JPH0989569A - 振動ジャイロ - Google Patents

振動ジャイロ

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JPH0989569A
JPH0989569A JP7246022A JP24602295A JPH0989569A JP H0989569 A JPH0989569 A JP H0989569A JP 7246022 A JP7246022 A JP 7246022A JP 24602295 A JP24602295 A JP 24602295A JP H0989569 A JPH0989569 A JP H0989569A
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JP
Japan
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vibrating
vibration
outer frame
center point
electrode
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JP7246022A
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English (en)
Inventor
Mutsuaki Hirota
睦明 廣田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動体の保持部の影響を受けずに安定して回
転角速度を検出でき、振動検出の感度の変化を抑制し
た、新規な構成の振動ジャイロを提供する。 【解決手段】 回転対称な形状の振動板1を備えた振動
ジャイロであって、振動板1には、4以上の偶数個の開
口部2を振動板1の中心点Oに対し回転対称に配設し
て、振動部となる外枠部3と、各振動部を中心点Oから
保持する内枠部4とをそれぞれ形成するとともに、各外
枠部3に振動部を駆動する駆動電極5を、各外枠部3間
に歪み振動を検出する検出電極6を、内枠部4の裏面に
検出電極6と対をなす接地電極7をそれぞれ形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、物体の回転角速度
を検出して運動体のナビゲーションシステムや各種機器
の運動時の姿勢制御に用いられる、振動ジャイロに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車・飛行機・船舶などの運動体のナ
ビゲーションシステムや慣性航法装置、あるいは自動搬
送車や移動型ロボットなどの方向探知・姿勢制御などに
は高精度の回転角速度センサーが求められており、これ
まで各種の振動ジャイロや積分ジャイロが提案されてい
る。このような振動ジャイロの代表的なものとしては、
音叉型および音片型がある。
【0003】音叉型振動ジャイロは、音叉枝を振動させ
つつ枝の長さ方向の軸を中心に回転させたときコリオリ
力により音叉の振動面に垂直な動きが加わって音叉全体
によじれ振動を生じるので、そのよじれ振動を静電的ま
たは圧電的に検出することにより回転角速度を検出する
ものである。このよじれ振動の検出のためにこれまで各
種の工夫が成されている。
【0004】このような音叉型振動ジャイロでは音叉の
保持が問題となっていた。これは、音叉枝の振動により
枝の長さ方向に振動が生じて音叉の保持部に加わり、ま
た音叉全体がよじれる時のよじれ振動も保持部に加わる
によるもので、これに対しては音叉の保持を弾性的にし
て振動を妨げないように工夫されていた。
【0005】一方、音片型振動ジャイロでは音片の屈曲
振動の節点に弾性部材を付けて保持するが、音片の長さ
方向の軸の周りの回転に伴って音片がみそすり運動を生
じることにより保持部に振動を生じてしまうため、音片
の保持が音叉型と同様に問題になり、やはり各種の工夫
が成されていた。
【0006】このような振動ジャイロの他にも、積分ジ
ャイロと呼ばれる、ワイングラス様の円筒部を振動させ
て共振モードの旋回状態を圧電的に検出する方式が知ら
れている。この方式では、軸方向にわずかな振動を伴う
が回転による特別な振動はないので、振動体の保持によ
る影響は比較的受けにくいという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、音叉型
振動ジャイロでは音叉を弾性的に保持すると保持のバラ
ツキや温度特性による振動検出の感度の変化が避けられ
ないという問題点があった。特に、振動ジャイロ自体や
その構成部品である音叉・保持部などを小型化しようと
するときにこの影響が顕著となり、振動エネルギー閉じ
込めのために大きな重量の台に固定するなどの必要が生
じるという問題点があった。
【0008】また、複数個の振動ジャイロを併用する場
合、振動の漏れにより振動ジャイロが相互に干渉するこ
とがあり、またそれらの周囲に置かれた音響回路との干
渉も無視できないものになることがあるという問題点も
あった。
【0009】このような状況は音片型振動ジャイロにつ
いても全く同じであり、上記のみそすり運動により保持
部に生じる振動が振動ジャイロの外に漏れて、音叉型と
全く同様の問題を引き起こしていた。
【0010】また、積分ジャイロでは、振動体の形状が
比較的大きいために小型化が困難であり、また振動体に
高い機械加工精度を要求され、組立調整も困難であると
いう問題点があった。そのため現在も広く実用化される
に至っていない。
【0011】本発明は上記のような問題点を解決すべく
本発明者が新たに創作したものであり、その目的は、振
動体の保持部の影響を受けずに安定して回転角速度を検
出でき、振動検出の感度の変化を抑制した、新規な構成
の振動ジャイロを提供することにある。
【0012】また本発明の他の目的は、小型で部品点数
が少なく、組立や調整が容易で、安価なものとできる振
動ジャイロを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の振動ジャイロ
は、回転対称な形状の振動板に、2+2n(nは自然
数)個の開口部を前記振動板の中心点に対し回転対称に
配設して、振動部となる2+2n個の外枠部と、各振動
部を中心点から保持する内枠部とをそれぞれ形成すると
ともに、各外枠部の一方主面から隣の外枠部の他方主面
にかけて振動部を駆動する駆動電極を、各外枠部間の一
方主面に歪み振動を検出する検出電極を、内枠部の他方
主面に前記検出電極と対をなす接地電極をそれぞれ形成
したことを特徴とするものである。
【0014】また本発明の振動ジャイロは、上記構成に
おいて、駆動電極の信号印加部と、検出電極の信号出力
部とが、各内枠部の一方主面上で中心点近傍まで延設さ
れていることを特徴とするものである。
【0015】また本発明の振動ジャイロは、上記各構成
において、接地電極が内枠部の他方主面上で共通電極と
して形成されていることを特徴とするものである。
【0016】さらに本発明の振動ジャイロは、上記各構
成において、円板状の振動板に2+2n(nは自然数)
個の扇形の開口部を前記振動板の中心点に対し回転対称
に配設し、円弧状の外枠部と輻状の内枠部とを形成した
ことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の振動ジャイロは、2+2
n(nは自然数)個、すなわち4以上の偶数個の開口部
を中心点に対し回転対称に配設した回転対称な形状(例
えば円形や正方形・正六角形・正八角形など)の振動板
を振動体として用い、その振動板の外周と開口部との間
に形成した外枠部を回転対称の中心点に向かって振動す
る振動部とし、振動板が回転対称の中心点の周りに回転
したときに各振動部に前記振動と直角方向に発生する歪
み振動を各外枠部間に形成した検出電極で検出すること
により、振動板の中心点回りの回転角速度の変化を検出
するものである。
【0018】このような本発明の振動ジャイロによれ
ば、振動体が回転対称な形状の振動板から成るので振動
体の占有容積が小さくなるとともに、その振動板を回転
対称の中心点で保持するのに弾性的保持などの特別な構
造を必要としないものとなる。
【0019】そのため従来の他の構成の振動ジャイロよ
りも小さな容器に収納でき、小型の振動ジャイロとな
る。
【0020】しかも、各振動部は隣接する振動部で交互
に回転中心に向かう振動とその逆向きの振動とを行な
い、そのような振動部が回転対称に偶数個配置されてい
るため、回転対称の中心点ではそれらの振動により作用
する力がキャンセルされるので、各振動部の振動に伴う
振動板の重心移動は起こらず、中心点における簡単な保
持構造で安定した振動状態を維持できるものとなる。
【0021】以下、本発明の振動ジャイロについて図面
に基づいて説明する。なお本発明は以下の例に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の形状・構造をとり得るものである。
【0022】図1および図2はそれぞれ本発明の振動ジ
ャイロの振動板の例を示す上面図および下面図である。
ここでは回転対称な形状の振動体として円板状の振動板
を用い、それに4個の開口部を回転対称に配設した例を
示している。
【0023】図1および図2に示した振動板1は、円板
状の圧電基板にサンドブラストやエッチングなどの窓開
け加工方法を施して扇形の開口部2…を中心点Oに対し
回転対称に配設しており、それにより振動板1の外周と
開口部2…との間には振動部となる円弧状の外枠部3…
が、また開口部2…の間には中心点Oから外枠部3…を
保持するような輻状の内枠部4…が形成されている。こ
こで各外枠部3…は、後述するように駆動電極により交
流信号が印加されることによって振動部として動作する
部分となる。
【0024】また、各外枠部3…の一方主面(上面)か
らその隣の外枠部3…の他方主面(下面)にかけては、
その端面を経由して駆動電極5…が蒸着などの方法によ
り形成されている。さらに、振動板1の回転に伴って発
生する歪み振動の検出部となる各外枠部3…間には、上
面に歪み振動を検出するための検出電極6…が、下面に
はそれら検出電極6…と対をなす接地電極7が、同じく
蒸着などの方法により形成されている。
【0025】そして各内枠部5…の上面では、各駆動電
極5…の信号印加部8…と、各検出電極6…の信号出力
部9…とが、中心点O近傍まで延設されている。このよ
うに信号印加部8…や信号出力部9…を中心点O近傍に
延設すれば、振動のない位置から駆動・検出回路への接
続ができ、振動のダンピングを起こしたり接続線が断線
するなどの問題を生じることがなく、好適である。
【0026】なお本例では、接地電極7は内枠部6…の
下面上で一体的に共通電極として形成されており、さら
に内枠部4…の中心点近傍に形成した接地接続部10と接
続されている。このように共通電極とし、上面の中心点
O近傍の接地接続部10を設けると、上面から容易に結線
できるようになって好適である。なお、固定電極に電極
パターンを形成しておき、導電ペーストや半田などで下
面の接地接続部に取り付けて、上面の配線を略してもよ
い。
【0027】また、上記の各電極の材料としてはクロム
(Cr)や金(Au)などが用いられ、いずれも蒸着に
よって形成すると、基板との密着性に優れた薄層の安定
した電極が得られるという点で好適となる。
【0028】次に、上記構成の振動板1における本発明
の振動ジャイロの動作原理を、図3〜図5を用いて説明
する。図3(a)および(b)は、それぞれ振動板1の
振動部および検出部を示す断面図である。また図4は振
動板1の駆動による振動と振動板1の回転に伴って発生
する歪み振動を説明するための上面図である。そして図
5(a)および(b)は、それぞれ振動板1の駆動によ
る振動および振動板1の回転に伴って発生する歪み振動
を示す上面図である。
【0029】振動板1となる圧電基板には、PZTなど
の圧電磁器板や、厚み方向に分極軸をとったLNやLT
などの単結晶材料で、厚み方向に分極処理が施された、
外寸が約5〜10mmφ、厚みが約 0.1〜0.2 mm程度の
ものなどが用いられる。図3(a)に示すように、振動
部においては振動板1の上面と下面にそれぞれ駆動電極
5・5が形成されている。それらに交流信号として例え
ば上面に−、下面に+の電圧が印加されると、同図中に
横縞の矢印で示したように分極が施されている場合、白
抜き矢印で示したような拡がり振動を生じる。この振動
は、外枠部3…の振動部が中心点Oに向かい、また中心
点Oから離れるように半径方向に振動するものとなる。
【0030】また、図3(b)に示すように、検出部に
おいては振動板1の上面に検出電極6が、下面に接地電
極7が形成されている。そこに同図中に横縞の矢印で示
したように分極が施されている場合に、例えば白抜き矢
印で示したように歪み振動によって圧縮圧力が加わる
と、検出電極6と接地電極7との間に圧電気を発生さ
せ、検出電極6から+の圧電信号を検出することができ
る。
【0031】そして振動板1には図1および図2に示し
たように各外枠部3…の上面からその端面を経由して隣
の外枠部3…の下面にかけて駆動電極5…が形成されて
いるので、外枠部3…の振動部は中心点から離れるよう
に拡がる振動と中心点に向かって縮む振動とを交互に生
じることになる。一方、振動板1の回転に伴って発生す
る歪み振動はそれらの振動と直角方向に生じ、検出部に
は交互に圧縮力と引張力とが加わることになる。この様
子を図4に示す。
【0032】図4においては、振動体1の各外枠部の振
動部の質量を斜線部で表わし、それぞれ交互にmA 、m
B …で示している。外枠部に形成された各駆動電極(図
示せず)に交流信号が印加されて振動部が振動する場
合、図示したようにmA が実線の矢印FA の方向に振動
するとき、mB は実線の矢印FB の方向に振動するよう
に駆動される。
【0033】ここで、中心点Oを中心にして振動体1に
回転Rが加わるとその角速度ωの変化の大きさに比例し
たコリオリ振動による歪み振動が発生し、各mA ・mB
にはそれぞれ破線の矢印でfA ・fB で示すように、F
A ・FB と直角の接線方向の振動が等しい大きさで逆向
きに生じる。
【0034】その結果、各外枠部間の検出部には、fA
とfB が向き合う位置では圧縮力を受け、fA とfB が
離れ合う位置では引張力を受けるため、それらの大きさ
に応じた圧電気が発生するので、その圧電気を検出電極
6…で検出することにより、回転Rに伴う振動体1の角
速度ωの変化を検出することができるものとなる。
【0035】上記の検出電極6…により検出できる圧電
気は、圧縮力を受ける検出部と引張力を受ける検出部と
では逆極性の電気信号となるので、それらを検出して差
動増幅すれば、角速度ωの変化を高感度に検出すること
ができるものとなる。
【0036】また、各mA ・mB には上記のようにそれ
ぞれ中心点Oに対して対称となる駆動振動FA ・FB が
発生し、かつそれらmA ・mB は4以上の偶数個設けら
れているため、図5(a)に破線で示すように振動体1
は中心点Oに対して対称に変形することになり、中心点
Oに作用する振動の力はキャンセルされ、中心点Oは全
く重心移動しない。
【0037】さらに、回転Rによって各mA ・mB に発
生する歪み振動fA ・fB は、上記のように接線方向に
交互に逆向きに等しい大きさで発生し、かつそれらmA
・mB は4以上の偶数個設けられているため、図5
(b)にそれぞれ実線の矢印fA'・fB'で示すように歪
み振動による力が等しい大きさで逆向きに作用すること
になり、各検出部における圧縮力および引張力は均衡し
て全体としてキャンセルされるので、同じく中心点Oに
作用する振動の力もキャンセルされ、中心点Oは全く重
心移動しない。
【0038】従って、本発明の振動ジャイロの振動板1
は、その中心点Oで保持すれば保持部が駆動振動や回転
に伴う歪み振動の影響を受けることがなく、安定して回
転角速度ωを検出できる。また逆に、振動体1を中心点
Oで保持すれば、保持や固定に多少のバラツキがあって
も駆動振動や検出振動(回転に伴う歪み振動)に影響を
与えることがなく、振動検出の感度の変化を抑制するこ
とができるので、特別な保持構造も不要となる。
【0039】また、上記の例では振動体1として円板状
の圧電基板を用いたが、振動体1は回転対称な形状の平
板状のものであればよいため、音叉型や音片型のような
従来の振動板に比べて振動ジャイロにおける振動体の占
有容積が小さくなり、その保持構造も弾性的保持などの
特別な構造を必要としないため、小さな容器に収納可能
となり、小型で安定した振動ジャイロとなる。
【0040】本発明の振動ジャイロにおける振動板1の
駆動振動のバランスや角速度ωの変化の検出感度の調整
は、各外枠部3…の駆動電極5…に駆動のための交流信
号を印加しながら各外枠部3…の振動部の共振周波数f
0 を確認し、必要に応じて振動部の質量付加や質量削除
を行ない、各振動部の共振周波数f0 を合わせることに
よって行なう。
【0041】上記のような振動板1を用いた振動ジャイ
ロの例を図6に示す。図6は本発明の振動ジャイロの構
成例を示す外観斜視図である。同図において1は振動板
であり、その主面に形成された各電極等は図示していな
い。11はセラミックパッケージなどの収納容器であり、
その形状は同図に示したような上側に開口を有する有底
直方体の他にも、振動ジャイロの設置場所などに応じて
円筒形状などの種々の形状のものを使用できる。また、
ステムの上に設置してキャン封止してもよい。
【0042】収納容器11の側面あるいは底面には、外部
回路との接続用電極12…が設けられており、これを介し
て電源入力や駆動用の交流信号を印加したり、検出信号
を出力したり、接地を取ったりする。また収納容器11の
外面に端子を一体的に形成することにより、表面実装に
も対応できる振動ジャイロとすることができる。13は振
動板1を駆動したり検出電極からの検出信号を差動増幅
したりするためのICである。また、14は振動板1と収
納容器11の内面の保持部周辺に設けられたワイヤボンデ
ィング用接続パッドとを接続するためのワイヤボンディ
ングを示しており、これらを信号印加部や信号出力部・
接地接続部と接続して、振動板1の駆動や角速度ωの変
化に伴う信号の検出を行なう。そして、収納容器11の開
口15には蓋体(図示せず)が載置され、シーム溶接や接
着剤などにより封止される。
【0043】このような本発明の振動ジャイロの組立て
は、まず振動板1の下面の中心部を、エポキシ樹脂など
の接着剤を用いて回路基板や収納容器11などに設けた凸
部に接着固定し、IC13などが設置された収納容器11内
に振動板1を設置する。次に、信号印加部8…および信
号出力部9…ならびに接地接続部10にワイヤボンディン
グ14などにより配線を接続する。次いで、収納容器11の
開口15に蓋体を載置して封止する。なお、振動体1を始
めとする収納容器11内の部品の経時変化や使用環境の変
化による回転検出感度の変動などを防止するために、収
納容器11の封止は真空中で行われる。
【0044】次に、本発明の振動ジャイロにおける振動
板1の振動部の質量付加や質量削除による、駆動振動の
バランスや角速度ωの変化の検出感度の調整方法の例
を、図7に上面図で示す。
【0045】図7の振動板1において、図1および図4
・図5と同様の箇所には同じ符号を付してある。同図に
斜線部16…で示すように振動部の両端に相当する外枠部
3…と内枠部4…との接続部の開口部2…側の箇所を機
械加工やレーザ加工などにより削除することにより、振
動部の共振周波数f0 を下げることができる。また同様
に斜線部17…で示すように振動部の中央付近の開口部2
…側の箇所を機械加工やレーザ加工などにより削除する
ことにより、振動部の共振周波数f0 を上げることがで
きる。このようにして各外枠部3…の共振周波数f0 や
検出感度を調整し、振動板1の全体の振動のバランスを
とることにより、振動板1が全体に均一に振動するとと
もに各速度ωの変化の検出感度が安定するように調整す
ることができる。
【0046】以上の例は、振動板1の形状が円板状のも
のであるが、回転対称な形状として正方形の振動板を振
動体とした例を図8に上面図で示す。
【0047】図8に示した振動板18は、正方形の圧電基
板にサンドブラストやエッチングなどの窓開け加工方法
を施して正方形の開口部19…を中心点Oに対し回転対称
に4個配設しており、それにより振動板18の外周と開口
部19…との間には振動部となる直角状の外枠部20…が、
また開口部19…の間には中心点Oから外枠部20…を保持
するような細板状の内枠部21…が形成されている。この
各外枠部20…も、振動板1の外枠部3…と同様に、駆動
電極により交流信号が印加されることによって振動部と
して動作する部分となる。
【0048】また、各外枠部20…の一方主面(上面)か
らその隣の外枠部20…の他方主面(下面)にかけては、
その端面を経由して駆動電極22…が蒸着などの方法によ
り形成されている。さらに、振動板18の回転に伴って発
生する歪み振動の検出部となる各外枠部20…間には、上
面に歪み振動を検出するための検出電極23…が、下面に
はそれら検出電極23…と対をなす接地電極24(図示せ
ず)が、同じく蒸着などの方法により形成されている。
【0049】そして各内枠部20…の上面では、各駆動電
極22…の信号印加部25…と、各検出電極23…の信号出力
部26…とが、中心点O近傍まで延設されている。振動板
18においてもこのように信号印加部25…や信号出力部26
…を中心点O近傍に延設すれば、振動のない位置から駆
動・検出回路への接続ができ、振動のダンピングを起こ
したり接続線が断線するなどの問題を生じることがな
く、好適である。
【0050】なお本例でも、接地電極24は内枠部21…の
下面上で一体的に共通電極として形成されており、さら
に内枠部21…の中心点近傍に形成した接地接続部27と接
続されている。
【0051】このような形状の振動板18においても、外
枠部20…の拡がり振動が中心点Oに向かい、また中心点
Oから離れるように振動するものとなり、そのような振
動に効果的に変換されるものとなる。そして振動板1と
同様に、中心点O周りの回転Rが加わるとその角速度ω
の変化の大きさに比例したコリオリ振動による歪み振動
が発生し、それらの大きさに応じた圧電気が発生するの
で、その圧電気を検出電極23…で検出することにより、
回転Rに伴う振動体18の角速度ωの変化を検出すること
ができるものとなる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、2+2n
(nは自然数)個の開口部を中心点に対し回転対称に配
設した回転対称な形状の振動板を振動体として用い、そ
の振動板の外枠部を振動部とし、振動板が中心点の周り
に回転したときに各振動部に発生する歪み振動を各外枠
部間の検出電極で検出するようにしたことにより、振動
板の保持部の影響を受けずに安定して回転角速度を検出
でき、振動検出の感度の変化を抑制した、新規な構成の
振動ジャイロを提供することができた。
【0053】また本発明の振動ジャイロによれば、振動
体が回転対称な形状の振動板から成るので、振動体の占
有容積が小さくなるとともにその振動板を回転対称の中
心点で保持するのに弾性的保持などの特別な構造を必要
としないものとなり、小型で部品点数が少なく、組立や
調整が容易で、製造コストを安価なものとできる振動ジ
ャイロを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動ジャイロの振動板の例を示す上面
図である。
【図2】本発明の振動ジャイロの振動板の例を示す下面
図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ本発明の振動
ジャイロの振動板の振動部および検出部を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の振動ジャイロの振動板の駆動による振
動と回転に伴って発生する歪み振動とを説明するための
上面図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ本発明の振動
ジャイロの振動板の駆動による振動および回転に伴って
発生する歪み振動を示す上面図である。
【図6】本発明の振動ジャイロの構成例を示す外観斜視
図である。
【図7】本発明の振動ジャイロの振動板における駆動振
動のバランスや角速度ωの変化の検出感度の調整方法の
例を示す上面図である。
【図8】本発明の振動ジャイロの振動板の他の例を示す
上面図である。
【符号の説明】
1、18 振動板 2、19 開口部 3、20 外枠部 4、21 内枠部 5、22 駆動電極 6、23 検出電極 7、24 接地電極 8、25 信号印加部 9、26 信号検出部 10、27 接地接続部 O 中心点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転対称な形状の振動板に、2+2n
    (nは自然数)個の開口部を前記振動板の中心点に対し
    回転対称に配設して、振動部となる2+2n個の外枠部
    と、各振動部を中心点から保持する内枠部とをそれぞれ
    形成するとともに、各外枠部の一方主面から隣の外枠部
    の他方主面にかけて振動部を駆動する駆動電極を、各外
    枠部間の一方主面に歪み振動を検出する検出電極を、内
    枠部の他方主面に前記検出電極と対をなす接地電極をそ
    れぞれ形成したことを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 駆動電極の信号印加部と、検出電極の信
    号出力部とが、各内枠部の一方主面上で中心点近傍まで
    延設されていることを特徴とする請求項1記載の振動ジ
    ャイロ。
  3. 【請求項3】 接地電極が内枠部の他方主面上で共通電
    極として形成されていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の振動ジャイロ。
  4. 【請求項4】 円板状の振動板に2+2n(nは自然
    数)個の扇形の開口部を前記振動板の中心点に対し回転
    対称に配設し、円弧状の外枠部と輻状の内枠部とを形成
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の振動
    ジャイロ。
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