JPH10147225A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

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Publication number
JPH10147225A
JPH10147225A JP30970996A JP30970996A JPH10147225A JP H10147225 A JPH10147225 A JP H10147225A JP 30970996 A JP30970996 A JP 30970996A JP 30970996 A JP30970996 A JP 30970996A JP H10147225 A JPH10147225 A JP H10147225A
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JP
Japan
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vehicle
control
abnormality
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motion
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Application number
JP30970996A
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English (en)
Inventor
Jun Mihara
原 純 三
Hiroshi Nakajima
島 洋 中
Akio Sakai
井 明 夫 酒
Yoshimasa Yamamoto
本 良 政 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運動制御中に運動制御装置が異常になったと
きにも、車両の運動状態を安定側に修正する力を維持
し、車両の安定性を維持すること。 【解決手段】 車両の前方及び後方の車輪に対し少なく
ともブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブ
レーキ液圧制御装置と、車両の運動状態を判定する車両
状態判定手段と、前記車両状態判定手段の判定結果に基
づき前記ブレーキ液圧制御装置を前記ブレーキペダルの
操作の有無とは無関係に制御し、前記車両状態判定手段
が車両の運動状態が不安定状態になったと判定した時
に、前記車両の運動状態を安定側に修正するために、左
右の車輪に制動力差を発生させるよう少なくとも1つの
車輪に制動力を付与する運動制御手段とを備えた車両の
運動制御装置において、運動制御装置の異常を検出する
異常検出手段と、運動制御手段による制御中に異常検出
手段が運動制御装置の異常を検出したときに、左右の車
輪間の制動力差を異常検出時の状態に維持する異常時処
理手段とを更に備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回時等に
おいて、ブレーキペダルの操作の有無とは無関係に各車
輪に対して制動力を付与したりエンジン出力を減少させ
ることにより、車両の運動状態を安定させる車両の運動
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、特開平8−
142846号公報及び特開平6−87421号公報に
示されるものが知られている。
【0003】前者のものは、車両の前方及び後方の車輪
に対し少なくともブレーキペダルの操作に応じて制動力
を付与するブレーキ液圧制御装置と、車両の挙動を検出
する車両挙動センサと、車両挙動センサの検出結果に基
づき車両の運動状態が不安定状態になったか否かを判定
する車両状態判定手段と、車両状態判定手段が車両の運
動状態が不安定状態と判定した時に、車両の運動状態を
安定側に修正するために左右の車輪に制動力差を発生さ
せるよう少なくとも1つの車輪に制動力を付与する運動
制御手段とを備えたものである。ここで、上記車両挙動
センサには、横加速度センサやヨーレートセンサが使用
されている。
【0004】ところが、前者のものには、車両挙動セン
サの異常を検出し、異常検出時に特定の処理を行う点が
開示されていないため、センサ異常時にはシステムが正
常に動作できなくなる。
【0005】一方、後者のものは、車両の実ヨーレート
を目標ヨーレートに一致させるために、左右の車輪に制
動力差を発生させるよう左右の車輪の制動力を制御(以
下運動制御という)するものである。また、このもので
は、各種センサの異常も含むシステムの異常を検出し、
運動制御中にシステムの異常を検出したときに制御中の
左右の車輪の制動力を無制御の通常制動力まで徐々に変
化させている。この異常時処理により、左右輪に発生す
る制動力差が徐々に小さくなり、結果、ヨーレートが急
激に増加するのを抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、後者のもの
では、運動制御中に各種センサが異常になったときに、
制御中の左右輪の制動力を無制御の通常制動力まで徐々
に変化させる構成であるため、左右輪に発生する制動力
差が徐々に小さくなり、結果、車両の運動状態を安定側
に修正する力が徐々に小さくなる。従って、車両の安定
性が維持できない。
【0007】故に、本発明は、運動制御中にシステム
(運動制御装置)が異常になったときにも、車両の運動
状態を安定側に修正する力を維持し、車両の安定性を維
持することを、その技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るため、請求項1の発明は、運動制御装置の異常を検出
する異常検出手段と、運動制御手段による制御中に異常
検出手段が運動制御装置の異常を検出したときに、左右
の車輪間の制動力差を異常検出時の状態に維持する異常
時処理手段とを設けた。
【0009】請求項1の発明によれば、運動制御中に運
動制御装置の異常を検出したときに、左右の車輪間の制
動力差をその状態に維持するので、車両のヨーモーメン
ト(つまり運動状態)を安定側に修正する力を維持で
き、結果、車両の運動性を維持できる。
【0010】請求項1において、請求項2に示すよう
に、車両の挙動を検出する車両挙動センサを更に備え、
車両状態判定手段が車両挙動センサの検出結果に基づき
車両の運動状態を判定し、異常検出手段が車両挙動セン
サの異常を検出し、異常時処理手段が、運動制御手段に
よる制御中に異常検出手段が車両挙動センサの異常を検
出したときに、制御中の車輪の制動力を異常検出時の制
動力に維持するように構成すると、好ましい。ここで、
上記車両挙動センサには、車両の横加速度を検出する横
加速度センサや車両のヨーレートを検出するヨーレート
センサ等を用いることができる。
【0011】請求項2の発明によれば、運動制御中に車
両挙動センサの異常を検出したときに、制御中の車輪の
制動力を異常検出時の制動力に維持するので、簡単な動
作で車両のヨーモーメントを安定側に修正する力を維持
できる。
【0012】請求項1において、請求項3に示すよう
に、異常時処理手段が、運動制御手段による制御中に異
常検出手段が車両挙動センサの異常を検出したときに、
左右の車輪間の制動力差を異常検出時の状態に維持しな
がら、制御中の車輪の制動力を徐々に増加させるように
構成すると、好ましい。
【0013】請求項3の発明によれば、運動制御中に車
両挙動センサの異常を検出したときに、左右の車輪間の
制動力差を異常検出時の状態に維持しながら、制御中の
左右の車輪の制動力を徐々に増加させるので、車両のヨ
ーモーメントを安定側に修正する力を維持できると共
に、車両の減速度も増加させることができ、結果、車両
の運動状態を一層安定側に修正することができ、車両の
安定性を一層確保できる。
【0014】請求項3において、請求項4に示すよう
に、異常時処理手段が、制御中の車輪がロックする傾向
にあるか否かを判定するロック判定手段を有し、異常時
処理中にロック判定手段が制御中の車輪がロックする傾
向にあると判定したときに、アンチスキッド制御に移行
するように構成すると、好ましい。
【0015】請求項4の発明によれば、異常時処理中に
制御中の車輪がロックする傾向にあるときに、アンチス
キッド制御に移行するので、異常時処理中における車輪
のロックを防止できる。
【0016】請求項1において、請求項5に示すよう
に、異常時処理手段が、車速が所定値以下か否かを判定
する車速判定手段を有し、異常時処理中に車速判定手段
が車速が所定値以下であると判定したときに、異常時処
理を終了させると、好ましい。
【0017】請求項5の発明によれば、異常時処理中に
車速が所定値以下になったときに、異常時処理を終了さ
せるので、車両の運動状態が不安定状態から脱した後
に、異常時処理を終了させることができる。
【0018】上記技術的課題を解決するため、請求項6
の発明は、運動制御装置の異常を検出する異常検出手段
と、運動制御手段による制御中に異常検出手段が運動制
御装置の異常を検出したときに、エンジン出力を維持す
る異常時処理手段とを設けた。
【0019】請求項6の発明によれば、運動制御中に運
動制御装置の異常を検出したときに、エンジン出力を異
常検出時の出力に維持するので、車両の減速度を維持で
き、結果、車両の運動状態を安定側に修正する力を維持
でき、車両の安定性を維持でき、結果、車両の運動状態
を安定側に修正する力を維持でき、車両の安定性を維持
できる。
【0020】上記技術的課題を解決するため、請求項7
の発明は、運動制御装置の異常を検出する異常検出手段
と、運動制御手段による制御中に異常検出手段が運動制
御装置の異常を検出したときに、エンジン出力を徐々に
減少する異常時処理手段とを設けた。
【0021】請求項7の発明によれば、運動制御中に運
動制御装置の異常を検出したときに、エンジン出力を徐
々に減少させるので、車両の減速度を徐々に増加させる
ことができ、結果、車両の運動状態を安定側に修正する
力を一層確保でき、車両の安定性を一層確保できる。
【0022】請求項6,7において、請求項8に示すよ
うに、異常時処理手段が、車速が所定値以下か否かを判
定する車速判定手段を有し、異常時処理中に車速判定手
段が車速が所定値以下であると判定したときに、異常時
処理を終了させると、好ましい。
【0023】請求項8の発明によれば、異常時処理中に
車速が所定値以下になったときに、異常時処理を終了さ
せるので、車両の運動状態が不安定状態から脱した後
に、異常時処理を終了させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。
【0025】(第1の実施形態)図1は本発明の車両の
運動制御装置の第1の実施形態を示すもので、エンジン
EGはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを
備えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいては
アクセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバ
ルブMTのメインスロットル開度が制御される。また、
電子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装
置THのサブスロットルバルブSTが駆動されサブスロ
ットル開度が制御されると共に、燃料噴射装置FIが駆
動され燃料噴射量が制御されるように構成されている。
本実施形態のエンジンEGは変速制御装置GS及びディ
ファレンシャルギヤDFを介して車両後方の車輪DL,
DRに連結されており、所謂後輪駆動方式が構成されて
いるが、本発明における駆動方式をこれに限定するもの
ではない。
【0026】次に、制動系については、車輪NL,N
R,DL,DRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置PCが接続
されている。尚、車輪NLは運転席からみて前方左側の
従動輪、車輪NRは前方右側の従動輪を示し、車輪DL
は後方左側の駆動側、車輪DRは後方右側の駆動輪を示
している。ブレーキ液圧制御装置PCは図2に示すよう
に構成されており、これについては後述する。
【0027】車輪NL,NR,DL,DRには車輪速度
センサWSl乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブ
レーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレー
キスイッチBS、車両前方の車輪NL,NRの舵角θf
を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度Gy
を検出する横加速度センサYG及び車両のヨーレイトγ
を検出するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置EC
Uに接続されている。ヨーレイトセンサYSにおいて
は、車両重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)
の変化速度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出さ
れ、実ヨーレイトγとして電子制御装置ECUに出力さ
れる。
【0028】尚、車両後方の車輪DL,DR間に舵角制
御装置(図示せず)を設けても良く、これによれば電子
制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示せず)によ
って車輪DL,DRの舵角を制御することもできる。
【0029】本実施形態の電子制御装置ECUは、バス
を介して相互に接続されたプロセシングユニットCP
U、メモリROM、RAM、入力ポートIPT及び出力
ポートOPT等から成るマイクロコンピュータMCPを
備えている。上記車輪速度センサWSl乃至WS4、ブ
レーキスイッチBS、前輪舵角センサSSf、ヨーレイ
トセンサYS、横加速度センサYG等の出力信号は増幅
回路AMPを介して夫々入力ポートIPTからプロセシ
ングユニットCPUに入力されるように構成されてい
る。また、出力ポートOPTからは駆動回路ACTを介
してスロットル制御装置TH及びブレーキ液圧制御装置
PCに夫々制御信号が出力されるように構成されてい
る。マイクロコンピュータMCPにおいては、メモリR
OMは図3乃至図7に示したフローチャートを含む種々
の処理に供するプログラムを記憶し、プロセシングユニ
ットCPUは図示しないイグニッションスイッチが閉成
されている間当該プログラムを実行し、メモリRAMは
当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記
憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎に、もしくは
関連する制御を適宜組合せて複数のマイクロコンピュー
タを構成し、相互間を電気的に接続しても良い。
【0030】図2は本実施形態におけるブレーキ液圧制
御装置PCの一例を示すもので、マスタシリンダMC及
び液圧ブースタHBがブレーキペダルBPの操作に応じ
て駆動される。液圧ブースタHBには補助液圧源APが
接続されており、これらはマスタシリンダMCと共に低
圧リザーバRSに接続されている。
【0031】補助液圧源APは、液圧ポンプHP及びア
キュムレータAccを有する。液圧ポンプHPは電動モー
タMによって駆動され、低圧リザーバRSのブレーキ液
を昇圧して出力し、このブレーキ液が逆止弁CV6を介
してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。電動
モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限
値を下回ることに応答して駆動され、またアキュムレー
タAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して
停止する。尚、アキュムレータAccと低圧リザーバRS
との間にはリリーフバルブRVが介装されている。而し
て、アキュムレータAccから所謂パワー液圧が適宜液圧
ブースタHBに供給される。液圧ブースタHBは、補助
液圧源APの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの
出力液圧をパイロット圧として、これに比例したブース
タ液圧に調圧するもので、これによってマスタシリンダ
MCが倍力駆動される。
【0032】マスタシリンダMCと車両前方のホイール
シリンダWfr,Wflの各々を接続する前輪側の液圧
路には、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されてお
り、これらは制御通路Pfr及びPflを介して夫々電
磁開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6
に接続されている。また、液圧ブースタHBとホイール
シリンダWfr等の各々を接続する液圧路には電磁開閉
弁SA3,給排制御用の電磁開閉弁PC1乃至PC8が
介装されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APが電磁開閉弁SA3の下流側に接続されている。図
2では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分され
た前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよ
い。
【0033】前輪側液圧系において、電磁開閉弁PC1
及びPC2は電磁開閉弁STRに接続されている。電磁
開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、非
作動時の閉位置では遮断状態で、作動時の開位置では電
磁開閉弁PC1及びPC2を直接アキュムレータAccに
連通する。電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2は3
ポート2位置の電磁切換弁で、非作動時は図2に示す第
1位置にあってホイールシリンダWfr,Wflは何れ
もマスタシリンダMCに連通接続されているが、ソレノ
イドコイルが励磁され第2位置に切換わると、ホイール
シリンダWfr,Wflは何れもマスタシリンダMCと
の連通が遮断され、夫々電磁開閉弁PC1及びPC5、
電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
【0034】これら電磁開閉弁PC1及びPC2に対し
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御通路Pfrに、逆止弁CV2
の流入側が制御通路Pf1に夫々接続されている。逆止
弁CV1は、電磁切換弁SA1が作動位置(第2位置)
にある場合において、ブレーキペダルBPが開放された
ときには、ホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を液
圧ブースタHBの出力へのブレーキ液の流れは許容され
るが逆方向の流れは阻止される。尚、逆止弁CV2につ
いても同様である。
【0035】次に、後輪側液圧系について説明すると、
電磁開放弁SA3は2ポート2位置の電磁開閉弁で、非
作動時には図2に示す開位置にあって、電磁開閉弁PC
3,PC4は比例減圧弁PVを介して液圧ブースタHB
と連通する。このとき、電磁開閉弁STRは閉位置とさ
れ、アキュムレータAccとの連通が遮断される。電磁開
閉弁SA3が作動時の閉位置に切換えられると、電磁開
閉弁PC3,PC4は液圧ブースタHBとの連通が遮断
され、比例減圧弁PVを介して電磁開閉弁STRに接続
され、この電磁開閉弁STRが作動時にアキュムレータ
Accと連通する。
【0036】また、電磁開閉弁PC3及びPC4に対し
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホイールシリンダWrlに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,Wrlのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れが許容
され逆方向の流れは阻止される。更に、逆止弁CV5が
電磁開閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁
SA3が閉位置にあるときにも、ブレーキペダルBPに
よる踏み増しが可能とされている。
【0037】上記電磁開閉弁SA1,SA2及び電磁開
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1乃至PC8
は前述の電磁制御装置ECUにらって駆動制御され、前
述の制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。
例えば、ブレーキペダルBPが操作されていない状態で
行なわれる制動操舵制御時には、液圧ブースタHB及び
マスタシリンダMCからはブレーキ液圧が出力されない
ので、電磁開閉弁SA1,SA2が第2位置とされ、電
磁開閉弁SA3が閉位置とされ、そして電磁開閉弁ST
Rが開位置とされる。これにより、補助液圧源APの出
力パワー液圧が電磁開閉弁STR並びに開状態の電磁開
閉弁PC1乃至PC8を介してホイールシリンダWfr
等に供給され得る状態となる。而して、電磁開閉弁PC
1乃至PC8が適宜開閉駆動されることによって各ホイ
ールシリンダ内のブレーキ液圧が急増圧、パルス増圧
(緩増圧)、パルス減圧(緩減圧)、急減圧、及び保持
状態とされ、前述のようにオーバーステア抑制制御及び
/又はアンダーステア抑制制御が行われる。
【0038】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御、トラクション制御等の一連の処理が行な
われ、イグニッションスイッチ(図示せず)が開成され
ると図3乃至図8等のフローチャートに対応したプログ
ラムの実行が開始し、その周期は6msである。
【0039】図3は制動操舵制御の作動を示すもので、
先ずステップ101にてマイクロコンピュータMCPが
初期化され、各種の演算値がクリアされる。次にステッ
プ102において、車輪速度センサWS1乃至WS4の
検出信号が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSf
の検出信号(舵角θf)、ヨーレイトセンサYSの検出
信号(実ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出
信号(即ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込
まれる。
【0040】続いてステップ103に進み、各車輪の車
輪速度Vw** が演算され、ステップ104にて各車輪の
車輪速度Vw** が微分されて各車輪の車輪加速度DVw*
* が演算され、フィルター(図示せず)によりノイズが
除かれて正規の各車輪の車輪加速度FDVw** が得られ
る。次いで、ステップ105において、各車輪の車輪速
度Vw** に基づき車両の重心位置における推定車体速度
(以下重心位置車体速度という)VsoがVso=MAX
(Vw** )として演算されると共に、各車輪位置におけ
る推定車体速度(以下各輪位置車体速度という)Vso**
が求められる。更に、必要に応じ、この各輪位置車体速
度Vso**に対し、車両旋回時の内外輪差等に基づく誤差
を低減するため正規化が行われる。即ち、正規化車体速
度NVso**がNVso**=Vso**(n)−ΔVr**
(n)として演算される。ここで、ΔVr**(n)は旋回補正
用の補正係数で、例えば以下のように設定される。即
ち、補正係数ΔVr**(**は各車輪FR等を表し、特にFW
は前二輪、RWは後二輪を表す)は、車両の旋回半径R及
びγ・VsoFW(=横加速度Gya) に基づき、基準とする
車輪を除き各車輪毎のマップ(図示省略)に従って設定
される。例えば、ΔVrFLを基準とすると、これは0と
されるが、ΔVrFRは内外輪差マップに従って設定さ
れ、ΔVrRLは内々輪差マップに従い、ΔVrRRは外々
輪差マップ及び内外輪差マップに従って設定される。
【0041】そして、ステップ106において、車両の
重心位置における前後方向の車体加速度(以下重心位置
車体加速度という)DVsoが重心位置車体速度Vsoを微
分することにより演算されると共に、車両の各車輪位置
における前後方向の車体加速度(以下各輪位置車体加速
度という)DVso**が正規化各輪位置車体速度NVso**
を微分することにより演算される。次いで、ステップ1
07にて、上記ステップ103及び105で求められた
各車輪の車輪速度Vw** と重心位置推定車体速度Vsoに
基づき各車輪の実スリップ率Sa** がSa** =(Vso−
Vw**)/Vsoとして求められる。次いで、ステップ10
8にて重心位置車体加速度DVso及び横加速度センサY
Gの検出信号の実横加速度Gyaに基づき、路面摩擦係数
μが近似的にμ=(DVso2 +Gya2 1/2 として推定
される。尚、この路面摩擦係数μ及び各車輪のホイール
シリンダ液圧Pw**の推定値に基づき、各車輪位置の路
面摩擦係数μ**も演算しても良い。
【0042】続いて、ステップ109にて、ヨーレイト
センサYSの検出信号(実ヨーレイトγ)、横加速度セ
ンサYGの検出信号(実横加速度Gya)及び重心位置車
体速度Vsoに基づき、車体横すべり角速度がDβ=Gya
/Vso−γとして求められる。尚、Gya/Vsoは理論上
のヨーレートを表す。次いで、ステップ110にて車体
横すべり角βがβ=∫Dβdtとして求められる。ここ
で、上記の車体横すべり角βは、車両の進行方向に対す
る車体のすべりを角度で表したものであり、車体横すべ
り角速度Dβは車体横すべり角βの微分値dβ/dtで
ある。尚、車体横すべり角βは、進行方向の車速Vx と
これに垂直な横方向の車速Vy の比に基づき、β=ta
-1(Vy /Vx )として求めることもできる。次い
で、ステップ111において、車体横すべり角加速度D
(Dβ)が車体横すべり角速度Dβを微分することによ
り演算される。
【0043】次に、図4のステップ112に進み、後述
するように、ヨーレイトセンサYS及び横加速度センサ
YGの異常状態が判定される。次いで、ステップ113
でセンサが正常であれば、ステップ114に進み制動操
舵制御処理を行い、後述するように制動操舵制御に供す
る目標スリップ率が設定され、次いで、後述のステップ
122の液圧サーボ制御により、車両の運動状態に応じ
てブレーキ液圧制御装置PCが制御され、各車輪に対す
る制動力が制御される。この制動操舵制御は、後述する
全ての制御モードにおける制御に対し重畳される。この
後ステップ115に進み、アンチスキッド制御開始条件
を充足しているか否かが判定され、開始条件を充足し制
動操舵時にアンチスキッド制御開始要と判定されると、
ステップ116にて制動操舵制御及びアンチスキッド制
御の両制御を行なうための制御モードに設定される。
【0044】ステップ115にてアンチスキッド制御開
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ117に進み前後制動力配分制御開始条件を充足して
いるか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配
分制御開始と判定されるとステップ118に進み、制動
操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうため
の制御モードに設定され、充足していなければステップ
119に進みトラクション制御開始条件を充足している
か否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制
御開始と判定されるとステップ120にて制動操舵制御
及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モー
ドに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判
定されていないときには、ステップ121にて制動操舵
制御のみを行なう制御モードに設定される。そして、こ
れらの制御モードに基づきステップ122にて液圧サー
ボ制御が行なわれた後にステップ102に戻る。尚、ス
テップ116,118,120,121に基づき、必要
に応じ、車両の運動状態に応じてスロットル制御装置T
Hのサブスロットル開度が調整されエンジンECの出力
が低減され、駆動力が制限される。
【0045】尚、上記アンチスキッド制御モードにおい
ては、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、
各車輪に付与する制動力が制御される。また、前後制動
力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安
定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に
付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ト
ラクション制御モードにおいては、車両駆動時に駆動輪
のスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付
与されると共にスロットル制御が行なわれ、これらの制
御によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
【0046】一方、ステップ113でヨーレイトセンサ
YS及び横加速度センサYGの内の少なくとも一方が異
常と判定されると、ステップ123に進み後述するフェ
ール制御が行われる。
【0047】次に、図4のステップ114における制動
操舵制御処理の詳細を図5を用いて説明する。ここで、
制動操舵制御にはオーバーステア抑制制御(OS抑制制
御)及びアンダーステア抑制制御(US抑制制御)が含
まれ、各車輪に関しオーバーステア抑制制御及び/又は
アンダーステア抑制制御に応じた目標スリップ率が設定
される。オーバーステア抑制制御としては、車両のヨー
モーメントを旋回外方向に修正するために旋回外側の前
輪及び旋回内側の後輪の制動力を付与しそれを制御する
回頭制御と、車両を減速させるために旋回外側の後輪に
制動力を付与しそれを制御する減速制御とがある。ま
た、同様に、アンダーステア抑制制御にも、車両のヨー
モーメントを旋回内方向に修正するために旋回内側の後
輪に制動力を付与しそれを制御する回頭制御と、車両を
減速させるために旋回外側の前輪及び後輪に制動力を付
与しそれを制御する減速制御とがある。
【0048】先ず、ステップ201,202においてオ
ーバーステア抑制制御及びアンダーステア抑制制御の開
始終了判定が行われる。
【0049】ステップ201におけるオーバーステア抑
制制御の開始終了判定は、図9の斜線で示す制御領域に
あるか否かに基づいて行われる。即ち、判定時における
車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβの値に応じ
て制御領域に入ればオーバーステア抑制制御が開始さ
れ、制御領域を脱すればオーバーステア抑制制御が終了
され、図9の矢印の曲線で示したように制御される。そ
して、制御領域と非制御領域の境界(図9の2点鎖線)
から制御領域側に外れるに従って制御量が大となるよう
に各車輪の制動力が制御される。
【0050】一方、アンダーステア抑制制御の開始・終
了判定は、図10に斜線で示す制御領域にあるか否かに
基づいて行なわれる。即ち、判定時において目標横加速
度Gytに対する実横加速度Gyaの変化に応じて、一点鎖
線で示す理想状態から外れて制御領域に入ればアンダー
ステア抑制制御が開始され、制御領域を脱すればアンダ
ーステア抑制制御が終了とされ、図10の矢印の曲線で
示したように制御される。
【0051】続いて、ステップ203にてオーバーステ
ア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなけれ
ばステップ204にてアンダーステア抑制制御が制御中
か否かが判定され、これも制御中でなければそのまま図
4のメインルーチンに戻る。ステップ204にてアンダ
ーステア抑制制御中と判定されればステップ206に進
み、旋回外側の前輪及び後輪の目標スリップ率が夫々ア
ンダーステア抑制制御における減速制御用Stud fo, S
tud roに設定され、旋回内側の後輪の目標スリップ率が
アンダーステア抑制制御における回頭制御用Sturiに設
定される。尚、ここで示したスリップ率(S)の符号に
ついては"t" は「目標」を表し、後述の「実測」を表
す"a" と対比される。"u" は「アンダーステア抑制制御
(の回頭制御)」を表し、"ud " は「アンダーステア抑
制制御の減速制御」を表し、"r" は「後輪」を表し、 "
o"は「外側」を、 "i"は「内側」を夫々表す。
【0052】一方、ステップ203にてオーバーステア
抑制制御中と判定されると、ステップ206に進みアン
ダーステア抑制制御中か否かが判定され、アンダーステ
ア抑制制御中でなければステップ207に進む。ステッ
プ207にて旋回外側の前輪及び旋回内側の後輪の目標
スリップ率が夫々オーバーステア抑制制御の回頭制御用
Stefo,Steriに設定され、旋回外側の後輪の目標スリ
ップ率がオーバーステア抑制制御の減速制御用Sted ro
に設定される。尚、 "e"は「オーバーステア抑制制御
(の回頭制御)」を表し、 " ed " は「オーバーステア
抑制制御の減速制御」を表す。
【0053】ステップ206でアンダーステア抑制制御
も制御中と判定されると、ステップ208に進み、旋回
外側の前輪の目標スリップ率がオーバーステア抑制制御
の回頭制御用Stefoに設定され、旋回外側の後輪の目標
スリップ率がアンダーステア抑制制御の減速制御用Stu
d roに設定され、旋回内側の後輪の目標スリップ率がア
ンダーステア抑制制御の回頭制御用Sturiに設定され
る。即ち、オーバーステア抑制制御とアンダーステア抑
制制御が同時に行なわれるときには、旋回外側の前輪は
オーバーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定
され、後輪は何れもアンダーステア抑制制御の目標スリ
ップ率と同様に設定される。
【0054】尚、何れの場合も旋回内側の前輪(即ち、
後輪駆動車における従動輪)は重心位置車体速度Vso設
定用のため非制御とされている。
【0055】上記オーバーステア抑制制御用の目標スリ
ップ率の設定には、車体横すべり角βと車体横すべり角
速度Dβが用いられる。回頭制御に供する旋回外側前輪
の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β+K2 ・
Dβとして設定され、減速制御に供する旋回外側後輪の
目標スリップ率Sted roはSted ro=K3 ・β+K4・
Dβとして設定され、回頭制御に供する旋回内側後輪の
目標スリップ率Steriは、Steri=K5 ・β+K6 ・D
βとして設定される。ここで、K1 乃至K6 は定数で、
旋回外側の車輪の目標スリップ率Stefo及びSted ro
は、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を行なう
値に設定され、旋回内側の車輪の目標スリップ率Steri
は、減圧方向(制動力を低減する方向)の制御を行なう
値に設定される。また、K3 ≦K1 /5,K4 ≦K2 /
5に設定され、減速制御用の目標スリップ率は、回頭制
御用の目標スリップ率よりもかなり小さい値に設定され
ている。つまり、減速制御により車輪に付与する制動力
は、回頭制御により車輪に付与する制動力よりもかなり
小さい値に設定されている。
【0056】また、アンダーステア抑制制御における目
標ステップ率の設定には、目標横加速度Gytと実横加速
度Gyaとの差が用いられる。この目標横加速度GytはG
yt=γ(θf)・Vsoに基づいて求められる。ここで、
γ(θf)はγ(θf)={(θf/N)・L}・Vso
/(1+Kh ・Vso2 )として求められ、Kh はスタビ
リティファクタ、Nはステアリングギヤレシオ、Lはホ
イールベースを表す。
【0057】上記アンダーステア抑制制御に供する目標
スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの偏
差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、旋
回外側の前輪に対する目標スリップ率Stud foはK7 ・
ΔGy と設定され、定数K7は加圧方向(もしくは減圧
方向)の制御を行なう値に設定される。また、後輪に対
する目標スリップ率Stud ro及びSturiは夫々K8 ・Δ
Gy 及びK9 ・ΔGyに設定され、定数K8 ,K9 は何
れも加圧方向の制御を行う値に設定される。尚、K8 =
K9 ,K7 ≦K9 /2に設定される。
【0058】次に、図4のステップ122の液圧サーボ
制御処理の詳細を図6を用いて説明するが、ここでは各
車輪についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ
制御が行なわれる。
【0059】先ず、前述のステップ205,207,2
08にて設定された目標スリップ率St** がステップ3
01にて読み出され、これらがそのまま各車輪の目標ス
リップ率St** として読み出される。このフローチャー
トでは記載を省略したが、アンチスキッド制御中か否か
が判定され、そうであれば、目標スリップ率St** にア
ンチスキッド制御モード用のスリップ率補正量ΔSs**
が加算されて目標スリップ率St** が更新される。アン
チスキッド制御中でないと判定されると、前後制動力配
分制御中か否かが判定され、そうであれば、目標スリッ
プ率St** に前後制動力配分制御モード用のスリップ率
補正量ΔSb** が加算されて目標スリップ率St** が更
新される。前後制動力配分制御中でないと判定される
と、トラクション制御中か否かが判定される。そうであ
れば、目標スリップ率St** にトラクション制御モード
用のスリップ率補正量ΔSr** が加算されて目標スリッ
プ率St** が更新される。
【0060】そして、ステップ302において各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ303にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。
具体的には、ステップ302において、各車輪の目標ス
リップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演算され、
スリップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St*
* −Sa** )。また、ステップ303において、重心位
置車体加速度DVsoと制御対象の車輪における車輪加速
度DVw **の差が演算され、車体加速度偏差ΔDVso**
が求められる。このときの各車輪の実スリップ率Sa**
及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド制御、
トラクション制御等の制御モードに応じて演算が異なる
が、これらについては説明を省略する。
【0061】続いて、ステップ304に進みスリップ率
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ306にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Kaを下回るときにはステップ305にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次に、ステップ307乃至310において、スリッ
プ率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下限値K
c 以上の値に制限され、上限値Kb を超えるときはKb
に設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設定され
た後、ステップ311に進む。
【0062】ステップ311においては、各制御モード
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに
応じて図12の実線で示すように設定される。また、ス
テップ312において、ブレーキ液圧制御に供する別の
パラメーラX**がGd** ・ΔDVso**として演算され
る。このときのゲインGd** は図12の破線で示すよう
に一定の値である。
【0063】この後、ステップ313に進み、各車輪毎
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図11に示す
制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図1
1においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領
域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定され
ており、ステップ313にてパラメータX**及びY**の
値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される。
尚、非制御状態では液圧制御モードは設定されない(ソ
レノイドオフ)。
【0064】ステップ313にて今回判定された領域
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ314において増減圧補償処理が行なわれる。例えば
急減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、
急増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モード
の持続時間に基づいて決定される。そして、ステップ3
15にて上記液圧制御モード及び増減圧補償処理に応じ
て、ブレーキ液圧制御装置PCを構成する各電磁弁のソ
レノイドが駆動され、各車輪の制動力が制御される。
【0065】次に、図7を参照して図4のステップ11
2のセンサ異常判定の詳細を説明する。
【0066】先ず、ステップ401にて、ステップ10
9で演算された車体横すべり角速度|Dβ|が所定値k
1 よりも大きいか否かが判定される。ここで、所定値k
1 は、ヨーレートセンサYS及び横加速度センサYGの
正常時において、制動操舵制御中(つまりオーバーステ
ア抑制制御中)には絶対にとり得ない車体横すべり角速
度に設定されている。
【0067】ステップ401で車体横すべり角速度|D
β|が所定値k1 以下と判定されると、ステップ402
に進み、ステップ111で演算された車体横すべり角加
速度|D(Dβ)|が所定値k2 よりも大きいか否かが
判定される。ここで、所定値k2 は、ヨーレートセンサ
YS及び横加速度センサYGの正常時において、車両の
運動上絶対にとりえない車体横すべり角加速度に設定さ
れている。ステップ402で車体横すべり角加速度|D
(Dβ)|が所定値k2 以下と判定されると、ステップ
403でヨーレートセンサYS及び横加速度センサYG
が正常であると判定される。そして、ステップ408に
進み、図4のステップ114の制動操舵制御処理(オー
バーステア抑制制御)で使用する車体横すべり角速度D
β及び車体横すべり角βが、今回の図3、図4のルーチ
ンの実行タイミング(以下今回の実行タイミングとい
う)に図4のステップ109〜110で演算された車体
横すべり角速度Dβ及び車体横すべり角βに更新され
る。
【0068】ステップ401で車体横すべり角速度|D
β|が所定値k1 よりも大きいと判定されると、ステッ
プ404に進み、車体横すべり角速度|Dβ|が所定値
k1よりも大きい状態が所定時間継続したか否かが判定
される。上記所定時間は、図3及び図4のメインルーチ
ンの周期(6ms)の整数倍に設定され、ここでは30
msに設定されている。つまり、ステップ404では、
ステップ404を行う回数が所定回数に達したか否かが
判定される。ステップ404で車体横すべり角速度|D
β|が所定値k1 よりも大きい状態が所定時間継続して
いれば、ステップ405でヨーレートセンサYS及び横
加速度センサYGの内の少なくとも一方が異常であると
判定される。ここで、センサの異常には、センサ自体の
異常の他に、電子制御装置との間のハーネス(図示せ
ず)の断線等がある。
【0069】一方、ステップ404で所定時間継続しな
ければ、センサ異常と判定せずにそのまま図4のメイン
ルーチンに戻る。つまり、次に実行される図4のステッ
プ114の制動操舵制御処理で使用するDβ及びβは、
ステップ401でYESになった時の実行タイミング
(例えば前回の実行タイミング)で演算されたDβ及び
βに維持され、今回の実行タイミングに演算されたDβ
及びβに更新されない。換言すれば、ステップ404で
NOであれば、車体横すべり角速度|Dβ|が所定値k
1 よりも大きくなる直前に演算されていた車体横すべり
角速度Dβ及び車体横すべり角βに基づきオーバーステ
ア抑制制御が行われる。
【0070】また、ステップ404で車体横すべり角加
速度|D(Dβ)|が所定値k2 よりも大きいと判定さ
れると、ステップ406に進み、車体横すべり角加速度
|D(Dβ)|が所定値k2 よりも大きい状態が所定時
間(ここでは30ms)継続したか否かが判定される。
そうであれば、ステップ407でヨーレートセンサYS
及び横加速度センサYGの内の少なくとも一方が異常で
あると判定される。一方、ステップ406で所定時間継
続しなければ、センサ異常と判定されずにそのまま図4
のメインルーチンに戻る。つまり、次に実行される図4
のステップ114の制動操舵制御処理で使用するDβ及
びβは、ステップ402でYESになった時の実行タイ
ミングに演算されたDβ及びβに維持され、今回の実行
タイミングに演算されたDβ及びβに更新されない。換
言すれば、ステップ406でNOであれば、車体横すべ
り角加速度|D(Dβ)|が所定値k2 よりも大きくな
る直前に演算されていた車体横すべり角速度Dβ及び車
体横すべり角βに基づきオーバーステア抑制制御が行わ
れる。
【0071】ここで、図8を参照して、図4のステップ
123に示すセンサ異常時のフェール制御の詳細につい
て説明する。
【0072】先ず、ステップ501にて、制御対象の車
輪が特定される。即ち、旋回外側前輪,旋回外側後輪及
び旋回内側後輪が選択される。次いで、ステップ502
に進み、アンチスキッド制御の開始条件が成立した(つ
まり車輪がロック傾向にある)か否かが判定され、そう
であればステップ503に進み、前述したアンチスキッ
ド制御が実行される。
【0073】アンチスキッド制御の開始条件が成立して
いなければ、ステップ504に進み、重心位置車体速度
Vsoが所定値V0 より低いか否かが判定され、高いと判
定されればステップ505に進む。ステップ505にお
いて、制御対象の車輪のホイールシリンダ液圧を保持す
るように各電磁弁が駆動制御される。このように、図7
のサブルーチンでヨーレートセンサYS及び横加速度セ
ンサYGの少なくとも一方の異常が検出されたときに、
制御対象の車輪のホイールシリンダ液圧が保持される。
つまり、左右の車輪の制動力差がセンサ異常時の制動力
差に維持されると共に、車両の減速度も維持される。
【0074】一方、ステップ504において、重心位置
での推定車体速度Vsoが所定値V0より低いと判定され
ると、ステップ506に進み、フェール制御(ステップ
505の液圧保持処理)が終了され、電磁弁がオフさ
れ、非制御とされる。つまり、ステップ505のホイー
ルシリンダ液圧保持処理を継続することにより車両が次
第に減速し、結果、車両の運動状態が次第に安定側に修
正されるので、ステップ504及び506の処理によ
り、車両の運動状態が不安定領域から脱した後に液圧保
持処理を終了させることができる。
【0075】(第2の実施形態)第2実施形態に係る車
両の運動制御装置は、第1実施形態と基本的には同様の
構成であるが、図4のステップ123のフェール制御処
理の内容が異なる。そのフェール制御処理の内容を図1
3を参照して説明する。
【0076】先ず、ステップ601において、センサが
異常になる直前(センサ正常時)に図5のステップ20
5,207,208で設定された制御対象の車輪の目標
スリップ率St** が読み出される。次いで、ステップ6
02に進み、アンチスキッド制御の開始条件が成立した
(つまり車輪がロック傾向にある)か否かが判定され、
そうであればステップ603に進み、前述したアンチス
キッド制御が実行される。
【0077】アンチスキッド制御の開始条件が成立して
いなければ、ステップ604に進み、重心位置車体速度
Vsoが所定値V0 より低いか否かが判定され、高いと判
定されればステップ605に進む。ステップ605にお
いて、非制御対象の車輪(即ち旋回内側前輪)の目標ス
リップ率Stnが時間の経過に伴い次第に増加するように
設定される。そして、ステップ606に進み、4つの車
輪に対し液圧サーボ制御が行われる。
【0078】即ち、非制御輪の実スリップ率Sanを目標
スリップ率Stnに一致させるよう非制御輪に対応する電
磁弁が制御され、結果、非制御輪のホイールシリンダ液
圧が徐々に増加する。これに応じて、非制御輪の車輪速
度Vwnが落ち込み、重心位置車体速度Vsoも落ち込む。
その結果、非制御輪の目標スリップ率Stnの増加に伴い
制御輪の実スリップ率Sa** も小さくなっていき、ステ
ップ601で読み出された目標スリップ率St** との差
が次第に大きくなる。ところが、ステップ606におい
て、制御輪の実スリップ率Sa** も一定の目標スリップ
率St** に一致させるよう制御輪に対応する電磁弁が夫
々制御されるため、3つの制御輪のホイールシリンダ液
圧も非制御輪のホイールシリンダ液圧の増加に追従して
増加する。ステップ606の処理により、左右の車輪の
制動力差をセンサ異常時の制動力差に維持するように全
車輪のホイールシリンダ液圧を増加させることができ
る。一方、ステップ604において、重心位置車体速度
Vsoが所定値V0 より低いと判定されると、車両の運動
状態が安定領域に達したと判断し、ステップ607に進
み、フェール制御(ステップ606の液圧サーボ制御)
が終了され、電磁弁がオフされ、非制御とされる。
【0079】(第3の実施形態)第3実施形態に係る車
両の運動制御装置は、第1実施形態と基本的には同様の
構成であるが、図4のステップ123のフェール制御処
理の内容が異なる。そのフェール制御処理の内容を図1
4を参照して説明する。
【0080】ステップ701において、重心位置車体速
度Vsoが所定値V0 より低いか否かが判定され、高いと
判定されればステップ605に進み、サブスロットルバ
ルブSPの開度がセンサ異常検出時の開度に維持され
る。その結果、アクセルペダルAPを操作しない限り車
両が一定の割合で減速するので、車両の運動状態が安定
側に修正される。一方、ステップ701で重心位置車体
速度Vsoが所定値V0 より低いと判定されると、車両の
運動状態が安定領域に達したと判断し、ステップ703
に進み、フェール制御(ステップ702の処理)が終了
され、サブスロットルバルブSTが全開とされ、非制御
とされる。尚、ステップ702でサブスロットルの開度
を維持する代わりに、エンジン出力を異常検出時の出力
に維持するように、メインスロットルバルブMT、燃料
噴射量、点火時期を調整しても良い。また、これらを組
合せても良い。
【0081】(第4の実施形態)第4の実施形態に係る
車両の運動制御装置は、第3実施形態のステップ702
の代わりに次の処理を行うものである。即ち、図15に
示すように、ステップ701で重心位置車体速度Vsoが
所定値V0 よりも高いと判定された場合に、ステップ7
04に進み、サブスロットルバルブSTの開度がセンサ
異常検出時の開度から徐々に小さくされる。その結果、
車両の減速度が次第に大きくなるため、車両の運動状態
が一層安定側に修正される。尚、ステップ704でサブ
スロットル開度を徐々に小さくする代わりに、エンジン
出力を徐々に小さくするように、メインスロットルバル
ブMT、燃料噴射量、点火時期を調整しても良い。ま
た、これらを組合せても良い。
【0082】尚、第1及び第2実施形態では、ブレーキ
液圧制御によるフェール制御を示し、第3及び第4実施
形態では、エンジン出力制御によるフェール制御を示し
たが、これらを組み合わせても良い。
【0083】また、第1〜第4実施形態では、車速が所
定値より低くなったときにフェール制御を終了している
が、ヨーレートセンサYS及び横加速度センサYGの内
の一方が正常であれば、そのセンサ値が0点付近になっ
たときにフェール制御を終了しても良い。
【0084】また、第1〜第4実施形態では、センサ異
常時にフェール制御を行っているが、センサ以外の箇所
の異常時にフェール制御を行っても良い。
【0085】更に、本特許の権利範囲ではないが、セン
サ異常時にエンジン出力を徐々に増加することも可能で
ある。
【0086】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、運動制御中に
運動制御装置の異常を検出したときに、左右の車輪間の
制動力差をその状態に維持するので、車両のヨーモーメ
ント(つまり運動状態)を安定側に修正する力を維持で
き、結果、車両の運動性を維持できる。
【0087】請求項2の発明によれば、運動制御中に車
両挙動センサの異常を検出したときに、制御中の車輪の
制動力を異常検出時の制動力に維持するので、簡単な動
作で車両のヨーモーメントを安定側に修正する力を維持
できる。
【0088】請求項3の発明によれば、運動制御中に車
両挙動センサの異常を検出したときに、左右の車輪間の
制動力差を異常検出時の状態に維持しながら、制御中の
左右の車輪の制動力を徐々に増加させるので、車両のヨ
ーモーメントを安定側に修正する力を維持できると共
に、車両の減速度も増加させることができ、結果、車両
の運動状態を一層安定側に修正することができ、車両の
安定性を一層確保できる。
【0089】請求項4の発明によれば、請求項3による
異常時処理中に制御中の車輪がロックする傾向にあると
きに、アンチスキッド制御に移行するので、異常時処理
中における車輪のロックを防止できる。
【0090】請求項5の発明によれば、異常時処理中に
車速が所定値以下になったときに、異常時処理を終了さ
せるので、車両の運動状態が不安定状態から脱した後
に、異常時処理を終了させることができる。
【0091】請求項6の発明によれば、運動制御中に運
動制御装置の異常を検出したときに、エンジン出力を異
常検出時の出力に維持するので、車両の減速度を維持で
き、結果、車両の運動状態を安定側に修正する力を維持
でき、車両の安定性を維持できる。
【0092】請求項7の発明によれば、運動制御中に運
動制御装置の異常を検出したときに、エンジン出力を徐
々に減少させるので、車両の減速度を徐々に増加させる
ことができ、結果、車両の運動状態を安定側に修正する
力を一層確保でき、車両の安定性を一層確保できる。
【0093】請求項8の発明によれば、異常時処理中に
車速が所定値以下になったときに、異常時処理を終了さ
せるので、車両の運動状態が不安定状態から脱した後
に、異常時処理を終了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る運動制御装置の全体構
成図である。
【図2】図1のブレーキ液圧制御装置の一例を示す構成
図である。
【図3】本実施形態における制動操舵制御の全体を示す
フローチャートである。
【図4】本実施形態における制動操舵制御の全体を示す
フローチャートである。
【図5】図4の制動操舵制御処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図6】図4の液圧サーボ制御の処理の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図7】図4のセンサ異常判定の処理の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図8】第1実施形態に係るフェール制御処理の詳細を
示すフローチャートである。
【図9】本実施形態のオーバーステア抑制制御の制御領
域を示すグラフである。
【図10】本実施形態のアンダーステア抑制制御の制御
領域を示すグラフである。
【図11】本実施形態においてブレーキ液圧制御に供す
るパラメータと液圧制御モードとの関係を示すグラフで
ある。
【図12】本実施形態における車体横すべり角とパラメ
ータ演算用のゲインとの関係を示すグラフである。
【図13】第2実施形態に係るフェール制御の処理を示
すフローチャートである。
【図14】第3実施形態に係るフェール制御の処理を示
すフローチャートである。
【図15】第4実施形態に係るフェール制御の処理を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル NR,NL,DR,DL 車輪 PC ブレーキ液圧制御装置 YS ヨーレートセンサ(車両挙動センサ) YG 横加速度センサ(車両挙動センサ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 本 良 政 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前方及び後方の車輪に対し少なく
    ともブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブ
    レーキ液圧制御装置と、車両の運動状態を判定する車両
    状態判定手段と、前記車両状態判定手段の判定結果に基
    づき前記ブレーキ液圧制御装置を前記ブレーキペダルの
    操作の有無とは無関係に制御し、前記車両状態判定手段
    が車両の運動状態が不安定状態になったと判定した時
    に、前記車両の運動状態を安定側に修正するために、左
    右の車輪に制動力差を発生させるよう少なくとも1つの
    車輪に制動力を付与する運動制御手段とを備えた車両の
    運動制御装置において、 前記運動制御装置の異常を検出する異常検出手段と、 前記運動制御手段による制御中に前記異常検出手段が前
    記運動制御装置の異常を検出したときに、前記左右の車
    輪間の制動力差を異常検出時の状態に維持する異常時処
    理手段とを更に備えたことを特徴とする車両の運動制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 車両の挙動を検出する車両挙動センサを更に備え、前記
    車両状態判定手段は、前記車両挙動センサの検出結果に
    基づき車両の運動状態を判定し、前記異常検出手段は、
    前記車両挙動センサの異常を検出し、 前記異常時処理手段は、前記運動制御手段による制御中
    に前記異常検出手段が前記車両挙動センサの異常を検出
    したときに、制御中の車輪の制動力を異常検出時の制動
    力に維持することを特徴とする車両の運動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 車両の挙動を検出する車両挙動センサを更に備え、前記
    車両状態判定手段は、前記車両挙動センサの検出結果に
    基づき車両の運動状態を判定し、前記異常検出手段は、
    前記車両挙動センサの異常を検出し、 前記異常時処理手段は、前記運動制御手段による制御中
    に前記異常検出手段が前記車両挙動センサの異常を検出
    したときに、前記左右の車輪間の制動力差を異常検出時
    の状態に維持しながら、制御中の車輪の制動力を徐々に
    増加させることを特徴とする車両の運動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記異常時処理手段は、前記制御中の車輪がロックする
    傾向にあるか否かを判定するロック判定手段を有し、 異常時処理中に前記ロック判定手段が前記制御中の車輪
    がロックする傾向にあると判定したときに、アンチスキ
    ッド制御に移行することを特徴とする車両の運動制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記異常時処理手段は、車速が所定値以下か否かを判定
    する車速判定手段を有し、 異常時処理中に前記車速判定手段が車速が所定値以下で
    あると判定したときに、異常時処理を終了することを特
    徴とする車両の運動制御装置。
  6. 【請求項6】 少なくともアクセルペダルの操作に応じ
    てエンジン出力を制御するエンジン出力制御装置と、車
    両の挙動を検出する車両挙動センサと、前記車両挙動セ
    ンサの検出結果に基づき車両の運動状態を判定する車両
    状態判定手段と、前記車両状態判定手段の判定結果に基
    づき前記エンジン出力制御装置を前記アクセルペダルの
    操作とは無関係に制御し、前記車両状態判定手段が車両
    の運動状態が不安定状態になったと判定した時に、前記
    車両の運動状態を安定側に修正するために、前記エンジ
    ン出力を減少する運動制御手段とを備えた車両の運動制
    御装置において、 前記運動制御装置の異常を検出する異常検出手段と、 前記運動制御手段による制御中に前記異常検出手段が前
    記運動制御装置の異常を検出したときに、前記エンジン
    出力を異常検出時の出力に維持する異常時処理手段とを
    更に備えたことを特徴とする車両の運動制御装置。
  7. 【請求項7】 少なくともアクセルペダルの操作に応じ
    てエンジン出力を制御するエンジン出力制御装置と、車
    両の挙動を検出する車両挙動センサと、前記車両挙動セ
    ンサの検出結果に基づき車両の運動状態を判定する車両
    状態判定手段と、前記車両状態判定手段の判定結果に基
    づき前記アクセルペダルの操作とは無関係にエンジン出
    力制御装置を制御し、前記車両状態判定手段が車両の運
    動状態が不安定状態になったと判定した時に、前記車両
    の運動状態を安定側に修正するために前記エンジン出力
    を減少させる運動制御手段とを備えた車両の運動制御装
    置において、 前記運動制御装置の異常を検出する異常検出手段と、 前記運動制御手段による制御中に前記異常検出手段が前
    記運動制御装置の異常を検出したときに、前記エンジン
    出力を徐々に減少させる異常時処理手段とを更に備えた
    ことを特徴とする車両の運動制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7において、 前記異常時処理手段は、車速が所定値以下か否かを判定
    する車速判定手段を有し、 異常時処理中に前記車速判定手段が車速が所定値以下で
    あると判定したときに、異常時処理を終了することを特
    徴とする車両の運動制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193038A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Honda Motor Co Ltd 車両の運動状態制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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