JPH10142833A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH10142833A
JPH10142833A JP29838496A JP29838496A JPH10142833A JP H10142833 A JPH10142833 A JP H10142833A JP 29838496 A JP29838496 A JP 29838496A JP 29838496 A JP29838496 A JP 29838496A JP H10142833 A JPH10142833 A JP H10142833A
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和義 萩原
Keita Nozawa
圭太 野沢
Hirohide Tanigawa
博英 谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温低湿下から高温高湿下まで、高濃度でカ
ブリがなく、廃トナーの生成量が少ない静電荷像現像用
トナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有す
るトナー粒子及び微粒子凝集体を有する静電荷像現像用
トナーにおいて、該微粒子凝集体は、シリコーンオイル
又はシリコーンワニスを20〜90質量%含有し、該微
粒子凝集体を形成する微粒子は、少なくとも側鎖に窒素
原子を有するシランカップリング剤と疎水化剤により処
理されるか、或いは少なくとも側鎖に窒素原子を有する
シリコーンオイル又はシリコーンワニスにより処理され
ていることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法などに
おいて用いられる静電荷像現像用トナーに関し、プリン
ター、複写機、ファクシミリ等に適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーで現像を行なって可視像とし、必要に応じ
て紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等
により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るも
のである。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にプリンターやファクシミリ等多数になって
きており、一般のオフィスや自宅で使用されるに至って
いる。
【0004】オフィス用複写機においては、より高速、
安定化の方向が常に望まれており、高速での使用、初期
から長期使用後に至るまでの画像濃度、画像品質の安定
性が重要になってきている。特に高湿・高温下、低湿・
低温下での画像品質の安定性、朝一での画像品質の安定
性、トナー補給前後の画像品質の安定性等が求められて
いる。
【0005】従来より、電子写真用現像方式として、一
成分現像方式と二成分現像方式が知られている。中で
も、高信頼性を確保しつつ現像器構成を簡素化できる点
から一成分現像方式が採用されつつある。
【0006】しかしながら、一成分磁性現像方式におい
ては、現像スリーブ等のロール状トナー担持体の表面に
トナーを薄層で均一コートする必要がある。このためト
ナーには強い摺擦力がかかり長期間使用によって、トナ
ー劣化、トナー担持体表面劣化等を引き起こし、耐久特
性の劣化が問題点として残っている。従来技術では充分
な解決がなされず、耐久特性の改善技術が望まれてい
た。
【0007】また、電子写真法での帯電手段としては、
コロナ放電を利用した手段が用いられていた。しかしな
がら、コロナ放電を用いると多量のオゾンを発生するこ
とからフィルタを具備する必要性があり、装置の大型化
又はランニングコストアップなどの問題点があった。
【0008】このような問題点を解決するための技術と
して、ローラー又はブレードなどの帯電部材を感光体表
面に当接させることにより、その接触部分近傍に狭い空
間を形成し所謂パッシェンの法則で解釈できるような放
電を形成することによりオゾン発生を極力抑さえた帯電
方法が開発され、この中でも特に帯電部材として帯電ロ
ーラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点
から好ましく用いられている。
【0009】例えば、特開昭63−149669号公報
や特開平2−123385号公報が提案されている。こ
れらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであ
るが、静電潜像担持体に導電性弾性ローラを当接し、該
導電性ローラに電圧を印加しながら該静電潜像担持体を
一様に帯電し、次いで露光、現像工程によってトナー像
を得た後該静電潜像担持体に電圧を印加した別の導電性
ローラを押圧しながらその間に転写材を通過させ、該静
電潜像担持体上のトナー画像を転写材に転写した後、定
着工程を経て複写画像を得ている。
【0010】しかしながら、このような接触帯電装置に
おいても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯
電に必要とされる電圧は感光体表面電位以上の値が必要
とされる。また、帯電均一化のためにAC帯電を行なっ
た場合には、AC電圧の電界による帯電部材と感光体の
振動、騒音(以下AC帯電音と称す)の発生、また、放
電による感光体表面の劣化等が顕著になり、それに伴い
トナー或はトナー成分の一部が感光体表面に付着する融
着やフィルミング等が新たな問題点となっている。
【0011】またこのようなコロナ放電を用いないロー
ラ転写方式においては、転写部材が転写時に転写部材を
介して感光体に当接されるため、通紙前後の空回転時に
トナーの摺擦によりフィルミングが発生したり、感光体
上に形成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー
像が圧接され、所謂、転写中抜けと称される部分的な転
写不良が発生し画像品質上の大きな問題となっている。
【0012】これを解決するために特開平3−1214
62号公報では、シリコーンオイルにより処理された疎
水性無機微粉体を含有する現像剤を用いる画像形成装置
が提案されている。しかし、はがきやケント紙の様な単
位面積あたりの重量が100g/m2を超える厚い転写
紙やOHPシートでは未だ充分には改善されておらず、
更に高画質が求められている。
【0013】さらに、特開平6−230601号公報で
はシリコーンオイル、シリコーンワニスの存在量が20
〜90重量%の微粒子凝集体が提案されている。しか
し、高湿下や低湿下でこれらの帯電特性に与える影響は
大きく、これらの微粒子凝集体を添加したトナーに、更
に安定して高い現像特性を求められている。
【0014】また、これらの帯電部材は接触しているが
ゆえに、転写残トナーやクリーナーをすり抜けたトナー
が転写部材や帯電部材に付着し、多量に堆積すると均一
帯電、均一転写を阻害し、ハーフトーン画像において、
スジが現れたりムラが現れたりする。
【0015】また、転写材上に転写されずに感光体上に
残ったトナー粒子は、クリーニング工程により感光体上
より除去されるが、このクリーニング工程については、
従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニン
グ、ローラークリーニング等が用いられていた。いずれ
の方法も力学的に転写残余のトナーを掻き落とすか、ま
たはせき止めて廃トナー容器へと捕集されるものであっ
た。よって、このような部材が感光体表面に押し当てら
れることに起因して例えば、部材を強く押し当てること
により感光体を摩耗させ感光体上に傷を生じ画像に現れ
ること、トナーがドラム表面上に固着(融着)しやすい
こと、遊離したシリカ等の外添剤がドラム表面に付着す
る(フィルミング)こと等の問題が生じていた。
【0016】また、電子写真法を用いた複写機・プリン
ター・ファクシミリ等は一般のオフィスや自宅で使用さ
れるに至っており、小型化、省エネルギー化が求められ
ている。これらに用いられるトナーにしても省エネルギ
ー化の必要性から、より低温で定着するトナーが求めら
れている。
【0017】また、最近エコロジーの観点から廃棄物量
を減らすことが求められている。このような必要性か
ら、複写機やプリンターにおいても、トナーのリサイク
ルが求められたり、また、廃トナー量を少なくすること
が新たな技術課題として求められている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供するこ
とである。
【0019】即ち、本発明の目的は、初期から濃度が安
定し、トナーが現像スリーブなどのトナー担持体に均一
にコートされ、低湿下・高湿下においても、カブリやム
ラのない均一な濃度の画像が得られる静電荷像現像用ト
ナーを提供することである。
【0020】更に本発明の目的は、トナーが高い流動性
を有し、高解像度で、高い先鋭さを有し、原稿を忠実な
画像を形成する静電荷像現像用トナーを提供することで
ある。
【0021】更に本発明の目的は、ハーフトーン画像、
ベタ黒画像においても均一でがさつきの無い静電荷像現
像用トナーを提供することである。
【0022】更に本発明の目的は、接触転写手段を用い
た画像形成方法においても、転写中抜けが無く、画像欠
けがない高い転写効率の静電荷像現像用トナーを提供す
ることである。
【0023】また、本発明の目的は、定着性、オフセッ
ト防止性に優れる静電荷像現像用トナーを提供すること
である。
【0024】更に本発明の目的は、感光体に対して高い
離型性があり、高い転写効率を示し、廃トナー生産量の
少ない静電荷像現像用トナーを提供することである。
【0025】また、本発明の目的は、長期使用に際して
も、感光体へのトナー付着・融着・フィルミングを防
ぎ、感光体の削れ・傷を少なくする静電荷像現像用トナ
ーを提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子及び微
粒子凝集体を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該
微粒子凝集体は、シリコーンオイル又はシリコーンワニ
スを20〜90質量%含有し、該微粒子凝集体を形成す
る微粒子は、少なくとも側鎖に窒素原子を有するシラン
カップリング剤と疎水化剤により処理されるか、或いは
少なくとも側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイル又
はシリコーンワニスにより処理されていることを特徴と
する静電荷像現像用トナーに関する。
【0027】本発明者らは鋭意検討した結果、微粒子凝
集体を含有するトナーにおいて該微粒子凝集体がシリコ
ーンオイル又はシリコーンワニスを20〜90質量%含
有すると共に、該微粒子凝集体を形成する微粒子が、少
なくとも側鎖に窒素原子を有するシランカップリング剤
と疎水化剤により処理されるか、或いは少なくとも側鎖
に窒素原子を有するシリコーンオイル又はシリコーンワ
ニスにより処理されている微粒子凝集体を含有する静電
荷像現像用トナーが、充分な濃度で、カブリ、飛び散
り、ムラのない画像を与えると共に、転写中抜けによる
画像が欠けることのない優れた画像を与えることを見い
だした。
【0028】更に、該微粒子凝集体が窒素原子を側鎖に
含有するシリコーンオイル又はシリコーンワニスを含む
ことが現像特性の上で好ましいことを見いだした。
【0029】本発明者らが転写中抜けによる画像欠けを
詳細に検討したところ、該微粒子凝集体を含有したトナ
ーを用いた場合、転写中抜けの程度は同一トナーによる
複写を続けるに従い悪くなり、ある程度の枚数で安定す
る。
【0030】具体的には、初期から複写を続けるに従
い、転写中抜けの程度は悪くなり、3000枚程度でそ
のレベルは一定する。複写枚数が3000枚を超える範
囲では、窒素原子を側鎖に含有するシリコーンオイル又
はシリコーンワニスのみを含有した微粒子凝集体を含有
するトナーよりも、シリコーンオイル又はシリコーンワ
ニスのみを含有した微粒子凝集体を含有するトナーの方
が転写中抜け防止に優れる。しかし、シリコーンオイル
又はシリコーンワニスのみを含有した微粒子凝集体の場
合には、正帯電性トナーに添加した際にカブリや画像濃
度の低下を招くことがある。また窒素原子を側鎖に有す
るシリコーンオイル又はシリコーンワニスのみを含有し
た微粒子凝集体の場合には、複写枚数が3000枚を超
えると転写中抜けによる画像欠けがやや見劣りし、また
低湿下・高湿下で帯電性が安定せず、低湿下ではトナー
担持体の現像スリーブ上にトナーが不均一にコートする
ブロッチと呼ばれる現象が発生することがある。そこ
で、窒素原子を側鎖に有するシリコーンオイル又はシリ
コーンワニスと、さらにシリコーンオイル又はシリコー
ンワニスを含み、それぞれ合わせた含有量が20〜90
質量%の微粒子凝集体を含有させたところ、カブリ、飛
び散り、ムラのない画像を与えると共に転写中抜けによ
る画像が欠けることのない優れた画像を与える。
【0031】更に、該微粒子凝集体における微粒子を、
少なくとも側鎖に窒素原子を含有するシランカップリン
グ剤と疎水化剤により処理するか、或いは少なくとも側
鎖に窒素原子を有するシリコーンオイル又はシリコーン
ワニスにより処理することにより、疎水性が向上し、高
湿下での帯電性が安定して、高湿下での現像特性が長期
にわたり安定し、また長期保管した後も安定した現像特
性が得られる。更に、微粒子をこれらの方法により処理
することにより、ベタ黒画像で点状の白抜けが少なくな
る。また弾性ブレード現像系に用いた場合においても、
スリーブ上白スジ抜けを生じること無く、ハーフトーン
画像、ベタ黒画像において均一な画像を得られる。これ
は、微粒子を本発明の方法による処理により、微粒子凝
集体中の粗粉生成が減少したためと考えられる。
【0032】正帯電性トナー中に含有せしめる場合に
は、該微粒子凝集体はその帯電量が、鉄粉に対して、0
〜+100mC/kgであることが好ましい。この範囲
で、スリーブ上トナーの均一コート性に優れ、+100
mC/kgを超えるとブロッチを生じやすく、0mC/
kgより小さい場合にはカブリ、濃度低下の原因になり
やすい。
【0033】更に、本発明は、トナー粒子がDSC測定
器による吸熱ピーク温度が120℃以下であるワックス
を含有する場合において、効果が顕著である。ワックス
をトナー中に含有せしめた場合に、そのワックスの一部
分は遊離成分としてトナー中に存在する。特に吸熱ピー
ク温度が120℃以下のワックスでは、バインダー樹脂
への分散性が悪く、その遊離成分が多く生じやすい。こ
の遊離成分は不均一帯電を発生することがあり、現像ス
リーブ上トナーの均一コートを妨げ、ムラ状、或いは波
状にトナーをコートさせる場合がある。しかるに、本発
明の微粒子凝集体を存在させることにより、これらの不
均一帯電に起因する現像スリーブ上の不均一コートを防
ぐことができる。この理由は明確ではないが、これらの
微粒子凝集体が遊離ワックス成分を吸着するためと考え
られる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の特徴である上記シリコー
ンオイル又はシリコーンワニスを含有する微粒子凝集体
に用いる該微粒子としては、無機化合物の微粒子又は有
機化合物の微粒子が使用される。
【0035】有機化合物としては、スチレン樹脂、アク
リル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂粒子、脂肪族系化合物等が
挙げられる。
【0036】本発明に用いられる無機微粉体としては、
ケイ素、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、マグネ
シウム、亜鉛、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウ
ム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモ
ン、モリブデン、タングステンなどの金属の金属酸化
物;或は、酸化ホウ素などの酸化物;窒化ケイ素、窒化
ゲルマニウムなどの窒化物;チタン酸カルシウム、チタ
ン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、リンタン
グステン酸、リンモリブデン酸などの複合金属酸化物;
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム
等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイトなど
のリン酸化合物;炭化ケイ素、炭化チタンなどの炭化
物;ケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトな
どの炭素粉末等が挙げられる。
【0037】これらの具体例としては、酸化ケイ素、酸
化アルミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ゲルマニウ
ム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化モリブ
デン、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化ホ
ウ素、窒化ケイ素、チタン酸カルシウム、チタン酸マグ
ネシウム、チタン酸ストロンチウム、リンタングステン
酸、リンモリブデン酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸アルミニウム等を挙げることができる。
【0038】これら無機微粉体の中でも、酸化ケイ素、
酸化アルミ、酸化チタンが好ましい。これらには多くの
形態・種類があるが、中でも主成分をSiO2、Al2
3、TiO2で示される微粉末シリカ、微粉末アルミナ、
微粉末チタニアが好ましい。特に微粉末シリカが好まし
い。
【0039】無機微粉体としては、乾式法及び湿式法で
製造下無機化合物微粉体が使用できる。ここで言う乾式
法とはハロゲン化物の蒸気相酸化により生成する無機微
粉体の製造法である。例えばハロゲン化物ガスの酸素水
素中における熱分解酸化反応を利用する方法で基礎とな
る反応式は次のようなものである。
【0040】MX4+2 2+1/4O2 → MO2+4
HX(M:4価の場合)
【0041】この式において、例えばMは金属又は半金
属元素、Xはハロゲン元素、nは整数を表す反応式であ
る。具体的には、AlCl3,TiCl4,GeCl4
SiCl4,POCl3,BBr3を用いれば、それぞれ
Al23,TiO2,GeO2,SiO2,P25,B2
3が得られる。この時ハロゲン化物を混合して用いれば
複合化合物が得られる。
【0042】他には、熱CVD,プラズマCVD等の製
造法を応用して、乾式による微粉体を得ることができ
る。なかでも、SiO2,Al23,TiO2等が好まし
く用いられる。
【0043】一方、本発明に用いられる無機微粉体を湿
式法で製造する方法は、従来公知である種々の方法が適
用できる。例えばケイ酸ナトリウムの酸による分解、一
般反応式で下記に示す。
【0044】Na2O・xSiO2+2HCl+nH2
→xSiO2・nH2O+2NaCl
【0045】またケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類又
はアルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアル
カリ土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケ
イ酸とする方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹
脂によりケイ酸とする方法、天然ケイ酸又はケイ酸塩を
利用する方法等がある。その他には金属アルコキシドの
加水分解による方法がある。この一般反応式を以下に示
す。
【0046】M(OR)4O+2H2O → MO2+4
ROH(M:4価の場合)
【0047】この式において例えばMは金属又は半金属
元素、Rはアルキル基、nは整数を表す。また、この時
2種以上の金属アルコキシドを用いれば複合物が得られ
る。
【0048】これらのなかでも適度な電気抵抗値を有す
る点から、無機化合物が特には金属酸化物が良い。特
に、Si,Al,Tiの酸化物、複酸化物が好ましい。
【0049】また表面をカップリング剤等により予め疎
水化したものを用いてもよい。
【0050】微粒子の平均粒径としては、一次粒子の個
数平均で0.001〜20.0μmの範囲であることが
望ましく、特に0.005〜10.0μmが良い。BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積としては、10
〜500m2/g、より好ましくは50〜400m2
g、さらに好ましくは100〜350m2/gが良い。
10m2/g未満では、本発明の範囲の多量のシリコー
ンオイルまたはシリコーンワニスを好適な粒径の粒子と
して保持することが困難となりやすい。
【0051】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出した。
【0052】本発明の特徴は、微粒子凝集体におけるこ
れらの微粒子を、少なくとも側鎖に窒素原子を有するシ
ランカップリング剤と疎水化剤により処理するか、或い
は少なくとも側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイル
又はシリコーンワニスにより処理することを特徴とす
る。
【0053】側鎖に窒素原子を有するシランカップリン
グ剤と疎水化剤により処理する場合に、側鎖に窒素原子
を有するシランカップリング剤としては、アミノシラン
カップリング剤、含窒素複素環を有するシランカップリ
ング剤等が挙げられる。なかでもアミノシランカップリ
ング剤が好ましい。
【0054】このようなアミノシランカップリング剤と
しては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノ
ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチル
アミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプ
ロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノ
メトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシ
シラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルア
ミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミ
ン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、ト
リメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメト
キシシリル−γ−プロピルイミダゾール、γ−アミノプ
ロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメト
キシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメチル
メトキシシラン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−
ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメ
チルジシラザン、1,3−ビス{N(2−アミノエチ
ル)アミノプロピル}−1,1,3,3−テトラメチル
ジシラザン、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−
ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシラザン、1,3−ビス(3−プロピルア
ミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラ
ザン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシラザン等を挙げることができ
る。
【0055】これらの処理剤は1種あるいは2種以上の
混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。
【0056】疎水化剤としては、疎水性を与える有機化
合物ならば使用することができるが、有機ケイ素化合
物、チタンカップリング剤等が好ましい。中でも有機ケ
イ素化合物が好ましく、特にシランカップリング剤、シ
リコーンオイルが好ましい。
【0057】このような有機ケイ素化合物の例として
は、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリ
メチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメ
チルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリル
ジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラ
ン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメ
チルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラ
ン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチル
ジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタ
ン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリ
ルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジ
メチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,
3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当
り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する
単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有す
るジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種ある
いは2種以上の混合物で用いられる。
【0058】本発明の微粒子の疎水化剤としてシリコー
ンオイルを用いることができる。中でもそのシリコーン
オイルとしては、一般に次の式により示されるものが好
ましい。
【0059】
【化1】
【0060】[式中、R1はメチル基、その他のアルキ
ル基、アリール基或いは水素を示し、それとは独立にR
2は、メチル基、その他のアルキル基、アリール基、ビ
ニル基、水酸基を有してもよいアルキル基或いはアリー
ル基、フッ素置換アルキル基又は水素を示す。m,nは
整数を示す。] 中でも本発明に用いられるシリコーンオイルとしては、
ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーン
オイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アル
キル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイ
ルが好ましい。
【0061】シリコーンオイルの粘度としては、25℃
における粘度2〜1000cStが好ましく、10〜3
00cStがより好ましい。
【0062】微粉体に対する側鎖に窒素原子を有するシ
ランカップリング剤の処理量としては、微粉体の比表面
積も影響するので一概に限定することはできないが、微
粉体100質量部に対して側鎖に窒素原子を有するシラ
ンカップリング剤を20質量部以下で用いられる。20
質量部を超えると比表面積が小さくなり流動性に劣るよ
うになる。好ましくは0.1〜15質量部である。
【0063】微粉体に対する疎水化剤の処理量として
は、微粉体の比表面積も影響するので一概に限定するこ
とはできないが、微粉体100質量部に対して疎水化剤
を20質量部以下で用いられる。20質量部を超えると
比表面積が小さくなり流動性に劣るようになる。好まし
くは0.1〜10質量部である。
【0064】側鎖に窒素原子を有するシランカップリン
グ剤と疎水化剤の処理量は、合わせて0.5〜30質量
部が好ましい。
【0065】側鎖に窒素原子を有するシランカップリン
グ剤と疎水化剤の処理比は、1:20〜10:1が帯電
性の面から好ましい。
【0066】本発明の微粉体凝集体におけるこれらの微
粒子を、少なくとも側鎖に窒素原子を有するシリコーン
オイルまたはシリコーンワニスにより処理することも好
ましい。中でも、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオ
イルが好ましく、その中でもアミノ変性シリコーンオイ
ルが好ましい。
【0067】微粒子を処理する側鎖に窒素原子を有する
シリコーンオイルまたはシリコーンワニスは、微粒子凝
集体に含有される側鎖に窒素原子を有するシリコーンオ
イルまたはシリコーンワニスに用いられるものと同じも
のでも異なっていてもよい。
【0068】本発明に用いられるアミノ変性シリコーン
オイルとしては、少なくとも下記式で表わされる部分構
造を具備するものが好ましく使用できる。これらの部分
構造はシリコーンオイル末端に有していてもよい。
【0069】
【化2】
【0070】(式中、R1は水素、アルキル基、アリー
ル基又はアルコキシ基を示し、R2アルキレン基又はフ
ェニレン基を示し、R3,R4は水素、アルキル基、又は
アリール基を示し、R5は含窒素複素環基を示す) 上記アルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレ
ン基は窒素原子を有するオルガノ基を有していても良い
し、また帯電性を損ねない範囲で、ハロゲン等の置換基
を有していても良い。
【0071】アミノ変性シリコーンオイルにおけるアミ
ン当量(g/mol)は、300以上10000以下が
好ましい。アミン当量が300未満の場合には、微粒子
に均一コートされ難く、また疎水性が低い。またアミン
当量が10000を超える場合には、帯電性が低くな
り、微粒子凝集体もネガ帯電性となって画像濃度低下を
引き起こす場合がある。より好ましくは、アミン当量が
300以上8000以下である。
【0072】アミノ変性シリコーンオイルにおける粘度
は、2〜1000cStが好ましい。より好ましくは、
10〜300cStである。
【0073】また、必要に応じてジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイド
ロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオ
イル、フッ素変性シリコーンオイルを同時に処理しても
良い。
【0074】微粉体に対する側鎖に窒素原子を有するシ
リコーンオイルまたはシリコーンワニスの処理量として
は、微粉体の比表面積も影響するので一概に限定するこ
とはできないが、微粉体100質量部に対して側鎖に窒
素原子を有するシリコーンオイルまたはシリコーンワニ
スを25質量部以下で用いられる。25質量部を超える
と比表面積が小さくなり流動性に劣るようになる。好ま
しくは3〜20質量部である。
【0075】本発明における微粒子は、未処理微粉体
に、少なくとも窒素原子を側鎖に含有するシランカップ
リング剤と疎水化剤により処理するか、あるいは少なく
とも窒素原子を側鎖に含有するシリコーンオイル又はシ
リコーンワニスにより処理されることを特徴としてい
る。
【0076】その処理方法としては、少なくとも窒素原
子を側鎖に含有するシランカップリング剤と疎水化剤、
あるいは少なくとも窒素原子を側鎖に含有するシリコー
ンオイル又はシリコーンワニスとシリコーンオイル及び
ワニスとを、それぞれ混合して噴霧する方法、あるいは
それぞれを順次噴霧する方法のどちらを用いてもよい。
【0077】必要に応じて、適当な溶剤に少なくとも窒
素原子を側鎖に含有するシランカップリング剤と疎水化
剤、あるいは少なくとも窒素原子を含有するシリコーン
オイル又はシリコーンワニスとシリコーンオイル及びワ
ニスとを溶解あるいは分散せしめて用いてもよい。それ
ぞれ混合して噴霧するか、あるいはそれぞれを順次噴霧
した後、溶剤を除去する方法によって得ることができ
る。
【0078】本発明の微粉体凝集体に用いるシリコーン
オイルとしては一般式
【0079】
【化3】
【0080】(ここで、Rは炭素数1〜3のアルキル基
を表わし、R’はアルキル,ハロゲン変性アルキル,フ
ェニル,変性フェニル等のシリコーンオイル変性基を表
わし、R”は炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ
基を表わし、m,nは整数を表わす。)で表わされるも
のが好ましい。例えばジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシ
リコーンオイル、ビニル基含有シリコーンオイル、アル
キル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シ
リコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フ
ッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0081】本発明に用いられるシリコーンワニスとし
ては公知の物質が使用でき、例えば信越シリコーン社製
のKR−251、KP−112等が挙げられる。
【0082】本発明において、シリコーンオイルとして
は、式(I)で表わされる構造をもつアミノ変性シリコ
ーンオイルも使用できる。
【0083】
【化4】
【0084】(ここで、R1,R6は水素,アルキル基,
アリール基又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレ
ン基,フェニレン基を表わし、R3は含窒素複素環をそ
の構造に有する化合物を表わし、R4,R5は水素,アル
キル基,アリール基を表わす。またR2はなくてもよ
い。ただし上記のアルキル基,アリール基,アルキレン
基,フェニレン基はアミンを含有していても良いし、ま
た帯電性を損ねない範囲でハロゲン等の置換基を有して
いても良い。またmは1以上の数であり、n,kは0を
含む正の数である。ただしn+kは1以上の正の数であ
る。)
【0085】上記構造中最も好ましい構造は窒素原子を
含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるものである。
【0086】窒素を含有する不飽和複素環として下記に
その一例を挙げる。
【0087】
【化5】
【0088】窒素を含有する飽和複素環の一例を以下に
挙げる。
【0089】
【化6】
【0090】ただし、本発明は何ら上記化合物例に拘束
されるものではないが、好ましくは5員環又は6員環の
複素環をもつものが良い。
【0091】誘導体としては、上記化合物群に炭化水素
基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基、
メタクリル基、グリシドキシ基、ウレイド基等を導入し
た誘導体が例示される。
【0092】これらは1種または2種以上の混合系で用
いてもよい。
【0093】本発明に用いられるシリコーンワニスとし
ては、例えばメチルシリコーンワニス、フェニルメチル
シリコーンワニス等を挙げることができ、特に、メチル
シリコーンワニスが好ましい。
【0094】メチルシリコーンワニスは、下記構造式で
示されるT31単位、D31単位、M31単位よりなるポリマ
ーであり、かつT31単位を多量に含む三次元ポリマーで
ある。
【0095】
【化7】
【0096】メチルシリコーンワニスまたはフェニルメ
チルシリコーンワニスは、具体的には例えば下記構造式
(II)で示されるような化学構造を有する物質であ
る。
【0097】
【化8】
【0098】(R31は、メチル基またはフェニル基を表
わす。)
【0099】上記シリコーンワニスにおいて、特にT31
単位は、良好な熱硬化性を付与し、三次元網状構造とす
るために有効な単位である。上記T31単位は、シリコー
ンワニス中に10〜90モル%、特に30〜80モル%
の割合で含まれることが好ましい。
【0100】このようなシリコーンワニスは、分子鎖の
末端もしくは側鎖に水酸基を有しており、この水酸基の
脱水縮合によって硬化することとなる。この硬化反応を
促進させるために用いることができる硬化促進剤として
は、例えば亜鉛、鉛、コバルト、スズ等の脂肪酸塩;ト
リエタノールアミン、ブチルアミン等のアミン類;など
を挙げることができる。このうち特にアミン類を好まし
く用いることができる。
【0101】上記の如きシリコーンワニスをアミノ変性
シリコーンワニスとするためには、前記T31単位、D31
単位、M31単位中に存在する一部のメチル基あるいはフ
ェニル基をアミノ基を有する基に置換すればよい。アミ
ノ基を有する基としては、例えば下記構造式で示される
ものを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0102】
【化9】
【0103】上記シリコーンオイルまたはシリコーンワ
ニスは単独または混合した際に25℃における粘度が、
50〜200,000センチストークス、好ましくは5
00〜150,000センチストークス、より好ましく
は1,500〜100,000センチストークスが良
い。
【0104】50センチストークス未満では、多量のシ
リコーンオイルまたはシリコーンワニスの良好な粒子化
が困難であるとともに、微粒子凝集体に安定性が無く、
熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾向があ
る。200,000センチストークスを超える場合は、
シリコーンオイルまたはシリコーンワニスの粒子化が困
難になる傾向がある。
【0105】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
の粘度測定は、ビスコテスターVT500(ハーケ社
製)を用いて行なう。いくつかあるVT500用粘度セ
ンサーの一つを選び(任意)、そのセンサー用の測定セ
ルに測定試料を入れて測定する。装置上に表示された粘
度(pas)はcSt(センチストークス)に換算す
る。
【0106】本発明における窒素原子を側鎖に有するシ
リコーンオイル又はシリコーンワニスは本発明記載のも
のならばすべて使用可能であるが、中でも、アミノ変性
シリコーンオイルが好ましい。
【0107】アミノ変性シリコーンオイルにおけるアミ
ン当量(g/mol)は、300以上10000以下が
好ましい。アミン当量が300未満の場合には、シリコ
ーンオイルの粘度が低くなり過ぎ、微粒子凝集体の形成
を困難とする。またアミン当量が10000を超える場
合には、帯電性が低くなり、微粉体凝集体も強いネガ帯
電性となって画像濃度低下を引き起こす場合がある。よ
り好ましくは、アミン当量が300以上8000以下で
ある。
【0108】本発明におけるシリコーンオイル又はシリ
コーンワニスとしては、本発明記載のものならばすべて
使用可能であるが、中でも、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロ
ジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイルから選ばれるシリコー
ンオイルを少なくとも1種以上含有することが転写中抜
けの面から好ましい。中でもジメチルシリコーンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変
性シリコーンオイルが好ましく、更には、ジメチルシリ
コーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好まし
い。
【0109】本発明における該微粒子凝集体は、窒素原
子を側鎖に有するシリコーンオイル又はシリコーンワニ
スがアミノ変性シリコーンオイルであり、シリコーンオ
イル又はシリコーンワニスがジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロ
ジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイルから選ばれるシリコー
ンオイルを少なくとも1種以上含有することが好まし
い。
【0110】本発明における該微粒子凝集体の窒素原子
を側鎖に有するシリコーンオイル又はシリコーンワニス
と、シリコーンオイル又はシリコーンワニスとの質量の
比率が、1:30〜10:1であることが好ましい。窒
素原子を側鎖に有するシリコーンオイル又はワニスと窒
素原子を側鎖に有していないシリコーンオイル又はワニ
スの比が1:30より小さいと、強い負帯電性となり正
帯電性トナー中に含有せしめた場合に濃度低下やカブリ
を生じさせる。好ましくは1:20以上である。また比
が10:1より大きいと、窒素原子を側鎖に有するシリ
コーンオイル又はシリコーンワニスのみの場合と中抜け
に対する効果が充分には変わらない。さらには1:20
〜3:1が好ましい。
【0111】本発明における微粒子凝集体は、窒素原子
を側鎖に有するシリコーンオイル又はシリコーンワニス
と、シリコーンオイル又はシリコーンワニスとを含み、
それぞれ合わせた含有量が微粒子凝集体の20〜90質
量%であることが好ましい。より好ましくは30〜85
質量%、更に好ましくは40〜80質量%である。
【0112】全体のシリコーンオイル又はシリコーンワ
ニスの量が20質量%未満の場合、転写中抜けの改良に
効果は少なく、一方90質量%を超える場合はシリコー
ンオイル又はシリコーンワニスがトナー粒子を凝集さ
せ、画質の劣化を起こし易くなる。
【0113】本発明における微粒子凝集体は、窒素原子
を側鎖に有するシリコーンオイル又はシリコーンワニス
とシリコーンオイル又はシリコーンワニスとの比率が、
前記記載の質量比ならば使用可能である。更には、該微
粒子凝集体を鉄粉と混合したときの該微粒子凝集体の帯
電量が0〜+100mC/kgであることが好ましい。
【0114】鉄粉に対して負帯電性の場合には、トナー
中に混合した場合にも逆帯電成分となり易く、非画像部
にカブリを生じる。また、+100mC/kgを超える
場合には、現像スリーブ上のコートが不均一となり、ハ
ーフトーン画像やベタ画像においてムラを生じたり、波
状にカブリを生じたりする。
【0115】帯電量の測定には、鉄粉キャリアを用い
る。本発明に用いるキャリアは、JIS−H2601に
準じた測定法による平均粒径70μmの偏平状鉄粉キャ
リアである。例えば、パウダーテック社製EFV200
−300を用いることができる。
【0116】微粒子凝集体0.2gと該鉄粉キャリア
9.8gを50mlのポリビンに入れ、蓋をした後、撹
拌機により撹拌して充分帯電させた後摩擦帯電を測定す
る。撹拌機としては、例えば(株)ヤヨイ製、YSLD
を用いることができる。この震盪機により125回転/
分の条件で1分震盪した後、摩擦帯電量を測定する。
【0117】本発明における微粒子凝集体は、少なくと
も窒素原子を側鎖に含有するシランカップリング剤と疎
水化剤、あるいは少なくとも窒素原子を側鎖に含有する
シリコーンオイル又はシリコーンワニスにより処理され
た微粒子をシリコーンオイル及びワニスとの混合・処理
して得ることができる。
【0118】その混合・処理の方法としては、例えば、
シリコーンオイル又はワニスを必要に応じて混合し、ヘ
ンシェルミキサー・ターブラーミキサー等の混合機を用
いて処理された微粒子と直接混合・撹拌して得ることが
できる。
【0119】シリコーンオイル又はワニスは必要に応じ
て溶剤に溶解あるいは分散せしめた後、混合撹拌し、溶
剤を除去する方法によっても得ることができる。
【0120】混合撹拌の条件は用いる混合機の混合方
法、機種の大きさ等により一概には限定できないが、そ
の撹拌条件によっては微粒子凝集体が生成せず、例え
ば、ターブラーミキサーを用いることや適する回転数で
ヘンシェルミキサーを用いることが好ましい。
【0121】更にシリコーンオイル処理後、必要に応じ
て微粒子凝集体を350℃以下の温度で加熱してもよ
い。
【0122】このように処理された微粒子凝集体は、そ
の疎水率が低くても用いることができるが、好ましくは
30%以上である。30%未満のときには高湿条件下で
画像濃度がやや低くなることがある。より好ましくは5
0%以上である。
【0123】疎水率の測定は、試料1.0gとイオン交
換水100gを200mlの瓶に入れ、1分間激しく撹
拌する。その後、5分間静置したのち、厚さ10mmの
UVセルに分散する。イオン交換水をレファレンスとし
て500nmでの透光率を測定する。これを疎水率とす
る。
【0124】本発明の微粒子凝集体は、正帯電性トナー
に適する。
【0125】上記シリコーンオイル又はシリコーンワニ
スと微粒子とから構成される微粒子凝集体は、その比表
面積が0.01〜50m2/g(好ましくは0.05〜
30m2/g、さらに好ましくは0.1〜10m2/g)
の場合に良好な結果が得られる。
【0126】50m2/gを超える場合は、シリコーン
オイルまたはシリコーンワニスが粒子として保持しにく
くトナーの凝集を引き起こし、画質の劣化が起こり易
い。また、転写中抜け改良の効果も小さくなる傾向にあ
る。0.01m2/g未満の場合は、画質が劣化する傾
向にある。
【0127】比表面積は、以下の方法によって算出され
た値である。BET法に従って、比表面積測定装置オー
トソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面
に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積
を算出する。
【0128】上記シリコーンオイル又はシリコーンワニ
スを含有する微粒子凝集体の適用量はトナー粒子100
質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、よ
り好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは
0.05〜2質量部が良い。0.01質量部未満では、
感光体や接触帯電部材への塗布効果が少なく、また、1
0質量部を超えると、トナーの定着性を損なう傾向があ
る。
【0129】本発明に係わる微粒子凝集体は、上記シリ
コーンオイル又はシリコーンワニスという離型性の良好
な物質を20質量%〜90質量%と比較的に多量に含ん
でおり、それがトナー微粉と感光体表面や接触帯電部材
表面との離型性の向上に働く。
【0130】ここで本発明におけるトナーのキャリアに
対する摩擦帯電量の測定法を図1を用いて詳述する。
【0131】図1が摩擦帯電量測定装置の説明図であ
る。底に400メッシュ(キャリア粒子の通過しない大
きさに適宜変更可能)の導電性スクリーン13のある金
属製の測定容器12に摩擦帯電量を測定しようとする現
像剤担持体上の磁気ブラシ(トナーと磁性粒子の混合
物)を入れ金属製のフタ14をする。このときの測定容
器12全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引
機11(測定容器12と接する部分は少なくとも絶縁
体)において、吸引口17から吸引し風量調節弁16を
調整して真空計15の圧力を0.2×105Pa(差
圧)とする。この状態で充分(約1分間)吸引を行いト
ナーを吸引除去する。このときの電位計19の電位をV
(ボルト)とする。ここで18はコンデンサーであり容
量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体の
重量を秤りW2(g)とする。この摩擦帯電量Q(μC
/g;mC/kg)は下式の如く計算される。
【0132】
【数1】
【0133】ただし測定条件は、23℃,60%RHと
する。
【0134】本発明における微粒子凝集体の平均粒径
は、個数50%平均粒径で1.0〜20.0μmの範囲
である。1.0μm未満では、中抜けに充分な効果を得
られず、20.0μmを超えるとトナーへの均一分散性
が悪く、分離しやすい。より好ましくは3.0〜17.
0μm、更に好ましくは3.0〜15.0μmの範囲で
ある。
【0135】微粒子凝集体の平均粒径は、SYMPAT
EC HELOS Particle size an
alysis により、測定した。
【0136】本発明における微粒子凝集体の嵩密度は、
0.10〜0.80g/cm3が好ましい。0.10g
/cm3未満では、中抜けに充分な効果を得られず、
0.80g/cm3を超えると凝集し過ぎていてトナー
への均一分散性が悪く、分散しにくい。より好ましく
は、0.40〜0.80g/cm3の範囲である。
【0137】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0138】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが
使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共
重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0139】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル、アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有す
るジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステ
ル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのよ
うなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0140】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわな
い。
【0141】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンな
どのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなど
のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジ
ビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3
個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合
物として用いられる。
【0142】該結着樹脂の合成方法としては、塊状重合
法,溶液重合法,懸濁重合法及び乳化重合法のいずれで
も良い。
【0143】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることも
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利
用して、また開始剤量や反応温度を調節することで低分
子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、本発
明で用いる樹脂組成物の中で低分子量体を得る時には好
ましい。
【0144】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマ
ー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ま
しい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0145】反応温度としては、使用する溶媒、開始
剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜23
0℃で行なうのが良い。溶液重合においては溶媒100
重量%に対してモノマー30重量%〜400重量%で行
なうのが好ましい。
【0146】更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を
混合することも好ましく、数種の重合体をよく混合でき
る。
【0147】また、高分子量成分やゲル成分を得る重合
法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0148】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油
相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、そ
の結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。
さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重
合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造におい
て、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容
易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の
製造方法として他の方法に比較して有利である。
【0149】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0150】懸濁重合においては、水系溶媒100質量
部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは1
0〜90質量部)で行なうのが良い。使用可能な分散剤
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系
溶媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水
系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用い
られる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用
する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべ
きである。また開始剤種類としては、水に不溶或は難溶
のものであれば用いることが可能である。
【0151】使用する開始剤としては、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレ
ート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t
−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、
n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリ
レート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−
ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサ
クシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタ
レート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフ
タレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパー
オキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリ
メチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)ト
リアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラ
ン等が挙げられ、これらが単独あるいは併用して使用で
きる。
【0152】その使用量はモノマー100質量部に対
し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量
部)の濃度で用いられる。
【0153】本発明に用いられるポリエステル樹脂の組
成は以下の通りである。
【0154】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また
(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0155】
【化10】
【0156】(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基
であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、
x+yの平均値は0〜10である。)
【0157】また(B)式で示されるジオール類;
【0158】
【化11】
【0159】(式中、R’は−CH2CH2−又は
【0160】
【化12】 であり、x’,y’は0以上の整数であり、かつ、x’
+y’の平均値は0〜10である。)が挙げられる。
【0161】2価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベン
ゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級
アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデ
シルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアル
キルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アル
キルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙
げられる。
【0162】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ま
しい。
【0163】3価以上の多価アルコール成分としては、
例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオ
ール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0164】また、本発明における3価以上の多価カル
ボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル
−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テト
ラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及び
これらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0165】
【化13】
【0166】(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以
上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレ
ン基)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの
無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及
びその誘導体が挙げられる。
【0167】本発明に用いられるアルコール成分として
は40〜60mol%、好ましくは45〜55mol
%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは5
5〜45mol%であることが好ましい。
【0168】また3価以上の多価の成分は、全成分中の
1〜60mol%であることも好ましい。
【0169】現像性,定着性,耐久性,クリーニング性
の点からスチレン−不飽和カルボン酸誘導体共重合体、
ポリエステル樹脂、及びこれらのブロック共重合体、グ
ラフト化物、更にはスチレン系共重合体とポリエステル
樹脂の混合物が好ましい。
【0170】また、本発明のトナーに使用される結着樹
脂としてはGPCにより測定される分子量分布で105
以上の領域にピークを有することが好ましく、更に3×
103〜5×104の領域にもピークを有することが定着
性、耐久性の点で好ましい。
【0171】このような樹脂成分は、例えば以下に示す
ような方法を用いて得ることができる。
【0172】溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重
合、ブロック共重合、グラフト化などを応用し、分子量
3×103〜5×104の領域にメインピークを有する重
合体(L)と、105以上の領域にピークを有する重合
体あるいはゲル成分を含有する重合体(H)を形成す
る。これらの成分を溶融混練時にブレンドすることによ
って得ることができる。ゲル成分は溶融混練時に一部あ
るいは全部切断することができ、THF可溶分となって
105以上の領域の成分としてGPCで測定されるよう
になる。
【0173】特に好ましい方法としては、重合体(L)
または重合体(H)を溶液重合で形成し、重合終了時
に、他方を溶媒中でブレンドする方法、一方の重合体存
在下で他方の重合体を重合する方法、重合体(H)を懸
濁重合で形成し、この重合体存在下で重合体(L)を溶
液重合で重合して得る方法や溶液重合終了時に溶媒中で
重合体(H)をブレンドする方法、重合体(L)存在下
で、重合体(H)を懸濁重合で重合し得る方法などがあ
る。これらの方法を用いることにより、低分子量分と高
分子量分が均一に混合した重合体が得られる。
【0174】また、正帯電性トナーの場合には、スチレ
ン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル−アクリ
ル共重合体、スチレン−メタクリル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、酸価が10以下のポリエステル
樹脂及び、これらのブロック共重合体、グラフト化物、
ブレンド樹脂が好ましく、また負帯電性トナーの場合に
は、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリ
ル−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル共重合体
及びこれらとマレイン酸モノエステルとの共重合体、ポ
リエステル樹脂、及び、これらのブロック共重合体、グ
ラフト化物、ブレンド樹脂が、現像性の点で好ましい。
【0175】特に圧力定着方式に供せられるトナー用の
結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは、
単独でまたは混合して用いることが好ましい。
【0176】また定着時の定着部材からの離型性の向
上、定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナ
ー中に含有させることも好ましい。
【0177】パラフィンワックス及びその誘導体、モン
タンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワ
ックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワック
ス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘
導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体
には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合
物、グラフト変性物を含む。
【0178】その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、
エステル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物
系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロ
ラクタム等も利用できる。
【0179】好ましく用いられるワックスは、オレフィ
ンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー
触媒又はその他の触媒を用いて重合した低分子量のポリ
オレフィン及びこの時の副生成物、高分子量のポリオレ
フィンを熱分解して得られる低分子量のポリオレフィ
ン、一酸化炭素,水素からなる合成ガスからアーゲ法に
より得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは、これ
らを水素添加して得られる合成炭化水素などから、特定
の成分を抽出分別したワックスが用いられ、酸化防止剤
が添加されていてもよい。あるいは、直鎖状のアルコー
ル、脂肪酸、酸アミド、エステルあるいは、モンタン系
誘導体である。また、脂肪酸等の不純物を予め除去して
あるものも好ましい。
【0180】中でも好ましいものは、チーグラ触媒又は
その他の触媒を用いてエチレンなどのオレフィンを重合
したもの及びこの時の副生成物、フィッシャートロプシ
ュワックスなどの炭素数が数千、特には千ぐらいまでの
炭化水素を母体とするものが良い。
【0181】そして、これらのワックスから、プレス発
汗法、溶剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶
化(例えば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワ
ックスを分子量により分別したワックスが本発明に用い
られる。また分別後に、酸化やブロック共重合、グラフ
ト変性を行なってもよい。例えば、これらの方法で、低
分子量分を除去したもの、低分子量分を抽出したもの、
更にこれらから低分子量分を除去したものなどの任意の
分子量分布を持つものである。
【0182】分子量で分別を行なったワックスは、摩擦
帯電に影響を及ぼすことが少なく、現像性に悪影響を与
えないので特に好ましいものである。
【0183】中でも本発明のトナーに使用されるワック
スは、DSC測定器による吸熱ピーク温度が120℃以
下であるワックスが定着性の向上の面から、特に好まし
い。ワックスをトナー中に含有せしめた場合に、そのワ
ックスの一部分は遊離成分としてトナー中に存在する。
特に吸熱ピーク温度が120℃以下のワックスでは、バ
インダー樹脂との混合性が悪く、その遊離成分が多く生
じやすい。この遊離分は不均一帯電を発生することがあ
り、現像スリーブ上トナーの均一コートを妨げ、ムラ
状、波状にトナーをコートさせる場合がある。しかる
に、本発明の微粒子凝集体を存在させることにより、こ
れらの微粒子凝集体が遊離ワックス成分を吸着するので
これらの不均一帯電に起因する現像スリーブ上の不均一
コートを防ぐことができる。
【0184】本発明においては、結着樹脂100質量部
に対してワックスを0.1〜15質量部添加することが
好ましく、より好ましくは、0.5〜10質量部であ
る。
【0185】本発明におけるDSC測定では、ワックス
の熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定
原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計
で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー
社製のDSC−7が利用できる。
【0186】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/m
inで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用い
る。
【0187】本発明のトナーに適切な帯電量をトナーに
与えるため、次の荷電制御剤を添加することも好まし
く、他の構成材料ごとによって、添加する化合物の種
類,添加量によってその程度をコントロールすることが
できる。
【0188】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記の物質がある。
【0189】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の
金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキ
サイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオル
ガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチ
ルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどの
ジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダ
ゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せ
て用いることができる。これらの中でも、トリフェニル
メタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級
アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式
(D)
【0190】
【化14】 で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合
性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いる
ことができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹
脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0191】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0192】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0193】また次に示した一般式(E)で表わされる
アゾ系金属錯体が好ましい。
【0194】
【化15】
【0195】特に中心金属としてはFe,Crが好まし
く、置換基としてはハロゲン,アルキル基,アニリド基
が好ましく、カウンターイオンとしては水素,アルカリ
金属,アンモニウム,脂肪族アンモニウムが好ましい。
またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく
用いられる。
【0196】あるいは次の一般式(F)に示した塩基性
有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明
に使用できる。
【0197】
【化16】
【0198】特に中心金属としてはFe,Cr,Si,
Zn,Alが好ましく、置換基としてはアルキル基,ア
ニリド基,アリール基,ハロゲンが好ましく、カウンタ
ーイオンは水素,アンモニウム,脂肪族アンモニウムが
好ましい。
【0199】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー内部に添加する方法と外添する方法があ
る。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の
種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造
方法によって決定されるもので、一義的に限定されるも
のではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対し
て0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量
部の範囲で用いられる。また、外添する場合は、樹脂1
00質量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、特
に、メカノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるの
が好ましい。
【0200】本発明のトナーは必要に応じて着色剤を用
いても構わない。
【0201】着色剤としては、従来より知られている無
機・有機の染料・顔料が使用可能であり、例えば、カー
ボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラッ
ク、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダムン
レーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニン
ブルー、インダンスレンブルー等があり、これらを単独
或は混合して使用し得る。これらは通常、結着樹脂10
0質量部に対し0.5〜20質量部使用される。
【0202】また、着色剤として、着色した磁性粉を用
いることもできる。磁性粉の含有量は、結着樹脂100
質量部に対して、5〜200質量部、更には10〜15
0質量部であることがよい。
【0203】磁性トナーの場合に用いる磁性粉として
は、強磁性の元素を含む合金乃至化合物の粉末が好まし
く用いられる。例えば、マグネタイト、マグヘマイト、
フェライト等の鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、亜
鉛等の合金や化合物、その他の強磁性合金等従来より磁
性材料として知られているもの等を挙げることができ
る。
【0204】また、磁性粉粒子の表面あるいは内部にS
i、Al、Mg等の金属イオンの酸化物、含水酸化物、
水酸化物等の化合物を含むものを用いることができる。
【0205】また、磁性粉粒子の表面にカップリング
剤、脂肪酸系化合物、樹脂等の有機化合物が反応、吸
着、付着しているものを用いることができる。
【0206】磁性体の形状としては、八面体、六面体、
球状、鉢状、鱗片状等がある。
【0207】磁性体の窒素ガス吸着法によるBET比表
面積としては、1m2/g〜40m2/g、さらには2m
2/g〜30m2/gのものが好ましい。
【0208】磁性体の飽和磁化としては、10Kエルス
テッドの磁場で、5emu/g〜200emu/g、さ
らには10emu/g〜150emu/gの範囲のもの
が好ましい。
【0209】磁性体の残留磁化としては、10Kエルス
テッドの磁場で、1emu/g〜100emu/g、さ
らには1emu/g〜70emu/gが好ましい。
【0210】磁性体の平均粒子径としては、0.05〜
1.0μm、さらに好ましくは0.1〜0.6μm、更
に好ましくは0.1〜0.4μmのものが良い。
【0211】トナーへの磁性粉の含有量としては、結着
樹脂100質量部に対して、5〜200質量部、さらに
は10〜150質量部であることが良い。5質量部未満
では、トナーの磁気力が小さく、カブリ、飛散が発生し
やすい。200質量部を超える場合は、定着性をそこな
う傾向がある。
【0212】本発明に係るトナーを製造するにあたって
は、上述した様なトナー構成材料をボールミルやヘンシ
ェルミキサー、その他の混合機により充分混合した後、
熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を
用いて良く混練し、混練物を冷却固化後、機械的な粉
砕、粉砕物の分級によってトナーを得る方法が好まし
い。他には、結着樹脂の溶液中に構成材料を分散した
後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;結着樹
脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁
液とした後に、重合させてトナーを得る重合法によるト
ナーの製造法がある。本発明に係るトナーは、コア材及
びシェル材から成るマイクロカプセルトナーであっても
良い。
【0213】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る
トナーを得ることができる。
【0214】また、トナーに好ましい帯電性、耐久性、
クリーニング性、流動性を与える為に次のようなものを
外添混合することも好ましい。
【0215】例えば、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ
等の微粉末シリカ;それらシリカをシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により
表面処理を施した処理シリカ;アルミナ、酸化チタン
(チタニア)、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等
の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及
び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物などの無機
微粉体である。
【0216】本発明に用いられるこれらの無機微粉体
は、トナー100質量部に対して0.01〜8質量部、
好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0217】好ましくは、BET法で測定した窒素吸着
による比表面積が30m2/g以上(特に50〜400
2/g)の範囲内のシリカ微粉体または酸化チタン微
粉体が微粒子凝集体との組合せにおいて良好な結果を与
える。トナー100質量部に対してシリカ微粉体または
酸化チタン微粉体0.01〜8質量部、好ましくは0.
1〜5質量部使用するのがよい。
【0218】また、本発明に用いられるこれらの無機微
粉体は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなど
の目的で少量のシリコーンワニス、各種変性シリコーン
ワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイ
ル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカッ
プリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、
あるいは種々の処理剤で併用して処理されていることも
好ましい。
【0219】表面処理されている場合も、シリカ微粉体
または酸化チタン微粉体はBET比表面積が30m2
g以上(より好ましくは、50〜400m2/g)を有
しているのが良い。
【0220】また、現像性,耐久性を向上させるために
次の無機粉体を添加することもできる。マグネシウム、
亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコ
ニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アン
チモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金
属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ア
ルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパ
タイトなどリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケ
イ素などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファ
イトなどの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガ
ン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムな
どが好ましい。
【0221】同様の目的で、以下の有機粒子や複合粒子
を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコ
ーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メ
ラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル樹脂粒子など
の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等
と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒
子とからなる複合粒子が挙げられる。
【0222】更に次のような滑剤粉末を添加することも
できる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素
樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物;ステアリン
酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の
脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびアミノ
酸誘導体が挙げられる。
【0223】本発明のトナーは、キャリアと併用して二
成分現像剤として用いることができる。
【0224】二成分現像方法に用いる場合のキャリアと
しては従来知られているものが使用可能であるが、具体
的には、表面酸化または未酸化の鉄、コバルト、ニッケ
ル、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合
金または酸化物などの平均粒径20〜300μmの粒子
が使用される。
【0225】更に、これらの粒子表面に樹脂等を被覆又
は付着させたコートキャリアを用いることができる。
【0226】コートキャリアの被覆用に用いられる結着
樹脂としては、スチレン、クロルスチレン等のスチレン
類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等
のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メ
チレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル
等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケ
トン類の単独重合体あるいは共重合体などが挙げられ、
特に代表的な結着樹脂としては、導電性微粒子の分散性
やコート層としての製膜性,トナースペント防止,生産
性という点などから、ポリスチレン、スチレン−アクリ
ル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
が挙げられる。更にポリカーボネート、フェノール樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ
オレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド
等が挙げられる。特にスペント防止という観点から、臨
界表面張力の小さい樹脂、例えばポリオレフィン、フッ
素樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいることがより望ま
しい。
【0227】なおブレンド量は、全バインダー量に対す
るフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂またはシリ
コーン系樹脂の割合は、1.0〜60質量%が適当であ
り、特に2.0〜40質量%が望ましい。含有量が1.
0質量%未満であると、表面改質効果が十分でなく、ト
ナースペントに効果がない。一方60質量%を超える
と、両者が均一に分散されにくいため、体積抵抗値に部
分的なムラが生じ、帯電特性が悪くなるためである。
【0228】なおキャリアの被覆用結着樹脂として用い
られるフッ素樹脂としては、例えばフッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフロ
オロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等と他のモ
ノマーとの溶剤可溶性の共重合体が挙げられる。
【0229】またキャリアの被覆用結着樹脂として用い
られるシリコーン樹脂としては、例えば信越シリコーン
社製KR271、KR282、KR311、KR25
5、KR155(ストレートシリコーンワニス)、KR
211、KR212、KR216、KR213、KR2
17、KR9218(変性用シリコーンワニス)、SA
−4、KR206、KR5206(シリコーンアルキッ
ドワニス)、ES1001、ES1001N、ES10
02T、ES1004(シリコーンエポキシワニス)、
KR9706(シリコーンアクリルワニス)、KR52
03、KR5221(シリコーンポリエステルワニス)
や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、
SR2107、SR2110、SR2108、SR21
09、SR2400、SR2410、SR2411、S
H805、SH806A、SH840等が用いられる。
【0230】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもので
はない。尚、以下の配合における部数は全て質量部であ
る。
【0231】(微粒子の製造例1)乾式法で製造された
シリカ微粉体(比表面積約200m2/g)100部を
撹拌機に入れ、撹拌しながらアミノ変性シリコーンオイ
ル(アミン当量830、25℃における粘度70cS
t)15部とヘキサン10部の溶液を噴霧し、撹拌処理
した。得られた微粉体を300℃まで昇温・撹拌し、溶
剤を乾燥させ微粒子(1)を得た。
【0232】(微粒子の製造例2)乾式法で製造された
シリカ微粉体(比表面積約200m2/g)100部を
撹拌機に入れ、撹拌しながらγ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン10部とヘキサメチルジシラザン10部と
ヘキサン10部の溶液を噴霧し、撹拌処理した。得られ
た微粉体を100℃まで昇温・撹拌し、溶剤を乾燥させ
微粒子(2)を得た。
【0233】(微粒子の製造例3)表1に記載された微
粉体と処理剤を用いる他は、微粒子の製造例1と同様に
して微粒子(3)を得た。
【0234】(微粒子の製造例4)表1に記載された微
粉体と処理剤を用いる他は、微粒子の製造例2と同様に
して微粒子(4)を得た。
【0235】(微粒子の製造例5〜9)表1に記載され
た微粉体と処理剤を用いる他は、微粒子の製造例1と同
様にして微粒子(5)〜(9)を得た。これらの微粒子
の処理を表1に示す。
【0236】
【表1】
【0237】[微粒子凝集体の製造例1]アミノ変性シ
リコーンオイル(アミン当量1900、25℃における
粘度250cSt)10%とジメチルシリコーンオイル
(25℃における粘度3000cSt)90%を混合し
てシリコーンオイル(1)を調製した。
【0238】処理された微粒子(1)40部をヘンシェ
ルミキサーに入れ、撹拌しながらシリコーンオイル
(1)60部とヘキサン10部の溶液を噴霧し、撹拌処
理した。得られた凝集体を100℃まで昇温・撹拌し、
溶剤を乾燥させ微粒子凝集体(1)を得た。この微粒子
凝集体(1)のBET比表面積、帯電量を表2に示し
た。
【0239】[微粒子凝集体の製造例2]アミノ変性シ
リコーンオイル(アミン当量1900、25℃における
粘度250cSt)10%とジメチルシリコーンオイル
(25℃における粘度10000cSt)90%を混合
してシリコーンオイル(2)を調製した。
【0240】処理された微粒子(2)30部とシリコー
ンオイル(2)70部を容器中混合し、ターブラーミキ
サーにより撹拌処理し、微粒子凝集体(2)を得た。こ
の微粒子凝集体(2)のBET比表面積、帯電量を表2
に示した。
【0241】[微粒子凝集体の製造例3]アミノ変性シ
リコーンオイル(アミン当量1700、25℃における
粘度1300cSt)20%とフッ素変性シリコーンオ
イル(25℃における粘度10000cSt)80%を
混合してシリコーンオイル(3)を調製した。
【0242】処理された微粒子(3)50部とシリコー
ンオイル(3)50部を容器中混合し、ターブラーミキ
サーにより撹拌処理し、微粒子凝集体(3)を得た。こ
の微粒子凝集体(3)のBET比表面積、帯電量を表2
に示した。
【0243】[微粒子凝集体の製造例4〜15]微粒
子、シリコーンオイル・ワニスとして表2に示すものを
用いる以外は微粒子凝集体(1)と同様にして微粒子凝
集体(4)〜(15)を得た。
【0244】[微粒子凝集体の製造例16〜18]微粒
子として乾式法で製造された未処理のシリカ微粉体(比
表面積約200m2/g)を用い、シリコーンオイル・
ワニスとして表2に示すものを用いる以外は微粒子凝集
体(1)と同様にして微粒子凝集体(16)〜(18)
を得た。
【0245】[微粒子凝集体の製造例19]処理された
微粒子(8)5部をヘンシェルミキサーに入れ、撹拌し
ながらジメチルシリコーンオイル(25℃における粘度
100cSt)95部とヘキサン10部の溶液を噴霧
し、撹拌処理し、微粒子凝集体を製造しようとしたとこ
ろ、生成物はペースト状になってしまい、微粒子凝集体
は製造できなかった。これは、微粒子とシリコーンオイ
ル・ワニスの混合比率が好ましくなかったためと考えら
れる。
【0246】[微粒子凝集体の製造例20]微粒子、シ
リコーンオイル・ワニスとして表2に示すものを用いる
以外は微粒子凝集体(1)と同様にして微粒子凝集体
(20)を得た。
【0247】上記の微粒子凝集体(1)〜(20)の処
方を表2に示し、物性を表3に示す。
【0248】
【表2】
【0249】
【表3】
【0250】<実施例1> スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (St/BA=83/17、P1=9800、P2=396000 Mn=7100、Mw=204000) 磁性体 90部 ポリエチレンワックス 4部 (分別結晶化ワックス;DSCによる吸熱ピークが108℃) トリフェニルメタン系染料 2部 上記材料をヘンシェルミキサーで良く前混合した後、1
40℃に設定した二軸混練押出機によって、溶融混練し
た。得られた混練物を冷却し、カッターミルにて粗粉砕
した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕
し、更に得られた微粉砕粉を風力分級機で分級した。重
量平均粒径7.6μmの分級微粉体(1)を得た。
【0251】得られた分級微粉体(1)100部に、乾
式法で製造されたシリカ微粉体(BET比表面積200
2/g)100部をアミノ変性シリコーンオイル(ア
ミン当量830、25℃における粘度70cSt)20
部で処理した疎水性シリカ(1)0.9部、微粒子凝集
体(1)0.2部を加え、ヘンシェルミキサーで混合
し、目開き150μmのメッシュで篩った後、トナーを
得た。
【0252】このトナーを市販の複写機NP6016
(キヤノン株製)に適用して、画像評価した。
【0253】[画像評価試験]常温・常湿下で6000
枚複写し、低温・低湿、高温・高湿の各環境下2000
枚複写して、画像評価試験を行った。各環境での画像濃
度、カブリを評価し、常温・常湿下での画像中抜けのレ
ベル(文字画像の再現性)、ベタ黒部画像・ハーフトー
ン画像での均一性、廃トナーの生成率(廃トナー量/消
費トナー量)を評価し、低温・低湿下でのブロッチ現像
(スリーブへのトナーの不均一コート)の発生の有無、
高温・高湿下での画像濃度の安定性を評価した。また、
定着器の設定温度を150℃に設定し、画像を形成した
のち定着させ、得られた画像の擦り試験による画像低下
率からトナーの定着性を評価した。
【0254】評価結果は表4に示す。
【0255】<実施例2〜11>微粒子凝集体として微
粒子凝集体(2)〜(11)を用いる以外は実施例1と
同様にして、トナーを得た。
【0256】これを実施例1と同様に画像評価した。結
果は表4に示す。
【0257】<実施例12> スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (St/BA=84/16、P1=10100、P2=396000 Mn=7000、Mw=184000) 磁性体 90部 ポリエチレンワックス (分別結晶化ワックス;DSCによる吸熱ピークが115℃) 4部 トリフェニルメタン系染料 2部 上記材料から実施例1と同様にして、重量平均粒径8.
1μmの分級微粉体(2)を得た。
【0258】得られた分級微粉体(2)100部に、乾
式法で製造されたシリカ微粉体(BET比表面積200
2/g)100部をアミノ変性シリコーンオイル(ア
ミン当量830、25℃における粘度70cSt)20
部で処理した疎水性シリカ(1)0.9部、微粒子凝集
体(12)0.2部を加え、ヘンシェルミキサーで混合
し、目開き150μmのメッシュで篩った後、トナーを
得た。
【0259】これを実施例1と同様に画像評価した。結
果は表4に示す。
【0260】<実施例13〜15>微粒子凝集体として
微粒子凝集体(13)〜(15)を用いる以外は実施例
12と同様にして、トナーを得た。
【0261】これを実施例1と同様にして画像評価し
た。結果は表4に示す。
【0262】<実施例16> スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 (St/BA=84/16、P1=10100、P2=396000 Mn=7000、Mw=184000) 赤色顔料 4部 ポリエチレンワックス 3部 (分別結晶化ワックス;DSCによる吸熱ピークが112℃) 4級アンモニウム塩 2部 上記材料をヘンシェルミキサーで良く前混合した後、1
40℃に設定した二軸混練押出機によって、溶融混練し
た。得られた混練物を冷却し、カッターミルにて粗粉砕
した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕
し、更に得られた微粉砕粉を風力分級機で分級した。重
量平均粒径8.5μmの分級微粉体(3)を得た。
【0263】得られた分級微粉体(3)100部に、ア
ミノプロピルトリメトキシシランと、ヘキサメチルジシ
ラザンで処理した疎水性シリカ(2)0.8部、微粒子
凝集体(2)0.2部を加え、ヘンシェルミキサーで混
合し、目開き150μmのメッシュで篩った後、トナー
を得た。
【0264】このトナーを市販の複写機FC330(キ
ヤノン株製)に適用して、画像評価した。
【0265】常温・常湿、低温・低湿、高温・高湿の各
環境下1000枚複写して、画像評価試験を行った。各
環境での画像濃度、カブリを評価すると共に、常温・常
湿下での画像中抜けのレベル(文字画像の再現性)を評
価した。中抜けは良いレベルであり、画像濃度はどの環
境下でも、初期及び耐久後でも1.10以上で使用可能
なレベルである。結果は表4に示す。
【0266】<比較例1〜3>微粒子凝集体として、乾
式法で製造された未処理のシリカ微粉体(比表面積約2
00m2/g)を用いて製造した微粒子凝集体(16)
〜(18)を用いる以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを得た。
【0267】これを実施例1と同様に画像評価した。結
果は表4に示す。
【0268】<比較例4>微粒子凝集体として微粒子凝
集体(20)を用いる以外は実施例1と同様にして、ト
ナーを得た。
【0269】これを実施例1と同様に画像評価した。結
果は表4に示す。
【0270】<比較例5>微粒子凝集体を添加しない他
は実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0271】これを実施例1と同様に画像評価した。結
果は表4に示す。
【0272】
【表4】
【0273】
【発明の効果】上述したように、上記成分を含有する本
発明のトナーは、初期から画像濃度が安定し、低温低湿
下から高温高湿下まで、高濃度でカブリのない良好な画
質の画像を提供することができる。
【0274】また本発明のトナーは、転写中抜け等の画
像欠けがなく、飛び散りやオフセット、フィルミングの
ない鮮明な優れた画像を提供することができる。
【0275】また本発明のトナーは、ハーフトーン画像
やベタ黒画像においても、白点状やスジ状の白抜けがな
く、均一な濃度の画像を提供することができる。
【0276】また本発明のトナーは、廃トナーの生産量
が少なく、廃棄物の少なくすることができる。また、廃
トナー回収スペースを小容量化し、省スペース化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦帯電量を測定するための装置の説
明図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有す
    るトナー粒子及び微粒子凝集体を有する静電荷像現像用
    トナーにおいて、 該微粒子凝集体は、シリコーンオイル又はシリコーンワ
    ニスを20〜90質量%含有し、 該微粒子凝集体を形成する微粒子は、少なくとも側鎖に
    窒素原子を有するシランカップリング剤と疎水化剤によ
    り処理されるか、或いは少なくとも側鎖に窒素原子を有
    するシリコーンオイル又はシリコーンワニスにより処理
    されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該微粒子凝集体は、窒素原子を側鎖に有
    していないシリコーンオイル又はシリコーンワニスと、
    窒素原子を側鎖に有するシリコーンオイル又はシリコー
    ンワニスとを合計量で20〜90質量%含有することを
    特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該微粒子凝集体は、鉄粉と混合したとき
    の帯電量が、0〜+100mC/kgであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該微粒子凝集体は、BET比表面積が
    0.01〜50m2/gであることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該トナー粒子は、DSC測定器による吸
    熱ピーク温度が120℃以下であるワックスを含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該微粒子凝集体は、窒素原子を側鎖に有
    するシリコーンオイル又はシリコーンワニスと、窒素原
    子を側鎖に有していないシリコーンオイル又はシリコー
    ンワニスとを合計量で30〜85質量%含有することを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像
    現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該微粒子凝集体が含有しているシリコー
    ンオイルは、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
    ルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーン
    オイル、アルキル変性シリコーンオイル及びフッ素変性
    シリコーンオイルからなるグループから選ばれる1種以
    上のシリコーンオイルを含むことを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該微粒子凝集体が含有している窒素原子
    を側鎖に含有するシリコーンオイルは、アミノ変性シリ
    コーンオイルを含むことを特徴とする請求項2乃至7の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該微粒子凝集体を形成する微粒子が、無
    機微粉体であることを特徴とする請求項1乃至8のいず
    れかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 該微粒子凝集体を形成する微粒子が、
    シリカ微粉体、アルミナ微粉体又はチタニア微粉体であ
    ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 該微粒子凝集体を形成する微粒子が、
    シリカ微粉体であることを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該微粒子凝集体が含有する窒素原子を
    側鎖に有するシリコーンオイル又はシリコーンワニスと
    窒素原子を側鎖に有していないシリコーンオイル又はシ
    リコーンワニスとの質量の比率が1:30〜10:1で
    あることを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記
    載の静電荷像現像用トナー。
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