JP2950336B2 - 水性分散体 - Google Patents

水性分散体

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JP2950336B2 JP14671690A JP14671690A JP2950336B2 JP 2950336 B2 JP2950336 B2 JP 2950336B2 JP 14671690 A JP14671690 A JP 14671690A JP 14671690 A JP14671690 A JP 14671690A JP 2950336 B2 JP2950336 B2 JP 2950336B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は水性分散体に関し、特に成形品に下塗りして
成形品の表面への塗料の付着性を向上させることができ
る水性分散体に関する。
<従来の技術> 従来、ポリプロピレン等のポリオレフィンの成形品の
表面に塗装を施して、その付加価値を高めることが行わ
れている。しかし、一般にポリオレフィンは、極性に乏
しく、塗料の付着性が悪い。そのため、従来は予め成形
品の表面をプライマーで処理して塗料の付着性および密
着性を改善することが行なわれている。
そこで、プライマーなしで直接成形品等に1回塗り可
能な塗料のバインダーとして使用するものとして、不活
性有機溶媒中でスチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体の水素添加物の存在下に(メタ)アクリル酸
エステル、特に水酸基を有するビニル単量体を重合して
得られる塗料用樹脂組成物が提案されている。(特開昭
63−51477号公報) <発明が解決しようとする課題> しかし、前記特開昭63−51477号公報に記載された塗
料用樹脂組成物を用いても、得られる塗膜は、剥離強度
が十分なものではない。また、この組成物を含めて従来
のプライマーは、いずれも有機溶媒を含有または有機溶
媒に溶解して使用するものであるため、製造および使用
時の作業環境を悪化させる原因となるという問題があ
る。
そこで本発明は、樹脂成形品、特にポリプロピレン等
のポリオレフィンの成形品との付着性に優れるため、十
分な剥離強度を有する塗膜を得ることができ、また有機
溶媒を使用しない水系であるため、作業環境を良好に保
つことができる、プライマーとして好適な水性分散体を
提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、前記課題を解決するために、スチレン・ブ
タジエンブロック共重合体またはその水素添加物に、水
酸基を有するα,β−不飽和ビニル単量体を0.05〜25重
量%含むようにグラフト共重合させてなる変性重合体を
水に分散させてなる水性分散体であって、前記変性重合
体5〜70重量部に対して水95〜30重量部を含む水性分散
体を提供するものである。
また、前記水酸基を有するα,β−不飽和ビニル単量
体が、2価のアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エス
テルまたは3価以上のアルコールのモノ(メタ)アクリ
ル酸エステルであると、好ましい。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の水性分散体の構成成分である変性重合体の主
成分であるスチレン・ブタジエンブロック共重合体は、
1個以上のスチレンに由来する繰返し構造単位であるス
チレン重合体ブロックと、1個以上のブタジエンに由来
する繰返し構造単位であるブタジエン重合体ブロックと
を含む共重合体であり、例えば、一般式: S−D (式中、Sはスチレン重合体ブロック、Dはブタジエン
重合体ブロックを示し、nは1以上の整数である。) 好ましくは下記式: S−D−Sm (式中、SおよびDは上記と同じであり、mは0または
1である。) で表される構造を有するものである。
このスチレン・ブタジエンブロック共重合体は、例え
ば、米国特許第3,265,765号明細書、特開昭61−192743
号公報等に記載されている方法によって製造されるもの
などが挙げられる。このスチレン・ブタジエンブロック
共重合体の具体例として、クレイトン1101や1102(いず
れもシェル化学社製)として市販されているものが挙げ
られる。
また、このスチレン・ブタジエンブロック共重合体の
水素添加物は、例えば、特公昭43−6636号公報、特公昭
45−20504公報、特公昭48−3555号公報等に記載されて
いる方法によって製造されるものなどが挙げられる。こ
のスチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物
の具体例として、クレイトンG−1652(シェル化学社
製)として市販されているものが挙げられる。
これらのスチレン・ブタジエンブロック共重合体また
はその水素添加物は、本発明の水性分散体の塗膜の剥離
強度および固形分濃度の点から、テトラヒドロフランを
溶媒として、40℃でゲルパーミエーション・クロマトグ
ラフィーによって測定される数平均分子量が1×104〜1
8×104であるものが好ましく、特に1.5×104〜12×104
であるものが好ましい。また、スチレン含有量は、本発
明の水性分散体の塗膜の付着性、剥離強度、低温特性、
べたつき性の点等から、10〜60重量%であることが好ま
しく、特に12〜55重量%であることが好ましい。
本発明の水性分散体は、上記のようなスチレン・ブタ
ジエンブロック共重合体またはその水素添加剤(以下、
これらを単にブロック共重合体という)に、水酸基を有
するα,β−不飽和ビニル単量体(以下、単にビニル単
量体という)をグラフト共重合させてなる変性重合体を
水に分散させてなるものである。
このビニル単量体としては、例えば、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシピロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等の2価のアルコールのモ
ノ(メタ)アクリル酸エステル;グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリ
レート、テトラエチロールエタン(メタ)アクリレー
ト、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の3価以
上のアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル;10
=ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オー
ル、2−メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレ
ン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェ
ート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコー
ル、アリロキシエタノールなどが挙げられる。これらの
中でも、2価のアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エ
ステルまたは3価以上のアルコールのモノ(メタ)アク
リル酸エステルが好ましく用いられる。
このビニル単量体は、0.05〜25重量%、好ましくは0.
5〜10重量%含有されるように、上記ブロック共重合体
にグラフト共重合されて変性重合体を構成する。このよ
うな変性重合体を用いることによって、付着性および耐
水性に優れた塗膜を形成する水性分散体を得ることがで
きる。
本発明の水性分散体の構成成分である変性重合体の製
造は、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下、不活性溶
媒の存在下もしくは不存在下に、前記ブロック共重合体
に前記ビニル単量体をグラフト共重合させることによっ
て得ることができる。
不活性溶媒の存在下にグラフト共重合する方法として
は、例えば、不活性溶媒1m3にブロック共重合体を10〜3
000kg、好ましくは20〜1000kg溶解して溶液を調製した
後、これに溶液中のブロック共重合体1kg当たりビニル
単量体を0.5〜100ミリモル/分、好ましくは1〜20ミリ
モル/分の割合で逐次添加するとともに、ラジカル重合
開始剤をブロック共重合体1kg当たり5×10-5〜50ミリ
モル/分、好ましくは1×10-2〜5ミリモル/分の割当
にて逐次添加して反応させる方法がある。このとき、ラ
ジカル重合開始剤/ビニル単量体の使用割合は、通常、
モル比で、1/100〜3/5、好ましくは1/20〜1/2の範囲で
ある。また、反応は加熱撹拌下に行なうのが好ましい。
反応温度は50℃以上、特に80〜200℃の範囲が好適であ
り、反応時間は2〜10時間程度である。反応方式は、回
分式、連続式のいずれでもよいが、グラフト共重合を均
一に行なうためには、回分式が好ましい。
また、グラフト共重合体を不活性溶媒の不存在下に行
なう方法としては、例えば、ブロック共重合体の軟化点
以上の反応温度で、ビニル単量体およびラジカル重合開
始剤の存在下に、該ブロック共重合体を加熱溶融し、強
撹拌することによって反応を行なう方法を挙げることが
できる。さらに、ブロック共重合体、ビニル単量体およ
びラジカル重合開始剤を予め混合しておき、混合物を押
出機にて加熱溶融して押出しながらグラフト共重合させ
ることもできる。これらの不活性溶媒の不存在下に行な
う方法において、ビニル単量体およびラジカル重合開始
剤の使用量、ならびに両者の使用割合等は、前記の不活
性溶媒の存在下に行なう方法と同様である。
上記グラフト共重合に用いられるラジカル重合開始剤
としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクロロ
ペンドイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−
t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−ジ(ペルオ
キシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(t−ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペ
ルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルペルオキシ)−ヘキサン等の有機ペルオキシ
ド;t−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルベンゾエ
ート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチル
ペルイソブチレート、t−ブチルペル−s−オクトエー
ト、t−ブチルピバレート、クミルペルピバレート、t
−ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルエステ
ル;アソビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、好ましくは
有機ペルオキシドおよび有機ペルエステルである。
本発明の水性分散体は、以上のようにして得られる変
性重合体を水に分散させて得られる。変性重合体を水に
分散させて、本発明の水性分散体を製造する方法として
は、例えば、該変性重合体、水および界面活性剤を一括
して混合して乳化させるドラム乳化法;予め粉砕してお
いた変性重合体を界面活性剤とともに水中に投入しても
分散させる粉砕法;有機溶媒に溶解した変性重合体と界
面活性剤および水とを混合した後、有機溶媒を除去する
溶媒置換法;ホモミキサーを用いて分散を行なうホモミ
キサー法;転相法等が挙げられ、使用する変性重合体の
物性に応じて適宜選択される。
用いられる界面活性剤としては、非イオン系およびア
ニオン系界面活性剤を挙げることができる。非イオン系
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミンエーテル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば脂肪酸塩、高級
アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸
ソーダ、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等が挙げ
られ、特にアルキルベンゼンスルホン酸ソーダが好まし
い。
この界面活性剤の使用量は、変性重合体の分散状態が
良好で、かつ得られる水性分散体の成形品との密着性が
良好となる点で、通常、変性重合体に対して0.05〜10重
量%程度が好ましく、特に0.1〜7重量%が好ましい。
本発明の水性分散体中における変性重合体と水の使用
割合は、変性重合体5〜70重量部に対して、水95〜30重
量部の割合の範囲の中で、適宜選択される。特に、本発
明の水性分散体を噴霧塗布する場合には、塗布面に塗り
むらが生じにくく、塗膜の付着性のばらつきが生じにく
く、また、形成される塗膜の量が厚くならないため、例
えば、プライマーとして使用した場合に塗装後の塗膜の
平滑性が良好となる点で3〜45重量%が好ましい。
また、本発明の水性分散体には、必要に応じて、増粘
剤、塩基性物質、消泡剤等を添加することができる。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸アンモニウム、
アルギン酸ナトリウム、ベントナイトクレー等の鉱物性
増粘剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ア
ンモニウム、アクリルエマルジョンコポリマー架橋アク
リルエマルジョンコポリマー等のアクリル酸系増粘剤;
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等の繊維素誘導体等を挙げることができ、特に
カルボキシメチルセルロースが好ましい。
消泡剤としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ
油等の植物油;スピンドル油、流動パラフィン等の鉱物
油;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;オレイルア
ルコール、ポリオキシアルキレングリコール、オクチル
アルコール等のアルコール類;エチレングリコールジス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート等の脂肪酸エステル;トリブチルホスフェート、ナ
トリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル;ポ
リオキシアルキレンアミド等のアミド類;ステアリン酸
アルミニウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カル
シウム等の金属石鹸;ジメチルシリコン、ポリエーテル
変性シリコン等のシリコン類;ジアミルアミン、ポリオ
キシプロピレンアルキルアミン等のアミン類等が挙げら
れる。
さらにまた、素材とのぬれを良くするために、アルコ
ール、トルエン等の有機溶媒を、必要に応じて添加する
ことができる。
さらに、本発明の水性分散体は、上記以外に、必要に
応じて酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安
定剤;酸化チタン、有機顔料等の着色剤;カーボンブラ
ック、フェライト等の導電性付与剤などを含有していて
もよい。
本発明の水性分散体は、ポリオレフィンやその他の重
合体からなる成形品の表面に塗布し、その表面への塗料
の付着性を改善するためのプライマー等として用いられ
る。特に、本発明の水性分散体は、例えば、高圧法ポリ
エチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテン、ポ
リスチレン等のポリオレフィン;エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブ
テン共重合体等のオレフィン共重合体などからなる成形
品に好適に用いることができる。
さらに、本発明の水性分散体は、上記のポリオレフィ
ンやその共重合体以外にも、ポリプロピレンと合成ゴム
とからなる成形品、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂等からなる自動車用バンパー等の成形品、さ
らには、鋼板や電着処理用鋼板等の表面処理にも用いる
ことができる。また、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変性ポ
リエステル樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とする塗料、プライ
マー、接着剤等を塗布した表面に下塗りし、その表面へ
の塗料等の付着性を改善すると共に、鮮映性、低温衝撃
性等にも優れる塗膜を形成するのにも用いられる。
本発明の水性分散体は、これを適用する成形品が、タ
ルク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン白、硫酸マグネシウ
ム等の無機充填剤、顔料等が配合されている場合にも、
特に塗膜の付着性の良いプライマー塗膜を形成すること
ができる。また、本発明の水性分散体を塗布する成形品
は、上記以外に、種々の安定剤、紫外線吸収剤、塩酸吸
収剤等が配合されていてもよい。
好ましく用いられる安定剤としては、例えば、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
ドロシンナメート)]メタン、メタオクタデシル−3−
(4′−ヒドロキ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プ
ロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェノール)ブタン等のフェノール系安定剤;ジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
ピオネート等のイオウ系安定剤;トリデシルホスファイ
ト、トリノニルフェニルホスファイト等のリン系安定剤
などを挙げることができる。
また、用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−エ
チルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、パラオクチルフェニルサリチレート等が挙げられ
る。
塩酸吸収剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウ
ム等が挙げられる。
本発明の水性分散体は、成形品への噴霧塗布に好適で
あり、例えば、スプレーガンにて成形品の表面に吹き付
けられる。成形品への塗布は常温で行なれば良く、塗布
した後、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜の方法によっ
て乾燥され、塗膜を形成することができる。
以上のように、成形品の表面に本発明の水性分散体を
塗布し、乾燥させた後、該成形品の表面には、静電塗
装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法によって、塗料を
塗布することができる。塗料の塗布は、下塗りした後、
上塗りする方法で行なってもよい。塗料を塗布した後、
ニクロム線、赤外線、高周波等によって加熱する通常の
方法に従って塗膜を硬化させて、所望の塗膜を表面に有
する成形品を得ることができる。塗膜を硬化させる方法
は、成形品の材質、形状、使用する塗料の性状等によっ
て適宜選ばれる。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら
限定されるものではない。また、以下において、塗膜の
物性は下記の方法に従って評価した。
碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じ
て、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ(ニチ
バン(株)製、商品名)を試験片の碁盤目上に張り付け
た後、これを速やかに90゜の方向に引っ張って剥離さ
せ、碁盤目100の内で剥離されなかった碁盤目の数を数
え、付着性の指標とした。
剥離強度 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が到達するまで切れ目を入れ、端部を剥離させた後、
その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180゜の方向
に塗膜が剥離するまで引っ張って剥離強度を測定した。
耐水性試験 試験片を40℃の水中に240時間浸漬させた後、碁盤目
試験に供し、付着性を評価した。
(実施例1) (変性重合体の製造) 撹拌装置を備えた容量1.5のオートクレーブに、ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物であ
るクレイトンG−1652(シェル化学社製、数平均分子
量:8.8×104、スチレン含有量:31重量%)250重量部お
よびトルエン500重量部を仕込み、撹拌下に160℃まで昇
温した。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリレート
25重量部およびジ−t−ブチルペルオキシド6.5重量部
を、それぞれ5時間かけて分割して加えた後、さらに、
160℃で2時間撹拌しながら反応させた。
得られた変性重合体の2−ヒドロキシプロピルアクリ
レートの含有量を測定したところ、3.4重量%であっ
た。
(水性分散体の製造) 前記の反応で得られた変性重合体を含むトルエン溶液
に、さらにトルエンを加え、変性重合体の濃度を125g/
に調整した。
この変性重合体溶液を500g、蒸溜水500g、およびドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスF
−25、花王(株)製)1.44gを混合し、回転数10000rpm
で15分間撹拌した。次いで、カルボキシルメチルセルロ
ース(HE−600、第1工業薬品製)0.72gを加え、撹拌混
合した。得られた乳化液中のトルエンをエバポレーター
で減圧留去し、変性重合体濃度20重量%の水性分散体を
得た。
(塗装) この水性分散体を、1,1,1−トリクロルエタン蒸気で
洗浄したポリプロピレン製角板(X440,三井石油化学工
業株式会社製)に、200g/m2となるように噴霧塗布し
た。
この角板をエアオーブン中で100℃で30分間加熱乾燥
させたのち、これを碁盤目試験、剥離強度の測定および
耐水性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例2)。
実施例1と同様に、ポリプロピレン製角板に水性分散
体を塗布した後、さらに上塗り塗料(日本ビーケミカル
社製、R−271)を乾燥膜厚60μmになるように塗布し
た。室温で10分間放冷させた後、100℃のオーブン中で3
0分間焼付を行なった。得られた塗膜を碁盤目試験、剥
離強度の測定および耐水性試験を供した。結果を表1に
示す。
(実施例3) 1,1,1−トリクロルエタンの蒸気で洗浄する代りに、
ホワイトガソリンで表面を拭いたポリプロピレン製角板
を用いた以外は実施例1と同様にして水性分散体を塗布
した後、さらに実施例2と同様にして上塗り塗料を塗布
して塗膜を得た。
得られた塗膜を碁盤目試験、剥離強度の測定および耐
水性試験に供した。
(実施例4) 実施例1で製造したものと同じスチレン・ブタジエン
ブロック共重合体3kg、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート120gおよび2,5−ジメチル−ジ−(t−ジブチルペ
ルオキシ)ヘキサン12gをヘンシェル・ミキサーで予め
混合した後、2軸押出機(池貝鉄工所製PCM−45)に
て、樹脂温度230℃、回転数260ppmで造粒した。
得られた変性重合体中の2−ヒドロキシエチルアクリ
レートの含有量は2.9重量%であった。
この変性重合体を実施例1と同様にして水性分散体を
製造し、実施例1と同様にして碁盤目試験、剥離強度の
測定および耐水性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例5) 実施例4で調製した水性分散体を実施例4と同様にポ
リプロピレン製角板に塗布した後、実施例2と同様にし
て上塗り塗料を塗布した。得られた塗膜について、碁盤
目試験、剥離強度の測定および耐水性試験に供した。結
果を表1に示す。
(比較例1) 水性分散体を塗布しない以外は実施例2と同様にして
上塗り塗料を塗布した試料を作成し、碁盤目試験、剥離
強度の測定に供した。結果を表1に示す。
<発明の効果> 本発明の水性分散体は、スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体またはその水素添加物に水酸基を有するα,
β−不飽和ビニル単量体をグラフト共重合させてなる変
性重合体を水に分散してなるものであり、成形品の塗布
時の作業性に優れ、しかも微粒化できるため塗料の付着
性のみならず、鮮映性に優れる塗膜を形成することがで
きる。また、有機溶媒を使用していないため、製造時お
よび塗布作業時の作業環境を良好に保つことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 始 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 287/00 C09D 151/00 C08L 51/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン・ブタジエンブロック共重合体ま
    たはその水素添加物に、水酸基を有するα,β−不飽和
    ビニル単量体を0.05〜25重量%含むようにグラフト共重
    合させてなる変性重合体を水に分散させてなる水性分散
    体であって、前記変性重合体5〜70重量部に対して水95
    〜30重量部を含む水性分散体。
  2. 【請求項2】前記水酸基を有するα,β−不飽和ビニル
    単量体が、2価のアルコールのモノ(メタ)アクリル酸
    エステルまたは3価以上のアルコールのモノ(メタ)ア
    クリル酸エステルである請求項1に記載の水性分散体。
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