JPH0985871A - 吸液性積層シートおよびその製造方法 - Google Patents

吸液性積層シートおよびその製造方法

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JPH0985871A
JPH0985871A JP24470495A JP24470495A JPH0985871A JP H0985871 A JPH0985871 A JP H0985871A JP 24470495 A JP24470495 A JP 24470495A JP 24470495 A JP24470495 A JP 24470495A JP H0985871 A JPH0985871 A JP H0985871A
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JP
Japan
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fiber sheet
sheet
liquid
laminated sheet
pulp
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JP24470495A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Masumoto
本 一 弘 舛
Motoyuki Ezaki
崎 元 幸 江
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水、油等を十分に吸収するとともに、水分や油
分を吸収した後でも十分な強度を有し、また、嵩高性、
通気性および耐久性、ならびに風合いに優れ、しかも既
存の設備による生産が容易であるため、低コストで得る
ことができる吸液性積層シートおよびその製造方法の提
供。 【解決手段】パルプ繊維シートからなる吸液性層と、極
細繊維シートからなる耐水性層とを有する吸液性積層シ
ートであって、耐水度が5cm未満、かつ吸液性層と耐
水性層との間の接着強度が20g/5cm幅以上である
吸液性積層シートおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸液性積層シート
およびその製造方法に関し、特に、水、油等を十分に吸
収するとともに、水分や油分を吸収した後でも十分な強
度を有し、また、嵩高性、通気性、耐久性および風合い
に優れ、油、水等の吸液用シート、食品包装材料等に適
し、また、食用油を用いた揚げ物類の油切り、刺身等の
水切りに適した吸液性積層シートおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食の多様化、あるいは外食産業の
発展にともなって、多種多様の加工食品が店頭にて販売
され、また、一般市場にて市販されている。例えば、電
子レンジ、熱湯等によって温めて食用に供される調理済
み食品、食用油で揚げたり、煮物の材料として使用され
るごとく、食材として料理に供される半加工済み食品等
の各種の加工食品がある。また、いわゆるファーストフ
ードと呼ばれる、ハンバーガー、ホットドッグ、お好み
焼き、フライドチキン等の調理して店頭で販売され、手
軽に食用に供される加工食品もある。これらの加工食品
は、包装した形態で保存したり、あるいは店頭で販売さ
れる。
【0003】これらの加工食品の食味を保存中において
も保ち、また、調理後にその本来の食味を保つために
は、保存中または調理後において、加工食品から滲み出
したり、周囲雰囲気からの結露等によって加工食品の周
囲に生じたりする水分および油分を吸収し、加工食品の
油および水分を適度に保持または調節するように包装す
ることが重要である。そのため、加工食品の包装素材、
包装材料、包装形態等について、各種の開発、提案がな
されている。
【0004】従来、これらの加工食品の包装材料とし
て、紙等のパルプ繊維シートが汎用されている。しか
し、パルプ繊維シート単体は、水分や油分を吸収する特
性、吸水性および吸油性は良好であるが、一旦、水分や
油分を吸収すると、強度が低下し、使用時に破損するお
それがある。そこで、食品用の包装材として、不通気性
シートからなる外層と、疎水性繊維シートと吸水性繊維
シートを積層してなる積層シートからなる内層とを有
し、疎水性繊維シート側を食品側に配置する包装材が提
案されている(実開平3−108671号公報)。しか
し、この積層シートは、食品を包装するに際して、疎水
性繊維シートが食品側に配置されるものであるため、調
理後、水分や油分を吸収すると、機械的強度の低下が大
きく、この包装材で包んだまま手で持って食したり、ま
た、長期保存した場合は、包装材がぼろぼろになって取
扱いが困難となる欠点がある。また、不通気性シートを
外層に積層した構造の各種の包装材が提案されている。
例えば、薄葉紙にポリエチレンフィルムやポリプロピレ
ンフィルムをラミネートしてなる包装材、薄葉紙にアル
ミ箔をラミネートしてなる包装材などが提案されてい
る。しかし、これらの包装材は、薄葉紙が水分や油分を
吸収した後でも十分な機械的強度を有するが、通気性を
有しないため、薄葉紙の吸収能力を超える水分や油分が
生じた場合には、余分の水分や油分が吸収されずに残
り、油分や水分の量を適度に調整することができず、加
工食品にべたつき感を与えたり、また、吸収された水分
や油分が外気に晒されないため、長期保存した場合は、
加工食品の風味が損なわれることもある。さらに、これ
らの包装材は、製造工程が複雑であり高コストを要する
ものである。
【0005】また、天麩羅、フライ等の揚げ物類を揚げ
た直後に、これらの揚げ物類の有する余分の油分を除い
て、揚げ物特有のからっとした食味を得るために、トレ
イ等の容器内に敷いた紙等の吸収体に載せて油分を落と
す処理、いわゆる油切りが行われる。また、刺身等のな
ま物は、表面が乾燥して、その食味が損なわれることを
防止するため、布巾等に包んで保湿する処理、いわゆる
水切りが行われる。しかし、油切りの場合、揚げ物類と
紙等の吸収体との接触面でのみ油分が吸収され、油分を
吸収部分と油分を吸収していない部分とが形成されて斑
模様となる。そのため、紙等の吸収体の容積に比して吸
油量が低くなる。また、吸収体を透過した油分が、トレ
イ等の容器に付着し、その除去、洗浄に時間と労力を要
する問題がある。また、水切りの場合、疎水性を有しな
い布巾は、一度に水分を過剰吸収し、また、吸水速度が
早すぎるため、水分の調節が困難である。吸水速度が早
いと、包んだ中身が乾燥してかさかさとなり、一方、吸
水速度が遅い場合は、べたべたになる。さらに、疎水性
を有しないため、透過した水分が容器内に溜まってしま
うこともあり、保存性に劣り、食味が損なわれる等の問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の第1
の目的は、水、油等を十分に吸収するとともに、水分や
油分を吸収した後でも十分な強度を有し、また、嵩高
性、通気性および耐久性、ならびに風合いに優れ、しか
も既存の設備による生産が容易であるため、低コストで
得ることができる吸液性積層シートを提供することにあ
る。
【0007】また、本発明の第2の目的は、前記吸液性
積層シートを、既存の設備を転用して低コストで製造で
きる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、種々検討した結果、パルプ繊維シー
トと極細繊維シートを積層してなる積層シートが、水分
や油分を吸収しても、パルプ繊維シートの平滑性と極細
繊維シートの嵩高性が維持されるため、強度が低下せ
ず、通気性および耐久性に優れ、しかも既存の設備を転
用して容易に低コストで製造することができることを知
見し、本発明に到った。
【0009】すなわち、前記第1の目的を達成するため
に、本発明は、パルプ繊維シートからなる吸液性層と、
極細繊維シートからなる耐水性層とを有する吸液性積層
シートであって、耐水度が5cm未満、かつ吸液性層と
耐水性層との間の接着強度が20g/5cm幅以上であ
る吸液性積層シートを提供するものである。
【0010】また、前記第2の目的を達成するために、
本発明は、前記吸液性積層シートの製造方法として、極
細繊維シートとパルプ繊維シートを積層した後、フラッ
トロールとエンボスロールとを有する加熱ロール装置
に、パルプ繊維シートがフラットロール側に、かつ極細
繊維シートがエンボスロール側になるように通布して加
熱圧着する工程を有する吸液性積層シートの製造方法を
も提供するものである。
【0011】以下、本発明の吸液性積層シート(以下、
「本発明の積層シート」という)およびその製造方法に
ついて詳細に説明する。
【0012】本発明の積層シートは、パルプ繊維シート
からなる吸液性層と、極細繊維シートからなる耐水性層
との少なくとも2層を有する積層構造体である。本発明
の積層シートは、吸液性層と耐水性層のそれぞれを、1
層単独または2層以上を有していてもよい。本発明の積
層シートは、吸液性層であるパルプ繊維シートが、食品
と接触する側になるように使用するものである。
【0013】本発明の積層シートにおける吸液性層を構
成するパルプ繊維シートは、植物繊維パルプおよび/ま
たは合成繊維パルプからなるものである。植物繊維パル
プは、木材その他の植物原料を機械的または化学的に処
理して得られるセルロース繊維の集合体であって、例え
ば、木材パルプ、リンターパルプ等が挙げられる。ま
た、合成繊維パルプは、ポリオレフィン、ナイロン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、オレフ
ィン系エラストマー等の合成樹脂からなる繊維の集合体
である。ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等
のオレフィンの単独重合体またはこれらのオレフィンの
2種以上からなる共重合体等が挙げられる。
【0014】この合成繊維パルプは、例えば、ポリオレ
フィン樹脂を溶融紡糸して得られる繊維を、所定の長さ
に切断した後、叩解する方法、あるいは溶液フラッシュ
法もしくはエマルジョンフラッシュ法によって紡糸した
後、叩解する方法等の公知の方法によって製造されるも
のである。これらの方法の中でも、親水化剤としてポリ
ビニルアルコールを用いてエマルジョンフラッシュ法に
よって製造されるものが、一般的である。親水化剤とし
てポリビニルアルコールを使用する場合、その使用量
は、通常、合成繊維パルプに対して、0.01〜10重
量%である。
【0015】さらに、親水性を増大させるために、ノニ
オン性界面活性剤またはポリプロピレングリコールによ
る表面処理を行うとよい。親水化処理された合成繊維パ
ルプとしては、例えば、特開昭63−235575号公
報または特開昭63−66380号公報に示されたもの
が好適に使用できる。
【0016】また、本発明において、パルプ繊維シート
は、前記植物繊維パルプまたは合成繊維パルプの1種単
独からなるものでもよく、また、植物繊維パルプと合成
繊維パルプの混合物であってもよい。パルプ繊維シート
が、植物繊維パルプと合成繊維パルプの混合物である場
合、植物繊維中の合成繊維の混合割合は、極細繊維シー
トとの吸液性を維持して接着強度を高めるため、50重
量%以下であるのが、好ましい。
【0017】また、本発明において、このパルプ繊維シ
ートは、熱可塑性ポリオレフィンからなる繊維を、好ま
しくは50重量%以下、特に好ましくは30〜10重量
%含有するものが、極細繊維シートとの接着強度が高く
なり、吸液性が損なわれない点で、望ましい。特に、熱
可塑性ポリオレフィンが、後記の極細繊維シートの構成
繊維と同じ材質の繊維からなるものが、極細繊維シート
との接着が確実なものとなる点で、好ましい。
【0018】さらに、本発明において、パルプ繊維シー
トは、目付量10〜300g/m2、嵩密度0.2〜
0.8g/cm3 、最大細孔径2〜100μmであるも
のが、取扱いが容易である点で、好ましい。
【0019】このパルプ繊維シートの製造は、例えば、
パルプ繊維を水に分散させて抄造する湿式抄造法、ある
いは繊維を乾式でマット状に成形する乾式成形法等の方
法にしたがって行うことができる。
【0020】本発明の積層シートにおいて、パルプ繊維
シートからなる吸液性層の厚さは、通常、50〜500
μm程度であり、厚すぎると、吸液性は高くなるが、通
気性が低下し、経済性に劣る。性能(吸液性と通気性)
と経済性を勘案すると、好ましくは80〜160μm程
度である。
【0021】本発明の積層シートにおける耐水性層を構
成する極細繊維シートは、繊維径2〜40μm、好まし
くは3〜25μmの繊維の集合体である。この極細繊維
の素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリオレフィン系
エラストマー等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレートなどが挙げられる。本発明において、極細繊維
は、これらの素材の1種単独でも2種以上の組合せから
なるものでもよい。
【0022】この極細繊維シートにおいて、嵩密度と繊
維径は相関関係にあり、繊維径が太いと嵩密度が高く、
繊維径が細いと嵩密度が低くなる。極細繊維シートは、
その製造方法に応じて、構成繊維の繊維径が異なり、ス
パンボンド法による場合は、12μm以上の繊維径であ
り、メルトブローン法による場合は、12μm未満の繊
維径である。また、極細繊維シートにおいて、耐水圧と
繊維径も相関関係にあり、同一目付の場合には、繊維径
が太くなると耐水圧が低下する。一方、繊維径が細くな
ると耐水圧が高くなり、耐水度を5cm未満とすると、
目付量が小さくなる。そこで、繊維径の細いものが、経
済性の面からは有利である。
【0023】本発明において、この極細繊維シートが、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン系エラ
ストマー等の熱可塑性ポリオレフィンからなり、耐水度
が4cm以下の不織布であるものが、適度な通気性を有
する点で、好ましく、さらに好ましくは1〜4cmであ
る。本発明において、耐水度は、JIS L1092の
A法に準じて測定される値である。
【0024】この極細繊維シートの製造は、溶融可塑化
されたポリオレフィンを細孔から吐出し、高流速エアー
によって細化し捕集する方法によって行うことができ
る。繊維径12μm以上の極細繊維シートは、冷却され
た高流速エアーによって細化するスパンボンド法によっ
て製造でき、また、繊維径12μm未満の極細繊維シー
トは、高温、高速エアーによって細化するメルトブロー
ン法によって製造できる。
【0025】本発明の積層シートにおいて、極細繊維シ
ートからなる耐水性層の厚さは、通常、50〜200μ
m程度であり、好ましくは70〜150μm程度であ
る。
【0026】また、本発明の積層シートにおいて、吸液
性層と耐水性層の厚さの割合は、1/0.5〜1/2.
5の割合である。
【0027】本発明の積層シートは、適正な範囲の通気
度を有するために良好な透湿性を有する点で、耐水度
が、5cm未満、好ましくは1〜4cmであるものであ
る。また、本発明の積層シートは、通気度が50〜50
0cc/cm2 /secの範囲にあるものが、適正な透
湿性を有し、被包装物の水分および油分を調整し、ベタ
ツキを生じず、また、長期保存しても風味を劣化させな
い点で、好ましい。本発明において、通気度はJIS
L1096のA法で測定される。
【0028】また、本発明の積層シートは、水分や油分
を吸収した後に吸液性層と耐水性層とが剥離せず、吸液
性層を構成するパルプ繊維シートが破れてその破片が被
包装物等に付着して外観を損なう等の実用上の問題を生
じない点で、吸液性層と耐水性層との間の接着強度が、
20g/5c幅以上、好ましくは30g/5cm幅以
上、さらに好ましくは50g/5cm幅以上であるもの
である。本発明において、接着強度は、JIS P81
39−1964法に準じて測定される値である。本発明
の積層シートは、吸液性層と耐水性層とが強固に接着さ
れるとともに、吸液性層を構成するパルプ繊維シートの
平滑性と、耐水性層を構成する極細繊維シートの嵩高性
を併有し、良好な風合いを有することが望まれる。本発
明の積層シートにおいて、吸液性層と耐水性層との間が
高い接着強度で接着される点で、吸液性層を構成するパ
ルプ繊維シートが、耐水性層を構成する極細繊維シート
と同質の熱可塑性ポリオレフィンを混合したものが用い
られる。熱可塑性ポリオレフィンの混入比率は10%よ
り好ましくは30%であり、10%以下では接着力が弱
く20〜30%で母材破壊に近い接着力が得られる。3
0%以上でも良いが、コスト高になるとともにパルプ繊
維シートの強度が下がり混抄紙工程での生産性が悪化す
る。熱可塑性ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン系エラストマ
ー等が挙げられる。
【0029】また、本発明の積層シートは、これらの吸
液性層および耐水性層以外にも、必要に応じて、両面ま
たは片面にフィルム層を積層してもよい。例えば、通気
性を有するフィルム層を極細繊維シートの表面に積層し
てもよい。
【0030】本発明の積層シートの製造は、極細繊維シ
ートとパルプ繊維シートを積層した後、両シートを一体
化させることによって製造することができる。極細繊維
シートとパルプ繊維シートの積層は、パルプ繊維シート
の上に、溶融可塑化してダイから押出された熱可塑性樹
脂の細流を、高温かつ高速のガス流で噴き付け、形成さ
れる極細繊維をパルプ繊維シート上に沈積させて極細繊
維シートを形成させた後、両シートを一体化させる方
法、パルプ繊維シートの上に予め製造された極細繊維シ
ートを重ねた後、両シートを一体化させる処理を行う方
法等のいずれの方法にしたがっても行うことができる。
両シートを一体化させるボンディング方法としては、特
に制限されず、例えば、ヒートエンボス法、超音波接着
法、パウダーボンディング法、カレンダー法等が挙げら
れる。これらの方法の中でも、極細繊維シートの嵩高性
を維持し、両シートの間の接着強度が高く、高生産性
で、積層シートを製造することができる点で、ヒートエ
ンボス法が特に好ましい。ヒートエンボス法で両シート
を一体化させる際に、フラットロールとエンボスロール
とを有する加熱ロール装置に、パルプ繊維シートがフラ
ットロール側に、かつ極細繊維シートがエンボスロール
側になるように通布して加熱圧着し、パルプ繊維シート
の集束繊維を破壊またはバラケさせないようにすること
が重要である。特に、本発明の積層シートの製造におい
て、溶融可塑化した熱可塑性ポリオレフィンをダイから
吐出して細流とし、この細流に高温かつ高速のガス流を
吹き付けて形成される極細繊維を、パルプ繊維シートの
上に沈積させて極細繊維シートを形成した後、極細繊維
シートの側からエンボスロールによって加熱加圧処理す
る方法が、パルプ繊維シートをエンボスロールの凹凸面
による剪断作用によって破壊させない点で、特に好まし
い。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、熱可塑性ポリオレフィンの
極細繊維シートからなる耐水性層と、パルプ繊維シート
からなる吸液性層とを有する本発明の積層シートを、連
続的に製造する装置の1例を挙げ、本発明の積層シート
を製造する方法を具体的に説明する。図1に示す装置に
おいて、繰り出しロール1からパルプ繊維シート2を、
駆動ロール3aおよび3bによって矢印Aの方向に駆動
される多孔質の捕集ベルト4上に連続的に通布する。同
時に、押出成形機(図示せず)によって溶融混練した熱
可塑性ポリオレフィンを、ダイ5から細流として吐出し
ながら、ノズル(図示せず)から高温かつ高速のガスを
噴き付け、細流を極細繊維6に形成する。得られる極細
繊維6は、捕集ベルト4の裏側から吸引されて、パルプ
繊維シート2の上に沈積され、パルプ繊維シート2の上
に極細繊維シート7が形成された複層シート8を形成す
る。このようにして形成された複層シート8は、パルプ
繊維シート2と極細繊維シート7が弱く接着されたもの
であり、簡単に剥離するものである。次に、この複層シ
ート8を、エンボスロール9によって、加熱加圧処理し
て、パルプ繊維シート2からなる吸液性層と極細繊維シ
ート7からなる耐水性層とが強固に接着された積層シー
ト10が形成され、巻取りロール11に巻き取られる。
【0032】また、図2は、本発明の積層シートを連続
的に製造する装置の別の例を示す。この図2に示す装置
において、繰り出しロール21aから繰り出したパルプ
繊維シート22と、繰り出しロール21bから繰り出し
た極細繊維シート27とを、合流させて重ね合わせて複
層シート28とする。この複層シート28を、エンボス
ロール29によって加熱加圧処理して、パルプ繊維シー
トからなる吸液性層と極細繊維シートからなる耐水性層
とが強固に接着された積層シート30が形成され、巻取
りロール31に巻き取られる。
【0033】これらの装置において、エンボスロールの
加熱温度は、極細繊維の素材として用いられる熱可塑性
ポリオレフィンの軟化点以上かつ融点以下の温度範囲が
好ましく、通常、130℃程度である。また、エンボス
ロールの線圧は、40〜60kg/cmの範囲が好まし
く、通常、53kg/cm程度である。また、これらの
方法において、パルプ繊維シート、複層シートの搬送速
度は、通常、30〜50m/分程度である。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例により本
発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例および比
較例において、接着強度、耐水度および通気度の測定、
ならびに得られた積層シートの性能の総合評価は、下記
の方法または基準にしたがって行った。
【0035】接着強度 JIS P8139−1964法に準じ、積層シートか
ら幅5cm×長さ20cmの試験片を、切取り、この試
験片の端面にセロテープを貼り付けた後、引き剥がし
て、端部においてパルプ繊維シートと極細繊維シートを
剥離させる。次に、剥離したパルプ繊維シートおよび極
細繊維シートの端部のそれぞれを、引張試験機のチャッ
クに挟み、引張速度10mm/分にて180度ピーリン
グ方法で引張り、最大値を接着強度とした。5つの試験
片について測定し、平均値を求めた。
【0036】耐水度 JIS L1092のA法に準じて測定した。
【0037】通気度 JIS L1096のA法に準じて測定した。
【0038】総合評価 積層シートの性能を下記の基準で評価した。 ◎………実用上なんら問題ないレベルである。 ○………実用可能なレベルである。 △………実用上の問題が残るレベルである。 ×………実用が不可能なものである。
【0039】(実施例1)図1に示す構成の装置を用
い、ダイから溶融可塑化したポリプロピレンを細流とし
て吐出し、高温、高速ガスを噴き付け、平均繊維径が
3.2μm、目付量7g/m2 の極細繊維からなるウェ
ブを、繰り出しロールから繰り出したパルプシート(ポ
リプロピレン20wt%混入品、目付量18g/m2
の上に形成した後、加熱温度130℃、線圧53kg/
cmでエンボスロールによって加熱加圧して、積層シー
トを得た。得られた積層シートについて、接着強度、耐
水度および通気度を測定し、また、その性能を総合評価
した。結果を表1に示す。
【0040】(実施例2)実施例1と同様にして、平均
繊維径3.2μm、目付量8g/m2 の極細繊維からな
るウェブを、繰り出しロールから繰り出したパルプシー
ト(ポリプロピレン30wt%混入品、目付量16g/
2 )の上に形成した後、エンボスロールで加熱加圧処
理して積層シートを製造し、接着強度、耐水度および通
気度を測定し、また、その性能を総合評価した。結果を
表1に示す。
【0041】(実施例3)図2に示す構成の装置を用
い、一方の繰り出しロールからパルプシート(ポリプロ
ピレン20wt%混入品、目付量18g/m2 )を繰り
出し、他方の繰り出しロールからポリプロピレンスパン
ボンド不織布(三井石油化学工業(株)製、PK10
3、繊度4デニール、目付量15g/m2 )を繰り出し
て、両シートを重ね合わせた後、加熱温度150℃、線
圧53kg/cmでエンボスロールによって加熱加圧処
理して、積層シートを製造し、接着強度、耐水度および
通気度を測定し、また、その性能を総合評価した。結果
を表1に示す。
【0042】(実施例4)実施例3と同様に、一方の繰
り出しロールからパルプシート(ポリプロピレン30w
t%混入品、目付量16g/m2 )を繰り出し、他方の
繰り出しロールからポリプロピレンスパンボンド不織布
(三井石油化学工業(株)製、PK103、繊度4デニ
ール)を繰り出して、両シートを重ね合わせた後、加熱
温度150℃、線圧53kg/cmでエンボスロールに
よって加熱加圧処理して、積層シートを製造し、接着強
度、耐水度および通気度を測定し、また、その性能を総
合評価した。結果を表1に示す。
【0043】(比較例1)実施例1と同様にして、平均
繊維径3.2μm、目付量8g/m2 のポリプロピレン
極細繊維からなるウェブを、繰り出しロールから繰り出
したパルプシート(ポリプロピレンの混入なし、目付量
18g/m2 )の上に形成した後、加熱温度130℃、
線圧53kg/cmでエンボスロールによって加熱加圧
処理して積層シートを製造し、接着強度、耐水度および
通気度を測定し、また、その性能を総合評価した。結果
を表1に示す。
【0044】(比較例2)実施例3と同様にして、一方
の繰り出しロールからパルプシート(ポリエチレン10
wt%混入品、目付量16g/m2 )を繰り出し、他方
の繰り出しロールからポリプロピレンスパンボンド不織
布(三井石油化学工業(株)製、PK103、繊度4デ
ニール)を繰り出して、両シートを重ね合わせた後、加
熱温度150℃、線圧53kg/cmでエンボスロール
によって加熱加圧処理して、積層シートの製造を試みた
が、両シートは接着しなかった。得られた複層シートの
耐水度および通気度を測定し、また、その性能を総合評
価した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の積層シートは、吸液性と通気性
が高いため食品包装材料に最適である。さらに接着強度
が強固で剥離しないため耐久性があり、嵩高性をも有し
ていることから風合いも良く、保温性と透湿性のバラン
スが優れている。このため、食品の保存、加温に適し、
食品の食味を維持することができる物性を有している。
また、既存設備が即転用できるため生産性が高く、コス
トも廉価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸液性積層シートの製造装置の一例を
説明する図。
【図2】本発明の吸液性積層シートの製造装置の別の例
を説明する図。
【符号の説明】
1 繰り出しロール 2 パルプ繊維シート 3a,3b 駆動ロール 4 捕集ベルト 5 ダイ 6 極細繊維 7 極細繊維シート 8 複層シート 9 エンボスロール 10 積層シート 11 巻取りロール 21a,21b 繰り出しロール 22 パルプ繊維シート 27 極細繊維シート 28 複層シート 29 エンボスロール 30 積層シート 31 巻取りロール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプ繊維シートからなる吸液性層と、極
    細繊維シートからなる耐水性層とを有する吸液性積層シ
    ートであって、耐水度が5cm未満、かつ吸液性層と耐
    水性層との間の接着強度が20g/5cm幅以上である
    吸液性積層シート。
  2. 【請求項2】前記パルプ繊維シートが、熱可塑性ポリオ
    レフィンからなる繊維を50重量%以下含有するもので
    ある請求項1に記載の吸液性積層シート。
  3. 【請求項3】前記パルプ繊維シートと極細繊維シート
    が、熱可塑性ポリオレフィンからなる繊維を含むもので
    ある請求項2または3に記載の吸液性積層シート。
  4. 【請求項4】前記極細繊維シートが、熱可塑性ポリオレ
    フィンからなり、耐水度が4cm以下の不織布である請
    求項1に記載の吸液性積層シート。
  5. 【請求項5】前記のパルプ繊維シートと極細繊維シート
    が、エンボスロールでヒートボンディングされてなる請
    求項2〜4のいずれかに記載の吸液性積層シート。
  6. 【請求項6】前記請求項1に記載の吸液性積層シートの
    製造方法であって、極細繊維シートとパルプ繊維シート
    を積層した後、フラットロールとエンボスロールとを有
    する加熱ロール装置に、パルプ繊維シートがフラットロ
    ール側に、かつ極細繊維シートがエンボスロール側にな
    るように通布して加熱圧着する工程を有する吸液性積層
    シートの製造方法。
  7. 【請求項7】溶融可塑化した熱可塑性ポリオレフィンを
    吐出し、高速のガス流を吹き付けて形成される極細繊維
    を、パルプ繊維シートの上に沈積して極細繊維シートを
    形成した後、加熱圧着する工程を有する請求項6に記載
    の吸液性積層シートの製造方法。
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