JPH101244A - 画像記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、記録紙ロールから引き出した記録
紙に画像を記録する該記録紙のカール矯正機構を備えた
画像記録装置に関し、カール矯正部材の回動を妨げるこ
となく記録紙の捲き掛け角度を充分に小さくすることが
できるようにして、記録紙のカールの容易かつ効果的な
矯正を実現することを目的とする。 【解決手段】 記録紙ロールＲから記録紙Ｐを引き出し
搬送するローラ群23〜26と、搬送されてきた記録紙Ｐに
画像を形成する画像記録部10と、矯正位置Ｄ１に移動保
持されて記録紙ロールＲから引き出される記録紙Ｐを捲
き掛けられその記録紙Ｐのカールを矯正するデカールロ
ーラ33と、デカールローラ33に対する上下流側の記録紙
Ｐの搬送経路を近接させる補助位置Ｄ２に移動保持され
そのデカールローラ33への記録紙Ｐの捲き掛け量を大き
く（捲き掛け角度θを小さく）する補助ローラ41と、を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙を記録紙ロ
ールから引き出し該記録紙に画像を記録する例えば、フ
ァクシミリ装置、複写機、プリンタ等の画像記録装置に
関し、詳しくは、ロール状に捲かれることによる記録紙
のカールを効果的に矯正することの可能な画像記録装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ロール状に巻かれた記録紙を
引き出して画像を記録し、その記録紙を画像の大きさに
応じて所定長さにカットし排出する画像記録装置が知ら
れており、この記録紙はロール状に捲かれることにより
捲き癖がつきカールしているため、その記録紙のカール
を矯正するカール矯正機構を搭載することが行なわれて
いる。

【０００３】この種の画像記録装置としては、図７に示
すようなものがあり、記録紙（普通紙）Ｐをロール状に
巻かれた記録紙ロールＲからピックアップローラ対１が
引き出して搬送するようになっており、このピックアッ
プローラ対１の上流側ではデカールローラ（カール矯正
部材）２が支点Ｃを中心に記録紙Ｐを押し下げるように
回動されその位置（矯正位置）でカールした記録紙Ｐを
反転させるように捲き掛けられることによって、その記
録紙Ｐのカールを矯正する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の画像記録装置にあっては、デカールローラ２
はピックアップローラ対１と記録紙ロールＲの引き出し
位置との間で記録紙Ｐを屈曲させるだけでは記録紙Ｐの
カールを矯正する効果が小さいため、記録紙Ｐをより大
きく屈曲させデカールローラ２への記録紙Ｐの捲き掛け
量を多くして、すなわち、デカールローラ２の上下流側
の間の捲き掛け角度θを小さくして矯正の効果を大きく
するように、デーカールローラ２より上流側のベースＢ
に記録紙Ｐが下がらないようにリブ３をベースＢに立設
することを行なっていた。

【０００５】しかし、デカールローラ２は支点Ｃを中心
に回動して待機位置と矯正位置との間を往復するため、
リブ３はデカールローラ２の回動の妨げにならないよう
に形成しなければならず、記録紙Ｐの捲き掛け角度θを
それ程小さくすることができなかった。また、この捲き
掛け角度θをできるだけ小さくするために、図８に示す
ように、デカールローラ２はリブ３に近接させて、例え
ばリブ３との隙間Ｓが１ｍｍ程度の位置を回動して矯正
位置に移動させている。ここで、記録紙ロールＲから引
き出した記録紙Ｐを使用するものでは、待機時に記録紙
Ｐに癖がつかないようにデカールローラ２を矯正位置か
ら待機位置に移動させそのカールを矯正する状態を解除
し、駆動する際にデカールローラ２を矯正位置に戻す動
作を行なうようになっており、このときにデカールロー
ラ２はリブ３に近接した位置を移動しようとするため、
記録紙Ｐを容易に押し下げることができない。このた
め、デカールローラ２におもり等の荷重を掛けるなどし
て対応していたが、負荷が大きくなってしまうという問
題があった。

【０００６】そこで、本発明は、カール矯正部材の回動
を妨げることなく記録紙の捲き掛け角度を充分に小さく
することができるようにして、記録紙のカールの容易か
つ効果的な矯正を実現することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項１記載の発明は、記録紙をロール状に巻かれた記録
紙ロールから該記録紙を引き出して搬送する搬送手段
と、該搬送手段の記録紙の搬送方向上流側で記録紙ロー
ルから引き出されカールする記録紙を該カールを反転さ
せる方向に捲き掛けられて該記録紙のカールを矯正する
カール矯正部材と、搬送されてきた記録紙に画像を記録
する画像記録部と、を備えた画像記録装置であって、記
録紙のカール矯正時に該記録紙のカール矯正部材への捲
き掛け量を大きくする方向から該記録紙に接する補助位
置に移動され保持される矯正補助部材と、記録紙のカー
ル矯正時に矯正補助部材を待機位置から補助位置に移動
させる補助部材移動手段と、を設けたことを特徴とする
ものである。

【０００８】この請求項１記載の発明では、記録紙のカ
ール矯正時に、待機位置から補助位置に移動された矯正
補助部材が記録紙のカール矯正部材への捲き掛け量を大
きくする方向から記録紙に接する。このため、カール矯
正部材が記録紙にカールの外面側から接して反転させ該
記録紙を捲き掛けられるのに対して、矯正補助部材はカ
ールの内面側から移動して記録紙に接する。したがっ
て、記録紙は矯正補助部材によってより大きく反転され
カール矯正部材への捲き掛け角度θが小さくされる。

【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成に加え、前記カール矯正部材を搬送される記録
紙を捲き掛けられる矯正位置に待機位置から移動させる
矯正部材移動手段を備え、前記補助部材移動手段を、矯
正位置に位置するカール矯正部材に対して記録紙の搬送
方向上下流側の搬送経路を近接させる位置を矯正補助部
材の補助位置として該矯正補助部材を移動させるように
構成したことを特徴とするものである。

【００１０】この請求項２記載の発明では、カール矯正
部材自体も待機時にカール矯正部材による癖が記録紙に
つかないように矯正位置から待機位置に移動され、矯正
補助部材はカールの矯正時に矯正位置に位置するカール
矯正部材に対して待機位置から補助位置に移動され、カ
ール矯正部材の上下流側の記録紙の搬送経路が近接され
る。したがって、カール矯正部材の移動は矯正補助部材
により妨げられることがなく、記録紙はより大きく屈曲
される。

【００１１】請求項３記載の発明は、請求項１または２
に記載の発明の構成に加え、前記矯正補助部材の少なく
とも記録紙に接する面に、表面の摩擦係数の小さなテー
プを貼付したことを特徴とするものである。この請求項
３記載の発明では、記録紙は矯正補助部材に貼付された
摩擦係数の小さなテープに摺接しカール矯正部材への捲
き掛け角度θがより小さくされる。したがって、矯正補
助部材表面を金属材料のままとした場合よりも記録紙を
小さな搬送負荷で摺動させることができるとともに、そ
の負荷の周囲の環境によるばらつきも小さくすることが
できる。

【００１２】ここで、摩擦係数の小さなテープとして
は、滑り易く耐久性のある曲面に貼付可能なもの、例え
ば、ポリエチレンテープやテフロンテープなどである程
度の厚さがある市販のもので充分であり、例えば、しき
い滑りに使用されるテープ（超高分子量ポリエチレンテ
ープなど）でもよい。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図１〜図６は本発明に係る画像記録装置の一実
施形態を示す図である。まず、構成を説明する。図１に
おいて、画像記録装置は、搬送されてきた記録紙Ｐに画
像を記録する画像記録部10と、普通紙などの記録紙をロ
ール状に巻かれた記録紙ロールＲからその記録紙Ｐを引
き出すとともに所定長さにカットして画像記録部10に搬
送する記録紙給紙部20とから構成されている。

【００１４】画像記録部10は、図中矢印Ａ方向に駆動す
る感光体ベルト11と、感光体ベルト11の表面を一様に帯
電させる帯電器12と、入力された画データに基づいて光
書き込みして感光体ベルト11上に静電潜像を形成する光
書き込み器13と、感光体ベルト11上の静電潜像を現像し
て可視像（トナー像）を形成する現像器14と、感光体ベ
ルト11上の可視像を搬送されてきた記録紙Ｐに転写する
転写器15とを備え、転写した可視像を記録紙Ｐに定着さ
せ外部に排紙する。

【００１５】記録紙給紙部20は、装置本体下部に出し入
れ自在に取り付けられているカセットベース21内に構成
されており、記録紙ロールＲを回転自在に収容するホル
ダ部22と、所定方向に回転駆動するとともに加圧コロ23
ａとの間で記録紙Ｐを挟持して記録紙ロールＲから引き
出し搬送するピックアップローラ23と、所定方向に回転
駆動するとともにそれぞれ加圧コロ24ａ、25ａ、26ａと
の間で送られてきた記録紙Ｐを挟持して搬送するフィー
ドローラ24、中継ローラ25、およびレジストローラ26
と、ピックアップローラ23の記録紙Ｐの搬送方向上流側
に介装され記録紙ロールＲに巻かれることによって巻き
癖の付いた記録紙Ｐのカールを矯正する図２〜図４に示
すカール矯正機構30と、ピックアップローラ23とフィー
ドローラ24との間に介装され、搬送する記録紙Ｐが所定
の長さとなったときその記録紙Ｐをカットするカッタ部
27と、から構成されている。なお、図１中、28は記録紙
Ｐの撓みを許容する撓み部であり、撓み部28はフィード
ローラ24と中継ローラ25との間の通紙路の下面を構成し
弾性を有するマイラ29が記録紙Ｐにより押下されたとき
に下方へ撓むことにより形成されその記録紙Ｐの撓みを
許容するようになっており、中継ローラ25の回転速度を
他のローラ23、24、26よりも遅くすることにより記録紙
Ｐを所定長さにカッタ部27でカットする際に画像記録部
10への記録紙Ｐの搬送を継続できるようにし、感光体ベ
ルト11の駆動を停止することなく記録紙Ｐへ画像を記録
して画質を低下させることのない画像の記録を可能にし
ている。

【００１６】この記録紙給紙部20のローラ23〜26は、図
示していないステッピングモータの回転駆動を伝達され
て駆動するようになっており、パルス換算した１パルス
のロータの回転角に対する回転量に基づいて回転し記録
紙Ｐを搬送する。また、中継ローラ25は回転速度が他の
ローラ23、24、26の回転速度よりも遅くなるようステッ
ピングモータの回転速度の伝達比が調整されている。ま
た、記録紙給紙部20は、画像記録部10の記録紙Ｐヘの画
像記録が終了して待機する際、カッタ部27が記録紙Ｐを
カットした後、ピックアップローラ23が駆動して記録紙
Ｐを所定量下流へ搬送するようになっている。すなわ
ち、ローラ23〜26は記録紙ロールＲから記録紙Ｐを引き
出して搬送する搬送手段を構成しており、このローラ23
〜26はパルス換算したステッピングモータの回転量に基
づいて回転されるので、記録紙Ｐは搬送量を高精度に搬
送され、記録紙Ｐをばらつきなくカットすることができ
る。なお、31はピックアップローラ23の上流側に設けら
れた記録紙Ｐの紙切れを検知する光反射型のセンサであ
り、32はレジストローラ26の上流側に設けられた記録紙
Ｐの通過を検知する光反射型のセンサである。

【００１７】カール矯正機構30は、記録紙ロールＲを収
容するホルダ部22近傍のカセットベース21の側板21ａに
取り付けられている。このカール矯正機構30は、デカー
ルローラ33（カール矯正部材）が図２に示す矯正位置Ｄ
１に位置してその外周面を記録紙ロールＲから引き出さ
れる記録紙Ｐの外面（カールに対する外面）に摺接して
反転させその記録紙Ｐのカールを矯正する一方、待機時
にはこのデカールローラ33が図３に示す待機位置Ｆ１に
位置して記録紙Ｐの反転を解除する。

【００１８】デカールローラ33は、両側板21ａに開口す
る長穴34内に上下方向に移動可能に挿入されており、そ
の両端にねじ止めされたアーム35の他端側が両側板21ａ
に設けられた回動軸36に遊挿されて回動自在に軸支され
ることにより、搬送される記録紙Ｐと平行に支持される
とともに長穴34の下部に突き当たり矯正動作を行なう矯
正位置Ｄ１およびその上部に突き当たり矯正動作を解除
する待機位置Ｆ１の間を案内される。このデカールロー
ラ33を矯正位置Ｄ１および待機位置Ｆ１の間を移動させ
る移動手段は、詳細には説明しないが、側板21ａの一方
側に固設された不図示のソレノイドおよび弾性手段（ト
ーションばねなど）により回動される図６に示すレバー
37の長穴37ａ内にデカールローラ33を遊挿することによ
って構成されており、ＯＮされたソレノイドによりレバ
ー37を回動させデカールローラ33を矯正位置Ｄ１に位置
させたときにその長穴37ａに形成された切欠部37ｅに係
止させて位置決めする一方、ソレノイドがＯＦＦされる
ことにより弾性手段の弾性力によりレバーを逆方向に回
動させ待機位置Ｆ１に移動させ保持するようになってい
る。

【００１９】また、カール矯正機構30には、デカールロ
ーラ33による記録紙Ｐのカールの矯正動作を補助するデ
カール補助ローラ（矯正補助部材）41が設けられてい
る。この補助ローラ41は、長穴34をデカールローラ33の
移動経路より記録紙ロールＲ側に広げて形成することに
より、その長穴34内を上下方向に移動可能に遊挿されて
おり、デカールローラ33が矯正位置Ｄ１に位置する際に
上方に移動して図２に示す補助位置Ｄ２に位置すること
によりその外周面を記録紙ロールＲから引き出される記
録紙Ｐの内面（カールに対する内面）に摺接してその記
録紙Ｐの搬送経路をピックアップローラ23側の搬送経路
に近接させる一方、待機時には下方に移動して図３に示
す待機位置Ｆ２に位置することにより記録紙Ｐから離隔
する。

【００２０】この補助ローラ41は、その両端にねじ止め
されたレバー42が中間部を両側板21ａに設けられた回動
軸43に遊挿されて回動自在に軸支され他端側に形成され
た切欠42ａをソレノイド44のプランジャ44ａに係合され
回動されることにより、搬送される記録紙Ｐと平行に支
持されるとともに補助位置Ｄ２および待機位置Ｆ２の間
を移動される。すなわち、レバー42およびソレノイド44
により補助ローラ41を移動させる移動手段が構成されて
いる。

【００２１】また、補助ローラ41には、図４に示すよう
に、記録紙Ｐに摺接する位置に表面の摩擦係数の小さな
テープ45が貼付されており、このテープ45は滑り易く耐
久性のある補助ローラ41の周面（曲面）に貼付可能なも
のであれば市販のもので充分であり、例えば、しきい滑
りに使用される超高分子量ポリエチレンテープでもよ
い。

【００２２】次に、作用を説明する。まず、カセットベ
ース21を装置本体下部から抜き出してホルダ部22内に記
録紙ロールＲを収容して記録紙Ｐを引き出し、図５に示
すように、その記録紙Ｐ（図中、実線で示す）をデカー
ルローラ33および補助ローラ41の間を通してピックアッ
プローラ23と加圧コロ23ａとの間に噛み込ます。このと
き、デカールローラ33は前記弾性手段の弾性力により付
勢されているレバー37によって長穴34上方の待機位置Ｄ
１に保持されるとともに、補助ローラ41はソレノイド44
がＯＦＦされ自重により長穴34下方の待機位置Ｄ２に位
置しているので、記録紙Ｐを容易にセットすることがで
きる。

【００２３】そして、画データが入力されると、まず、
ソレノイドによりレバー37が前記弾性手段の弾性力に抗
して回動され、デカールローラ33が待機位置Ｆ１から下
降されて矯正位置Ｄ１に移動保持された後に、ソレノイ
ド44によりレバー42が回動軸43を中心に回動され補助ロ
ーラ41が待機位置Ｆ２から上昇されて補助位置Ｄ２に移
動保持される。このとき、デカールローラ33、左右アー
ム35、およびレバー37は自重によっても下降する。な
お、待機状態から動作する際には、ピックアップローラ
23が図５中矢印で示す方向に回転し、記録紙Ｐが所定量
戻された後、デカールローラ33および補助ローラ41は待
機位置Ｆ１、Ｆ２から矯正位置Ｄ１および補助位置Ｄ２
に移動される。

【００２４】次いで、ローラ23〜26が駆動されて記録紙
Ｐが搬送され、記録紙Ｐには記録紙ロールＲとホルダ部
22底部との摩擦力および記録紙ロールＲの自重による張
力が加えられつつ、図６に示すように、その外面にデカ
ールローラ33の外周面が摺接し反転されて搬送される。
このとき、記録紙Ｐの内面には補助ローラ41の外周面が
摺接しているので、その搬送経路はピックアップローラ
23側に近接され、記録紙Ｐは補助ローラ41がない場合よ
りも大きく反転されデカールローラ33への捲き掛け量が
大きくされその捲き掛け角度θが小さくされる。したが
って、記録紙Ｐはデカールローラ33のみによる場合より
も効果的にカールを矯正され、カールによる通紙ジャム
が発生することなく画像記録部10に搬送される。なお、
このデーカールローラ33への記録紙Ｐへの捲き掛け角度
θは、記録紙ロールＲの保持位置やローラ33、41の矯正
位置Ｄ１および補助位置Ｄ２を適宜配置することにより
調整し、カールの矯正の効果を調整することができる
が、例えば、図６に示すような配置で記録紙ロールＲが
φ４０ｍｍ程度のときには、捲き掛け角度θを補助ロー
ラ41がないときには８０゜であったものを６５゜とする
ことができ、２０ｍｍのカールを１０ｍｍにすることが
できた。

【００２５】そして、画像記録部10により画像を記録す
る最終の記録紙Ｐがカッタ部27によってカットされた後
に、ソレノイドが順次ＯＦＦされることにより補助ロー
ラ41が自重により降下して補助位置Ｄ２から待機位置Ｆ
２に移動するのに続けてレバー37がトーションバネ41の
弾性力により回動されデカールローラ33が矯正位置Ｄ１
から待機位置Ｆ１に移動保持される。また、ピックアッ
プローラ23が所定時間駆動され、記録紙Ｐが所定量搬送
される。そのため、ピックアップローラ23によって記録
紙ロールＲとの間の記録紙Ｐは下流に搬送され、記録紙
Ｐは図５に一点鎖線で示すように所定の張力で張られた
状態にされる。したがって、記録紙Ｐに待機癖による待
機カールが付いてしまうことが防止される。

【００２６】このように本実施形態においては、記録紙
Ｐの搬送時には、デカールローラ33に捲き掛けられた記
録紙Ｐの搬送経路をそのデカールローラ33の上下流側で
近接するように補助ローラ41がその記録紙Ｐの内面に摺
接するので、デカールローラ33による記録紙Ｐの反転を
大きくすることができ、記録紙Ｐの捲き掛け量を大きく
してその捲き掛け角度θを小さくすることができる。し
たがって、記録紙Ｐのカールを効果的に矯正することが
できる。

【００２７】また、記録紙Ｐは、補助ローラ41表面の摩
擦係数の小さなテープ45に摺接するので、例えばステン
レス鋼により作製したときには摩擦係数０．２程度であ
ったものをこのテープ45により摩擦係数０．１程度とす
ることができ、環境による影響もなく記録紙Ｐを小さな
搬送負荷で搬送することができる。したがって、補助ロ
ーラ41による搬送負荷が大きかったり環境によりばらつ
いてしまうと、デカールローラ33によるカールの矯正の
効果を減少させてしまったりばらつかせてしまうことに
なるが、そのようなことを防止して記録紙Ｐのカールを
安定して矯正することができる。また、摩擦係数が小さ
くなるので、耐久性も向上するとともに、テープ45は容
易に張り替えて再生することができ、コスト低減も図る
ことができる。

【００２８】また、補助ローラ41は、デカールローラ33
が矯正位置Ｄ１に位置するときに補助位置Ｄ２および待
機位置Ｆ２の間を移動させるので、デカールローラ33の
矯正位置Ｄ１および待機位置Ｆ１の間の移動経路を考慮
することなく、待機位置Ｆ２から補助位置Ｄ２に移動さ
せることができ、適宜、その補助位置Ｄ２を設定するこ
とができる。したがって、記録紙Ｐのデーカールローラ
33への捲き掛け角度θをより小さく設定することもでき
る。

【００２９】例えば、本実施形態の他の態様として、図
示は省略するが、補助ローラ41を水平方向にスライドさ
せるように構成し、デカールローラ33の矯正位置Ｄ１お
よび待機位置Ｆ１の間の移動経路と補助ローラ41の補助
位置Ｄ２および待機位置Ｆ２の間の移動経路とを交叉さ
せ、補助ローラ41の補助位置Ｄ２をデカールローラ33の
移動経路を横断した、つまりデカールローラ33の回動円
内とすることによって、記録紙Ｐのデーカールローラ33
への捲き掛け角度θをより小さく設定することもでき、
そのデーカールローラ33による記録紙Ｐのカールの矯正
をより効果的にすることもできる。

【００３０】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、カール矯
正部材に捲き掛けられた記録紙に、矯正補助部材が待機
位置から補助位置に移動してその捲き掛け量を大きくす
る方向から接するので、カールの外面側にカール矯正部
材が接して反転させる記録紙を、矯正補助部材がそのカ
ールの内面側から移動して接しより大きく反転させるこ
とができ、記録紙のカール矯正部材への捲き掛け角度θ
を移動しないで補助する場合よりも小さくすることがで
きる。したがって、記録紙のカールを効果的に矯正する
ことができる。

【００３１】請求項２記載の発明によれば、カール矯正
部材を矯正位置および待機位置の間を移動させ待機時に
カール矯正部材による癖が記録紙につかないようにする
場合に、カール矯正部材が矯正位置に位置する際に、矯
正補助部材を待機位置からカール矯正部材の上下流側の
記録紙の搬送経路を近接させる補助位置まで移動させる
ので、カール矯正部材を容易に矯正位置に移動させるこ
とができ、矯正補助部材によって記録紙をより大きく屈
曲させ捲き掛け角度θをより小さくすることができる。
したがって、記録紙のカールを容易に、より効果的に矯
正することができる。

【００３２】請求項３記載の発明によれば、記録紙を矯
正補助部材表面の摩擦係数の小さなテープに摺動させそ
の記録紙のカール矯正部材への捲き掛け角度θを小さく
するので、矯正補助部材表面を金属材料のままとした場
合よりも周囲の環境による影響なく記録紙を小さな搬送
負荷で摺動させることができる。したがって、矯正補助
部材による搬送負荷が大きかったり環境によりばらつい
てしまうと、カールの矯正の効果を減少させてしまった
りばらつかせてしまうが、記録紙のカール矯正部材への
捲き掛け角度θを安定した小さな搬送負荷で小さくする
ことができ、記録紙のカールを安定して矯正することが
できる。また、摩擦係数が小さくなるので、耐久性も向
上するとともに、容易に張り替えて再生することがで
き、コスト低減も図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る画像記録装置の一実施例を示す図
であり、その概略内部構成図である。

【図２】その要部の動作時を示す状態図である。

【図３】その要部の待機時を示す状態図である。

【図４】その要部の一部品を示す斜視図である。

【図５】その待機時および記録紙ロールのセット時の記
録紙の状態を説明する説明図である。

【図６】その動作時の記録紙の状態を説明する説明図で
ある。

【図７】その従来例の要部を示す概念図である。

【図８】その従来例の課題を説明する説明図である。

【符号の説明】

10 画像記録部 20 記録紙給紙装置 23〜26 ローラ（搬送手段） 27 カッタ部 30 カール矯正機構 33 デカールローラ（カール矯正部材） 41 補助ローラ（矯正補助部材） 42 レバー（補助部材移動手段） 44 ソレノイド（補助部材移動手段） 45 テープ Ｄ１ 矯正位置 Ｄ２ 補助位置 Ｆ１、Ｆ２ 待機位置 Ｐ 記録紙 Ｒ 記録紙ロール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録紙をロール状に巻かれた記録紙ロール
   から該記録紙を引き出して搬送する搬送手段と、該搬送
   手段の記録紙の搬送方向上流側で記録紙ロールから引き
   出されカールする記録紙を該カールを反転させる方向に
   捲き掛けられて該記録紙のカールを矯正するカール矯正
   部材と、搬送されてきた記録紙に画像を記録する画像記
   録部と、を備えた画像記録装置であって、 記録紙のカール矯正時に該記録紙のカール矯正部材への
   捲き掛け量を大きくする方向から該記録紙に接する補助
   位置に移動され保持される矯正補助部材と、記録紙のカ
   ール矯正時に矯正補助部材を待機位置から補助位置に移
   動させる補助部材移動手段と、を設けたことを特徴とす
   る画像記録装置。
2. 【請求項２】前記カール矯正部材を搬送される記録紙を
   捲き掛けられる矯正位置に待機位置から移動させる矯正
   部材移動手段を備え、 前記補助部材移動手段を、矯正位置に位置するカール矯
   正部材に対して記録紙の搬送方向上下流側の搬送経路を
   近接させる位置を矯正補助部材の補助位置として該矯正
   補助部材を移動させるように構成したことを特徴とする
   請求項１記載の画像記録装置。
3. 【請求項３】前記矯正補助部材の少なくとも記録紙に接
   する面に、表面の摩擦係数の小さなテープを貼付したこ
   とを特徴とする請求項１または２に記載の画像記録装
   置。