JPH0950952A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH0950952A
JPH0950952A JP7200800A JP20080095A JPH0950952A JP H0950952 A JPH0950952 A JP H0950952A JP 7200800 A JP7200800 A JP 7200800A JP 20080095 A JP20080095 A JP 20080095A JP H0950952 A JPH0950952 A JP H0950952A
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健爾 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気圧や投影光学系の周囲の温度等の環境変
化、又は露光用照明光の吸収等によって悪化する投影光
学系の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)を補正する。 【解決手段】 投影光学系PL1を構成するレンズエレ
メント25〜38A内でレンズエレメント36A,37
Aのみを蛍石より形成し、その他のレンズエレメントを
石英より構成する。レンズエレメント36A,37A及
びレンズ枠G2で囲まれた気体室に、温度制御装置13
aから温度制御された気体を供給し、その気体室を通過
した気体を温度制御装置13aに戻す。石英からなるレ
ンズエレメントに依って生ずる非線形倍率誤差を、レン
ズエレメント36A,37Aの温度制御によって除去
し、残留する線形倍率誤差を、レンズエレメント33,
34間の気体室内の気体の圧力制御によって除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用さ
れ、マスクパターンを投影光学系を介して感光基板上に
転写する投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC,LSI等の半導体素子等を製造す
るための投影露光装置は、マスクとしてのレチクルと、
感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)の各
ショット領域とを投影光学系を介して所定の位置関係に
位置決めし、一括で各ショット領域の全体にレチクルの
パターン像を露光するステップ・アンド・リピート方式
と、レチクルとウエハの各ショット領域とを投影光学系
に対して相対走査することにより、各ショット領域にレ
チクルのパターン像を逐次露光していくステップ・アン
ド・スキャン方式とに大別される。これら両方式は、レ
チクルのパターンを投影光学系を介して投影する点では
共通であり、ウエハ上にレチクルのパターンの像を如何
に正確に投影できるかが重要となる。
【0003】一般に、投影光学系を設計する際には所定
の条件下で光学的諸収差がほぼ0になるように設計され
るが、投影露光を行う際の環境が変化して投影光学系近
傍の大気圧や温度が変化するか、又は露光用照明光の照
射による熱吸収等があると、投影光学系を構成するレン
ズ間の気体の屈折率変化、レンズ膨張、レンズの屈折率
変化、及びレンズ鏡筒の膨張等が発生する。このため、
レチクルのパターンをウエハ上に投影するときに、その
投影像が投影光学系の光軸に垂直な方向にずれる現象で
あるディストーションが発生してしまう。このディスト
ーションは線形誤差(像高に対して結像位置が1次関数
的に変化する成分)と非線形誤差(線形誤差以外の成
分)とに分けられ、線形誤差は線形倍率誤差(像高に対
して倍率が1次関数的に変化する成分)とも呼ばれてい
る。そして、従来より線形倍率誤差を補正する手段とし
て、投影光学系内の一部のレンズを駆動したり、一部の
レンズ間の気体圧力を制御したりするレンズ制御システ
ムが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の投影
露光装置においては、環境変化等によって発生する投影
光学系のディストーションの内の非線形誤差に対する補
正を行うことができないという不都合があった。その非
線形誤差の主要部は、投影像の像高に応じて倍率が2次
以上の関数のような特性で変化する非線形倍率誤差(高
次倍率誤差)である。但し、設計上の基準となる状態で
も、投影光学系には実用上問題の無い範囲内の僅かな非
線形倍率誤差が残存しており、図15(a)に示すよう
に、像高Hによって投影光学系の倍率(レチクルからウ
エハへの投影倍率)βが設計値β0から非線形に僅かに
変化している。更にその基準となる状態に対して大気圧
変化や、露光用照明光の照射による熱吸収等が生ずる
と、図15(a)に示す非線形倍率誤差が図15(b)
に示すように大きくなる。なお、図15(b)に示すよ
うに、像高Hに対して倍率βが一度負の方向に変化して
から正の方向に変化するような非線形倍率誤差は、「C
字ディストーション」と呼ばれることもある。
【0005】図15(b)に示すような非線形倍率誤差
が、ステップ・アンド・リピート方式(一括露光方式)
の投影露光装置で発生すると、図16(a)に示すよう
に、本来の投影像66、及び67が像高によって非線形
に変化して投影像66A,67Aのようになり、2層間
での重ね合わせ精度が悪化する。一方、図15(b)に
示すような非線形倍率誤差が、ステップ・アンド・スキ
ャン方式(走査露光方式)の投影露光装置で発生する
と、本来の投影像66、及び67が像高によって非線形
に変化して投影像66B,67Bのようになり、同様に
2層間での重ね合わせ精度が悪化する。また、図16
(b)において、走査露光時のウエハの走査方向は矢印
で示すY方向となっており、走査方向には平均化効果に
よって投影像のディストーションは発生していないもの
の、その平均化効果によって像劣化が生じている。ま
た、非走査方向(X方向)には、一括露光方式と同様に
像高に応じた倍率誤差が発生しているのが確認できる。
【0006】このように投影光学系に非線形倍率誤差が
存在すると、ステップ・アンド・リピート方式、又はス
テップ・アンド・スキャン方式の何れの方式でも最終的
に得られる投影像に歪みが生じて、重ね合わせ精度が悪
化するという不都合がある。本発明は斯かる点に鑑み、
大気圧や投影光学系の周囲の温度等の環境の変化、又は
露光用照明光の吸収等によって悪化する投影光学系のデ
ィストーション、特に非線形倍率誤差(高次倍率誤差)
を補正できる投影露光装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光装
置は、例えば図1及び図2に示すように、マスクパター
ン(R)を投影光学系を介して感光基板(W)上に投影
する投影露光装置において、その投影光学系(PL1)
は、互いに屈折率の温度特性の異なる硝材よりなる複数
組の光学部材(25〜34,35A,38Aと36A,
37A)を有し、これら複数組の光学部材中の少なくと
も1つの光学部材(36A,37A)の温度制御を行う
温度制御手段(13)を設け、この温度制御手段を用い
て投影光学系(PL1)の結像特性を制御するものであ
る。
【0008】この場合、温度制御手段(13)によって
制御される投影光学系(PL1)の結像特性の一例は非
線形倍率誤差である。また、温度制御手段(13)によ
って制御対象の光学部材(36A,37A)の温度を±
1℃変化させることにより、投影光学系(PL1)の非
線形倍率誤差を±50nmの範囲内で補正することが望
ましい。
【0009】また、投影光学系(PL1)の線形倍率誤
差を補正する線形倍率制御手段(12)を設け、温度制
御手段(13)によって投影光学系(PL1)の非線形
倍率誤差を所定の許容範囲内に収めた後に残存する線形
倍率誤差を、線形倍率制御手段(12)を介して低減さ
せることが望ましい。また、投影光学系(PL1)の使
用条件の変化に応じた投影光学系(PL1)の結像特性
の変化量を記憶する記憶手段(18)を設け、投影光学
系(PL1)の使用条件の変化に応じて記憶手段(1
8)に記憶されている結像特性の変化量を相殺するよう
に、温度制御手段(13)を介して投影光学系(PL
1)の結像特性を制御することが望ましい。
【0010】斯かる本発明によれば、例えばKrFエキ
シマレーザ光(波長248nm)やArFエキシマレー
ザ光(波長193nm)のような遠紫外域付近の光を露
光光として用いる場合、屈折率の温度特性の異なる複数
の硝材としては、石英、及び蛍石等が挙げられる。この
場合、石英は温度が上昇しても膨張係数が小さいため膨
張はしないが、屈折率が大きくなる特性を持っている。
従って、図6(b)に示すように、石英の正レンズ49
Bでは温度が上昇すると、結像面FBが正レンズ49B
に近付く方向に変位する。一方、蛍石は温度の上昇で膨
張し、屈折率は小さくなる特性を持っている。そのた
め、図6(a)に示すように、蛍石の正レンズ49Aで
は温度が上昇すると、結像面FBは正レンズ49Aから
遠ざかる方向に変位する。なお、上述の硝材の屈折率の
温度特性は、単にその屈折率自体の温度特性のみなら
ず、その硝材からなるレンズの熱膨張をも考慮して温度
が変化したときに結像面がどの方向に変化するかによっ
て定められる特性である。
【0011】また、例えば第1の硝材として石英を使用
し、第2の硝材として蛍石を使用し、その第1の硝材で
投影光学系(PL1)の大部分のレンズを構成した場
合、投影光学系の結像特性の内のディストーションにつ
いて考えると、その第1の硝材のレンズに依るディスト
ーションの傾向は、図7(a)の曲線61で示すように
非線形となり、そのディストーションは環境変化や露光
用照明光の吸収等によって変化する。これに対して、そ
の第2の硝材のレンズに依るディストーションは、図7
(b)の曲線62Aで示すように、曲線61と逆の傾向
の非線形倍率誤差に直線62Bで示す線形倍率誤差のオ
フセット分を加算した傾向を有する。
【0012】そこで、環境変化や露光用照明光の吸収等
に応じて、例えばその第2の硝材のレンズの温度を制御
して、曲線61の非線形倍率誤差を曲線62Aの非線形
倍率誤差で相殺することにより、投影光学系(PL1)
の非線形倍率誤差を小さくできる。但し、そのままで
は、線形倍率誤差が残存するため、このように残存する
誤差を線形倍率制御手段(12)を介して低減させるこ
とにより、投影光学系(PL1)のディストーションが
ほぼ完全に除去される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投影露光装置
の第1の実施の形態につき図1、図2、図6〜図14を
参照して説明する。本例は露光用の照明光としてエキシ
マレーザ光を使用するステップ・アンド・スキャン方式
の投影露光装置に本発明を適用したものである。但し、
本例で使用する投影光学系は、ステップ・アンド・リピ
ート方式(一括露光方式)の投影露光装置でも使用でき
るだけの性能を有している。
【0014】図1は、本例の投影露光装置を示し、この
図1において、エキシマレーザ光源16からパルス発光
されたレーザビームよりなる照明光ILは、ミラー15
で偏向されて照明光学系14に入射する。エキシマレー
ザ光源16としては、KrFエキシマレーザ光源(発振
波長:248nm)、又はArFエキシマレーザ光源
(発振波長:193nm)等が使用できる。また、露光
用の光源としては、YAGレーザの高調波発生装置、金
属蒸気レーザ光源、又は水銀ランプ等も使用できる。
【0015】照明光学系14は、ビームエキスパンダ、
光量調整システム、フライアイレンズ、リレーレンズ、
視野絞り(レチクルブラインド)、走査前後の不要な露
光を避けるための可動ブレード、及びコンデンサーレン
ズ等から構成され、照明光学系14によって均一な照度
分布に整形された照明光ILが、レチクルRのパターン
形成面(下面)の所定形状の照明領域を照明する。この
場合、装置全体の動作を統轄制御する主制御装置18
が、照明制御系17を介してエキシマレーザ光源16の
パルス発光のタイミング、照明光学系14内の光量調整
機構での減光率の制御等を行う。その照明領域内のレチ
クルRのパターンを透過した照明光は、投影光学系PL
1を介してフォトレジストが塗布されたウエハW上に投
影され、そのパターンを倍率β(βは例えば1/4、又
は1/5等)で縮小した投影像がウエハW上に転写され
る。ここで、投影光学系PL1の光軸AXに平行にZ軸
を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にY軸
を取り、図1の紙面に垂直にX軸を取る。
【0016】レチクルRは、レチクルステージ6上に保
持され、レチクルステージ6はエアベアリングを介して
レチクル支持台5上にY方向に移動自在に載置されてい
る。レチクルステージ6の上端に固定された移動鏡7、
及びレチクル支持台5上のレーザ干渉計8により計測さ
れたレチクルステージ6のY座標がステージ制御系11
に供給される。ステージ制御系11は、主制御装置18
からの指令に従ってレチクルステージ6の位置、及び移
動速度を制御する。
【0017】一方、ウエハWはウエハステージ2上に保
持され、ウエハステージ2はX方向、Y方向、Z方向、
及び回転方向等にウエハWの位置決めを行うと共に、Y
方向にウエハWの走査を行う。ウエハステージ2の上端
に移動鏡9が固定され、移動鏡9及び外部のレーザ干渉
計10によりウエハステージ2のX座標、及びY座標が
常時計測され、計測結果がステージ制御系11に供給さ
れている。ステージ制御系11は主制御装置18からの
指令に従って、ウエハステージ2のステッピング動作、
及びレチクルステージ6と同期した走査動作の制御を行
う。即ち、走査露光時には、上述の投影光学系PL1の
レチクル側からウエハ側への倍率βを用いて、ステージ
制御系11の制御のもとで、投影光学系PL1に対して
レチクルステージ6が−Y方向(又は+Y方向)に速度
R で走査されるのと同期して、ウエハステージ2が+
Y方向(又は−Y方向)に速度VW(=β・VR)で走査さ
れる。これにより、レチクルRのパターンが逐次ウエハ
W上の各ショット領域に転写される。
【0018】また、ウエハステージ2上のウエハWの近
傍には、ディストーション計測用センサ3が固定されて
いる。ディストーション計測用センサ3は、図9(b)
に示すように、ウエハWの表面と同じ高さに設定された
表面に矩形の開口部50aが設けられた遮光膜50が被
着されたガラス基板51と、その開口部50aを通過し
た露光用の照明光を光電変換する光電変換素子52と、
この光電変換素子52からの検出信号S1を処理する信
号処理部53とを有し、この信号処理部53の処理結果
が図1の主制御装置18に供給されている。本例では後
述のように、ウエハステージ2を駆動することにより、
レチクルRのパターンの投影像をディストーション計測
用センサ3の開口部50aで走査し、その際に光電変換
素子52から出力される検出信号S1より信号処理部5
3が投影光学系PL1の種々の像高での倍率誤差(ディ
ストーション)を求めるようになっている。
【0019】次に、本例の投影光学系PL1を構成する
複数枚のレンズエレメントの内の大部分は石英よりな
り、残りの一部のレンズエレメントが蛍石より形成さ
れ、その石英からなる所定の1対のレンズエレメントの
間に形成された所定の気体室の気体圧力を制御するため
のレンズ制御装置12が設けられている。大気圧変化、
若しくは温度変化等の環境変化、又は露光用照明光の投
影光学系PL1に対する照射量の履歴等に応じて、投影
光学系PL1の倍率、焦点位置(ベストフォーカス位
置)、像面湾曲等の結像特性が変化した場合に、主制御
装置18からの指令に基づいてそれらの結像特性をレン
ズ制御装置12が補正するようになっている。なお、レ
ンズ制御装置12としては、圧力制御装置の他に、例え
ば石英若しくは蛍石からなる所定のレンズエレメントの
光軸AX方向の位置や傾斜角を制御するレンズ位置制御
装置、又はレチクルRの光軸AX方向の位置や傾斜角を
制御するレチクル位置制御装置等を使用してもよい。
【0020】更に、投影光学系PL1には、一部の蛍石
よりなる1枚又は複数枚のレンズエレメントの温度を制
御するためのレンズ温度制御装置13が接続されてい
る。本例では、環境変化、又は照射量の履歴等に応じ
て、投影光学系PL1の非線形倍率誤差(高次倍率誤
差)が悪化した場合に、主制御装置18からの指令に基
づいてレンズ温度制御装置13がその非線形倍率誤差を
補正するようになっている。また、その非線形倍率誤差
の補正によって、投影光学系PL1の線形倍率誤差が悪
化したときには、その線形倍率誤差をレンズ制御装置1
2が補正するようになっている。
【0021】次に、本例の投影光学系PL1の構成、及
びレンズ温度制御装置13等の構成につき、図2等を参
照して詳細に説明する。図2は、本例の投影光学系PL
1の内部構造、及び結像特性の制御システムを示し、こ
の図2において、投影光学系PL1は、一例として鏡筒
4内にウエハW側から順に6枚のレンズエレメント25
〜30、4枚のレンズエレメント31〜34、及び4枚
のレンズエレメント35A〜38Aを固定して構成され
ている。また、レンズエレメント36A及び37Aのみ
は蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英
より形成されている。そして、レンズエレメント33,
34はレンズ枠G1を介して鏡筒4内に固定され、レン
ズエレメント35A〜38Aはレンズ枠G2を介して鏡
筒4内に固定され、他のレンズエレメントもそれぞれ不
図示のレンズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0022】この場合、レンズエレメント33,34及
びレンズ枠G1で囲まれた気体室は密封されており、そ
の気体室が配管12cを介してベローズ機構12bに接
続され、ベローズ機構12bの伸縮量が制御部12aに
よって制御されるようになっている。この制御部12
a、ベローズ機構12b、及び配管12cより図1のレ
ンズ制御装置12が構成され、ベローズ機構12bの伸
縮量の調整によってその気体室内の気体(例えば空気)
の圧力が制御できるようになっている。
【0023】そして、蛍石よりなるレンズエレメント3
6A,37A及びレンズ枠G2で囲まれた気体室には、
配管21を介して温度制御装置13bから、主制御装置
18に指示された任意の温度の気体が供給され、その気
体室を循環した気体が配管22を介して温度制御装置1
3bに戻される構成となっている。なお、その気体室内
に流す気体が投影光学系PL1の周囲の大気(空気)と
同じ成分である場合には、必ずしもその気体室を通過し
た気体を配管22を介して温度制御装置13bに戻す必
要はないが、例えば温度管理の容易な気体(例えば窒素
ガス等)を使用する場合には、閉ループで温度制御を行
うために配管22を使用する必要がある。
【0024】また、本例では温度制御装置13bによっ
てレンズエレメント36A,37Aの温度制御を行うた
め、これらレンズエレメント36A,37Aの温度がレ
ンズ枠G2、鏡筒4、及び気体を媒介として前後の石英
よりなるレンズエレメント35A,38Aに伝導するの
を防止する必要がある。そのため、レンズエレメント3
7A,38A及びレンズ枠G2により囲まれた気体室、
及びレンズエレメント35A,36A及びレンズ枠G2
により囲まれた気体室には、それぞれ配管19及び20
を介して温度制御装置13aから一定温度の気体を流し
ている。この一定温度の気体としては、温度伝導率の低
い気体(空気等)が使用され、それらの気体室を循環し
た気体がそれぞれ配管23A及び24Aを介して温度制
御装置13aに戻されている。温度制御装置13a,1
3b、及び配管19〜22,23A,24Aより図1の
レンズ温度制御装置13が構成されている。
【0025】また、本例の投影露光装置では、種々のパ
ターンを高い解像度で露光するために、照明光学系14
による照明条件を通常の状態、変形光源、輪帯照明、及
びコヒーレンスファクタであるσ値が小さい状態等に切
り換えられるようになっている。図12は、照明光学系
14を切り換えた場合に投影光学系PL1を通過する照
明光の状態を示し、先ず、通常の状態ではレチクルRを
通過した0次光は、図12(a)に示すように、投影光
学系PL1の瞳面(レチクルRに対するフーリエ変換
面)で所定のほぼ円形の領域を通過している。次に、照
明光学系14を変形光源状態とした場合には、レチクル
Rを通過した0次光は、図12(b)に断面図で示すよ
うに、投影光学系PL1の瞳面上で離れた複数の領域を
通過する。また、照明光学系14を輪帯照明状態とした
場合には、レチクルRを通過した0次光は、投影光学系
PL1の瞳面上でほぼ輪帯状の領域を通過する。更に、
照明光学系14をσ値が小さい状態とした場合には、レ
チクルRを通過した0次光は、図12(c)に示すよう
に、投影光学系PL1の瞳面上でほぼ小さい円形の領域
を通過する。これらの照明条件によっても、投影像の結
像特性が変化する。
【0026】次に、本例で投影光学系PL1の非線形倍
率誤差を除去する場合の動作の一例につき説明する。本
例の投影光学系PL1のレンズエレメントの硝材は、石
英及び蛍石である。ここで、石英は温度が上昇しても膨
張係数が小さいため殆ど膨張しないが、屈折率が大きく
なる特性を持っている。従って、図6(b)に示すよう
に、石英の正のレンズエレメント49Bでは温度が上昇
すると、結像面FBがそのレンズエレメントに近付く方
向に変位する。一方、蛍石は温度の上昇で膨張し、屈折
率は小さくなる特性を持っている。そのため、図6
(a)に示すように、蛍石の正のレンズエレメント49
Aでは温度が上昇すると、結像面FAはそのレンズエレ
メントから遠ざかる方向に変位する。なお、上述の硝材
の屈折率の温度特性は、単にその屈折率自体の温度特性
のみならず、その硝材からなるレンズエレメントの熱膨
張をも考慮して温度が変化したときに結像面がどの方向
に変化するかによって定められる特性である。
【0027】更に、投影光学系PL1のディストーショ
ンについて図7及び図8を参照して説明する。図7及び
図8において、縦軸は像高H、横軸はその像高Hにおけ
る投影光学系PL1の倍率βであり、光軸上(H=0)
での倍率を設計上の倍率β0として示してある。この場
合、或る環境下で、或る時間露光を継続して行った後に
おける、投影光学系PL1の石英からなるレンズエレメ
ントに依るディストーションは、図7(a)の曲線61
で示すように、像高Hが大きくなるに従って倍率βが一
度設計値より小さくなってからほぼ単調に増大する非線
形誤差(高次倍率誤差)となる。
【0028】これに対して、本例では図1のレンズ温度
制御装置13を介して、投影光学系PL1内の蛍石より
なるレンズエレメント36A,37Aの温度を調整する
ことにより、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエ
レメントに依るディストーションを、図7(a)の曲線
61とほぼ逆の特性の非線形倍率誤差を有するように設
定する。しかしながら、そのように蛍石よりなるレンズ
エレメントのディストーションを設定しても、そのディ
ストーションには所定の線形倍率誤差がオフセットとし
て重畳される。従って、投影光学系PL1の蛍石よりな
るレンズエレメントに依るディストーションは、図7
(b)の曲線62Aで示すように、直線62Bで示す線
形倍率誤差に、図7(a)の曲線61とほぼ逆の特性の
非線形倍率誤差を重畳した特性となる。
【0029】そのため、図1のレンズ制御装置12で結
像特性の補正を行わない状態では、投影光学系PL1の
全体としてのディストーションは、図7(c)の直線6
3で示すように、像高Hに応じて倍率βが設計値から線
形に増大する線形倍率誤差で近似できる特性となる。そ
こで、図1のレンズ制御装置12によって、投影光学系
PL1に対して、図7(c)の直線63で近似される残
存倍率誤差をほぼ相殺するような、直線64で表される
線形倍率誤差を付与する。その結果、本例の投影光学系
PL1のディストーションは、図8の曲線65に示すよ
うになり、非線形倍率誤差と共に線形倍率誤差も除去さ
れたものとなる。
【0030】ここで、図9及び図10を参照して投影光
学系PL1のディストーションの計測方法の一例につき
説明する。そのため、図1のレチクルRとして、照明領
域内に所定個数の対の(例えば16対の)評価用マーク
が均等に分布するテストレチクルを使用する。この場
合、各対の評価用マークは、投影された状態での像高H
が最大値Hmax の10割(即ち、Hmax そのもの)、及
び8割(即ち、0.8Hmax )等のように種々の像高と
なるマークを含むことが望ましい。それら各組の評価用
マークは、X方向に所定ピッチで配列されたライン・ア
ンド・スペースパターンよりなるX軸の評価用マーク、
及びこの評価用マークを90°回転した構成のY軸の評
価用マークよりなり、その内のi番目(i=1〜16)
のY軸の評価用マークの投影像MY(i)を図9(a)
に示す。
【0031】図9(a)において、投影像MY(i)は
Y方向に所定ピッチで明部P1〜P5が配列されたパタ
ーンであり、図1のウエハステージ2を駆動することに
より、ディストーション計測用センサ3の矩形の開口部
50aでその投影像MY(i)をY方向に走査する。そ
の際に図9(b)の光電変換素子52から出力される検
出信号S1が、信号処理部53の内部でアナログ/デジ
タル(A/D)変換されて、ウエハステージ2のY座標
に対応して記憶される。
【0032】図10(a)は本例の検出信号S1を示
し、本例の開口部50aは矩形であるため、その図10
(a)に示すように、得られる検出信号S1は、Y座標
に応じて階段状に変化する信号となる。そこで、一例と
して信号処理部53では、その検出信号S1をY座標で
微分して(実際の処理上では差分演算となる)、図10
(b)に示すような微分信号dS1/dYを得た後、こ
の微分信号dS1/dYがピークを取るY座標の値Y1
〜Y5 を求める。これらの値Y1 〜Y5 がそれぞれ図9
(a)の評価用マークの投影像MY(i)の明部P1〜
P5に対応しているため、信号処理部53では、以下の
式よりその投影像MY(i)のY座標Yiを算出する。
【0033】 Yi =(Y1+Y2+Y3+Y4+Y5 )/5 (1) また、i番目のX軸の評価用マークの投影像について
は、その投影像に対してディストーション計測用センサ
3の開口部50aをX方向に走査することにより、その
X座標Xi を求めることができる。これによって、各対
の評価用マークの投影像のX座標Xi 、Y座標Yi が求
められ、求められた座標が主制御装置18に供給され
る。また、投影光学系PL1に倍率誤差が無い場合の各
対の評価用マークの投影像の位置(設計上の位置)(X
i ,YDi)は、予め主制御装置18内の記憶装置に記
憶されている。
【0034】この場合、各評価用マークの投影像の実際
に計測された位置(Xi ,Yi)にはテストレチクルの回
転誤差の影響が含まれている。その影響を除去するた
め、主制御装置18では、その回転誤差をΔφとして、
各対の評価用マークの投影像の設計上の位置(XDi
YDi)をその回転誤差Δφだけ回転して得られた計算上
の位置(XCi ,YCi)と、実際に計測された位置(X
i ,Yi)との差分の自乗和が最小になるように、最小自
乗法でその回転誤差Δφを決定する。従って、投影光学
系PL1の倍率誤差に起因する各対の評価用マークの投
影像のずれ量は、(Xi −XCi ,Yi −YCi)とな
る。この場合の添字iの範囲は例えば1〜16である。
【0035】次に、その投影像のずれ量を線形倍率誤差
と非線形倍率誤差とに分離するために、例えば像高Hに
対して所定の係数kを用いて倍率βが次式で与えられる
ものとする。 β=k・H+β0 (2) そして、各対の評価用マークの投影像の計算上の位置
(XCi ,YCi)を、(2)式の倍率βを用いて補正し
て得られた位置(XCi',YCi')と、各対の評価用マ
ークの投影像の計測された位置(Xi ,Yi)との差分の
自乗和が最小になるように、最小自乗法でその係数kの
値を決定する。これによって、線形倍率誤差が求められ
たことになる。この結果、投影光学系PL1の非線形倍
率誤差に起因する各対の評価用マークの投影像のずれ量
は、(Xi −XCi',Yi −YCi')となり、これらの
ずれ量をそれぞれ計算上の像高H(位置(XCi',YC
i')での像高)で除算することにより、残存する非線形
倍率誤差(高次倍率誤差)が像高Hの関数として求めら
れる。また、計測されるのは像高H上の所定の複数の計
測点での倍率誤差であるため、それらの間の像高での倍
率誤差は前後の計測点での倍率誤差を補間して得られる
値を使用してもよい。
【0036】また、上述のような求め方の他に、例えば
線形倍率誤差を像高Hが投影光学系による露光領域の最
大半径Hmax の10割となる位置(即ち、H=Hmax
での倍率誤差と定義して、その像高Hmax 近傍の評価用
マークの投影像の位置ずれ量の平均値から線形倍率誤差
を求めても良い。この場合、それより小さい像高Hでの
線形倍率誤差は、像高Hに比例した値となる。
【0037】更に、このようにして求めた線形倍率誤差
を除去した後、像高Hが投影光学系による露光領域の最
大半径Hmax の7割となる位置(即ち、H=0.7H
max )で残存している倍率誤差を非線形倍率誤差と定義
して、その像高0.7Hmax 近傍の評価用マークの投影
像の位置ずれ量の平均値から非線形倍率誤差を求めても
良い。
【0038】次に、図2における蛍石よりなるレンズエ
レメント36A,37Aの温度の設定値の決定方法の一
例につき説明する。先ず、投影光学系PL1の周囲の空
気の圧力(大気圧)をxとして、大気圧xが基準値x0
から変化することによって投影光学系PL1に非線形倍
率誤差が生じた場合に、その非線形倍率誤差を相殺する
ためのレンズエレメント36A,37Aの温度yの設定
値につき説明する。この場合、大気圧xが基準値x0
ら変化することによって生ずる投影光学系PL1の非線
形倍率誤差を光学計算によって求める。そして、このよ
うに求めた非線形倍率誤差と、逆の特性の非線形倍率誤
差を発生させるためのレンズエレメント36A,37A
の温度yを計算によって求める。この場合、簡単のため
に上述のように、最大の像高Hmax での倍率誤差を基準
とする線形倍率誤差を除去した後の、7割の像高(0.
7Hmax )での倍率誤差を非線形倍率としてもよい。但
し、複数の像高Hでの倍率誤差から最小自乗法的に、そ
の逆の特性の非線形倍率誤差を発生させるためのレンズ
エレメント36A,37Aの温度を求めても良い。
【0039】図11の実線の曲線は、そのようにして予
め大気圧xの関数F(x)として求められた温度y(y
=F(x))を表し、この図11において、横軸は大気
圧x、縦軸は蛍石よりなるレンズエレメント36A,3
7Aの温度yであり、基準大気圧x0 で非線形倍率誤差
を最小とするためのレンズエレメント36A,37Aの
温度をy0 としてある。実用上でも、その関数F(x)
に基づいて温度yを設定するようにしてもよい。
【0040】しかしながら、実際には投影光学系PL1
の各光学要素の製造誤差によって、関数F(x)で求め
た温度yでは非線形倍率誤差が十分に小さくならないこ
とがある。更に、本例の図1の照明光学系14では、図
12で説明したように、通常照明、変形照明、及びコヒ
ーレンスファクタ(σ値)を小さくした照明等のように
照明条件を種々に切り換えて使用できるようになってい
る。そのため、上述の関数F(x)も照明条件毎に計算
する必要があるが、特に変形照明やコヒーレンスファク
タ(σ値)を小さくした照明等での計算結果の信頼性は
低いことがある。そこで、非線形倍率誤差をより小さく
するためには、次のようにして関数F(x)のキャリブ
レーションを行うことが望ましい。
【0041】即ち、実際に良く当てはまる関数を求める
ために、基準大気圧x0 と異なる任意の1点の大気圧x
1 において、図1のディストーション計測用センサ3を
用いて投影光学系PL1の投影像の非線形倍率誤差を求
める。次に、レンズ温度制御装置13を介して蛍石より
なるレンズエレメント36A,37Aの温度を制御し
て、その投影像の非線形倍率誤差が0(最小)になると
きの温度y1 を求める。この際に、蛍石よりなるレンズ
エレメント36A,37Aの温度は、理論的な関数F
(x)で定められる温度yの近傍で変化させるようにす
る。その後、レンズ制御装置12を用いて、残存する線
形倍率誤差を0にするための上述の気体室の圧力も求め
ておく。
【0042】また、その大気圧x1 と異なる他の大気圧
2 においても、同様にして実際に投影像の非線形倍率
誤差を0にするための蛍石よりなるレンズエレメントの
温度y2 、及び残存する線形倍率誤差を0にするための
その気体室の圧力を求める。そして、大気圧がx0 ,x
1 ,x2 の点での蛍石よりなるレンズエレメントの実測
された温度より、図11に点線で示すように、例えば2
次関数として、大気圧xに対する蛍石よりなるレンズエ
レメントの温度yを表す関数F’(x)を求めることが
できる。更に、このときに残存する線形倍率誤差を0に
するためのその気体室の圧力も、その大気圧xの関数と
して求めることができる。なお、測定点数を増加させ
て、大気圧xの3次以上の関数として蛍石よりなるレン
ズエレメントの温度y等を定めてもよい。その関数F’
(x)を使用することによって、投影像の非線形倍率誤
差をより小さくできる。
【0043】また、図11の関数F’(x)は通常の照
明条件(図12(a)の方式)のもとで求めた関数であ
るが、他の2種類の照明条件(図12(b)及び(c)
の方式)等のもとでも同様にキャリブレーションを行
う。図12(b)及び(c)の照明条件のもとで、蛍石
よりなるレンズエレメントの非線形倍率誤差を最小にす
るための温度yを大気圧xの関数として求めた結果が、
それぞれ図13の関数F1(x)及びF3(x)で表さ
れている。また、図13の関数F2(x)は図11の関
数F’(x)と同じ関数、即ち通常の照明条件下で求め
た関数である。このように関数を求めた場合には、図1
3の3つの関数F1(x)〜F3(x)を図1の主制御
装置18内の記憶部に記憶しておく。そして、主制御装
置18では計測される大気圧xに応じて、使用されてい
る照明条件に応じた関数より蛍石のレンズエレメントの
温度yの目標値を求め、レンズ温度制御装置13を介し
てそのレンズエレメントの温度をその目標値に設定す
る。
【0044】上述の例では、大気圧による非線形倍率誤
差の補正について説明したが、それ以外にも、露光用の
照明光が投影光学系を通過する際の照射エネルギーで各
レンズエレメントが膨張したり、各レンズエレメントの
屈折率が変化したりすることがあり、それによっても非
線形倍率誤差が発生する。そこで、投影光学系PL1を
単位時間当たりに通過する照射エネルギーをeとし、照
射エネルギーeの関数として非線形倍率誤差を最小にす
るための蛍石よりなるレンズエレメントの温度yを求め
ておく必要がある。更に、この場合の関数も照明条件毎
に求めておく必要がある。
【0045】図14は、照射エネルギーeに対して非線
形倍率誤差が最小になるようにキャリブレーションを行
って求めた、蛍石よりなるレンズエレメント36A,3
7Aの温度yを示し、この図14において、横軸は投影
光学系PL1を通過する露光用の照明光の照射エネルギ
ーe、縦軸は蛍石よりなるレンズエレメントの非線形倍
率誤差を最小にするための温度yを示している。この場
合、その照射エネルギーeは、例えば図1の照明光学系
14内で露光用の照明光の一部を分離して得られる光束
を光電変換して得た信号に、予め求められている変換係
数を乗ずることによって求められる。そして、図14の
照射エネルギーeの関数g1(e),g2(e)及びg
3(e)はそれぞれ、図12(b),(a)及び(c)
の照明条件毎に求めた非線形倍率誤差を最小にするため
の温度yを示す関数である。
【0046】以上をまとめると、最終的には照射エネル
ギーe、大気圧x、照明条件Iをパラメータとした関数
Q(e,x,I)によって、蛍石よりなるレンズエレメ
ントの非線形誤差を最小にするための温度yを求めてお
く必要がある。その関数Q(e,x,I)も図1の主制
御装置18内の記憶部に記憶しておき、主制御装置18
では露光時の照射エネルギーe、大気圧x、照明条件I
に応じて、その関数Q(e,x,I)より蛍石よりなる
レンズエレメントの目標温度を求めることが望ましい。
【0047】また、上述の例ではレンズエレメント36
A,37Aに対して温度制御を行う方法について説明し
たが、鏡筒4又はレンズ枠G2等自体を温度制御した場
合にもレンズエレメント間距離が変化するため、同様の
効果を得ることが可能となる。従って、鏡筒4又は所定
のレンズ枠の温度制御を行う機構を設けてもよい。更
に、前記のようにレンズエレメント36A,37Aを温
度制御した場合も鏡筒4及びレンズ枠G2の温度変化が
生じて、レンズエレメント間距離の伸縮が発生するの
で、それを加味した設計を行うことが望ましい。
【0048】なお、本例では露光用光源としてエキシマ
レーザ光源が使用されているが、露光用照明光の照射エ
ネルギーに関しては、水銀ランプのi線(波長:365
nm)の方がエキシマレーザ光に比べて投影光学系での
吸収が大きく、投影光学系の非線形倍率誤差も大きく変
化する。従って、照射エネルギーに応じて蛍石よりなる
レンズエレメントの温度を制御する方法は、むしろ水銀
ランプのi線等を使用した投影露光装置(ステッパー
等)に適用することによって、非線形倍率誤差を良好に
低減できるという大きな利点がある。
【0049】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
3を参照して説明する。図3において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、特にステップ・アンド・スキャン方式
の投影露光装置に使用して好適な光学系である。図3
は、本例の投影光学系PL2を示し、この図3におい
て、投影光学系PL2は、鏡筒4内にウエハW側から順
に6枚のレンズエレメント25〜30、4枚のレンズエ
レメント31〜34、及び4枚のレンズエレメント35
B〜38Bを固定して構成されている。また、レンズエ
レメント35B〜37Bはレンズ枠G3を介して鏡筒4
内に固定され、レンズエレメント38Bも不図示のレン
ズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0050】この場合、レンズエレメント36Bのみは
蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英よ
り形成されている。そして、レンズエレメント36Bの
走査方向であるY方向の一方の端部の両面に1対の温度
制御素子40A,40Bが固定され、そのY方向の他方
の端部の両面にも1対の温度制御素子40C,40Dが
固定されている。この場合、照明光学系によるレチクル
Rのパターン形成面上でのスリット状の照明領域のY方
向の幅をLとすると、その幅Lの照明領域を通過した照
明光が通過しない領域にそれらの温度制御素子40A〜
40Dが固定してある。
【0051】それらの温度制御素子40A〜40Dとし
ては、ヒータ、又はペルチェ素子等が使用できる。その
ペルチェ素子は加熱用に使用してもよく、吸熱用に使用
してもよい。また、不図示であるが、レンズエレメント
36BのY方向の端部に温度センサが固定され、この温
度センサの検出信号が外部の温度制御装置39に供給さ
れ、温度制御装置39は、検出された温度が主制御装置
18に指示された設定温度になるように、温度制御素子
40A〜40Dの加熱、又は吸熱動作を制御する。
【0052】更に本例ではそのようにレンズエレメント
36Bの温度を制御することによって発生する熱の、近
接するレンズエレメントへの影響を防止するための排熱
機構が設けられている。即ち、レンズエレメント36
B,37B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室には、配
管19を介して温度制御装置13aから、所定温度の気
体が供給され、その気体室を循環した気体が配管23B
を介して温度制御装置13aに戻され、レンズエレメン
ト35B,36B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室に
は、配管20を介して温度制御装置13aから、所定温
度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管
24Bを介して温度制御装置13aに戻される構成とな
っている。そして、主制御装置18からの指令に基づい
て温度制御装置13aは、強制空調によって、レンズエ
レメント36Bの前後のレンズエレメント35B,37
Bの温度を一定に保つようにしている。それ以外の構成
は図2の例と同様である。
【0053】以上のように、本例によれば、スリット状
の照明領域を通過した照明光に照射されない空間を有効
に活用して、温度制御素子40A〜40Dを用いて蛍石
からなるレンズエレメント36Bの温度を直接制御して
いるため、そのレンズエレメント36Bの温度を高速且
つ高精度に所望の目標温度に設定できる利点がある。こ
れによって、投影光学系PL2の投影像の非線形倍率誤
差を迅速に、且つ高い精度で小さくできる。
【0054】次に、本発明の第3の実施の形態につき図
4を参照して説明する。図4において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及
びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装
置に適用しても好適な光学系である。図4は、本例の投
影光学系PL3を示し、この図4において、投影光学系
PL3は、鏡筒4内にウエハW側から順に6枚のレンズ
エレメント25〜30、4枚のレンズエレメント31,
32,33A,34A、及び4枚のレンズエレメント3
5C〜38Cを固定して構成されている。また、レンズ
エレメント33A,34Aはレンズ枠G4を介して鏡筒
4内に固定され、レンズエレメント35C,36Cはレ
ンズ枠G5を介して鏡筒4内に固定され、他のレンズエ
レメントも不図示のレンズ枠を介して固定されている。
【0055】この場合、レンズエレメント33A、及び
36Cのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメ
ントは石英より形成されている。この場合、上側の蛍石
のレンズエレメント36Cの温度変化によって主に非線
形倍率誤差の特性が変化し、下側の蛍石のレンズエレメ
ント33Aの温度変化によって主に線形倍率誤差の特性
が変化するようになっている。また、レンズエレメント
35C,36C及びレンズ枠G5で囲まれた気体室に
は、配管41Aを介して温度制御装置13cから可変温
度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管
41Bを介して温度制御装置13cに戻され、レンズエ
レメント33A,34A及びレンズ枠G4で囲まれた気
体室には、配管42Aを介して温度制御装置13dか
ら、可変温度の温度の気体が供給され、その気体室を循
環した気体が配管42Bを介して温度制御装置13dに
戻される構成となっている。そして、主制御装置18か
らの指令に基づいて、温度制御装置13c及び13dは
それぞれ、レンズエレメント36C及び33Aの温度を
目標温度に設定するようにしている。
【0056】そして、本例では投影光学系PL3の投影
像の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)を補正するときに
は、温度制御装置13cを介してレンズエレメント36
Cの温度を制御し、その際発生する線形倍率誤差を、温
度制御装置13dを介してレンズエレメント33Aの温
度を制御することで相殺する方法を採っている。更にこ
の方法は、大気圧による高次倍率誤差の特性と、露光用
の照明光の投影光学系に対する照射時の温度変化による
高次倍率誤差の特性とが異なり、3次以上の倍率誤差が
大きく残る場合等に、それぞれに対応する2箇所の蛍石
よりなるレンズエレメントで独立に高次倍率制御を行う
場合にも利用できる。即ち、例えば上側の蛍石よりなる
レンズエレメント36Cで大気圧による非線形倍率誤差
を補正し、それより下側の蛍石よりなるレンズエレメン
トで照明光の照射による非線形倍率誤差を補正するよう
にしてもよい。
【0057】次に、本発明の第4の実施の形態につき図
5を参照して説明する。図5において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及
びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装
置に使用しても好適な光学系である。図5は、本例の投
影光学系PL4を示し、この図5において、投影光学系
PL4は、鏡筒4A内にウエハW側から順に6枚のレン
ズエレメント25,26,27A,28A,29A,3
0、4枚のレンズエレメント31,32,33B,34
B、及び2枚のレンズエレメント35D,36Dを固定
し、その鏡筒4Aの上にレンズエレメント37Dを保持
する支持台45、及びレンズエレメント38Dを保持す
る支持台46を固定して構成されている。また、レンズ
エレメント28A,29Aはレンズ枠G6を介して鏡筒
4A内に固定され、他のレンズエレメントも不図示のレ
ンズ枠を介して鏡筒4A内に固定されている。
【0058】本例では、レンズエレメント28A、及び
29Aのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメ
ントは石英より形成されている。また、レンズエレメン
ト28A,29A及びレンズ枠G6で囲まれた気体室に
は、配管43を介して温度制御装置13eから可変温度
の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管4
4を介して温度制御装置13eに戻されている。そし
て、主制御装置18からの指令に基づいて、温度制御装
置13eは、レンズエレメント28A,29Aの温度を
目標温度に設定するようにしている。また、支持台45
及び46は互いに独立に駆動装置47によって、投影光
学系PL4の光軸AXに平行な方向への移動、及び所望
の角度の傾斜ができるように構成されている。駆動装置
47の動作は、主制御装置18からの指令に基づいて結
像特性制御装置48が制御する。
【0059】本例でも、蛍石よりなるレンズエレメント
28A,29Aの温度を温度制御装置13eを介して制
御することによって、投影光学系PL4の投影像の非線
形倍率誤差(高次倍率誤差)を補正するが、その際発生
する線形倍率誤差を支持台45,46を介してレンズエ
レメント37D,38Dを傾斜、又は上下動させること
によって補正する。それら2つの支持台45,46の動
きの組み合わせによって、倍率誤差のみでなく、焦点位
置のデフォーカス、及び像面湾曲等も補正できるので、
非線形倍率誤差補正時に発生する他の収差の大半は温度
制御装置13e、及び駆動装置47の制御を最適化する
ことで相殺することができる。
【0060】
【実施例】次に、投影光学系の実際の数値モデルについ
て、温度制御によって非線形倍率誤差がどの程度変化す
るかを数値解析した結果を示す。この場合、例えば図2
に示す投影光学系PL1を解析対象とすると、投影光学
系PL1中には蛍石より形成することによって結像特性
を補正できる可能性のあるレンズエレメントが9枚あ
る。そこで、このように蛍石より形成できる9枚のレン
ズエレメントをレンズエレメントL1〜L9として、蛍
石よりなるレンズエレメントを使用しない場合、及び1
枚のレンズエレメントが蛍石からなり他のレンズエレメ
ントが石英からなる場合についてそれぞれ、像高が最大
値の10割の位置での倍率誤差βA[μm]、像高が最
大値の7割の位置での倍率誤差βB[μm]、及び像高
が最大値の10割の位置での倍率誤差をほぼ0に補正し
たときに像高が最大値の7割の位置で残留する倍率誤差
(非線形倍率誤差)βC[μm]を求めた。また、1枚
のレンズエレメントを蛍石より形成した場合として、レ
ンズエレメントL1〜L9を順次蛍石より構成し、その
蛍石よりなる1枚のレンズエレメントの温度を1℃変化
させたときの倍率誤差βA[μm]、倍率誤差βB[μ
m]、及び残留倍率誤差(非線形倍率誤差)βC[μ
m]を次の表1に示す。
【0061】
【表1】 βA[μm] βB[μm] βC[μm] 蛍石無し −0.0144 −0.0204 +0.0100 L1 +0.0436 +0.0135 −0.0067 L2 −0.2797 −0.1862 +0.0199 L3 −0.2254 −0.1529 +0.0152 L4 −0.2576 −0.1739 +0.0167 L5 +0.1602 +0.0926 −0.0092 L6 +0.1045 +0.0572 −0.0056 L7 +0.2371 +0.1447 −0.0110 L8 +0.2911 +0.1793 −0.0142 L9 +0.3854 +0.2406 −0.0192
【0062】上記の表1において、例えばレンズエレメ
ントL4を蛍石より形成した場合、残留倍率誤差(非線
形倍率誤差)βCは蛍石を使用しない場合に比べて、
0.0067μm、即ち約7nm大きくなっている。ま
た、レンズエレメントL9を蛍石より形成した場合、残
留倍率誤差(非線形倍率誤差)βCは蛍石を使用しない
場合に比べて、0.0292μm、即ち約29nm変化
している。これより、蛍石よりなる1枚のレンズエレメ
ントの温度を±1℃変化させることで、最大でほぼ±2
0nm程度の非線形倍率誤差の補正が可能となることが
分かる。
【0063】更に、一般に温調制御の分解能は0.01
℃程度は可能であるため、蛍石よりなるレンズエレメン
トの温度を1℃程度変化させて非線形倍率誤差を補正す
る場合、その非線形倍率誤差の補正の分解能はほぼ±
0.2nm(=±20/100[nm])となる。ま
た、表1より、蛍石よりなるレンズエレメントの温度を
1℃変化させることで、ほぼ±0.2μm程度の線形倍
率誤差が発生することが分かる。従って、蛍石よりなる
レンズエレメントの温度を1℃程度変化させる場合の線
形倍率誤差の制御の分解能は、ほぼ±2nm(=±0.
2/100[μm])という高いレベルになる。
【0064】また、更に複数の位置に蛍石のレンズエレ
メントを入れることで温度制御レンジを狭くしたり、付
加的に発生する線形倍率誤差を小さくしたり、更に大き
な非線形倍率誤差を補正することも可能となる。なお、
本発明は上述の実施の形態、及び実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る
ことは勿論である。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、投影光学系は互いに屈
折率の温度特性の異なる硝材よりなる複数組の光学部材
(レンズエレメント)を有し、その内の少なくとも1つ
の光学部材の温度制御を行うことにより、その投影光学
系の結像特性を制御している。従って、大気圧や投影光
学系の周囲の温度等の環境の変化、照明条件(通常若し
くは変形光源等)の変更、又は露光用照明光の吸収等に
よって悪化する投影光学系のディストーションを補正で
きる利点がある。その結果、感光基板上での投影像の重
ね合わせ精度を向上できる。
【0066】また、温度制御手段によって制御される投
影光学系の結像特性が非線形倍率誤差である場合には、
従来の方式では補正できなかった非線形倍率誤差を補正
できる利点がある。この場合、その温度制御手段によっ
て制御対象の光学部材の温度を±1℃変化させることに
より、その投影光学系の非線形倍率誤差を±50nmの
範囲内で補正するときには、上述の数値解析で示したよ
うに例えば蛍石よりなる1枚、又は2枚のレンズエレメ
ントの温度を制御することによってその範囲内での補正
を行うことができて実用的である。
【0067】また、その投影光学系の線形倍率誤差を補
正する線形倍率制御手段を設け、その温度制御手段によ
ってその投影光学系の非線形倍率誤差を所定の許容範囲
内に収めた後に残存する線形倍率誤差を、その線形倍率
制御手段を介して低減させるときには、投影光学系のデ
ィストーションを実質的に0にすることができる。ま
た、その投影光学系の使用条件の変化に応じたその投影
光学系の結像特性の変化量を記憶する記憶手段を設け、
その投影光学系の使用条件の変化に応じてその記憶手段
に記憶されている結像特性の変化量を相殺するように、
その温度制御手段を介してその投影光学系の結像特性を
制御するときには、その投影光学系の使用条件が変化し
たときに、ほぼ待ち時間無しでその投影光学系のディス
トーション等の結像特性を良好な状態に戻すことができ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1の実施の形態
を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図3】第2の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図4】第3の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図5】第4の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図6】温度変化に対して互いに異なる特性を有する2
つの硝材のレンズエレメントを示す光路図である。
【図7】(a)は石英からなるレンズエレメントに依る
非線形倍率誤差を示す図、(b)は温度制御された蛍石
からなるレンズエレメントに依る倍率誤差を示す図、
(c)は線形倍率誤差の補正量を示す図である。
【図8】石英からなるレンズエレメント、温度制御され
た蛍石からなるレンズエレメント、及びレンズ制御装置
を組み合わせて得られる倍率誤差(ディストーション)
を示す図である。
【図9】(a)はディストーション計測用センサ3の開
口部及び評価用マークの投影像を示す平面図、(b)は
ディストーション計測用センサ3の構成を示す一部を断
面とした構成図である。
【図10】(a)はディストーション計測用センサ3で
検出される検出信号を示す波形図、(b)はその検出信
号の微分信号を示す波形図である。
【図11】大気圧と蛍石よりなるレンズエレメントの温
度との関係を示す図である。
【図12】照明条件を種々に切り換えた場合の投影光学
系内を通過するレチクルからの0次光の分布を示す概念
図である。
【図13】照明条件を切り換えた場合の大気圧と蛍石よ
りなるレンズエレメントの温度との関係を示す図であ
る。
【図14】投影光学系を通過する照射エネルギーと蛍石
よりなるレンズエレメントの温度との関係を示す図であ
る。
【図15】従来の投影露光装置における非線形倍率誤差
を示す図である。
【図16】(a)は一括露光を行った場合の非線形倍率
誤差の影響を示す図、(b)は走査露光を行った場合の
非線形倍率誤差の影響を示す図である。
【符号の説明】
R レチクル PL1,PL2,PL3,PL4 投影光学系 W ウエハ 2 ウエハステージ 3 ディストーション計測用センサ 4 鏡筒 G1,G2 レンズ枠 6 レチクルステージ 8,10 レーザ干渉計 12 レンズ制御装置 13 レンズ温度制御装置 13a,13b 温度制御装置 14 照明光学系 18 主制御装置 25〜34,35A,38A 石英よりなるレンズエレ
メント 36A,37A 蛍石よりなるレンズエレメント 36B 蛍石よりなるレンズエレメント 33A,36C 蛍石よりなるレンズエレメント 28A,29A 蛍石よりなるレンズエレメント 40A〜40D 温度制御素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクパターンを投影光学系を介して感
    光基板上に投影する投影露光装置において、 前記投影光学系は、互いに屈折率の温度特性の異なる硝
    材よりなる複数組の光学部材を有し、 前記複数組の光学部材中の少なくとも1つの光学部材の
    温度制御を行う温度制御手段を設け、 該温度制御手段を用いて前記投影光学系の結像特性を制
    御することを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投影露光装置であって、 前記温度制御手段によって制御される前記投影光学系の
    結像特性は非線形倍率誤差であることを特徴とする投影
    露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の投影露光装置であって、 前記温度制御手段によって制御対象の光学部材の温度を
    ±1℃変化させることにより、前記投影光学系の非線形
    倍率誤差を±50nmの範囲内で補正することを特徴と
    する投影露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項2、又は3記載の投影露光装置で
    あって、 前記投影光学系の線形倍率誤差を補正する線形倍率制御
    手段を設け、 前記温度制御手段によって前記投影光学系の非線形倍率
    誤差を所定の許容範囲内に収めた後に残存する線形倍率
    誤差を、前記線形倍率制御手段を介して低減させること
    を特徴とする投影露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、又は4記載の投影露
    光装置であって、 前記投影光学系の使用条件の変化に応じた前記投影光学
    系の結像特性の変化量を記憶する記憶手段を設け、 前記投影光学系の使用条件の変化に応じて前記記憶手段
    に記憶されている結像特性の変化量を相殺するように、
    前記温度制御手段を介して前記投影光学系の結像特性を
    制御することを特徴とする投影露光装置。
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