JPH10132157A - 耐摩耗・耐高温性の可とう性ホース - Google Patents

耐摩耗・耐高温性の可とう性ホース

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JPH10132157A
JPH10132157A JP8284985A JP28498596A JPH10132157A JP H10132157 A JPH10132157 A JP H10132157A JP 8284985 A JP8284985 A JP 8284985A JP 28498596 A JP28498596 A JP 28498596A JP H10132157 A JPH10132157 A JP H10132157A
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silicone rubber
resistant
sintered
reinforcing layer
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JP8284985A
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English (en)
Inventor
Shizuo Yokobori
志津雄 横堀
Kenji Noda
憲治 野田
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温流体の搬送に対し十分な耐熱シール性
と、耐摩耗・耐圧疲労性を備え、加工の極めて容易な可
とう性ホースを提供する。 【解決手段】 焼結リング2からなる流体通過内面層3
の外周部に、シリコーンゴムの中間層4、金属線5aの
編組構造5からなる耐圧補強層6、およびシリコーンゴ
ムの外被層7を順次積層し、中間層4および外被層7に
おける未加硫シリコーンゴムを内面層3の焼結リング
間、および補強層6の金属線間に介在させて加硫成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は耐摩耗・耐高温性
の可とう性ホースに関し、特に高温反応炉中の粉粒体な
ど摩耗性に富む高温流体の吸引移送や高圧圧送に好適に
使用される可とう性ホースの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐摩耗性焼結リングの所要数
をホース軸線方向に一定間隔で配列してなる内面層と、
該内面層の外周部に積層されて前記焼結リング間からの
流体の漏れを防止するゴム状エラストマーからなる中間
層と、該中間層の外側に積層された有機繊維やスチール
コードからなる耐圧補強層とを備えた耐摩耗・耐高温性
の可とう性ホースはよく知られ、すでに実用化されてい
る。
【0003】例えば、実公平3−2792号公報に開示
の焼結耐摩材内層を有する可とう性ホースは、前記遊嵌
状態に連結された焼結リング間の段差連結部に耐熱性に
富むシリコーンゴムまたは発泡シリコーンゴムを介在さ
せることにより、エラストマーからなる中間層への高温
流体の接触を防止して耐熱性の向上を図り、かつ焼結リ
ング間の円滑な摺動を意図したものである。
【0004】また、特公平3−59317号公報には、
同じく遊嵌状態に連結された焼結リング間および該リン
グと端部リングとの間のくぼみ部にシリコーンゴムを充
填して連結し、その外側に、予めシリコーンゴムを含浸
させ内外を十分なゴム層にて連結したシリコーンゴム結
合芳香族ポリアミド系繊維布を補強材として被覆してな
る高温用耐摩耗ホースが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の例にみられる焼
結耐摩材内面層を有する可とう性ホースは、いずれも耐
熱性に富むシリコーンゴムを焼結リング嵌合部の連結材
として、或いは、更に補強材の被覆用ゴムとして使用す
ることにより、ホースに優れた可とう性のみならず耐熱
性を付与することに一応の成果を収めてきたといえる。
【0006】ところが、実公平3−2792号公報に開
示の可とう性ホースは、その中間層と外被層に通常のエ
ラストマーが使用されているので、高温に熱せられたセ
ラミック内面層からの伝熱による熱劣化を防止すること
ができず、耐熱性に限界があるという欠点があった。
【0007】一方、特公平3−59317号公報に開示
の可とう性ホースは、芳香族ポリアミドからなる有機系
繊維布を補強材とするので、金属製補強材に比べると熱
劣化し易く、耐熱性、耐圧性に劣るという品質上の問題
に加え、焼結リングの連結用ゴムおよび繊維布の被覆用
ゴムとして、常温硬化型の流動性(液状)シリコーンゴ
ムを使用しているので、連結材や被覆ゴムを所定の寸
法、厚みに成形し難く、加工時の精度と作業性に劣ると
いう難点があった。
【0008】この発明の目的は、この種のホースの有す
る上記問題点を解消すべく成されたものであって、高温
流体の搬送に対し十分な耐熱シール性、耐摩耗、耐圧
性、および耐疲労性に優れた可とう性ホースを提供する
ことにある。また、本発明の別の目的は、上記目的に加
え、製造時の加工性に優れた可とう性ホースを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意研究した結果、耐摩耗性のホースと
して、内面層には焼結材をリング状に形成した焼結リン
グを使用することを前提として、200℃を越える温度
領域で使用可能なゴム状弾性体としては耐熱性に優れた
シリコーンゴムを使用するのが最適であり、また、耐圧
補強層の材質としては、従来のようなポリアミド系繊維
布を使用するよりも金属線の編組構造を採用する方が強
度的にも優れているとの知見が得られた。
【0010】ただ、シリコーンゴムは異材質との接着性
が小さく、単に焼結リングを多数配列した流体通過内面
層と、シリコーンゴムの中間層と、金属線編組構造の耐
圧補強層とを積層しただけでは、各層間が非接着状態で
あるため、流体あるいは流体中の気体が中間層に侵入
し、シール性および各層間の接着性を阻害することにな
る。
【0011】また、金属線の編組構造をそのまま採用し
て屈曲の激しい所で可とう性ホースを使用すると、各層
間で異質の材料を使用しているため伸び率が異なり、各
層間の剥離や、金属線同士の接触による部分的疲労が発
生する可能性がある。
【0012】この場合、焼結リング間および編組構造の
金属線間にシリコーンゴムを介在させて投錨効果を発揮
させれば、上記問題は一挙に解決でき、耐熱シール性、
耐摩耗、耐圧性、および耐疲労性に優れた可とう性ホー
スを提供できることになる。
【0013】そこで、本発明では、焼結材がリング状に
形成された多数の焼結リングを一定間隔でホース中心線
方向に配列してなる流体通過内面層と、該内面層の外周
部に積層されて前記焼結リング間からの流体の漏れを防
止するシリコーンゴムからなる中間層と、該中間層の外
側に積層されて金属線の編組構造からなる耐圧補強層と
を含み、前記中間層のシリコーンゴムが前記内面層の焼
結リング間、および補強層の金属線間に介在された耐摩
耗・耐高温性の可とう性ホースを提供するものである。
【0014】このシリコーンゴムに投錨効果を発揮させ
る場合、粘調な流動性タイプおよび半固形タイプのいず
れをも採用できるが、作業性を考慮すれば半固形状のも
のが有利である。ここで半固形状のシリコーンゴムと
は、常温常圧下では流動(フロー)化して形状が崩れな
い程度の粘弾性体にしてロール加工或いは押出し加工す
ることによって容易にシート状に成形できるものをい
う。このような半固形状の未加硫シリコーンゴムシート
を焼結リングの外側に巻き締め後、これを加硫するよう
にすれば、加熱加硫時のゴムの流動性により、焼結リン
グ間にシリコーンゴムが侵入して接着性とシール性を発
揮するとともに、耐圧補強層の金属線間にも侵入して投
錨効果を発揮する点で有利である。
【0015】そこで、本発明では、多数の焼結材がリン
グ状に形成された焼結リングが一定間隔でホース中心線
方向に配列されて流体通過内面層が構成され、前記内面
層の外側が前記焼結リング間からの流体の漏れを防止す
る半固形状の未加硫シリコーンゴムシートで包囲されて
中間層とされ、該中間層の外側に金属線の編組構造から
なる耐圧補強層が形成され、前記中間層の未加硫ゴムシ
ートが、前記内面層の焼結リング間及び前記補強層の金
属線間に介在された状態で加硫成形されることにより、
前記内面層、中間層および補強層が一体化されたことを
特徴とする構成を採用したものである。
【0016】また、焼結リングは、粉粒体などの吸引移
送や高圧圧送のために、焼結材をリング状に形成して耐
摩耗性を付与したものであり、各焼結リングを一定間隔
をあけて配列するのはホース自体に可とう性を持たせる
ためである。この焼結リングの材質としては、アルミナ
焼結材や他の金属焼結材、あるいは他のセラミックス焼
結材であってもよい。また、焼結リングの形状も、お椀
状あるいはラッパ状のいずれの形状であってもよい。
【0017】さらに、耐圧補強層を形成する金属線編組
構造は、未加硫シリコーンゴムからなる中間層を形成後
に金属線を編み上げるか、あるいは予め筒状に形成した
編組構造を中間層に嵌合するかのいずれの方法でも積層
することができる。この場合の編組構造としては、ホー
スの屈曲等を考慮してバイアス編みとすることが最適で
ある。
【0018】なお、予め編み上げた筒状の編組構造をホ
ース中心線方向に圧縮して拡径した状態で中間層の外側
に嵌合後、これを伸長して縮径すれば、編組構造の金属
線間に未加硫シリコーンゴムが侵入し、この状態で加硫
成形すれば、中間層と金属編組構造とが一体化した可と
う性ホースが製造でき、製造時の加工性が向上すること
になる。
【0019】本発明は、上述のように、内面層、中間層
および耐圧補強層を含むことが必須の要件となるが、用
途によっては、この耐圧補強層にさらにシリコーンゴム
からなる外被層を設け、中間層のシリコーンゴムとの協
働作用で耐圧補強層の金属線の編み目にシリコーンゴム
を介在するようにすれば、耐圧補強層の中間層および耐
圧補強層並びに外被層の接着性の向上が図れると共に、
編組構造の耐疲労性も向上し得ることになる。
【0020】そこで、本発明では、耐圧補強層の外側に
シリコーンゴムからなる外被層が積層され、外被層のシ
リコーンゴムが、中間層のシリコーンゴムと共に補強層
の金属線間に介在された構成も採用可能とした。
【0021】なお、この場合においても、前述と同様に
半固形状の未加硫シリコーンゴムシートを中間層および
外被層に採用し、これらを巻き締めすることにより、耐
圧補強層の金属編組構造の編み目にシリコーンゴムを侵
入させ、次に、加硫成形すれば、内面層、中間層、耐圧
補強層および外被層が一体化することになる。
【0022】そこで、本発明では耐圧補強層の外側が半
固形状の未加硫シリコーンゴムシートで包囲されて外被
層とされ、該外被層の未加硫シリコーンゴムが前記補強
層の金属線間に介在された状態で加硫成形されることに
より、前記内面層、中間層、補強層および外被層が一体
化された構成を採用可能とした。
【0023】
【発明の実施の形態】図に基づいて本発明の実施の形態
を説明する。図1は本発明に係る耐摩耗・耐高温性の可
とう性ホースの断面図、図2は焼結リングの断面図、図
3は可とう性ホースの成形工程を示す斜視図、図4は可
とう性ホースの端部断面図、図5は同じくその横断面図
である。
【0024】この耐摩耗・耐高温性の可とう性ホース1
は、基本的には、多数の焼結リング2をホースの中心線
方向CLに一定間隔で配列してなる内面層3と、その外
周部に積層されたシリコーンゴムからなる中間層4と、
金属線5aの編組構造5からなる耐圧補強層6と、その
外側に積層されたシリコーンゴムGからなる外被層7を
備えている。
【0025】また、本実施の形態では、内面層3の端部
に端部用焼結リング8が配置され、その外周部にもシリ
コーンゴムからなる中間層4が積層されるとともに、そ
の端部が外側に折り曲げられて、端部取付金具9を構成
するパイプ10の外フランジ11の端面とリング状スチ
ールプレート12とで固定されている。このパイプ10
の内端には、これと同径のパイプ材13が配置されると
ともに、このパイプ材13とパイプ10とでステンレス
線の編組構造5の端部を挟みこんで、これらを一体的に
溶接19されている。また、パイプ10の外側には取付
金具9の継手用フランジ14が遊嵌されている。なお、
スチールプレート12は、その内径が端部用焼結リング
8の外径よりも小径とされ、この端部焼結リング8の端
部の抜け止め機能をも果たしている。
【0026】焼結リング2は、図2のごとく、アルミナ
焼結材から構成され、その後面の球面状凸部15と前面
の球面状の凹部16とで、中央に流体通過穴17が形成
されたお椀状のリング形態をなしている。この焼結リン
グ2が、その曲率の異なる凸部15と凹部16との外周
部に一定間隔の隙間18(図4参照)が形成された状態
でホースの中心線方向CLに多数配列されている。な
お、本実施の形態では、焼結リング2はアルミナ焼結材
で構成されているが、硬度が高く、耐摩耗性に優れてい
るものであれば他の種類のセラミック焼結材、或いは金
属焼結材なども使用することができる。
【0027】また、中間層4および外被層7を構成する
シリコーンゴムGは、ロール加工或いは押出し加工する
ことによって容易にシート状に成形できる半固形状の未
加硫シリコーンゴムを使用しており、加熱加硫後は20
0℃以上の耐熱性を有するゴム状弾性体となるものであ
って、焼結リング2や耐圧補強層6など他のホース構成
部材と良好な接着性を示すものでなければならない。こ
の種のゴムとしては、例えば、信越化学(株)製、商品
名 KE7511Vを好適に挙げることができる。しか
し、この例に限定されるものではない。
【0028】また、図6(A)は耐圧補強層6の編組構
造の一例を示すものである。この場合、金属線5aの材
質は外径0.5mmφのステンレス線であり、これを20
本/25mmの密度で、ホース中心線CLに対しα方向と
β方向にブレード(編組)して編組構造5を形成した
後、図4に示すように、その両端をパイプ10とパイプ
13の間に挟み込み溶接一体化して作成されている。
【0029】金属線5aのブレード方向、すなわち、ホ
ース中心線CLに対するα方向とβ方向の角度θは通常
40〜60°の範囲にあるが、より好ましくは静止角度
(54°44′)に可及的近く、例えば55°に設定さ
れる。
【0030】図6(B)は同じ材質からなる他の編組構
造を示すものであり、この場合、隣接するステンレス線
5aは全て等間隔に配列されているが、密度(打込み本
数)は上記と同じく20本/25mm、ホース中心線CL
に対するα方向とβ方向の角度θは55°に形成されて
いる。
【0031】また、上記金属線5aの編組構造として
は、図6に示す構造以外に種々の構造を採用できる。ま
た、金属線としては、ステンレス線のほかにもスチール
線、銅線などを適宜使用し得るが、強度が大きく錆にく
いことを考慮すれば、ステンレス線が特に好適である。
【0032】耐圧補強層6は、編組構造5とこの金属線
間に介在されたシリコーンゴムGとからなるもので、ホ
ースを成形するに当り、外部から加圧するだけで、半固
形状の未加硫シリコーンゴムGはその編み目に容易に侵
入する。そして、この状態で加硫すると、中間層4およ
び外被層7のシリコーンゴムGが耐圧補強層の金属線間
に介在する加硫物が得られる。
【0033】上記構成の可とう性ホースの製造工程を図
3に基づいて説明する。まず、純度97%のアルミナか
らなる端部用焼結リング8および焼結リング2の所要数
を、鉄心23に順次嵌入させ、その両端を固定部材24
で固定する。しかる後、その外周に、予め押出成形され
た中間層用の半固形状未加硫シリコーンゴムシートSを
均一に巻き付ける。
【0034】次に、ステンレス線よりなる筒状の編組構
造5を、巻き付けた中間層用シリコーンゴムシートSの
外径より幾分大きい内径となるように、両端のパイプ1
0を中心方向に押圧して拡径させて、中間層4の上に挿
入する。中間層4への挿入後、編組構造5の圧縮力を開
放してホース中心線方向に伸ばして編組構造を縮径させ
れば、これが中間層4に密着し、焼結リング間および編
組構造の網目に未加硫シリコーンゴムGが侵入する。
【0035】次に、外被層7となる半固形状の未加硫シ
リコーンゴムシートSSを耐圧補強層6の外周に均一に
巻き付ける。しかる後、その外側から布またはフィルム
シート(ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンな
ど)を巻き締めすると、未加硫シリコーンゴムが焼結リ
ング2間に侵入するとともに耐圧補強層6の編組構造5
の編み目間にさらに深く侵入し、中間層4および外被層
7のシリコーンゴム同士が接触することになる。この状
態で、直接蒸気または間接加硫により150℃×150
分(少なくとも140℃×70分)、加熱加硫すれば目
的とする可とう性ホース1が得られる。
【0036】そうすると、耐圧補強層6においては、外
被層7および中間層4を構成する未加硫シリコーンゴム
同士が編組構造5の編み目に侵入して、加硫により一体
化される。さらに、焼結リング2間に侵入したシリコー
ンゴムも加硫により焼結リング2と一体化されるので、
積層間の接着性もよく、耐熱性・耐シール性にもすぐれ
た可とう性ホースが成形されることになる。
【0037】なお、上記製造時において、直接蒸気加硫
を行う場合、未加硫シリコーンゴムシートと蒸気とが直
接接触しないように、蒸気透過性の悪いプラスチックフ
ィルムを用いて巻き締めることが好ましい。また、第2
次加硫として、高温空気(160〜180℃)に直接暴
露させることもゴム物性の向上に有効である。
【0038】また、シリコーンゴムシートと焼結リング
および耐圧補強層間の接着は、通常、シリコーンゴムの
自着力で対応しうるが、この間の接着力の向上を望む時
は、例えば、焼結リングの表面と耐圧補強材の表面に予
め公知の接着用プライマーを塗布しておくとよい。
【0039】なお、耐圧補強層の外側にあるシリコーン
ゴムの外被層は、耐圧補強層の接着性および耐摩耗・耐
疲労性を向上する上に有利なものであるが、用途によっ
ては必ずしも必要なものではない。そのため、この発明
は、かかる外被層を用いることなく製造された可とう性
ホースをも包含している。
【0040】上記のごとく製造された耐摩耗・耐高温性
の可とう性ホースは、シリコーンゴムが焼結リングの間
隙18にも均等に侵入し連結材として作用するので、搬
送流体に対するシール性を十分に保つことができる。ま
た、シリコーンゴムは編組構造からなる耐圧補強層を貫
通して接合しているので、金属ブレード層の密度を均一
に保ちながら曲げ時の粗密化に容易に追随することが可
能であり、これにより該補強層の部分的屈曲疲労が抑制
され、かつ、各層間の離反が効果的に防止される。ま
た、中間層および外被層に耐熱性の高いシリコーンゴム
を使用し、補強層に耐圧性と耐熱性に優れた金属編組構
造を使用しているので、従来80℃が限界であった使用
温度を、シリコーンゴムの耐熱温度とされる200℃ま
でアップさせることが可能となった。さらに、この製造
方法を採用すると、一般市販のシリコーンゴムシートと
ステンレス線を使用することができるので、特に大掛か
りな設備投資を必要としないという有利さがある。
【0041】図7は、この発明に係る耐摩耗・耐高温性
の可とう性ホースの他の実施の形態を示す断面図であ
る。図1ないし図6に示す実施の形態と異なる点は、概
ね内面層3が大口径部25と小口径部26からなるラッ
パ状の焼結リング2を使用している点である。その他の
構成は上記実施の形態と同様であるので、同じ符号を付
してその説明を省略する。
【0042】このような形状の焼結リングにおいても本
発明を適用でき、上記製造方法と同様な方法で製造で
き、耐熱性、耐摩耗性、耐シール性、耐疲労性並びに接
着性に優れた可とう性ホースを提供できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、ホースを構成するゴム状エラストマーに耐熱性の
シリコーンゴムを使用し、これを焼結リングおよび金属
線の編組構造からなる耐圧補強層間に介在させることに
より、内面層、中間層および耐圧補強層の良好な接着性
と該補強層を構成する金属線の耐摩耗・耐疲労性の向上
を図ったものである。
【0044】請求項2記載の発明は、耐圧補強層の外側
にシリコーンゴムからなる外被層が積層されたものなの
で、上記に記載の効果のうち、特に耐圧補強層の接着性
と耐摩耗・耐疲労性がより一層改善される。
【0045】また,請求項3および4に記載の発明は、
中間層および外被層の耐熱性シリコーンゴムの素材とし
て半固形状の未加硫シリコーンゴムシートを使用すると
共に補強層に金属線の編組構造からなる耐圧補強層を用
いて製造した可とう性ホースに関し、該ホースの成形に
際して上記シリコーンゴムが容易にかつ精度よく焼結リ
ング間ないし耐圧補強層の網目に侵入するので加工性に
優れ、請求項1および2に記載の発明の効果に加え、極
めて簡単な工程で製造することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る耐摩耗・耐高温性の可とう性ホ
ースの実施の形態を示す断面図
【図2】焼結リングの断面図
【図3】可とう性ホースの成形工程を示す斜視図
【図4】可とう性ホースの端部拡大断面図
【図5】同じくその横断面図
【図6】(A)は耐圧補強層の編組構造の一例を示す平
面図、(B)は同編組構造の他の例を示す平面図
【図7】可とう性ホースの他の実施の形態を示す断面図
【符号の説明】
1 可とう性ホース 2 焼結リング 3 内面層 4 中間層 5 編組構造 5a 金属線 6 耐圧補強層 7 外被層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結材がリング状に形成された多数の焼
    結リングを一定間隔でホース中心線方向に配列してなる
    流体通過内面層と、該内面層の外周部に積層されて前記
    焼結リング間からの流体の漏れを防止するシリコーンゴ
    ムからなる中間層と、該中間層の外側に積層されて金属
    線の編組構造からなる耐圧補強層とを含み、前記中間層
    のシリコーンゴムが前記内面層の焼結リング間、および
    補強層の金属線間に介在されたことを特徴とする耐摩耗
    ・耐高温性の可とう性ホース。
  2. 【請求項2】 前記耐圧補強層の外側にシリコーンゴム
    からなる外被層が積層され、前記外被層のシリコーンゴ
    ムが、前記中間層のシリコーンゴムと共に前記補強層の
    金属線間に介在された請求項1記載の耐摩耗・耐高温性
    の可とう性ホース。
  3. 【請求項3】 多数の焼結材がリング状に形成された焼
    結リングが一定間隔でホース中心線方向に配列されて流
    体通過内面層が構成され、前記内面層の外側が前記焼結
    リング間からの流体の漏れを防止する半固形状の未加硫
    シリコーンゴムシートで包囲されて中間層とされ、該中
    間層の外側に金属線の編組構造からなる耐圧補強層が形
    成され、前記中間層の未加硫ゴムシートが、前記内面層
    の焼結リング間及び前記補強層の金属線間に介在された
    状態で加硫成形されることにより、前記内面層、中間層
    および補強層が一体化されたことを特徴とする耐摩耗・
    耐高温性の可とう性ホース。
  4. 【請求項4】 前記補強層の外側が半固形状の未加硫シ
    リコーンゴムシートで包囲されて外被層とされ、該外被
    層の未加硫シリコーンゴムが前記補強層の金属線間に介
    在された状態で加硫成形されることにより、前記内面
    層、中間層、補強層および外被層が一体化された請求項
    3記載の耐摩耗・耐高温性の可とう性ホース。
JP8284985A 1996-10-28 1996-10-28 耐摩耗・耐高温性の可とう性ホース Pending JPH10132157A (ja)

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JP8284985A Pending JPH10132157A (ja) 1996-10-28 1996-10-28 耐摩耗・耐高温性の可とう性ホース

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000088153A (ja) * 1998-09-11 2000-03-31 Sanyo Electric Co Ltd シリコーンゴムチューブ
JP2008281130A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 可撓性セラミックスホース
JP2009034639A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Shirokatsu Ura 洗浄ホースの横管侵入防止装置
KR101089785B1 (ko) 2011-05-24 2011-12-07 주식회사 금양테크 사용수명이 향상된 내마모용 파이프
CN102829262A (zh) * 2012-09-06 2012-12-19 浙江吉利汽车研究院有限公司杭州分公司 汽车空调软管及其制备方法
JP2018066445A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 横浜ゴム株式会社 水素充填用ホース
CN111365144A (zh) * 2020-02-28 2020-07-03 上海新力动力设备研究所 一种柔性接头及采用该柔性接头的固体火箭发动机喷管

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