JPH101552A - コーティング方法 - Google Patents

コーティング方法

Info

Publication number
JPH101552A
JPH101552A JP17282596A JP17282596A JPH101552A JP H101552 A JPH101552 A JP H101552A JP 17282596 A JP17282596 A JP 17282596A JP 17282596 A JP17282596 A JP 17282596A JP H101552 A JPH101552 A JP H101552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
polyolefin
vinyl chloride
polymer
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP17282596A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiro Yasuboshi
道宏 安星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP17282596A priority Critical patent/JPH101552A/ja
Publication of JPH101552A publication Critical patent/JPH101552A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体
に共重合樹脂をコ−ティングするに際し、該樹脂基体を
高温にした溶媒で処理する方法。 該樹脂基体と共重
合樹脂との間にプライマー樹脂を介在させること。
ポリオレフィンが高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レンである。 共重合樹脂が、疎水性モノマーと親水
性モノマーと、場合によって酵素類と結合する出来る官
能基含有モノマ−とを含む水不溶性の親水性共重合樹脂
である。 高温溶媒の温度が、常温以上でポリオレフ
ィンの融点以下の温度で且つ該樹脂表面を膨潤させるに
十分な温度である。 高温溶媒による処理が、70℃
〜150℃の温度で数秒〜数十秒間浸漬すること。 【効果】 ポリオレフィン樹脂に対して化学反応なしに
容易に各種特性を持った樹脂を接着性良くコ−ティング
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂系熱可塑性樹脂基体に、高潤滑性、抗血栓性、或いは
酵素固定性の良好な特性等を付与する目的で行なう、該
樹脂の表面改質に関するものである。より詳しくは、本
発明は、該ポリオレフィン樹脂に対する、上記各特性を
与える共重合樹脂のコ−ティング方法の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば医療器具表面の樹脂に潤滑
性を付与しようとした場合には、該樹脂表面に親水性高
分子物質を化学反応により固定し、該樹脂表面上に親水
性高分子物質の被覆層を形成し、湿潤時に該表面が潤滑
性を有するようにする方法(特公平4−14991号公
報)等が提案されていた。しかし、この方法をポリオレ
フィン樹脂等の不活性な樹脂に適用しようとした場合、
予め親水性高分子物質と反応可能な下地(プライマー
等)層を化学反応等により形成する必要があり、そのた
めに、まずオゾン酸化する方法(特公平6−33885
1号公報)や或いはプラズマ処理等によって該樹脂表面
を活性化する必要があった。
【0003】また、化学反応を伴わない方法(特開平2
−80056号公報、特開昭49−44590号公報)
も堤案されているが、その場合に医療機器表面を形成す
る該樹脂基体がウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等の親水
性樹脂であり、ポリオレフィン系樹脂等の不活性樹脂の
場合には、剥離の問題が生じてこのような手段を適用す
ることは不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィン系樹脂に親水性高分子物質を、化学反応を必
要とせず、容易に強固に固定化(コ−ティング)できる
方法に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究した結果、ポリオレフィン系熱可塑
性樹脂基体の表面を高温にした溶媒で処理することによ
り、化学反応を伴わなくとも、該樹脂基体の表面に親水
性高分子物質である共重合樹脂を容易に強固に固定化
(コ−ティング)できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち、本発明は: ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体に共重合樹脂を
コ−ティングする方法において、該ポリオレフィン系熱
可塑性樹脂基体を高温にした溶媒で処理する方法を提供
する。また、 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体と共重合樹脂と
の間にプライマー樹脂を介在させる点にも特徴を有す
る。また、 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレンである点にも特徴を有する。ま
た、 共重合樹脂が、疎水性部を構成する疎水性モノマー
と親水性部を構成する親水性モノマーと、場合によって
酵素類と結合する出来る官能基含有モノマ−とを含む水
不溶性の親水性共重合樹脂である点にも特徴を有する。
また、
【0007】 水不溶性の親水性共重合樹脂が、塩化
ビニルの単独重合体、エチレン−塩化ビニルの重合体、
酢酸ビニル−塩化ビニルの重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル−塩化ビニルの重合体からなる群から選択された重合
体幹に、アルコキシポリエチレンメタクリレ−ト、ヒド
ロキシポリエチレンメタクリレ−ト又はアクリル酸モノ
マーと、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト又はアク
リロイルオキシスクシンイミドとを共重合した樹脂であ
る点にも特徴を有する。また、 プライマー樹脂が塩化ビニルの単独重合体、エチレ
ン−塩化ビニルの重合体、酢酸ビニル−塩化ビニルの重
合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルの重合体から
なる群から選択された1種以上である点にも特徴を有す
る。また、
【0008】 プライマー樹脂が前記水不溶性の親水
性共重合樹脂を構成する疎水性モノマーの重合体幹と同
じである点にも特徴を有する。また、 高温にした溶媒の温度が、常温以上でポリオレフィ
ン系熱可塑性樹脂の融点以下の温度で且つ該樹脂表面を
膨潤させるに十分な温度である点にも特徴を有する。ま
た、 高温にした溶媒による処理が、70℃〜150℃の
温度で数秒間から数十秒間浸漬するものである点にも特
徴を有する。また、 (10) 前記溶媒がキシレン等の疎水性溶媒である点にも
特徴を有する。
【0009】以下、本発明を詳述する。まず、本発明で
いうポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1
などのオレフィンモノマーの単独重合体またはそれらモ
ノマーを含む共重合体、例えば高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができ
る。また、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体の形態と
してはフィルム状、チュ−ブ状、その他の種々の成形体
である。
【0010】つぎに、本発明に用いる共重合樹脂として
は、各種目的に応じて種々のモノマーを選択してそれに
合った特性を有する共重合樹脂を挙げることができる
が、その樹脂の種類や構造に制限されない。例えば、高
潤滑性、抗血栓性、或いは良好な酵素固定性等を付与し
ようとするには、多くの場合それに合致した親水性を付
与することになるが、この場合にはオレフィンモノマ−
等を含み水不溶性とした親水性共重合樹脂が好適に使用
される。
【0011】この水不溶性の親水性共重合樹脂として
は、典型的にはその構造中に疎水性部と親水性部を有
し、場合によってヘパリン等の抗血栓剤、或いは種々の
目的に応じた酵素類と結合することの出来る官能基含有
モノマ−を共重合成分として有する親水性共重合樹脂を
好適に用いることができる。すなわち、疎水性部はエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−
1等のオレフィン系モノマ−;塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、スチレン、その他の疎水性モノマ−等の一種以上の
モノマ−からなり、疎水性部を構成するモノマーの重合
体或いは共重合体、例えば塩化ビニルの単独重合体、エ
チレン−塩化ビニルの重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル
の重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルの重合体
等の形態が望ましい。
【0012】親水性部はアクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸ソ−ダ、メタクリル酸ソ−ダ、ヒドロキシエチ
ルアクリレ−ト、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、C
1 〜C4 のアルコキシ(メトキシ、エトキシ、ブトキ
シ、プロポキシ)ポリエチレングリコ−ルアクリレ−
ト、C1 〜C4 のアルコキシ(メトキシ、エトキシ、ブ
トキシ、プロポキシ)ポリエチレングリコ−ルメタクリ
レ−ト、ヒドロキシポリエチレングリコ−ルメタクリレ
−ト、ビニルアルコ−ル、ビニルピロリドン、ビニルピ
リジン、アクリルアミド、その他の親水性モノマ−等の
一種以上のモノマ−からなり、上記疎水性部を構成する
疎水性モノマーの重合体或いは共重合体幹に、必要に応
じて下記の官能基含有モノマーと一緒に、上記親水性部
を構成する親水性モノマーをグラフト共重合させた形態
が望ましい。
【0013】官能基含有モノマ−としては、例えばジア
ルキルアミノエチルメタクリレ−ト、ジアルキルアミノ
エチルアクリレ−ト、アクリロイルオキシスクシンイミ
ド、メタクリロイルオキシスクシンイミドその他を挙げ
ることができる。これらのうちで、疎水性部の共重合体
として、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体
(グラフトマ−R−3 日本ゼオン製)等は入手性が良
く、これらに親水性部となる親水性モノマーとしてメト
キシポリエチレングリコールメタクリレ−ト、アクリル
酸等を、そして官能基含有モノマ−としてジメチルアミ
ノエチルメタクリレ−ト、アクリロイルオキシスクシン
イミド等を光重合(又はグラフト重合)したものの使用
が好ましい。
【0014】これら各種特性を有する共重合樹脂は、通
常該樹脂を溶解可能な有機溶媒、特にジメチルホルムア
ミド、テトラハイドロフラン等の極性溶媒の一種以上に
溶かされ溶液として使用される。本発明の方法において
は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体を高温にした溶
媒で処理することを特徴とするものである。本発明で
は、この処理により、該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂
基体と共重合樹脂との間に強固な接着力を得ることが出
来る。
【0015】これに使用する溶媒としては、高温におい
て、医療器具等の表面のポリオレフィン系樹脂表面を膨
潤させる働きを有するものであれば特に制限されない
が、例えばキシレン、トルエン、ベンゼン等の疎水性溶
媒;ジオクチルアジペ−ト等のエステル類;テトラハイ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォ
キサイド等の極性溶媒;バラフィン等のオイル類その他
を使用することが出来るが、特にキシレン等の疎水性溶
媒の使用が好ましい。
【0016】以下に、例として、医療器具等の表面のポ
リオレフィン系樹脂にハイデンシティ−ポリエチレンロ
ッドを使用し、これに、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビ
ニル共重合体(グラフトマ−R−3)幹にアクリル酸を
光グラフト重合した親水性共重合樹脂をコ−ティングす
る場合を用いて、本発明におけるコ−ティング方法の特
徴を説明する。ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体表面
に該親水性共重合樹脂をコ−ティングする場合、親水性
樹脂を直接コ−ティングしてもよいが、プライマ−樹脂
をコ−ティングした後に、親水性共重合樹脂をコ−ティ
ングしたほうが、良好な表面、及び接着性を得られるこ
とが多く好ましい。
【0017】使用するプライマ−樹脂としては、該樹脂
基体表面と比較的相溶性が良く、且つ親水性共重合樹脂
とも相溶性のよい樹脂が良く、例えば、該親水性共重合
樹脂を構成する疎水性部の幹ポリマ−の使用、特に疎水
性部の幹ポリマ−と同じものの使用が望ましい。例え
ば、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体(グラ
フトマ−R−3)等が好適に用いられる。また、塩化ビ
ニルの単独重合体、エチレン−塩化ビニルの重合体、酢
酸ビニル−塩化ビニルの重合体等の塩化ビニル含有重合
体もプライマー樹脂として有効である。
【0018】更に、上記プライマー樹脂用重合体中に
は、他のエチレン性不飽和モノマー、例えばスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の少量を
共重合させても良い。まず、該樹脂基体ロッド表面を、
常温以上で該樹脂基体の融点以下の温度て該樹脂基体表
面を膨潤させる温度に昇温させた溶媒にて処理する必要
がある。この場合液体に浸漬して行なうと操作が容易で
あるが、気体状の高温溶媒にて処理したほうが後処理等
で容易の場合がある。
【0019】本例の場合、上記溶媒の昇温の程度は、該
樹脂基体の種類により一義的に定められないが、一般的
には70℃〜150℃、好ましくは90℃〜130℃、
より好ましくは100℃〜120℃の高温に昇温された
P−キシレン等の溶媒に数秒間から数十秒間浸漬するこ
とが好ましい。この高温にした溶媒処理は、昇温温度が
低いと膨潤しにくく、高いと該樹脂表面を溶かしてしま
うか変形させてしまい、また、処理(浸漬)時間は短け
れば十分な膨潤を得ることが出来ず、長ければ表面だけ
でなく内部まで膨潤させ、変形の原因となる。浸漬した
後は、数秒間から数分間以上乾燥させ、表面の余分な溶
媒を取りのぞくことが好ましい。
【0020】次に、プライマ−樹脂或いは親水性共重合
樹脂を溶解した溶液に数秒間浸漬する。この場合、浸漬
時間は適宜選択すればよい。また、両者を溶解するのに
用いる溶媒は、プライマ−樹脂或いは親水性共重合樹脂
を溶解出来るものであれば特に制限されず、例えば、溶
媒の乾燥等の後処理等を考えて、THF等の溶解力のあ
る沸点の低い溶媒を用いることが好ましい。溶解濃度も
適宜選択すればよく、高くすれば厚くコ−ティングする
ことが出来、低くすればコーティング面の表面性を良く
することが出来る。
【0021】浸漬後は溶媒を乾燥する。その時間は適宜
選択する。上記のコ−ティング操作は、繰り返し行なう
ことが出来、コ−ティングの厚さをコントロ−ルするこ
とが出来る。特に、プライマ−樹脂を用いた場合は、こ
の後上記と同様に、親水性共重合樹脂をコ−ティングす
る。
【0022】その後、苛性ソ−ダ水溶液等に浸漬し、親
水性共重合樹脂を鹸化する。この濃度、時間も適宜選択
する。濃度が高く、時間がながければ、剥離等の問題を
生じ、濃度が低く時間が短ければ、満足な鹸化表面を得
ることが出来ない。この鹸化作業は親水性共重合樹脂を
コ−ティングするたびに行なってもよく、最後にまとめ
て行なってもよいが、コ−ティング一回ごとに行なった
方が往々にして良好な表面を得ることが出来る。
【0023】かくして得られたコ−ティング物表面の湿
潤時における潤滑性は良好で、剥離等表面性も優れてい
る。上記説明は、潤滑性表面を得る場合であったが、抗
血栓性表面を得る場合、酵素等への易結合表面を得る場
合においても、同様な方法で行なうことにより、接着性
の良い各種各特性の優れた表面を得ることが出来る。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、それらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1〜10)ジチオカ−バメイト化塩ビ含有ポリ
マ−(グラフトマ−R−3:日本ゼオン(株)製)(ジ
チオカ−バメイト化率約2モル%)をシクロヘキサノン
に溶解し、アクリル酸(AACと略す) 或いはメトキシ
ポリエチレングリコ−ルメタクリレ−ト( MOPEGM
と略す;エチレングリコ−ル部の重合度=22〜26及び86
〜94) と、アクリロイルオキシスクシンイミド(AOS
Iと略す) 或いはジメチルアミノエチルメタクリレ−ト
( DMAEMAと略す )を加え、光源内部浸漬型光反応
装置中で100W水銀灯を照射し、各種のグラフト共重
合体を得た。その結果を下記表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】[註]*1 塩ビ含有ポリマ−:グラフト
マ−R−3(日本ゼオン(株)製)EVAに塩化ビニル
をグラフト重合したもの。 塩素含有率:39.6重量% 数平均分子量:33,0
00 *2 MOPEGMA :メトキシポリエチレングリコ−ルメタ
クリレ−ト PEG部の重合度=22〜26 *3 MOPEGMA :メトキシポリエチレングリコ−ルメタ
クリレ−ト PEG部の重合度=86〜94 *4 AAc :アクリル酸 *5 AOSI:アクリロイルオキシスクシンイミド *6 DMAEMA:ディメチルアミノエチルメタクリレ−ト このようにして得られた各種グラフト共重合体を、表2
〜5の条件にしたがってハイデンシティ−ポリエチレン
ロッド(直径8mm)及びロ−デンシティ−ポリエチレ
ンカテ−テルチュ−ブ(F5)に対しコ−ティングし
た。これらコ−ティング物の評価結果を、表4、5に示
す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表4、5から明らかなように、本発明に従
って行なわれた実施例では、剥離のない表面性の良好な
試験片を得ることが出来るが、本発明によらない比較例
では、剥離の激しい表面性の悪い試験片しか得ることが
出来ない。また、湿潤時の潤滑性も、本発明による実施
例では良好な潤滑性を示すことが分かる(実施例1、
2、4、6、7、9)。それに対して、本発明によらな
い比較例では、全く湿潤時の潤滑性に対する親水性共重
合樹脂による効果を得ることが出来なかった(比較例1
〜5、9〜10、13〜17、21〜22)。
【0032】また、親水性共重合樹脂として実施例3、
5、8、10に用いたグラフト共重合体(樹脂No.
3、5)は、別に測定した抗血栓性試験(カルシウム再
加時間試験)において、ヘパリンの良好な担体となり、
極めて優れた抗血栓性を示すことが分かっており、表面
性の良好な実施例3.5,8,10も優れた抗血栓性を
示すことが考えられる。なお、上記の表面性の評価は、
目視及び水中において、試験片を何回も指でつまみ擦る
ことにより評価し、潤滑性は水中で擦る際の滑り及び摩
擦抵抗により判断した。
【0033】
【発明の効果】本方法を用いることにより、ポリオレフ
ィン樹脂に対し、化学反応なしに容易に各種特性を持っ
た樹脂を接着性良くコ−ティングすることが出来、その
効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08K 5:01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体に共
    重合樹脂をコ−ティングする方法において、該ポリオレ
    フィン系熱可塑性樹脂基体を高温にした溶媒で処理する
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基体と共
    重合樹脂との間にプライマー樹脂を介在させることを特
    徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が高密度
    ポリエチレン、低密度ポリエチレンであることを特徴と
    する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 共重合樹脂が、疎水性部を構成する疎水
    性モノマーと親水性部を構成する親水性モノマーと、場
    合によって酵素類と結合する出来る官能基含有モノマ−
    とを含む水不溶性の親水性共重合樹脂であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 水不溶性の親水性共重合樹脂が、塩化ビ
    ニルの単独重合体、エチレン−塩化ビニルの重合体、酢
    酸ビニル−塩化ビニルの重合体、エチレン−酢酸ビニル
    −塩化ビニルの重合体からなる群から選択された重合体
    幹に、アルコキシポリエチレンメタクリレ−ト、ヒドロ
    キシポリエチレンメタクリレ−ト又はアクリル酸モノマ
    ーと、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト又はアクリ
    ロイルオキシスクシンイミドとを共重合した樹脂である
    ことを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 プライマー樹脂が塩化ビニルの単独重合
    体、エチレン−塩化ビニルの重合体、酢酸ビニル−塩化
    ビニルの重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルの
    重合体からなる群から選択された1種以上であることを
    特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 プライマー樹脂が前記水不溶性の親水性
    共重合樹脂を構成する疎水性モノマーの重合体幹と同じ
    であることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 高温にした溶媒の温度が、常温以上でポ
    リオレフィン系熱可塑性樹脂の融点以下の温度で且つ該
    樹脂表面を膨潤させるに十分な温度であることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 高温にした溶媒による処理が、70℃〜
    150℃の温度で数秒間から数十秒間浸漬するものであ
    ることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 前記溶媒がキシレン等の疎水性溶媒で
    あることを特徴とする、請求項8記載の方法。
JP17282596A 1996-06-13 1996-06-13 コーティング方法 Withdrawn JPH101552A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17282596A JPH101552A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 コーティング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17282596A JPH101552A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 コーティング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101552A true JPH101552A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15949068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17282596A Withdrawn JPH101552A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 コーティング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101552A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0950669A3 (en) * 1998-04-13 1999-11-24 Rohm And Haas Company Method of catalytic crosslinking of polymers and two-pack composition used therein
JP2008238761A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Toyoda Gosei Co Ltd ポリウレタン材料及びその製造方法
JP2008238760A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Toyoda Gosei Co Ltd 樹脂積層体及びその製造方法
JP2018193422A (ja) * 2017-05-12 2018-12-06 住友ゴム工業株式会社 ポリマー含浸基材樹脂の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0950669A3 (en) * 1998-04-13 1999-11-24 Rohm And Haas Company Method of catalytic crosslinking of polymers and two-pack composition used therein
US6149977A (en) * 1998-04-13 2000-11-21 Rohm And Haas Company Method of catalytic crosslinking of polymer and two-pack composition used therein
US6306991B1 (en) 1998-04-13 2001-10-23 Rohm And Haas Company Method of catalytic crosslinking of polymers and two-pack composition used therein
AU750706B2 (en) * 1998-04-13 2002-07-25 Rohm And Haas Company Method of catalytic crosslinking of polymer and two-pack composition used therein
JP2008238761A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Toyoda Gosei Co Ltd ポリウレタン材料及びその製造方法
JP2008238760A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Toyoda Gosei Co Ltd 樹脂積層体及びその製造方法
JP2018193422A (ja) * 2017-05-12 2018-12-06 住友ゴム工業株式会社 ポリマー含浸基材樹脂の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3115590B2 (ja) 湿潤摩耗に耐性な潤滑親水性被膜
JP2003510378A (ja) 基体表面のグラフト重合
CN113698653B (zh) 一种基于丙烯酸类聚合和光固化的亲水涂层及其制备方法
JPH1180393A (ja) ポリマー支持体の表面の親水性化法、このように処理された支持体からなる製品、およびその使用
JP4339413B2 (ja) 水不溶性ポリマーおよびポリアルキレンイミンの反応混合物を使用した表面改質方法
JPH01279933A (ja) 薄い親水性層の形成方法
JPH101552A (ja) コーティング方法
JP2003166175A (ja) 繊維加工用架橋型樹脂水性組成物
US20090155595A1 (en) Polymeric Composites with a Hydrophilic Coating
CN1233766C (zh) 精密电子元件用粘合片
CN114845746B (zh) 用于医疗装置的uv固化涂层
JP2002173871A (ja) 繊維加工用架橋型樹脂水性分散液。
JP3014727B2 (ja) 水分散体
JP3340992B2 (ja) 湿潤摩耗に耐性な潤滑親水性被膜
JP2950336B2 (ja) 水性分散体
JP4572723B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
JP5530078B2 (ja) 医療器具及びその製造方法
JP2550646B2 (ja) 水性樹脂組成物
Farahmand et al. Development of a new polymeric material with controlled surface micro-morphology aimed for biosensors applications
JPS60233179A (ja) 感圧性接着テ−プ類の製造法
JP2950337B2 (ja) 水性分散体
JPH1180709A (ja) 防曇剤及び該防曇剤で処理した物品
JP2000143845A (ja) 表面改質ポリオレフィンフィルム及びその製造方法
JP2000017232A (ja) 表面改質剤
JPH07228605A (ja) 水溶性または水膨潤性ポリマーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030902