JPH0965700A - 誘導電動機制御装置 - Google Patents

誘導電動機制御装置

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Publication number
JPH0965700A
JPH0965700A JP7218975A JP21897595A JPH0965700A JP H0965700 A JPH0965700 A JP H0965700A JP 7218975 A JP7218975 A JP 7218975A JP 21897595 A JP21897595 A JP 21897595A JP H0965700 A JPH0965700 A JP H0965700A
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JP
Japan
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induction motor
axis component
current
primary
frequency
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Pending
Application number
JP7218975A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Anzai
清治 安西
Masaru Kobayashi
勝 小林
Masato Koyama
正人 小山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄損が無視できないような誘導電動機を駆動
する場合でも、最大効率運転が可能で、かつ高速応答の
ベクトル制御性能を実現する。 【解決手段】 誘導電動機1の回転周波数を検出する速
度検出器7と、誘導電動機1の励磁電流指令を一次周波
数で回転する直交回転座標軸(d−q軸と呼ぶ)上の一
次電流のd軸成分指令として出力し、かつ誘導電動機1
のトルク電流指令を一次電流のq軸成分指令として出力
する電流成分指令演算手段2aと、誘導電動機1の1次
電流のd軸及びq軸成分を演算する電流成分演算手段1
1と、1次電流のd軸成分及びq軸成分がそれぞれ、上
記d軸成分指令及びq軸成分指令に追従するように誘導
電動機1の1次電流を制御する電流成分制御回路3とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機のベク
トル制御装置に係り、特に鉄損を無視できない誘導電動
機を駆動する場合でも良好なベクトル制御性能が実現で
き、かつ最大効率運転が可能な誘導電動機制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機のベクトル制御方式は、公知
のように、誘導電動機の1次電流を励磁電流成分とトル
ク電流成分とに分離し、発生トルクと2次磁束とをそれ
ぞれ自由に制御できる方式である。ここで、励磁電流成
分をIo、トルク電流成分をItとすると、誘導電動機
の発生トルクTmは次式によって表される。
【0003】 Tm=PmMIIt (1)
【0004】ただし、Pmは極対数であり、Mは誘導電
動機の1次2次相互インダクタンスである。また、誘導
電動機の1次周波数ωは次式によって与えられる。
【0005】 ω=ωr+ωs (2)
【0006】ここで、ωrは誘導電動機の回転周波数で
あり、ωsはすべり周波数で次式によって与えられる。
【0007】 ωs=RrIt/MI (3)
【0008】ただし、Rrは誘導電動機の2次抵抗であ
る。
【0009】(1)式から分かるように、ある値の発生
トルクを得るためのIoとItの組み合わせは無数に存
在する。そこで、例えば、誘導電動機の効率を最大にす
るIoとItは、次式によって与えられることが、文献
[昭和57年電気学会全国大会講演論文 No.57
4]に示されている。
【0010】
【数1】
【0011】ただし、Rsは誘導電動機の1次抵抗であ
る。このとき、(3)式から、ωsは次式のように一定
値となることがわかる。
【0012】
【数2】
【0013】従って、(4)式及び(5)式を満足する
ように、トルク指令に応じてIoとItを制御すれば、
誘導電動機の効率を最大にできる。
【0014】そこで、この原理に基づいて誘導電動機の
最大効率運転を行う誘導電動機の制御装置の従来例を、
図8に示す。この制御装置は、特開平5−38181号
公報に示されている。図において、1は誘導電動機であ
り、PWMインバータ10より誘導電動機1に供給され
る各相毎の1次電流指令Ius*、Ivs*及びIws
*は電流検出器4によって検出される。誘導電動機1の
実回転速度、即ち回転周波数ωrは速度検出器7にて検
出されて減算器80に入力される。
【0015】減算器80は実回転速度ωrと図示してい
ない速度指令発生器から出力された速度指令ωr*との
偏差を求めて増幅器81に入力する。増幅器81は偏差
結果をトルク電流成分指令It*として出力する。トル
ク電流成分指令It*を入力した乗算器82は、後述す
る演算によって求められた励磁電流成分指令Io*と乗
算し、トルクに比例した信号Tを関数発生器83に出力
される。
【0016】関数発生器83は信号Tを入力すると励磁
電流成分指令Io*を演算し、補償回路84を通して出
力する。励磁電流成分指令Io*は、トルク電流成分指
令It*が入力される乗算器82、除算器85、及びベ
クトル演算器88に入力される。
【0017】除算器85は、励磁電流成分指令Io*と
トルク電流成分指令It*とを除算し、除算結果をすべ
り周波数ωs演算用の係数器86に入力する。そして、
加算器87はすべり周波数ωsと実回転速度ωrとを加
算して誘導電動機1の一次周波数ωを演算してベクトル
演算器88に入力する。更に、ベクトル演算器88は入
力されたトルク電流成分指令It*、励磁電流成分指令
Io*及び1次周波数ωより誘導電動機1に供給すべき
各相毎の1次電流指令Ius*、Ivs*及びIws*
を演算して出力する。
【0018】これらの1次電流指令と電流検出器4によ
って検出された1次電流Ius、Ivs及びIwsとの
偏差がそれぞれ減算器89、90及び91によって求め
られ、これらの偏差を増幅器92、93及び94で増幅
し、誘導電動機1の各相毎の1次電圧指令Vus*、V
vs*及びVws*としてPWMインバータ10に出力
する。
【0019】従来装置の動作について説明する。まず、
減算器80によって、図示していない速度指令発生器か
ら出力された速度指令ωr*と速度検出器7から出力さ
れた実回転速度ωrとの偏差が求められ、増幅器81に
入力される。すると、増幅器81からトルク電流成分指
令It*が出力する。
【0020】次に、乗算器82によって、このトルク電
流成分指令It*と後述する演算によって求められた励
磁電流成分指令Io*とが乗算され、トルクに比例した
信号Tが出力される。ここで、(1)式から、信号Tは
次式によって表されることがわかる。
【0021】 T=(Tm*)/(PmM) (7) ただし、Tm*はトルク指令である。
【0022】信号Tを関数発生器83に入力すると次式
に従って励磁電流成分指令Io*が求められる。
【0023】 I*=K√T (8) ただし、Kは定数で、(1)式から次式によって与えら
れる。
【0024】
【数3】
【0025】補償回路84は、誘導電動機1の2次磁束
が励磁電流成分に対し1次遅れの応答特性を持つため、
これを補正する目的で設けたものであり、この補償回路
84から最終的に励磁電流成分指令Io*が出力され
る。
【0026】次に、除算器85にトルク電流成分指令I
t*と励磁電流成分指令Io*とを入力するとIt*/
Io*の値が求められる。そこで、除算器85の出力を
係数値がRr/Mに等しい係数器86に入力すると、
(3)式の演算によってすべり周波数ωsが出力され
る。つづいて、このすべり周波数ωsと、速度検出器7
から出力された実回転速度、すなわち回転周波数ωrと
を加算器87によって加算すると、(2)式の演算が行
われ1次周波数ωが求められる。
【0027】更に、上記のトルク電流成分指令It*、
励磁電流成分指令Io*及び1次周波数ωをベクトル演
算回路88に入力すると、誘導電動機1に供給すべき各
相毎の1次電流指令Ius*、Ivs*及びIws*が
出力される。続いて、これらの1次電流指令と電流検出
器4によって検出された1次電流Ius、Ivs及びI
wsとの偏差がそれぞれ減算器89、90及び91によ
って求められる。そこで、これらの偏差を増幅器92、
93及び94に入力すると、誘導電動機1の各相毎の1
次電圧指令Vus*、Vvs*及びVws*がそれぞれ
出力される。
【0028】PWMインバータ10によって、誘導電動
機1の1次電圧Vus、Vvs及びVwsがそれぞれ、
これらの1次電圧指令に追随するように制御される。そ
の結果、誘導電動機1の1次電流Ius、Ivs及びI
wsが、それぞれの指令に追随する。ひいては、誘導電
動機1の励磁電流成分及びトルク電流成分もそれぞれの
指令に追随する。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】従来の制御装置は、以
上のように構成され、誘導電動機の高効率運転を実現す
る。その際、従来の制御装置では高効率のベクトル制御
を行うために、(4)式及び(5)式に従って励磁電流
成分及びトルク電流成分を制御する。ところで、これら
の式は誘導電動機の鉄損を無視して得られた関係式であ
る。そのため、(4)式及び(5)式に従って励磁電流
成分及びトルク電流成分を制御すると、誘導電動機の銅
損、即ち、1次抵抗及び2次抵抗によって発生する損失
は最小にできるが、鉄損は最小とならない。
【0030】ここで、誘導電動機の鉄損は1次周波数の
約1.6乗に比例することが、文献[平成2年電気学会
全国大会シンポジウムS.10−6]などに示されてい
る。そのため、例えば、電気鉄道や電気自動車などの駆
動用として使用される高速回転の誘導電動機では、鉄損
が銅損に対して無視できない。
【0031】その結果、従来の制御装置では、これらの
誘導電動機を駆動する場合には、最大効率運転が不可能
となる。特に、電気自動車の場合はエネルギー源がバッ
テリーであるため、バッテリーの小型軽量化のために駆
動用誘導電動機の最大効率運転の実現が重要な課題とな
っている。
【0032】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、鉄損が無視できないような誘導
電動機を駆動する場合でも、最大効率運転が可能で、か
つ高速応答のベクトル制御性能を実現する誘導電動機の
制御装置を提供することを目的とする。
【0033】また、本制御装置が提案する最大高効率制
御の実現においては、かなり高速な制御演算能力を必要
とする。そのため、高速でない制御演算能力でも実現で
きるよう簡易的な制御装置をも提供することを目的とす
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る誘
導電動機制御装置は、誘導電動機と、上記誘導電動機の
回転周波数を検出する速度(回転周波数)検出器と、上
記誘導電動機のトルク指令と上記回転周波数を入力し、
鉄損に関係した定数を含む上記誘導電動機の定数を係数
値とする関数の演算結果に基づいて得られた第1の所定
の一次関数により、励磁電流指令を一次周波数で回転す
る直交回転座標軸(d−q軸と呼ぶ)上の一次電流のd
軸成分指令として出力し、かつ上記誘導電動機のトルク
電流指令を一次電流のq軸成分指令として出力する電流
成分指令演算手段と、上記誘導電動機の1次電流を検出
する電流検出器と、上記電流検出器の出力と上記一次周
波数の位相とを入力して、上記1次電流のd軸及びq軸
成分を演算する電流成分演算手段と、上記1次電流のd
軸成分指令及びd軸成分の少なくとも1つと、上記1次
電流のq軸電流成分指令及びq軸成分の少なくとも1つ
とを入力し、上記誘導電動機のすべり周波数を演算する
すべり周波数演算手段と、上記すべり周波数演算手段か
ら出力された上記すべり周波数と上記回転周波数検出器
の出力とを加算して上記1次周波数となす加算器と、上
記一次周波数を積分して位相を上記電流成分演算手段へ
出力する積分器と、上記1次電流のd軸成分及びq軸成
分がそれぞれ、上記d軸成分指令及びq軸成分指令に追
従するように上記誘導電動機の1次電流を制御する電流
成分制御回路とを備えたものである。
【0035】請求項2の発明に係る誘導電動機制御装置
は、請求項1において、すべり周波数演算手段から出力
された補正前すべり周波数と回転周波数とを入力し、鉄
損に関係した定数を含む上記誘導電動機の定数を係数値
とする所定の関数演算結果から得られたすべり周波数と
鉄損に関係しない誘導電動機の定数を係数値とする所定
の関数演算結果から得られたすべり周波数の比から近似
して得られた第2の所定の一次関数により上記補正前す
べり周波数補間してすべり周波数出力するすべり周波数
補正手段を備えたものである。
【0036】請求項2の発明に係る誘導電動機制御装置
は、請求項1において、第1の所定の一次関数が回転周
波数の関数となるようにしたものでる。
【0037】請求項3の発明に係る誘導電動機制御装置
は、請求項1において、第1の所定の一次関数が一次周
波数の関数となるようにしたものである。
【0038】請求項4の発明に係る誘導電動機制御装置
は、請求項2において、第2の所定の一次関数が回転周
波数の関数となるようにしたものでる。
【0039】請求項5の発明に係る誘導電動機制御装置
は、請求項2において、第2の所定の一次関数が一次周
波数の関数となるようにしたものである。
【0040】
【発明の実施の形態】本実施の形態は、電流成分演算手
段、すべり周波数演算手段及び加算器によって、誘導電
動機の1次電流と回転周波数とから、定常状態のみなら
ず過渡状態においても常に2次磁束のq軸成分が零とな
るような1次周波数が求られる。次に、電流成分指令演
算手段によって、誘導電動機の1次周波数と鉄損に関係
した定数を含む誘導電動機の定数を係数値とする所定の
関数の演算結果から近似補間した所定の一次関数演算に
より、誘導電動機の1次電流のd軸成分指令及びq軸成
分指令が求められる。
【0041】更に、電流成分制御回路によって、誘導電
動機の1次電流のd軸成分及びq軸成分がそれぞれ、上
記d軸成分指令及びq軸成分指令に追従するように制御
される。ここで、後述するように誘導電動機の発生トル
クは1次電流のd軸成分及びq軸成分の積に比例するの
で、発生トルクは1次電流のd軸成分及びq軸成分の積
に比例したトルク指令に追従する。さらに、電流成分指
令演算手段は、振幅の比が鉄損に関係した定数を含む誘
導電動機の定数を係数値とする所定の関数の演算結果か
ら近似補間した所定の一次関数演算と等しくなるような
上記誘導電動機の1次電流のd軸成分指令及びq軸成分
指令を出力する。
【0042】以下、本発明の実施の形態の詳細な動作説
明に移る前に、この発明の基となる誘導電動機のベクト
ル制御方式について説明する。まず、1次周波数で回転
するd−q座標軸上の誘導電動機の電圧・電流方程式は
次式によって与えられる。
【0043】
【数4】
【0044】ただし、Rs、Rr及びRmはそれぞれ、
誘導電動機の1次抵抗、2次抵抗及び鉄損抵抗である。
Ls、Lr及びMはそれぞれ、誘導電動機の1次自己イ
ンダクタンス、2次自己インダクタンス及び1次2次相
互インダクタンスである。また、Vds及びVqsはそ
れぞれ、1次電圧のd軸及びq軸成分である。Ids及
びIqsはそれぞれ1次電流のd軸成分及びq軸成分で
あり、Idr及びIqrはそれぞれ2次電流のd軸成分
及びq軸成分である。
【0045】また、ω及びωsはそれぞれ誘導電動機の
1次周波数及びすべり周波数であり、Pは微分演算子
(=d/dt)である。なお、上式において、鉄損抵抗
Rmの値を零とすると、鉄損を無視した場合の誘導電動
機のd−q座標軸上における電圧・電流方程式と一致す
る。
【0046】次に、鉄損を考慮した場合、誘導電動機の
2次磁束のd軸成分Φdr及びq軸成分Φqrは、次式
によって与えられる。
【0047】
【数5】
【0048】更に、発生トルクTmは次式によって与え
られる。
【0049】 Tm=Pm(ΦqrIdr−ΦdrIqr) (16) ただし、Pmは誘導電動機の極対数である。
【0050】なお、(16)式は鉄損の有無によらず成
立する。(14)式及び(15)式から、鉄損抵抗Rm
の存在によって、2次磁束のd軸成分Φdrはq軸電流
成分Iqs及びIqrの影響を受け、反対に2次磁束の
q軸成分Φqrはd軸電流成分Ids及びIdrの影響
を受けることがわかる。その結果、発生トルクTmも鉄
損の影響を受けることが(16)式からわかる。
【0051】次に、(14)、(15)式を(12)、
(13)式に代入してIdsとIqsを消去すると次式
が得られる。
【0052】
【数6】
【0053】また、(14)、(15)式を変形してI
dr及びIqrを求めると次式が得られる。
【0054】
【数7】
【0055】 ただし、 k=Rm/ω (21)
【0056】次に、Φqr=0となる条件を求めると、
(18)式から次式によってすべり周波数ωsを与えれ
ばよいことがわかる。
【0057】 ωs=−(RrIqr)/(Φdr) (22)
【0058】ここで、Iqrは直接検出することが困難
なので、(20)式を(22)式に代入してIqrを消
去する次式が得られる。
【0059】
【数8】
【0060】さらに、(17)式において、Φqr=0
とし、かつ(19)式を代入してIdrを消去すると次
式が得られる。
【0061】
【数9】
【0062】ただし、 Tr1=Tr+(k/LrRr) (25) Tr=Lr/Rr : 誘導電動機の2次時定数
【0063】従って、(23)式を満足するようなすべ
り周波数ωsで誘導電動機を制御すれば、2次磁束が時
間的に変化するような過渡状態においても、定常状態と
同様にΦqrを零に保つ、すなわち、2次磁束ベクトル
の方向をd軸に一致させることができる。ここで、2次
磁束のd軸成分Φdrは、(24)式の演算によって1
次電流のd軸成分Idr及びq軸成分Iqsから求める
ことができる。
【0064】1次電流のd軸成分Ids及びq軸成分I
qsを検出すれば、(23)式の演算によって、すべり
周波数ωsを求めることができる。なお、(24)式及
び(25)式において、kの値は(21)式から明らか
なように1次周波数ωの関数である。さらに、公知のよ
うに、鉄損抵抗Rmの値も1次周波数ωによって変化す
る。
【0065】そのため、(23)式及び(24)式の演
算を行う場合には、1次周波数ωが必要であるが、ωは
(2)式のように誘導電動機の回転周波数ωrとすべり
周波数ωsとを加算することによって求められる。
【0066】次に、Φqr=0が常に成立するので、
(16)式から次式が定常状態だけでなく過渡状態にお
いても成立することがわかる。
【0067】 Tm=−PmIdrΦdr (26)
【0068】この式を利用して外部から入力されるトル
ク指令に応じて、2次磁束のd軸成分指令Φdr*及び
2次電流のq軸成分指令Iqr*を求め、誘導電動機の
2次磁束のd軸成分Φdr及び2次電流のq軸成分Iq
rがそれぞれこれらの指令値に追従するように制御すれ
ば、結果として誘導電動機の発生トルクを指令値どおり
に制御することができる。
【0069】ところが、誘導電動機の2次磁束のd軸成
分Φdr及び2次電流のq軸成分Iqrは直接制御でき
ない。従って、ここでは2次磁束のd軸成分指令Φdr
*及び2次電流のq軸成分指令Iqr*から1次電流の
d軸成分指令Ids*及びq軸成分指令Iqs*を求
め、誘導電動機の1次電流のd軸成分Ids及びq軸成
分Iqsがそれぞれの指令値に追従するように制御す
る。そこで、まず、(14)、(15)式を変形してI
ds及びIqsを求めると次式が得られる。
【0070】
【数10】
【0071】上式に(17)式を代入してIdrを消去
し、更に、 Ids=Ids*、Iqs=Iqs*、Φdr=Φdr*、Φqr=Φqr* 、Iqr=Iqr* (29) とおくと、次式が得られる。
【0072】
【数11】
【0073】ただし、 Tr2=Tr+(k/MRr)、Tr=(Lr−M)/Rr (32)
【0074】従って、(30)式及び(31)式の演算
によって、2次磁束のd軸成分指令Φdr*及び2次電
流のq軸成分指令Iqr*から1次電流のd軸成分指令
Ids*及びq軸成分指令Iqs*を求めることができ
る。なお、両式において、kの値及びRmの値は、1次
周波数ωの値によって変化するので、演算においてはω
の値が必要である。
【0075】また、(32)式において、(Lr−M)
の値は誘導電動機の2次漏れインダクタンスの値と等し
いので、時定数Tr3の値はTr2の値と比較して非常
に小さい。従って、(30)式の演算において、Tr3
=0としても制御上の違いは殆ど生じない。
【0076】以上のようにして、1次電流のd軸成分指
令Ids*及びq軸成分指令Iqs*が求められるの
で、誘導電動機の1次電流のd軸成分Ids及びq軸成
分Iqsがこれらの指令値にそれぞれ追従するように制
御すればよい。
【0077】ここで、公知のように1次電流のd軸成分
Ids及びq軸成分Iqsは、1次電流Ius、Ivs
及びIwsと1次周波数ωとから次式の演算によって求
められる。
【0078】
【数12】
【0079】ただし、 θ=∫ωdt (34a)
【0080】次に、 Ius+Ivs+Iws=0 (35)
【0081】の関係を利用して、(33)、(34)式
からIwsを消去すると次式が得られる。
【0082】
【数13】
【0083】従って、上式の演算によって得られた1次
電流のd軸成分Ids及びq軸成分Iqsが、それぞれ
の指令値に追従するように制御すればよい。
【0084】以上が、この発明の基となる誘導電動機の
ベクトル制御方式であり、誘導電動機の2次磁束のd軸
成分Φdrと2次電流のq軸成分Iqrを操作すること
により、鉄損が無視できないような場合でも良好なトル
ク制御性能が実現できる。
【0085】次に、(26)式から、ある値の発生トル
クを得るためのΦdrとIqrの組み合わせは無数に存
在することがわかる。そこで、次に、ΦdrとIqrの
値をどのように選べば誘導電動機の最大効率運転が実現
できるかについて説明する。まず、(10)〜(13)
式において微分項を無視する。すると、Φqr=0の条
件と(17)式より次式が得られる。
【0086】 Idr=0 (38)
【0087】(10)、(11)式において微分項を無
視しさらに(38)式を代入する次式が得られる。
【0088】
【数14】
【0089】また、(27)、(28)式において、Φ
qr=0、Idr=0とおくと、次式が得られる。
【0090】
【数15】
【0091】さて、誘導電動機に入力される有効電力P
inは、公知のように次式で与えられる。
【0092】 Pin=VdsIds+VqsIqs (43) そこで、(39)〜(42)式を(43)式に代入する
と、次式が得られる。
【0093】
【数16】
【0094】次に、誘導電動機の機械的出力Pout
は、公知のように次式で与えられる。 Pout=ωrmTm (45) ここで、ωrmは誘導電動機の機械的回転周波数であ
り、電気的回転周波数ωrとは次式の関係がある。
【0095】 ωrm=(ωr/Pm)=(ω−ωs)/Pm (46)
【0096】(46)式に(22)式を代入してωsを
消去すると、次式が得られる。
【0097】
【数17】
【0098】従って、(45)式に(26)式及び(4
7)式を代入してτm及びωrmを消去すると、次式が
得られる。
【0099】 Pout=ωIqrΦdr−RrIqr (48)
【0100】すると、(44)、(48)式から誘導電
動機で発生する損失Plossは以下の式で与えられ
る。
【0101】
【数18】
【0102】発生トルクが一定という条件の下で、(4
9)式で示される損失Plossが最小となるようなΦ
drとIqrの組み合わせを求めれば、最大効率運転が
実現できることがわかる。そこで、次に、損失Plos
sが最小となるようなΦdrとIqrの組み合わせを求
める。 まず、発生トルクが一定という条件は(26)
式の関係から次式によって表される。
【0103】 ΦdrIqr=A (A=const) (50)
【0104】そこで、(50)式を(49)式に代入し
てΦdrを消去すると、次式が得られる。
【0105】
【数19】
【0106】すると、(51)式の右辺をIqr2で微
分した値が零となる条件が成立するときに損失Plos
sは最小となる。従って、この条件と(50)式から、
求めるΦdrとIqrの関係は次式によって与えられ
る。
【0107】
【数20】
【0108】すなわち、ΦdrとIqrの振幅比が(5
2)式を満足するように、トルク指令に応じてΦdrと
Iqrとを制御すれば最大効率運転が実現できる。な
お、(52)式は、(10)〜(13)式において微分
項を無視して導出したが、(10)〜(13)式は上述
したように回転座標軸上の誘導電動機の電圧・電流方程
式を表している。
【0109】従って、一定トルクで誘導電動機を加減速
運転するような場合は、(10)〜(13)式の微分項
は零となるので、(52)式によって最大効率運転が実
現できる。
【0110】しかしながら、上記(52)式による最大
効率運転は、実際に検出しない二次電流・二次磁束を誘
導電動機の指令値として制御する方法であるので、制御
を行うには(41)、(42)式にて一次電流に換算す
る必要がある。
【0111】そこで、本発明では、公知のベクトル制御
の一次電流成分指令Ids*、Iqs*を、上記最大効
率運転した場合の一次電流比|Iqs/Ids|特性を
活用してフィードフォワード的に制御することで、この
換算の省演算化を図り、簡易的に最大効率運転を実現す
る方法である。さらに、公知のベクトル制御のすべり周
波数を、上記最大効率運転した場合のすべり周波数特性
を活用してフィードフォワード的すべり周波数を補正す
ることで、この換算の省演算化を図り、簡易的に最大効
率運転を実現する方法である。(以下、混乱を避けるた
め、上記(52)式による最大効率運転を最大効率制
御、簡易的な最大効率運転を簡易最大効率制御と呼ぶこ
ととする。)
【0112】最大効率制御した場合の一次電流比|Iq
s/Ids|特性を図6に示す。図6のようにモータ回
転数に対する|Iqs/Ids|の関係は、トルクの値
によって傾きは変化するがほぼ一次関数の形を取ってい
ることがわかる。よって、|Iqs/Ids|の関係
は、モータ回転数ωrの一次関数に近似することができ
るので、次式が成り立つ。
【0113】
【数21】
【0114】ここで、G1及びC1はモータ定数及び運
転条件によって決まる定数である。
【0115】そこで、簡易最大効率制御におけるトルク
指令から一次電流指令値を求めるまでの過程を説明す
る。発生トルクTmは、(1)式で表されるが、次式で
も表せる。
【0116】
【数22】
【0117】Ids=Ids*、Iqs=Iqs*とす
ると、(53)、(54)式より、一次電流指令値Id
s*、Iqs*は次式で求められる。
【0118】
【数23】
【0119】次に、すべり周波数について考える。公知
のベクトル制御において、すべり周波数ωs’(最大効
率制御における(22)式で求めたすべり周波数ωsと
区別してωs’として表す)は、次式となる。
【0120】 ωs’=(RrIqs)/(LrIds) (57)
【0121】また、励磁磁束の位相を考慮した場合、す
べり周波数ωs’は次式で表される。
【0122】
【数24】
【0123】(22)及び(57)式で求めたすべり周
波数比ωs/ωs’と特性を図7に示す。図7のように
誘導電動機の回転周波数ωrに対するすべり周波数比ω
s/ωsの関係は、トルクの値によって傾きは変化する
が、ほぼ一次関数の形を取っていることがわかる。よっ
て、ωs/ωs’の関係はモータ回転数ωrの一次関数
に近似するこ÷9できるので、次式が成り立つ。
【0124】
【数25】
【0125】ここで、F2及びG2はモータ定数及び運
転条件によって決まる定数である。よって、すべり周波
数ωs’は(59)式の関係を用いて補正することがで
きる。
【0126】ωs=F2ωs’ (60)
【0127】1次電流のd軸成分指令Ids*と1次電
流のq軸成分指令Iqs*を入力とする公知のベクトル
制御において、(55)、(56)式による1次電流の
d軸成分指令Ids*と1次電流のq軸成分指令Iqs
*を入力として与え、さらに必要ならば、(60)式に
よるすべり周波数補正を加え、簡易最大効率制御を実施
した場合、この制御方式は上記最大効率制御と比較して
も効率に優位差は殆どないことがわかった。
【0128】言い換えれば、この|Iqs*/Ids*
|の関係、ωs/ωs’の関係を利用すれば、公知のベ
クトル制御を用いた制御装置においても、容易かつ簡易
的に最大効率運転が実現できる。
【0129】実施の形態1.以下、この発明の実施の形
態1を図について説明する。図1は、本実施の形態によ
る誘導電動機制御装置の構成を示すブロック図であり、
尚、図中、図8と同一符号は同一または相当部分を示
す。図において、2aは誘導電動機1のトルク指令Tm
*と速度検出器7からの入力した回転周波数ωrとに基
づいて励磁電流指令を一次周波数で回転する直交回転座
標軸(d−q軸と呼ぶ)上の一次電流のd軸成分指令I
ds*として出力し、かつ上記誘導電動機のトルク電流
指令を一次電流のq軸成分指令Iqs*として出力する
電流成分指令演算手段、11は電流検出器4の出力Iu
s,Ivsと後述する一次周波数の位相θとを入力し
て、1次電流のd軸成分Ids及びq軸成分Iqsを演
算する電流成分演算手段、6aは1次電流のd軸成分I
dsと、上記1次電流のq軸成分Iqsとを入力し、誘
導電動機1のすべり周波数ωs’を演算するすべり周波
数演算手段と、8はすべり周波数演算手段6aから出力
されたすべり周波数ωs’と速度検出器7の出力である
回転周波数ωrとを加算して1次周波数ωとなす加算
器、9は一次周波数ωを積分して位相θを電流成分演算
手段11へ出力する積分器、3は1次電流のd軸成分I
ds及びq軸成分Iqsが、それぞれd軸成分指令Id
s*及びq軸成分指令Iqs*に追従するように誘導電
動機1の1次電流を制御する電流成分制御回路、5は電
流成分制御回路3よりd軸成分指令Ids*及びq軸成
分指令Iqs*に基づいて出力された一次電圧のd軸成
分指令Vds*とq軸成分指令Vqs*、及び積分器9
より出力された位相θに基づいて一次電圧指令Vus*
(U相)、Vvs*(V相)、Vws*(W相)をPW
Mインバータ10へ出力する電圧指令演算回路である。
【0130】図2は上述した電流成分指令演算手段2a
の詳細な構成を示すブロック図である。電流成分指令演
算手段2aは、回転周波数ωrを入力して回転周波数ω
rの絶対値である|ωr|を求る絶対値回路21、|ω
r|を入力すると(53)式で示される一次電流比F1
を出力する一次関数演算器22、トルク指令Tm*を分
子、上記一次電流比F1を分母として入力して除算し、
Tm*/F1を得る除算器23、除算器21の出力であ
るTm*/F1の絶対値を得るを絶対値回路24、絶対
値回路24の出力に係数を掛けてIds*2を得る係数
器25、Ids*2の平方根を演算してd軸成分指令I
ds*を出力する平方根演算器26、トルク指令Tm*
を入力してTm*>0の場合は1、Tm*<0の場合は
−1、Tm*=0の場合は0が出力される符号判別器2
7、符号判別器27の出力と一次電流比F1を乗算器2
8で掛け合わせる乗算器28、乗算器の出力と平方根演
算器の出力であるIds*とを掛け合わせてq軸成分指
令Iqs*を出力する乗算器29より構成されている。
【0131】図3は上述したすべり周波数演算回路6a
の詳細な構成を示すブロック図である。すべり周波数演
算回路6aは、一次電流のq軸成分Iqsに所定の係数
を掛ける係数器31、一次電流のd軸成分Idsを入力
して位相を制御し、二次磁束φdrを求める一次遅れ回
路32、二次磁束φdrに所定の係数を掛ける係数器3
3、二次磁束φdrにの係数を掛けたものを分母とし、
一次電流のq軸成分Iqsに係数器31の係数を掛けた
ものを分子として除算し、すべり周波数ωs’を出力す
る除算器34より構成されている。
【0132】次に動作について説明する。電流成分指令
演算手段2aは、図示しないトルク指令Tm*に基づき
(53)、(54)、(55)、(56)式の関係を用い
て、一次電流のd軸成分指令Ids*と一次電流のq軸
成分指令Iqs*を出力する。以下、図2を用い電流成
分指令演算手段2aの具体的動作について説明する。
【0133】回転周波数ωrを絶対値回路21入力し|
ωr|を求め、その|ωr|を一次関数演算器22に入
力すると(53)式で示される一次電流比F1が出力さ
れる。また、トルク指令Tm*を分子、一次電流比F1
を分母として除算器23に入れるとTm*/F1が得ら
れる。その除算器21の出力Tm*/F1を絶対値回路
24に入れ、その絶対値回路24の出力に係数器25の
係数を掛けるとIds*2が得られる。そのIds*2
平方根演算器26に入力すると(55)式で示されるI
ds*が出力される。
【0134】トルク指令Tm*を符号判別器27に入力
すると、Tm*>0の場合は1、Tm*<0の場合は−
1、Tm*=0の場合は0が出力として得られる。その
符号判別器27の出力と一次電流比F1を乗算器28で
掛け合わせ、さらに乗算器28の出力と一次電流のd軸
成分指令Ids*を乗算器29で掛け合わると一次電流
のq軸成分指令Iqs*が得られる。
【0135】次に、電流検出器4によって検出された一
次電流Ius(U相)、Ivs(V相)及び積分器9に
よって演算された位相θを電流成分演算手段11に入力
すると、(36)、(37)式の演算が行われ、一次電
流のd軸成分Idsと一次電流のq軸成分Iqsを出力
する。
【0136】つづいて、電流成分演算11より出力され
た一次電流のd軸成分Idsと一次電流のq軸成分Iq
sをすべり周波数演算回路6aに入力すると、(58)
式の演算がなされ、すべり周波数ωs’が出力される。
具体的には、図3に示すように、一次電流のd軸成分
Idsを一次遅れ回路32に入力し位相を制御して二次
磁束φdrを求め、さらに、二次磁束φdrに係数器3
3の係数を掛けたものを分母とし、一次電流のq軸成分
Iqsに係数器31の係数を掛けたものを分子として除
算器34に入力すると(58)式の演算がなされ、すべ
り周波数ωs’が出力される。
【0137】次に、回転周波数検出器7から出力される
回転周波数ωrとすべり周波数演算回路6aから出力さ
れるωs’を加算器8で加算することで一次周波数ωが
得られる。さらに、一次周波数ωを積分器9で積分する
と位相θが得られる。
【0138】つづいて、電流成分指令演算手段2aから
出力される一次電流のd軸成分指令Ids*と一次電流
のq軸成分指令Iqs*と、電流成分演算手段11から
出力される一次電流のd軸成分Idsと一次電流のq軸
成分指令Iqsと、一次周波数ωとを電流成分制御回路
3に入力して、一次電流のd軸成分指令Ids*と一次
電流のd軸成分Idsの偏差を増幅(PI制御)する
と、一次電圧のd軸成分指令Vds*が出力され、ま
た、同様に一次電圧のq軸成分指令Vqs*が出力され
る。
【0139】次に、電流成分制御回路3から出力された
一次電圧のd軸成分指令Vds*と一次電圧のq軸成分
指令Vqs*を入力として電圧指令演算回路5は、次に
示す(61)、(62)、(63)式によって一次電圧指
令Vus*(U相)、Vvs*(V相)、Vws*(W
相)を出力する。ここで、(33)〜(35)式は電圧
についても同様に成立するので、これらの式においてI
us、Ivs、IwsをそれぞれVus*、Vvs*、Vw
s*に置き換えた後、Vus*、Vvs*、Vws*につ
いて解くと次式が得られる。
【0140】
【数26】
【0141】つづいて、PWMインバータ10によっ
て、誘導電動機1に印加される各相毎の一次電圧が電流
成分制御回路3から出力された上記の一次電圧指令に追
随するように制御される。その結果、誘導電動機1の一
次電流のd軸成分Ids及び一次電流のq軸成分Iqs
は、それぞれの指令に追随する。
【0142】実施の形態2.以下、この発明の実施の形
態2を図について説明する。図4は本実施の形態の構成
を示すブロック図である。尚、図中、図1と同一符号は
同一または相当部分を示す。図において、12aはすべ
り周波数演算回路6aより出力された補正前のすべり周
波数を補正するすべり周波数補正手段である。図5はす
べり周波数補正手段12aの詳細な構成を示すブロック
図である。すべり周波数補正手段12aは、回転周波数
ωrを入力してその絶対値|ωr|を求める絶対値回路
41、その|ωr|を入力して誘導電動機1の回転周波
数ωrに対するすべり周波数比F2を演算して出力する
一次関数演算器42、一次関数演算器42より出力され
たすべり周波数比F2とすべり周波数演算回路6aから
出力されたすべり周波数ωs'を掛け合わせて補正され
たすべり周波数ωsを出力する乗算器43とで構成され
ている。
【0143】図5を用いすべり周波数補正手段12aの
具体的動作について説明する。回転周波数ωrを絶対値
回路41入力し|ωr|を求め、その|ωr|を一次関
数演算器42に入力すると(59)式で示される誘導電
動機の回転周波数ωrに対するすべり周波数比F2が出
力される。この一次関数演算器42の出力F2とすべり
周波数演算回路6aから出力された補正前のすべり周波
数ωs'を乗算器43で掛け合わせると、補正されたす
べり周波数ωsが得られる。
【0144】次に、回転周波数検出器7から出力される
回転周波数ωrとすべり周波数補正手段12aから出力
されたωs'を加算器8で加算することで一次周波数ω
が得られる。
【0145】実施の形態3.上記実施の形態1の電流成
分指令演算手段において、速度検出器7から出力される
回転周波数ωrを入力する代わりに、加算器8から出力
される一次周波数ωを用いてもよい。
【0146】実施の形態4.上記実施の形態2のすべり
周波数補正手段において、速度検出器7から出力される
回転周波数ωrを入力する代わりに、加算器8から出力
される一次周波数ωを用いてもよい。尚、上記、実施の
形態でハードウェアによって構成したものについては、
マイクロコンピュータを用いたソフトウェア処理によっ
て実現してもよい。
【0147】以上のように、これら実施の形態によれ
ば、鉄損に関係した定数を含む誘導電動機の定数を係数
値とする所定の関数演算結果により近似補間した第1の
所定の一次関数により、誘導電動機の1次電流のd軸指
令とq軸指令とを演算し、誘導電動機の一次電流がこれ
らの指令に追随するように制御するように構成した。
【0148】その結果、誘導電動機の1次電流を操作す
ることにより、常に2次磁束をフィードフォワード的に
正確に制御することができるため、誘導電動機の2次磁
束と2次電流の振幅の比が鉄損に関係した定数を含む誘
導電動機の定数を用いた所定の関数値に等しくなるよう
に配分できる。従って、鉄損が無視できないような誘導
電動機を駆動する場合でも、最大効率運転が可能で、か
つ高速応答のベクトル制御性能を有する誘導電動機の制
御装置を容易に提供することができる。
【0149】また、鉄損に関係した定数を含む上記誘導
電動機の定数を係数値とする所定の関数演算結果から得
られたすべり周波数と鉄損に関係しない上記誘導電動機
の定数を係数値とする所定の関数演算結果から得られた
すべり周波数の比から近似して得られた第2の所定の一
次関数によりすべり周波数補正するように構成した。
【0150】その結果、誘導電動機の1次電流を操作す
ることにより、常に2次磁束をフィードフォワード的に
正確に制御することができるため、誘導電動機の2次磁
束と2次電流の振幅の比が鉄損に関係した定数を含む誘
導電動機の定数を用いた所定の関数値に等しくなるよう
に配分できる。従って、鉄損が無視できないような誘導
電動機を駆動する場合でも、最大効率運転が可能で、か
つ高速応答のベクトル制御性能を有する誘導電動機の制
御装置を容易に提供することができる。更に、公知のベ
クトル制御を用いた制御装置においても、すべり周波数
を補正することで、一次電流換算の省演算化を図り、簡
易的に最大効率運転が実現できる。
【0151】なお、この実施の形態によれば、定常運転
時のみならず2次磁束が時間的に変化するような過渡状
態においても、常に誘導電動機の高効率運転を実現でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の全体を示すブロッ
ク図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の電流成分指令演算
手段の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1のすべり周波数演算
回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の全体を示すブロッ
ク図である。
【図5】 この発明の実施の形態2のすべり周波数補正
手段の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の第1の所定の一次
関数を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2の第2の所定の一次
関数を示す図である。
【図8】 従来の装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 誘導電動機、2a 電流成分指令演算手段、3 電
流成分制御回路、4電流検出器、5 電圧指令演算回
路、6a すべり周波数演算回路、7 速度(回転周波
数)検出器、8 加算器、9 積分器、10 PWMイ
ンバータ、11電流成分演算回路、12a すべり周波
数補正回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機と、 上記誘導電動機の回転周波数を検出する速度(回転周波
    数)検出器と、 上記誘導電動機のトルク指令と上記回転周波数を入力
    し、鉄損に関係した定数を含む上記誘導電動機の定数を
    係数値とする関数の演算結果に基づいて得られた第1の
    所定の一次関数により、励磁電流指令を一次周波数で回
    転する直交回転座標軸(d−q軸と呼ぶ)上の一次電流
    のd軸成分指令として出力し、かつ上記誘導電動機のト
    ルク電流指令を一次電流のq軸成分指令として出力する
    電流成分指令演算手段と、 上記誘導電動機の1次電流を検出する電流検出器と、 上記電流検出器の出力と上記一次周波数の位相とを入力
    して、上記1次電流のd軸及びq軸成分を演算する電流
    成分演算手段と、 上記1次電流のd軸成分指令及びd軸成分の少なくとも
    1つと、上記1次電流のq軸電流成分指令及びq軸成分
    の少なくとも1つとを入力し、上記誘導電動機のすべり
    周波数を演算するすべり周波数演算手段と、 上記すべり周波数演算手段から出力された上記すべり周
    波数と上記回転周波数検出器の出力とを加算して上記1
    次周波数となす加算器と、 上記一次周波数を積分して位相を上記電流成分演算手段
    へ出力する積分器と、 上記1次電流のd軸成分及びq軸成分がそれぞれ、上記
    d軸成分指令及びq軸成分指令に追従するように上記誘
    導電動機の1次電流を制御する電流成分制御回路とを備
    え、 上記電流成分指令演算手段の出力であるd軸成分指令と
    q軸成分指令の積の値がトルク指令に比例し、且つ、d
    軸成分指令とq軸成分指令の振幅の比が鉄損に関係した
    定数を含む上記誘導電動機の定数を用いた所定の関数値
    から近似して得られた上記第1の所定の一次関数と等し
    くなるような一次電流指令を出力することを特徴とする
    誘導電動機制御装置。
  2. 【請求項2】 すべり周波数演算手段から出力された補
    正前すべり周波数と回転周波数とを入力し、鉄損に関係
    した定数を含む上記誘導電動機の定数を係数値とする所
    定の関数演算結果から得られたすべり周波数と鉄損に関
    係しない誘導電動機の定数を係数値とする所定の関数演
    算結果から得られたすべり周波数の比から近似して得ら
    れた第2の所定の一次関数により上記補正前すべり周波
    数補間してすべり周波数出力するすべり周波数補正手段
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機
    制御装置。
  3. 【請求項3】 第1の所定の一次関数が回転周波数の関
    数となることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機
    制御装置。
  4. 【請求項4】 第1の所定の一次関数が一次周波数の関
    数となることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機
    制御装置。
  5. 【請求項5】 第2の所定の一次関数が回転周波数の関
    数となることを特徴とする請求項2に記載の誘導電動機
    制御装置。
  6. 【請求項6】 第2の所定の一次関数が一次周波数の関
    数となることを特徴とする請求項2に記載の誘導電動機
    制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000019596A1 (fr) * 1998-09-29 2000-04-06 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Dispositif de commande de moteur asynchrone
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