JP3552351B2 - 投影露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用され、マスクパターンを投影光学系を介して感光基板上に転写する投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC,LSI等の半導体素子等を製造するための投影露光装置は、マスクとしてのレチクルと、感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領域とを投影光学系を介して所定の位置関係に位置決めし、一括で各ショット領域の全体にレチクルのパターン像を露光するステップ・アンド・リピート方式と、レチクルとウエハの各ショット領域とを投影光学系に対して相対走査することにより、各ショット領域にレチクルのパターン像を逐次露光していくステップ・アンド・スキャン方式とに大別される。これら両方式は、レチクルのパターンを投影光学系を介して投影する点では共通であり、ウエハ上にレチクルのパターンの像を如何に正確に投影できるかが重要となる。
【0003】
一般に、投影光学系を設計する際には所定の条件下で光学的諸収差がほぼ0になるように設計されるが、投影露光を行う際の環境が変化して投影光学系近傍の大気圧や温度が変化するか、又は露光用照明光の照射による熱吸収等があると、投影光学系を構成するレンズ間の気体の屈折率変化、レンズ膨張、レンズの屈折率変化、及びレンズ鏡筒の膨張等が発生する。このため、レチクルのパターンをウエハ上に投影するときに、その投影像が投影光学系の光軸に垂直な方向にずれる現象であるディストーションが発生してしまう。このディストーションは線形誤差(像高に対して結像位置が1次関数的に変化する成分)と非線形誤差(線形誤差以外の成分)とに分けられ、線形誤差は線形倍率誤差(像高に対して倍率が1次関数的に変化する成分)とも呼ばれている。そして、従来より線形倍率誤差を補正する手段として、投影光学系内の一部のレンズを駆動したり、一部のレンズ間の気体圧力を制御したりするレンズ制御システムが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来の投影露光装置においては、環境変化等によって発生する投影光学系のディストーションの内の非線形誤差に対する補正を行うことができないという不都合があった。その非線形誤差の主要部は、投影像の像高に応じて倍率が2次以上の関数のような特性で変化する非線形倍率誤差(高次倍率誤差)である。但し、設計上の基準となる状態でも、投影光学系には実用上問題の無い範囲内の僅かな非線形倍率誤差が残存しており、図15(a)に示すように、像高Hによって投影光学系の倍率(レチクルからウエハへの投影倍率)βが設計値βから非線形に僅かに変化している。更にその基準となる状態に対して大気圧変化や、露光用照明光の照射による熱吸収等が生ずると、図15(a)に示す非線形倍率誤差が図15(b)に示すように大きくなる。なお、図15(b)に示すように、像高Hに対して倍率βが一度負の方向に変化してから正の方向に変化するような非線形倍率誤差は、「C字ディストーション」と呼ばれることもある。
【0005】
図15(b)に示すような非線形倍率誤差が、ステップ・アンド・リピート方式(一括露光方式)の投影露光装置で発生すると、図16(a)に示すように、本来の投影像66、及び67が像高によって非線形に変化して投影像66A,67Aのようになり、2層間での重ね合わせ精度が悪化する。一方、図15(b)に示すような非線形倍率誤差が、ステップ・アンド・スキャン方式(走査露光方式)の投影露光装置で発生すると、本来の投影像66、及び67が像高によって非線形に変化して投影像66B,67Bのようになり、同様に2層間での重ね合わせ精度が悪化する。また、図16(b)において、走査露光時のウエハの走査方向は矢印で示すY方向となっており、走査方向には平均化効果によって投影像のディストーションは発生していないものの、その平均化効果によって像劣化が生じている。また、非走査方向(X方向)には、一括露光方式と同様に像高に応じた倍率誤差が発生しているのが確認できる。
【0006】
このように投影光学系に非線形倍率誤差が存在すると、ステップ・アンド・リピート方式、又はステップ・アンド・スキャン方式の何れの方式でも最終的に得られる投影像に歪みが生じて、重ね合わせ精度が悪化するという不都合がある。本発明は斯かる点に鑑み、大気圧や投影光学系の周囲の温度等の環境の変化、又は露光用照明光の吸収等によって悪化する投影光学系のディストーション、特に非線形倍率誤差(高次倍率誤差)を補正できる投影露光装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による投影露光装置は、例えば図1及び図2に示すように、マスクパターン(R)を投影光学系を介して感光基板(W)上に投影する投影露光装置において、その投影光学系(PL1)は、第1の硝材からなる複数の光学部材(25〜34,35A,38A)と、屈折率に関する温度特性がその第1の硝材と異なる第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材(36A,37A)を有し、その第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材(36A,37A)の温度制御を行う温度制御手段(13)を設け、この温度制御手段を用いて投影光学系(PL1)の結像特性を制御するものである。
【0008】
この場合、温度制御手段(13)によって制御される投影光学系(PL1)の結像特性の一例は非線形倍率誤差である。
また、温度制御手段(13)によって制御対象の光学部材(36A,37A)の温度を±1℃変化させることにより、投影光学系(PL1)の非線形倍率誤差を±50nmの範囲内で補正することが望ましい。
【0009】
また、投影光学系(PL1)の線形倍率誤差を補正する線形倍率制御手段(12)を設け、温度制御手段(13)によって投影光学系(PL1)の非線形倍率誤差を所定の許容範囲内に収めた後に残存する線形倍率誤差を、線形倍率制御手段(12)を介して低減させることが望ましい。
また、投影光学系(PL1)の使用条件の変化に応じた投影光学系(PL1)の結像特性の変化量を記憶する記憶手段(18)を設け、投影光学系(PL1)の使用条件の変化に応じて記憶手段(18)に記憶されている結像特性の変化量を相殺するように、温度制御手段(13)を介して投影光学系(PL1)の結像特性を制御することが望ましい。
【0010】
斯かる本発明によれば、例えばKrFエキシマレーザ光(波長248nm)やArFエキシマレーザ光(波長193nm)のような遠紫外域付近の光を露光光として用いる場合、屈折率の温度特性の異なる複数の硝材としては、石英、及び蛍石等が挙げられる。この場合、石英は温度が上昇しても膨張係数が小さいため膨張はしないが、屈折率が大きくなる特性を持っている。従って、図6(b)に示すように、石英の正レンズ49Bでは温度が上昇すると、結像面FBが正レンズ49Bに近付く方向に変位する。一方、蛍石は温度の上昇で膨張し、屈折率は小さくなる特性を持っている。そのため、図6(a)に示すように、蛍石の正レンズ49Aでは温度が上昇すると、結像面FBは正レンズ49Aから遠ざかる方向に変位する。なお、上述の硝材の屈折率の温度特性は、単にその屈折率自体の温度特性のみならず、その硝材からなるレンズの熱膨張をも考慮して温度が変化したときに結像面がどの方向に変化するかによって定められる特性である。
【0011】
また、例えば第1の硝材として石英を使用し、第2の硝材として蛍石を使用し、その第1の硝材で投影光学系(PL1)の大部分のレンズを構成した場合、投影光学系の結像特性の内のディストーションについて考えると、その第1の硝材のレンズに依るディストーションの傾向は、図7(a)の曲線61で示すように非線形となり、そのディストーションは環境変化や露光用照明光の吸収等によって変化する。これに対して、その第2の硝材のレンズに依るディストーションは、図7(b)の曲線62Aで示すように、曲線61と逆の傾向の非線形倍率誤差に直線62Bで示す線形倍率誤差のオフセット分を加算した傾向を有する。
【0012】
そこで、環境変化や露光用照明光の吸収等に応じて、例えばその第2の硝材のレンズの温度を制御して、曲線61の非線形倍率誤差を曲線62Aの非線形倍率誤差で相殺することにより、投影光学系(PL1)の非線形倍率誤差を小さくできる。
但し、そのままでは、線形倍率誤差が残存するため、このように残存する誤差を線形倍率制御手段(12)を介して低減させることにより、投影光学系(PL1)のディストーションがほぼ完全に除去される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による投影露光装置の第1の実施の形態につき図1、図2、図6〜図14を参照して説明する。本例は露光用の照明光としてエキシマレーザ光を使用するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したものである。但し、本例で使用する投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式(一括露光方式)の投影露光装置でも使用できるだけの性能を有している。
【0014】
図1は、本例の投影露光装置を示し、この図1において、エキシマレーザ光源16からパルス発光されたレーザビームよりなる照明光ILは、ミラー15で偏向されて照明光学系14に入射する。エキシマレーザ光源16としては、KrFエキシマレーザ光源(発振波長:248nm)、又はArFエキシマレーザ光源(発振波長:193nm)等が使用できる。また、露光用の光源としては、YAGレーザの高調波発生装置、金属蒸気レーザ光源、又は水銀ランプ等も使用できる。
【0015】
照明光学系14は、ビームエキスパンダ、光量調整システム、フライアイレンズ、リレーレンズ、視野絞り(レチクルブラインド)、走査前後の不要な露光を避けるための可動ブレード、及びコンデンサーレンズ等から構成され、照明光学系14によって均一な照度分布に整形された照明光ILが、レチクルRのパターン形成面(下面)の所定形状の照明領域を照明する。この場合、装置全体の動作を統轄制御する主制御装置18が、照明制御系17を介してエキシマレーザ光源16のパルス発光のタイミング、照明光学系14内の光量調整機構での減光率の制御等を行う。その照明領域内のレチクルRのパターンを透過した照明光は、投影光学系PL1を介してフォトレジストが塗布されたウエハW上に投影され、そのパターンを倍率β(βは例えば1/4、又は1/5等)で縮小した投影像がウエハW上に転写される。ここで、投影光学系PL1の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にY軸を取り、図1の紙面に垂直にX軸を取る。
【0016】
レチクルRは、レチクルステージ6上に保持され、レチクルステージ6はエアベアリングを介してレチクル支持台5上にY方向に移動自在に載置されている。レチクルステージ6の上端に固定された移動鏡7、及びレチクル支持台5上のレーザ干渉計8により計測されたレチクルステージ6のY座標がステージ制御系11に供給される。ステージ制御系11は、主制御装置18からの指令に従ってレチクルステージ6の位置、及び移動速度を制御する。
【0017】
一方、ウエハWはウエハステージ2上に保持され、ウエハステージ2はX方向、Y方向、Z方向、及び回転方向等にウエハWの位置決めを行うと共に、Y方向にウエハWの走査を行う。ウエハステージ2の上端に移動鏡9が固定され、移動鏡9及び外部のレーザ干渉計10によりウエハステージ2のX座標、及びY座標が常時計測され、計測結果がステージ制御系11に供給されている。ステージ制御系11は主制御装置18からの指令に従って、ウエハステージ2のステッピング動作、及びレチクルステージ6と同期した走査動作の制御を行う。即ち、走査露光時には、上述の投影光学系PL1のレチクル側からウエハ側への倍率βを用いて、ステージ制御系11の制御のもとで、投影光学系PL1に対してレチクルステージ6が−Y方向(又は+Y方向)に速度Vで走査されるのと同期して、ウエハステージ2が+Y方向(又は−Y方向)に速度V(=β・V)で走査される。これにより、レチクルRのパターンが逐次ウエハW上の各ショット領域に転写される。
【0018】
また、ウエハステージ2上のウエハWの近傍には、ディストーション計測用センサ3が固定されている。ディストーション計測用センサ3は、図9(b)に示すように、ウエハWの表面と同じ高さに設定された表面に矩形の開口部50aが設けられた遮光膜50が被着されたガラス基板51と、その開口部50aを通過した露光用の照明光を光電変換する光電変換素子52と、この光電変換素子52からの検出信号S1を処理する信号処理部53とを有し、この信号処理部53の処理結果が図1の主制御装置18に供給されている。本例では後述のように、ウエハステージ2を駆動することにより、レチクルRのパターンの投影像をディストーション計測用センサ3の開口部50aで走査し、その際に光電変換素子52から出力される検出信号S1より信号処理部53が投影光学系PL1の種々の像高での倍率誤差(ディストーション)を求めるようになっている。
【0019】
次に、本例の投影光学系PL1を構成する複数枚のレンズエレメントの内の大部分は石英よりなり、残りの一部のレンズエレメントが蛍石より形成され、その石英からなる所定の1対のレンズエレメントの間に形成された所定の気体室の気体圧力を制御するためのレンズ制御装置12が設けられている。大気圧変化、若しくは温度変化等の環境変化、又は露光用照明光の投影光学系PL1に対する照射量の履歴等に応じて、投影光学系PL1の倍率、焦点位置(ベストフォーカス位置)、像面湾曲等の結像特性が変化した場合に、主制御装置18からの指令に基づいてそれらの結像特性をレンズ制御装置12が補正するようになっている。なお、レンズ制御装置12としては、圧力制御装置の他に、例えば石英若しくは蛍石からなる所定のレンズエレメントの光軸AX方向の位置や傾斜角を制御するレンズ位置制御装置、又はレチクルRの光軸AX方向の位置や傾斜角を制御するレチクル位置制御装置等を使用してもよい。
【0020】
更に、投影光学系PL1には、一部の蛍石よりなる1枚又は複数枚のレンズエレメントの温度を制御するためのレンズ温度制御装置13が接続されている。本例では、環境変化、又は照射量の履歴等に応じて、投影光学系PL1の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)が悪化した場合に、主制御装置18からの指令に基づいてレンズ温度制御装置13がその非線形倍率誤差を補正するようになっている。また、その非線形倍率誤差の補正によって、投影光学系PL1の線形倍率誤差が悪化したときには、その線形倍率誤差をレンズ制御装置12が補正するようになっている。
【0021】
次に、本例の投影光学系PL1の構成、及びレンズ温度制御装置13等の構成につき、図2等を参照して詳細に説明する。
図2は、本例の投影光学系PL1の内部構造、及び結像特性の制御システムを示し、この図2において、投影光学系PL1は、一例として鏡筒4内にウエハW側から順に6枚のレンズエレメント25〜30、4枚のレンズエレメント31〜34、及び4枚のレンズエレメント35A〜38Aを固定して構成されている。また、レンズエレメント36A及び37Aのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英より形成されている。そして、レンズエレメント33,34はレンズ枠G1を介して鏡筒4内に固定され、レンズエレメント35A〜38Aはレンズ枠G2を介して鏡筒4内に固定され、他のレンズエレメントもそれぞれ不図示のレンズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0022】
この場合、レンズエレメント33,34及びレンズ枠G1で囲まれた気体室は密封されており、その気体室が配管12cを介してベローズ機構12bに接続され、ベローズ機構12bの伸縮量が制御部12aによって制御されるようになっている。この制御部12a、ベローズ機構12b、及び配管12cより図1のレンズ制御装置12が構成され、ベローズ機構12bの伸縮量の調整によってその気体室内の気体(例えば空気)の圧力が制御できるようになっている。
【0023】
そして、蛍石よりなるレンズエレメント36A,37A及びレンズ枠G2で囲まれた気体室には、配管21を介して温度制御装置13bから、主制御装置18に指示された任意の温度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管22を介して温度制御装置13bに戻される構成となっている。なお、その気体室内に流す気体が投影光学系PL1の周囲の大気(空気)と同じ成分である場合には、必ずしもその気体室を通過した気体を配管22を介して温度制御装置13bに戻す必要はないが、例えば温度管理の容易な気体(例えば窒素ガス等)を使用する場合には、閉ループで温度制御を行うために配管22を使用する必要がある。
【0024】
また、本例では温度制御装置13bによってレンズエレメント36A,37Aの温度制御を行うため、これらレンズエレメント36A,37Aの温度がレンズ枠G2、鏡筒4、及び気体を媒介として前後の石英よりなるレンズエレメント35A,38Aに伝導するのを防止する必要がある。そのため、レンズエレメント37A,38A及びレンズ枠G2により囲まれた気体室、及びレンズエレメント35A,36A及びレンズ枠G2により囲まれた気体室には、それぞれ配管19及び20を介して温度制御装置13aから一定温度の気体を流している。この一定温度の気体としては、温度伝導率の低い気体(空気等)が使用され、それらの気体室を循環した気体がそれぞれ配管23A及び24Aを介して温度制御装置13aに戻されている。温度制御装置13a,13b、及び配管19〜22,23A,24Aより図1のレンズ温度制御装置13が構成されている。
【0025】
また、本例の投影露光装置では、種々のパターンを高い解像度で露光するために、照明光学系14による照明条件を通常の状態、変形光源、輪帯照明、及びコヒーレンスファクタであるσ値が小さい状態等に切り換えられるようになっている。
図12は、照明光学系14を切り換えた場合に投影光学系PL1を通過する照明光の状態を示し、先ず、通常の状態ではレチクルRを通過した0次光は、図12(a)に示すように、投影光学系PL1の瞳面(レチクルRに対するフーリエ変換面)で所定のほぼ円形の領域を通過している。次に、照明光学系14を変形光源状態とした場合には、レチクルRを通過した0次光は、図12(b)に断面図で示すように、投影光学系PL1の瞳面上で離れた複数の領域を通過する。また、照明光学系14を輪帯照明状態とした場合には、レチクルRを通過した0次光は、投影光学系PL1の瞳面上でほぼ輪帯状の領域を通過する。更に、照明光学系14をσ値が小さい状態とした場合には、レチクルRを通過した0次光は、図12(c)に示すように、投影光学系PL1の瞳面上でほぼ小さい円形の領域を通過する。これらの照明条件によっても、投影像の結像特性が変化する。
【0026】
次に、本例で投影光学系PL1の非線形倍率誤差を除去する場合の動作の一例につき説明する。
本例の投影光学系PL1のレンズエレメントの硝材は、石英及び蛍石である。ここで、石英は温度が上昇しても膨張係数が小さいため殆ど膨張しないが、屈折率が大きくなる特性を持っている。従って、図6(b)に示すように、石英の正のレンズエレメント49Bでは温度が上昇すると、結像面FBがそのレンズエレメントに近付く方向に変位する。一方、蛍石は温度の上昇で膨張し、屈折率は小さくなる特性を持っている。そのため、図6(a)に示すように、蛍石の正のレンズエレメント49Aでは温度が上昇すると、結像面FAはそのレンズエレメントから遠ざかる方向に変位する。なお、上述の硝材の屈折率の温度特性は、単にその屈折率自体の温度特性のみならず、その硝材からなるレンズエレメントの熱膨張をも考慮して温度が変化したときに結像面がどの方向に変化するかによって定められる特性である。
【0027】
更に、投影光学系PL1のディストーションについて図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8において、縦軸は像高H、横軸はその像高Hにおける投影光学系PL1の倍率βであり、光軸上(H=0)での倍率を設計上の倍率βとして示してある。この場合、或る環境下で、或る時間露光を継続して行った後における、投影光学系PL1の石英からなるレンズエレメントに依るディストーションは、図7(a)の曲線61で示すように、像高Hが大きくなるに従って倍率βが一度設計値より小さくなってからほぼ単調に増大する非線形誤差(高次倍率誤差)となる。
【0028】
これに対して、本例では図1のレンズ温度制御装置13を介して、投影光学系PL1内の蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの温度を調整することにより、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエレメントに依るディストーションを、図7(a)の曲線61とほぼ逆の特性の非線形倍率誤差を有するように設定する。しかしながら、そのように蛍石よりなるレンズエレメントのディストーションを設定しても、そのディストーションには所定の線形倍率誤差がオフセットとして重畳される。従って、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエレメントに依るディストーションは、図7(b)の曲線62Aで示すように、直線62Bで示す線形倍率誤差に、図7(a)の曲線61とほぼ逆の特性の非線形倍率誤差を重畳した特性となる。
【0029】
そのため、図1のレンズ制御装置12で結像特性の補正を行わない状態では、投影光学系PL1の全体としてのディストーションは、図7(c)の直線63で示すように、像高Hに応じて倍率βが設計値から線形に増大する線形倍率誤差で近似できる特性となる。そこで、図1のレンズ制御装置12によって、投影光学系PL1に対して、図7(c)の直線63で近似される残存倍率誤差をほぼ相殺するような、直線64で表される線形倍率誤差を付与する。その結果、本例の投影光学系PL1のディストーションは、図8の曲線65に示すようになり、非線形倍率誤差と共に線形倍率誤差も除去されたものとなる。
【0030】
ここで、図9及び図10を参照して投影光学系PL1のディストーションの計測方法の一例につき説明する。
そのため、図1のレチクルRとして、照明領域内に所定個数の対の(例えば16対の)評価用マークが均等に分布するテストレチクルを使用する。この場合、各対の評価用マークは、投影された状態での像高Hが最大値Hmax の10割(即ち、Hmax そのもの)、及び8割(即ち、0.8Hmax )等のように種々の像高となるマークを含むことが望ましい。それら各組の評価用マークは、X方向に所定ピッチで配列されたライン・アンド・スペースパターンよりなるX軸の評価用マーク、及びこの評価用マークを90°回転した構成のY軸の評価用マークよりなり、その内のi番目(i=1〜16)のY軸の評価用マークの投影像MY(i)を図9(a)に示す。
【0031】
図9(a)において、投影像MY(i)はY方向に所定ピッチで明部P1〜P5が配列されたパターンであり、図1のウエハステージ2を駆動することにより、ディストーション計測用センサ3の矩形の開口部50aでその投影像MY(i)をY方向に走査する。その際に図9(b)の光電変換素子52から出力される検出信号S1が、信号処理部53の内部でアナログ/デジタル(A/D)変換されて、ウエハステージ2のY座標に対応して記憶される。
【0032】
図10(a)は本例の検出信号S1を示し、本例の開口部50aは矩形であるため、その図10(a)に示すように、得られる検出信号S1は、Y座標に応じて階段状に変化する信号となる。そこで、一例として信号処理部53では、その検出信号S1をY座標で微分して(実際の処理上では差分演算となる)、図10(b)に示すような微分信号dS1/dYを得た後、この微分信号dS1/dYがピークを取るY座標の値Y〜Yを求める。これらの値Y〜Yがそれぞれ図9(a)の評価用マークの投影像MY(i)の明部P1〜P5に対応しているため、信号処理部53では、以下の式よりその投影像MY(i)のY座標Yを算出する。
【0033】
=(Y+Y+Y+Y+Y)/5 (1)
また、i番目のX軸の評価用マークの投影像については、その投影像に対してディストーション計測用センサ3の開口部50aをX方向に走査することにより、そのX座標Xを求めることができる。これによって、各対の評価用マークの投影像のX座標X、Y座標Yが求められ、求められた座標が主制御装置18に供給される。また、投影光学系PL1に倍率誤差が無い場合の各対の評価用マークの投影像の位置(設計上の位置)(XD,YD)は、予め主制御装置18内の記憶装置に記憶されている。
【0034】
この場合、各評価用マークの投影像の実際に計測された位置(X,Y)にはテストレチクルの回転誤差の影響が含まれている。その影響を除去するため、主制御装置18では、その回転誤差をΔφとして、各対の評価用マークの投影像の設計上の位置(XD,YD)をその回転誤差Δφだけ回転して得られた計算上の位置(XC,YC)と、実際に計測された位置(X,Y)との差分の自乗和が最小になるように、最小自乗法でその回転誤差Δφを決定する。従って、投影光学系PL1の倍率誤差に起因する各対の評価用マークの投影像のずれ量は、(X−XC,Y−YC)となる。この場合の添字iの範囲は例えば1〜16である。
【0035】
次に、その投影像のずれ量を線形倍率誤差と非線形倍率誤差とに分離するために、例えば像高Hに対して所定の係数kを用いて倍率βが次式で与えられるものとする。
β=k・H+β (2)
そして、各対の評価用マークの投影像の計算上の位置(XC,YC)を、(2)式の倍率βを用いて補正して得られた位置(XC’,YC’)と、各対の評価用マークの投影像の計測された位置(X,Y)との差分の自乗和が最小になるように、最小自乗法でその係数kの値を決定する。これによって、線形倍率誤差が求められたことになる。この結果、投影光学系PL1の非線形倍率誤差に起因する各対の評価用マークの投影像のずれ量は、(X−XC’,Y−YC’)となり、これらのずれ量をそれぞれ計算上の像高H(位置(XC’,YC’)での像高)で除算することにより、残存する非線形倍率誤差(高次倍率誤差)が像高Hの関数として求められる。また、計測されるのは像高H上の所定の複数の計測点での倍率誤差であるため、それらの間の像高での倍率誤差は前後の計測点での倍率誤差を補間して得られる値を使用してもよい。
【0036】
また、上述のような求め方の他に、例えば線形倍率誤差を像高Hが投影光学系による露光領域の最大半径Hmax の10割となる位置(即ち、H=Hmax )での倍率誤差と定義して、その像高Hmax 近傍の評価用マークの投影像の位置ずれ量の平均値から線形倍率誤差を求めても良い。この場合、それより小さい像高Hでの線形倍率誤差は、像高Hに比例した値となる。
【0037】
更に、このようにして求めた線形倍率誤差を除去した後、像高Hが投影光学系による露光領域の最大半径Hmax の7割となる位置(即ち、H=0.7Hmax )で残存している倍率誤差を非線形倍率誤差と定義して、その像高0.7Hmax 近傍の評価用マークの投影像の位置ずれ量の平均値から非線形倍率誤差を求めても良い。
【0038】
次に、図2における蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの温度の設定値の決定方法の一例につき説明する。先ず、投影光学系PL1の周囲の空気の圧力(大気圧)をxとして、大気圧xが基準値xから変化することによって投影光学系PL1に非線形倍率誤差が生じた場合に、その非線形倍率誤差を相殺するためのレンズエレメント36A,37Aの温度yの設定値につき説明する。この場合、大気圧xが基準値xから変化することによって生ずる投影光学系PL1の非線形倍率誤差を光学計算によって求める。そして、このように求めた非線形倍率誤差と、逆の特性の非線形倍率誤差を発生させるためのレンズエレメント36A,37Aの温度yを計算によって求める。この場合、簡単のために上述のように、最大の像高Hmax での倍率誤差を基準とする線形倍率誤差を除去した後の、7割の像高(0.7Hmax )での倍率誤差を非線形倍率としてもよい。但し、複数の像高Hでの倍率誤差から最小自乗法的に、その逆の特性の非線形倍率誤差を発生させるためのレンズエレメント36A,37Aの温度を求めても良い。
【0039】
図11の実線の曲線は、そのようにして予め大気圧xの関数F(x)として求められた温度y(y=F(x))を表し、この図11において、横軸は大気圧x、縦軸は蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの温度yであり、基準大気圧xで非線形倍率誤差を最小とするためのレンズエレメント36A,37Aの温度をyとしてある。実用上でも、その関数F(x)に基づいて温度yを設定するようにしてもよい。
【0040】
しかしながら、実際には投影光学系PL1の各光学要素の製造誤差によって、関数F(x)で求めた温度yでは非線形倍率誤差が十分に小さくならないことがある。更に、本例の図1の照明光学系14では、図12で説明したように、通常照明、変形照明、及びコヒーレンスファクタ(σ値)を小さくした照明等のように照明条件を種々に切り換えて使用できるようになっている。そのため、上述の関数F(x)も照明条件毎に計算する必要があるが、特に変形照明やコヒーレンスファクタ(σ値)を小さくした照明等での計算結果の信頼性は低いことがある。そこで、非線形倍率誤差をより小さくするためには、次のようにして関数F(x)のキャリブレーションを行うことが望ましい。
【0041】
即ち、実際に良く当てはまる関数を求めるために、基準大気圧xと異なる任意の1点の大気圧xにおいて、図1のディストーション計測用センサ3を用いて投影光学系PL1の投影像の非線形倍率誤差を求める。次に、レンズ温度制御装置13を介して蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの温度を制御して、その投影像の非線形倍率誤差が0(最小)になるときの温度yを求める。この際に、蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの温度は、理論的な関数F(x)で定められる温度yの近傍で変化させるようにする。その後、レンズ制御装置12を用いて、残存する線形倍率誤差を0にするための上述の気体室の圧力も求めておく。
【0042】
また、その大気圧xと異なる他の大気圧xにおいても、同様にして実際に投影像の非線形倍率誤差を0にするための蛍石よりなるレンズエレメントの温度y、及び残存する線形倍率誤差を0にするためのその気体室の圧力を求める。そして、大気圧がx,x,xの点での蛍石よりなるレンズエレメントの実測された温度より、図11に点線で示すように、例えば2次関数として、大気圧xに対する蛍石よりなるレンズエレメントの温度yを表す関数F’(x)を求めることができる。更に、このときに残存する線形倍率誤差を0にするためのその気体室の圧力も、その大気圧xの関数として求めることができる。なお、測定点数を増加させて、大気圧xの3次以上の関数として蛍石よりなるレンズエレメントの温度y等を定めてもよい。その関数F’(x)を使用することによって、投影像の非線形倍率誤差をより小さくできる。
【0043】
また、図11の関数F’(x)は通常の照明条件(図12(a)の方式)のもとで求めた関数であるが、他の2種類の照明条件(図12(b)及び(c)の方式)等のもとでも同様にキャリブレーションを行う。図12(b)及び(c)の照明条件のもとで、蛍石よりなるレンズエレメントの非線形倍率誤差を最小にするための温度yを大気圧xの関数として求めた結果が、それぞれ図13の関数F1(x)及びF3(x)で表されている。また、図13の関数F2(x)は図11の関数F’(x)と同じ関数、即ち通常の照明条件下で求めた関数である。このように関数を求めた場合には、図13の3つの関数F1(x)〜F3(x)を図1の主制御装置18内の記憶部に記憶しておく。そして、主制御装置18では計測される大気圧xに応じて、使用されている照明条件に応じた関数より蛍石のレンズエレメントの温度yの目標値を求め、レンズ温度制御装置13を介してそのレンズエレメントの温度をその目標値に設定する。
【0044】
上述の例では、大気圧による非線形倍率誤差の補正について説明したが、それ以外にも、露光用の照明光が投影光学系を通過する際の照射エネルギーで各レンズエレメントが膨張したり、各レンズエレメントの屈折率が変化したりすることがあり、それによっても非線形倍率誤差が発生する。そこで、投影光学系PL1を単位時間当たりに通過する照射エネルギーをeとし、照射エネルギーeの関数として非線形倍率誤差を最小にするための蛍石よりなるレンズエレメントの温度yを求めておく必要がある。更に、この場合の関数も照明条件毎に求めておく必要がある。
【0045】
図14は、照射エネルギーeに対して非線形倍率誤差が最小になるようにキャリブレーションを行って求めた、蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの温度yを示し、この図14において、横軸は投影光学系PL1を通過する露光用の照明光の照射エネルギーe、縦軸は蛍石よりなるレンズエレメントの非線形倍率誤差を最小にするための温度yを示している。この場合、その照射エネルギーeは、例えば図1の照明光学系14内で露光用の照明光の一部を分離して得られる光束を光電変換して得た信号に、予め求められている変換係数を乗ずることによって求められる。そして、図14の照射エネルギーeの関数g1(e),g2(e)及びg3(e)はそれぞれ、図12(b),(a)及び(c)の照明条件毎に求めた非線形倍率誤差を最小にするための温度yを示す関数である。
【0046】
以上をまとめると、最終的には照射エネルギーe、大気圧x、照明条件Iをパラメータとした関数Q(e,x,I)によって、蛍石よりなるレンズエレメントの非線形誤差を最小にするための温度yを求めておく必要がある。その関数Q(e,x,I)も図1の主制御装置18内の記憶部に記憶しておき、主制御装置18では露光時の照射エネルギーe、大気圧x、照明条件Iに応じて、その関数Q(e,x,I)より蛍石よりなるレンズエレメントの目標温度を求めることが望ましい。
【0047】
また、上述の例ではレンズエレメント36A,37Aに対して温度制御を行う方法について説明したが、鏡筒4又はレンズ枠G2等自体を温度制御した場合にもレンズエレメント間距離が変化するため、同様の効果を得ることが可能となる。従って、鏡筒4又は所定のレンズ枠の温度制御を行う機構を設けてもよい。更に、前記のようにレンズエレメント36A,37Aを温度制御した場合も鏡筒4及びレンズ枠G2の温度変化が生じて、レンズエレメント間距離の伸縮が発生するので、それを加味した設計を行うことが望ましい。
【0048】
なお、本例では露光用光源としてエキシマレーザ光源が使用されているが、露光用照明光の照射エネルギーに関しては、水銀ランプのi線(波長:365nm)の方がエキシマレーザ光に比べて投影光学系での吸収が大きく、投影光学系の非線形倍率誤差も大きく変化する。従って、照射エネルギーに応じて蛍石よりなるレンズエレメントの温度を制御する方法は、むしろ水銀ランプのi線等を使用した投影露光装置(ステッパー等)に適用することによって、非線形倍率誤差を良好に低減できるという大きな利点がある。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態につき図3を参照して説明する。図3において図2に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例の投影光学系は、特にステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に使用して好適な光学系である。
図3は、本例の投影光学系PL2を示し、この図3において、投影光学系PL2は、鏡筒4内にウエハW側から順に6枚のレンズエレメント25〜30、4枚のレンズエレメント31〜34、及び4枚のレンズエレメント35B〜38Bを固定して構成されている。また、レンズエレメント35B〜37Bはレンズ枠G3を介して鏡筒4内に固定され、レンズエレメント38Bも不図示のレンズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0050】
この場合、レンズエレメント36Bのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英より形成されている。そして、レンズエレメント36Bの走査方向であるY方向の一方の端部の両面に1対の温度制御素子40A,40Bが固定され、そのY方向の他方の端部の両面にも1対の温度制御素子40C,40Dが固定されている。この場合、照明光学系によるレチクルRのパターン形成面上でのスリット状の照明領域のY方向の幅をLとすると、その幅Lの照明領域を通過した照明光が通過しない領域にそれらの温度制御素子40A〜40Dが固定してある。
【0051】
それらの温度制御素子40A〜40Dとしては、ヒータ、又はペルチェ素子等が使用できる。そのペルチェ素子は加熱用に使用してもよく、吸熱用に使用してもよい。また、不図示であるが、レンズエレメント36BのY方向の端部に温度センサが固定され、この温度センサの検出信号が外部の温度制御装置39に供給され、温度制御装置39は、検出された温度が主制御装置18に指示された設定温度になるように、温度制御素子40A〜40Dの加熱、又は吸熱動作を制御する。
【0052】
更に本例ではそのようにレンズエレメント36Bの温度を制御することによって発生する熱の、近接するレンズエレメントへの影響を防止するための排熱機構が設けられている。即ち、レンズエレメント36B,37B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室には、配管19を介して温度制御装置13aから、所定温度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管23Bを介して温度制御装置13aに戻され、レンズエレメント35B,36B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室には、配管20を介して温度制御装置13aから、所定温度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管24Bを介して温度制御装置13aに戻される構成となっている。そして、主制御装置18からの指令に基づいて温度制御装置13aは、強制空調によって、レンズエレメント36Bの前後のレンズエレメント35B,37Bの温度を一定に保つようにしている。それ以外の構成は図2の例と同様である。
【0053】
以上のように、本例によれば、スリット状の照明領域を通過した照明光に照射されない空間を有効に活用して、温度制御素子40A〜40Dを用いて蛍石からなるレンズエレメント36Bの温度を直接制御しているため、そのレンズエレメント36Bの温度を高速且つ高精度に所望の目標温度に設定できる利点がある。これによって、投影光学系PL2の投影像の非線形倍率誤差を迅速に、且つ高い精度で小さくできる。
【0054】
次に、本発明の第3の実施の形態につき図4を参照して説明する。図4において図2に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装置に適用しても好適な光学系である。
図4は、本例の投影光学系PL3を示し、この図4において、投影光学系PL3は、鏡筒4内にウエハW側から順に6枚のレンズエレメント25〜30、4枚のレンズエレメント31,32,33A,34A、及び4枚のレンズエレメント35C〜38Cを固定して構成されている。また、レンズエレメント33A,34Aはレンズ枠G4を介して鏡筒4内に固定され、レンズエレメント35C,36Cはレンズ枠G5を介して鏡筒4内に固定され、他のレンズエレメントも不図示のレンズ枠を介して固定されている。
【0055】
この場合、レンズエレメント33A、及び36Cのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英より形成されている。この場合、上側の蛍石のレンズエレメント36Cの温度変化によって主に非線形倍率誤差の特性が変化し、下側の蛍石のレンズエレメント33Aの温度変化によって主に線形倍率誤差の特性が変化するようになっている。また、レンズエレメント35C,36C及びレンズ枠G5で囲まれた気体室には、配管41Aを介して温度制御装置13cから可変温度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管41Bを介して温度制御装置13cに戻され、レンズエレメント33A,34A及びレンズ枠G4で囲まれた気体室には、配管42Aを介して温度制御装置13dから、可変温度の温度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管42Bを介して温度制御装置13dに戻される構成となっている。そして、主制御装置18からの指令に基づいて、温度制御装置13c及び13dはそれぞれ、レンズエレメント36C及び33Aの温度を目標温度に設定するようにしている。
【0056】
そして、本例では投影光学系PL3の投影像の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)を補正するときには、温度制御装置13cを介してレンズエレメント36Cの温度を制御し、その際発生する線形倍率誤差を、温度制御装置13dを介してレンズエレメント33Aの温度を制御することで相殺する方法を採っている。更にこの方法は、大気圧による高次倍率誤差の特性と、露光用の照明光の投影光学系に対する照射時の温度変化による高次倍率誤差の特性とが異なり、3次以上の倍率誤差が大きく残る場合等に、それぞれに対応する2箇所の蛍石よりなるレンズエレメントで独立に高次倍率制御を行う場合にも利用できる。即ち、例えば上側の蛍石よりなるレンズエレメント36Cで大気圧による非線形倍率誤差を補正し、それより下側の蛍石よりなるレンズエレメントで照明光の照射による非線形倍率誤差を補正するようにしてもよい。
【0057】
次に、本発明の第4の実施の形態につき図5を参照して説明する。図5において図2に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装置に使用しても好適な光学系である。
図5は、本例の投影光学系PL4を示し、この図5において、投影光学系PL4は、鏡筒4A内にウエハW側から順に6枚のレンズエレメント25,26,27A,28A,29A,30、4枚のレンズエレメント31,32,33B,34B、及び2枚のレンズエレメント35D,36Dを固定し、その鏡筒4Aの上にレンズエレメント37Dを保持する支持台45、及びレンズエレメント38Dを保持する支持台46を固定して構成されている。また、レンズエレメント28A,29Aはレンズ枠G6を介して鏡筒4A内に固定され、他のレンズエレメントも不図示のレンズ枠を介して鏡筒4A内に固定されている。
【0058】
本例では、レンズエレメント28A、及び29Aのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英より形成されている。また、レンズエレメント28A,29A及びレンズ枠G6で囲まれた気体室には、配管43を介して温度制御装置13eから可変温度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管44を介して温度制御装置13eに戻されている。そして、主制御装置18からの指令に基づいて、温度制御装置13eは、レンズエレメント28A,29Aの温度を目標温度に設定するようにしている。また、支持台45及び46は互いに独立に駆動装置47によって、投影光学系PL4の光軸AXに平行な方向への移動、及び所望の角度の傾斜ができるように構成されている。駆動装置47の動作は、主制御装置18からの指令に基づいて結像特性制御装置48が制御する。
【0059】
本例でも、蛍石よりなるレンズエレメント28A,29Aの温度を温度制御装置13eを介して制御することによって、投影光学系PL4の投影像の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)を補正するが、その際発生する線形倍率誤差を支持台45,46を介してレンズエレメント37D,38Dを傾斜、又は上下動させることによって補正する。それら2つの支持台45,46の動きの組み合わせによって、倍率誤差のみでなく、焦点位置のデフォーカス、及び像面湾曲等も補正できるので、非線形倍率誤差補正時に発生する他の収差の大半は温度制御装置13e、及び駆動装置47の制御を最適化することで相殺することができる。
【0060】
【実施例】
次に、投影光学系の実際の数値モデルについて、温度制御によって非線形倍率誤差がどの程度変化するかを数値解析した結果を示す。
この場合、例えば図2に示す投影光学系PL1を解析対象とすると、投影光学系PL1中には蛍石より形成することによって結像特性を補正できる可能性のあるレンズエレメントが9枚ある。そこで、このように蛍石より形成できる9枚のレンズエレメントをレンズエレメントL1〜L9として、蛍石よりなるレンズエレメントを使用しない場合、及び1枚のレンズエレメントが蛍石からなり他のレンズエレメントが石英からなる場合についてそれぞれ、像高が最大値の10割の位置での倍率誤差βA[μm]、像高が最大値の7割の位置での倍率誤差βB[μm]、及び像高が最大値の10割の位置での倍率誤差をほぼ0に補正したときに像高が最大値の7割の位置で残留する倍率誤差(非線形倍率誤差)βC[μm]を求めた。また、1枚のレンズエレメントを蛍石より形成した場合として、レンズエレメントL1〜L9を順次蛍石より構成し、その蛍石よりなる1枚のレンズエレメントの温度を1℃変化させたときの倍率誤差βA[μm]、倍率誤差βB[μm]、及び残留倍率誤差(非線形倍率誤差)βC[μm]を次の表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0003552351
【0062】
上記の表1において、例えばレンズエレメントL4を蛍石より形成した場合、残留倍率誤差(非線形倍率誤差)βCは蛍石を使用しない場合に比べて、0.0067μm、即ち約7nm大きくなっている。また、レンズエレメントL9を蛍石より形成した場合、残留倍率誤差(非線形倍率誤差)βCは蛍石を使用しない場合に比べて、0.0292μm、即ち約29nm変化している。これより、蛍石よりなる1枚のレンズエレメントの温度を±1℃変化させることで、最大でほぼ±20nm程度の非線形倍率誤差の補正が可能となることが分かる。
【0063】
更に、一般に温調制御の分解能は0.01℃程度は可能であるため、蛍石よりなるレンズエレメントの温度を1℃程度変化させて非線形倍率誤差を補正する場合、その非線形倍率誤差の補正の分解能はほぼ±0.2nm(=±20/100[nm])となる。また、表1より、蛍石よりなるレンズエレメントの温度を1℃変化させることで、ほぼ±0.2μm程度の線形倍率誤差が発生することが分かる。従って、蛍石よりなるレンズエレメントの温度を1℃程度変化させる場合の線形倍率誤差の制御の分解能は、ほぼ±2nm(=±0.2/100[μm])という高いレベルになる。
【0064】
また、更に複数の位置に蛍石のレンズエレメントを入れることで温度制御レンジを狭くしたり、付加的に発生する線形倍率誤差を小さくしたり、更に大きな非線形倍率誤差を補正することも可能となる。
なお、本発明は上述の実施の形態、及び実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、投影光学系は第1の硝材からなる複数の光学部材と、屈折率に関する温度特性がその第1の硝材と異なる第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材とを有し、その第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材の温度制御を行うことにより、その投影光学系の結像特性を制御している。従って、大気圧や投影光学系の周囲の温度等の環境の変化、照明条件(通常若しくは変形光源等)の変更、又は露光用照明光の吸収等によって悪化する投影光学系のディストーションを補正できる利点がある。その結果、感光基板上での投影像の重ね合わせ精度を向上できる。
【0066】
また、温度制御手段によって制御される投影光学系の結像特性が非線形倍率誤差である場合には、従来の方式では補正できなかった非線形倍率誤差を補正できる利点がある。
この場合、その温度制御手段によって制御対象の光学部材の温度を±1℃変化させることにより、その投影光学系の非線形倍率誤差を±50nmの範囲内で補正するときには、上述の数値解析で示したように例えば蛍石よりなる1枚、又は2枚のレンズエレメントの温度を制御することによってその範囲内での補正を行うことができて実用的である。
【0067】
また、その投影光学系の線形倍率誤差を補正する線形倍率制御手段を設け、その温度制御手段によってその投影光学系の非線形倍率誤差を所定の許容範囲内に収めた後に残存する線形倍率誤差を、その線形倍率制御手段を介して低減させるときには、投影光学系のディストーションを実質的に0にすることができる。
また、その投影光学系の使用条件の変化に応じたその投影光学系の結像特性の変化量を記憶する記憶手段を設け、その投影光学系の使用条件の変化に応じてその記憶手段に記憶されている結像特性の変化量を相殺するように、その温度制御手段を介してその投影光学系の結像特性を制御するときには、その投影光学系の使用条件が変化したときに、ほぼ待ち時間無しでその投影光学系のディストーション等の結像特性を良好な状態に戻すことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態で使用される投影光学系、及び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図3】第2の実施の形態で使用される投影光学系、及び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図4】第3の実施の形態で使用される投影光学系、及び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図5】第4の実施の形態で使用される投影光学系、及び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図6】温度変化に対して互いに異なる特性を有する2つの硝材のレンズエレメントを示す光路図である。
【図7】(a)は石英からなるレンズエレメントに依る非線形倍率誤差を示す図、(b)は温度制御された蛍石からなるレンズエレメントに依る倍率誤差を示す図、(c)は線形倍率誤差の補正量を示す図である。
【図8】石英からなるレンズエレメント、温度制御された蛍石からなるレンズエレメント、及びレンズ制御装置を組み合わせて得られる倍率誤差(ディストーション)を示す図である。
【図9】(a)はディストーション計測用センサ3の開口部及び評価用マークの投影像を示す平面図、(b)はディストーション計測用センサ3の構成を示す一部を断面とした構成図である。
【図10】(a)はディストーション計測用センサ3で検出される検出信号を示す波形図、(b)はその検出信号の微分信号を示す波形図である。
【図11】大気圧と蛍石よりなるレンズエレメントの温度との関係を示す図である。
【図12】照明条件を種々に切り換えた場合の投影光学系内を通過するレチクルからの0次光の分布を示す概念図である。
【図13】照明条件を切り換えた場合の大気圧と蛍石よりなるレンズエレメントの温度との関係を示す図である。
【図14】投影光学系を通過する照射エネルギーと蛍石よりなるレンズエレメントの温度との関係を示す図である。
【図15】従来の投影露光装置における非線形倍率誤差を示す図である。
【図16】(a)は一括露光を行った場合の非線形倍率誤差の影響を示す図、(b)は走査露光を行った場合の非線形倍率誤差の影響を示す図である。
【符号の説明】
R レチクル
PL1,PL2,PL3,PL4 投影光学系
W ウエハ
2 ウエハステージ
3 ディストーション計測用センサ
4 鏡筒
G1,G2 レンズ枠
6 レチクルステージ
8,10 レーザ干渉計
12 レンズ制御装置
13 レンズ温度制御装置
13a,13b 温度制御装置
14 照明光学系
18 主制御装置
25〜34,35A,38A 石英よりなるレンズエレメント
36A,37A 蛍石よりなるレンズエレメント
36B 蛍石よりなるレンズエレメント
33A,36C 蛍石よりなるレンズエレメント
28A,29A 蛍石よりなるレンズエレメント
40A〜40D 温度制御素子

Claims (11)

  1. マスクパターンを投影光学系を介して感光基板上に投影する投影露光装置において、
    前記投影光学系は、第1の硝材からなる複数の光学部材と、屈折率に関する温度特性が前記第1の硝材と異なる第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材とを有し、
    前記第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材の温度制御を行う温度制御手段を設け、
    該温度制御手段を用いて前記投影光学系の結像特性を制御することを特徴とする投影露光装置。
  2. 前記温度制御手段によって制御される前記投影光学系の結像特性は非線形倍率誤差であることを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 前記温度制御手段によって、前記第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材の温度を±1℃変化させることにより、前記投影光学系の非線形倍率誤差を±50nmの範囲内で補正することを特徴とする請求項2に記載の投影露光装置。
  4. 前記投影光学系の線形倍率誤差を補正する線形倍率制御手段を設け、
    前記温度制御手段によって前記投影光学系の非線形倍率誤差を所定の許容範囲内に収めた後に残存する線形倍率誤差を、前記線形倍率制御手段を介して低減させることを特徴とする請求項2又は3に記載の投影露光装置。
  5. 前記投影光学系の使用条件の変化に応じた前記投影光学系の結像特性の変化量を記憶する記憶手段を設け、
    前記投影光学系の使用条件の変化に応じて前記記憶手段に記憶されている結像特性の変化量を相殺するように、前記温度制御手段を介して前記投影光学系の結像特性を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  6. 前記線形倍率制御手段は、前記投影光学系の光軸方向における前記マスクの位置や傾斜角を制御するマスク位置制御装置を含むことを特徴とする請求項4に記載の投影露光装置。
  7. 前記線形倍率制御手段は、前記投影光学系の光軸方向における、該投影光学系が有する所定の光学部材の位置や傾斜角を制御する光学部材位置制御装置を含むことを特徴とする請求項4に記載の投影露光装置。
  8. 前記温度制御手段は、前記少なくとも一つの光学部材の表面に固定された温度制御素子を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  9. 前記投影光学系は、前記第2の硝材からなる2つの光学部材を有し、
    前記温度制御手段は、前記2つの光学部材の一方の温度を制御することによって、前記投影光学系の非線形倍率誤差を補正し、前記2つの光学部材の他方の温度を制御することによって、前記投影光学系の線形倍率誤差を補正することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  10. 前記第1の硝材は、石英であり、前記第2の硝材は、蛍石であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  11. 前記マスクを保持するマスクステージと、前記感光基板を保持する基板ステージとをさらに有し、前記マスクステージ及び前記基板ステージを同期移動させて、走査露光を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の投影露光装置。
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