JP3620088B2 - 水性ポリウレタン樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれを用いた水性印刷インキ組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水性ポリウレタン樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれを用いた水性印刷インキ組成物に関する。
更に詳しくは印刷インキ、塗料、接着剤および木材、紙、皮革、ガラス、繊維、プラスチック、発泡体、コンクリートなどへの被覆剤として、貯蔵安定性、耐水性、耐溶剤性、各種基材に対する密着性に優れた水性ポリウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂は、イソシアネートとポリオールを適宜選択することにより、硬くて強靱な塗膜から、柔らかくかつ弾性のある塗膜まで自由な塗膜設計ができることから、印刷インキ、塗料、接着剤、繊維、建材、皮革等幅広い分野で使用されている。
【0003】
一方、有機溶剤による大気汚染等の公害、有機溶剤中毒等の労働安全衛生、更に引火爆発等の危険といった問題を解決する一つの手段として印刷インキや塗料分野では水性化への転換が提案され、水性ポリウレタンの研究開発が盛んに行われている。
【0004】
従来、樹脂の水系媒体への分散もしくは溶解は、分散剤または乳化剤を用いることにより、あるいは内部に存在する分散性基、乳化性基または溶解性基(イオン性官能基および/または非イオン性官能基)の作用により達成されているが、一般的には後者の自己乳化型あるいは自己溶解型樹脂の方がより優れた性能を確保できることが見出されている。
【0005】
自己乳化型あるいは自己溶解型水性ポリウレタン樹脂としては、例えば、特開平5−171091号公報にはポリカーボネートジオールとカルボキシル基を含有する高分子ジオールと有機ジイソジアネート化合物および鎖伸長剤を反応させて得られるものが開示されている。
しかし、分子内に自己乳化可能なだけの水溶性官能基を導入する必要があるため、必然的に耐水性と乳化性とのバランスをとることになり、溶剤型ポリウレタンに匹敵するほどの塗膜物性は期待できない。
【0006】
溶剤型ポリウレタンに匹敵する塗膜物性を得るためには、水性ポリウレタン樹脂中に水性架橋剤を添加することが通常行われる。水性架橋剤としては、例えば水性メラミン樹脂、アジリジン、カルボジイミド、水性ブロックイソシアネート等が挙げられる。
しかし水性ポリウレタン樹脂中に水性架橋剤を添加したものは、樹脂の貯蔵安定性が高いものは高温での硬化が必要となり、逆に比較的低温で硬化できるものは貯蔵安定性が悪く可使時間が短いという欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水性コーティング剤あるいは水性印刷インキにおいて、貯蔵安定性に優れしかも各種基材に対して優れた塗膜物性を有する水性ポリウレタン樹脂組成物とその製造方法ならびにそれを用いた水性インキ組成物をを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、分子中にアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂と分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂を反応させることにより、貯蔵安定性に優れしかも各種基材に対して優れた塗膜物性を有する水性ポリウレタン樹脂組成物が得られることを見いだした。
【0009】
第一の発明は、有機溶剤中で合成された分子中に一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と、
【0010】
一般式(1)
【化2】
【0011】
(式中、R1 およびR2 は同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基またはエチル基を表す)
有機溶剤中で合成されたカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)とを混合し反応させた後、塩基性化合物で中和して水溶化することを特徴とする、分子中に少なくとも1個のアジリジン官能基と、少なくとも1個のカルボキシル基を含有する水性ポリウレタン樹脂(C)の製造方法である。
第二の発明は、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)とカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)とを重量比で(A)/(B)=99/1〜1/99の割合で反応させることを特徴とする第一発明の水性ポリウレタン樹脂(C)の製造方法である。
【0012】
第三の発明は、アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)が、該樹脂固形分1g当たり一般式(1)で表されるアジリジン官能基を2.0×10-3〜1.0×10-6グラム当量含み、かつ、カルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)が、該樹脂固形分1g当たりカルボキシル基を2.0×10-3〜1.0×10-6グラム当量含むことを特徴とする第一発明または第二発明の水性ポリウレタン樹脂(C)の製造方法である。
【0013】
一般式(1)
【化3】
(式中、R 1 およびR 2 は同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基またはエチル基を表す)
【0015】
以下、本発明の構成について詳しく説明する。
本発明は、有機溶剤中で合成されたアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と有機溶剤中で合成されたカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)とを重量比で(A)/(B)=99/1〜1/99の割合で反応させた後、水溶化および脱有機溶剤することにより、水性ポリウレタン樹脂(C)を得る。
ここで、有機溶剤中で合成されたアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と有機溶剤中で合成されたカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)とを反応させると、アジリジン官能基とカルボキシル基との付加反応が起こり、複合樹脂となる。
【0016】
この複合樹脂を水溶化することにより、アジリジン官能基との反応に寄与しなかったカルボキシル基は水層の方に配向し、アジリジン官能基を含有するポリウレタン樹脂を包含し、分子中に少なくとも1個のアジリジン官能基と、少なくとも1個のカルボキシル基を含有するコア/シェル構造の複合樹脂が得られる。このコア/シェル構造の複合樹脂から脱有機溶剤を行なうことにより、安定な水性ポリウレタン樹脂(C)が得られる。
【0017】
本発明の一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)中のアジリジン官能基は、ポリウレタン樹脂のいずれの部位に導入されても良く、例えば末端に導入されても良く、側鎖に導入されても良い。
また、アジリジン官能基の量は、該樹脂固形分1g当たり一般式(1)で表されるアジリジン官能基を2.0×10−3 〜1.0×10−6グラム当量の範囲が好ましい。アジリジン官能基当量が2.0×10−3グラム当量以上含まれると、ポリウレタン樹脂の水中での安定性が不良となり、アジリジン官能基当量が1.0×10−6グラム当量以下であると、十分な塗膜物性が得られない。
【0018】
また、カルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)のカルボキシル基の量は、該樹脂固形分1g当たりカルボキシル基を2.0×10−3〜1.0×10−6グラム当量の範囲が好ましい。カルボキシル基当量が2.0×10−3より多く含まれると塗膜の耐水性が不良となる。カルボキシル基当量が1.0×10−6グラム当量以下ではポリウレタン樹脂の水中での安定性が不良となる。
【0019】
本発明の一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の製造方法について説明する。
【0020】
例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とをイソシアネート過剰の条件で反応させ、ポリオール化合物の末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いで適当な溶媒中で鎖伸長剤、更に必要に応じて重合停止剤を反応させポリウレタン樹脂とする。
ここで一般式(1)で表されるアジリジン官能基をポリウレタン樹脂の末端に導入する場合は、一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有しかつイソシアネートと反応しうる活性水素を1個有する化合物をイソシアネート基と反応させることにより得られる。
【0021】
また、一般式(1)で表されるアジリジン官能基を側鎖に導入する場合は、一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有しかつイソシアネートの反応しうる活性水素を少なくとも2個有する化合物をポリオール、鎖伸長剤などとして用いればよい。
【0022】
本発明の一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)の製造方法において用いられるポリオール化合物は特に限定されるものではなく、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などの低分子量ポリオール類、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオールが使用できる他、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類も用いることができる。
【0023】
ポリエーテルジオール類としては、例えば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの重合体、共重合体またはグラフト共重合体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリコール類、プロポキシル化またはエトキシル化されたポリエーテルグリコール類がある。
【0024】
ポリエステルジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グリコールと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩基酸エステルとから縮合反応により得られるポリエステルポリオールやε−ポリカプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、シリコンポリオールなどがあり、これらとジイソシアネートとの反応によって得られる末端水酸基の反応生成物も用いることができる。
【0025】
ポリオキシエチレン単位を有するポリオール化合物として、分子量 400以上のポリエチレングリコール、片末端をメチルエーテル化したポリエチレングリコール、ポリエチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム共重合)グリコール、オキシエチレンジアミノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0026】
ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族および脂環族の従来公知のポリイソシアネートを用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートなどのジイソシアネート類、あるいはこれらとグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、あるいはこれらの混合物があり、必要に応じてトリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、などの3官能以上のポリイソシアネート類もこれらジイソシアネート類に混合して用いることができる。
【0027】
さらに必要に応じてモノイソシアネート類を分子量調整剤として用いてもよい。これらの他、デスモジュールシリーズ(***バイエル社製、商品名)などの市販のポリイソシアネートアダクト体を用いることもできる。
【0028】
鎖伸長剤としては、分子中にアミノ基または水酸基などイソシアネート基と反応しうる活性水素を2個以上有する化合物が挙げられる。ジアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ポリオキシエチレンジアミノプロピルエーテルなどが挙げられる。その他、N−2−ヒドキシエチルエチレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等も挙げられる。更に、グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジアミン型アミノ酸類等が代表例として挙げられる。
【0029】
また、ジヒドラジド化合物としては、例えばシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジドなどの炭酸ポリヒドラジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジドなどを挙げることができる。
また、グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペントンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジプロピレングリコールなどの飽和または不飽和の各種公知の低分子ジオール類およびダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオールも挙げられる。
【0030】
重合停止剤としては、ジ−n−ジブチルアミンなどのジアルキルアミン類などの他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2− メチル−1− プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、N−ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N−ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するアミン類も用いることができる。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
【0031】
一般式(1)で表されるアジリジン官能基を有し、イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する化合物としては、例えば、エチレンイミン、プロピレンイミン、N−(γ−アミノプロピル)エチレンイミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、1−フェニル−2−アジリジニルエタノールなどが挙げられる。
【0032】
これらの反応は、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、例えばジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n−ブトキシ)チタンなどを用いることができる。
更に、反応の均一化や粘度調整のためにイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤中で反応させる。それら有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトニトリル、テトタヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどがあり、これら溶剤単独あるいは混合系を挙げることができる。
【0033】
本発明のカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)の製造方法について説明する。
【0034】
カルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)の製造方法は、カルボキシル基を含有するポリオール化合物と必要に応じて該カルボキシル基を含有するポリール以外のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とをイソシアネート過剰の条件で反応させ、ポリオール化合物の末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いで適当な溶媒中で鎖伸長剤、更に必要に応じて重合停止剤を反応させポリウレタン樹脂とする。
【0035】
カルボキシル基を含有するポリオール化合物としては、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシルメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシルエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシルプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
【0036】
カルボキシル基を含有するポルオール化合物以外のポリオール化合物は、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などの低分子量ポリオール類、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオールが使用できる他、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類も用いることができる。
【0037】
ポリエーテルジオール類としては、例えば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの重合体、共重合体またはグラフト共重合体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリコール類、プロポキシル化またはエトキシル化されたポリエーテルグリコール類がある。
【0038】
ポリエステルジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グリコールと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩基酸エステルとから縮合反応により得られるポリエステルポリオールやε−ポリカプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、シリコンポリオールなどがあり、これらとジイソシアネートとの反応によって得られる末端水酸基の反応生成物も用いることができる。
【0039】
ポリオキシエチレン単位を有するポリオール化合物として、分子量 400以上のポリエチレングリコール、片末端をメチルエーテル化したポリエチレングリコール、ポリエチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム共重合)グリコール、オキシエチレンジアミノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0040】
ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族および脂環族の従来公知のポリイソシアネートを用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートなどのジイソシアネート類、あるいはこれらとグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、あるいはこれらの混合物があり、必要に応じてトリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、などの3官能以上のポリイソシアネート類もこれらジイソシアネート類に混合して用いることができる。さらに必要に応じてモノイソシアネート類を分子量調整剤として用いてもよい。これらの他、デスモジュールシリーズ(***バイエル社製、商品名)などの市販のポリイソシアネートアダクト体を用いることもできる。
【0041】
鎖伸長剤としては、分子中にアミノ基または水酸基などイソシアネート基と反応しうる活性水素を2個以上有する化合物が挙げられる。ジアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ポリオキシエチレンジアミノプロピルエーテルなどが挙げられる。その他、N−2−ヒドキシエチルエチレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等も挙げられる。更に、グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジアミン型アミノ酸類等が代表例として挙げられる。
【0042】
また、ジヒドラジド化合物としては、例えばシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジドなどの炭酸ポリヒドラジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジドなどを挙げることができる。
また、グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペントンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジプロピレングリコールなどの飽和または不飽和の各種公知の低分子ジオール類およびダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオールも挙げられる。
【0043】
重合停止剤としては、ジ−n−ジブチルアミンなどのジアルキルアミン類などの他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2− メチル−1− プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、N−ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N−ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するアミン類も用いることができる。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
【0044】
これらの反応は、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、例えばジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n−ブトキシ)チタンなどを用いることができる。
更に、反応の均一化や粘度調整のためにイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤中で反応させる。それら有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトニトリル、テトタヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどがあり、これら溶剤単独あるいは混合系を挙げることができる。
【0045】
次に、分子中にアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と分子中にカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)を反応させる製造方法について説明する。
【0046】
例えば、上記の方法で有機溶剤中で合成されたアジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と有機溶剤中で反応で合成されたカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)とを混合し、アジリジン官能基とカルボキシル基とを反応させる。次いで、塩基性化合物で水性化することにより、分子中に少なくとも1個のアジリジン官能基と、少なくとも1個のカルボキシル基を含有する水性ポリウレタン樹脂(C)が製造できる。
【0047】
カルボキシル基を中和する塩基性化合物としては、アンモニア;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノール等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられるが、乾燥後の皮膜の耐水性を向上させるためには、水溶性であり、かつ熱によって容易に解離する揮発性の高いものが好ましく、特にアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0048】
かくして得られる水性ポリウレタン樹脂は、水分散後そのまま使用することもできるが、通常は併用された各種有機溶剤を除去する目的で、加熱操作、減圧操作により、水と共に共沸除去する工程を採用するのが一般的である。
【0049】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
(実施例1)
アジリジン官能基含有ポリウレタン樹脂(a)の合成
温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、平均分子量(以下、Mwという)2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール 400.0部、イソホロンジイソシアネート66.7部をメチルエチルケトン 200部中で6時間沸点反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、しかるのち40℃まで冷却してからアセトン 100部を加えて、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液を得た。
【0050】
次に、イソホロンジアミン14.4部、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート17.1部およびアセトン 400部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液766.7 部を室温で徐々に添加して50℃で3時間反応させ、アジリジン官能基含有ポリウレタン樹脂(a)の溶剤溶液を得た。
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の合成(b)
温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、Mw=2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール 130.9部、 Mw=2000のポリエチレングリコール15.2部、2,2−ジメチロールプロピオン酸29.4部、イソホロンジイソシアネート97.4部をメチルエチルケトン200部中で6時間沸点反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、しかるのち40℃まで冷却してからアセトン 100部を加えて、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液を得た。
【0051】
次に、イソホロンジアミン26.6部およびアセトン 400部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液 572.9部を室温で徐々に添加して50℃で3時間反応させ、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(b)の溶剤溶液を得た。
アジリジン官能基含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の反応物(I)
温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、上記で合成したアジリジン含有ポリウレタン樹脂(a)の溶剤溶液 354.6部とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(b) 500部を混合し、30分間攪拌を行った後、28%アンモニア水 6.7部を含む脱イオン水 145.4部を徐々に添加して中和することにより水溶化し、更に共沸下でメチルエチルケトン、アセトンの全量を留去した後、水を加えて水性ポリウレタン樹脂(I)を得た。
【0052】
(実施例2)
下記の原料から、実施例1と同様にして、アジリジン含有ポリウレタン樹脂(c)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(d)およびアジリジン含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂との反応させた水性ポリウレタン樹脂(II)を得た。
【0053】
(実施例3)
下記の原料から、実施例1と同様にして、アジリジン含有ポリウレタン樹脂(e)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(f)およびアジリジン含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂との反応させた水性ポリウレタン樹脂(III)を得た。
【0054】
(実施例4)
下記の原料から、実施例1と同様にして、アジリジン含有ポリウレタン樹脂(g)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(h)およびアジリジン含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂との反応させた水性ポリウレタン樹脂(IV)を得た。
【0055】
(実施例5)
下記の原料から、実施例1と同様にして、アジリジン含有ポリウレタン樹脂(i)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(j)およびアジリジン含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂との反応させた水性ポリウレタン樹脂(V)を得た。
【0056】
(実施例6)
下記の原料から、実施例1と同様にして、アジリジン含有ポリウレタン樹脂(k)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(l)およびアジリジン含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂との反応させた水性ポリウレタン樹脂(VI)を得た。
【0057】
(実施例7)
下記の原料から、実施例1と同様にして、アジリジン含有ポリウレタン樹脂(m)、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(n)およびアジリジン含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂との反応させた水性ポリウレタン樹脂(VII)を得た。
【0058】
実施例1〜7で得られた水性ポリウレタン樹脂の特性値を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
本発明のアジリジン官能基含有ポリウレタン樹脂とカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂とを反応させた水性ポリウレタン樹脂と比較するために、アジリジン官能基含有ポリウレタン樹脂を含まない水性ポリウレタン樹脂(比較例1)を合成した。
【0061】
(比較例1)
温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、Mw=2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール 59.7 部、 Mw=2000のポリエチレングリコール15.2部、2,2−ジメチロールプロピオン酸35.9部、イソホロンジイソシアネート135.7 部をメチルエチルケトン200 部中で6時間沸点反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、しかるのち40℃まで冷却してからアセトン 100部を加えて、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液を得た。
【0062】
次に、イソホロンジアミン53.5部およびアセトン 400部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液 546.5部を室温で徐々に添加して50℃で3時間反応させ、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の溶剤溶液を得た。
次に、28%アンモニア水16.3部を含む脱イオン水453.5 部を上記ポリウレタン樹脂の溶剤溶液中に徐々に添加して中和することにより水性化し、更に共沸下でメチルエチルケトン、アセトンの全量を留去した後、水を加えて水性ポリウレタン樹脂VIIIを得た。
【0063】
比較例1で得られた水性ポリウレタン樹脂の特性値を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
〔実施例8〕
水性ポリウレタン樹脂Iを水希釈にて固形分25%に調整し下記の組成で常法により水性印刷インキを作成し、ザーンカップ#3(離合社製)で18秒(25℃)になるように水/イソプロピルアルコール=1/1 の混合溶剤で希釈し、コロナ処理ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 エステルE5100、厚さ12μm)、コロナ処理ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 パイレンP2161、厚さ20μm)、コロナ処理ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製 エンブレム ON、厚さ25μm)のコロナ処理面に、同様に未処理軟質アルミ(住軽アルミ箔製、厚さ25μm)に版深25μmを備えたグラビア版を用いて乾燥温度60℃、印刷速度80m/分でグラビア印刷し、顔料分散性の良否を示す発色性、接着性、耐水性および押し出しラミネート強度を評価した。
【0066】
評価結果を表2に示す。なお、評価は以下の方法によった。
【0067】
(1)安定性
合成した水性ポリウレタン樹脂を室温で放置して、樹脂の外観を目視で評価した。
(2)発色性
印刷物の外観を濃度、光沢、透明性の点より総合的に目視判定した。評価結果の判定値は次の通りである。
5:非常に優れている。
4:優れている。
【0068】
3:普通。
2:劣っている。
1:非常に劣っている。
【0069】
(3)接着性
印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を目視にて判定した。評価結果の判定値は次の通りである。
5:印刷皮膜が全くはがれなかった。
4:印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の30〜50%がフィルムに残った。
【0070】
1:印刷皮膜の30%未満がフィルムに残った。
【0071】
(4)耐水性
印刷物を1日放置後、含水脱脂綿で印刷面を擦り、印刷皮膜の外観の状態を目視にて判定し、印刷面が擦り落ちた時の回数で評価した。
【0072】
(5)押し出しラミネート強度
上記プラスチックフィルム印刷物にポリエチレンイミン系のアンカーコート剤を使用し、押し出しラミネート機によって、溶融ポリエチレンを積層し、ラミネート後2日目に試料を15mm幅に切断し、T型剥離強度を測定した。
【0073】
(6)ボイルレトルト適性
上記ナイロンフィルム印刷物にウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネート機によって無延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、40℃で3日間エージング後、ラミネート物を製袋し、内容物として、水/サラダ油/ケチャップ=1/1/1の混合物を入れ、密封後、ボイル適性については、100 ℃、30分間、レトルト適性については120 ℃、30分間加熱した後、ラミ浮きの有無を外観により目視判定した。全くラミ浮きの無いものを○、全面ラミ浮きが生じたものを×とした。
【0074】
〔実施例9〜14、比較例2)
水性ポリウレタン樹脂Iの代わりに、それぞれ水性ポリウレタン樹脂II(実施例2)、水性ポリウレタン樹脂III(実施例3)、水性ポリウレタン樹脂IV(実施例4)、水性ポリウレタン樹脂V(実施例5)、水性ポリウレタン樹脂VI(実施例6)、水性ポリウレタン樹脂VII(実施例7)、水性ポリウレタン樹脂VIII(比較例1)を用いた以外は実施例8と同様にして水性印刷インキを作成し評価を行なった。
尚、実施例8〜14、比較例2は表3に評価結果を示した。
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】
本発明により、水性コーティング剤あるいは水性印刷インキにおいて貯蔵安定性に優れしかも各種基材に対して優れた塗膜物性を有する水性ポリウレタン樹脂樹脂を提供できた。
Claims (3)
- アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)とカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)とを重量比で(A)/(B)=99/1〜1/99の割合で反応させることを特徴とする請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂(C)の製造方法。
- アジリジン官能基を有するポリウレタン樹脂(A)が、該樹脂固形分1g当たり一般式(1)で表されるアジリジン官能基を2.0×10-3〜1.0×10-6グラム当量含み、かつ、カルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(B)が、該樹脂固形分1g当たりカルボキシル基を2.0×10-3〜1.0×10-6グラム当量含むことを特徴とする請求項1または2記載の水性ポリウレタン樹脂組成物(C)の製造方法。
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