JPH10141115A - 筒内噴射内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内噴射内燃機関の制御装置

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JPH10141115A
JPH10141115A JP8300483A JP30048396A JPH10141115A JP H10141115 A JPH10141115 A JP H10141115A JP 8300483 A JP8300483 A JP 8300483A JP 30048396 A JP30048396 A JP 30048396A JP H10141115 A JPH10141115 A JP H10141115A
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injection
timing
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和正 飯田
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒内噴射内燃機関の運転状態に拘わらず、そ
の圧縮行程噴射モード時における失火や有害排出ガス成
分の発生を効果的に抑える。 【解決手段】 複数の燃料噴射モードを選択的に切り換
えて運転動作する筒内噴射内燃機関において、圧縮行程
噴射モードにおける燃料の噴射時期を噴射燃料量に応じ
て設定する噴射時期設定手段と、筒内噴射内燃機関の機
関温度に応じて前記燃料噴射時期を補正する手段とを備
える。特に内燃機関の温度が暖機後温度よりも低いと
き、上記燃料噴射時期を遅角補正することで筒内圧力が
高くなった時点で燃料を噴射し、その気化が良好に行わ
れるようにすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筒内噴射内燃機関に
おける圧縮行程噴射モード時の燃料噴射タイミングを最
適設定し、燃費の向上や燃焼の安定化を図ることのでき
る筒内噴射内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近時、内燃機関からの有害排出ガ
ス成分の低減や燃費向上等を図るべく、従来一般的な吸
気管噴射型の内燃機関に代えて燃焼室に燃料を直接噴射
する、所謂筒内噴射ガソリンエンジン(内燃機関)が提
唱され、実用化されている。ちなみに筒内噴射ガソリン
エンジンでは、例えば燃料噴射弁からピストン頂部に設
けたキャビティ内に燃料を噴射することで、その点火時
に点火プラグの周囲に理論空燃比に近い空燃比の混合気
を生成している。これにより全体に希薄な空燃比であっ
ても確実な着火が可能となり、COやHCの排出量を減
少させ、またアイドル運転時や低負荷走行時における燃
費を大幅に向上させることができる。しかも燃料噴射量
を増減させる際にも吸気管による燃料の移送遅れがない
ので加減速応答性を高めることができる。
【0003】しかしその反面、キャビティ内に燃料を直
接噴射するので、例えば要求燃料噴射量が増大する高負
荷運転時に点火プラグの近傍の空燃比がオーバリッチと
なって失火が生じる虞がある。このような問題を解決す
るべく、例えば特開平5−79370号公報や特開平7
−102976号公報には、負荷に応じて圧縮行程噴射
モード(後期噴射モード)と吸気行程噴射モード(前期
噴射モード)とを切り換えることが提唱されている。
【0004】具体的には低負荷運転時には圧縮行程中
に、深皿部や凹状溝からなるキャビティ内に燃料を噴射
することで、点火プラグの周囲に理論空燃比に近い空燃
比(空気と燃料との重量比)の混合気を局部的に形成す
るようにしている[圧縮行程噴射モード]。一方、高負
荷走行時には吸気行程中にキャビティ外に燃料を噴射す
ることで、燃焼室内の全域に亘って均一な空燃比の混合
気を形成し、これによって吸気管噴射型のものと同様に
多量の燃料を燃焼させるようにしている[吸気行程噴射
モード]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで筒内噴射ガソ
リンエンジンでは、燃圧と要求燃料噴射量とに基づいて
燃料噴射弁の開弁時間が設定された後、吸気行程や圧縮
行程中に燃料の噴射が終了するようにその噴射終了時期
が決定される。また噴射開始時期は、上記噴射終了時期
と開弁時間とに基づいて決定される。特に圧縮行程噴射
モードでは、点火時点におけるキャビティ内の燃料を確
実に気化させて不完全燃焼を避けるべく、燃料の気化に
要する時間やその噴霧の拡散に要する時間等を考慮した
上で上記噴射終了時期と噴射開始時期とが決定される。
【0006】しかしながら、圧縮行程噴射モードにおい
ては燃料の気化速度や噴霧の拡散速度はその雰囲気温
度、具体的には内燃機関における筒内温度の影響を受け
て変化し易いことが、本発明者らによる研究により明ら
かとなった。即ち、噴霧をコンパクトに集結させて点火
プラグ近傍に運ぶためには、噴霧が点火プラグに達する
範囲内でその噴射時期を遅角することが好ましい。また
燃料を十分気化させる為には、その噴射時期を進角する
方が好ましい。更に燃料の気化速度は、圧縮圧が高くな
る圧縮上死点に近付く程、気化のための温度確保と言う
面で有利である。これらの原因により、設定すべき最適
噴射時期は内燃機関温度によって変化する。
【0007】この為、例えば暖機運転時のように内燃機
関温度が低いような場合、燃料の気化が不十分になる等
して点火プラグの周囲に最適な空燃比の混合気が局部的
に形成され難くなり、燃焼不良(失火)が生じたり、有
害排出ガス成分が多少増えることがあった。これ故、従
来では専ら暖機時には、最適噴射時期が変化することで
燃焼に与える影響を受けやすい圧縮行程噴射モードを禁
止し、吸気行程噴射モードを設定するようにしている。
しかし燃費等の観点から暖機時においても圧縮行程噴射
モードを設定して、有害排出ガス成分の低減や燃費向上
等を図ろうとする要求が強い。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、筒内噴射内燃機関の運転状態に
拘わらず、その圧縮行程噴射モード時における失火や有
害排出ガス成分の発生を効果的に抑えることのできる筒
内噴射内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、主として圧縮行程で燃料を噴射する圧縮
行程噴射モードを含む複数の燃料噴射モードを、運転状
態に応じて選択的に切り換え可能な筒内噴射内燃機関の
制御装置に係り、特に圧縮行程噴射モードにおける燃料
の噴射時期を噴射燃料量に応じて設定する噴射時期設定
手段と、前記筒内噴射内燃機関の機関温度を検出する温
度検出手段と、検出された機関温度に応じて前記噴射時
期設定手段にて求められた燃料噴射時期を補正する補正
手段とを具備したことを特徴としている。
【0010】つまり圧縮行程噴射モードが設定されたと
き、該圧縮行程噴射モードにおいて基準となる燃料噴射
時期を噴射燃料量に応じて設定すると共に、筒内噴射内
燃機関の温度を、例えばエンジン冷却水温度として検出
し、この温度に応じて上記燃料噴射時期を筒内噴射内燃
機関に固有な特性に応じて補正することで、該筒内噴射
内燃機関の温度に拘わることなしに点火時における燃料
の気化状態や噴霧の拡散状態を最適化し、点火プラグ周
辺に局部的で、且つ理想的な空燃比の混合気を形成して
失火や有害排出ガス成分の発生を効果的に抑えるように
したことを特徴とするものである。
【0011】特に請求項2に示すように前記噴射時期設
定手段においては筒内噴射内燃機関の暖機後の定常運転
状態における燃料噴射時期を算出するものとし、この燃
料噴射時期を基準として、前記補正手段においては少な
くとも機関温度が暖機後温度よりも低いとき、上記燃料
噴射時期を、筒内噴射内燃機関に固有な特性に応じて進
角補正または遅角補正することを特徴としている。
【0012】更に請求項3に示すように前記補正手段に
燃料噴射時期に対する進角または遅角補正量の最大値を
規定する手段を設け、これによって圧縮行程噴射モード
を逸脱するような過度な遅角補正を防ぐようにしたこと
を特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る筒内噴射内燃機関の制御装置について説
明する。図1は筒内噴射内燃機関の全体的なシステム構
成図であり、図2は筒内噴射内燃機関(ガソリンエンジ
ン)の要部縦断面図である。これらの各図において1は
実施形態に係る自動車用の筒内噴射型直列4気筒ガソリ
ンエンジン(以下、エンジンと略記す)であり、燃焼室
を始めとして吸気装置やEGR装置等が筒内噴射専用に
設計されている。
【0014】即ち、この実施形態の場合、エンジン1の
シリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ3と共に
電磁式の燃料噴射弁4が取り付けられており、燃焼室5
内に燃料が直接噴射されるようになっている。またシリ
ンダ6に上下摺動自在に保持されたピストン7の頂面に
は、その圧縮行程の後期に燃料噴射弁4からの燃料噴霧
が到達する部位に位置して半球状のキャビティ8が形成
されている。ちなみにこのエンジン1の圧縮比は、一般
的な吸気管噴射型のものに比べて高く(本実施形態では
12程度)設定されている。また動弁機構としてはDO
HC4弁式のものが採用されており、シリンダヘッド2
の上部には吸排気弁9,10をそれぞれ駆動するべく、
吸気側カムシャフト11と排気側カムシャフト12とが
それぞれ回転自在に保持されている。
【0015】一方、シリンダヘッド2には上記両カムシ
ャフト11,12の間を抜けるようにして略直立方向に
吸気ポート13が形成されている。この吸気ポート13
を通過した吸気流が燃焼室5内で、後述する逆タンブル
流を発生させる。また排気ポート14については通常
(吸気管噴射型)のエンジンと同様に略水平方向に形成
されているが、該排気ポート15の斜め下方には大径の
EGRポート15(図2には図示せず)が分岐して設け
られている。
【0016】尚、図中16はエンジン冷却水温Twを検
出する水温センサであり、17は各気筒の所定のクラン
ク位置(例えばBTDC5°およびBTDC75°)でクランク
角信号SGTを出力するベーン型のクランク角センサ、
また19は点火プラグ3に高電圧を出力する点火コイル
である。またクランクシャフトの半分の回転数で回転す
るカムシャフトには、気筒判別信号SGCを出力する気
筒判別センサ(図示せず)が取り付けられ、上記クラン
ク角信号SGTがどの気筒のものかが判別されるように
なっている。
【0017】さて図2に示すように吸気ポート13に
は、サージタンク20を有する吸気マニホールド21を
介して、エアフローセンサ32,エアクリーナ22,ス
ロットルボディ23,およびステップモータ式の第1の
エアバイパスバルブ(#1ABV)24を備えた吸気管
25が接続されている。更にこの吸気管25には、スロ
ットルボディ23を迂回して前記吸気マニホールド21
に吸入気を導入する大径のエアバイパスパイプ26が併
設されており、その管路にはリニアソレノイド式で大型
の第2のエアバイパスバルブ(#2ABV)27が設け
られている。尚、エアバイパスパイプ26は前記吸気管
25に準ずる流路面積を有したもので、第2のエアバイ
パスバルブ(#2ABV)27の全開時にはエンジン1
の低中速域で要求される量の吸入気を適宜流通させる役
割を担っている。
【0018】また前記スロットルボディ23には、その
流路を開閉するバタフライ式のスロットルバルブ28と
共に、スロットルバルブ28の開度θTHを検出するスロ
ットルセンサ29と、該スロットルバルブ28の全閉状
態を検出するアイドルスイッチ30とが設けられてい
る。尚、実際にはスロットルセンサ29からは開度θTH
に応じたスロットル電圧VTHが出力され、このスロット
ル電圧VTHに基づいてスロットルの開度θTHが認識され
る。また前記エアフローセンサ32は吸入空気量Qaを
検出するものであって、例えばカルマン渦式エアフロー
センサが使用される。尚、上記吸入空気量Qaについて
は、サージタンク20にブースト圧センサを取り付け、
このブースト圧センサにより検出される吸入管圧力から
求めるようにしても良い。
【0019】更に前記排気ポート14には、O2センサ
40が取付けられた排気マニホールド41を介して、三
元触媒42や図示しないマフラー等を備えた排気管43
が接続されている。また前記EGRポート15は、大径
のEGRパイプ44を介して吸気マニホールド21の上
流に接続されており、その管路にはステップモータ式の
EGRバルブ45が設けられている。
【0020】さて図示しない車体後部に設置された燃料
タンク50に貯留された燃料は、電動式の低圧燃料ポン
プ51により吸い上げられ、低圧フィードパイプ52を
介してエンジン1側に送給される。この低圧フィードパ
イプ52内における供給燃料の圧力(燃圧)は、リター
ンパイプ53の管路に介装された第1の燃圧レギュレー
タ54により比較的低圧(低燃圧)に設定されている。
そしてエンジン1側に送給された燃料は、シリンダヘッ
ド2に取り付けられた高圧燃料ポンプ55から高圧フィ
ードパイプ56,更にはデリバリパイプ57を介して前
記各燃料噴射弁4に送給される。
【0021】尚、デリバリパイプ57内の燃圧は、リタ
ーンパイプ58の管路に介装された第2の燃圧レギュレ
ータ59によって比較的高圧(高燃圧)に調圧される。
この第2の燃圧レギュレータ59に取付けられた電磁式
の燃圧切換弁60は、オン状態で燃料をリリーフしてデ
リバリパイプ57内の燃圧を低燃圧に低下させる役割を
担う。また高圧燃料ポンプ55の潤滑や冷却等を行った
燃料は、リターンパイプ61を介して燃料タンク50に
還流される。
【0022】さて前記エンジン1の総合的な制御を司る
エンジン制御ユニット(ECU)70は、図示しない入
出力装置,制御プログラムや制御マップ等を記憶した記
憶装置(ROM,RAM等),中央処理装置(CP
U),タイマカウンタ等を備えて構成される。そしてE
CU70は、前述した各種のセンサ類からの検出情報を
入力し、燃料噴射モードや燃料噴射量を始めとして、点
火時期やEGRガスの導入量等を決定し、燃料噴射弁4
や点火コイル19,EGRバルブ45等をそれぞれ駆動
制御する。またこのECU70には、図示しない多数の
スイッチやその他のセンサ類が接続されると共に、各種
警告灯や機器類等が接続されている。
【0023】次に上述した如く構成される筒内噴射内燃
機関(エンジン)における基本的なエンジン制御の流れ
について簡単に説明する。冷機時においてイグニッショ
ンキーをオン操作すると、ECU70は低圧燃料ポンプ
51と燃圧切換弁60とをオンにし、燃料噴射弁4に低
燃圧の燃料を供給する。この状態でイグニッションキー
をスタート操作すると、図示しないセルモータによりエ
ンジン1がクランキングされ、同時にECU70の制御
の下で燃料噴射制御が開始される。但し、この時点にお
いては燃料の気化率が低く、しかも燃圧も低いので、E
CU70は比較的リッチな空燃比となるように燃料を噴
射する。またこの始動時にはECU70によって第2の
エアバイパスバルブ27が閉鎖しているため、燃焼室5
への吸入気はスロットルバルブ28の隙間や第1のエア
バイパスバルブ24から供給される。尚、第1および第
2のエアバイパスバルブ24,27はECU70により
一元管理されており、これらの開弁量はスロットルバル
ブ28を迂回する吸入気(バイパスエア)の必要導入量
に応じてそれぞれ決定される。
【0024】始動が完了してエンジン1がアイドル運転
を開始すると、高圧燃料ポンプ55が定格の吐出作動を
始める、これを受けてECU70は燃圧切換弁60をオ
フにして燃料噴射弁4に高圧の燃料を供給する。そして
エンジン冷却水温Twが所定値に上昇するまで、ECU
70は始動時と同様に燃料を噴射してリッチな空燃比を
確保すると共に、第2のエアバイパスバルブ27も継続
して閉鎖する。ちなみにエア・コンディショナ等の補助
機能品類の負荷の増減に応じたアイドル回転数の制御
は、吸気管噴射型と同様に第1のエアバイパスバルブ2
4によって行われる。更に所定サイクルが経過してO2
センサ40が活性化された場合、ECU70はO2セン
サ40の出力電圧に応じて空燃比フィードバック制御を
開始し、有害排出ガス成分を三元触媒42により浄化さ
せる。このように冷機時においては吸気管噴射型エンジ
ンの場合と略同様の燃料噴射制御が行われる。
【0025】一方、エンジン1の暖機が終了すると、E
CU70は吸入空気量Qa、またはスロットル開度θTH
等から得た目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neと
に基づき、例えば図3に示す燃料噴射制御マップから現
在の燃料噴射制御領域を検索する。そして燃料噴射モー
ド、および燃料噴射量と燃料噴射時期とをそれぞれ決定
して燃料噴射弁4を駆動する。更にはこれに関連して第
1および第2のエアバイパスバルブ24,27やEGR
バルブ45の開閉制御等も行う。尚、当然のことである
が、燃料噴射量は燃料噴射弁4の開弁時間幅と比例関係
にある。
【0026】ちなみにアイドル運転時や低速走行時等の
低負荷域においては、図3のマップに示されるように圧
縮リーン域となるため、ECU70は圧縮行程噴射モー
ドを選択する。そして第2のエアバイパスバルブ27を
開放し、リーンな平均空燃比(例えば30〜40程度)
となるように燃料を噴射する。するとこの時点における
燃料の気化率が上昇しているので、吸気ポート13から
流入した吸気流は逆タンブル流を形成し、その燃料噴霧
はピストン7のキャビティ8内に保存される。その結
果、点火時点においては点火プラグ3の周囲には理論空
燃比近傍の混合気が層状に形成されることになり、全体
としてリーンな空燃比でも着火が可能となる。この状態
における補助機能品類の負荷の増減に応じたアイドル回
転数の制御は、例えば燃料噴射量を増減させることによ
り行われる。またこの制御領域においては、ECU70
はEGRバルブ45を開放し、燃焼室5内に大量(例え
ば30%以上)のEGRガスを導入することによりNO
xの大幅な低減を図る。
【0027】これに対して定速走行時等の中負荷域で
は、その負荷状態やエンジン回転速度Neに応じて図3
における吸気リーン域、或いはストイキオフィードバッ
ク域となるので、ECU70は吸気行程噴射モードを選
択し、所定の空燃比となるように燃料を噴射する。即
ち、吸気行程噴射モードの吸気リーン域にあっては、比
較的リーンな空燃比(例えば20〜23程度)となるよ
うに第1および第2のエアバイパスバルブ24,27の
開弁量と燃料噴射量とを制御する。またストイキオフィ
ードバック域では、第2のエアバイパスバルブ27とE
GRバルブ45とを開閉制御し、O2センサ40の出力
電圧に応じて空燃比フィードバック制御を行う。
【0028】この場合、吸気ポート13から流入した吸
気流が形成する逆タンブル流による乱れの効果によって
リーンな空燃比でも着火が可能となる。またストイキオ
フィードバック域では、その有害排出ガス成分を三元触
媒42により浄化すると共にEGRバルブ45を制御
し、燃焼室5内に適量のEGRガスを導入することによ
り、有害排出ガスとして発生するNOx等の低減が図ら
れる。
【0029】そして急加速時や高速走行時等の高負荷域
にあっては、図3に示すオープンループ制御域となるた
め、ECU70は前期噴射モードを選択して第2のエア
バイパスバルブ27を閉鎖し、スロットル開度θTHやエ
ンジン回転速度Ne等に応じて比較的リッチな空燃比と
なるように燃料を噴射する。尚、中高速走行中の惰行運
転時は図3に示す燃料カット域となる為、ECU70は
燃料噴射を停止する。この燃料カットはエンジン回転速
度Neが復帰回転速度より低下した場合や、アクセルペ
ダルが踏み込まれた際、即座に中止される。
【0030】さて基本的には上述した如く、運転状態に
応じて複数の燃料噴射モードが選択的に切り換え設定さ
れる筒内噴射内燃機関において、本発明の一実施形態に
係る圧縮行程噴射モード時における燃料噴射時期の設定
と、エンジン冷却水温Tw等から検出される内燃機関温
度に基づく上記燃料噴射時期の補正は次のようにして行
われる。
【0031】図4はその制御手順の一例を示すもので、
内燃機関の運転状態を検出することから開始される[ス
テップS1]。この運転状態の検出は、前述した各気筒
に対応したクランク角信号SGTや気筒判別信号SGC
に基づいてクランクの回転に対する特定気筒を判別する
と共にエンジン回転数Neを検出し、またスロットルバ
ルブ28の開度θTHやその全閉状態を検出し、更には吸
入空気量Qaを検出する等して行われる。このような運
転状態の検出結果に従って内燃機関の負荷状態が判定さ
れ、前述した複数の燃料噴射モードが選択的に設定され
る。
【0032】しかる後、どの燃料噴射モードが設定され
ているか、或いはどの燃料噴射モードを選択すべきかの
判定が行われ[ステップS2]、圧縮行程噴射モードが
設定されている場合には、以下に示す圧縮行程燃料噴射
の制御を行う。尚、前述した吸気行程噴射モードやスト
イキオ域での空燃比フィードバック制御モードが選択設
定された場合、これらの各モードに応じた制御が実行さ
れるが、ここでは本発明の要旨と直接関係がないのでそ
の説明を省略する。
【0033】さて圧縮行程噴射モードが設定されると、
先ず基準となる燃料の噴射時期および点火時期の計算が
行われる[ステップS3]。この燃料噴射時期および点
火時期の計算は、エンジンが暖機運転後の定常運転状態
であることを前提として、筒内に噴射する燃料噴射量等
に従い、点火プラグの周囲やキャビティ内に理論空燃比
に近い空燃比(空気と燃料との重量比)の混合気が局部
的に形成されるようなタイミングとして計算され、その
タイミングが設定される。
【0034】即ち、エンジンが定常運転状態にあること
を前提として、燃圧と要求燃料噴射量とから、その燃料
量を筒内に噴射するに必要な燃料噴射弁の開弁時間を求
め、圧縮行程中に燃料の噴射が終了するようにその噴射
終了時期を決定する。しかる後、決定された噴射終了時
期と前記開弁時間とに基づいて燃料の噴射開始時期を決
定し、また前記噴射終了時期に基づいて点火時期を決定
する。特にこの圧縮行程噴射モードでは筒内における燃
料の気化に要する時間やその噴霧の拡散に要する時間等
を考慮し、点火時点におけるキャビティ内の燃料が確実
に気化し、且つその噴霧が広く拡散することなく点火プ
ラグの周囲に集まって局部的に理論空燃比近傍の混合気
が層状に形成されるようなタイミングとして前記燃料の
噴射時期と点火時期とが決定される。
【0035】以上のようにしてエンジンが定常運転状態
にあることを前提とした圧縮行程噴射モードにおける燃
料噴射時期Tinjと点火時期Tigとが基準タイミングと
して設定されたならば、次に実際の機関温度の検出が行
われる[ステップS4]。この機関温度の検出は、具体
的には前述したエンジン冷却水温Twを検出することに
よってなされる。そしてこの検出した機関温度(エンジ
ン冷却水温Tw)に従い、雰囲気によって変化する燃料
の気化率や拡散度に起因する点火プラグ周囲の混合気の
状態変化を補正するべく、前記燃料噴射時期Tinjと点
火時期Tigとに対する補正演算を行う[ステップS
5]。
【0036】この補正演算は、例えば図5(a),(b),
(c)に示すように予めエンジンに固有な特性として求め
られた、エンジン冷却水温Twに対して設定される前記
燃料噴射時期Tinjと点火時期Tigの進角・遅角補正量
Tと、エンジン回転数Neに応じて設定される補正係数
K1、エンジン負荷に応じて設定される補正係数K2とに
基づいて、 Tinj = Tinj + T・K1・K2 Tig = Tig + T・K1・K2 なる補正演算を施すことによってなされる。尚、この例
では燃料噴射時期Tinjに対する補正処理と点火時期Ti
gに対する補正処理とを同一の補正量を用いて補正する
ものとなっているが、これらに対する補正量を相互に関
連させながら別々に設定することも勿論可能である。
【0037】即ち、燃料の噴射時期に応じた筒内におけ
る燃料気化率と燃料層状度について考察すると、その特
性はエンジン形式に応じて若干異なり、ある形式のエン
ジンにおいては図6(a),(b)に示すような特性とな
り、また別の形式のエンジンにおいては図7(a),(b)
に示すような特性となる。尚、図6(a)および図7(a)
は燃料噴射時期に応じた燃料気化率、つまり或る噴射時
期に筒内に噴射した燃料が点火プラグによって点火され
るまでにどの程度気化されているを示している。また図
6(b)および図7(b)は燃料噴射時期に応じた燃料層状
度、つまり或る噴射時期に筒内に噴射した燃料が、燃焼
室の一部に縮小した噴霧として形成されているか(層状
度が大)、或いは燃焼室の全体に亘って均一に拡散して
いるか(層状度が小)を示している。
【0038】しかして図6(a),(b)に示す特性を持つ
エンジンにあっては、機関温度が高温である程、燃料噴
射時期が進角(アドバンス)すれば、その気化率が向上
することが示される。つまり燃焼室に吸入される空気の
温度が高いために燃料が気化し易く、気化時間を多く確
保するように燃料噴射時期を進角すると、その気化率が
益々向上することが示される。また機関温度が低温の場
合には、燃料噴射時期に拘わらず燃料の気化率が殆ど変
化せず、燃料噴射時期を遅角(リタード)しても、燃料
の気化率のさほど大きく悪化しないことが示される。つ
まり燃焼室に吸入される空気の温度が低いために燃料が
気化し難く、燃料の気化を促進する要因は、むしろ燃焼
室に吸入された空気の圧縮による温度上昇によると考え
られる。従ってこのような低温時には、燃料の噴射時期
を遅角させても、燃料の気化率にはさほど影響が生じな
いと言える。
【0039】これに対して燃料の層状度は、機関温度に
拘わらず略同等であり、燃料の噴射時期を遅角させた場
合、燃料層状度が大きくなる傾向がある。尚、圧縮行程
噴射モードにおいては、所定の層状度以下では燃焼条件
が成立しないため、所定の層状度以上となるように燃料
の噴射時期を設定する必要がある。しかし燃料の噴射時
期に応じた層状度は、エンジンの製造誤差やその経年変
化に伴って変化するので、実際的には所定の層状度を得
ようとする場合、或る程度の余裕を見込んで燃料の噴射
時期を設定することが必要である。
【0040】以上のことを勘案した場合、図6(a),
(b)に示す特性を持つエンジンにあっては、高温時にお
ける最適燃料噴射時期は、燃料気化率が或る程度確保さ
れ、且つ層状度があまり低下しない範囲に設定すること
が望ましい。但し、この最適燃料噴射時期はエンジン形
式等によって変化するので、図6(a),(b)に例示する
タイミングよりも進角側、或いは遅角側に設定する場合
も勿論あり得る。しかし低温時においては、上述した最
適燃料噴射時期に燃料を噴射すると、その気化率が高温
時に比較して大幅に低下しているので、燃焼が不安定に
なる虞がある。従ってこの場合には、燃料噴射時期を遅
角することで燃料層状度の向上を図れば、低温時におけ
る燃料噴射時期の遅角による気化率の悪化が殆どないこ
とから、燃料層状度の向上分だけ燃焼の安定化を図るこ
とが可能となる。
【0041】これに対して図7(a),(b)に示す特性を
持つエンジンにあっては、先のエンジンと同様に機関温
度が高温であれば、燃料噴射時期を進角(アドバンス)
すればその気化率が向上することが示される。しかし機
関温度が低温の場合には、燃料噴射時期を進角すること
で、高温時の場合程ではないが、その気化率が若干向上
する。つまり燃焼室に吸入された空気の圧縮による温度
上昇による気化率の向上効果が、前述したエンジンより
も若干高いと言える。具体的には、前記図6(a),(b)
に示す特性を持つエンジンに比較して、例えば燃料の筒
内流動が比較的小さく、低温時であると雖も燃料が、比
較的断熱された筒内空気によって気化されるので、燃料
噴射時期の進角によりその気化時間を長くすることで、
気化率を高め得ると考えられる。
【0042】またこのエンジンにおける層状度は、機関
温度に拘わらず略同等であり、また燃料噴射時期を或る
程度遅角しても層状度に殆ど変化がないことが示され
る。特にこのような傾向は、燃料の筒内流動が比較的小
さいエンジンにおいて顕著である。従ってこの図7
(a),(b)に示す特性を持つエンジンにあっては、前述
したエンジンと同様に、高温時における最適燃料噴射時
期は、燃料気化率が或る程度確保され、且つ層状度があ
まり低下しない範囲に設定することが望ましいと言え
る。その反面、機関温度が低い場合には、燃料噴射時期
を進角して燃料気化率を少しでも向上させれば、この燃
料噴射時期の進角による層状度の悪化が殆どないので、
その分、燃焼の安定化を図ることが可能となる。
【0043】前述した燃料噴射時期の補正は、このよう
な観点に立脚してなされるもので、エンジンの形式に応
じて予め求められている図5(a),(b),(c)に示す如き
補正関数に基づいて実行される。この補正関数である、
エンジン冷却水温Twに対する進角・遅角補正量Tにつ
いて簡単に説明すると、このエンジンの場合、上記進角
・遅角補正量Tは、例えば図5(a)に例示するようにエ
ンジン1が安定動作する暖機後水温を基準としてエンジ
ン冷却水温Twが上記暖機後水温よりも低い場合には、
燃料噴射時期Tinjを遅角(リタード)した方が、燃焼
の安定化を図り得ることが示される。また逆にエンジン
冷却水温Twが上記暖機後水温を或る程度越えて高くな
った場合には、燃料噴射時期Tinjを進角(アドバン
ス)した方が、燃焼の安定化を図り得ることが示され
る。燃料噴射時期Tinjに対する進角/遅角の補正量T
は、基本的には図5(a)に示すようなエンジンに固有な
特性に基づき、機関温度(エンジン冷却水温Tw)に応
じて決定される。尚、この進角/遅角補正量Tは、圧縮
行程噴射を実現する所定の条件下でその最大値が規定さ
れた上で設定される(クリップ制御)。
【0044】一方、エンジン回転数Neに関する補正係
数K1、およびエンジン負荷に関する補正係数K2は、エ
ンジンの運転状態に応じて前記進角/遅角補正量Tをそ
れぞれ補正する為のものである。これらの補正係数K1,
K2についても、エンジンに固有な特性として予め求め
られる。特に補正係数K1は、エンジン回転数Neが或る
回転数以上となったとき、進角/遅角補正量Tを増大さ
せる如く設定されている。また補正係数K2は、エンジ
ン負荷が或る程度以上に大きくなったとき、進角/遅角
補正量Tを減少させる如く設定されている。
【0045】前述したステップS5に示す補正演算で
は、先ず前記図5(a)に示す特性に従って、エンジンの
安定動作状態における圧縮行程噴射モードにおいて最適
化された燃料噴射時期Tinjを、更に最適化すべき補正
量Tを、前記エンジン冷却水温Twに基づいて求めてい
る。この補正量はクランク角を基準とした進角/遅角時
間T、例えばCA5°,CA10°等として求められる。そ
の上でこの進角/遅角時間Tを、前述した如くエンジン
回転速度やエンジン負荷の状況に応じて補正するべく図
5(a)(b)に示す特性からその補正係数K1,K2を求
め、これを前記進角/遅角時間Tに乗じることにより、
前記燃料噴射時期Tinjに対する補正量を決定する。
【0046】この際、筒内に噴射した混合気の塊が拡散
する前にこれを点火するように点火時期Tigを設定す
る。具体的には上述した如く進角/遅角補正したタイミ
ングで噴射した燃料が、筒内で十分に気化する時間を確
保し、且つ確実に点火して安定な燃焼を実現するべく、
点火時期Tigについても前述したエンジン冷却水温Tw
に応じて進角/遅角制御する。
【0047】尚、上述したようにして燃料噴射時期を遅
角補正した場合、噴射燃料がピストン7の頂面のキャビ
ティ8に衝突し易くなるが、その噴射タイミングが前述
したように筒内圧力が高い状態であるので燃料は直ぐに
気化して混合気を形成する。従って噴射燃料がキャビテ
ィ8等に付着して燃焼悪化が生じる等の不具合が生じる
ことがない。
【0048】以上のようにしてエンジン冷却水温Twに
応じて燃料噴射時期Tinjおよび点火時期Tigを進角/
遅角補正してそのタイミングが決定されたならば、その
設定されたタイミングの下で圧縮行程噴射モードでの燃
料噴射制御および点火制御を実行する[ステップS
6]。そして燃料噴射モードが変更されるまで、エンジ
ン冷却水温Twの変化に応じて上記補正量を変えながら
圧縮行程噴射モードでのエンジン1の運転を行うことに
なる。
【0049】かくして上述した如く圧縮行程噴射モード
時における燃料噴射時期Tinjおよび点火時期Tigを内
燃機関温度(エンジン冷却水温Tw)に応じて補正し、
空燃比が最適化された状態の混合気を安定に形成した上
で点火するように制御を実行する本装置によれば、例え
ばエンジン始動直後の暖機時であって機関温度が低い場
合であっても筒内に噴射した燃料を確実に燃焼させるこ
とが可能となる。
【0050】図8(a),(b)に内燃機関が低温(35
℃)であるときの圧縮行程噴射モードにおける失火頻度
とNOx排出量の実験例を示すように、内燃機関が暖機
運転後の定常動作状態にある時を想定して計算される燃
料噴射時期および点火時期の下でその制御を行う場合に
比較して、燃料噴射時期および点火時期をリタード補正
(例えば5°リタード,8°リタード)することにより
失火の頻度を抑えることができ、またNOxの排出量も
抑えることが可能となる。特に上述した燃料噴射時期T
injおよび点火時期Tigの補正制御に加えてEGR量の
補正制御を加えることにより、例えば失火頻度を更に低
く抑えることが可能となる等の効果が奏せられる。つま
り暖機運転を行う低温時であっても、燃料噴射時期およ
び点火時期を遅角(リタード)補正することで効果的な
圧縮行程噴射モードによる運転を実現することができ、
燃費の向上を図ることが可能となる。
【0051】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば燃料噴射時期および点火時期に
対する進角/遅角補正量は、内燃機関の仕様や燃料の性
状に応じて定めれば良いものである。また上記進角/遅
角補正量の最大値については圧縮行程噴射モードの条件
を逸脱しないタイミングの範囲で設定すれば良く、回転
数や負荷に基づく補正係数K1,K2についても、内燃機
関の運転特性等に応じて定めれば良い。またエンジン冷
却水温についても補正量Tや上記補正係数K1,K2につ
いては、予めテーブル上にマッピングしておき、そのマ
ップデータから求めるようにしても良い。その他、本発
明はその要旨の範囲で種々変形して実施することができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主
として圧縮行程で燃料を噴射する圧縮行程噴射モードを
含む複数の燃料噴射モードを、運転状態に応じて選択的
に切り換え可能な筒内噴射内燃機関において、内燃機関
が安定動作状態にあるときの圧縮行程噴射モードにおけ
る燃料噴射時期を噴射燃料量に応じて設定すると共に、
前記筒内噴射内燃機関の機関温度に応じて前記燃料噴射
時期を補正する手段を備えているので、筒内噴射内燃機
関の温度に拘わることなしに点火時における燃料の気化
状態や噴霧の拡散状態を最適化し、その燃焼の安定化・
確実化を図ることがでる。そして失火や有害排出ガス成
分の発生を効果的に抑えながら、燃費の向上を図ること
ができる。特に内燃機関温度が低温の暖機運転時での圧
縮行程噴射モードによる運転を可能とすると言う、実用
上多大な効果が奏せられる。
【0053】また請求項2に示すように機関温度が暖機
後温度よりも低いとき、エンジン固有の特性に応じて燃
料噴射時期を進角/遅角補正するので、簡易にして効果
的に安定な燃焼(運転)を実現することができる。更に
は請求項3に示すように進角/遅角補正量の最大値を規
定する手段を備えるので、圧縮行程噴射モードを逸脱す
るような過度な進角/遅角補正を効果的に防ぐことがで
き、安定した圧縮行程噴射モードによる運転を実現し得
る効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る筒内噴射内燃機関の
全体的なシステム構成図。
【図2】本発明の実施形態に係る筒内噴射ガソリンエン
ジンの要部縦断面図。
【図3】筒内噴射ガソリンエンジンにおける燃料噴射制
御の動作域の例を示す図。
【図4】実施形態に係る圧縮行程噴射モードにおける燃
料噴射時期および点火時期の制御手順の例を示す図。
【図5】図4に示す制御処理において用いられる補正デ
ータの例を示す図。
【図6】或る形式のエンジンにおける、燃料噴射時期に
対する燃料気化率と燃料層状度の関係を示す図。
【図7】別の形式のエンジンにおける、燃料噴射時期に
対する燃料気化率と燃料層状度の関係を示す図。
【図8】低温時における燃料噴射時期および点火時期の
遅角制御による効果を示す失火頻度およびNOx排出量
についての特性図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 シリンダヘッド 3 点火プラグ 4 燃料噴射弁 5 燃焼室 6 シリンダ 7 ピストン 8 キャビティ 13 吸気ポート 70 ECU

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として圧縮行程で燃料を噴射する圧縮
    行程噴射モードを含む複数の燃料噴射モードを運転状態
    に応じて選択的に切り換え可能な筒内噴射内燃機関であ
    って、 前記圧縮行程噴射モードにおいて基準とする燃料噴射時
    期を噴射燃料量に応じて設定する噴射時期設定手段と、
    前記筒内噴射内燃機関の機関温度を検出する温度検出手
    段と、検出された機関温度に応じて前記噴射時期設定手
    段にて求められた燃料噴射時期を補正する補正手段とを
    具備したことを特徴とする筒内噴射内燃機関の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記噴射時期設定手段は、前記筒内噴射
    内燃機関の暖機後の定常運転状態における燃料噴射時期
    を算出するものであって、前記補正手段は、少なくとも
    機関温度が暖機後温度よりも低いとき、筒内噴射内燃機
    関に固有な特性に応じて前記燃料噴射時期を進角補正ま
    たは遅角補正することを特徴とする請求項1に記載の筒
    内噴射内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、燃料噴射時期に対する
    進角または遅角の補正量の最大値を規定する手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射内燃
    機関の制御装置。
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