JPH10119760A - トラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置およびトラクタ・トレーラブレーキのブレーキ制御装置 - Google Patents

トラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置およびトラクタ・トレーラブレーキのブレーキ制御装置

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JPH10119760A
JPH10119760A JP27213896A JP27213896A JPH10119760A JP H10119760 A JPH10119760 A JP H10119760A JP 27213896 A JP27213896 A JP 27213896A JP 27213896 A JP27213896 A JP 27213896A JP H10119760 A JPH10119760 A JP H10119760A
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JP
Japan
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brake
trailer
tractor
ratio
coupling force
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Application number
JP27213896A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Taniguchi
谷口宏幸
Minoru Arai
稔 新井
Takashi Kushiyama
孝 櫛山
Gunji Yoshida
吉田軍治
Ryuta Sugawara
菅原龍太
Naohito Kajikawa
梶川直仁
Takeshi Oe
武 大江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
J K C TORATSUKU BRAKE SYST KK
Original Assignee
J K C TORATSUKU BRAKE SYST KK
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Publication date
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  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】より正確にかつ安価に推定したカップリングフ
ォースを用いてトラクタおよびトレーラのブレーキ力不
足またはフェード傾向を判断して警報し、またトラクタ
およびトレーラのブレーキをより適正に制御する。 【構成】カップリングフォース演算手段52により算出
されたカップリングフォースを用いて、トラクタおよび
トレーラの各ブレーキレシオが算出される。ブレーキ力
判断手段54により、求められたトラクタおよびトレー
ラの各ブレーキレシオがそれぞれ予め定められている所
定位置以下であると判断されたとき、ブレーキ力不足と
して警報手段51によって警報が発せられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタとトレー
ラとがカプラを介して連結される連結車両のブレーキ制
御の技術分野に属し、特にトレーラの突き上げ等によっ
てカプラに加えられるカップリングフォースを用いてブ
レーキ圧を制御するカップリングフォースコントロール
(以下、CFCとも表記する)を行うトラクタ・トレー
ラブレーキ制御において、異常時に警報する異常警報装
置およびブレーキ圧を適正に制御するブレーキ制御装置
の技術分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタにカプラを介してトレーラが連
結されるトラクタ・トレーラの連結車両においては、一
般にトラクタおよびトレーラともエアブレーキシステム
が採用されている。すなわち、エア圧によってトラクタ
およびトレーラの制動に必要なブレーキ圧が形成される
ようになっている。このブレーキ圧は、トレーラがトラ
クタと正確に同じ制動加速で減速されるように調整され
ることが望ましい。
【0003】そこで、従来、トラクタの制動力に関連し
てトレーラに供給されたブレーキ圧を調整することによ
り、トレーラの制動力をその都度適正な値に一定に保持
するようにしたトレーラブレーキ制御方法が、特開平5
ー310111号公報により提案されている。
【0004】この公報に開示されているトレーラブレー
キ制御方法は前述のCFCによるブレーキ制御方法であ
るが、その場合トレーラの突き上げ等によってカプラに
加えられるカップリングフォースが0かまたはわずかに
負の値すなわちトレーラのブレーキ力がトラクタのブレ
ーキ力よりわずかに大きくなるになるように設定されて
いる。このようにトレーラのブレーキ力を設定する理由
は、トレーラのブレーキ力がトラクタのブレーキ力より
小さく設定されると、トラクタ・トレーラの制動時にト
レーラがトラクタに対して突き上げて、いわゆるジャッ
クナイフ現象を起こすおそれがあり、このジャックナイ
フ現象を防止するためであるとともに、運転フィーリン
グにおいて、従来はトレーラのブレーキ力がトラクタの
ブレーキ力より大きく設定する方がよいとされているた
めである。
【0005】ところで、この公報に開示されているトレ
ーラブレーキ制御方法では、トレーラがカプラに加える
カップリングフォースを測定するために、カップリング
フォースセンサを用いている。しかしながら、カップリ
ングフォースセンサがきわめて高価であるため、前述の
トレーラブレーキ制御方法の実用化は比較的困難であっ
た。
【0006】そこで、このようなカップリングフォース
センサを用いることなく、カップリングフォースを算出
することにより知る方法が、特開平6ー323931号
公報において提案されている。この公報に開示されてい
るカップリングフォースの算出方法は、トラクタにおい
て鉛直方向(なお、以下の本発明の説明においては垂直
方向とも表記する)および前後方向の力のバランスをそ
れぞれ規定するとともに、これらの鉛直方向および前後
方向の力のバランスからカップリングフォースを算出し
ている。このカップリングフォースの算出方法によれ
ば、高価なカップリングフォースセンサを用いることな
く、安価にカップリングフォースを知ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
2つの公報に開示されているトレーラのブレーキ制御方
法では、トレーラのブレーキ力をトラクタのブレーキ力
より大きくなるように設定しているため、トレーラがや
やもするとオーバーブレーキになりがちである。トレー
ラがオーバーブレーキになると、トレーラがトラクタに
対して横振れする、いわゆるトレーラスイング現象を起
こしやすくなるおそれがあるという問題がある。
【0008】また、前述の特開平6ー323931号公
報に開示されているカップリングフォース算出方法で
は、その算出に必要なデータがトラクタのデータのみで
あるばかりでなく、これらのデータは検出値、測定値あ
るいは定数である。
【0009】しかしながら、一般にトレーラの使用頻度
はトラクタの使用頻度に比べて少なく、トレーラの寿命
は長い。このため、古い車種から新しい車種まで種々の
タイプのトレーラがトラクタに連結され、トラクタとト
レーラとの組合せは一定ではない。また、トレーラの積
載状態は空積状態から満積状態まで種々の状態がある。
したがって、種々の条件のトレーラがトラクタに連結さ
れることになり、カップリングフォース算出にあたって
は、トレーラのデータも加味することが、トレーラのブ
レーキ制御をより一層正確に行うことができ望ましい。
【0010】更に、前述のように種々の条件のトレーラ
がトラクタに連結されるため、トラクタブレーキおよび
トレーラブレーキにそれぞれ必要なブレーキ力も一定で
はなく、トレーラの条件によってはそれぞれブレーキ力
が不足するという異常事態が発生してしまう場合があ
る。また、トラクタおよびトレーラブレーキにそれぞれ
起きるフェード現象によってもトラクタおよびトレーラ
の各ブレーキの効きが弱くなるという異常事態が発生す
る場合もある。そこで、トラクタおよびトレーラの各デ
ータからトラクタおよびトレーラの各ブレーキ力が不足
している場合、あるいはフェード現象によりトラクタお
よびトレーラの各ブレーキの効きが弱くなっている場合
に、トラクタ側に警報を発するとともに、トラクタおよ
びトレーラの各ブレーキをできるだけ適正に制御するこ
とが望ましい。
【0011】ところで、トラクタおよびトレーラのデー
タを知るためには、トラクタおよびトレーラに種々のセ
ンサや制御装置を設ける必要がある。しかし、トレーラ
にもセンサや制御装置を設けたのでは、コストが高くな
るばかりでなく、トラクタに比べて使用頻度の少ないト
レーラにこれらを設けることは経済的にきわめて無駄で
あり、しかも市場汎用性のないものとなってしまう。そ
こで、トレーラにこれらのセンサや制御装置をほとんど
設けることなく、トラクタおよびトレーラの各ブレーキ
制御および警報を行うことが求められている。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的はトレーラに高価なカップリン
グフォースセンサや制御装置を設けることなく、より正
確にかつ安価に推定したカップリングフォースを用いて
トラクタおよびトレーラのブレーキ力不足またはフェー
ド傾向を判断して警報するトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置、およびトラクタおよびブレーキをより
適正に制御することのできるトラクタ・トレーラブレー
キのブレーキ制御装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明のトラクタ・トレーラブレーキの
異常警報装置は、トレーラがカプラを介してトラクタに
加えるカップリングフォースを算出するカップリングフ
ォース演算手段と、少なくとも算出したカップリングフ
ォースを用いてトラクタおよびトレーラの各ブレーキレ
シオのうち少なくとも一方のブレーキレシオを算出する
ブレーキレシオ演算手段と、算出したブレーキレシオが
予め設定された所定値以下のとき出力するブレーキ力判
断手段と、このブレーキ力判断手段の出力により警報を
発する警報手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】また、請求項2の発明の異常警報装置は、
請求項1の発明の異常警報装置におけるブレーキ力判断
手段が、ブレーキのフェード傾向時に出力するフェード
傾向判断手段であることを特徴としている。
【0015】更に、請求項3の発明の異常警報装置は、
請求項1の発明におけるブレーキレシオ演算手段が算出
したブレーキレシオを用いてブレーキレシオ変化率を算
出するブレーキレシオ変化率演算手段と、算出したブレ
ーキレシオ変化率が予め設定された所定値以下のとき、
そのブレーキがフェード傾向であるとして出力するフェ
ード傾向判断手段と、このフェード傾向判断手段の出力
により警報を発する警報手段とを備えていることを特徴
としている。
【0016】更に請求項4の発明の異常警報装置は、更
に所定時間内のブレーキ回数が予め設定された所定回数
以上のとき出力するブレーキ頻度判断手段を備え、前記
フェード傾向判断手段の出力と前記ブレーキ頻度判断手
段の出力とにより、前記警報手段が警報を発することを
特徴としている。
【0017】更に請求項5の発明のブレーキ制御装置
は、カプラを介して互いに連結されるトラクタとトレー
ラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であって、前記トラ
クタに設けられたブレーキバルブから出力されるエア圧
により前記トレーラのブレーキを作動制御するトラクタ
・トレーラブレーキ制御装置において、前記トレーラが
前記カプラを介して前記トラクタに加えるカップリング
フォースを算出するカップリングフォース演算手段と、
少なくとも算出したカップリングフォースを用いてトラ
クタおよびトレーラの各ブレーキレシオのうち少なくと
も一方のブレーキレシオを算出するブレーキレシオ演算
手段と、算出したブレーキレシオが予め設定された所定
値以下のとき、そのブレーキがフェード傾向であるとし
て出力するフェード傾向判断手段と、ブレーキ作動が緩
ブレーキであるとき出力する緩ブレーキ判断手段とを備
え、前記フェード傾向判断手段の出力と前記緩ブレーキ
判断手段の出力とによりそのブレーキのブレーキ圧を減
圧することを特徴としている。
【0018】更に請求項6の発明のブレーキ制御装置
は、請求項5の発明におけるブレーキレシオ演算手段が
算出したブレーキレシオを用いてブレーキレシオ変化率
を算出するブレーキレシオ変化率演算手段と、算出した
ブレーキレシオ変化率が予め設定された所定値以下のと
き、そのブレーキがフェード傾向であるとして出力する
フェード傾向判断手段と、ブレーキ作動が緩ブレーキで
あるとき出力する緩ブレーキ判断手段とを備え、前記フ
ェード傾向判断手段の出力と前記緩ブレーキ判断手段の
出力とによりそのブレーキのブレーキ圧を減圧すること
を特徴としている。
【0019】更に請求項7の発明のブレーキ制御装置
は、更に所定時間内のブレーキ回数が予め設定された所
定回数以上のとき出力するブレーキ頻度判断手段を備
え、前記フェード傾向判断手段の出力と前記ブレーキ頻
度判断手段の出力と前記緩ブレーキ判断手段の出力とに
より、そのブレーキのブレーキ圧を減圧することを特徴
としている。
【0020】更に請求項8の発明のブレーキ制御装置
は、カプラを介して互いに連結されるトラクタとトレー
ラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であって、前記トラ
クタに設けられたブレーキバルブから出力されるエア圧
により前記トレーラのブレーキを作動制御するトラクタ
・トレーラブレーキ制御装置において、前記トレーラが
前記カプラを介して前記トラクタに加えるカップリング
フォースを算出するカップリングフォース演算手段と、
少なくとも算出したカップリングフォースを用いてトラ
クタおよびトレーラの各ブレーキレシオのうち少なくと
も一方のブレーキレシオを算出するブレーキレシオ演算
手段と、ブレーキ作動が急ブレーキであるとき出力する
急ブレーキ判断手段とを備え、前記急ブレーキ判断手段
からの出力があるときは、算出したブレーキレシオが予
め設定された目標ブレーキレシオとなるようにブレーキ
圧を制御するカップリングフォースコントロールによる
ブレーキ制御を行うとともに、前記急ブレーキ判断手段
からの出力がないときは、前記カップリングフォースコ
ントロールによるブレーキ制御のうち、増圧制御のみを
禁止することを特徴としている。
【0021】更に請求項9の発明のブレーキ制御装置
は、更に車両が旋回中のとき出力する車両旋回判断手段
を備え、前記車両旋回判断手段からの出力があるとき
は、前記カップリングフォースコントロールによるブレ
ーキ制御を行うことを特徴としている。
【0022】
【作用】このような構成をした請求項1の発明の異常警
報装置においては、カップリングフォース演算手段によ
って算出したカップリングフォースを用いて、ブレーキ
レシオ演算手段がブレーキレシオを算出し、算出したブ
レーキレシオを用いてブレーキ力判断手段がブレーキ力
不足を判断し、ブレーキ力不足であると判断されたと
き、警報手段が警報を発する。
【0023】また請求項2の発明の異常警報装置におい
ては、算出したカップリングフォースおよびブレーキレ
シオを用いてブレーキのフェード傾向を判断し、フェー
ド傾向であると判断されたとき、警報手段が警報を発す
る。
【0024】更に請求項3の発明の異常警報装置におい
ては、ブレーキレシオ変化率演算手段が、算出したブレ
ーキレシオを用いてブレーキレシオ変化率を算出し、こ
のブレーキレシオ変化率を用いてブレーキのフェード傾
向を判断し、フェード傾向であると判断されたとき、警
報手段が警報を発する。
【0025】更に請求項4の発明の異常警報装置におい
ては、ブレーキ頻度判断手段が所定時間内のブレーキ回
数が予め設定された所定回数以上のとき出力し、前記フ
ェード傾向判断手段の出力と前記ブレーキ頻度判断手段
の出力とにより、前記警報手段が警報を発する。
【0026】更に請求項5の発明のブレーキ制御装置に
おいては、フェード傾向判断手段が算出したブレーキレ
シオを用いてブレーキのフェード傾向を判断するととも
に緩ブレーキ判断手段が緩ブレーキを判断し、これらフ
ェード傾向判断手段および緩ブレーキ判断手段からとも
に出力されたとき、ブレーキ圧が減圧される。
【0027】更に請求項6の発明のブレーキ制御装置に
おいては、フェード傾向判断手段が、算出したブレーキ
レシオ変化率を用いてブレーキのフェード傾向を判断す
るとともに緩ブレーキ判断手段が緩ブレーキを判断し、
これらフェード傾向判断手段および緩ブレーキ判断手段
からともに出力されたとき、ブレーキ圧が減圧される。
【0028】更に請求項7の発明のブレーキ制御装置に
おいては、フェード傾向判断手段が、算出したブレーキ
レシオまたはブレーキレシオ変化率を用いてブレーキの
フェード傾向を判断するとともに緩ブレーキ判断手段が
緩ブレーキを判断し、更にブレーキ頻度判断手段が所定
時間内のブレーキ回数を判断し、これらフェード傾向判
断手段と緩ブレーキ判断手段とブレーキ頻度判断手段と
からともに出力されたとき、ブレーキ圧が減圧される。
【0029】更に請求項8の発明のブレーキ制御装置に
おいては、緩ブレーキ判断手段が緩ブレーキを判断した
ときは、算出したブレーキレシオが予め設定された目標
ブレーキレシオとなるようにブレーキ圧を制御するCF
Cによるブレーキ制御が行われる。また、緩ブレーキ判
断手段が緩ブレーキを判断しないときは、このCFCに
よるブレーキ制御のうち、増圧制御のみが禁止される。
更に請求項9の発明のブレーキ制御装置においては、車
両旋回判断手段が車両旋回中を判断したときは、CFC
によるブレーキ制御が行われる。
【0030】このように本発明におけるトラクタ・トレ
ーラブレーキの警報装置およびブレーキ制御装置におい
ては、算出したカップリングフォースおよびブレーキレ
シオにより、ブレーキ力不足を判断しているので、高価
なカップリングフォースセンサが不要となり、トラクタ
およびトレーラのブレーキ力不足やフェード傾向を確実
にかつ安価に警報できるようになるとともに、ブレーキ
制御をより適正に行ってブレーキ力不足やフェード傾向
が解消されるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明にかかるトラクタ・
トレーラブレーキの異常警報装置およびトラクタ・トレ
ーラブレーキのブレーキ制御装置の実施の形態の各例に
用いられるトラクタ・トレーラエアブレーキシステムの
トラクタ側のエアブレーキ回路図である。
【0032】図1に示すように、トラクタ側のエアブレ
ーキシステム1は、ブレーキ操作を行うためのブレーキ
ペダル2と、トラクタ・トレーラのサービスブレーキの
ためのブレーキ作動指示圧の給排を制御するデュアルブ
レーキバルブ3と、エアを所定圧に貯溜するメインリザ
ーバ4と、それぞれメインリザーバ4に接続されてこの
メインリザーバ4からのエアを所定圧に貯溜する第1な
いし第4サブリザーバ5,6,7,8と、メインリザーバ
4にエアを送給する圧縮機9と、第1ないし第4サブリ
ザーバ5,6,7,8の回路のうち少なくとも1つのエア
圧が失陥したとき、他の正常な回路のエア圧を保護する
ためのプロテクションバルブ10と、それぞれ第1サブ
リザーバ5からのエアが供給されることにより左右前輪
にそれぞれブレーキをかけるためのブレーキ力を発生す
る左右前輪用パワーチャンバ11,12と、ブレーキバ
ルブ3からの第1サブリザーバ5のエアによるブレーキ
作動指示圧により左右前輪用パワーチャンバ11,12
に対するエアの給排を制御する前輪用リレーバルブ13
と、それぞれ左右前輪のロックを防止するために左右前
輪用パワーチャンバ11,12に供給されるエア圧を調
整するアンチロック(以下、ABSとも表記する)用モ
ジュレータ14,15と、それぞれブレーキバルブ3か
らの第2サブリザーバ6のエアが供給されることにより
左右後輪にそれぞれブレーキをかけるためのブレーキ力
を発生するスプリングブレーキ付きの左右後輪用スプリ
ングブレーキアクチュエータ16,17と、左右後輪用
スプリングブレーキアクチュエータ16,17に対する
エアの給排を制御する後輪用リレーバルブ18と、ブレ
ーキバルブ3を介することなく後輪用リレーバルブ18
に第2サブリザーバ6のエアによる入力信号に比例した
ブレーキ作動指示圧を供給する電磁比例弁19と、通常
時ブレーキバルブ3からの第2サブリザーバ6のエアに
よるブレーキ作動指示圧を後輪用リレーバルブ18に供
給し、必要時に電磁比例弁19からのブレーキ作動指示
圧を選択的に後輪用リレーバルブ18に供給制御する第
1切換弁20と、必要時に第1切換弁20を作動制御す
るために第2サブリザーバ6のエアによるパイロット圧
を第1切換弁20に供給制御する第1電磁切換弁21
と、それぞれ左右後輪のロックを防止するために左右後
輪用スプリングブレーキアクチュエータ16,17に供
給されるエア圧を調整するABS用モジュレータ22,
23と、トラクタの左右後輪用スプリングブレーキアク
チュエータ16,17のスプリングブレーキに対するス
プリングブレーキ作動解除指示圧を制御するとともにト
レーラのブレーキを手動で制御してトラクタおよびトレ
ーラの非常ブレーキ、駐車ブレーキを作動制御するハン
ドコントロールバルブ24と、ハンドコントロールバル
ブ24からのスプリングブレーキ作動解除指示圧により
左右後輪用スプリングブレーキアクチュエータ16,1
7のスプリングブレーキに対する第3サブリザーバ7か
らのエアの給排を制御するスプリングブレーキ用リレー
バルブ25と、トレーラのブレーキを作動するために第
3サブリザーバ7からのエアをトレーラサービスライン
Aに供給制御するハンドブレーキバルブ26と、ハンド
ブレーキバルブ26と第3サブリザーバ7との間のエア
通路27から分岐されて、トレーラのブレーキを作動す
るために第3サブリザーバ7からのエアをトレーラサー
ビスラインAに供給するための分岐エア通路28と、こ
の分岐エア通路28に配設され入力信号に比例したエア
圧を送給する第2電磁比例弁29と、必要時に第2電磁
比例弁29が出力したエア圧をトレーラサービスライン
Aに供給する第2電磁切換弁30と、ハンドブレーキバ
ルブ26からのエア圧および第2電磁切換弁30からの
エア圧のうち大きい方のエア圧を出力するダブルチェッ
クバルブ31と、トレーラのサービスブレーキのために
ブレーキバルブ3とダブルチェックバルブ31からの出
力圧のうち、大きい方の出力圧のエアを選択してトレー
ラサービスラインAに供給するとともに、トレーラの駐
車ブレーキのためにハンドコントロールバルブ24から
のエアをトレーラサービスラインAに供給し、更に第3
サブリザーバ7からのエアをトレーラサプライラインB
に供給するトレーラコントロールバルブ32と、ブレー
キバルブ3の第1出口D1とトレーラコントロールバルブ
32の第1指示圧口C1とを接続する通路33に、この通
路33の前輪用リレーバルブ13への分岐点よりトレー
ラコントロールバルブ32側に位置して配設された第2
切換弁34と、ブレーキバルブ3からのエア圧を検出し
てブレーキ作動を検知する第1圧力ピックアップ35
と、第2電磁切換弁30の出力するエア圧を検出する第
2圧力ピックアップ36と、後輪用リレーバルブ18の
出力するエア圧を検出する第3圧力ピックアップ37
と、音声表示あるいは視認表示によるトラクタ・トレー
ラのブレーキの異常を報せる警報手段51と、第1〜第
3圧力ピックアップ35,36,37、前後左右輪のAB
S用モジュレータ14,15,22,23、第1および第
2電磁比例弁19,29、第1および第2電磁切換弁2
0,30、および警報手段51が接続される電子制御装
置(以下、ECUとも表記する)38と、トレーラサー
ビスラインA用トラクタ側カプラ39と、トレーラサプ
ライラインB用トラクタ側カプラ40とを備えている。
【0033】トレーラコントロールバルブ32は第1指
示圧口C1の指示圧と第2指示圧口C2の指示圧とのうち大
きい方の指示圧を選択し、選択した指示圧に対応した圧
力を第1出口D1から出力するようになっている。
【0034】なお、このトラクタのエアブレーキシステ
ム1には、車輪ロック時にロックが解消するようにこの
車輪のブレーキ圧を調整するABSシステムおよび駆動
輪の空転時に空転が解消するように駆動輪にブレーキを
かけるトラクションコントロール(以下、TRCシステ
ムとも表記する)を備えており、したがって図示しない
が、トラクタの車輪には車輪速度を検出する車輪速セン
サが設けられている。
【0035】図2は、図1に示すトラクタ・トレーラエ
アブレーキシステムのトレーラ側のエアブレーキ回路図
である。図2に示すように、トレーラ側のエアブレーキ
システム41は、トレーラサービスブレーキのためのエ
アを所定圧に貯溜するトレーラ用リザーバ42、トレー
ラ用リザーバ42のエアが供給されることにより左右前
側輪にそれぞれブレーキをかけるためのブレーキ力を発
生する左右前側輪用パワーチャンバ43,44、トレー
ラ用リザーバ42のエアが供給されることにより左右後
側輪にそれぞれブレーキをかけるためのブレーキ力を発
生する左右後側輪用パワーチャンバ45,46、トラク
タ側のブレーキバルブ3からトレーラサービスラインA
を通って供給されるブレーキ作動指示圧により左右前後
側輪用パワーチャンバ43,44,45,46に対するエ
アの給排を制御するトレーラ用リレーバルブ47、トレ
ーラサービスラインA用トラクタ側カプラ39と連結さ
れるトレーラサービスラインA用トレーラ側カプラ4
8、トレーラサプラインラインB用トラクタ側カプラ4
0と連結されるトレーラサプライラインB用トレーラ側
カプラ49を備えている。
【0036】このように構成されたトラクタ・トレーラ
のエアブレーキシステムにおいては、トラクタにトレー
ラが連結されるとき、トレーラサービスラインAのトラ
クタ側カプラ39にトレーラサービスラインAのトレー
ラ側カプラ48が連結されるとともに、トレーラサプラ
イラインBのトラクタ側カプラ40にトレーラサプライ
ラインBのトレーラ側カプラ49が連結される。そし
て、ハンドコントロールバルブ24が駐車ブレーキ解除
位置Iにされることにより、スプリングブレーキ作動解
除指示圧がスプリングブレーキ用リレーバルブ25に供
給され、第3サブリザーバ7のエアがスプリングブレー
キ用リレーバルブ25およびダブルチェックバルブ50
を通して各スプリングブレーキアクチュエータ16,1
7のスプリングブレーキ解放室16a,17aに供給さ
れる。これにより、トラクタのスプリングブレーキが解
放され、駐車ブレーキが解除する。
【0037】また、ハンドコントロールバルブ24から
のトレーラ駐車ブレーキ作動解除指示圧がトレーラコン
トロールバルブ32に供給されるので、トレーラコント
ロールバルブ32がトレーラの左右前後側輪用パワーチ
ャンバ43,44,45,46内のエアを排出し、トレー
ラの駐車ブレーキが解除する。
【0038】この状態でトラクタ・トレーラが走行し、
その走行中にサービスブレーキをかけるためにブレーキ
ペダル2が踏み込まれると、ブレーキバルブ3が切り換
えられ、第1および第2入口S1,S2がそれぞれ対応する
第1および第2出口D1,D2に接続される。これにより、
第1サブリザーバ5のエアが第1入口S1および第1出口
D1を通って前後輪用リレーバルブ13の指示圧口Cにブ
レーキ作動指示圧として供給される。このため、このリ
レーバルブ13の入口Sと出口Dとが連通し、リレーバル
ブ13の入口Sまで供給されている第1サブリザーバ5
のエアが出口D、ABS用モジュレータ14,15を通っ
て左右前輪用パワーチャンバ11,12に供給され、ト
ラクタの左右前輪のサービスブレーキがそれぞれかけら
れる。
【0039】また、第2サブリザーバ6のエアがブレー
キバルブ3の第2出口D2から出力される。このとき、第
2出口D2からのエア圧が第1圧力ピックアップ35によ
って検出され、ブレーキ作動検知信号がECU38に送
られる。ECU38は、後述するカップリングフォース
を用いたCFCによるブレーキ制御を行う。すなわち、
ECU38はこのカップリングフォースに基づいてトラ
クタに必要なブレーキ力をそれぞれ算定するとともに、
その算定結果に基づいて第1電磁比例弁19を制御す
る。その場合、このカップリングフォースはトレーラの
軸重に対応したものとなっている。これにより、第1電
磁比例弁19は第2サブリザーバ6のエア圧を制御して
算定したブレーキ力に応じたエア圧を出力する。更にE
CU38は、第1電磁切換弁21を位置IIに切り換え、
これにより第1切換弁20が切り換えられる。したがっ
て、リレーバルブ18の指示圧口Cが第1電磁比例弁の
出力側と接続し、第1電磁比例弁19が出力するエア圧
のエアがリレーバルブ18の指示圧口Cに供給される。
このため、このリレーバルブ18の入口Sと出口Dとが連
通し、リレーバルブ18の入口Sまで供給されている第
2サブリザーバ6のエアが出口D、ABS用モジュレー
タ22,23を通って左右後輪用スプリングブレーキア
クチュエータ16,17のサービスブレーキ室16b,1
7bに供給され、トラクタの左右後輪のサービスブレー
キがそれぞれかけられる。その場合、左右後輪用スプリ
ングブレーキアクチュエータ16,17は、カップリン
グフォースに応じたブレーキ力でトラクタ後輪にブレー
キをかける。
【0040】なお、第1電磁比例弁19、第1電磁切換
弁21あるいは第1圧力ピックアップ35が故障したと
きは、ブレーキバルブ3の第2出口D2からのエアが切換
弁20を通ってリレーバルブ18の指示圧口Cに供給さ
れるので、トラクタ後輪のサービスブレーキを確実にか
けることができる。
【0041】一方ECU38は、カップリングフォース
に基づいてトレーラに必要なブレーキ力を算定するとと
もに、その算定結果に基づいて第2電磁比例弁29を制
御する。その場合、このカップリングフォースはトレー
ラの軸重に対応したものとなっている。これにより、第
2電磁比例弁29は第3サブリザーバ7のエア圧を制御
して算定したブレーキ力に応じたエア圧を出力する。更
にECU38は、第2電磁切換弁30を位置IIに切り換
えて、第2電磁比例弁29が出力するエア圧のエアを、
ダブルチェックバルブ31を通してトレーラコントロー
ルバルブ32の第2指示圧口C2に供給する。このとき、
トレーラコントロールバルブ32の第2指示圧口C2に供
給されるエア圧が第2切換弁34に導入されるので、第
2切換弁34は第2位置IIに切り換えられ、トレーラコ
ントロールバルブ32の第1指示圧口C1が大気に連通さ
れる。
【0042】このため、通常ブレーキ作動時には第2指
示圧口C2のエア圧が第1指示圧口C1のそれより大きくな
り、トレーラコントロールバルブ32は、この第2指示
圧口C2のエア圧、すなわち第2電磁比例弁29で制御さ
れたトレーラの軸重に応じたエア圧に応じた圧力のエア
を常にトレーラ用リレーバルブ45の指示圧口Cに供給
するようになる。これにより、トレーラ用リレーバルブ
45の出力圧も常にトレーラの軸重に応じたエア圧とな
り、このエア圧のエアがトレーラの各パワーチャンバ4
3,44,45,46に供給され、トレーラの左右前後側
輪のサービスブレーキがそれぞれかけられる。
【0043】したがって、通常ブレーキ作動時、トレー
ラのブレーキは常に積載重量に応じた適正なブレーキ力
となる。第2電磁比例弁29で制御されたエア圧がブレ
ーキバルブ3からのエア圧より小さいときにも、トレー
ラコントロールバルブ32が第2電磁比例弁29で制御
されたエア圧に応じた圧力のエアをトレーラ用リレーバ
ルブ45に供給しているので、従来のエアブレーキシス
テムのようにトレーラのブレーキ力が必要以上に過大と
なることはない。
【0044】このようにして、通常ブレーキ作動時に、
トレーラはアンダーブレーキおよびオーバーブレーキに
なることはなく、ジャックナイフ現象およびスイング現
象の発生が抑制される。更にECU38は、第1圧力ピ
ックアップ35からのブレーキ作動信号により図示しな
いストップランプを点灯してブレーキ操作を表示し、後
続車に知らせる。
【0045】サービスブレーキの解除のためブレーキペ
ダル2を解放すると、ブレーキバルブ3の各出口D1,D2
が各入口S1,S2から遮断されかつ排気口Eと接続されるの
で、トラクタ側の前輪用リレーバルブ13の指示圧口C
に供給されているエアがブレーキバルブ3の排気口Eか
ら排気される。このため、リレーバルブ13が非作動と
なってその出口Dが入口Sから遮断されかつ排気口Eと接
続されるので、パワーチャンバ11,12に供給されて
いるエアがリレーバルブ13の排気口Eから排気され、
トラクタの前輪のサービスブレーキが解除する。また、
トラクタ側の後輪用リレーバルブ18の指示圧口Cに供
給されているエアがブレーキバルブ3の排気口Eから排
気される。このため、リレーバルブ18が非作動となっ
てその出口Dが入口Sから遮断されかつ排気口Eと接続さ
れるので、スプリングブレーキアクチュエータ16,1
7に供給されているエアがリレーバルブ18の排気口E
から排気され、トラクタの後輪のサービスブレーキが解
除する。
【0046】更に、第1圧力ピックアップ35からのブ
レーキ作動信号がなくなるので、ECU38は第2電磁
切換弁30を元の位置Iに切り換える。これにより、ト
レーラコントロールバルブ32の第2指示圧口C2に供給
されているエアが第2電磁切換弁30から大気中に排気
されるので、トレーラサービスラインAに供給されてい
るエアがトレーラコントロールバルブ32の排気口Eか
ら排気される。このため、トレーラ用リレーバルブ45
の出口Dが入口Sから遮断されかつ排気口Eと接続される
ので、パワーチャンバ43,44,45,46に供給され
ているエアがトレーラ用リレーバルブ47の排気口Eか
ら排気され、トレーラの各車輪のサービスブレーキが解
除する。
【0047】なお、ECU38は、トラクタの各車輪に
配設されている図示しない車輪速センサからの車輪速信
号に基づいてトラクタの車輪のロックを検知すると、そ
のロックしている車輪のABS用モジュレータ14,1
5,22,23を制御して車輪ロックが解消するようにパ
ワーチャンバ11,12またはブレーキアクチュエータ
16,17のエア圧を調整する。更にECU38は、ト
ラクタの駆動輪の車輪速センサからの車輪速信号に基づ
いてトラクタの駆動輪の空転を検知すると、第1電磁比
例弁19および第1電磁切換弁21を作動して、ブレー
キアクチュエータ16,17にエア圧を送給し、駆動輪
の空転が解消するように駆動輪にブレーキをかける。
【0048】このトラクタ・トレーラのエアブレーキシ
ステムでは、図3に示すようにトラクタおよびトレーラ
の各軸A1,A2,A3,A4におけるブレーキレシオZ1,
2,Z3,Z4が同じになるように、トレーラのブレーキ
を制御している。これらのブレーキレシオZ1,Z2,Z3,
4は、それぞれ各車輪の制動力F1,F2,F3,F4を軸重
1,W2,W3,W4で除算したもので定義される。このよ
うに各軸のブレーキレシオZ1,Z2,Z3,Z4を同じにす
ることにより、路面の粘着利用率を最大になるようにす
るとともに、トレーラの積載重量にかかわらず、ブレー
キの効きが一定となるようにしている。
【0049】次に、トラクタおよびトレーラの各軸にお
けるブレーキレシオZ1,Z2,Z3,Z4が同じとなるよう
なトレーラのブレーキ制御方法の具体的な例について説
明する。
【0050】まず1つの例として、トラクタ前軸A1
ブレーキレシオZ1を目標ブレーキレシオと設定し、ト
ラクタ後軸A2およびトレーラの各軸A3,A4の各ブレー
キレシオZ2,Z3,Z4がこの目標ブレーキレシオと同じ
になるようにトラクタ後軸A2のブレーキ力およびトレ
ーラのブレーキ力を制御する。その場合、前述のように
トラクタ前軸A1の荷重は一定とする。カップリングフ
ォースFkの垂直成分Fkzがほとんど後軸A2にかかり、
前軸A1荷重がトラクタ単車時のそれとほとんど変わら
ないので、このようにトラクタ前軸A1の荷重を一定と
しても、特に支障はない。
【0051】ECU38は、後述するカップリングフォ
ースFkおよびブレーキレシオZを算出するとともに、
これらのカップリングフォースFkおよびブレーキレシ
オZにより、トラクタ後軸A2およびトレーラの各軸
3,A4の各ブレーキレシオZ2,Z3,Z4が目標ブレーキ
レシオであるトラクタ前軸A1のブレーキレシオZ1と同
じになるようなトラクタ後軸A2のブレーキ力およびト
レーラのブレーキ力を算出する。そして、ECU38は
電磁切換弁21,30を切り換えるとともに電磁比例弁
19,29を制御して、トラクタの後軸ブレーキおよび
トレーラのブレーキをそれぞれ算出した各ブレーキ力と
なるように制御する。その場合、ある軸のブレーキレシ
オが目標ブレーキレシオより小さいときは、その軸のブ
レーキ圧が増圧されてブレーキ力が増大するように、ま
たブレーキレシオが目標ブレーキレシオより大きいとき
は、その軸のブレーキ圧が減圧されてブレーキ力が減少
するように、それぞれブレーキ制御が行われる。これに
より、その軸のブレーキレシオが目標ブレーキレシオと
同じになるように補正される。
【0052】また、2つめの例として、セミトレーラの
ブレーキレシオZ3,Z4がカップリングフォース比Fkx
/Fkzとほぼ等しいと仮定することができることを用い
る。すなわちこの2つめの例は、カップリングフォース
比Fkx/Fkzとトラクタ後軸A2のブレーキレシオZ2
目標ブレーキレシオであるトラクタ前軸A1のブレーキ
レシオZ1と同じになるようにトラクタ後軸A2のブレー
キ力およびトレーラのブレーキ力を制御する。この場合
にも、トラクタ前軸A1の荷重は一定とする。そして、
ブレーキレシオが目標ブレーキレシオと異なるときは、
前述の例と同様のブレーキ制御が行われ、ブレーキレシ
オが目標ブレーキレシオと同じになるように補正され
る。
【0053】更に、3つめの例として、トレーラブレー
キレシオZ3,Z4が目標ブレーキレシオとして予め設定
された規定値になるようにトレーラのブレーキ力を制御
する。この規定値としては、例えば図11に示すブレー
キ圧PmとブレーキレシオZとの関係を用いる。この例
においても、前述の各例と同様にブレーキレシオが目標
ブレーキレシオと異なるときはこれと同じになるように
補正される。
【0054】更に、4つめの例として、トレーラブレー
キレシオZ3,Z4が目標ブレーキレシオであるトラクタ
の前軸A1のブレーキレシオZ1になるようにトレーラの
ブレーキ力を制御する。この例においても、前述の各例
と同様にブレーキレシオが目標ブレーキレシオと異なる
ときはこれと同じになるように補正される。
【0055】更に、5つめの例として、カップリングフ
ォース比Fkx/Fkzが、目標ブレーキレシオとして予め
設定されている規定値になるようにトレーラのブレーキ
力を制御する。この規定値としては、例えば図11に示
すブレーキ圧PmとブレーキレシオZとの関係を用い
る。この例においても、前述の各例と同様にブレーキレ
シオが目標ブレーキレシオと異なるときはこれと同じに
なるように補正される。
【0056】更に、6つめの例として、カップリングフ
ォース比Fkx/Fkzが目標ブレーキレシオであるトラク
タの前軸A1のブレーキレシオZ1になるようにトレーラ
のブレーキ力を制御する。この例においても、前述の各
例と同様にブレーキレシオが目標ブレーキレシオと異な
るときはこれと同じになるように補正される。
【0057】ところで、このようなCFCによるトレー
ラのブレーキ制御方法を行うためには、カップリングフ
ォースFk、カップリングフォース比Fkx/Fkzおよび
ブレーキレシオZを求める必要があるので、これらのカ
ップリングフォースFk、カップリングフォース比Fkx
/FkzおよびブレーキレシオZを求める方法について説
明する。その場合、前提条件として、(1) 図1に示すよ
うにトラクタのブレーキシステムにはABS・TRCが
配備されていること、したがってトラクタの各車輪には
車輪速センサが設けられていて車両加速度の測定が可能
であること、(2) トラクタの後輪はエアサスペンション
で支持されていること、(3) トラクタ単体の重量、トラ
クタの車軸荷重、およびトラクタの各寸法の諸データは
既知で一定であることがそれぞれ設定されている。
【0058】最初にカップリングフォースについて説明
すると、本発明では高価なカップリングフォースセンサ
を用いないで、トラクタおよびトレーラの各データを用
いてカップリングフォースを推定するようにしている。
カップリングフォースを推定するために必要なデータ
は、 (a) トラクタに関するデータ:質量、(後軸荷重)、
心に対するカプラ位置と車軸位置、 (b) トレーラに関するデータ:質量、重心に対するカプ
ラ位置と車軸位置、 (c) (車両加速度) であり、これらのデータのうち、下線のデータは既知で
かつ一定であり、またカッコ内のデータは測定可能なデ
ータである。したがって、(b)のトレーラに関するデー
タを求めればよいことになるが、その場合トレーラのデ
ータを求めるセンサあるいは制御装置等をトレーラに何
等設けなく、これらのトレーラのデータも推定するよう
にしている。
【0059】カップリングフォースの推定のための具体
的なデータは、表1に示すようになる。
【0060】
【表1】
【0061】図4は、カップリングフォースの推定方法
の一例を説明する図である。
【0062】図4に示すように、まずトレーラ質量Ma
を推定する。トレーラ質量Maの算出に必要なデータ
は、エンジン駆動力(エンジントルク)Fm、車両加速
度aおよびトラクタ質量Mzである。エンジン駆動力Fm
は、エンジン回転数、ガバナ角度およびエンジントルク
マップから推定できる。また車両加速度aは車輪速セン
サからの車輪速信号により求めることができる。そし
て、ECU8は、数式Fm=(Mz+Ma)×aからトレ
ーラの質量Maを算出する。これにより、トレーラ質量
aが推定でき、このトレーラ質量Maの推定は加速時毎
に行われ、メモリに記憶される。
【0063】次に、トレーラの重心位置に対するカプラ
位置および車軸位置を推定する。なお、以後図4、図
7、図9、図10においてトレーラ重心位置とあるのは
トレーラの重心位置に対するカプラ位置および車軸位置
を意味するものとする。また、図4ないし図7、図9に
おいてトラクタ重心位置とあるのはトラクタの重心位置
に対するカプラ位置および車軸位置を意味するものとす
る。
【0064】これらの各位置の推定は、前後方向および
垂直方向の力のつり合い式および重心での力のモーメン
トのつり合い式より行うようにしている。まず、トレー
ラの前後方向重心位置に対するカプラ位置Xakおよび車
軸位置Xaを推定する。そのために、まず車両停止時
に、トラクタのエアサスペンション圧によりトラクタ後
軸荷重F2を推定する。そして、このトラクタ後軸荷重
2と、前述推定したトレーラ質量Maと、既知のトラク
タの質量Mzと、トラクタの重心に対する既知のカプラ
位置Xkおよび既知の車軸位置X1とから、トレーラの前
後方向の重心位置に対するカプラ位置Xakおよび車軸位
置Xaを推定する。
【0065】次に、トレーラの垂直方向重心位置に対す
るカプラ位置Zakおよび車軸位置Zaを推定する。その
ために、まず加速時に、トラクタのエアサスペンション
圧によりトラクタ後軸荷重F2を推定するとともに、車
輪速センサにより車両加速度aを推定する。そして、こ
のトラクタ後軸荷重F2と、前述推定したトレーラ質量
aと、既知のトラクタの質量Mzと、トラクタの重心に
対する既知のカプラ位置Zkおよび既知の車軸位置Z12
と、前述推定した車両加速度aとから、トレーラの垂直
方向の重心位置に対するカプラ位置Zakおよび車軸位置
aを推定する。このトレーラの垂直方向重心位置に対
するカプラ位置Zakおよび車軸位置Zaの推定は車両加
速時毎に行われ、メモリに記憶される。
【0066】次に、制動時に前後方向および垂直方向の
カップリングフォースFkを推定する。このカップリン
グフォースFkの推定は、前述の各データの推定結果を
用いて、前後方向および垂直方向の力のつり合い式およ
び重心での力のモーメントのつり合い式より行うように
している。具体的には、カップリングフォースの前後成
分Fkxおよび垂直成分Fkzを、それぞれ次数式1および
2(特開平6ー323931号公報第10頁に記載され
ている数式25)を用いて算出する。
【0067】
【数1】
【0068】
【数2】
【0069】このようにして、この例のカップリングフ
ォース推定方法によるカップリングフォースFkが推定
される。
【0070】図5は、カップリングフォースの推定方法
の他の例を説明する図である。図5に示すように、この
例のカップリングフォースの推定方法では、まずカップ
リングフォース比Fkx/Fkzを算出する。
【0071】カップリングフォース比Fkx/Fkzの算出
に必要なデータは、制動力Fa、車両加速度a、トラク
タ質量Mz、トラクタ重心位置に対するカプラ位置Xk,
kおよび車軸位置X1,X2,Z12、およびトラクタ後軸
荷重F2である。制動力Faは第3圧力ピックアップ37
により検出されるブレーキ圧センサから推定できる。ま
た車両加速度aは前述と同様に車輪速センサから求める
ことができる。更に、トラクタ後軸荷重F2は前述と同
様にエアサスペンション圧から推定できる。他のデータ
は既知の一定量である。
【0072】そして、ECU8は、次の数式3(特開平
6ー323931号公報第9頁に記載されている数式2
3)を用いてカップリングフォース比Fkx/Fkzを算出
する。
【0073】
【数3】
【0074】一方、トラクタ後軸荷重F2からトラクタ
単車時(セミトレーラ非連結時)の後軸荷重を差し引く
ことにより、カップリングフォースFkの垂直成分Fkz
を算出する。なお、カップリングフォースFkの垂直成
分Fkzの算出は、トラクタ質量Mz、トラクタ重心位置
に対するカプラ位置Xk,Zkおよび車軸位置X1,X2,Z
12から算出することもできる。
【0075】そして、最後に算出したカップリングフォ
ース比Fkx/FkzとカップリングフォースFkの垂直成
分FkzとによりカップリングフォースFkの垂直成分F
kxを算出する。こうして、この例のカップリングフォー
ス推定方法によるカップリングフォースFkが推定され
る。
【0076】図6は、カップリングフォースの推定方法
の更に他の例を説明する図である。
【0077】図6に示すように、この例のカップリング
フォースの推定方法では、まずカップリングフォース比
kx/Fkzを算出する。その場合、前述の図5のカップ
リングフォース推定方法の例では、トラクタ後軸荷重F
2のデータも含めているが、このカップリングフォース
推定方法の例ではトラクタ後軸荷重F2は含めないで、
制動力Fa、車両加速度a、トラクタ質量Mz、トラクタ
重心位置に対するカプラ位置Xk,Zkおよび車軸位置
1,X2,Z12から、次の数式4(特開平6ー32393
1号公報第9頁に記載されている数式21)を用いてカ
ップリングフォース比Fkx/Fkzを算出する。
【0078】
【数4】
【0079】以後、カップリングフォースFkの垂直成
分Fkzおよび垂直成分Fkxは、前述の図5に示すカップ
リングフォース推定方法の例と同様に算出する。こうし
て、この例のカップリングフォースの推定方法における
カップリングフォースFkが推定される。
【0080】図7は、ブレーキレシオの算出方法の一例
を説明する図である。図7に示すように、この例のブレ
ーキレシオ算出方法は、まず制動時にトラクタおよびト
レーラの制動力を算出する。トラクタの制動力Faを図
5および図6に示す場合と同様にブレーキ圧より算出
し、トレーラの制動力を、このトラクタの制動力Fa
車輪速センサにより推定される車両減速度a、トラクタ
質量Mz、カップリングフォース算出方法の一例で算出
した図4のトレーラ質量およびカップリングフォースF
kのデータから算出する。
【0081】次に、トラクタの前軸制動力および後軸制
動力を、算出したトラクタ制動力、カップリングフォー
スFkおよびトラクタ重心位置に対するカプラ位置Xk,
kおよび車軸位置X1,X2,Z12からそれぞれ算出す
る。なお、トラクタの前軸制動力および後軸制動力は一
定の比率で配分することにより求めてもよい。トラクタ
の制動力配分比率はほとんど変わらないので、配分比率
を一定にしても支障はない。また、ブレーキバルブ3の
各出力圧よりトラクタの前軸制動力および後軸制動力を
求めることもできる。
【0082】次に、図4で求めたトレーラ質量とトレー
ラ重心位置に対するカプラ位置Xak,Zakおよび車軸位
置Xa,Zaとにより、トレーラ軸荷重を算出する。更
に、エアサスペンション圧によりトラクタ後軸荷重F2
を算出するとともに、このトラクタ後軸荷重F2、トラ
クタ質量Mz、カップリングフォースFk、およびトラク
タ重心位置に対するカプラ位置Xk,Zkおよび車軸位置
1,X2,Z12からトラクタ前軸荷重F1を算出する。な
お、カップリングフォースFkの垂直成分Fkzがほとん
ど後軸にかかるので、トラクタ前軸荷重F1は既知の一
定としてもよい。
【0083】そして、最後にトラクタ制動力、トレーラ
制動力、トラクタの前軸および後軸の各制動力、トレー
ラ軸荷重、トラクタ前軸および後軸の各荷重とにより、
トラクタおよびトレーラの各軸のブレーキレシオを式
(制動力/軸荷重)より算出する。
【0084】図8は、ブレーキレシオの算出方法の他の
例を説明する図である。図8に示すように、制動時にブ
レーキ圧からトラクタの制動力を算出する。その場合図
7に示す前述の例と同様にして、このトラクタの制動力
を前軸および後軸に配分することにより、トラクタの前
軸制動力と後軸制動力とを算出する。また、エアサスペ
ンション圧からトラクタ後軸荷重F2を算出する。更に
本例の場合はトラクタ前軸荷重F1を既知の一定として
いる。そして、これらのトラクタの前軸制動力と後軸制
動力、トラクタ後軸荷重F2、およびトラクタ前軸荷重
1により、トラクタの前軸および後軸の各ブレーキレ
シオZ1,Z2をそれぞれ算出する。
【0085】一方、この例のブレーキレシオ算出方法で
は、図5または図6に示すカップリングフォース比Fkx
/Fkzを、トレーラのブレーキレシオZ3,Z4としてい
る。
【0086】こうして、この例のブレーキレシオ算出方
法によりトラクタおよびトラクタのブレーキレシオZ1,
2,Z3,Z4が求められる。
【0087】図9は、ブレーキレシオの算出方法の更に
他の例を説明する図である。図9に示すように、この例
のブレーキレシオの算出方法では、図7に示す例のブレ
ーキレシオの算出方法においてトレーラ質量Ma、カッ
プリングフォースFk、およびトレーラ重心位置に対す
るカプラ位置Xak,Zakおよび車軸位置Xa,Zaの代わり
に、図4で求めたトレーラ質量Ma、カップリングフォ
ースFk、およびトレーラ重心位置に対するカプラ位置
ak,Zakおよび車軸位置Xa,Zaを用いて、トレーラ制
動力、トレーラ軸荷重、およびトラクタ前軸荷重を算出
している。この例のブレーキレシオ算出方法の他の構成
は、図7に示す例のブレーキレシオ算出方法と同じであ
る。
【0088】こうして、この例のブレーキレシオ算出方
法によりトラクタおよびトラクタのブレーキレシオが求
められる。
【0089】図10は、ブレーキレシオの算出方法の更
に他の例を説明する図である。図10に示すように、こ
の例のブレーキレシオ算出方法では、図7に示す例のブ
レーキレシオ算出方法において算出されたトレーラ制動
力および同じく図7に示す例のブレーキレシオ算出方法
において算出されたトレーラ軸荷重により、トレーラの
ブレーキレシオのみを算出している。
【0090】ところで、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置およびこれらのブレーキのブレー
キ制御装置は、前述のようなCFCによるトラクタおよ
びトレーラのブレーキ制御において、例えばフェード現
象やメンテナンス不良等の何らかの原因でブレーキ力が
それぞれ不足するブレーキの異常時の場合に警報し、ま
たこのブレーキの異常時には、CFCによるブレーキ制
御が適正となるようにしている。
【0091】図12は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置の実施の形態の第1例を示す図で
ある。図12に示すように、この第1例のトラクタ・ト
レーラブレーキの異常警報装置は、ECU38内に設け
られた、前述のカップリングフォースを算出する演算手
段52と、前述のトラクタおよびトレーラのブレーキレ
シオを算出するトラクタ・トレーラブレーキレシオ演算
手段53と、ブレーキ力判断手段54と、警報手段51
とから構成されている。
【0092】このように構成された第1例の異常警報装
置においては、カップリングフォース演算手段52によ
り、カップリングフォースFkが図4ないし図6に示す
カップリングフォース算出方法のなかのいずれかの方法
で求められる。次いで、トラクタ・トレーラブレーキレ
シオ演算手段53により、求められたカップリングフォ
ースFkを用いて、トラクタのブレーキレシオが図7、
図9および図10に示すブレーキレシオ算出方法のなか
のいずれかの方法で求められるとともに、トレーラのブ
レーキレシオが図7ないし図10に示すブレーキレシオ
算出方法のなかのいずれかの方法で求められる。そし
て、ブレーキ力判断手段54により、求められたトラク
タおよびトレーラの各ブレーキレシオがそれぞれ予め定
められている所定位置以下であると判断されたとき、警
報手段51によって警報が発せられる。
【0093】したがって、メンテナンス不良等の何らか
の原因でトラクタおよびトレーラのいずれかのブレーキ
力が不足する場合には、運転者はトラクタおよびトレー
ラのブレーキ力不足を確実に知ることができるようにな
る。これにより、運転者は注意が喚起され、トラクタお
よびトレーラのブレーキを確実にかけるようになる。特
に、トレーラのブレーキ力不足による制動時のトレーラ
の突き上げ現象やジャックナイフ現象を確実に防止でき
るようになる。
【0094】トラクタおよびトレーラの各ブレーキ力不
足の判断基準となる各所定値は、それぞれ一定に設定す
ることもできるし、またトラクタおよびトレーラの各ブ
レーキ圧が大きくなるにしたがって大きくなるように可
変に設定することもできる。
【0095】図13は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置の実施の形態の第2例を示す図で
ある。図13に示すように、この第2例のトラクタ・ト
レーラブレーキの異常警報装置は、前述の図12に示す
トラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置においてブ
レーキ力判断手段54に代えて、ECU38内にフェー
ド傾向判断手段55が設けられていて、トラクタおよび
トレーラのブレーキ力不足の警報のうち、特にトラクタ
およびトレーラの各ブレーキがそれらのブレーキ力不足
の原因の1つであるフェード傾向になったとき警報が発
せられるようにしている。この第2例の異常警報装置の
他の構成は、図12の第1例と同じである。
【0096】このように構成された第2例の異常警報装
置においては、前述のようにトラクタ・トレーラブレー
キレシオ演算手段53により、カップリングフォースF
kを用いて、トラクタおよびトレーラの各ブレーキレシ
オが求められ、フェード傾向判断手段55により、求め
られたトラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオがそ
れぞれ予め定められている所定位置以下であると判断さ
れたとき、トラクタおよびトレーラの各ブレーキのうち
ブレーキレシオが所定位置以下であると判断されたブレ
ーキがフェード傾向にあるとして、警報手段51によっ
て警報が発せられる。
【0097】したがって、トラクタおよびトレーラがフ
ェード傾向となったとき、運転者はこのフェード傾向を
確実に知ることができるようになる。これにより、運転
者は注意が喚起され、トラクタおよびトレーラの各フェ
ード傾向が解消するように必要な対策を講じることがで
きる。この第2例の警報装置の他の作用よび効果は、第
1例の警報装置と同じである。
【0098】図14は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置の実施の形態の第3例を示す図で
ある。前述の図13に示す第2例の異常警報装置では、
ブレーキレシオを用いてブレーキのフェード傾向を判断
しているが、図14に示すように、この第3例のトラク
タ・トレーラブレーキの異常警報装置は、図13の異常
警報装置のECU38内におけるトラクタ・トレーラブ
レーキレシオ演算手段53とフェード傾向判断手段55
との間に、更にトラクタ・トレーラブレーキレシオ変化
率演算手段56が設けられていて、このトラクタ・トレ
ーラブレーキレシオ変化率演算手段56により、トラク
タおよびトレーラの各ブレーキレシオの時間的変化率が
それぞれ予め定められている所定位置以下であると判断
されたとき、トラクタおよびトレーラの各ブレーキのう
ちブレーキレシオ変化率が所定位置以下であると判断さ
れたブレーキがフェード傾向にあるとして、警報手段5
1によって警報が発せられるようにしている。
【0099】このようにこの第3例の異常警報装置によ
れば、ブレーキのフェード傾向の判断にブレーキレシオ
変化率を用いているので、運転者はブレーキのフェード
傾向を図13の第2例に比べてより正確に知ることがで
きるようになる。この第3例の異常警報装置の他の構
成、作用および効果は、それぞれ第2例の異常警報装置
と同じである。
【0100】図15は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置の実施の形態の第4例を示す図で
ある。前述の図14に示す第3例の異常警報装置では、
トラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオ変化率のみ
を用いてブレーキのフェード傾向を判断しているが、図
15に示すように、この第4例のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置は、図13に示す第2例の異常警
報装置のECU38内に、更にブレーキ頻度判断手段5
7が設けられていて、フェード傾向判断手段55により
トラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオがそれぞれ
所定位置以下であると判断され、かつこのブレーキ頻度
判断手段57により、所定時間内のブレーキ回数がカウ
ントされ、カウントされたブレーキ回数(ブレーキ頻
度)が予め設定された所定値以上である判断されたと
き、そのように判断されたブレーキがフェード傾向にあ
るとして、警報手段51によって警報が発せられるよう
にしている。
【0101】このようにこの第4例の異常警報装置によ
れば、ブレーキのフェード傾向の判断にブレーキレシオ
とブレーキ頻度とを用いているので、運転者はブレーキ
のフェード傾向を図13の第2例に比べて更に一層正確
に知ることができるようになる。この第4例の異常警報
装置の他の構成、作用および効果は、それぞれ第2例の
異常警報装置と同じである。
【0102】図16は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキの異常警報装置の実施の形態の第5例を示す図で
ある。前述の図15に示す第4例の異常警報装置では、
トラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオとブレーキ
頻度とを用いてブレーキのフェード傾向を判断している
が、この第5例の異常警報装置は、このブレーキレシオ
に代えて図14の第3例におけるブレーキレシオ変化率
を用い、このブレーキレシオ変化率とブレーキ頻度とを
用いてブレーキのフェード傾向を判断している。
【0103】この第5例の異常警報装置によれば、ブレ
ーキのフェード傾向の判断にブレーキレシオ変化率とブ
レーキ頻度とを用いているので、ブレーキのフェード傾
向を第4例の警報装置よりも正確に知ることができる。
この第5例の異常警報装置の他の構成、作用および効果
は、それぞれ第4例の異常警報装置と同じである。
【0104】図17は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキのブレーキ制御装置の実施の形態の第1例を示す
図である。図17に示すように、この第1例のブレーキ
制御装置は、フェード傾向を検知する手段として前述の
図13に示す警報装置と同様に、カップリングフォース
演算手段52、トラクタ・トレーラブレーキレシオ演算
手段53およびフェード傾向判断手段55を備えている
とともに、緩ブレーキ判断手段58を備えている。
【0105】フェード傾向検知手段では、図13の警報
装置の場合と同様の方法でカップリングフォース演算手
段52によってカップリングフォースが算出され、この
カップリングフォースを用いてトラクタ・トレーラブレ
ーキレシオ演算手段53によりトラクタおよびトレーラ
の各ブレーキレシオが算出される。更に、同様にフェー
ド傾向判断手段55によって、各ブレーキレシオがそれ
ぞれ対応する所定値以下になったとき、そのブレーキが
フェード傾向にあると判断される。
【0106】一方、緩ブレーキ判断手段58では、第1
圧力ピックアップ35によって検知されるブレーキバル
ブ3の出力圧(ブレーキバルブ圧ともいう)の変化やブ
レーキ力の変化等により、作動したブレーキが緩ブレー
キであるか否かが判断される。
【0107】そして、フェード傾向判断手段55によっ
てフェード傾向が判断され、かつ緩ブレーキ判断手段に
よって緩ブレーキであると判断されると、ECU38に
より、そのフェード傾向にあるブレーキのブレーキ圧が
減圧するように制御される。その場合、フェード傾向に
あるブレーキがトラクタのブレーキであるときは、EC
U38は、トラクタのブレーキのうちフェード傾向にあ
るブレーキに対応するABS用モジュレータ22,23
を作動して、そのブレーキのブレーキ圧を減圧制御する
ようにしている。また、フェード傾向にあるブレーキが
トレーラのブレーキであるときは、ECU38は、トレ
ーラのブレーキのうちフェード傾向にあるブレーキの目
標ブレーキレシオを小さく設定することにより、そのブ
レーキのブレーキ圧を減圧制御する。
【0108】ところで、CFCによるブレーキ制御にお
いては、前述のように1つのブレーキがフェード傾向に
あるとブレーキ力が低下することから、目標ブレーキレ
シオとなるようにブレーキ圧が制御されるので、ブレー
キ圧が増圧されてしまう。その結果、フェード傾向にあ
るブレーキは、更にフェード傾向が促進されてしまうお
それがある。しかし、この第1例のブレーキ制御装置に
よれば、緩ブレーキ時にフェード傾向にあるブレーキの
ブレーキ圧のみが減圧されるので、フェード傾向の促進
を抑制できる。また、急ブレーキ時にはフェード傾向に
あるブレーキのブレーキ圧は減圧されないので、ブレー
キ力が確保できるようになる。
【0109】図18は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキのブレーキ制御装置の実施の形態の第2例を示す
図である。図18に示すように、この第1例のブレーキ
制御装置は、フェード傾向を検知する手段として前述の
図14に示す警報装置と同様に、カップリングフォース
演算手段52、トラクタ・トレーラブレーキレシオ演算
手段53、トラクタ・トレーラブレーキレシオ変化率演
算手段56およびフェード傾向判断手段55を備えてい
るとともに、図17に示す第1例のブレーキ制御装置と
同様に緩ブレーキ判断手段58を備えている。
【0110】フェード傾向検知手段では、図14の警報
装置の場合と同様の方法でフェード傾向判断手段55に
よってトラクタおよびトレーラの各ブレーキのフェード
傾向が判断されるとともに、図17のブレーキ制御装置
と同様に緩ブレーキ判断手段58によって緩ブレーキが
判断される。
【0111】この第2例のブレーキ制御装置によれば、
ブレーキのフェード傾向の判断にブレーキレシオ変化率
を用いているので、運転者はブレーキのフェード傾向を
図17のブレーキ制御装置に比べてより正確に知ること
ができる。この第2例のブレーキ制御装置の他の構成、
作用および効果は、それぞれ図17のブレーキ制御装置
と同じである。
【0112】図19は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキのブレーキ制御装置の実施の形態の第3例を示す
図である。図19に示すように、この第3例のブレーキ
制御装置は、フェード傾向を検知する手段として前述の
図15に示す警報装置と同様に、カップリングフォース
演算手段52、トラクタ・トレーラブレーキレシオ演算
手段53、フェード傾向判断手段55およびブレーキ頻
度判断手段57を備えているとともに、図17に示す第
1例のブレーキ制御装置と同様に緩ブレーキ判断手段5
8を備えている。
【0113】フェード傾向検知手段では、図15の警報
装置の場合と同様の方法でフェード傾向判断手段55お
よびブレーキ頻度判断手段57によってトラクタおよび
トレーラの各ブレーキのフェード傾向が判断されるとと
もに、図17のブレーキ制御装置と同様に緩ブレーキ判
断手段58によって緩ブレーキが判断される。
【0114】このようにこの第3例のブレーキ制御装置
によれば、ブレーキのフェード傾向の判断にブレーキレ
シオとブレーキ頻度とを用いているので、運転者はブレ
ーキのフェード傾向を図18の第2例のブレーキ制御装
置に比べて更に一層正確に知ることができるようにな
る。この第3例のブレーキ制御装置の他の構成、作用お
よび効果は、それぞれ図18のブレーキ制御装置と同じ
である。
【0115】図20は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキのブレーキ制御装置の実施の形態の第4例を示す
図である。図20に示すように、この第4例のブレーキ
制御装置は、フェード傾向を検知する手段として前述の
図15に示す警報装置と同様に、カップリングフォース
演算手段52、トラクタ・トレーラブレーキレシオ演算
手段53、トラクタ・トレーラブレーキレシオ変化率演
算手段56、フェード傾向判断手段55およびブレーキ
頻度判断手段57を備えているとともに、図17に示す
第1例のブレーキ制御装置と同様に緩ブレーキ判断手段
58を備えている。
【0116】フェード傾向検知手段では、図16の警報
装置の場合と同様の方法でフェード傾向判断手段55お
よびブレーキ頻度判断手段57によってトラクタおよび
トレーラの各ブレーキのフェード傾向が判断されるとと
もに、図17のブレーキ制御装置と同様に緩ブレーキ判
断手段58によって緩ブレーキが判断される。
【0117】このようにこの第4例のブレーキ制御装置
によれば、ブレーキのフェード傾向の判断にブレーキレ
シオ変化率とブレーキ頻度とを用いているので、運転者
はブレーキのフェード傾向を図19の第3例のブレーキ
制御装置に比べて更に一層正確に知ることができるよう
になる。この第4例のブレーキ制御装置の他の構成、作
用および効果は、それぞれ図19のブレーキ制御装置と
同じである。
【0118】図21は、本発明のトラクタ・トレーラブ
レーキのブレーキ制御装置の実施の形態の第5例を示す
図である。図21に示すように、この第5例のブレーキ
制御装置は、ECU38内に車両旋回判断手段59およ
びブレーキペダル作動速度判断手段60とが設けられて
いる。車両旋回判断手段59は、例えばハンドルの操舵
を検出するセンサ(不図示)からの出力信号に基づい
て、車両が旋回中か否かを判断し、旋回中のときは出力
を発するようになっている。
【0119】また、ブレーキペダル作動速度判断手段6
0は、ブレーキペダルの作動(踏込)を検出するセンサ
(不図示)からの出力信号に基づいて、ブレーキペダル
作動速度を算出するとともに、このブレーキペダル作動
速度が予め設定された所定値以下か否かを判断し、ブレ
ーキペダル作動速度が予め設定された所定値以下のとき
は出力を発するようになっている。すなわち、ブレーキ
ペダル作動速度判断手段60は、ブレーキペダル作動速
度が所定値以下のとき緩ブレーキと判断するとともにブ
レーキペダル作動速度が所定値を超えるとき緊急ブレー
キと判断し、本発明の急ブレーキ判断手段を構成してい
る。
【0120】このように構成された第5例のブレーキ制
御装置においては、図22に示すフローに従ってブレー
キ制御が行われる。すなわち、まずステップS1におい
て車両が旋回中か否かが判断され、旋回中であると判断
されると、ステップS2においてCFCによる通常のブ
レーキ制御が行われる。ステップS1において車両が旋
回中でないと判断されると、ステップS3においてブレ
ーキペダル作動速度が所定値以下であるか否かが判断さ
れる。ブレーキペダル作動速度が所定値以下でない判断
されると、前述のステップS2の処理が行われる。ブレ
ーキペダル作動速度が所定値以下であると判断される
と、急ブレーキでないと判断され、CFCにおけるブレ
ーキレシオ補正のための増圧制御が禁止される。ただ
し、この場合には、CFCによる減圧制御は禁止されな
く、必要に応じて行われる。
【0121】このように第5例のブレーキ制御装置によ
れば、直進走行中でかつ急ブレーキでない通常ブレーキ
時はCFCによるブレーキレシオ補正のための増圧制御
を行わないようにしているので、この増圧制御が本当に
必要な時のみ行われるようになる。これにより、ブレー
キ時に発生する熱によるホイールの加熱が抑制されるの
で、ブレーキのフェード現象を抑制することができる。
【0122】また、急ブレーキ時は通常のCFCによる
ブレーキ制御を行うようにしているので、急ブレーキ時
に必要なブレーキ力を確保することができるようにな
る。更に、車両旋回中も通常のCFCによるブレーキ制
御を行うようにしているので、車両旋回中にも必要なブ
レーキ力を確保することができる。したがって、直線走
行中より車両旋回中に発生し易い、トレーラのブレーキ
力不足によるジャックナイフ現象を、確実に抑制するこ
とができるようになる。
【0123】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、メンテナンス不良等の何らかの原因でトラク
タおよびトレーラのいずれかのブレーキ力が不足する場
合には警報するようにしているので、運転者がトラクタ
およびトレーラのブレーキ力不足やフェード傾向を確実
に知ることができる。これにより、運転者は注意が喚起
され、トラクタおよびトレーラのブレーキ力不足やフェ
ード傾向を確実に抑制することができるようになる。特
に、トレーラのブレーキ力不足による制動時のトレーラ
の突き上げ現象やジャックナイフ現象を確実に防止でき
る。
【0124】また、本発明のトラクタ・トレーラブレー
キの異常警報装置およびブレーキ制御装置によれば、算
出したカップリングフォースおよびブレーキレシオによ
り、ブレーキ力不足やフェード傾向を判断しているの
で、高価なカップリングフォースセンサが不要となり、
異常警報装置やブレーキ制御装置をより安価に形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置およびブレーキ制御装置の実施の形態の
各例に用いられるトラクタ・トレーラエアブレーキシス
テムのトラクタ側のエアブレーキ回路図である。
【図2】 図1に示すトラクタ・トレーラエアブレーキ
システムのトレーラ側のエアブレーキ回路図である。
【図3】 トラクタおよびトレーラにおけるブレーキレ
シオおよびカップリングフォースについて説明する図で
ある。
【図4】 カップリングフォース推定方法の一例を示す
図である。
【図5】 カップリングフォース推定方法の他の例を示
す図である。
【図6】 カップリングフォース推定方法の更に他の例
を示す図である。
【図7】 ブレーキレシオ推定方法の一例を示す図であ
る。
【図8】 ブレーキレシオ推定方法の他の例を示す図で
ある。
【図9】 ブレーキレシオ推定方法の更に他の例を示す
図である。
【図10】ブレーキレシオ推定方法の更に他の例を示す
図である。
【図11】ブレーキ圧とブレーキレシオとの関係を示す
図である。
【図12】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置の実施の形態の第1例を説明する図であ
る。
【図13】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置の実施の形態の第2例を説明する図であ
る。
【図14】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置の実施の形態の第3例を説明する図であ
る。
【図15】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置の実施の形態の第4例を説明する図であ
る。
【図16】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
の異常警報装置の実施の形態の第5例を説明する図であ
る。
【図17】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
のブレーキ制御装置の実施の形態の第1例を説明する図
である。
【図18】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
のブレーキ制御装置の実施の形態の第2例を説明する図
である。
【図19】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
のブレーキ制御装置の実施の形態の第3例を説明する図
である。
【図20】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
のブレーキ制御装置の実施の形態の第4例を説明する図
である。
【図21】本発明にかかるトラクタ・トレーラブレーキ
のブレーキ制御装置の実施の形態の第5例を説明する図
である。
【図22】図21に示すトラクタ・トレーラブレーキの
ブレーキ制御装置の実施の形態の第5例のブレーキ制御
に用いられるフローを示す図である。
【符号の説明】
1…トラクタ側のエアブレーキシステム、2…ブレーキ
ペダル、3…デュアルブレーキバルブ、11,12…左
右前輪用パワーチャンバ、13…前輪用リレーバルブ、
14,15…ABS用モジュレータ、16,17…左右後
輪用スプリングブレーキアクチュエータ、19…第1電
磁比例弁、20…第1切換弁、21…第1電磁切換弁、
29…第2電磁比例弁、30…第2電磁切換弁、34…
第2切換弁、35…第1圧力ピックアップ、36…第2
圧力ピックアップ、37…第3圧力ピックアップ、38
…電子制御装置(ECU)、39…トレーラサービスラ
インA用トラクタ側カプラ、40…トレーラサプライラ
インB用トラクタ側カプラ、41…トレーラ側のエアブ
レーキシステム、43,44…左右前側輪用パワーチャ
ンバ、45,46…左右後側輪用パワーチャンバ、47
…トレーラ用リレーバルブ、警報手段、52…カップリ
ングフォース演算手段、53…トラクタ・トレーラブレ
ーキレシオ演算手段、54…ブレーキ力判断手段、55
…フェード傾向判断手段、56…トラクタ・トレーラブ
レーキレシオ変化率演算手段、57…ブレーキ頻度判断
手段、58…緩ブレーキ判断手段、59…車両旋回手
段、60…ブレーキペダル作動速度判断手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫛山 孝 埼玉県比企郡滑川町月輪1464番地−4 株 式会社JKCトラックブレーキシステムズ 内 (72)発明者 吉田軍治 埼玉県比企郡滑川町月輪1464番地−4 株 式会社JKCトラックブレーキシステムズ 内 (72)発明者 菅原龍太 埼玉県比企郡滑川町月輪1464番地−4 株 式会社JKCトラックブレーキシステムズ 内 (72)発明者 梶川直仁 埼玉県比企郡滑川町月輪1464番地−4 株 式会社JKCトラックブレーキシステムズ 内 (72)発明者 大江 武 埼玉県比企郡滑川町月輪1464番地−4 株 式会社JKCトラックブレーキシステムズ 内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプラを介して互いに連結されるトラク
    タとトレーラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であっ
    て、前記トラクタに設けられたブレーキバルブから出力
    されるエア圧により前記トレーラのブレーキを作動制御
    するトラクタ・トレーラブレーキ制御装置において、 前記トレーラが前記カプラを介して前記トラクタに加え
    るカップリングフォースを算出するカップリングフォー
    ス演算手段と、少なくとも算出したカップリングフォー
    スを用いてトラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオ
    のうち少なくとも一方のブレーキレシオを算出するブレ
    ーキレシオ演算手段と、算出したブレーキレシオが予め
    設定された所定値以下のとき出力するブレーキ力判断手
    段と、このブレーキ力判断手段の出力により警報を発す
    る警報手段とを備えていることを特徴とするトラクタ・
    トレーラブレーキの異常警報装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ力判断手段は、前記算出し
    たブレーキレシオが予め設定された前記所定値以下のと
    き、そのブレーキがフェード傾向であるとして出力する
    フェード傾向判断手段であることを特徴とする請求項1
    記載のトラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置。
  3. 【請求項3】 カプラを介して互いに連結されるトラク
    タとトレーラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であっ
    て、前記トラクタに設けられたブレーキバルブから出力
    されるエア圧により前記トレーラのブレーキを作動制御
    するトラクタ・トレーラブレーキ制御装置において、 前記トレーラが前記カプラを介して前記トラクタに加え
    るカップリングフォースを算出するカップリングフォー
    ス演算手段と、少なくとも算出したカップリングフォー
    スを用いてトラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオ
    のうち少なくとも一方のブレーキレシオを算出するブレ
    ーキレシオ演算手段と、算出したブレーキレシオの時間
    的変化であるブレーキレシオ変化率を算出するブレーキ
    レシオ変化率演算手段と、算出したブレーキレシオ変化
    率が予め設定された所定値以下のとき、そのブレーキが
    フェード傾向であるとして出力するフェード傾向判断手
    段と、このフェード傾向判断手段の出力により警報を発
    する警報手段とを備えていることを特徴とするトラクタ
    ・トレーラブレーキの異常警報装置。
  4. 【請求項4】 更に所定時間内のブレーキ回数が予め設
    定された所定回数以上のとき出力するブレーキ頻度判断
    手段を備え、前記フェード傾向判断手段の出力と前記ブ
    レーキ頻度判断手段の出力とにより、前記警報手段が警
    報を発することを特徴とする請求項2または3記載のト
    ラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置。
  5. 【請求項5】 カプラを介して互いに連結されるトラク
    タとトレーラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であっ
    て、前記トラクタに設けられたブレーキバルブから出力
    されるエア圧により前記トレーラのブレーキを作動制御
    するトラクタ・トレーラブレーキ制御装置において、 前記トレーラが前記カプラを介して前記トラクタに加え
    るカップリングフォースを算出するカップリングフォー
    ス演算手段と、少なくとも算出したカップリングフォー
    スを用いてトラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオ
    のうち少なくとも一方のブレーキレシオを算出するブレ
    ーキレシオ演算手段と、算出したブレーキレシオが予め
    設定された所定値以下のとき、そのブレーキがフェード
    傾向であるとして出力するフェード傾向判断手段と、ブ
    レーキ作動が緩ブレーキであるとき出力する緩ブレーキ
    判断手段とを備え、前記フェード傾向判断手段の出力と
    前記緩ブレーキ判断手段の出力とによりそのブレーキの
    ブレーキ圧を減圧することを特徴とするトラクタ・トレ
    ーラブレーキのブレーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 カプラを介して互いに連結されるトラク
    タとトレーラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であっ
    て、前記トラクタに設けられたブレーキバルブから出力
    されるエア圧により前記トレーラのブレーキを作動制御
    するトラクタ・トレーラブレーキ制御装置において、 前記トレーラが前記カプラを介して前記トラクタに加え
    るカップリングフォースを算出するカップリングフォー
    ス演算手段と、少なくとも算出したカップリングフォー
    スを用いてトラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオ
    のうち少なくとも一方のブレーキレシオを算出するブレ
    ーキレシオ演算手段と、算出したブレーキレシオの時間
    的変化であるブレーキレシオ変化率を算出するブレーキ
    レシオ変化率演算手段と、算出したブレーキレシオ変化
    率が予め設定された所定値以下のとき、そのブレーキが
    フェード傾向であるとして出力するフェード傾向判断手
    段と、ブレーキ作動が緩ブレーキであるとき出力する緩
    ブレーキ判断手段とを備え、前記フェード傾向判断手段
    の出力と前記緩ブレーキ判断手段の出力とによりそのブ
    レーキのブレーキ圧を減圧することを特徴とするトラク
    タ・トレーラブレーキのブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 更に所定時間内のブレーキ回数が予め設
    定された所定回数以上のとき出力するブレーキ頻度判断
    手段を備え、前記フェード傾向判断手段の出力と前記ブ
    レーキ頻度判断手段の出力と前記緩ブレーキ判断手段の
    出力とにより、そのブレーキのブレーキ圧を減圧するこ
    とを特徴とする請求項5または6記載のトラクタ・トレ
    ーラブレーキのブレーキ制御装置。
  8. 【請求項8】 カプラを介して互いに連結されるトラク
    タとトレーラのそれぞれの各ブレーキ制御装置であっ
    て、前記トラクタに設けられたブレーキバルブから出力
    されるエア圧により前記トレーラのブレーキを作動制御
    するトラクタ・トレーラブレーキ制御装置において、 前記トレーラが前記カプラを介して前記トラクタに加え
    るカップリングフォースを算出するカップリングフォー
    ス演算手段と、少なくとも算出したカップリングフォー
    スを用いてトラクタおよびトレーラの各ブレーキレシオ
    のうち少なくとも一方のブレーキレシオを算出するブレ
    ーキレシオ演算手段と、ブレーキ作動が急ブレーキであ
    るとき出力する急ブレーキ判断手段とを備え、前記急ブ
    レーキ判断手段からの出力があるときは、算出したブレ
    ーキレシオが予め設定された目標ブレーキレシオとなる
    ようにブレーキ圧を制御するカップリングフォースコン
    トロールによるブレーキ制御を行うとともに、前記急ブ
    レーキ判断手段からの出力がないときは、前記カップリ
    ングフォースコントロールによるブレーキ制御のうち、
    増圧制御のみを禁止することを特徴とするトラクタ・ト
    レーラブレーキのブレーキ制御装置。
  9. 【請求項9】 更に車両が旋回中のとき出力する車両旋
    回判断手段を備え、前記車両旋回判断手段からの出力が
    あるときは、前記カップリングフォースコントロールに
    よるブレーキ制御を行うことを特徴とする請求項8記載
    のトラクタ・トレーラブレーキのブレーキ制御装置。
JP27213896A 1996-10-15 1996-10-15 トラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置およびトラクタ・トレーラブレーキのブレーキ制御装置 Pending JPH10119760A (ja)

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JP27213896A Pending JPH10119760A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 トラクタ・トレーラブレーキの異常警報装置およびトラクタ・トレーラブレーキのブレーキ制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003160046A (ja) * 2001-11-22 2003-06-03 Nissan Motor Co Ltd ブレーキ液圧検出装置の異常判断装置
JP2005247274A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Tokyu Car Corp 監視装置
CN105358392A (zh) * 2013-06-04 2016-02-24 Cnh工业意大利股份公司 用于制动牵引车-拖车组合的装置和方法
CN109109852A (zh) * 2018-09-18 2019-01-01 中国汽车技术研究中心有限公司 一种便携式挂车气压制动响应时间集成测量装置

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