【発明の詳細な説明】
κレセプターアンタゴニストとしてのN−(2−(ピロリジニル−1)−1−フ
ェニルエチル)アセトアミド技術分野
本発明は、新規なカルボキサミド化合物及びその薬剤学的に許容することので
きる塩、並びにそれらを含む医薬組成物に関する。これらの化合物及び医薬組成
物は、対象哺乳類、特にヒト治療用の、鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、又は神経保
護剤(neuroprotective agent)として有用である。背景技術
オピオイド鎮痛剤、例えば、モルヒネは、治療用に有用であるが、それらの使
用はそれらの副作用(例えば、薬剤依存症)のために厳密に制限されている。従
って、利便性が高く、薬剤依存性を起こす傾向が少ない鎮痛剤が要求されている
。オピオイドペプチド及びオピオイドレセプターを発見するために、かなりの薬
理学的及び生化学的な研究が行われてきた。そして、ヒトを含む様々な種の末梢
神経における、オピオイドレセプターのサブタイプ、例えば、μ、δ、κの発見
は、新しい鎮痛剤を創造する端緒となった。オピオイド鎮痛剤(例えばモルヒネ
)がμ−レセプターアゴニストとして作用すると考えられるにつれて、κ−レセ
プターアゴニストに基づく作用を、μ−レセプターアゴニストに基づく作用から
分けることが研究されてきた。最近、前記の観点から、κ−選択的アゴニストが
報告されている(例えば、EMD−60400:A.Barberら.,Nau
nyn−Schmled.Arch.Pharmacol.,345(Suppl.
):Abst456)。それらの中には、実際に臨床試験で研究されているもの
もある[Med.Res.Rev.,12,525(1992)]。
しかしながら、選択的κ−レセプターアゴニストを使用する場合においても、
高投与量の使用は、副作用(例えば、鎮静)を起こすことがある。従って、オピ
オイドκレセプターに対する良好なアゴニスト活性を有する化合物を提供するこ
とが望まれている。発明の簡単な説明
本発明は、以下の式(I)
[式中、Rは、水素原子又は水酸基であり;
Arは、フェニル基であるか、あるいはハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル
基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基から選択した置換基1〜3個で置換された
フェニル基であり;
Xは、フェニル基又は複素環式環基;ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基
、炭素数1〜4のアルコキシ基、及びメトキシカルボニル基から選択した置換基
1〜3個で置換されたフェニル基又は複素環式環基;モノハロゲン化メチル基、
ジハロゲン化メチル基、又はトリハロゲン化メチル基;シアノ基;COR1基、
CH=NOR2基、OR2基、SR2基、CH2CN基、CH2OR2基、CH2SR2
基、CH2S(O)R2基、CH2S(O)2R2基、CH2(R2)R3基、CH2N
(R2)R3基、CH2NR2OH基、CH2N(COR2)OH基、CH2NR2CO
R3基、CH2NR2S(O)2R3基、又はCH2OCOR2基であり、ここで、R1
は、水素原子、水酸基、アミノ基、NHOH基、NHOCH3基、ピリジルアミ
ノ基、NHN(CH3)2基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ベンジルオキシ基、
炭素数1〜4のアルキルアミノ基、ジ−(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、
炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルキルチオ基であり;そして
R2及びR3は、それぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、又は炭素数7〜11のフェニルアルキル基であり;そして
X1は、フェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、チアゾ
リル基、ベンゾフリル基、又はベンゾチエニル基;ハロゲン原子、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、水酸基、ニトロ基、ト
リフルオロメチル基、及びメシル基から選択した置換基1〜3個で置換された、
フェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、チアゾリル基、
ベンゾフリル基、又はベンゾチエニル基である]で表される化合物及びその薬剤
学的に許容することのできる塩を提供する。
更に本発明は、式(II)
(式中、R、Ar、及びXは、前記と同じ意味である)で表される化合物を提
供する。前記の化合物は、式(I)で表される化合物を調製するための中間体と
して用いることができる。
式(I)で表される本発明のカルボキサミド化合物は、オピオイドκレセプタ
ーに対する有意なアゴニスト活性を示す。従って、哺乳類、特にヒト治療用の、
鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、及び神経保護剤として有用である。
従って本発明は、哺乳類、特にヒトにおける、鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、又
は神経保護剤として有用な、式(I)で表されるカルボキサミド化合物又はその
薬剤学的に許容することのできる塩を治療有効量で、薬剤学的不活性担体と共に
含む医薬組成物も提供する。発明の詳細な説明
本明細書において、「複素環式環基」とは、環中にヘテロ原子1個以上、好ま
しくは炭素原子4〜10個及びヘテロ原子1〜3個を有する単環式又は二環式の
炭化水素基を意味し、例えば、ピペリジノ基、モルホリノ基、チアモルホリノ基
、ピロリジノ基、ピラゾリノ基、ピラゾリジノ基、ピラゾリル基、ピペラジニル
基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、オキサゾリル
基、テトラゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル
基、ピリミジニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、キノリル基、及びキヌクリ
ジニル基を挙げることができる。
本発明の化合物の好ましい群には、Rが、水酸基であり;Arが、場合により
ハロゲン原子1〜3個で置換されていることのあるフェニル基、好ましくはフェ
ニル基であり;Xが、場合により、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、及びメトキシカルボニル基から選択した置換基1
〜3個で置換されていることのあるフェニル基であり;そして、X1が、場合に
よりハロゲン原子1〜3個で置換されていることのあるフェニル基、好ましくは
3,4−ジクロロフェニル基である、式(I)で表される化合物が含まれる。
本発明の化合物の好ましい他の群には、Rが、水酸基であり;Arが、場合に
よりハロゲン原子1〜3個で置換されていることのあるフェニル基、より好まし
くはフェニル基であり;Xが、モノハロゲン化メチル基、ジハロゲン化メチル基
、トリハロゲン化メチル基、シアノ基、ヒドロキシカルボニル基、ブチルオキシ
カルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、カルバモイル基、又はヒドロキシ
メチル基であり;そして、X1が、場合によりハロゲン原子1〜3個で置換され
ていることのあるフェニル基、好ましくは3,4−ジクロロフェニル基である、
式(I)で表される化合物が含まれる。
本発明の化合物の好ましい他の群には、Rが、水酸基であり;Arが、場合に
よりハロゲン原子1〜3個で置換されていることのあるフェニル基、より好まし
くはフェニル基であり;Xが、フリル基、チエニル基、ピリジル基、又はオキサ
ゾリル基であり;そして、X1が、場合によりハロゲン原子1〜3個で置換され
ていることのあるフェニル基、好ましくは3,4−ジクロロフェニル基である式
(I)で表される化合物が含まれる。
本発明の好ましい具体的な化合物は以下のとおりである:
N−カルボキシメチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−
(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]ア
セトアミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−[2
−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエ
チル]アセトアミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロ
リジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2,2,2−トリ
フルオロエチル)アセトアミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−フルフリル−N−[2−(3−(S)
−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]アセトア
ミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロ
リジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(4−ピリジル)メ
チルアセトアミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロ
リジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(3−ピリジル)メ
チルアセトアミド;
N−シアノメチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S
)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]アセト
アミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2,2−ジフルオロエチル)−N−
[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニ
ルエチル]アセトアミド;
N−2−シアノエチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−
(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]ア
セトアミド;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロ
リジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−メトキシカルボニル
メチルアセトアミド;及び
2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロ
リジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(1,2,4−オキ
サジアゾール−3−イル)メチルアセトアミド。一般的合成
本発明の式(I)で表されるカルボキサミド化合物は、多様な合成方法で調製
することができる。例えば、式(I)で表されるカルボキサミド化合物は、以下
の調製方法A−1に記載のように、化合物(II)のアシル化によって調製するこ
とができる。調製方法A−1
(ここで、R、Ar、X、及びX1は、前記と同じ意味である)
調製方法A−1では、当業者に公知の標準的アシル化技法を用いて、アミン化
合物(II)とアシル化剤とを反応させる。典型的なアシル化方法では、適当な反
応不活性溶媒中で、アミン化合物(II)と、ハロゲン化アシル(例えば、X1C
H2COCl)とを反応させることができる。適当な反応不活性溶媒としては、
例えば、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレン);エー
テル(例えば、エチルエーテル、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン);ハロ
ゲン化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、及びジクロロエタン);
アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド);並びにニトリル(例えば、
アセトニトリル)を挙げることができる。この反応は、所望により、塩基(例え
ば、トリエチルアミン、ピリジン、又はアルコキシド)を触媒として用いること
ができる。この反応は、−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜25℃の温度で
、10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間で実施することができる。
本発明の化合物(I)は、アミン化合物(II)から、他のアシル化方法、例え
ば、(1)塩基存在下での無水物[例えば、(X1CH2CO)2O]又は混合無
水物との反応;(2)カップリング剤〔例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)、水溶性カルボジイミド(WSCD)、2−エトキシ−N−エトキ
シカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、Bop剤[ベンゾトリアゾール−1
−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート]、ジエチルアゾジカルボキシレートトリフェニルホスフイン、ジエチルシ
アノホスホネート、カルボニルジイミダゾール、及びジフェニルホスホリルアジ
ド〕存在下での、カルボン酸(X1CH2COOH)との反応;あるいは(3)場
合により塩基存在下での、カルボン酸エステル(例えば、X1CH2COOR1;
R1は低級アルキル基)との反応によって得ることもできる。
別の方法では、本発明の化合物(I)を、以下の調製方法A−2に従って調製
することができる。調製方法A−2
この方法では、アミド化合物(III)のアルキル化によって化合物(I)を得る
ことができる。当業者に公知のアルキル化方法を用いることができる。例えば、
反応不活性溶媒中で、アミド化合物(III)と、ハロゲン化アルキル(例えば、
XCH2L;Xは、前記と同じ意味であり;そしてLは、ハロゲン原子、例えば
塩素原子である)とを反応させることができる。この反応は、所望により、相間
移動触媒の存在下又は不在下で、塩基(例えば、ナトリウム、水素化ナトリウム
、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を触媒として用いることができる。この
反応は、0℃〜200℃、好ましくは60℃〜150℃の温度で、5分〜24時
間、好ましくは30分〜12時間で実施することができる。
あるいは、化合物(III)のアルキル化は、適当な反応不活性溶媒中での、化
合物(III)と、ホルムアルデヒドと、金属塩(例えば、MX;Xは、前記と同
じ意味であり;そしてMは、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、及びカリウム
である)との反応によって実施することができる。更に、アミド化合物(III)
は、前記の調製方法A−1と同様の手順でのアミン化合物(IV)のアシル化によ
って得
ることができる。
本発明において、アミン化合物(II)は、以下の調製方法B−1によって得る
ことができる。調製方法B−1:
この方法では、当業者に公知の標準的アルキル化技法を用いたアミン化合物(
IV)のアルキル化によって、アミン化合物(II)を得ることができる。好ましい
アルキル化方法は、還元的アミノ化であり、前記アミン化合物(IV)を、還元剤
[例えば、NaBH4、NaBH3CN、又はNaBH(OAc)3]の存在下で
、アルデヒド(XCHO;Xは、前記と同じ意味である)と、反応させることが
できる。この反応は、適当な反応不活性溶媒中で、−20℃〜60℃、好ましく
は0℃〜25℃の温度で、10分〜48時間、好ましくは60分〜5時間で実施
することができる。別のアルキル化方法では、アミン化合物(IV)と、ハロゲン
化アルキル(XCH2L;X及びLは、前記と同じ意味である)とを、当業者に
公知の条件下で反応させることによってアミン化合物(II)を得ることができる
。前記の化合物(IV)と、ホルムアルデヒドと、金属塩との反応を含むマンニッ
ヒタイプのアルキル化も用いることができる。前記のアミン化合物(IV)は、公
知であるかあるいは、ヨーロッパ特許第254545号公報に記載の公知の方法
によって調製することができる。
あるいは、前記のアミン化合物(II)は、化合物(IV)をアシル化し、続いて
以下の調製方法B−2に記載のとおりに還元することによって得ることができる
。調製方法B−2
典型的な方法では、アミン化合物(IV)を、最初に、前記の適当なカップリン
グ剤の存在下で、適当な反応不活性溶媒の中で、アシル化剤(XCOOH;Xは
、前記と同じ意味である)と反応させ、続いて還元剤、例えば、LiAlH4、
BH3・Me2S、又はBH3・THFを用いて還元することができる。この反応
は、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の温度で、30分〜24時間、
好ましくは60分から12時間で実施することができる。還元前の他の可能なア
シル化方法としては、塩基存在下でのハロゲン化アシル(XCOL)と化合物(
IV)との反応;及び塩基存在下での無水物[(XCO)2O]と化合物(IV)と
の反応を挙げることができる。前記のアシル化方法に用いる条件は、当業者が適
当に選択することができる。
更に、化合物(II)は、以下の調製方法B−3に示すように、以下の式(V)
で表されるアミド化合物のアシル化、及びそれに続く還元によって得ることがで
きる。調製方法B−3
この方法では、アミド化合物(V)を、最初に、前記の調製方法B−2に記載
したとおりにアシル化し、次いで還元して、化合物(II)を得ることができる。
この反応の条件は、前記調製方法B−2に記載の条件と同様であることができる
。
更に、アミド化合物(V)は、公知であるか、又は例えば、欧州特許第2545
45号公報及びChem.Pharm.Bull.[42(3)690−693
,1994]に記載の公知の方法によって製造することができる。
式(I)で表される化合物、及び前記の調製方法で示した中間体は、通常の手
順、例えば再結晶化、又はクロマトグラフィー精製によって単離及び精製するこ
とができる。
本発明のカルボキサミド化合物は、少なくとも不整中心2個を有しているので
、種々の立体異性形態又は立体配置で存在していることができる。従って、この
化合物は、(+)−及び(−)−の光学的活性形態で別々に、あるいはそれらの
混合物として存在することができる。それらすべての形態が本発明の範囲内に含
まれる。個々の異性体は、公知の方法(例えば、最終生成物若しくはその中間体
の調製における光学的選択反応、又はクロマトグラフィー分離)によって得るこ
とができる。
本発明のカルボキサミド化合物は、酸、例えば、塩酸、臭化法(例えば、最終
生成物若しくはその中間体の調製における光学的選択反応、又はクロマトグラフ
ィー分離)によって得ることができる。水素酸、スルホン酸、硝酸、及びリン酸
等との無機塩の形で、並びに酸、例えば、酢酸、蟻酸、安息香酸、シュウ酸、コ
ハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アルキルスルホン酸との有機酸塩の
形で用いることができる。
式(I)で表される本発明のカルボキサミド化合物は、オピオイドκレセプタ
ーに対して有意なアゴニスト活性を示し、従って、鎮痛剤、抗炎症剤、利尿剤、
及び神経保護剤として、それらの薬剤が必要な哺乳類、特にヒトの治療用に有用
である。
本発明の式(I)で表されるカルボキサミド化合物のオピオイドκアゴニスト
としての活性は、オピオイドレセプター結合活性によって示される。前記の活性
は、モルモットの全脳からのホモジェネートにおいて、Regina,Aらによ
って「J.Receptor Res.12:171−180,1992」に記
載されたとおりに、決定することができる。簡単に説明すると、標識したリガン
ド及び供試化合物の存在下で、25℃で、30分間、組織のホモジェネートをイ
ンキュベートする。μ−部位を(3H)−[D−Ala2,MePhe4,Gl
y−オール5]エンケファリン(DAMGO)(1nM)で標識し、δ−部位を
(3H)−[D−Pen2,5]エンケファリン(DPDPE)(1nM)で標
識し、そしてκ−部位を(3H)−CI−977(0.5nM)で標識する。非
特異的結合は、CI−977(κ)(1mM)、DAMGO(μ)(1mM)、
及びDPDPE(δ)(1mM)を用いて測定する。データはCheng及びP
rusoffの式を用いた非直線適合プログラムによって得られたIC50値とし
て表示する。以下に記載の実施例で調製した化合物を、全て、この方法によって
試験したところ、そのレセプターにおける結合の阻害に関して、0.01nM〜
10μMのIC50値を示した。
オピオイドκレセプターに対するアゴニスト活性は、Wheeler−Ace
to,Hらによって「Psychopharmacology 104:35−
44,1991」に記載されたとおりに、ホルマリン試験によっても示すことも
できる。この試験では、雄性SDラット(80〜100g)に、0.1%メチル
セルロース塩水液(saline)又はビヒクル中に溶解した供試化合物を皮下
注射する。30分後に、2%ホルマリン50mlを後足に注射する。ホルマリン
注射後の15〜30分間の観察時間当たりに、注射した足をなめる回数を測定し
、それぞれのビヒクルグループと比較して%阻害として表示する。
オピオイドκレセプターに対するアゴニスト活性は、Hayes,A.Gらに
よって「Br.J.Pharmacol.79:731−736,1983」に
記載されたロタロッド(Rotarod)試験によっても示すことができる。こ
の試験では、回転する棒(直径=9cm;回転速度=5r.p.m.)の上での
バランスをとる能力によって雄性SDラット(100〜120g)6〜10匹の
グループを選択する。次に、選択したラットに、0.1%メチルセルロース塩水
液中に溶解した供試化合物を皮下注射する。処置から30分後に、前記の動物た
ちを再び試験する;150秒の間に2回より多く棒から落下したラットは運動能
力の低下を示しているものとみなし、その動物のパフォーマンス[すなわち、ロ
タロッド上の時間]を記録する。パフォーマンス時間を半減させるその薬剤の投
与量として定義されるED50値を、コントロールグループにおいて観察する。
式(I)で表される本発明のカルボキサミド化合物は、経口、非経口、又は局
所のいずれの経路によっても哺乳類に投与することができる。一般的に、これら
の化合物は、1日当たり0.01mg〜100mgの範囲の投与量でヒトに投与
することが最も好ましいが、当然のことながら治療される対象者の体重及び体調
、治療する疾病の状態、並びに選択した個々の投与経路によって変化させること
になるであろう。しかし、1日当たり0.01mg〜50mg/kg(体重)の
範囲内の投与レベルで用いるのが手術後患者における痛みの治療のために最も望
ましい。
本発明の化合物は、単独で、又は薬剤学的に許容することのできる担体若しく
は希釈剤と組み合わせて、前記投与経路のいずれによっても投与することができ
、そして前記の投与は、単回又は複数回の投与で行うことができる。また特に、
本発明の新規治療剤は、広範で多様な種々の投与形態で投与することができる。
すなわち、種々の薬剤学的に許容することのできる不活性担体と組み合わせて、
錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、硬質キャンディー、粉剤、噴霧剤、クリ
ーム、軟膏(salves)、坐薬、ゼリー、ジェル、ペースト、ローション、
軟膏(ointmrnt)、水性懸濁液、注射溶液、エリキシル、シロップなど
の形態にすることができる。前記の担体には、固体希釈剤又は充填剤、無菌水性
媒体、及び各種の非毒性有機溶媒等が含まれる。更に、経口投与用の医薬組成物
に、適当に甘味及び/又は香味を付与することができる。本発明の治療有効化合
物は、一般的に、濃度レベルが5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜
50重量%の範囲で、前記の投与形態中に存在させる。
経口投与用に、種々の賦形剤、例えば、微晶性セルロース、クエン酸ナトリウ
ム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、及びグリシンを含んだ錠剤を、種々
の崩壊剤、例えば、でんぷん(好ましくは、コーン、ポテト、又はタピオカので
んぷん)、アルギン酸、及び或る種のコンプレックスシリケート(comple
x silicate)、並びに顆粒バインダー、例えば、ポリビニルピロリド
ン、蔗糖、ゼラチン、及びアラビアゴムと一緒に用いることができる。更に、潤
滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタル
クが、錠剤化の目的に、しばしば非常に有用である。また、同様のタイプの固体
組成物は、ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもできる;また、これ
に関連する好ましい材料には、ラクトース(又は乳糖)及び高分子ポリエチレン
グリコールを挙げることができる。経口投与用に水性懸濁液及び/又はエリキシ
ルが望ましい場合には、種々の甘味剤又は香味剤、着色剤又は染料、並びに所望
により、乳化剤及び/又は懸濁剤と、希釈剤、例えば、水、エタノール、プロピ
レングリコール、グリセリン、及び種々のそれらの混合物と活性成分とを組み合
わせることができる。
非経口投与用に、ゴマ油若しくはピーナッツ油、又は水性プロビレングリコー
ル中の本発明化合物の溶液を用いることができる。前記の水溶液は、必要に応じ
て適当に緩衝化(好ましくはpH>8)した方がよく、そして液体希釈剤は最初
に等張にする。これらの水溶液は、静脈注射の目的に適している。前記の油性溶
液は、関節内、筋肉内及び皮下注射の目的に適している。無菌条件下におけるこ
れら全ての溶液の調製は、当業者に周知の標準的製剤技術によって容易に行うこ
とができる。更に、皮膚の炎症状態の治療の場合には本発明の化合物を局所的に
投与することもでき、標準的製剤慣行に従ってクリーム、ゼリー、ジェル、ペー
スト、軟膏(ointments)等によって好適に行うことができる。実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を
限定するものではない。融点は、Buchiマイクロ融点装置で測定し、修正し
ていない。赤外線吸収スペクトル(IR)は、Shimazu赤外分光計(IR
−470)によって測定した。特に断らない限り、1H及び13Cの核磁気共鳴ス
ペクトル(NMR)は、CDCl3中で、JEOL NMR分光計(JNM−G
X270,270MHz)によって測定し、ピークの位置は、ppm(part
s per million)(テトラメチルシランからダウンフィールド)で
表す。ピークの鋭さは、以下のように示す。s=一重線;d=二重線;t=三重
線;m=多重線;br=広幅。調製例1:(S)−フェニルグリシル−3−(S)−ヒドロキシピロリジン
DMF(40ml)中の、3−(S)−ピロリジノール(3.054g,35
mmol)及びN−ベンジルオキシカルボニル−(S)−フェニルグリシン(1
0.00g,35mmol)の撹拌した溶液に、ジエチルホスホロシアニデート
(6.28ml,42mmol)を加え、続いてN−メチルモルホリン(4.6
5ml,42mmol)を室温で加えた。1時間室温で撹拌した後に、その反応
混合物を水(200ml)中に注ぎ、混合溶媒(酢酸エチル/ヘキサン/エーテ
ル=2/1/1;100ml×3)で抽出した。一緒にした抽出物を1N−HC
l溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及びブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マ
グネシウム)し、そして濃縮して、黄色油状体としてN−ベンジルオキシカルボ
ニル−(S)−フェニルグリシル−3−(S)−ヒドロキシピロリジン11.3
95g(91.9%)を得た。メタノール(100ml)中の、前記の油状体(
11.395g,32mmol)及び10%パラジウム炭素(1.14g)の懸
濁混合物を、水素雰囲気下で、室温で17時間撹拌した。セライトろ過によって
触媒を除去し、ろ液を濃縮して、褐色油状体として標記化合物8.255g(1
00%,粗製)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.45−7.27(5H,m)
,4.56(0.7H,s),4.49(0.3H,s),4.45−4.35
(1H,m),3.74−3.36(3H,m),3.25−3.15(0.7
H,m),3.10−2.98(0.3H,m),2.70(2H,br.s)
,2.30(1H,br.s),2.05−1.75(2H,m)。
IR(neat):3350,3300,1640cm-1。
DMF(250ml)中の、3−(S)−ピロリジノール(14.70g,1
69mmol)及びN−t−ブトキシカルボニル−(S)−フェニルグリシン(
42.46g,169mmol)の撹拌した溶液に、ジエチルホスホロシアニデ
ート(30.3ml,203mmol)を加え、続いてN−メチルモルホリン(
22.5ml,203mmol)を室温で加えた。室温で1時間撹拌した後に、
その反応混合物を水(1250ml)中に注ぎ、混合溶媒(酢酸エチル/ヘキサ
ン/エーテル=2/1/1;400ml×3)で抽出した。一緒にした抽出物を
1N−HCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及びブラインで洗浄し、乾
燥(硫酸マグネシウム)し、そして濃縮して、白色粉末としてN−t−ブトキシ
カルボニル−(S)−フェニルグリシル−3−(S)−ヒドロキシピロリジン3
4.
81g(64.3%)を得た。ジクロロメタン(10ml)中の、N−t−ブト
キシカルボニル−(S)−フェニルグリシル−3−(S)−ヒドロキシピロリジ
ン(10.13g,31.6mmol)の撹拌した懸濁液に、トリフルオロ酢酸
(25ml)を0℃で加え、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。過剰量のト
リフルオロ酢酸及び溶媒を蒸発させた後に、残さをNH3水溶液(20ml)で
塩基性化し、そしてジクロロメタン(30ml×3)で抽出した。乾燥(硫酸ナ
トリウム)し、溶媒を蒸発させて、標記化合物4.974g(71.5%)を得
た。調製例2:(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニルエチル)−3−ヒ ドロキシピロリジン
THF(200ml)中の、水素化リチウムアルミニウム(3.795g,1
00mmol)の撹拌した懸濁液に、THF(100ml)中の(S)−フェニ
ルグリシル−3−(S)−ヒドロキシピロリジン(7.049g,32mmol
)の溶液を室温で滴下した。この反応混合物を1.5時間還流した。次に反応混
合物を室温まで冷却し、そしてその反応混合物に、Na2SO4・10H2O(1
0.31g)及びKF(1.86g)を加えた。1時間撹拌した後に、沈殿した
白色固体をセライトろ過によって除去し、ろ液を濃縮して、黄色透明油状体4.
21gを得た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=180g
,溶出液としてジクロロメタン/メタノール/NH4OH=50/5/1)によ
って精製して、黄色透明油状体3.584g(54.3%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.15(5H,m)
,4.37−4.29(1H,m),4.08(1H,dd,J=4.0,10
.3Hz),3.08−3.01(1H,m),2.77(1H,dd,J=1
0.3,12.1Hz),2.69−2.61(1H,m),2.43(1H,
dd,J=4.0,12.1Hz),2.31−2.00(6H,m),1.8
3−1.70(1H,m)。
IR(neat):3350,3200cm-1。調製例3:(2S,3S)−1−[2−N−(ベンジルオキシカルボニル)メチ ルアミノ−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
ジクロロメタン(30ml)中の、(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−
フェニルエチル)−3−ヒドロキシピロリジン(1.65g,8mmol)、ベ
ンジル2−ブロモアセテート(1.52ml,9.6mmol)、及びトリエチ
ルアミン(1.34ml,9.6mmol)の混合物を7時間還流した。この反
応混合物を水(50ml)で希釈し、そしてジクロロメタン(50ml×3)で
抽出した。一緒にした抽出物をブラインで洗浄し、そして乾燥(硫酸マグネシウ
ム)した。溶媒を蒸発して、褐色油状体2.18gを得た。この油状体をカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル=70g,溶出液としてジクロロメタン/メタ
ノール=20/1から10/1)によって精製して黄色透明油状体1.218g
(42.9%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.40−7.22(10H,m
),5.13(2H,s),4.35−4.25(1H,m),3.82(1H
,dd,J=3.7,11.0Hz),3,43(1H,d,J=17.6Hz
),3.22(1H,d,J=17.6Hz),3.16−3.06(1H,m
),2.86(1H,dd,J=11.0,12.1Hz),2.70(1H,
dd,J=4.8,10.3Hz),2.64(1H,dd,J=1.8,9.
9Hz),2.31(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),2.26−2
.15(4H,m),1.82−1.71(1H,m)。
IR(neat):3350,1740cm-1。実施例1:N−(ベンジルオキシカルボニル)メチル−2−(3,4−ジクロロ フェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1 −(S)−フェニルエチル]アセトアミド
ジオキサン(4ml)中の(2S,3S)−1−[2−N−(ベンジルオキシ
カルボニル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
(354g,1mmol)の撹拌した溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(1
ml)を加え、続いて塩化3,4−ジクロロフェニルアセチルを室温で滴下した
。2.5時間撹拌した後に、その反応混合物をジクロロメタンで抽出した。一緒
にした抽出液をブラインで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、そして濃縮し
て、褐色粘性油状体0.952gを得た。この油状体をカラムクロマトグラフィ
ー(シ
リカゲル=30g,溶出液としてジクロロメタン/メタノール=30/1から1
0/1)によって精製して黄褐色粘性油状体として標記化合物152mg(28
.1%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.39−7.27(11H,m
),7.15−7.08(1.5H,m),7.01(0.5H,dd,J=2
.2,8.4Hz),6.04(0.5H,dd,J=5.9,9.9Hz),
5.10(1H,s),5.07(0.5H,d,J=12.1Hz),5.0
0(0.5H,t,J=7.5Hz),4.99(0.5H,d,J=12.1
Hz),4.28(0.5H,d,J=16.8Hz),4.30−4.20(
1H,m),3.97(0.5H,d,J=18.7Hz),3.92(0.5
H,d,J=16.5Hz),3.89(0.5H,d,J=15.7Hz),
3.76(1H,s),3.71(0.5H,d,J=16.1Hz),3.6
0(0.5H,d,J=15.7Hz),3.14−2.42(5H,m),2
.27−2.01(2H,m),1.80−1.60(2H,m)。
IR(neat):3450,1750,1650cm-1。
前記の油状体を、HClガス飽和メタノールを用いて塩酸塩に変換して、非結
晶固体77mgを得た。
C29H30Cl2N2O4・HCl・1.5H2Oに対する分析理論値:C,57.
58;5.66;N,4.63;Cl,17.58。実測値:C,57.56;
H,5.37;N,4.71;Cl,17.67。実施例2:(2S,3S)−1−[2−N−(t−ブトキシカルボニル)メチル アミノ−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、調製例3に記載の手順と同様の手順に従って、70%の収率で
調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.34−7.28(5H,m)
,4.38−4.30(1H,m),3.81(1H,dd,J=3.7,10
.6Hz),3.25(1H,d,J=17.6Hz),3.19−3.13(
1H,m),3.04(1H,d,J=17.6Hz),2.87(1H,dd
,J=10.6,12.1Hz),2.75−2.65(2H,m),2.34
(1
H,dd,J=3.7,11.7Hz),2.27−2.15(4H,m),1
.85−1.75(1H,m),1.44(9H,s)。
IR(neat):3300,1730cm-1。実施例3:N−(t−ブトキシカルボニル)メチル−2−(3,4−ジクロロフ ェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1− (S)−フェニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、37.1%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41−7.10(8H,m)
,6.10(0,7H,dd,J=6.6,9.6Hz),5.03(0.3H
,dd,J=7.0,7.7Hz),4.30−4.20(1H,m),3.9
3(0.3H,d,J=16.8Hz),3.82(0.6H,s),3.82
(0.7H,d,J=18.7Hz),3.76(0.3H,d,J=15.4
Hz),3.71(0.7H,d,J=18.7Hz),3.62(0.7H,
d,J=15.8Hz),3.55(0.7H,d,J=15.8Hz),3.
17−2.05(9H,m),1.80−1.65(1H,m),1.39(2
.7H,s),1.30(6.3H,s)。
IR(neat):3400,1740,1650cm-1。
C26H32Cl2N2O4・0.5H2Oに対する分析理論値:C,60.47;H
,6.44;N,5.42。実測値:C,60.24;H,6.41;N,5.
24。実施例4:N−カルボキシメチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[ 2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニル エチル]アセトアミド
N−(t−ブトキシカルボニル)メチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)
−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−
フェニルエチル]アセトアミド(306mg,0.6mmol)、HClガス飽
和メタノール溶液(8ml)、及びメタノール(2ml)の混合物を撹拌しなが
ら2時間還流した。溶媒を蒸発した後に、得られた油状体をジクロロメタン/メ
タノールから再結晶化して、白色粉末の塩酸塩として所望の化合物153mg(
52.3%)を得た。
融点:161.9−163.5℃。
C22H24Cl2N2O4・HClに対する分析理論値:C,54.17;H,5
.17;N,5.74。実測値:C,54.40;H,5.47;N,5.62
。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ11.30(1H,br.s),
7.45−7.25(8H,m),6.45(1H,m),4.65−2.00
(15H,m)。
IR(KBr):3300,1740,1665cm-1。実施例5:(2S,3S)−1−[2−N−(2−ヒドロキシエチルアミノ)− 2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
THF(10ml)中の水素化リチウムアルミニウム(380mg,10mm
ol)の撹拌した懸濁液に、THF(15ml)中の(2S,3S)−1−[2
−N−(t−ブトキシカルボニル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]−3−
ヒドロキシピロリジン(1.602g,5mmol)の溶液を室温で滴下した。
次に、その反応混合物を撹拌しながら1時間還流させた。室温まで冷却した後に
、反応混合物に、Na2SO4・10H2O(3.80g)及びKF(0.38g
)を加えた。1時間撹拌した後に、出現した固体をセライトろ過によって除去し
た。ろ液を濃縮して、黄色油状体として所望の化合物1.32g(100%,粗
製)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.34−7.24(5H,m)
,4.33(1H,br.s),3.77(1H,dd,J=3.7,11.0
Hz),3.77−3.57(2H,m),3.20−3.05(1H,m),
2.88(1H,dd,J=11.0,12.1Hz),3.05−2.55(
6H,m),2.35(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),2.30−
2.15(2H,m),1.95−1.75(2H,m)。
IR(neat):3350cm-1。実施例6:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル) −N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)− フェニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、48%の収率で
調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.02(8H,m)
,6.13(0.75H,br.d,J=9.2Hz),5.05(0.25H
,m),4.45−4.35(1H,m),4.10−3.10(9H,m),
2.90−2.15(6H,m),1.90−1.75(1H,m)。
IR(neat):3400,1640cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C22H26Cl2N2O3・HCl・2.5H2Oに対する分析理論値:C,50.
93;H,6.22;N,5.40。実測値:C,51.20;H,6.02;
N,5.66.実施例7:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−[2−フェニル−2−N−( 2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)エチル]ピロリジン
THF(20ml)中の(S)−フェニルグリシル−3−(S)−ヒドロキシ
ピロリジン(1.00g,4.5mmol)の撹拌した溶液に、無水トリフルオ
ロ酢酸(0.7ml,5mmol)を室温で加えた。1時間撹拌した後に、溶媒
を蒸発させ、そして残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=100g,
溶出液としてジクロロメタン/メタノール=20/1)によって精製して、アミ
ド誘導体0.90gを得た。これを、THF(14ml)に溶解し、続いてボラ
ン−メチルスルフィド複合体(1.33ml,14mmol)を0℃で加えた。
次に、その反応混合物を13時間還流した。この反応混合物に、1N−HCl水
溶液(10ml)を0℃で加え、この混合物を1時間還流した。室温まで冷却し
た後に、反応混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、そしてジクロ
ロメタンで抽出した。乾燥(硫酸ナトリウム)し、溶媒を除去して、無色の油状
体0.821gを得た。この油状体は、短時間のうちに結晶化した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.20(5H,m)
,4.38−4.30(1H,m),3.92(1H,dd,J=3.3,11
.0Hz),3.13−2.95(3H,m),2.81(1H,dd,J=1
1.
0,12.1Hz),2.85−2.60(3H,m),2.38−2.11(
3H,m),1.95(1H,br.s),1.85−1.65(1H,m)。
IR(neat):3350cm-1。実施例8:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[(2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2, 2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、38.9%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.40(1H,d,J=8.1
Hz),7.36−7.26(5H,m),7.16(1H,br.s),7.
07(1H,br.d,J=8.1Hz),5.78及び5.06(合計1H,
いずれもbr.s),4.27(1.5H,br.s),3.90−3.60(
3.5H,m),3.80−2.80(3H,m),2.75−2.60(2H
,m),2.45−2.05(2H,m),1.95−1.60(2H,m)。
IR(neat):3450,1660cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C22H23Cl2F3N2O2・HClに対する分析理論値:C,51.63;H,
4.73;N,5.47。実測値:C,51.78;H,5.19;N,5.2
8。実施例9:(2S,3S)−1−[2−N−(2−フリル)メチルアミノ−2− フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
エタノール(8ml)中の、(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニ
ルエチル)−3−ヒドロキシピロリジン(619mg,3mmol)、及び2−
フルアルデヒド(0.37ml,4.5mmol)の混合物を、撹拌しながら4
.5時間還流した。次に、溶媒を蒸発し、得られたシッフ塩基をメタノール(1
0ml)中に溶解し、そしてこの溶液に室温でNaBH4を少しずつ加えた。室
温で0.5時間撹拌した後に、溶媒を蒸発させた。次に、残さに水(30ml)
を加え、そしてジクロロメタンで抽出した。前記の抽出物をブラインで洗浄し、
乾燥(硫酸マグネシウム)し、そして濃縮して、褐色油状体857mg(99.8
%)
を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.40−7.28(6H,m)
,6.30(1H,dd,J=1.8,2.9Hz),6.08(1H,d,J
=2.9Hz),4.33−4.25(1H,m),3.75(1H,d,J=
14.7Hz),3.71(1H,dd,J=3.7,11.4Hz),3,4
9(1H,d,J=14.7Hz),2.84(1H,dd,J=11.4,1
2.1Hz),2.83−2.75(1H,m),2.62−2.51(2H,
m),2.35(2H,br.s),2.27(1H,dd,J=3.7,12
.1Hz),2.21−2.10(2H,m),1.80−1.65(1H,m
)。
IR(neat);3300cm-1。実施例10:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−フルフリル−N−[2− (3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチ ル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、96.5%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.37(1H,d,J=8.1
Hz),7.37(1H,d,J=1.8Hz),7.31−7.22(5H,
m),7.10(1H,dd,J=1.8,8.1Hz),7.03(1H,d
d,J=1.8,8.1Hz),6.19(1H,dd,J=1.9,2.9H
z),5.94(1H,dd,J=5.1,9.5Hz),5.71(1H,d
,J=2.9Hz),4.40−4.33(1H,m),4.30(1H,d,
J=17.9Hz),4.22(1H,d,J=17.9Hz),3.72(1
H,d,J=13.2Hz),3.66(1H,d,J=13.2Hz),3.
59(1H,dd,J=9.5,12.8Hz),3,49(1H,s),3,
45−3.35(1H,m),3.20−3.05(2H,m),2.83(1
H,dd,J=5.1,11.0Hz),2.65−2.55(1H,m),2
.55−2.10(1H,m),1.95−1.80(1H,m)。
IR(neat):3400,1650cm-1。
塩酸塩:融点=181.0−183.5℃。
C25H26Cl2N2O3に対する分析理論値:C,58.89;H,5.34;
N,5.49。実測値:C,58.58;H,5.61;N,5.63。実施例11:(2S,3S)−1−[2−フェニルエチル−2−N−(2−チエ ニル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、100%の収率
で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.42−7.24(5H,m)
,7.20(1H,dd,J=1.1,5.1Hz),6.94(1H,dd,
J=3.3,5.1Hz),6.83(1H,br.d,J=2.9Hz),4
.30−4.20(1H,m),3.90(1H,d,J=14.3Hz),3
.79(1H,dd,J=3.7,11.0Hz),3.73(1H,d,J=
14.3Hz),2.84(1H,dd,J=11.0,12.1Hz),2.
88−2.77(1H,m),2.62−2.52(2H,m),2.29(1
H,dd,J=3.7,12.1Hz),2.32−2.10(4H,m),1
.77−1.64(1H,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例12:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2− チエニル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、62.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.39(1H,d,J=2.2
Hz),7.33(1H,d,J=8.8Hz),7.30−7.26(3H,
m),7.15−7.09(3H,m),6.94(1H,dd,J=2.2,
8.4Hz),6.83(1H,dd,J=3.7,5.1Hz),6.61(
1H,br.d,J=2.9Hz),5.99(1H,dd,J=5.1,9.
5Hz),4.59(1H,d,J=17.9Hz),4.47(1H,d,J
=17.6Hz),4,43−4.35(1H,m),3.67−3.35(5
H,m),3.21−3.08(2H,m),2.87(1H,dd,J=5.
1,
11.0Hz),2.68−2.56(1H,m),2.26−2.14(1H
,m),1.96−1.85(1H,m)。
IR(neat):3400,1650cm-1。
塩酸塩:融点=180.7−184.0℃。
C25H26Cl2N2O2S−HCl・0.4H2Oに対する分析理論値:C,56
.32;H,5.26;N,5.25。実測値:C,56.67;H,5.38
;N,4.77。実施例13:(2S,3S)−1−[2−フェニルエチル−2−N−(3−ピリ ジル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、63.9%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.49(1H,s),8.48
(1H,d,J=4.8Hz),7.63(1H,dd,J=1.5,7.7H
z),7.42−7.27(5H,m),7.24(1H,dd,J=4.8,
7.7Hz),4.35−4.25(1H,m),3.74(1H,dd,J=
3.7,11.0Hz),3.73(1H,d,J=13.8Hz),3.55
(1H,d,J=13.6Hz),2.85(1H,dd,J=11.0,12
.1Hz),2.88−2.82(1H,m),2.60(2H,d,J=4.
0Hz),2.42(2H,br.s),2.31(1H,dd,J=3.7,
12.1Hz),2.27−2.09(2H,m),1.80−1.65(1H
,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例14:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(3− ピリジル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、56.7%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.51(0.7H,s),8.
48(0.7H,d,J=4.4Hz),8.40(0.3H,d,J=2.9
Hz),8.26(0.3H,s),7.55−6.99(10H,m),6.
26(0.7H,dd,J=4.0,11.0Hz),5.17(0.3H,t
),4.70(0.3H,d),4.41−4.20(2.7H,m),3.9
0(0.6H,s),3.58(0.7H,d),3.50(0.7H,d),
3.25−2.35(5H,m),2.28−1.95(2H,m),1.85
−1.60(2H,m)。
IR(neat):3300,1650cm-1。
C26H27Cl2N3O2・2HCl・1.5H2Oに対する分析理論値:C,53
.44;H,5.52;N,7.19。実測値:C,53.17;H,5.21
;N,6.91。実施例15:(2S,3S)−1−[2−フェニルエチル−2−N−(2−ピリ ジル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、37.9%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.56(1H,br.d,J=
4.8Hz),7.61(1H,dt,J=1.8,7.7Hz),7.42−
7.13(7H,m),4.33−4.25(1H,m),3.83(1H,d
,J=14.3Hz),3.73(1H,dd,J=3.7,10.6Hz),
3.67(1H,d,J=14.3Hz),3.00−2.80(3H,m),
2.92(1H,dd,J=10.6,12.1Hz),2.70(1H,br
.d,J=9.5Hz),2.59(1H,dd,J=4.4,9.9Hz),
2.36(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),2.25−2.09(2
H,m),1.85−1.70(1H,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例16:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2− ピリジル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、68.5%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.79(1H,br.s),7
.66−7.60(1H,m),7.33(1H,d,J=8.4Hz),7.
33−7.23(6H,m),7.18(1H,d,J=1.8Hz),7.0
5(1H,br.d,J=7.7Hz),6.97(1H,dd,J=1.8H
z,8.1Hz),6.50(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),4.
70−4.55(2H,m),4.37(1H,d,J=18.3Hz),4.
20(1H,dd,J=12.5,12.8Hz),3.95−3.25(8H
,m),2.50−2.30(1H,m),2.25−2.10(1H,m)。
IR(neat):3400,1650cm-1。
塩酸塩:融点=126.5−132.0℃。
C26H27Cl2N3O2・2HCl・2H2Oに対する分析理論値:C,52.6
3;H,5.61;N,7.08。実測値:C,52.31;H,5.39;N
,6.75。実施例17:(2S,3S)−1−[2−フェニルエチル−2−N−(4−ピリ ジル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、81.8%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.52(2H,d,J=5.5
Hz),7.40−7.25(5H,m),7.22(2H,d,J=5.5H
z),4.37−4.27(1H,m),3.72(1H,d,J=14.3H
z),3.75−3.70(1H,m),3.56(1H,d,J=14.7H
z),2.86(1H,t,J=11.4Hz),2.90−2.82(1H,
m),2.62(2H,app d),2.39(2H,br.s),2.35
−2.10(3H,m),1.85−1.68(1H,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例18:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−]2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(4− ピリジル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、10.9%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.48(1.4H,d,J=5
.9Hz),8.40(0.6H,d,J=5.9Hz),7.44−6.97
(10H,m),6.26(0.7H,dd,J=4.4,11.0Hz),5
.17(0.3H,app t),4.62(0.3H,d,J=16.1Hz
),4.40−4.30(1H,m),4.29(1.4H,s),4.26(
0.3H,d,J=16.9Hz),3.92(0.6H,s),3,49(0
.7H,d,J=15.4Hz),3.41(0.7H,d,J=15.4Hz
),3.20−2.45(5H,m),2.35−2.00(2H,m),1.
92(1H,br.s),1.85−1.65(1H,m)。
IR(neat):3400,1650cm-1。
塩酸塩:融点=161.1−164.2℃。
C26H27Cl2N3O2・2HCl・3H2Oに対する分析理論値:C,51.0
8;H,5.77;N,6.87。実測値:C,50.75;H,5.26;N
,6.83。実施例19:(2S,3S)−1−[2−N−(4−メトキシカルボニルフェニ ル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、81.3%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.99(2H,d,J=8.1
Hz),7.40−7.29(7H,m),4.35−4.25(1H,m),
3.91(3H,s),3.79(1H,d,J=13.9Hz),3.70(
1H,dd,J=3.3,10.6Hz),3.57(1H,d,J=13.9
Hz),2.85(1H,dd,J=10.6,12.1Hz),2.85−2
.81(1H,m),2.62−2.52(2H,m),2.30(1H,dd
,J=3.3,12.1Hz),2.27−2.00(4H,m),1.80−
1.65(1H,m)。
IR(neat):3280,3200,1720cm-1。実施例20:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(4− メトキシカルボニルフェニル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、78.5%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.83(2H,d,J=8.1
Hz),7.39−6.90(10H,m),6.30−6.15(1H,m)
,4.60−4.10(3H,m),3.90(3H,s),3.68(1H,
t,J=11.7Hz),3.63−3.45(2H,m),3.30−3.1
7(2H,m),3.10−2.95(2H,m),2.74(1H,br.s
),2.35−2.20(1H,m),2.05−1.90(1H,m)。
IR(neat):3400,1720,1650cm-1。
塩酸塩:非結晶固体
C29H31Cl2N2O4・HCl−0.7H2Oに対する分析理論値:C,58.
88;H,5.69;N,4.74。実測値:C,58.56;H,5.24;
N,4,65。実施例21:(2S,3S)−1−(2−N−シアノメチルアミノ−2−フェニ ルエチル)−3−ヒドロキシピロリジン
水(1ml)中の重硫酸ナトリウム(1.249g,12mmol)の撹拌し
た溶液に、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.9ml,12mmol)を0℃
で加え、そしてその混合物を室温で0.5時間撹拌した。次に、その混合物に(
2S,3S)−1−(2−フェニルエチル)−3−ヒドロキシピロリジン(2.
48g,12mmol)を加え、そして得られた混合物を50℃で0.5時間撹
拌した。室温まで冷却した後に、その反応混合物にKCN(781.4mg,1
2mmol)の水溶液を加え、2時間撹拌し続けた。この反応混合物を水(30
ml)で希釈し、ジクロロメタン(20ml×3)で抽出した。抽出物を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。溶媒を除去し
て、黄色油状体2.20gを得た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル=70g,溶出液としてジクロロメタン/メタノール=50/1)によ
って精製して、無色粘性油状体1.725g(58.6%)を得た。前記の油状
体は、
徐々に結晶化した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.39−7.27(5H,m)
,4.40−4.35(1H,m),3.96(1H,dd,J=3.3,11
.4Hz),3.67(1H,d,J=17.6Hz),3.24(1H,d,
J=17.6Hz),3.17−3.09(1H,m),2.87(1H,ap
pt,J=11.7Hz),2.75(1H,dd,J=4.8,9.9Hz)
,2.67(1H,br.d,J=8.4Hz),2.36(1H,dd,J=
3.3,12.1Hz),2.31−2.10(3H,m),1.90(1H,
br.s),1.88−1.75(1H,m)。
IR(neat):3300,2230cm-1。実施例22:N−シアノメチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2 −(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエ チル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、46.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.00(8H,m)
,6.09(0.7H,br.s),5.31(0.3H,br.s),5.0
9(1H,br.s),4.45(1H,Br.d,J=16.9Hz),4.
40−4.25(1H,m),4.15−3.70(4H,m;3.95ppm
で1H,br.d,J=16.1Hzを含む),3.65−2.55(4H,m
),2.50−1.70(4H,m)。
13C NMR(CDCl3)d171.2,137.4,134,0,132
.7,131.4,131.1,130.6,129.3,128.6,127
.3,126.3,116.7,71.2,63.2,59.9,57.9,5
1.9,39.4,35.0,31.0。
IR(neat):3450,2250,1660cm-1。
MS m/e(%):432(<4),189(22),161(93),1
59(100),145(39),143(35),132(32),125(
31),123(37),117(30),100(99)。調製例4:3−(S)−メトキシメトキシピロリジン
THF(50ml)中のN−ベンジル−3−(S)−ヒドロキシピロリジン(
4.785g,27mmol)の撹拌した溶液に、室温で、窒素雰囲気下で水素
化ナトリウム(60%油性懸濁液,1.12g,28mmol)を少しづつ加え
た。次に、この懸濁混合物を1時間還流した。この反応混合物にクロロメチルメ
チルエーテル(2.3ml,30mmol)を加え、そして13時間還流を続け
た。室温まで冷却した後に、その反応混合物に水(10ml)を加えて、溶液混
合物を得て、この溶液混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸
エチル(30ml×3)で抽出し、そして乾燥(硫酸ナトリウム)した。溶媒を
蒸発させて、褐色油状体6.33gを得た。この油状体をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル=150g,溶出液としてジクロロメタン/メタノール=20
/l)によって精製して、褐色透明油状体5.09g(85%)を得た。メタノ
ール(100ml)中の、前記の油状体(5.09g,23mmol)及びパー
ルマン触媒(2.00g)の懸濁混合物を、水素雰囲気下で、室温で15時間撹
拌した。セライトろ過によって触媒を除去した後に、ろ液を濃縮して、油状体と
水との混合物を得た。この混合物を真空条件下で乾燥して、オレンジ色の油状体
2.76g(91.4%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ4.65(1H,d,J=7.0
Hz),4.63(1H,d,J=6.6Hz),4.30−4.24(1H,
m),3.37(3H,s),3.21(1H,br.s),3.17−2.8
6(4H,m),1.98−1.80(2H,m)。
IR(neat):3300cm-1。調製例5:(S)−フェニルグリシル−3−(S)−メトキシメトキシピロリジ ン
この化合物は、3−(S)−メトキシメトキシピロリジン及びN−ベンジルオ
キシカルボニル−(S)−フェニルグリシンを用いて、調製例1に記載の手順と
同様の手順に従って、61.8%の収率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.36−7.29(5H,m)
,4.66及び4.63,並びに4.46及び4.35(合計2H,いずれもd
,
J=7.0Hz),4.56及び4.50(合計1H,いずれもbr.s),4
.27−4.20(1H,m),3.81−3.14(4H,m),3.36及
び3.10(合計3H,いずれもs),2.10−1.80(2H,m),2.
00(2H,br.s)。
IR(neat):3350,3300,1650cm-1。調製例6:(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニルエチル)−R−( メトキシメトキシ)ピロリジン
この化合物は、調製例2に記載の手順と同様の手順に従って、97.7%の収
率で調製した。
1H HMR(270MHz,CDCl3)δ7.39−7.24(5H,m)
,4.66(1H,d,J=6.6Hz),4.63(1H,d,J=7.0H
z),4.30−4.23(1H,m),4.08(1H,dd,J=3.3,
10.3Hz),3.37(3H,s),3.00−2.80(2H,m),2
.74(1H,dd,J=10.3,11.7Hz),2.60−2.45(2
H,m),2.41(1H,dd,J=3.3,11.7Hz),2.21−2
.04(1H,m),1.95−1.75(3H,m)。
IR(neat):3400cm-1。実施例23:(2S,3S)−1−[2−N−(2,2−ジフルオロエチルアミ ノ)−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニルエチル)−3−(メトキシ
メトキシ)ピロリジン(0.77g,3.08mmol)及び2,2−ジフルオ
ロ酢酸(0.21ml,3.3mmol)の撹拌した溶液に、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.63g,3.3m
mol)を室温で加えた。4時間撹拌した後に、反応混合物をジクロロメタン(
20ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、乾燥
(硫酸ナトリウム)し、そして濃縮して、褐色粘性油状体1.05gを得た。こ
の油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=100g,溶出液としてジ
クロロメタン/メタノール=40/1)によって精製して、褐色粘性油状体0.
69g(68.3%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.37−7.25(5H,m)
,5.91(1H,t,JH,F=54.2Hz),4.95−4.85(1H,
m),4.63(1H,d,J=6.6Hz),4.59(1H,d,J=6.
6Hz),4.26−4.19(1H,m),3.35(3H,s),2.96
−2.69(4H,m),2.56−2.43(2H,m),2.18−2.0
3(1H,m),1.87−1.75(1H,m),1.72(1H,br.s
)。
IR(neat):3300,1700cm-1。
THF(6ml)中の前記のアミド誘導体(0.69g,2.1mmol)の
撹拌した溶液に、BH3・Me2S(0.6ml,6.3mmol)を室温で加え
、そして5時間還流した。室温まで冷却した後に、1N−HCl(10ml)を
慎重に滴下し、そして得られた混合物を2時間還流した。室温まで冷却した後に
、反応混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH12まで塩基性化し、そして
ジクロロメタン(20ml×3)で抽出した。この抽出物を乾燥(硫酸ナトリウ
ム)し、そして濃縮して、黄色粘性油状体として標記化合物566mg(67.
9%,2工程用)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.37−7.23(5H,m)
,5.76(1H,ddt,J=3.3,5.1,56.1Hz),4.40−
4.25(1H,m),3.80(1H,dd,J=3.7,10.6Hz),
3.77−3.70(1H,m),2.99(1H,dt,J=5.5,8.8
Hz),2.95−2.45(4H,m),2.82(1H,dd,J=11.
0,12.1Hz),2.36−1.95(3H,m),1.90−1.70(
2H,m)。
IR(neat):3400,3330cm-1。実施例24:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2,2−ジフルオロエ チル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−( S)−フェニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、62.7%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.43−7.26(6H,m)
,7.15−7.09(2H,m),6.13(0.5H,dd,J=5.5,
1
1.0Hz),6.03(0.5H,ddt,J=2.9,5.1,55.0H
z),5.27(0.5H,ddt,J=4.4,4.8,56.4Hz),5
.05(0.5H,dd,J=6.6,7.7Hz),4.35−4.25(1
H,m),3.86(1H,s),3.84(0.5H,d,J=15.8Hz
),3.75(0.5H,d,J=15.8Hz),3.70−2.60(7H
,m),1.80−1.65(1H,m)。
IR(neat):3450,1650cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C22H24Cl2F2N2O2・HCl−H2Oに対する分析理論値:C,51.6
3;H,5.32;N,5.47。実測値:C,51.94;H,5.40;N
,5.51。調製例27:(2S,3S)−1−[2−N−(2−フルオロエチルアミノ)− 2−フェニルエチル]−3−(メトキシメトキシ)ピロリジン
DMF(5ml)中の(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニルエチ
ル)−3−(メトキシメトキシ)ピロリジン(1.01g,4mmol)、2−
ブロモフルオロエタン(0.90ml,12mmol)、及びK2CO3(0.6
9g,5mmol)の混合物を、70℃で13時間撹拌した。この反応混合物を
水(10ml)で希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH12まで塩基性化
し、そしてジクロロメタン(30ml×3)で抽出した。この抽出物を乾燥(硫
酸ナトリウム)し、そして真空条件下で濃縮して暗褐色粘性油状体1.00gを
得た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=100g,溶出液
としてジクロロメタン/メタノール=30/1)によって精製して、褐色粘性油
状体0.51g(43%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.25(5H,m)
,4.66(1H,d,J=7.0Hz),4.63(1H,d,J=7.0H
z),4.60−4.22(3H,m),3.77(1H,dd,J=3.3,
10.3Hz),3.38(3H,s),2.98(1H,dd,J=6.2,
10.3Hz),2.94−2.49(6H,m),2.34(1H,dd,J
=3.7,12.1Hz),2.20−2.06(1H,m),1.90−1.
78(1
H,m),1.56(1H,br.s)。
IR(neat):3320cm-1。実施例25:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2−フルオロエチル) −N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)− フェニルエチル]アセトアミド
ジクロロメタン(10ml)中の(2S,3S)−1−[2−N−(2−フル
オロエチルアミノ)−2−フェニルエチル]−3−(メトキシメトキシ)ピロリ
ジン(0.7g,2.6mmol)及びトリエチルアミン(0.56ml,4m
mol)の撹拌した溶液に、3,4−ジクロロフェニルアセチルクロライド[3
,4−ジクロロフェニル酢酸(0.82g,4mmol)及び塩化チオニル(0
.36ml,5mmol)から調製した]を室温で加えた。20分後に、その反
応混合物をジクロロメタン(20ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、そして乾燥(硫酸ナトリウム)した。溶媒を蒸発して、褐色油状体
1.96gを得た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=10
0g,溶出液としてジクロロメタン/メタノール=20/1)によって精製して
、黄色粘性油状体0.81g(64.3%)を得た。この油状体に、HClガス
飽和メタノール溶液(10ml)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発さ
せ、残さを1N水酸化ナトリウム水溶液でpH11まで塩基性化し、そしてジク
ロロメタン(20ml×2)で抽出した。乾燥(硫酸ナトリウム)後に、溶媒を
蒸発させて、褐色粘性油状体0.78gを得た。この油状体をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル=100g,溶出液としてジクロロメタン/メタノール=
40/l)によって精製して、黄色透明粘性油状体0.598g(81.5%)
を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41−7.26(6H,m)
,7.20−7.09(2H,m),6.10(0.6H,dd,J=5.9,
10.6Hz),5.03(0.4H,t,J=7.3Hz),4.70−3.
90(3H,m),3.83(0.6H,d,J=15.4Hz),3.83(
0.8H,s),3.75(0.6H,d,J=15.8Hz),3.72−3
.25(2H,m),3.22−2.98(2H,m),2.94−2.80(
1H,m),2.75−2.08(5H,m),1.80−1.65(1H,m
)。
IR(neat):3400,1640cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C22H25Cl2FN2O2・HCl・2H2Oに対する分析理論値:C,51.6
3;H,5.91;N,5.47。実測値:C,51.95;H,5.64;N
,5.42。実施例26:(2S,3S)−1−(2−N−ベンジルアミノ−2−フェニルエ チル)−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、100%の収率
で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.43−7.22(10H,m
),4.30−4.25(1H,m),3.77(1H,d,J=13.6Hz
),3.73(1H,dd,J=3.7,11.0Hz),3,49(1H,d
,J=13.6Hz),2.87(1H,dd,J=11.0,12.1Hz)
,2.85−2.75(1H,m),2.64−2.51(2H,m),2.3
8(2H,br.s),2.30(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),
2.23−2.07(2H,m),1.77−1.65(1H,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例7:N−ベンジル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3 −(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル] アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、62.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.40−6.78(13H,m
),6.27(1H,br.d,J=8.1Hz),4.93(1H,br.d
,J=17.6Hz),4.65−4.50(2H,m),4.20−3.95
(2H,m),3.85−3.60(3H,m),3.55−3.15(4H,
m),2.50−2.35(1H,m),2.30−2.10(1H,m)。
IR(KBr):3330,1640cm-1。
塩酸塩:非結晶固体
C27H28Cl2N2O2・HCl・H2Oに対する分析理論値:C,60.29;
H,5.81;N,5.21。実測値:C,60.49;H,5.38;N,5
.24。実施例28:N−カルバモイルメチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N −[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェ ニルエチル]アセトアミド
N−シアノメチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(
S)−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]ア
セトアミド(2.54g,5.9mmol)及びHClガス飽和メタノール(2
0ml)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、NH3
水溶液で塩基性化し、そしてジクロロメタン(30ml×3)で抽出した。乾
燥(硫酸ナトリウム)した後に、溶媒を蒸発させて、褐色粘性油状体を得た。こ
の油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=100g,溶出液としてジ
クロロメタン/メタノール=30/1から15/1)によって精製して、淡黄色
粘性油状体1.25g(47.3%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ10.14(1H,br.s),
7.40−7.09(8H,m),6.31(1H,dd,J=3.3,12.
8Hz),5.70(1H,br.s),4.42(1H,m),3.80−3
.55(4H,m),3.50−3.40(1H,m),3.35(1H,ap
pt,J=12.8Hz),2.76(1H,J=10.3Hz),2.75−
2.64(2H,m;2.67ppmで1H,dd,J=3.3,12.8Hz
を含む),2.30−2.15(2H,m),1.90−1.70(2H,m)
。
13C NMR(CDCl3)δ173.2,172.1,137.4,134
.5,132.5,131.1,130.4,128.94,128.86,1
28.6,128.3,127.1,70.4,63.1,53.9,53.4
,51.4,47.7,39.8,34.7。
IR(KBr):3400,1690,1650cm-1。
MS m/e(%):450(3),431(2),429(3),408(
2),406(3),363(4),243(3),189(75),163(
99),
161(94),159(99),132(36),125(55),118(
100),104(95),101(98),91(91),89(70),8
2(61)。
塩酸塩:非結晶固体
C22H25Cl2N3O3・HCl・H2Oに対する分析理論値:C,52.34;
H,5.59;N,8.32。実測値:C,52.41:H,5.38;N,7
.96。実施例29:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−[2−N−(2−メトキシ エチルアミノ)−2−フェニルエチル]ピロリジン
ジクロロメタン(10ml)中の、(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−
フェニルエチル)−3−ヒドロキシピロリジン(0.619g,3mmol)及
び2−メトキシ酢酸(0.23ml,3mmol)の撹拌した溶液に、1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.863g
,4.5mmol)を室温で加えた。0.5時間撹拌した後に、その反応混合物
を水(50ml)で希釈し、そしてジクロロメタン(30ml×3)で抽出した
。抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥(硫酸ナ
トリウム)し、そして濃縮して、黄色透明粘性油状体0.711gを得た。この
油状体を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル=40g,溶出液としてジク
ロロメタン/メタノール=30/1)によって精製して、淡黄色粘性油状体0.
44g(52.7%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.35−7.22(6H,m)
,5.07−4.99(1H,m),4.30−4.20(1H,m),3.9
1(2H,s),3,42(3H,s),3.02(1H,s),2.94−2
.85(2H,m),2.67(1H,dd,J=5.1,12.5Hz),2
.60(2H,d,J=4.4Hz),2.36−2.27(1H,m),2.
17−2.07(1H,m),1.71−1.66(1H,m)。
IR(neat):3350,3270,1660cm-1。
THF(10ml)中の水素化リチウムアルミニウム(0.24g,6mmo
l)の撹拌した懸濁液に、THF(20ml)中の前記のアミド誘導体(0.4
4g,1.58mmol)の溶液を室温で滴下し、そしてこの混合物を3.5時
間還流した。室温まで冷却した後に、反応混合物にNa2SO4・10H2O(2
.00g)及びKF(0.2g)を加えた。20分間撹拌した後に、出現した固
体をセライトろ過によって除去した。そのろ液を濃縮し、残さをカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル=12g,溶出液としてジクロロメタン/メタノール=
30/1)によって精製して、淡黄色粘性油状体0.118g(28.2%)を
得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.39−7.23(5H,m)
,4.35−4.26(1H,m),3.78(1H,dd,J=3.7,10
.6Hz),3.53−3.40(2H,m),3.35(3H,s),3.1
0−3.00(1H,m),2.95−2.85(3H,m),2.87−2.
60(4H,m),2.38(1H,dd,J=3.9,12.1Hz),2.
33−2.15(2H,m),1.85−1.73(1H,m)。
IR(neat):3400,3330cm-1。実施例30:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2− メトキシエチル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、77.2%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.40−7.25(6H,m)
,7.18−7.05(2H,m),5.93(0.8H,dd,J=5.9,
9.9Hz),5.00(0.2H,t),4.35−4.25(1H,m),
3.82(1H,d,J=15.4Hz),3.75(1H,d,J=15.4
Hz),3.55−2.55(13H,m;3.19ppmで2.4H,sを含
む),2.50−2.35(1H,m),2.25−2.10(1H,m),1
.85−1.70(1H,m)。
IR(neat):3400,1640cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C23H28Cl2N2O3・HCl・2.2H2Oに対する分析理論値:C,52.
37;H,6.38;N,5.31。実測値:C,52.29;H,6.40;
N,5.32。実施例31:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−[2−N−(2−メチルチ オエチルアミノ)−2−フェニルエチル]ピロリジン
この化合物は、実施例29に記載の手順と同様の手順に従って、50.5%の
収率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.24(5H,m)
,4.35−4.26(1H,m),3.75(1H,dd,J=3.7,10
.6Hz),3.10−3.00(1H,m),2.85(1H,dd,J=1
0.6,12.1Hz),2.75−2.55(5H,m),2.41−2.1
5(6H,m;2.38ppmで1H,dd,J=4.0,12.1Hzを含む
),2.05(3H,s),1.85−1.70(1H,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例32:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2− メチルチオエチル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、64.8%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.45−7.25(6H,m)
,7.18−7.10(2H,m),6.06(0.6H,dd,J=5.9,
10.3Hz),5.02(0.4H,dd,J=6.2,8.4Hz),4.
38−4.25(1H,m),3.83(0.8H,s),3.76(0.6H
,d,J=15.4Hz),3.68(0.6H,d,J=15.4Hz),3
.50−1.65(16H,m;1.99ppmで1.2H,s及び1.96p
pmで1.8H,sを含む),2.50−2.35(1H,m),2.25−2
.10(1H,m),1.85−1.70(1H,m)。
IR(neat):3450,1640cm-1。
塩酸塩:融点=195−197.5℃。
C23H28Cl2N2O2S・HCl・0.5H2Oに対する分析理論値:C,5
3.86;H,5.90;N,5.46。実測値:C,54.08;H,5.9
1;N,5.39。実施例33:(2S,3S)−1−[2−N−(2−N,N−ジメチルアミノエ チルアミノ)−2−フェニルエチル]−3−メトキシメトキシピロリジン
この化合物は、実施例29に記載の手順と同様の手順に従って、53.1%の
収率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.39−7.20(5H,m)
,4.65(1H,d,J=7.0Hz),4.62(1H,d,J=6.6H
z),4.28−4.21(1H,m),3.70(1H,dd,J=3.7,
10.6Hz),3.37(3H,s),2.95(1H,dd,J=6.2,
9.9Hz),2.82(1H,dd,J=10.6,11.7Hz),2.8
0−2.71(1H,m),2.59−2.45(4H,m),2.42−2.
30(4H,m),2.18(6H,s),2.16−2.05(1H,m),
1.85−1.75(1H,m)。
IR(neat):3300cm-1。実施例34:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2−N.N−ジメチル アミノエチル−アミノ)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1 −イル)−1−(S)−フェニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例1及び実施例25に記載の手順と同様の手順に従って、
88%の収率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41−7.08(8H,m)
,6.03(0.7H,dd,J=5.9,9.9Hz),5.01(0.3H
,dd,J=7.0,7.3Hz),4.32−4.22(1H,m),3.7
9(0.6H,s),3.77(0.7H,d,J=15.4Hz),3.70
(0.7H,d,J=15.4Hz),3.36(0.6H,app.t,J=
7.0Hz),3.20(1.4H,app.t,J=7.3Hz),3.15
−3.00(2H,m),2.95−2.80(1H,m),2.75−2.5
0(2H,m),2.50−1.61(6H,m),2.11(1.8H,s)
,2.09(4.2H,s)。
IR(neat):3400,1640cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C24H31Cl2N3O2・2HCl・1.3H2Oに対する分析理論値:C,51
.40;H,6.40;N,7.49。実測値:C,51.79;H,7.01
;N,7.58。実施例35:(2S,3S)−1−[2−N−(2,2−ジメトキシエチルアミ ノ)−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
この化合物は、実施例2に記載の手順と同様の手順に従って、66%の収率で
調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.38−7.22(5H,m)
,4.45(1H,t,J=5.1Hz),4.33−4.27(1H,m),
3.74(1H,dd,J=3.7,10.6Hz),3.36(3H,s),
3.30(3H,s),3.08−3.00(1H,m),2.85(1H,d
d,J=10.6,12.1Hz),2.71(1H,br.d,J=9.5H
z),2.65−2.55(3H,m;2.61ppmで2H,d,J=5.1
Hzを含む),2.37(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),2.32
−2.12(4H,m),1.81−1.72(1H,m)。
IR(neat):3400,3300cm-1。実施例36:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(2,2−ジメトキシエ チル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−( S−フェニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、91.2%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41−7.10(8H,m)
,6.09(1H,dd,J=5.9,9.9Hz),4.35−4.25(1
H,m),3.94(1H,d,J=15.4Hz),3.85(1H,d,J
=15.8Hz),3.59(1H,t,J=5.1Hz),3.34−3.1
5(3H,m),3.22(3H,s),3.18(3H,s),3.10−3
.00(1H,m),2.86(1H,dd,J=5.9,12.5Hz),2
.76
−2.63(2H,m),2.40−2.25(1H,m),2.20−2.0
8(1H,m),1.90−1.65(2H,m)。
IR(neat):3450,1640cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C24H30Cl2N2O4C4H4O42H2Oに対する分析理論値:C,53.09
;H,6.05;N,4.92。実測値:C,53,47;H,6.04;N,
4.51。実施例37:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−[2−フェニルエチル−2 −N−(2−ピロリル)メチル−アミノ]ピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、100%の収率
で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ9.29(1H,br.s),7
.37−7.25(5H,m),6.75(1H,d,J=1.5Hz),6.
12(1H,dd,J=2.6,5.5Hz),5.97(1H,br.s),
4.35−4.25(1H,m),3.78(1H,d,J=13.9Hz),
3.73(1H,dd,J=3.3,11.3Hz),3.55(1H,d,J
=13.9Hz),3.31(2H,br.s),2.92(1H,dd,J=
11.7,12.1Hz),2.87−2.77(2H,m),2.52(1H
,dd,J=4.8,9.9Hz),2.30(1H,dd,J=3.3,12
.1Hz),2.25−2.02(2H,m),1.83−1.73(1H,m
)。
IR(neat):3300cm-1。実施例38:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−3−(S)−ヒド ロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(2−ピ ロリル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、81.3%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ12.00(1H,br.s),
7.45−7.25(6H,m),7.08(1H,d,J=1.5Hz),6
.87(1H,dd,J=1.5,8.1Hz),6.80−6.75(1H,
m),
6.38(1H,dd,J=3.7,12.8Hz),6.13(1H,dd,
J=2.6,5.1Hz),5.99(1H,br.s),4.58−4.50
(1H,m),4.15(2H,s),3.65−3,40(4H,m),3.
00−2.90(2H,m),2.80−2.65(2H,m),2.40−2
.25(2H,m),1.90−1.65(2H,m)。
IR(neat):3450,1630cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C25H27Cl2N3O2C4H4O4H2Oに対する分析理論値:C,57.43;
H,5.48;N,6.93。実測値:C,57.46;H,5.41;N,6
.95。実施例39:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−「2−N−(1−メチル− 2−ピロリル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]ピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、100%の収率
で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.43−7.24(5H,m)
,6.55(1H,dd,J=1.8,2.6Hz),6.05−5.99(2
H,m),4.30−4.25(1H,m),3.75(1H,dd,J=3.
7,10.6Hz),3.61(1H,d,J=13.9Hz),3.55(3
H,s),3,49(1H,d,J=13.6Hz),2.87−2.81(1
H,m),2.81(1H,dd,J=10.6,12.1Hz),2.62−
2.53(2H,m),2.29(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),
2.27−2.08(2H,m),1.99(2H,br.s),1.76−1
.65(1H,m)。
IR(neat):3250cm-1。実施例40:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(1− メチル−2−ピロリル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、57.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ7.54(1H,d,J=8
.1Hz),7.39(1H,br.s),7.35−7.20(5H,m),
7.17(1H,br.d,J=8.4Hz),6.59(1H,br.s),
5.85−5.70(2H,m),5.60−5.50(1H,m),4.75
−4.60(1H,m),4.42(2H,ABq),4.13(1H,br.
s),3.70(1H,s),3,41(3H,s),3.10−2.75(3
H,m),2.65−2.20(4H,m),2.00−1.85(1H,m)
,1.55−1.45(1H,m)。
IR(neat):3450,1640cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C25H27Cl2N3O2C4H4O41.5H2Oに対する分析理論値:C,57.
24;H,5.76;N,6.67。実測値:C,57.17;H,5.40;
N,6.52。実施例41:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−[2−N−(メトキシカル ボニル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]ピロリジン
この化合物は、調製例3に記載の手順と同様の手順に従って、81.4%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.36−7.24(5H,m)
,4.37−4.30(1H,m),3.82(1H,dd,J=3.7,11
.0Hz),3.69(3H,s),3.39(1H,d,J=17.9Hz)
,3.22−3.15(1H,m),3.18(1H,d,J=17.6Hz)
,2.86(1H,dd,J=11.0,12.1Hz),2.73(1H,d
d,4.8,9.9Hz),2.66(1H,br.d,J=8.1Hz),2
.60−2.15(5H,m;2.32ppmで1H,dd,J=3.7,12
.1Hzを含む),1.82−1.75(1H,m)。実施例42:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−メトキ シカルボニルメチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、57.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.41−7.20(6H,m)
,7.16−7.08(2H,m),6.03(0.5H,dd,J=5.9,
10.3Hz),4.99(0.5H,dd,J=6.2,8.8Hz),4.
28(0.5H,d,J=16.9Hz),4.30−4.20(1H,m),
3.90(1H,s),3.87(0.5H,d,J=16.9Hz),3.7
7(0.5H,d,J=12.5Hz),3.75(1H,s),3.72(0
.5H,d,J=12.5Hz),3.68(1.5H,s),3.63(1.
5H,s),3.16−2.42(5H,m),2.27−1.65(4H,m
)。
IR(neat):3450,1750,1650cm-1。
塩酸塩:融点=169−172℃。
C23H26Cl2N2O4・HCl・0.5H2Oに対する分析理論値:C,54.
08;H,5.52;N,5.48。実測値:C,54,39;H,5.49;
N,5.53。実施例43:(2S,3S)−1−[2−N−(2−シアノエチルアミノ)−2 −フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
エタノール(6ml)中の、(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニ
ルエチル)−3−ヒドロキシピロリジン(0.619g,3mmol)及びアク
リロニトリル(1ml,15mmol)の混合物を室温で13時間撹拌した。溶
媒を蒸発させて、黄色固体0.786mg(100%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.39−7.24(5H,m)
,4.37−4.32(1H,m),3.76(1H,dd,J=3.7,11
.0Hz),3.08−3.00(1H,m),2.90−2.72(3H,m
;2.82ppmで1H,dd,J=11.0,12.1Hzを含む),2.6
9(2H,d,J=3.7Hz),2.53−2.14(7H,m;2.34p
pmで1H,dd,J=3.7,12.1Hzを含む),1.83−1.73(
1H,m)。
IR(neat):3350,3280,2250cm-1。実施例44:N−2−シアノエチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N− [2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル) −1−(S)−フェ ニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例29に記載の手順と同様の手順に従って、93.3%の
収率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.42−7.06(8H,m)
,6.11(0.3H,dd,J=4.8,11.4Hz),5.03(0.7
H,dd,J=5.9,9.2Hz),4.40−4.28(1H,m),3.
85−3,40(4H,m;3.77ppmで2H,br.sを含む),3.3
0−2.60(5H,m),2.45−2.08(4H,m),1.90(1H
,br.s),1.80−1.65(1H,m)。
IR(neat):3450,2250,1650cm-1。
マレイン酸塩:非結晶固体。
C23H25Cl2N3O2C4H4O4H2Oに対する分析理論値:C,55.87;
H,5.38;N,7.24。実測値:C,56.12;H,5.35;N,7
.26。実施例45:2−(ベンゾ[b]フラン−4−イル)−N−[2−(3−(S) −ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−メ トキシカルボニルメチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、83.7%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって1:1
ロタマー(rotamer)混合物として現れる)δ7.64(0.5H,d,
J=2.2Hz),7.61(0.5H,d,J=2.2Hz),7.46−7
.40(1H,m),7.35−7.20(6.5H,m),7.10−7.0
5(1.5H,m),6.88(0.5H,d,J=2.2Hz),6.85(
0.5H,d,J=2.2Hz),6.09(0.5H,dd,J=5.9,1
0.6Hz),5.09(0.5H,dd,J=7.3,8.1Hz),4.2
6(0.5H,d,J=16.5Hz),4.24−4.10(1H,m),4
.07−3.84(3H,m;4.02ppmで1H,s及び3.92ppmで
1H,s
を含む),3.81(0.5H,d,J=16.5Hz),3.65(1.5H
,s),3.61(1.5H,s),3.18−3.09(1H,m),2.9
5−1.55(8H,m)。
IR(KBr):3420,1740,1635cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C25H28N2O5・C4H4O4・0.5H2Oに対する分析理論値:C,62.0
2;H,5.92;N,4.99。実測値:C,62.08;H,5.80;N
,4.97。実施例46:N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1 −(S)−フェニルエチル]−N−メトキシカルボニルメチル−2−(4−トリ フルオロメチルフェニル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、87.9%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって1:1
ロタマー混合物として現れた)δ7.60(1H,d,J=8.4Hz),7.
57(1H,d,J=8.8Hz),7.43(1H,d,J=8.1Hz),
7.37(1H,d,J=8.1Hz),7.34−7.26(4H,m),7
.10(1H,d,J=2.2,7.7Hz),6.05(0.5H,dd,J
=5.9,10.6Hz),5.00(0.5H,dd,J=7.0,8.1H
z),4.25(0.5H,d,J=16.8Hz),4.30−4.15(1
H,m),3.95−3.73(3.5H,m),3.67(1.5H,s),
3.62(1.5H,s),3.20−3.05(1H,m),3.00−1.
55(8H,m)。
IR(neat):3450,1750,1650cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C24H27F3N2O4・C4H4O4・0.5H2Oに対する分析理論値:C,57
.04;H,5.47;N,4.75。実測値:C,57.23;H,5.31
;N,4.70。実施例47:N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1 −(S)−フェニルエチル]−N−メトキシカルボニルメチル−2−(3−ニト ロフェニル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、97.8%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって1:1
ロタマー混合物として現れた)δ8.13−8.06(2H,m),7.64(
1H,br.d,J=7.0Hz),7.50(1H,dd,J=7.7,8.
8Hz),7.40−7.15(5H,m),6.05(0.5H,dd,J=
5.9,10.6Hz),5.06(0.5H,dd,J=6.2,8.8Hz
),4.29(0.5H,d,J=16.8Hz),4.30−4.20(1H
,m),3.97(1H,s),3.97−3.87(2H,m;3.92pp
mで1H,dd,J=4.0,9.5Hzを含む),3.78(0.5H,d,
J=15.7Hz),3.68(1.5H,s),3.66(1.5H,s),
3.20−2.46(5H,m),2.32−1.65(4H,m)。
IR(neat):3450,1750,1650cm-1。
フマル酸塩:融点=78−80.5℃。
C23H27N3O6・C4H4O4・H2Oに対する分析理論値:C,56.34;H
,5.78;N,7.30。実測値:C,56.62;H,5.83;N,7.
07。実施例48:2−(3−ブロモフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒドロキ シピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−メトキシカル ボニルメチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、82.7%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって1:1
ロタマー混合物として現れた)δ7.48−7.10(9H,m),6.05(
0.5H,dd,J=5.9,10.6Hz),4.97(0.5H,dd,J
=6.6,8.4Hz),4.30(0.5H,d,J=16.9Hz),4.
27−4.15(1H,m),3.89(1H,s),3.86(0.5H,d
,J=18.3Hz),3.80−3.72(2H,m),3.69(1.5H
,s),
3.62(1.5H,s),3.16−2.52(4.5H,m),2.39(
0.5H,dd,J=4.8,9.5Hz),2.25−2.00(2.5H,
m),1.80−1.60(1.5H,m)。
IR(neat):3450,1750,1650cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C23H27BrN2O4・C4H4O4・H2Oに対する分析理論値:C,53.21
;H,5.46;N,4.60。実測値:C,53.43;H,5.26;N,
4.36。実施例49:N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1 −(S)−フェニルエチル]−N−メトキシカルボニルメチル−2−(2,3, 6−トリクロロフェニル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、67.2%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって3:2
ロタマー混合物として現れた)δ7.45−7.25(7H,m),6.04(
0.6H,dd,J=5.9,10.3Hz),5.24(0.4H,dd,J
=5.5,8.8Hz),4.35−3.80(5H,m),3.68(1.8
H,s),3.63(1.2H,s),3.21−3.02(2H,m),2.
85−2.05(5H,m),1.90−1.60(2H,m)。
IR(neat):3450,1740,1660cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C23H25C13N2O4・C4H4O4・H2Oに対する分析理論値:C,51.16
;H,4.93;N,4.42。実測値:C,51.38;H,4.96;N,
4.29。実施例50:N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1 −(S)−フェニルエチル]−N−メトキシカルボニルメチル−2−(1−ナフ チル)アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、70.2%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって1:1
ロタマー混合物として現れた)δ7.98(0.5H,d,J=7.7Hz),
7.90−7.75(2.5H,m),7.65−7.15(9H,m),6.
14(0.5H,dd,J=5.5,10.6Hz),5.06(0.5H,d
d,J=6.6,8.4Hz),4.40−4.13(3.5H,m),3.9
5(1H,s),3.88(0.5H,d,J=16.9Hz),3.67(1
.5H,s),3.62(1.5H,s),3.25−1.95(7.5H,m
),1.80−1.60(1.5H,m)。
IR(KBr):3500,1740,1630cm-1。
フマル酸塩:融点=189.5−193.5℃。
C27H30N2O4・C4H4O4・0.5H2Oに対する分析理論値:C,65.1
4;H,6.17;N,4.90。実測値:C,65.35;H,6.04;N
,4.91。実施例51:(2S,3S)−1−[2−N−(1,2,4−オキサジアゾール −3−イル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
DMF(4ml)中の、2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン−1−イル
)−1−(S)−フェニルエチルアミン(0.619g,3mmol)、3−ク
ロロメチル−1,2,4−オキサジアゾール(533mg,4.5mmol)、
及びK2CO3(415g,3mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。こ
の反応混合物を水(30ml)中に注ぎ、そして酢酸エチル(20ml×3)で
抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、そして濃縮
して黄色油状体982mgを得た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル=40g,ジクロロメタン/メタノール=40/1から10/1)によ
って精製して、標記化合物347mg(40.1%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ8.69(1H,s),7.40
−7.25(5H,m),4.33−4.28(1H,m),3.93(1H,
d,J=15.4Hz),3.79(1H,d,J=15.4Hz),3.80
−3.75(1H,m),3.00−2.86(2H,m),2.70−2.6
0(2H,m),2.40−2.31(3H,m),2.29−2.10(2H
,
m),1.79−1.70(1H,m)。実施例52:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(12 ,4−オキサジアゾール−3−イル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、84.4%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって4:1
ロタマー混合物として現れた)δ8.66(0.8H,s),8.60(0.2
H,s),7.50−7.14(8H,m),6.15(0.8H,dd,J=
5.5,11.0Hz),5.11(0.2H,t,J=6.2Hz),4.9
0(0.2H,d,J=16.1Hz),4.48(0.2H,d,J=16.
1Hz),4.41(1.6H,s),4.25−3.85(3H,m),3.
27(0.8H,dd,J=11.7,12.5Hz),3.20−1.65(
8.2H,m)。
IR(neat):3450,1730,1650cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C23H24C12N4O3・C4H4O4・H2Oに対する分析理論値:C,53.21
;H,4.96;N,9.19。実測値:C,53.37;H,4.87;N,
9.12。実施例53:2−(ベンゾ[b]フラン−4−イル)−N−[2−(3(S)− ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(1 2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、61.1%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって3:1
ロタマー混合物として現れた)δ8.66(0.75H,s),8.59(0.
25H,s),7.62(1H,d,J=2.2Hz),7.43(1H,d,
J=8.1Hz),7.35−7.05(7H,m),6.94(0.75H,
d,J=1.1Hz),6.87(0.25H,d,J=1.1Hz),6.1
9(0.75H,dd,J=5.5,11.0Hz),5.20(0.25H,
d,J=6.2,8.8Hz),4.91(0.25H,d,J=16.1Hz
),4.48(0.75H,d,J=17.2Hz),4.41(0.25H,
d,J=16.1Hz),4.37(0.75H,d,J=17.2Hz),4
.33(1.5H,s),4.20−4.10(1.5H,m;4.11ppm
で0.5H,sを含む),3.30(0.75H,dd,J=11.7,12.
1Hz),3.20−1.55(8.25H,m;2.68ppmで0.75H
,dd,J=5.5,12.5Hzを含む)。
IR(neat):3450,1740,1650cm-1。
フマル酸塩:非結晶固体。
C25H26N4O4・C4H4O4・H2Oに対する分析理論値:C,59.99;H
,5.56;N,9.65。実測値:C,59.74;H,5.26;N,9.
40。実施例54:(2S,3S)−1−[2−N−(N’ N’−ジメチルアミノカ ルボニル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]−3−ヒドロキシピロリジン
DMF(4ml)中の、(2S,3S)−1−(2−アミノ−2−フェニルエ
チル)−3−ヒドロキシピロリジン(0.413g,2mmol)、2−クロロ
−N,N−ジメチルアセトアミド(292mg,2.4mmol)、及びK2C
O3(276mg,2mmol)の混合物を50℃で2.5時間撹拌した。この
反応混合物を水(10ml)中に注ぎ、そして酢酸エチル(20ml×3)で抽
出した。乾燥(硫酸ナトリウム)した後に、溶媒を蒸発させて、褐色油状体55
8mgを得た。この油状体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル=20g,
ジクロロメタン/メタノール=30/1から10/1)によって精製して、黄色
油状体94.4mg(33.4%)を得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.45−7.20(5H,m)
,4.40−4.25(1H,m),3.82(1H,br.d,J=8.4H
z),3.36(1H,d,J=16.5Hz),3.25−3.10(2H,
m;3.17ppmで1H,d,J=16.1Hzを含む),3.00−2.0
5(17H,m;2.95ppmで3H,sを含む),1.90−1.75(1
H,m)。
IR(neat):3400,1640cm-1。実施例55:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(N’,N’−ジメチル アミノカルボニル)メチル−N−[2−(3−(S)−ヒドロキシピロリジン− 1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]アセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、64.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって3:2
ロタマー混合物として現れた)δ7.41−7.12(8H,m),6.09(
0.6H,dd,J=6.4,9.2Hz),5.10(0.4H,t,J=7
.3Hz),4.37(0.4H,d,J=15.7Hz),4.30−4.2
0(1H,m),3.97−3.58(3.6H,m),3.30−1.70(
15H,m;2.98ppmで1.2H,s;2.93ppmで1.2H,s;
2.89ppmで1.8H,s;2.86ppmで1.8H,sを含む)。
IR(neat):3450,1650cm-1。
フマル酸塩:非結晶体。
C24H29C12N3O3・C4H4O4・1.2H2Oに対する分析理論値:C,54
.59;H,5.79;N,6.82。実測値:C,54.81;H,6.17
;N,6.84。実施例56:(2S,3S)−3−ヒドロキシ−1−[2−N−(6−メチルピ リジン−2−イル)メチルアミノ−2−フェニルエチル]ピロリジン
この化合物は、実施例9に記載の手順と同様の手順に従って、92.8%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ7.49(1H,t,J=7.7
Hz),7.45−7.25(5H,m),7.01(1H,d,J=7.7H
z),6.96(1H,d,J=7.7Hz),4.35−4.25(1H,m
),3.81(1H,d,J=13.9Hz),3.70(1H,dd,J=3
.7,11.0Hz),3.61(1H,d,J=14.3Hz),3.05−
2.85(5H,m;1H,dd,J=10.6,12.1Hzを含む),2.
71(1H,d,J=9.9Hz),2.65−2.55(4H,m;2.54
ppmで
3H,sを含む),2.33(1H,dd,J=3.7,12.1Hz),2.
25−2.10(2H,m),1.90−1.70(1H,m)。
IR(neat):3300Cm-1。実施例57:2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(3−(S)−ヒ ドロキシピロリジン−1−イル)−1−(S)−フェニルエチル]−N−(6− メチルピリジン−2−イル)メチルアセトアミド
この化合物は、実施例1に記載の手順と同様の手順に従って、57.6%の収
率で調製した。
1H NMR(270MHz,CDCl3,これは、アミド結合によって5:1
ロタマー混合物として現れた)δ7.45−6.90(11H,m),6.20
(0.8H,dd,J=5.1,9.9Hz),5.20−5.10(0.2H
,m),4.92(0.2H,d),4.43(1.6H,s),4.40(0
.2H,d),4.30−4.23(0.8H,m),4.20−4.15(0
.2H,m),4.02(0.4H,s),3.66(0.8H,d,J=15
.4Hz),3.58(0.8H,d,J=15.4Hz),3.30−3.0
8(2H,m),2.80−2.65(2H,m;2.75ppmで0.8H,
dd,J=5.1,12.5Hzを含む),2.60−1.55(8H,m;2
.50ppmで2.4H,sを含む)。
IR(neat):3400,1650cm-1。
塩酸塩:非結晶固体。
C27H29C12N3O2・2HCl・4.4H2Oに対する分析理論値:C,49
.84;H,6.17;N,6.46.実測値:C,49.58;H,6.36
;N,6.86。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/44 AAH 9454−4C A61K 31/44 AAH
C07D 207/335 9638−4C C07D 207/335
401/12 207 9159−4C 401/12 207
405/12 207 9159−4C 405/12 207
413/12 207 9159−4C 413/12 207
413/14 207 9159−4C 413/14 207