JP3283729B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

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JP3283729B2
JP3283729B2 JP18945195A JP18945195A JP3283729B2 JP 3283729 B2 JP3283729 B2 JP 3283729B2 JP 18945195 A JP18945195 A JP 18945195A JP 18945195 A JP18945195 A JP 18945195A JP 3283729 B2 JP3283729 B2 JP 3283729B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導電動機の運
転効率の向上を図るための誘導電動機の制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図15は例えば特公平6−69307号
公報に示された従来の誘導電動機の制御装置であり、図
において、1は誘導電動機、2は誘導電動機1の電気的
回転周波数ωr を検出する回転周波数検出器、3は誘導
電動機1の一次電流ivs,iusを検出する電流検出器、
4は誘導電動機1を可変周波数で駆動する電圧形インバ
ータである。5は電流検出器3から得られた一次電流i
vs,iusを二次磁束に同期して回転する座標軸(d−q
軸)上に座標変換する座標変換器、6,7は減算器、
8,9は制御器、10は制御器8,9から得られたd−
q軸上の一次電圧指令vqs * ,vds * を三相電圧指令v
us * ,vvs * ,vws * に変換する座標変換器である。
【0003】11は一次電流のq軸成分指令iqs * を二
次磁束指令φdr * で除算する除算器、12は除算器11
の出力を定数倍することによってすべり周波数ωs を出
力する係数器、13は回転周波数検出器2から得られた
電気的回転周波数ωr と係数器12から得られたすべり
周波数ωs を加算し一次周波数ωを出力する加算器、1
4は一次周波数ωを積分しd−q座標軸の位相θを与え
る積分器である。15は係数器、16は一次周波数ωに
基づいて一次電流指令と二次磁束指令との振幅比Cを与
える関数発生器、17は係数器15の出力を関数発生器
16の出力Cで除算する除算器、18は除算器17の出
力の絶対値の平方根を発生する関数発生器、19は係数
器15の出力を関数発生器18の出力φdr * で除算する
除算器、20は微分要素を含んだ演算を行う電流指令演
算器である。
【0004】次に動作について説明する。先ず誘導電動
機の制御装置の基本的な動作原理について説明する。誘
導電動機のすべり周波数ωs と二次磁束φdrおよび一次
電流のq軸成分iqsとの間には式(1)の関係がある。
【0005】
【数1】 但し、 ωs :誘導電動機のすべり周波数 M :誘導電動機の相互インダクタンス値 Rr :誘導電動機の二次抵抗値 Lr :誘導電動機の二次インダクタンス値 φdr:誘導電動機の二次磁束のd軸成分(誘導電動機の
二次磁束) iqs:誘導電動機の一次電流のq軸成分 そこで、除算器11と、除算器11の出力をMRr /L
r 倍する係数器12を用いて式(2)の演算を行う。
【0006】
【数2】 但し、 φdr * :誘導電動機の二次磁束のd軸成分指令
(誘導電動機の二次磁束指令) iqs * :誘導電動機の一次電流のq軸成分指令 一次周波数ωと電気的回転周波数ωr およびすべり周波
数ωs との間には、式(3)の関係が成り立つので、加
算器13によってωs とωr を加算することにより一次
周波数ωが得られる。
【0007】
【数3】 そして一次周波数ωを積分器14で積分するとd−q軸
の位相、即ち二次磁束の位相θが得られる。座標変換器
5では、積分器14から得られる二次磁束の位相θ及び
電流検出器3から得られる一次電流ivs,iusを用い、
式(4)に従って一次電流のd軸成分ids及びq軸成分
qsを演算する。
【0008】
【数4】 但し、 ids:誘導電動機の一次電流のd軸成分 ius:誘導電動機のu相巻線の一次電流 ivs:誘導電動機のv相巻線の一次電流 一次電流のd軸成分idsと二次磁束φdrの間には式
(5)の関係があるので、電流指令演算器20では、二
次磁束指令φdr * に基づいて微分演算子Pを含んだ式
(6)を演算し一次電流のd軸成分指令ids * を発生す
る。
【0009】
【数5】 但し、 Tr :誘導電動機の二次時定数(=Lr /R
r ) 減算器6が一次電流のd軸成分idsとその指令ids *
偏差を演算し、その偏差を制御器8で増幅することによ
って一次電圧のd軸成分指令vds * が得られる。同様に
減算器7が一次電流のq軸成分iqsとその指令iqs *
偏差を演算し、その偏差を制御器9で増幅することによ
って一次電圧のq軸成分指令vqs * が得られる。そし
て、三相電圧指令vus * ,vvs * ,vws * は、式(7)
を座標変換器10で演算することによって得られる。
【0010】
【数6】 電圧形インバータ4は、三相電圧指令vus * ,vvs *
ws * に一致するように三相電圧vus,vvs,vwsを発
生する。以上によって、二次磁束指令φdr * と一次電流
のq軸成分指令iqs * を制御することが可能である。
【0011】それでは、二次磁束指令φdr * と一次電流
のq軸成分指令iqs * を如何に与えれば、誘導電動機1
の損失を最小にできるか説明する。誘導電動機の損失を
要因別に分類すると、抵抗損で代表される如き電流の2
乗積に比例する要素と、電力変換器のスナバ回路損失の
如き電圧の2乗積に比例する要素等に分類される。電流
の2乗積に比例する要素はKI (ids 2 +iqs 2 )で表
現することができる(但し、KI は比例定数)。また、
電圧の2乗積に比例する要素はKV (ωMids2 で簡
略的に表現することができる(但し、KV は比例定
数)。一方、発生トルクτm は二次磁束φdrと一次電流
のq軸成分iqsの積に比例するので比例定数KT を用い
た式(8)の関係が成り立つ。
【0012】
【数7】 さて、式(8)からわかるように、ある値の発生トルク
を得るためのφdrとiqsの組み合わせは無数に存在す
る。そこで、特公平6−69307号公報に示された装
置ではiqsとφdr(=Mids)の比、即ち振幅比| iqs
* /φdr * | を用いて、合成損失KI (ids 2 +i
qs 2 )+KV (ωMids2 を最小にする条件を次式で
与える。
【0013】
【数8】 つまり、誘導電動機の損失が略最小になる条件は振幅比
| iqs * /φdr * | ,比例定数KI ,KV を用いた式
(9)によって与えられる。また、式(10)と式(1
1)を解けば式(12),(13)が得られる。
【0014】
【数9】 但し、 C :振幅比指令 式(12),(13)に従って二次磁束と一次電流のq
軸成分を制御すれば損失最小で誘導電動機を制御でき
る。
【0015】当該装置はトルク指令τm *からφdr * 及び
qs * を発生する過程で、振幅比|iqs * /φdr * | を
関数発生器16で与える。即ち、関数発生器16は式
(9)の演算を行って振幅比指令Cを発生する。そし
て、1/KT 倍する係数器15,除算器17及び関数発
生器18によって式(12)の演算を行い、係数器1
5,除算器19によって式(13)の演算を行う。以上
の様に三相電圧指令vus * ,vvs * ,vws * を演算し、
更に実際の一次電圧vus,vvs,vwsが対応する指令値
に追従するように制御する制御方式により、誘導電動機
と電力変換器の合成損失を略最小にすることが可能であ
る。
【0016】ところで、このような制御装置では鉄損抵
抗を無視して一次電流指令を演算しているために鉄損抵
抗を無視した影響を受けて二次磁束およびトルク電流の
制御性能が劣化する事態が発生する。二次磁束及びトル
ク電流の制御が正しくなされない場合、振幅比指令Cと
振幅比| iqs/φdr| は一致しなくなると同時に、トル
ク指令τm *と発生トルクτm も一致しないことになる。
【0017】鉄損抵抗の無視による制御性能の劣化に対
応した、即ち、鉄損抵抗の影響を受けずに二次磁束及び
トルク電流を制御する誘導電動機の制御装置として、図
16のような例えば特開平1−311884号公報に示
されたものがあった。図において、1〜10及び13,
14は図15に示した従来装置と同一のものでありその
説明を省略する。また、21〜24は演算器、25は除
算器、26は係数器、27,28は加算器である。
【0018】次に当該装置の基本的な原理について説明
する。d−q軸上における誘導電動機の電圧・電流方程
式は、上記特開平1−311884号に示されているよ
うに、式(14)によって与えられる。
【0019】
【数10】 但し、 vds:誘導電動機の一次電圧のd軸成分 vqs:誘導電動機の一次電圧のq軸成分 Rm :誘導電動機の鉄損抵抗値 a :誘導電動機の鉄損抵抗と周波数の比(=Rm
ω) Ls :誘導電動機の一次インダクタンス値 Rs :誘導電動機の一次抵抗値 idr:誘導電動機の二次電流のd軸成分 iqr:誘導電動機の二次電流のq軸成分 なお、式(14)においてRm の値を零にすると、鉄損
を無視した場合の誘導電動機の電圧・電流方程式と一致
する。次に、鉄損を考慮した場合、誘導電動機の二次磁
束のd軸成分φdr及びq軸成分φqrは、式(15)によ
って与えられる。
【0020】
【数11】 さらに、二次磁束ベクトルをd軸に一致させるとき、発
生トルクτm は式(16)によって与えられる。
【0021】
【数12】 但し、 pm :極対数 なお、式(16)は鉄損の有無によらず成立する。式
(15)から、鉄損抵抗Rm の存在により、二次磁束の
d軸成分φdrはq軸電流成分iqs,iqrの影響を受け、
逆に二次磁束のq軸成分φqrはd軸電流成分ids,idr
の影響を受けることがわかる。その結果、発生トルクτ
m も鉄損抵抗の影響を受けることが式(16)からわか
る。
【0022】さて、誘導電動機のベクトル制御法は二次
磁束ベクトルの方向をd軸あるいはq軸に一致させる。
即ち、二次磁束のd軸分φdrあるいはq軸成分φqrが常
に零となる様に制御するものである。そこで、次に鉄損
を考慮した場合にもベクトル制御が可能かどうかを検討
する。なお、ベクトル制御では、通常、二次磁束ベクト
ルの方向をd軸に一致させるので、ここでもd軸を二次
磁束ベクトルの方向とする。まず、式(15)を式(1
4)の3,4行目に代入すると式(17),(18)が
得られる。
【0023】
【数13】 従って、二次磁束ベクトルの方向をd軸に一致させるた
めに、q軸成分φqrを零にする条件を式(17),(1
8)から求めると式(19),(20)が得られる。
【0024】
【数14】 ここで、次のような励磁電流成分i0 及びトルク電流成
分iT を定義する。
【0025】
【数15】 そうすると式(16)から、発生トルクτm は式(2
3)のようになる。
【0026】
【数16】 式(23)から、i0 を一定に制御すれば二次磁束のd
軸成分φdrは一定となり、発生トルクは鉄損によらずi
T に比例することがわかる。なお、この時のすべり周波
数ωs は式(20),(21),(22)から、式(2
4)に従って制御すれば良い。
【0027】
【数17】 その結果、二次磁束ベクトルの方向はd軸と一致し、φ
qr=0が成立する。
【0028】ところで、定義した電流i0 ,iT は直接
制御することができない。そこで、定常状態における一
次電流のd軸成分ids及びq軸成分iqsと、i0 及びi
T の関係について調べる。まず、式(15)をids及び
qsについて解き、さらに式(19)とP=0よりidr
=0,φqr=0とし、かつ式(21),(22)を用い
てφdr,iqrを消去すると式(25),(26)が得ら
れる。
【0029】
【数18】 従って、i0 及びiT の指令値をそれぞれi0 *及びiT *
とすると、式(25),(26)を用いて一次電流のd
軸成分指令ids * 及びq軸電流成分指令iqs *を求めれ
ば良い。なお、上記特開平1−311884号では鉄損
抵抗は一次周波数ωの1.6乗に比例するとされωの関
数としてRm を与える。
【0030】次に動作について説明する。図16におい
て、除算器25によってiT /i0 を演算し、係数器2
6によってRr /M倍すれば、式(24)の左辺の値、
即ち、すべり周波数ωs を得る。演算器23によって式
(25)の右辺の第1項を、演算器24によって同第2
項を演算し、加算器28で演算器23,24の出力を加
算すれば式(25)の左辺の値、即ち、ids * が得られ
る。同様に演算器22によって式(26)の右辺第1項
を、演算器21によって同第2項を演算し、加算器27
で演算器21,22の出力を加算すれば式(26)の左
辺の値、即ち、iqs * が得られる。その後のベクトル制
御演算は図15に示す装置と同様に動作する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】従来の誘導電動機の制
御装置は以上のように構成されているので、図15に示
したような誘導電動機の制御装置では、二次磁束指令φ
dr * と一次電流のq軸成分指令iqs * の演算は式(8)
に基づいている。よって、式(8)は鉄損抵抗を無視し
ている式である為、鉄損抵抗を無視した影響を受けて、
二次磁束指令φdr * に二次磁束φdrが一致しない事態が
発生し、振幅比指令Cと振幅比|iqs * /φdr * |が一
致しないと同時に、トルク制御の精度が劣化するなどの
課題があった。また、損失最小条件はあくまでも略解で
あり厳密でないと同時に、一次周波数ωのみ関数で与え
るために、それ以外の要因で損失最小条件が変化する場
合に対応できないなどの課題があった。
【0032】一方、図16に示したような誘導電動機の
制御装置では、式(14)においてP=0とした定常状
態での誘導電動機の電圧・電流方程式からベクトル制御
則を求めているため、二次磁束指令φdr * が時間的に変
化するような場合には所望の二次磁束φdrが得られず、
その結果所望のトルクτm が得られないなどの課題があ
った。また、鉄損抵抗は一次周波数ωの関数として与え
られているため、一次周波数ω以外の要因で鉄損抵抗が
変動することを想定されておらず、鉄損抵抗が一次周波
数ω以外の要因で変動した場合にはその影響を受けて、
二次磁束及びトルク電流の制御性能が劣化するなどの課
題があった。
【0033】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、一次周波数以外の要因で鉄損抵
抗が変動した場合でも、鉄損抵抗の影響を受けずに二次
磁束とトルク電流を制御し、損失最小条件を達成しなが
ら誘導電動機の駆動を実現する誘導電動機の制御装置を
得ることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る誘
導電動機の制御装置は、トルク指令,誘導電動機の一次
周波数及び誘導電動機の二次磁束の関数に基づいて二次
磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指令を演算
し、二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指
令を指令変換手段によって一次電流のd軸成分指令及び
q軸成分指令に変換すると共に、誘導電動機の一次電流
のd軸成分及びq軸成分が一次電流のd軸成分指令及び
q軸成分指令に一致するように制御したものである。
【0035】請求項2の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、トルク指令,誘導電動機の一次周波数及び誘導電
動機の二次磁束の関数に基づいて二次磁束のd軸成分指
令及び二次電流のq軸成分指令を演算し、二次磁束のd
軸成分指令及び二次電流のq軸成分指令を電流成分指令
演算手段によって一次電流のd軸成分指令及びq軸成分
指令に変換すると共に、誘導電動機の一次電流のd軸成
分及びq軸成分が一次電流のd軸成分指令及びq軸成分
指令に一致するように誘導電動機の一次電流を制御した
ものである。
【0036】請求項3の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、トルク指令,誘導電動機の一次周波数及び誘導電
動機の二次磁束の関数に基づいて二次磁束のd軸成分指
令及び二次電流のq軸成分指令を演算し、電流成分演算
回路により演算された一次電流のd軸成分及びq軸成分
に基づいて誘導電動機の二次磁束のd軸成分を演算する
と共に、電流成分演算回路により演算された一次電流の
d軸成分及びq軸成分と二次磁束のd軸成分と検出手段
により検出された回転周波数に基づいてその誘導電動機
の二次磁束のq軸成分が零になる一次周波数を演算した
ものである。
【0037】請求項4の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、トルク指令,誘導電動機の一次周波数及び誘導電
動機の二次磁束の関数に基づいて二次磁束のd軸成分指
令及び二次電流のq軸成分指令を演算し、電流成分演算
回路により演算された一次電流のd軸成分及びq軸成分
に基づいて誘導電動機の二次磁束のd軸成分を演算する
と共に、その二次磁束のd軸成分と指令発生手段から出
力された二次電流のq軸成分指令と検出手段により検出
された回転周波数に基づいてその誘導電動機の二次磁束
のq軸成分が零になる一次周波数を演算したものであ
る。
【0038】請求項5の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、一次周波数演算手段により演算された二次磁束の
d軸成分と一次周波数に基づいて二次磁束のd軸成分と
二次電流のq軸成分の相互干渉を防止する補正量を演算
し、指令発生手段から出力された二次磁束のd軸成分指
令及び二次電流のq軸成分指令と上記補正量に基づい
て、一次電流のd軸成分指令及びq軸成分指令を演算し
たものである。
【0039】請求項6の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、誘導電動機の二次磁束のd軸成分に対する二次電
流のq軸成分の比の関係を表す一次周波数と二次磁束の
d軸成分またはその指令の関数と、その二次磁束のd軸
成分と二次電流のq軸成分の積が発生トルクに比例する
関係とに基づいて、その二次磁束のd軸成分指令及び二
次電流のq軸成分指令を演算したものである。
【0040】請求項7の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、誘導電動機の二次磁束のd軸成分に対する二次電
流のq軸成分の比の関係を表す一次周波数と二次磁束の
d軸成分またはd軸成分指令の関数とトルク指令に基づ
いて二次磁束のd軸成分指令を演算すると共に、上記一
次周波数演算手段によって演算された二次磁束のd軸成
分で上記トルク指令を除算した値に基づいて二次電流の
q軸成分指令を演算したものである。
【0041】請求項8の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、演算された二次磁束のd軸成分指令が所定の最大
値より大きい場合或いは所定の最小値より小さい場合に
は、その二次磁束のd軸成分指令を当該最大値或いは最
小値に制限し、その二次磁束のd軸成分指令に従って二
次電流のq軸成分指令を演算したものである。
【0042】請求項9の発明に係る誘導電動機の制御装
置は、誘導電動機の二次磁束のd軸成分に対する二次電
流のq軸成分の比の関係を表す一次周波数と二次磁束の
d軸成分またはd軸成分指令の関数とトルク指令に基づ
いて演算された二次磁束のd軸成分指令が、所定の最大
値より大きい場合或いは所定の最小値より小さい場合に
は、その二次磁束のd軸成分指令を当該最大値或いは最
小値に制限し、上記一次周波数演算手段によって演算さ
れた二次磁束のd軸成分で上記トルク指令を除算した値
に基づいて二次電流のq軸成分指令を演算したものであ
る。
【0043】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を説明す
る。図1はこの発明の実施の形態1による誘導電動機の
制御装置を示す構成図であり、図において、1は誘導電
動機、2は誘導電動機1の電気的回転周波数ωr を検出
する回転周波数検出器(検出手段)、3は誘導電動機1
の一次電流ivs,iusを検出する電流検出器(検出手
段)、4は誘導電動機1を可変周波数で駆動する電圧形
インバータであり、従来と同一のものである。
【0044】また、30は誘導電動機1のトルク指令τ
m *を入力し、そのトルク指令τm *,一次周波数ω及び二
次磁束の関数φdrに基づいて、二次磁束のd軸成分指令
φdr * 及び二次電流のq軸成分指令iqr * を出力する指
令発生回路(指令発生手段)、31は回転周波数検出器
2及び電流検出器3により検出された回転周波数ωr
び一次電流ivs,iusに基づいて、一次周波数ω及び二
次磁束の関数φdrを演算し指令発生回路30に出力する
と共に、その指令発生回路30から出力された二次磁束
のd軸成分指令φdr * 及び二次電流のq軸成分指令iqr
* を一次電流のd軸成分指令ids * 及びq軸成分指令i
qs * に変換する指令変換手段であり、電流成分指令演算
回路(電流成分指令演算手段)34と、一次周波数演算
回路35及び電流成分演算回路36からなる一次周波数
演算手段とから構成されている。32は誘導電動機1の
一次電流のd軸成分ids及びq軸成分iqsが電流成分指
令演算回路34により変換されたd軸成分指令ids *
びq軸成分指令iqs * に一致するように制御する制御手
段であり、電流制御回路37と上記電圧形インバータ4
から構成されている。
【0045】次に動作について説明する。先ず、この発
明の基本的な原理について説明する。二次磁束ベクトル
の方向をd軸に一致させる時、式(16)から、ある値
の発生トルクτm を得るためのφdrとiqrの組み合わせ
は無数に存在することがわかる。そこで、次にφdrとi
qrの値をどのように選べば誘導電動機の損失が最小にな
るかについて説明する。二次磁束ベクトルがd軸に一致
しているときはφqr=0であることを考慮して、式(1
5)をids及びiqsについて解き、さらに定常状態では
P=0と式(19)よりidr=0とおくと、式(27)
が得られる。
【0046】
【数19】 但し、 lr :誘導電動機の二次漏れインダクタンス値
(=Lr −M) さて、誘導電動機に入力される有効電力Pinは、公知の
ように式(28)で与えられる。
【0047】
【数20】 そこで、定常状態での有効電力Pinを求める。定常状態
であるからP=0とし、式(14)1,2行目と式(2
7)を式(28)に代入すると、式(29)が得られ
る。
【0048】
【数21】 次に誘導電動機の機械的出力Pout は公知のように式
(30)で与えられる。
【0049】
【数22】 ここで、ωm は誘導電動機の機械的回転周波数であり、
電気的回転周波数ωrとは式(31)の関係がある。
【0050】
【数23】 式(31)に式(20)を代入してωs を消去すると、
式(32)が得られる。
【0051】
【数24】 従って、式(30)に式(16)及び式(32)を代入
してτm 及びωm を消去すると式(33)が得られる。
【0052】
【数25】 そうすると、式(29),式(33)から誘導電動機で
発生する損失Plossは式(34)で与えられる。
【0053】
【数26】 そこで、発生トルクが一定という条件の元で、式(3
4)で示される損失Plo ssが最小となるようなφdrとi
qrの組み合わせを求める。先ず、発生トルクが一定とい
う条件は式(16)の関係から、比例定数Kを用いた式
(35)によって表される。
【0054】
【数27】 そこで、式(35)を式(34)に代入してφdrを消去
すると式(36)が得られる。
【0055】
【数28】 そうすると、式(36)の右辺をiqr 2 で微分した値が
零となる条件が成立するときに損失Plossは最小にな
る。従って、この条件と式(35)から求めるφdrとi
qrの関係は式(37)によって与えられる。
【0056】
【数29】 即ち、φdrとiqrの振幅比が式(37)を満足するよう
に、トルク指令に応じてφdrとiqrとを制御すれば誘導
電動機の最小損失運転が実現できる。なお、式(14)
は上述したように回転座標軸上の誘導電動機の電圧・電
流方程式を表している。従って、一定トルクで誘導電動
機を加減速運転するような場合は、式(14)の微分項
は零となるので、式(37)によって最小損失運転が実
現できる。
【0057】次に、鉄損抵抗Rm について説明する。一
例として、図14に、1.5kWの誘導電動機の鉄損抵
抗Rm を実際に測定したグラフを示す。図14におい
て、縦軸は鉄損抵抗Rm [Ω]であり、横軸は励磁電流
を二次磁束に換算し、定格値で正規化したものである。
上記特開平1−311884号では鉄損抵抗は一次周波
数ωの約1.6乗に比例するとされ、Rm をωの関数で
与えている。しかし、実際には図14に示すように直列
鉄損抵抗Rm は一次周波数ωの関数であると同時に、励
磁電流の関数、即ち二次磁束の関数でもあることがわか
る。
【0058】図16に示した従来例のように励磁電流i
0 を一定に保つ制御装置の場合では、Rm の変動はωに
対してだけ考慮すれば良い。しかし、φdrとiqrの振幅
比が式(37)を満足するように、トルク指令に応じて
φdrとiqrを制御する場合、二次磁束φdrはトルクに応
じて変化させる必要があり、従って励磁電流もそれに応
じて変化する。つまり、この場合、一次周波数ωの変化
以外に励磁電流の変化の影響を受けて鉄損抵抗は変動す
るので、鉄損抵抗はωとφdrの関数で与えればよい。
【0059】最小損失で誘導電動機を駆動する場合、即
ち式(37)に従って二次磁束指令φdr * と二次電流指
令iqr * を与える場合、φdr * とiqr * との間に式(3
8),(39)が成り立つ。
【0060】
【数30】 二次磁束を変化させて誘導電動機を駆動させる場合、R
m 及びaは二次磁束φdrと一次周波数ωの関数になり、
その結果、式(39)の右辺はφdrとωの関数となる。
【0061】次にこの実施の形態1の具体的動作につい
て説明する。指令発生回路30は指令変換手段31から
得られた二次磁束φdr及び一次周波数ωに基づいて、最
小損失で誘導電動機1を駆動することができる二次磁束
指令φdr * と二次電流のq軸成分指令(二次電流指令)
qr * を発生する。一次周波数演算回路35は、回転周
波数検出器2から得られた電気的回転周波数ωr と電流
成分演算回路36から得られた一次電流のd軸成分ids
及びq軸成分iqsに基づいて一次周波数ωと二次磁束φ
drを演算する。このように、一次周波数演算手段33
は、電流検出器3から得られた一次電流ivs,iusと回
転周波数検出器2から得られた電気的回転周波数ωr
基づいて二次磁束φdrと一次周波数ωを発生する。
【0062】また、電流成分指令演算回路34は一次周
波数演算手段33が演算した二次磁束φdr及び一次周波
数ωと指令発生回路30が出力した二次磁束指令φdr *
と二次電流指令iqr * に基づいて一次電流のd軸成分指
令ids * とq軸成分指令iqs * を発生する。以上のよう
に、一次周波数演算手段33及び電流成分指令演算手段
34からなる指令変換手段31は指令発生回路30が出
力した二次磁束指令φdr * と二次電流指令iqr * を一次
電流のd軸成分指令ids * とq軸成分指令iqs * に変換
する。制御手段32では一次電流のd軸成分idsとq軸
成分iqsが一次電流のd軸成分指令ids * とq軸成分指
令iqs * に追従するように制御する。
【0063】図2は、この実施の形態1による誘導電動
機の制御装置の指令発生回路30を示す構成図であり、
図において、38,39は係数器、40,41は除算
器、42は関数発生器である。関数発生器42は一次周
波数ω及び二次磁束φdrから鉄損抵抗Rm の変動を考慮
し、式(38),(39)に基づいた演算、またはメモ
リ回路に記憶されたデータのテーブルを参照して| iqr
* /φdr * | を発生する。係数器38はトルク指令τm *
を1/pm 倍し−φdr * ・iqr * の値を出力し、除算器
40は−φdr * ・iqr * の値を| iqr * /φdr * | で除
算し、φdr *2(或いは−φdr *2)を出力する。関数発生
器18によって除算器40の出力の絶対値の平方根を演
算し、φdr * を発生する。また、除算器41は、係数器
39によって得られたφd r *・iqr * の値をφdr * で除
算しiqr * を出力する。
【0064】従来制御装置では、一次周波数のみの関数
で損失最小条件を与えていた。しかし、上述した通り、
損失最小条件は一次周波数ωだけでなく二次磁束φdr
よっても変化するので、φdrが変化するような制御を施
す場合では、損失最小条件を一次周波数ωのみの関数で
与えることは困難である。しかし、図2に示した構成で
は、二次磁束φdr * の変化が起因して鉄損抵抗Rm が変
動した場合でも、関数発生器42は一次周波数ωだけで
なく二次磁束φdrも参照して、誘導電動機の二次磁束の
d軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の関係を出力
するので、損失最小条件を満足する二次磁束指令φdr *
及び二次電流指令iqr * を得ることができる。
【0065】また、電流成分指令演算手段34では、一
次周波数演算手段33により演算された二次磁束φdr
一次周波数ωに基づいて、二次磁束φdrと二次電流のq
軸成分iqrの相互干渉を防止するための補正量を演算
し、上記指令発生手段30から出力された二次磁束のd
軸成分指令φdr * 及び二次電流のq軸成分指令iqr *
上記補正量に基づいてids * 及びiqs * を演算する。図
3は、この実施の形態1による誘導電動機の制御装置の
電流成分指令演算回路34を示す構成図であり、図にお
いて、43〜46は関数発生器、47,48は演算器、
49〜51は乗算器、52は係数器、53は加算器、5
4は減算器である。前述した通り、鉄損抵抗Rm の値は
一次周波数ωだけでなく二次磁束φdrの関数でもある。
また、鉄損抵抗を考慮した場合、φdr,iqrとids,i
qsとの間には式(15),(19)より式(40)の関
係があることがわかる。
【0066】
【数31】 但し、 Tr2:Tr +a2 Rr /M 式(40)からφdrとidsの間には鉄損が及ぼす外乱a
r /(M2 +a2 )・iq r があり、同様にiqrとi
qsの間には鉄損が及ぼす外乱a(1+lr P/Rr )/
(M2 +a2 )・φdrがあることがわかる。一次電流の
d軸成分指令ids * 及びq軸成分指令iqs * にこれらの
外乱分をφdrとiqrの相互干渉を防止するための補正量
として加算することによって、φdrとiqrの相互干渉を
防止することができる。そこで、式(40)右辺に
φdr,iqrの代わりにφdr * ,iqr * を代入して式(4
1),(42)でids * ,iqs *を与えると相互干渉の
影響を受けずにφdr,iqrが制御される。
【0067】
【数32】 a(=Rm /ω)は上述した理由から、二次磁束φdr
一次周波数ωの関数である。従って、関数発生器43は
一次周波数ω及び二次磁束φdrに基づいて、メモリ回路
に記憶されたデータのテーブルを参照してa(=g(φ
dr,ω))を発生する。
【0068】関数発生器44は関数発生器43が出力し
たaに基づいてTr2を発生し、同様に、関数発生器4
5,関数発生器46はそれぞれa/(M+22 ),
(MLr+a2 )/(M2 +a2 )を発生する。演算器
47はφdr * に対し微分要素を含むM(1+Tr2P)/
(M2 +a2 )の演算を行い、同様に演算器48はφdr
*に対し微分要素を含むa(1+lr /Rr P)/(M2
+a2 )の演算を行う。演算器47の出力と、乗算器
49の出力をlr 倍する係数器52の出力の和を演算す
る加算器53は式(41)右辺を出力する。また、乗算
器50の出力と乗算器51の出力の差を演算する減算器
54は式(42)右辺を出力する。
【0069】図16に示した従来制御装置では、鉄損抵
抗を含む値aとして、一次周波数ωの1.6乗に比例す
る値を与えていた。しかし、二次磁束φdrが変化する場
合、鉄損抵抗も変動するため、実際はφdrとiqrの相互
干渉の影響を防止する為の補正量も変化するにも係わら
ず、鉄損抵抗値を一次周波数ωのみの関数で与えていた
ために正確な補正量を与えることができなかった。しか
し、関数発生器43のようにφdrとωを参照しながら鉄
損抵抗値を含む値aを出力する構成にすることにより正
確な上記補正量を演算することができるので、φdrとi
qrの相互干渉の影響を受けることなく、一次電流のd軸
成分指令及びq軸成分指令を得ることができる。
【0070】図4は、この実施の形態1による誘導電動
機の制御装置の一次周波数演算回路35を示す構成図で
あり、図において、13は従来技術と同一の加算器、5
5〜58は関数発生器、59〜64は乗算器、65〜6
7は係数器、68,69は減算器、70,71は加算
器、72は除算器、73は積分器、74はa(=Rm
ω)を発生する関数発生器である。式(15)とφqr
0を式(19)に代入すると次式が得られる。
【0071】
【数33】 但し、 Tr1:Tr +a2 /Lrr 実際の二次磁束は検出できないので、式(43)からφ
drを推定すれば良い。一方、式(15)とφqr=0から
式(44)が得られる。
【0072】
【数34】 二次磁束と同様に実際の二次電流iqrは検出できないの
で、式(44)からi qrを推定すれば、式(20)に従
って鉄損抵抗の影響を受けずにすべり周波数ωs を演算
することができる。
【0073】関数発生器74は上記関数発生器43と同
様にφdrとωに基づいてa(=Rm/ω)の値を出力す
る。乗算器63は関数発生器57が出力するM+a2
rの値とidsとを乗算し、(M+a2 /Lr )ids
出力する。一方係数器66は乗算器60から得られたa
・iqsをlr /Lr 倍し、alr /Lr ・iqsを出力す
る。周知のように、一次遅れ系の演算は積分器を含んだ
閉ループで実現できる。減算器69,積分器73,関数
発生器58,乗算器64は、加算器71の出力に対して
1/[1+(Lr 2+a2 )P/Lrr ]という一次遅
れの演算を行う。加算器71の出力は(M+a2 /L
r )ids+alr /Lr ・iqsであるから、式(43)
の右辺を乗算器64は出力する。
【0074】関数発生器55、56はそれぞれa/(L
r 2+a2 ),(MLr +a2 )/(Lr 2+a2 )を発生
する。従って、関数発生器55,56、乗算器59,6
1,62、係数器65、減算器68、加算器70によっ
て式(44)右辺が演算される。即ち加算器70は二次
電流iqrを出力する。−Rr 倍する係数器67と除算器
72によって式(20)右辺が演算され、すべり周波数
ωs を係数器67は出力する。そして、加算器13によ
って電気的回転周波数ωr とすべり周波数ωs とを加算
し、一次周波数ωを得る。関数発生器74では、二次磁
束と一次周波数に基づいて鉄損抵抗を含む値aを出力す
るので、二次磁束が変化する場合でも正確に二次磁束及
び一次周波数を演算することが可能である。以上によっ
て一次周波数演算回路35は二次磁束φdrと一次周波数
ωを発生する。
【0075】図5は、この実施の形態1による誘導電動
機の制御装置の電流成分演算回路36を示す構成図であ
り、図において、5は座標変換器,14は積分器であ
り、従来装置と同一のものである。積分器14は一次周
波数演算回路35より得られた一次周波数ωを積分し位
相θを発生する。座標変換器5は位相θと電流検出器3
から得られた一次電流ius,ivsに基づいて一次電流の
d軸成分ids及びq軸成分iqsを発生する。以上によっ
て電流成分演算回路36は一次電流ius,ivs及び一次
周波数ωに基づいて、一次電流のd軸成分idsとq軸成
分iqsを発生する。
【0076】図6は、この実施の形態1による誘導電動
機の制御装置の電流制御回路37を示す構成図であり、
図において、6,7は減算器、8,9は制御器、10は
座標変換器,14は積分器であり、従来装置と同一のも
のである。指令変換手段31から得られた一次電流のd
軸成分指令ids * とd軸成分idsの偏差を減算器6は出
力し、その偏差を制御器8は増幅し一次電圧のd軸成分
指令vds * を発生する。同様に、指令変換手段31から
得られた一次電流のq軸成分指令iqs * とq軸成分iqs
の偏差を減算器7は出力し、その偏差を制御器9は増幅
し一次電圧のq軸成分指令vqs * を発生する。積分器1
4は指令変換手段31から得られた一次周波数ωを積分
し位相θを発生する。座標変換器10は位相θに基づい
て一次電圧のd軸成分指令vds * 及びq軸成分指令vqs
* を三相電圧指令vus * ,vvs * ,vws * に変換する。
以上により、一次電流のd軸成分及びq軸成分が、一次
電流のd軸成分指令及びq軸成分指令にそれぞれ追従す
る。
【0077】このように、この実施の形態1では、二次
磁束の変化が起因して鉄損抵抗が変動する場合でも、二
次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指令に追
従するように二次磁束のd軸成分及び二次電流のq軸成
分を制御することができる。
【0078】実施の形態2.上記実施の形態1では一次
周波数演算手段33において一次電流ivs,ius及び回
転周波数ωr に基づいて二次電流のq軸成分iqrを得て
いたが、回路構成の簡略化の上で、iqrの代わりに二次
電流のq軸成分指令iqr * を用いても良い。図7におい
て、実施の形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す
ので、その説明を省略する。31bは指令変換手段、3
3bは一次周波数演算手段、35bは一次周波数演算回
路である。一次周波数演算回路35bは一次電流のd軸
成分ids,一次電流のq軸成分iqs,二次電流のq軸成
分指令iqr * 及び電気的回転周波数ωr に基づいて二次
磁束φdr及び一次周波数ωを発生する。
【0079】このように一次周波数演算手段33bは、
上記電流検出器2により検出された一次電流ivs,ius
に基づいて上記誘導電動機1の一次電流のd軸成分ids
及びq軸成分iqsを演算する電流成分演算回路36と、
上記電流成分演算回路36により演算された一次電流の
d軸成分ids及びq軸成分iqsに基づいて上記誘導電動
機1の二次磁束のd軸成分φdrを演算すると共に、その
二次磁束のd軸成分φdrと上記指令発生手段30から出
力された二次電流のq軸成分指令iqr * と上記回転周波
数検出器3により検出された回転周波数ωr に基づいて
上記誘導電動機の二次磁束のq軸成分φdrが零になる一
次周波数ωを演算する一次周波数演算回路35bから構
成される。
【0080】図8は、この実施の形態2による誘導電動
機の制御装置の一次周波数演算回路35bを示す構成図
であり、図において、13は加算器であり、従来装置と
同一のものである。80は磁束演算回路、81は除算
器、82は係数器である。磁束演算回路80は電流成分
演算回路36から得られた一次電流のd軸成分ids及び
q軸成分iqsに基づいて二次磁束φdrを演算する。ま
た、除算器81は二次電流指令iqr * を磁束演算回路8
0の出力φdrで除算する。そして、係数器82によって
除算器81の出力を−Rr 倍することによってすべり周
波数ωs が得られる。加算器13は電気的回転周波数ω
r とすべり周波数ωs を加算し一次周波数ωを出力す
る。このように、一次周波数演算回路35bは二次磁束
φdrと一次周波数ωを発生する。
【0081】図9は、この実施の形態2による誘導電動
機の制御装置の磁束演算回路80を示す構成図であり、
図において、実施の形態1と同一符号は同一または相当
部分を示すので、その説明を省略する。図9の構成は、
実施の形態1の図4に示した一次周波数演算回路35の
構成からすべり周波数演算の機能を省略したものであ
る。図8および図9の構成によって二次電流iqrを一次
電流から演算することなしに一次周波数ωを得ることが
できると共に、式(43)に従った二次磁束φdrを演算
することができる。
【0082】実施の形態3.上記実施の形態1及び実施
の形態2では電流成分指令演算回路34が一次電流のd
軸成分指令ids * 及びq軸成分指令iqs * を演算するも
のについて示したが、図10に示すように、一次周波数
演算手段33により演算された二次磁束φdrと一次周波
数ωに基づいて、φdrと二次電流のq軸成分iqrの相互
干渉を防止するための補正量を演算し、上記指令発生回
路30から出力された二次磁束指令φdr * と二次磁束φ
drの偏差及び二次電流のq軸成分指令iqr * と上記補正
量に基づいてids * 及びiqs * を演算しても良い。
【0083】図10において、実施の形態1と同一符号
は同一または相当部分を示すので、その説明を省略す
る。34bは電流成分指令演算回路(電流成分指令演算
手段)、83は減算器、84は制御器である。上述した
通り、式(40)からφdrとidsの間には鉄損が及ぼす
外乱alr /(M2 +a2 )・iqrがあり、同様にiqr
とiqsの間には鉄損が及ぼす外乱a(1+lr P/R
r )/(M2 +a2 )・φdrがあることがわかる。そこ
で、ids * ,iqs * をそれぞれ式(45),(46)で
与えると、鉄損抵抗が及ぼす外乱即ちφdrとiqrの相互
干渉を受けずにφdr,iqrが得られる。
【0084】
【数35】 但し、 Kfp:比例ゲイン Kfi:積分ゲイン s :ラプラス演算子 式(45),(46)に従ってids * ,iqs * の演算を
行えば、φdr,iqrはφdr * ,iqr * に追従する。な
お、式(45)において右辺第1項は磁束制御演算項で
あり、ゲインを設計することによって磁束応答を調整す
ることができる。
【0085】実装に際しては、電圧形インバータ4の電
流容量の制限によってids * にidsが追従しない場合二
次磁束φdrも二次磁束指令φdr * に追従しない。実施の
形態1で示したような電流成分指令演算手段34では相
互干渉を防止する補正量をφdr * に基づいて演算してい
るために、この様な場合、補正量に誤差を含んだi
ds * ,iqs * を与えることになった。また、トルク指令
がステップ的に変化するような場合、二次磁束指令の微
分演算が行えないという問題があった。しかし、式(4
5),(46)に従った演算を行えば、φdr * の微分演
算を行わずにφdrがφdr * に追従するように制御できる
と同時に、補正量の演算にはφdrを用いるので、φdr
φdr * に追従しない場合でも上記補正量は正確に演算さ
れる。
【0086】減算器83は二次磁束指令φdr * と二次磁
束φdrとの偏差を出力し、制御器84によってその偏差
を増幅し式(45)右辺第1項を演算する。a/(M2
+a2 )の値を発生する関数発生器45と乗算器49,
係数器52によって式(45)第2項を演算し、加算器
55によって式(45)で表されるids * を発生する。
同様に乗算器50と関数発生器45によって式(46)
第1項を演算し、(MLr +a2 )/(M2 +a2 )の
値を発生する関数発生器46と乗算器51によって同右
辺第2項を、減算器51によって式(46)で表される
qs * を発生する。以上によってφdrとiqrの相互干渉
の影響を受けることなく、二次磁束φdrが二次磁束指令
φdr * に追従するように、一次電流のd軸成分指令ids
* 及びq軸成分指令iqs * を発生することができる。
【0087】実施の形態4.上記実施の形態1から実施
の形態3では上記指令発生回路30によってφdr *及び
qr * を演算していたが、誘導電動機1の二次磁束φdr
に対する二次電流iqrの比の関係を表す一次周波数と二
次磁束のd軸成分の関数と、その二次磁束φdrと二次電
流iqrの積がトルク指令に比例する関係とに基づいて、
その二次磁束指令φdr * を演算すると同時に、トルク指
令を上記一次周波数演算手段によって演算された二次磁
束φdrで除算した値に基づいて二次電流のq軸成分指令
qs *を演算してもよい。図11は、この実施の形態4
による誘導電動機の制御装置の指令発生回路(指令発生
手段)30bを示す構成図であり、図において、実施の
形態1と同一符号は同一又は相当部分を示すので、その
説明を省略する。41bは係数器39の出力を二次磁束
φdrで除算する除算器である。
【0088】二次磁束φdr * に二次磁束φdrが追従しな
い場合、τm *=φdr * ・iqr * の関係は成立しない。従
って、図2に示した指令発生回路ではこのような場合、
トルク指令に発生トルクが追従しない事態が発生した。
しかし、図11に示した構成のように二次電流指令iqr
* をトルク指令を二次磁束φdrで除算した値に比例させ
て与えると、φdrがφdr * に追従しない場合でもτm *
φdr・iqr * の関係は成り立つので、φdrの応答に係わ
らず所望のトルクを得ることができる。
【0089】実施の形態5.上記実施の形態1から実施
の形態4では損失最小条件を満足する二次磁束指令φdr
* と二次電流指令iqr * を演算するものについて示した
が、さらに、その演算された二次磁束指令φdr * が所定
の最大値より大きい場合あるいは所定の最小値より小さ
い場合には、その二次磁束のd軸成分指令φdr * を当該
最大値或いは最小値に制限し、その二次磁束のd軸成分
指令φdr * に従って二次電流指令iqr * を演算するよう
にしてもよい。これにより、運転効率及び速度応答性の
向上を図ることができる。図12は、この実施の形態5
による誘導電動機の制御装置の指令発生回路30cを示
す構成図であり、図において、実施の形態1と同一符号
は同一または相当部分を示すので、その説明を省略す
る。90は制限回路である。
【0090】関数発生器18の出力側に制限回路90を
設けた点以外は、ほぼ実施の形態1と同様であるので、
主に制限回路90について説明する。先ず、上記実施の
形態1のように、制限回路90がない場合には、二次磁
束指令φdr * は式(38)を満足する限り、大きな値を
取ることができるので、二次磁束の振幅を大きくするこ
とができるが、二次磁束の振幅はある程度以上大きくな
ると、磁気飽和が発生してしまうので、高精度のトルク
制御性能が得られなくなってしまう不具合がある。
【0091】また、二次磁束のd軸成分φdrは、式(4
0)から明らかなように一次電流のd軸成分idsに対し
て一次遅れの特性をもって応答するので、二次磁束のd
軸成分φdrが小さくなりすぎると、急速に発生トルクを
増大させる必要が生じた場合、一次電流のd軸成分ids
を急変させても、二次磁束のd軸成分φdrの応答が遅い
ため、指令通りの発生トルクを得るまでに要する時間が
長くなる不具合もある。そこで、この実施の形態5で
は、上記のような不具合を解消するために、関数発生器
18により演算された二次磁束のd軸成分指令φdr *
所定の最大値より大きい場合には、その二次磁束のd軸
成分指令φdr * を当該最大値に制限し、所定の最小値よ
り小さい場合には、その二次磁束のd軸成分指令φdr *
を当該最小値に制限する制限回路90を設けることによ
って、二次磁束のd軸成分φdrの振幅の大きさを制限し
ている。
【0092】実施の形態6.図13は、この実施の形態
6による誘導電動機の制御装置の指令発生回路30dを
示す構成図であり、図において、実施の形態5と同一符
号は同一または相当部分を示すので、その説明を省略す
る。実施の形態5では、指令発生回路30における関数
発生器18の出力側に制限回路90を設けたが、同様に
実施の形態4で示した指令発生回路30bにおける関数
発生器18の出力側に制限回路90を設けても良い。こ
れにより、運転効率及び速度応答性の向上を図ることが
できる。
【0093】実施の形態7.二次磁束φdrが正常に制御
されている場合、二次磁束φdrはその指令値φdr *に一
致している。また、二次磁束φdrと一次電流のd軸成分
dsとは定常状態では略比例しているので、鉄損抵抗R
m はidsの略関数である。従って、前記実施の形態1か
ら6では関数発生器42,43,74の入力として二次
磁束φdrと一次周波数ωを使用していたが、φdrの代わ
りに二次磁束指令φdr * ,一次電流のd軸成分ids及び
一次電流のd軸成分指令ids * の何れを使用しても良
い。
【0094】実施の形態8.上記実施の形態では、ハー
ドウェアによって構成したものについて示したが、マイ
クロコンピュータを用いたソフトウェア処理によって実
現しても良い。
【0095】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、指令変換手段により、二次磁束のd軸成分指令及
び二次電流のq軸成分指令を一次電流のd軸成分指令及
びq軸成分指令に変換し、制御手段により、誘導電動機
の一次電流のd軸成分及びq軸成分が上記一次電流のd
軸成分指令及びq軸成分指令に一致するように構成した
ので、二次磁束の変化が起因して鉄損抵抗が変動した場
合でも、二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成
分指令に追従するように二次磁束のd軸成分及び二次電
流のq軸成分が制御され、その鉄損抵抗の変動影響を受
けずに誘導電動機を制御できる効果がある。
【0096】請求項2記載の発明によれば、一次周波数
演算手段により、一次電流に基づいて二次磁束のd軸成
分と一次周波数を演算すると共に、電流成分指令演算手
段により、二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸
成分指令を一次電流のd軸成分指令及びq軸成分指令に
変換し、制御手段により、誘導電動機の一次電流のd軸
成分及びq軸成分が上記一次電流のd軸成分指令及びq
軸成分指令に一致するように構成したので、二次磁束の
変化が起因して鉄損抵抗が変動する場合でも、二次磁束
のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指令に追従する
ように二次磁束のd軸成分及び二次電流のq軸成分が制
御され、その鉄損抵抗の変動影響を受けずに誘導電動機
を制御できる効果がある。
【0097】請求項3記載の発明によれば、請求項2に
おける一次周波数演算手段を、電流成分演算回路によ
り、一次電流に基づいて一次電流のd軸成分及びq軸成
分を演算すると共に、一次周波数演算回路により、その
一次電流のd軸成分及びq軸成分と検出手段により検出
された回転周波数に基づいて誘導電動機の二次磁束のq
軸成分が零になる一次周波数と、誘導電動機の二次磁束
のd軸成分とを演算するように構成したので、二次磁束
の変化が起因して鉄損抵抗が変動する場合でも、二次磁
束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指令に追従す
るように二次磁束のd軸成分及び二次電流のq軸成分が
制御され、その鉄損抵抗の変動影響を受けずに誘導電動
機を制御できる効果がある。
【0098】請求項4記載の発明によれば、請求項2に
おける一次周波数演算手段を、電流成分演算回路により
演算された一次電流のd軸成分及びq軸成分に基づいて
誘導電動機の二次磁束のd軸成分を演算すると共に、そ
の二次磁束のd軸成分と指令発生手段から出力された二
次電流のq軸成分指令と検出手段により検出された回転
周波数に基づいてその誘導電動機の二次磁束のq軸成分
が零になる一次周波数を演算する一次周波数演算回路を
設けるように構成したので、一次電流のq軸成分を二次
電流のq軸成分に変換することなく該一次周波数を演算
することができ、その結果、一次周波数演算手段の構成
が簡単になる効果がある。
【0099】請求項5記載の発明によれば、請求項2か
ら請求項4における電流成分指令演算手段を、一次周波
数演算手段により演算された二次磁束のd軸成分と一次
周波数に基づいて二次磁束のd軸成分と二次電流のq軸
成分の相互干渉を防止するための補正量を演算し、指令
発生手段から出力された二次磁束のd軸成分指令及び二
次電流のq軸成分指令と上記補正量に基づいて、一次電
流のd軸成分指令及びq軸成分指令を演算するように構
成したので、二次磁束の変化が起因して鉄損抵抗が変動
するような場合でも、その影響を受けずに二次磁束及び
発生トルクの応答特性が向上する効果がある。
【0100】請求項6記載の発明によれば、請求項1か
ら請求項5における指令発生手段を、誘導電動機の二次
磁束のd軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の関係
を表す一次周波数と二次磁束のd軸成分またはd軸成分
指令の関数と、その二次磁束のd軸成分と二次電流のq
軸成分の積が発生トルクに比例する関係とに基づいて、
その二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指
令を演算するように構成したので、誘導電動機の運転損
失が最小になる二次磁束のd軸成分指令及び二次電流の
q軸成分指令が得られ、誘導電動機の運転損失を最小に
できる効果がある。
【0101】請求項7記載の発明によれば、請求項2か
ら請求項5における指令発生手段を、誘導電動機の二次
磁束のd軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の関係
を表す一次周波数と二次磁束のd軸成分またはd軸成分
指令の関数と、その二次磁束のd軸指令成分と二次電流
のq軸成分の積がトルク指令に比例する関係とに基づい
て、その二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成
分指令を演算するように構成したので、誘導電動機の運
転損失が最小になる二次磁束のd軸成分指令及び二次電
流のq軸成分指令が得られると共に、発生トルクの応答
性を向上させることができる効果がある。
【0102】請求項8記載の発明によれば、請求項2か
ら請求項5における指令発生手段を、演算された二次磁
束のd軸成分指令が所定の最大値より大きい場合或いは
所定の最小値より小さい場合には、その二次磁束のd軸
成分指令を当該最大値或いは最小値に制限し、その二次
磁束のd軸成分指令に従って二次電流のq軸成分指令を
演算するように構成したので、二次磁束の振幅が大きく
なり過ぎることによる磁気飽和の発生が抑えられ、ま
た、仮にトルク不足が生じても直ちにトルク不足が解消
できる範囲内で二次磁束の振幅が保たれ、誘導電動機の
応答速度を向上させることができると共に、磁気飽和の
発生を防止できる効果がある。
【0103】請求項9記載の発明によれば、請求項2か
ら請求項5における指令発生手段を、演算された二次磁
束のd軸成分指令が所定の最大値より大きい場合或いは
所定の最小値より小さい場合には、その二次磁束のd軸
成分指令を当該最大値或いは最小値に制限し、トルク指
令を上記一次周波数演算手段によって演算された二次磁
束のd軸成分で除算した値に基づいて二次電流のq軸成
分指令を演算するように構成したので、二次磁束の振幅
が大きくなり過ぎることによる磁気飽和の発生が抑えら
れ、また仮にトルク不足が生じても直ちにトルク不足が
解消できる範囲内で二次磁束の振幅が保たれるととも
に、良好なトルク応答が得られ、誘導電動機の応答速度
を向上させることができるとともに、磁気飽和の発生を
防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による誘導電動機の
制御装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による指令発生回路
を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による電流成分指令
演算回路を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による一次周波数演
算回路を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による電流成分演算
回路を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による電流制御回路
を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による誘導電動機の
制御装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による一次周波数演
算回路を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による磁束演算回路
を示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による電流成分指
令演算回路を示す構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態4による指令発生回
路を示す構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態5による指令発生回
路を示す構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態6による指令発生回
路を示す構成図である。
【図14】 誘導電動機の二次磁束及び一次周波数と誘
導電動機の鉄損抵抗の関係を示す特性図である。
【図15】 従来の誘導電動機の制御装置を示す構成図
である。
【図16】 従来の誘導電動機の制御装置を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 誘導電動機、2 回転周波数検出器(検出手段)、
3 電流検出器(検出手段)、30,30b〜30d
指令発生回路(指令発生手段)、31,31b指令変換
手段、32 制御手段、33,33b 一次周波数演算
手段、34,34b 電流成分指令演算回路(電流成分
指令演算手段)、35,35b 一次周波数演算回路、
36 電流成分演算回路。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機のトルク指令を入力しそのト
    ルク指令,一次周波数及び二次磁束の関数に基づいて一
    次周波数で回転する回転直交座標軸上のd軸成分及びq
    軸成分として二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq
    軸成分指令を出力する指令発生手段と、上記誘導電動機
    の一次電流及び回転周波数を検出する検出手段と、上記
    検出手段により検出された一次電流及び回転周波数に基
    づいて一次周波数及び二次磁束を演算し上記指令発生手
    段に出力すると共にその指令発生手段から出力された二
    次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成分指令を一
    次電流のd軸成分指令及びq軸成分指令に変換する指令
    変換手段と、上記誘導電動機の一次電流のd軸成分及び
    q軸成分が上記指令変換手段により変換されたd軸成分
    指令及びq軸成分指令に一致するように制御する制御手
    段とを備えた誘導電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 誘導電動機のトルク指令を入力しそのト
    ルク指令,一次周波数及び二次磁束の関数に基づいて一
    次周波数で回転する回転直交座標軸上のd軸成分及びq
    軸成分として二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq
    軸成分指令を出力する指令発生手段と、上記誘導電動機
    の一次電流及び回転周波数を検出する検出手段と、上記
    検出手段により検出された一次電流に基づいて上記誘導
    電動機の一次電流のd軸成分及びq軸成分を演算すると
    共にその一次電流のd軸成分及びq軸成分と上記回転周
    波数に基づいて上記誘導電動機の二次磁束のq軸成分が
    零になる一次周波数及び二次磁束のd軸成分を演算する
    一次周波数演算手段と、その一次周波数演算手段により
    演算された二次磁束のd軸成分と一次周波数に基づいて
    上記指令発生手段から出力された二次磁束のd軸成分指
    令及び二次電流のq軸成分指令を上記一次電流のd軸成
    分指令及びq軸成分指令に変換する電流成分指令演算手
    段と、上記誘導電動機の一次電流のd軸成分及びq軸成
    分が上記電流成分指令演算手段により変換されたd軸成
    分指令及びq軸成分指令に一致するように制御する制御
    手段とを備えた誘導電動機の制御装置。
  3. 【請求項3】 上記一次周波数演算手段は、上記検出手
    段により検出された一次電流に基づいて上記誘導電動機
    の一次電流のd軸成分及びq軸成分を演算する電流成分
    演算回路と、その電流成分演算回路により演算された一
    次電流のd軸成分及びq軸成分と上記検出手段により検
    出された回転周波数に基づいて上記誘導電動機の二次磁
    束のq軸成分が零になる一次周波数と上記誘導電動機の
    二次磁束のd軸成分を演算する一次周波数演算回路とか
    ら構成されたことを特徴とする請求項2記載の誘導電動
    機の制御装置。
  4. 【請求項4】 上記一次周波数演算手段は、上記検出手
    段により検出された一次電流に基づいて上記誘導電動機
    の一次電流のd軸成分及びq軸成分を演算する電流成分
    演算回路と、その電流成分演算回路により演算された一
    次電流のd軸成分及びq軸成分に基づいて上記誘導電動
    機の二次磁束のd軸成分を演算すると共にその二次磁束
    のd軸成分と上記指令発生手段から出力された二次電流
    のq軸成分指令と上記検出手段により検出された回転周
    波数に基づいて上記誘導電動機の二次磁束のq軸成分が
    零になる一次周波数を演算する一次周波数演算回路とか
    ら構成されたことを特徴とする請求項2記載の誘導電動
    機の制御装置。
  5. 【請求項5】 上記電流成分指令演算手段は、上記一次
    周波数演算手段により演算された二次磁束のd軸成分と
    一次周波数に基づいて、二次磁束のd軸成分と二次電流
    のq軸成分の相互干渉を防止する補正量を演算し、上記
    指令発生手段から出力された二次磁束のd軸成分指令及
    び二次電流のq軸成分指令とその補正量に基づいて一次
    電流のd軸成分指令及びq軸成分指令を演算することを
    特徴とする請求項2から請求項4のうちいずれか1項記
    載の誘導電動機の制御装置。
  6. 【請求項6】 上記指令発生手段は、上記誘導電動機の
    二次磁束のd軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の
    関係を表す二次磁束のd軸成分或いはその指令と一次周
    波数の関数と、上記二次磁束のd軸成分及び二次電流の
    q軸成分の積が発生トルクに比例する関係とに基づい
    て、その二次磁束のd軸成分指令及び二次電流のq軸成
    分指令を演算することを特徴とする請求項1から請求項
    5のうちいずれか1項記載の誘導電動機の制御装置。
  7. 【請求項7】 上記指令発生手段は、上記誘導電動機の
    二次磁束のd軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の
    関係を表す二次磁束のd軸成分或いはその指令と一次周
    波数の関数に基づいて、トルク指令から上記二次磁束の
    d軸成分指令を演算すると共に、上記一次周波数演算手
    段によって演算された二次磁束のd軸成分でそのトルク
    指令を除算した値に基づいて二次電流のq軸成分指令を
    演算することを特徴とする請求項2から請求項5のうち
    いずれか1項記載の誘導電動機の制御装置。
  8. 【請求項8】 上記指令発生手段は、上記誘導電動機の
    二次磁束のd軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の
    関係を表す二次磁束のd軸成分或いはその指令と一次周
    波数の関数に基づいて、トルク指令から上記二次磁束の
    d軸成分指令を演算すると共に、その演算された二次磁
    束のd軸成分指令が所定の最大値より大きい場合或いは
    所定の最小値より小さい場合には、その二次磁束のd軸
    成分指令を当該最大値或いは最小値に制限し、その二次
    磁束のd軸成分指令に従って二次電流のq軸成分指令を
    演算することを特徴とする請求項1から請求項5のうち
    いずれか1項記載の誘導電動機の制御装置。
  9. 【請求項9】 上記指令発生手段は、上記誘導電動機の
    二次磁束のd軸成分に対する二次電流のq軸成分の比の
    関係を表す二次磁束のd軸成分或いはその指令と一次周
    波数の関数に基づいて、トルク指令から上記二次磁束の
    d軸成分指令を演算すると共に、その演算された二次磁
    束のd軸成分指令が所定の最大値より大きい場合或いは
    所定の最小値より小さい場合には、その二次磁束のd軸
    成分指令を当該最大値或いは最小値に制限し、上記一次
    周波数演算手段によって演算された二次磁束のd軸成分
    でトルク指令を除算した値に基づいて二次電流のq軸成
    分指令を演算することを特徴とする請求項2から請求項
    5のうちいずれか1項記載の誘導電動機の制御装置。
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