JPH09291245A - ポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法および該方法で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体をバインダーとする水性印刷インキ - Google Patents

ポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法および該方法で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体をバインダーとする水性印刷インキ

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JPH09291245A
JPH09291245A JP10744996A JP10744996A JPH09291245A JP H09291245 A JPH09291245 A JP H09291245A JP 10744996 A JP10744996 A JP 10744996A JP 10744996 A JP10744996 A JP 10744996A JP H09291245 A JPH09291245 A JP H09291245A
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polyurethane resin
parts
organic solvent
aqueous dispersion
carboxyl group
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JP10744996A
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Masato Ohashi
正人 大橋
Hideki Yasuda
秀樹 安田
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵安定性に優れ、各種基材に対して優れた物
性の塗膜を形成するポリウレタン樹脂の水性分散体の製
造方法、および貯蔵安定性に優れ、各種基材に対して密
着性、耐水性、ラミネート強度、ボイル・レトルト適性
に優れた塗膜を形成する水性印刷インキの提供。 【解決手段】アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(A)の有機溶剤溶液と、カルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液と塩基性化合物の
水溶液とをカルボキシル基の一部を中和する割合で混合
してなる混合液とを、(A)と(B)との固形分重量比
が(A)/(B)=99/1〜1/99の割合で混合し
て反応させた後、有機溶剤を除去することを特徴とする
ポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法、および該方
法で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体をバイン
ダーとする水性印刷インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アジリジン官能基
とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の水性分散
体の製造方法および該方法で製造されるポリウレタン樹
脂の水性分散体をバインダーとする水性印刷インキに関
する。更に詳しくは、貯蔵安定性に優れ、印刷インキ、
塗料、接着剤等の被覆剤に好適に用いられるポリウレタ
ン樹脂の水性分散体の製造方法、および貯蔵安定性に優
れ、耐水性、耐溶剤性、各種基材に対する密着性に優れ
た塗膜物性が得られる水性印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、イソシアネートと
ポリオールを適宜選択することにより、硬くて強靱な塗
膜から柔らかくかつ弾性のある塗膜まで、自由な塗膜設
計ができることから、印刷インキ、塗料、接着剤、繊
維、建材、皮革等の幅広い分野で使用されている。一
方、有機溶剤による大気汚染等の公害、引火爆発等の危
険といった問題を解決する一つの手段として、印刷イン
キや塗料分野では水性化への転換が提案され、水性ポリ
ウレタン樹脂の研究開発が盛んに行われている。
【0003】従来、樹脂の水系媒体への分散もしくは溶
解は、分散剤または乳化剤を用いることにより、あるい
は内部に存在する分散性基、乳化性基または溶解性基
(イオン性官能基および/または非イオン性官能基)の
作用により達成されているが、一般的には後者の自己乳
化型あるいは自己溶解型樹脂の方がより優れた性能を確
保できることが見出されている。
【0004】自己乳化型あるいは自己溶解型水性ポリウ
レタン樹脂としては、例えば、特開平5−171091
号公報に、ポリカーボネートジオールとカルボキシル基
を含有する高分子ジオールと有機ジイソジアネート化合
物および鎖伸長剤を反応させて得られるものが開示され
ている。しかし、分子内に自己乳化可能なだけの水溶性
官能基を導入する必要があるため、必然的に耐水性と乳
化性とのバランスをとることになり、溶剤型ポリウレタ
ンに匹敵するほどの塗膜物性は期待できない。
【0005】溶剤型ポリウレタンに匹敵する塗膜物性を
得るためには、水性ポリウレタン樹脂に水性架橋剤を添
加することが通常行われる。水性架橋剤としては、例え
ば水性メラミン樹脂、アジリジン、カルボジイミド、水
性ブロックイソシアネート等が挙げられる。しかし、水
性ポリウレタン樹脂に水性架橋剤を添加したものは、樹
脂の貯蔵安定性が高いものは高温での硬化が必要とな
り、逆に比較的低温で硬化できるものは貯蔵安定性が悪
く可使時間が短いという欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、貯蔵安定性に優れ、しかも各種基材に対して優れた
物性の塗膜を形成し、水性コーティング剤あるいは水性
印刷インキに好適に用いられるポリウレタン樹脂の水性
分散体の製造方法を提供することにある。本発明の第2
の目的は、貯蔵安定性に優れ、しかも各種基材に対して
密着性、耐水性、ラミネート強度、ボイル・レトルト適
性に優れた塗膜を形成する水性印刷インキを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アジリジ
ン官能基を有するポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液と、
カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の有機溶剤溶
液と塩基性化合物の水溶液とをカルボキシル基の一部を
中和する割合で混合してなる混合液とを混合して反応さ
せると、アジリジン官能基と塩基性化合物で中和されて
いないカルボキシル基との付加反応が起こって複合樹脂
が形成され、反応系から有機溶剤を除去することによ
り、貯蔵安定性に優れしかも各種基材に対して優れた物
性の塗膜を形成するポリウレタン樹脂の水性分散体が得
られることを見出し、本発明に至った。ここで、アジリ
ジン官能基と反応しなかった塩基性化合物で中和された
カルボキシル基は水層の方に配向するため、複合樹脂
は、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂がアジリ
ジン官能基を有するポリウレタン樹脂を包含したコア/
シェル構造となっている。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【化2】 (式中、R1 およびR2 は同一でも異なってもよく、水
素原子またはメチル基またはエチル基を表す)で表され
るアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の
有機溶剤溶液と、カルボキシル基を有するポリウレタン
樹脂(B)の有機溶剤溶液と塩基性化合物の水溶液とを
カルボキシル基の一部を中和する割合で混合してなる混
合液とを、(A)と(B)との固形分重量比が(A)/
(B)=99/1〜1/99の割合で混合して反応させ
た後、有機溶剤を除去することを特徴とするポリウレタ
ン樹脂の水性分散体の製造方法に関する。
【0009】また、本発明は、アジリジン官能基を有す
るポリウレタン樹脂(A)が、該樹脂固形分1g当たり
一般式(1)で表されるアジリジン官能基を1.0×1
-6〜2.0×10-3グラム当量含むことを特徴とする
上記ポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法に関す
る。また、本発明は、カルボキシル基を有するポリウレ
タン樹脂(B)が、カルボキシル基を有するポリオール
化合物、エチレンオキサイド単位またはプロピレンオキ
サイド単位を有するポリオール化合物、他のポリオール
化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させて得
られるイソシアネート基含有ポリマーに、鎖伸長剤を反
応させてなるポリウレタン樹脂であることを特徴とする
上記ポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法に関す
る。
【0010】また、本発明は、カルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(B)が、該樹脂固形分1g当たりカ
ルボキシル基を1.0×10-6〜2.0×10-3グラム
当量含むことを特徴とする上記ポリウレタン樹脂の水性
分散体の製造方法に関する。また、本発明は、上記方法
で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体をバインダ
ーとする水性印刷インキに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(1)で表されるアジリジ
ン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の有機溶剤溶
液は、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート
化合物とを適当な有機溶剤中でポリイソシアネート化合
物が過剰の条件で反応させ、ポリオール化合物の末端に
イソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次い
で適当な有機溶剤中で鎖伸長剤、さらに必要に応じて重
合停止剤を反応させることにより製造される。アジリジ
ン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の有機溶剤溶
液は、無溶剤でプレポリマーと鎖伸長剤、さらに必要に
応じて重合停止剤を反応させてなるポリウレタン樹脂
(A)を有機溶剤に溶解して製造することもできるが、
反応の均一化や粘度調整のためには、適当な有機溶剤中
で反応を行い製造するほうが好ましい。
【0012】ポリウレタン樹脂(A)のアジリジン官能
基は、ポリウレタン樹脂の末端や側鎖など、いずれの部
位に導入されても良い。アジリジン官能基をポリウレタ
ン樹脂の末端に導入する場合は、アジリジン官能基を有
しかつイソシアネート基と反応しうる活性水素を1個有
する化合物を、イソシアネート基を有するプレポリマー
と反応させる。また、アジリジン官能基をポリウレタン
樹脂の側鎖に導入する場合は、アジリジン官能基を有し
かつイソシアネート基と反応しうる活性水素を少なくと
も2個有するポリオール化合物を用いてプレポリマーを
調製する。あるいは、アジリジン官能基を有しかつイソ
シアネート基と反応しうる活性水素を少なくとも2個有
するポリオール化合物を鎖伸長剤として用いる。
【0013】ポリオール化合物としては、特に限定はな
く、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プ
ロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子
量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン
などのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテト
ラオール類などの低分子量ポリオール類、ポリエーテル
ジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジ
オール、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビ
スフェノール類が挙げられる。
【0014】ポリエーテルジオール類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドの重合体、ブロック、ランダムま
たはグラフト共重合体、ヘキサンジオール、メチルヘキ
サンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあ
るいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリコ
ール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレン
オキサイドを付加させたグリコール類が挙げられる。
【0015】ポリエステルジオール類としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオ
ール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサンジオール、メチル−1,5-ペンタンジオール、オ
クタンジオール、シクロヘキサンジオール、2-エチル−
1,3-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコールなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グリコー
ルと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩
基酸エステルとから縮合反応により得られるポリエステ
ルポリオールやε−ポリカプロラクトンなどの環状エス
テル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール、シリコンポリオ
ールなどが挙げられ、これらとジイソシアネートとの反
応によって得られる末端水酸基の反応生成物も用いるこ
とができる。
【0016】ポリイソシアネート化合物としては、芳香
族、脂肪族および脂環族の従来公知のジイソシアネート
類の1種あるいは2種以上の混合物を用いることができ
る。ジイソシアネート類として具体的には、トリレンジ
イソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,
5-ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカル
ボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイ
ソシアネート、あるいはこれらとグリコール類またはジ
アミン類との両末端イソシアネートアダクト体が挙げら
れる。
【0017】ジイソシアネート類には、必要に応じてト
リフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソ
シアネート類や、ポリイソシアネートアダクト体を混合
して用いることができる。さらに、必要に応じてモノイ
ソシアネート類を分子量調整剤として用いることができ
る。市販のポリイソシアネートアダクト体としては、西
独バイエル社製「デスモジュールシリーズ」が挙げられ
る。
【0018】鎖伸長剤は、アミノ基、水酸基などのイソ
シアネート基と反応しうる活性水素を2個以上有する化
合物であり、例えば、ジアミン化合物、ジヒドラジド化
合物、グリコール類が挙げられる。ジアミン化合物とし
ては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレン
トリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメ
タン-4,4'-ジアミン、ポリオキシエチレンジアミノプロ
ピルエーテルなどが挙げられる。その他、N-2-ヒドキシ
エチルエチレンジアミン、N-3-ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の水酸基を有するジアミン類およびダイ
マー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマー
ジアミン等も挙げられる。更に、グルタミン、アスパラ
ギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジ
アミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジア
ミン型アミノ酸類が挙げられる。
【0019】ジヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジ
ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラ
ジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、セバシン酸ジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原
子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド、マレイ
ン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸
ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのモノオレフ
ィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラ
ジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジドな
どが挙げられる。
【0020】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ペンタンジオール、3-メチル−1,5-ペンタンジ
オール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,
4-ブチレンジオール、ジプロピレングリコールなどの飽
和または不飽和の各種公知の低分子ジオール類およびダ
イマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマー
ジオールが挙げられる。
【0021】重合停止剤としては、ジ−n-ブチルアミン
などのジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノー
ル、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-アミノ
−2-エチル−1,3-プロパンジオール、N-ジ−2-ヒドロキ
シエチルエチレンジアミン、N-ジ−2-ヒドロキシエチル
プロピレンジアミン、N-ジ−2-ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の水酸基を有するアミン類が挙げられ
る。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリ
ン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプ
ロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルフ
ァミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
【0022】一般式(1)で表されるアジリジン官能基
を有し、イソシアネート基と反応しうる活性水素を1個
有する化合物としては、例えば、エチレンイミン、プロ
ピレンイミン、N-(γ−アミノプロピル)エチレンイミ
ン、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンイミン、テトラ
メチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネ
ート、1-フェニル−2-アジリジニルエタノールなどが挙
げられる。
【0023】有機溶剤としては、イソシアネート基に対
して不活性な有機溶剤が適当である。具体的には、アセ
トン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジオキサン、
アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、
N-メチルピロリドンなどが挙げられる。これらの有機溶
剤は、単独であるいは混合して用いることができる。反
応を行う際には、必要に応じて従来公知のウレタン化触
媒、例えばジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、ト
リエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、水酸化
ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n-ブトキシ)チタン
などを用いることができる。
【0024】アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(A)は、該樹脂固形分1g当たり一般式(1)で表
されるアジリジン官能基を1.0×10-6〜2.0×1
-3グラム当量含むことが好ましい。アジリジン官能基
が2.0×10-3グラム当量より多く含まれると、得ら
れるポリウレタン樹脂の水性分散体の安定性が悪くな
る。また、アジリジン官能基の含有量が1.0×10-6
グラム当量未満であると、得られるポリウレタン樹脂の
水性分散体の塗膜物性が不十分となる。
【0025】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(B)の有機溶剤溶液は、例えば、カルボキシル基を有
するポリオール化合物、エチレンオキサイド単位または
プロピレンオキサイド単位を有するポリオール化合物、
他のポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物
を適当な有機溶剤中でポリイソシアネート化合物が過剰
の条件で反応させ、ポリオール化合物の末端にイソシア
ネート基を有するプレポリマーを調製し、次いで適当な
有機溶剤中で鎖伸長剤、さらに必要に応じて重合停止剤
を反応させることにより製造される。カルボキシル基を
有するポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液は、無溶
剤でプレポリマーと鎖伸長剤、さらに必要に応じて重合
停止剤を反応させてなるポリウレタン樹脂(B)を有機
溶剤に溶解して製造することもできるが、反応の均一化
や粘度調整のためには、適当な有機溶剤中で反応を行い
製造するほうが好ましい。
【0026】カルボキシル基を有するポリオール化合物
としては、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,2-ビス(ヒド
ロキシルメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシ
ルエチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシルプロ
ピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、
ビス(4-ヒドキシフェニル)酢酸、2,2-ビス(4-ヒドキ
シフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N-ジヒドロキシエ
チルグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)−3-カ
ルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
【0027】エチレンオキサイド単位またはプロピレン
オキサイド単位を有するポリオール化合物としては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルグリコ
ール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ビスフェ
ノールAやビスフェノールFにエチレンオキサイドまた
はプロピレンオキサイドを付加させたグリコール類が挙
げられる。
【0028】他のポリオール化合物としては、アジリジ
ン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の原料として
例示したものと同様の低分子量グリコール類、低分子量
ポリオール類、ポリエステルジオール類、ビスフェノー
ル類、およびエチレンオキサイド単位またはプロピレン
オキサイド単位を有さないポリエーテルジオール類を用
いることができる。
【0029】エチレンオキサイド単位またはプロピレン
オキサイド単位を有さないポリエーテルジオール類とし
ては、例えば、テトラヒドロフラン、あるいはブチレン
オキサイドなどの炭素数4以上のアルキレンオキサイド
の重合体、ブロック、ランダムまたはグラフト共重合
体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれ
らの混合物の縮合によるポリエーテルグリコール類が挙
げられる。
【0030】ポリイソシアネート化合物、鎖伸長剤、重
合停止剤、有機溶剤としても、アジリジン官能基を有す
るポリウレタン樹脂(A)の原料として例示したものと
同様のものを用いることができる。また、反応を行う際
には従来公知のウレタン化触媒を用いることができる。
【0031】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(B)は、該樹脂固形分1g当たりカルボキシル基を
1.0×10-6〜2.0×10-3グラム当量含むことが
好ましい。カルボキシル基が2.0×10-3グラム当量
より多く含まれると、得られるポリウレタン樹脂の水性
分散体の塗膜の耐水性が不十分となる。また、カルボキ
シル基の含有量が1.0×10-6グラム当量未満では、
得られるポリウレタン樹脂の水性分散体の安定性が悪く
なる。
【0032】ポリウレタン樹脂(B)のカルボキシル基
を中和する塩基性化合物としては、アンモニア;モノエ
チルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N-メチル
モルホリン、2-アミノ−2-エチル−1-プロパノール等の
有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
無機アルカリ類等が挙げられる。塩基性化合物は、1種
または2種以上を組み合わせて用いられるが、乾燥後の
皮膜の耐水性を向上させるためには、水溶性であり、か
つ熱によって容易に解離する揮発性の高いものが好まし
く、特にアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルア
ミンが好ましい。
【0033】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(B)の有機溶剤溶液は、塩基性化合物の水溶液とカル
ボキシル基の一部を中和する割合で混合され、ポリウレ
タン樹脂(B)のカルボキシル基の一部がアジリジン官
能基と反応しないようにする。そして、カルボキシル基
を有するポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液と塩基
性化合物の水溶液との混合液を、アジリジン官能基を有
するポリウレタン樹脂(A)の有機溶剤溶液と混合して
反応させた後、有機溶剤を除去することにより、アジリ
ジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
の水性分散体を製造する。
【0034】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(B)の有機溶剤溶液と塩基性化合物の水溶液との混合
液と、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂
(A)の有機溶剤溶液とは、(A)と(B)との固形分
重量比が(A)/(B)=99/1〜1/99の割合で
混合しなければならない。(A)の固形分重量比が上記
範囲より少ない場合には、得られるポリウレタン樹脂の
水性分散体の塗膜物性が不十分となる。また、(A)の
固形分重量比が上記範囲より多い場合には、安定なポリ
ウレタン樹脂の水性分散体が得られない。
【0035】有機溶剤の除去は、加熱操作、減圧操作に
より、水と共に共沸除去する工程を採用して行うのが一
般的である。本発明の方法で製造されるポリウレタン樹
脂の水性分散体は、貯蔵安定性に優れるため、水性印刷
インキのバインダーとして好適である。また、本発明の
方法で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体は、各
種基材に対して優れた物性の塗膜を形成することができ
るため、該ポリウレタン樹脂の水性分散体をバインダー
とする水性印刷インキは、ラミネート用途に好適に用い
られれる。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を、
「%」は「重量%」をそれぞれ表す。 (実施例1)アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(a)の有
機溶剤溶液の製造 温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、平均分子量
(以下、Mwという)2000のポリ(3-メチル−1,5-ペンタ
ンアジペート)ジオール 400.0部、イソホロンジイソシ
アネート66.7部をメチルエチルケトン 200部中で6時間
沸点反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、
しかるのち40℃まで冷却してからアセトン 100部を加え
て、末端イソシアネートプレポリマーの有機溶剤溶液を
得た。次に、イソホロンジアミン14.4部、テトラメチロ
ールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート1
7.1部およびアセトン 400部を混合したものに、得られ
た末端イソシアネートプレポリマーの有機溶剤溶液 76
6.7部を室温で徐々に添加して50℃で3時間反応させ、
アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(a)の有
機溶剤溶液を得た。
【0037】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(b)の有機溶剤溶液と塩基性化合物の水溶液との混合
液の製造 温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、Mw=2000のポ
リ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール 13
0.9部、 Mw=2000のポリエチレングリコール15.2部、2,2
-ジメチロールプロピオン酸29.4部、イソホロンジイソ
シアネート97.4部をメチルエチルケトン200部中で6時
間沸点反応させて末端イソシアネートプレポリマーと
し、しかるのち40℃まで冷却してからアセトン 100部を
加えて、末端イソシアネートプレポリマーの有機溶剤溶
液を得た。次に、イソホロンジアミン26.6部およびアセ
トン 400部を混合したものに、得られた末端イソシアネ
ートプレポリマーの有機溶剤溶液 572.9部を室温で徐々
に添加して50℃で3時間反応させ、カルボキシル基を有
するポリウレタン樹脂(b)の有機溶剤溶液を得た。次
に、28%アンモニア水13.3部および脱イオン水 700部を
上記ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液に徐々に添加して
中和し、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(b)と塩基性化合物を含む混合液を得た。
【0038】アジリジン官能基とカルボキシル基を有す
るポリウレタン樹脂(I)の水性分散体の製造 温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、アジリジン官
能基を有するポリウレタン樹脂(a)の有機溶剤溶液 3
54.6部とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
(b)と塩基性化合物を含む混合液 500部を混合し、30
分間攪拌を行った。次いで、共沸下でメチルエチルケト
ン、アセトンの全量を留去した後、水を加えて固形分を
25%に調整し、ポリウレタン樹脂(I)の水性分散体を
得た。
【0039】(実施例2)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(c)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(d)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(II)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(c)の有機溶剤溶液の製造 ポリプロピレンエーテルグリコール(Mw=2000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 66.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 3.6部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 68.3部 アセトン 400 部
【0040】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(d)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=2000) 130.9部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 15.2部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 29.4部 イソホロンジイソシアネート 97.4部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 アジピン酸ジヒドラジド 27.2部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 13.3部 脱イオン水 700 部
【0041】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(II)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(c)の有機溶剤溶液 344.8部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(d)を含む混合液 500.0部
【0042】(実施例3)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(e)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(f)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(III)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(e)の有機溶剤溶液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=4000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 33.3部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 1.8部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 34.2部 アセトン 400 部
【0043】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(f)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw=3000) 159.8部 ポリプロピレンエーテルグリコール(Mw=2000) 15.0部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 21.5部 イソホロンジイソシアネート 78.8部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 11.5部 アジピン酸ジヒドラジド 11.7部 ジブチルアミン 1.7部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 9.7部 脱イオン水 700 部
【0044】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(III)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(e)の有機溶剤溶液 149.6部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(f)を含む混合液 800.0部
【0045】(実施例4)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(g)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(h)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(IV)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(g)の有機溶剤溶液の製造 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw=2000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 53.3部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 6.5部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 3.4部 アセトン 400 部
【0046】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(h)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=2000) 59.7部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 15.2部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 35.9部 イソホロンジイソシアネート 135.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 53.5部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 16.2部 脱イオン水 700 部
【0047】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(IV)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(g)の有機溶剤溶液 603.0部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(h)を含む混合液 200.0部
【0048】(実施例5)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(i)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(j)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(V)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(i)の有機溶剤溶液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=4000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 66.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 85.4部 アセトン 400 部
【0049】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(j)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw=3000) 171.4部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 30.0部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 14.4部 イソホロンジイソシアネート 63.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 14.2部 アジピン酸ジヒドラジド 3.6部 ジブチルアミン 2.7部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 6.5部 脱イオン水 700 部
【0050】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(V)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(i)の有機溶剤溶液 68.0部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(j)を含む混合液 900.0部
【0051】(実施例6)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(k)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(l)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(VI)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(k)の有機溶剤溶液の製造 ブタンジオールアジペート(Mw=2000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 66.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 14.4部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 17.1部 アセトン 400 部
【0052】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(l)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ブタンジオールアジペート(Mw=2000) 74.9部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 22.8部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 43.7部 イソホロンジイソシアネート 133.2部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 40.6部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 19.8部 脱イオン水 700 部
【0053】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(VI)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(k)の有機溶剤溶液 576.9部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(l)を含む混合液 193.5部
【0054】(実施例7)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(m)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(n)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(VII)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(m)の有機溶剤溶液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=2000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 53.3部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 6.5部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 3.4部 アセトン 400 部
【0055】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(n)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=4000) 178.5部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 75.1部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 2.4部 イソホロンジイソシアネート 33.4部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 8.3部 ジ−n-ブチルアミン 2.3部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 1.1部 脱イオン水 700 部
【0056】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(VII)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(m)の有機溶剤溶液 376.9部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(n)を含む混合液 500.0部
【0057】(比較例1)温度計、撹拌機、還流冷却管
および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導
入しながら、Mw=2000のポリ(3-メチル−1,5-ペンタン
アジペート)ジオール59.7部、 Mw=2000のポリエチレン
グリコール15.2部、2,2-ジメチロールプロピオン酸35.9
部、イソホロンジイソシアネート 135.7部をメチルエチ
ルケトン 200部中で6時間沸点反応させて末端イソシア
ネートプレポリマーとし、しかるのち40℃まで冷却して
からアセトン 100部を加えて、末端イソシアネートプレ
ポリマーの有機溶剤溶液を得た。次に、イソホロンジア
ミン53.5部およびアセトン 400部を混合したものに、得
られた末端イソシアネートプレポリマーの有機溶剤溶液
546.5部を室温で徐々に添加して50℃で3時間反応さ
せ、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の有機溶
剤溶液を得た。次に、28%アンモニア水16.3部を含む脱
イオン水 453.5部を上記ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶
液中に徐々に添加して中和した。次いで、共沸下でメチ
ルエチルケトン、アセトンの全量を留去した後、水を加
えて固形分を25%に調整し、ポリウレタン樹脂(VIII)の
水性分散体を得た。
【0058】(比較例2)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(o)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(p)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(IX)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(o)の有機溶剤溶液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=2000) 400.0部 イソホロンジイソシアネート 66.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 14.4部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 17.1部 アセトン 400 部
【0059】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(p)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 2,2-ジメチロールプロピオン酸 50.3部 イソホロンジイソシアネート 91.7部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 6.9部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 22.8部 脱イオン水 700 部
【0060】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(IX)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(o)の有機溶剤溶液 731.6部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(p)を含む混合液 8.6部
【0061】(比較例3)下記の原料から、合成例1と
同様にして、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
脂(q)の有機溶剤溶液およびカルボキシル基を有する
ポリウレタン樹脂(r)と塩基性化合物を含む混合液を
製造し、アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポ
リウレタン樹脂(X)の水性分散体を得た。アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(q)の有機溶剤溶液の製造 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=500) 100.0部 イソホロンジイソシアネート 111.1部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート 256.2部 アセトン 400 部
【0062】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(r)の有機溶剤溶液と塩基性化合物 の水溶液との混合液の製造 ブタンジオールアジペート(Mw=2000) 74.9部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 22.8部 2,2-ジメチロールプロピオン酸 43.7部 イソホロンジイソシアネート 133.2部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 40.6部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 19.8部 脱イオン水 700 部
【0063】アジリジン官能基とカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(X)の水性分散 体の製造 アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(q)の有機溶剤溶液 2.5部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(r)を含む混合液 995.0部
【0064】実施例1〜7および比較例1〜3で得られ
たポリウレタン樹脂の特性値を表1に示す。
【表1】
【0065】実施例1〜7および比較例1、3で得られ
たポリウレタン樹脂の水性分散体の安定性を下記の方法
で評価した。結果を表2に示す。また、得られたポリウ
レタン樹脂の水性分散体を用いて、下記の組成で常法に
より水性印刷インキを作成し、ザーンカップ#3(離合社
製)で18秒(25℃)になるように水/イソプロピルアル
コール=1/1 の混合溶剤で希釈し、コロナ処理ポリエス
テルフィルム(東洋紡績(株)製「エステルE5100」、
厚さ12μm)、コロナ処理ポリプロピレンフィルム(東
洋紡績(株)製「パイレンP2161」、厚さ20μm)、コ
ロナ処理ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製「エンブ
レム ON」、厚さ15μm)のコロナ処理面に、版深25
μmを備えたグラビア版を用いて乾燥温度60℃、印刷速
度80m/分でグラビア印刷し、接着性、耐水性および押し
出しラミネート強度を下記の方法で評価した。また、未
処理軟質アルミ(住軽アルミ箔(株)製、厚さ25μm)
にも同一条件でグラビア印刷し、同様に評価した。結果
を表2に示す。
【0066】水性印刷インキの組成 ポリウレタン樹脂の水性分散体 70 部 フタロシアニン系青色顔料 18 部 (東洋インキ製造(株)製「リオノールブルーKLH」) 水 6.9部 イソプロピルアルコール 5 部 シリコーン系消泡剤 0.1部 (トーレ・シリコーン(株)製「トーレシリコーンSC5540」)
【0067】評価方法 (1)安定性 ポリウレタン樹脂の水性分散体を室温で 日放置後、外
観を目視で評価した。 ○: ×:
【0068】(2)接着性 印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付
け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態
を目視で評価した。 5:印刷皮膜が全くはがれなかった。 4:印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。 3:印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。 2:印刷皮膜の30〜50%がフィルムに残った。 1:印刷皮膜の30%未満がフィルムに残った。
【0069】(3)耐水性 印刷物を1日放置後、含水脱脂綿で印刷面を擦り、印刷
皮膜の外観の状態を目視で観察し、印刷面が擦り落ちた
時の回数で評価した。 (4)押し出しラミネート強度 プラスチックフィルム印刷物にポリエチレンイミン系の
アンカーコート剤を使用し、押し出しラミネート機によ
って、溶融ポリエチレンを積層し、ラミネート後2日目
に試料を15mm幅に切断し、T型剥離強度を測定した。
【0070】(5)ボイルレトルト適性 ナイロンフィルム印刷物に、ウレタン系接着剤を使用し
ドライラミネート機によって無延伸ポリプロピレンフィ
ルムを積層し、40℃で3日間エージング後、ラミネート
物を製袋した。得られた袋に、水/サラダ油/ケチャッ
プ=1/1/1 の混合物を入れて密封後、ボイル適性につい
ては 100℃、30分間、レトルト適性については 120℃、
30分間加熱した後、ラミ浮きの有無を外観により目視判
定した。 ○:全くラミ浮きが無い。 ×:全面にラミ浮きが生じた。
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】本発明により、貯蔵安定性に優れ、しか
も各種基材に対して優れた物性の塗膜を形成でき、水性
コーティング剤あるいは水性印刷インキに好適に用いら
れるポリウレタン樹脂の水性分散体を製造できるように
なった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一でも異なってもよく、水
    素原子またはメチル基またはエチル基を表す)で表され
    るアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の
    有機溶剤溶液と、カルボキシル基を有するポリウレタン
    樹脂(B)の有機溶剤溶液と塩基性化合物の水溶液とを
    カルボキシル基の一部を中和する割合で混合してなる混
    合液とを、(A)と(B)との固形分重量比が(A)/
    (B)=99/1〜1/99の割合で混合して反応させ
    た後、有機溶剤を除去することを特徴とするポリウレタ
    ン樹脂の水性分散体の製造方法。
  2. 【請求項2】アジリジン官能基を有するポリウレタン樹
    脂(A)が、該樹脂固形分1g当たり一般式(1)で表
    されるアジリジン官能基を1.0×10-6〜2.0×1
    -3グラム当量含むことを特徴とする請求項1記載のポ
    リウレタン樹脂の水性分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
    (B)が、カルボキシル基を有するポリオール化合物、
    エチレンオキサイド単位またはプロピレンオキサイド単
    位を有するポリオール化合物、他のポリオール化合物お
    よびポリイソシアネート化合物を反応させて得られるイ
    ソシアネート基含有ポリマーに、鎖伸長剤を反応させて
    なるポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1
    または2記載のポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂
    (B)が、該樹脂固形分1g当たりカルボキシル基を
    1.0×10-6〜2.0×10-3グラム当量含むことを
    特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のポリ
    ウレタン樹脂の水性分散体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4いずれか1項に記載の方
    法で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体をバイン
    ダーとする水性印刷インキ。
JP10744996A 1996-04-26 1996-04-26 ポリウレタン樹脂の水性分散体の製造方法および該方法で製造されるポリウレタン樹脂の水性分散体をバインダーとする水性印刷インキ Pending JPH09291245A (ja)

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