの濃度0.4%、エチ
レンオキサイドプロピレンオキサイドブロックポリエー
テル(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=4
0/60、分子量5000)の濃度0.2%とした以外
は実施例11と同様にしてアクリル繊維を得た。原綿中
のキトサン含有量は0.1%、N−ヒドロキシエチル
N、N−ジメチルN−ステアリルアミドエチルアンモニ
ウムエチルスルホネートの含有量は0.40%であっ
た。また繊維−繊維間の静摩擦係数は0.298、抗菌
性は洗濯前3.2、洗濯10回後は2.3であった。
中のキトサン(共和テクノス株式会社フローナックC)
濃度を0.1%、酢酸濃度を0.05%、塩化ジデシル
ジメチルアンモニウム濃度を0.35%にそれぞれ設定
し、また工程油剤処理漕中のエチレンオキサイドプロピ
レンオキサイドブロックポリエーテル(エチレンオキサ
イド/プロピレンオキサイド=40/60、分子量50
00)の濃度を0.2%とした以外は実施例11と同様
にして、アクリル繊維を得た。キトサン含有量は0.1
%、塩化ジヒドロキシエチルデシルエチルアンモニウム
含有量は0.32%であった。また繊維−繊維間の静摩
擦係数は0.295、抗菌性は洗濯前5.0、洗濯10
回後は4.8であった。
の界面活性剤をポリオキシエチレン(重合度200)の
濃度0.5%とし、第四級アンモニウム塩を添加しない
他は実施例11と同様にしてアクリル繊維を得た。キト
サン含有量は0.09%であった。しかし繊維−繊維間
の静摩擦係数は0.410であり、原綿の膠着が多く紡
績糸を得ることはできなかった。
中の第四級アンモニウム塩をジデシルジメチルアンモニ
ウムアジペート濃度0.4%とした以外は実施例11と
同様にしてアクリル繊維を得た。キトサン含有量は0.
1%、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート含有量
は0.39%であった。また繊維−繊維間の静摩擦係数
は0.287、抗菌性は洗濯前4.8、洗濯10回後
4.4であった。
中の第四級アンモニウム塩をジデシルジメチルアンモニ
ウムグルコネート濃度0.5%とした以外は実施例11
と同様にしてアクリル繊維を得た。キトサン含有量は
0.1%、ジデシルジメチルアンモニウムグルコネート
含有量は0.47%であった。また繊維−繊維間の静摩
擦係数は0.269、抗菌性は洗濯前5.2、洗濯10
回後4.5であった。
加工や洗濯、アイロンなど繊維製品が使用環境でうける
処理に対して抗菌性能が低下しないアクリル繊維が得ら
れる。また、柔軟性を有するため、最終繊維製品中に本
発明の繊維を70%以上使用する場合は、最終仕上げ工
程で使用する柔軟処理剤の使用量を大幅に減少すること
ができる。また、本発明の製造方法によれば、前記の繊
維を効率よく製造することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 キトサン含有量が0.05〜2重量%、
第四級アンモニウム塩含有量がキトサン含有量を上回
り、3重量%以下の範囲にあることを特徴とする抗菌性
アクリル繊維。 - 【請求項2】 第四級アンモニウム塩が一般式、 [R1R2(CH3)2N]+X- (但し、R1、R2は炭素数8〜18の同一又は異なるア
ルキル基、X-はハロゲンイオン、有機酸アニオン又は
オキソ酸イオンを示す。)である請求項1記載の抗菌性
アクリル繊維。 - 【請求項3】 X-がカルボキシレート、スルホネー
ト、サルフェート、ホスフェート及びホスフォネートか
らなる群から選ばれる1種以上の有機酸アニオンである
請求項2記載の抗菌性アクリル繊維。 - 【請求項4】 アクリロニトリル系重合体を溶剤に溶解
した重合体溶液を、湿式紡糸し乾燥緻密化する以前の糸
条を、キトサンと第四級アンモニウム塩の混合溶液に浸
漬するか、キトサンと第四級アンモニウム塩溶液に順次
浸漬し、その後乾燥緻密化することを特徴とする抗菌性
アクリル繊維の製造方法。 - 【請求項5】 第四級アンモニウム塩が一般式、 [R1R2(CH3)2N]+X- (但し、R1、R2は炭素数8〜18の同一又は異なるア
ルキル基、X-はハロゲンイオン、有機酸アニオン又は
オキソ酸イオンを示す。)である請求項4記載の抗菌性
アクリル繊維の製造方法。 - 【請求項6】 キトサンと第四級アンモニウム塩との混
合溶液中もしくは第四級アンモニウム塩溶液中に工程油
剤を含有する請求項4又は5記載の抗菌性アクリル繊維
の製造方法。
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