JP3526042B2 - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JP3526042B2 JP20327795A JP20327795A JP3526042B2 JP 3526042 B2 JP3526042 B2 JP 3526042B2 JP 20327795 A JP20327795 A JP 20327795A JP 20327795 A JP20327795 A JP 20327795A JP 3526042 B2 JP3526042 B2 JP 3526042B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用さ
れ、マスクパターンを投影光学系を介して感光基板上に
転写する投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC,LSI等の半導体素子等を製造す
るための投影露光装置は、マスクとしてのレチクルと、
感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)の各
ショット領域とを投影光学系を介して所定の位置関係に
位置決めし、一括で各ショット領域の全体にレチクルの
パターン像を露光するステップ・アンド・リピート方式
と、レチクルとウエハの各ショット領域とを投影光学系
に対して相対走査することにより、各ショット領域にレ
チクルのパターン像を逐次露光していくステップ・アン
ド・スキャン方式とに大別される。これら両方式は、レ
チクルのパターンを投影光学系を介して投影する点では
共通であり、ウエハ上にレチクルのパターンの像を如何
に正確に投影できるかが重要となる。
【0003】一般に、投影光学系を設計する際には所定
の条件下で光学的諸収差がほぼ0になるように設計され
るが、投影露光を行う際の環境が変化して投影光学系近
傍の大気圧や温度が変化するか、又は露光用照明光の照
射による熱吸収等があると、投影光学系を構成するレン
ズ間の気体の屈折率変化、レンズ膨張、レンズの屈折率
変化、及びレンズ鏡筒の膨張等が発生する。このため、
レチクルのパターンをウエハ上に投影するときに、その
投影像の結像面(ベストフォーカス面)の投影光学系の
光軸方向の位置(フォーカス位置)がずれて、ウエハの
表面がその結像面から外れてしまうデフォーカスが発生
していた。このデフォーカスは、線形的なデフォーカス
(像高に対してデフォーカス量が1次関数的に変化する
成分)と非線形的なデフォーカス(線形的なデフォーカ
ス以外の成分)とに分けられる。そして、従来より線形
的なデフォーカスを補正する手段として、ウエハのフォ
ーカス位置を結像面の方向に制御するオートフォーカス
機構、及びウエハの傾斜角を結像面に合わせ込むように
制御するオートレベリング機構が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
においては、環境変化等によって発生する投影光学系の
結像面に対するデフォーカスの内の、非線形的なデフォ
ーカス成分に対する補正を行うことができないという不
都合があった。その非線形的なデフォーカス成分の主要
部は、投影像の像高に応じてデフォーカス量が2次以上
の関数に近似した曲線で変化する像面湾曲である。即
ち、設計上の基準となる状態では、図15(a)に示す
ように、投影光学系の結像面のフォーカス位置ZF は像
高Hに依らずにほぼ設計上の目標位置の近傍にある。
【0005】ところが、その基準となる状態に対して大
気圧変化や、露光用照明光の照射による熱吸収等が生ず
ると、その結像面のデフォーカスの特性は図15(b)
に示すような像面湾曲となる。このような像面湾曲が発
生すると、結像面全体での焦点深度(DOF)の幅が狭
くなり、結果としてレチクルパターンの投影像の全体で
所望の解像度を得るのが困難となる。
【0006】図15(b)に示すような像面湾曲が、ス
テップ・アンド・リピート方式(一括露光方式)の投影
露光装置で発生すると、図16(a)に示すように、本
来の投影像の結像面72のフォーカス位置が像高によっ
て非線形に変化して結像面73Aのようになり、全体と
しての焦点深度の幅が狭くなる。一方、図15(b)に
示すような像面湾曲が、ステップ・アンド・スキャン方
式(走査露光方式)の投影露光装置で発生すると、図1
6(b)で示すように本来の投影像の結像面72に対し
て、走査方向であるY方向には平均化効果によってデフ
ォーカスは発生していないものの、その平均化効果によ
って像劣化が生じている。また、非走査方向(X方向)
には、一括露光方式と同様に像高に応じたデフォーカス
が発生して、走査露光後の実質的な結像面は結像面73
Bとなっているため、結果として所謂「かまぼこ型」の
像面湾曲が発生していることが確認できる。
【0007】更に近年、レチクルサイズが拡大してきて
おり、大きなレチクルを使用する場合に更に像面湾曲が
拡大してしまうという不都合も生じている。例えばレチ
クルの周辺を真空吸着等で保持するものとすると、図1
7(a)に示すように、小さいサイズ(一辺が5インチ
以下程度)のレチクルRAを4個の支持部74Aで支持
する場合には、レチクルRAは湾曲しないため特に問題
は無い。しかしながら、図17(b)に示すように、大
きいサイズ(例えば一辺が6〜9インチ程度)のレチク
ルRBを4個の支持部74Bで支持する場合には、レチ
クルRBは支持部74Bの長手方向(Y方向)と直交す
る方向(X方向)に自重で「かまぼこ型」に撓み、その
分だけ結像面の像面湾曲も増加するという不都合があ
る。特に、図17(b)のレチクルRBを、Y方向を走
査方向とするステップ・アンド・スキャン方式(走査露
光方式)の投影露光装置で使用した場合、図16(b)
に示す「かまぼこ型」の像面湾曲が増幅される恐れがあ
る。
【0008】このように投影光学系の結像面に像面湾曲
のような非線形的なデフォーカスが存在すると、ステッ
プ・アンド・リピート方式、又はステップ・アンド・ス
キャン方式の何れの方式でも最終的に得られる結像面の
焦点深度が全体として狭くなり、解像度が劣化するとい
う不都合がある。本発明は斯かる点に鑑み、投影光学系
の周囲の大気圧等の環境の変化、露光用照明光の吸収、
又はレチクルの撓み等によって悪化する投影光学系の結
像面のデフォーカス、特に像面湾曲のような非線形的な
デフォーカスを補正できる投影露光装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光装
置は、例えば図1、図2に示すように、マスクパター
ンを投影光学系を介して感光基板(W)上に投影する投
影露光装置において、その投影光学系(PL1)は、
1の硝材からなる複数の光学部材(25〜34,35
A,38A)と、屈折率に関する温度特性が前記第1の
硝材と異なる第2の硝材からなる少なくとも一つの光学
部材(36A,37A)を有し、その第2の硝材から
なる少なくとも一つの光学部材(36A,37A)の温
度制御を行う温度制御手段(13)を設け、この温度制
御手段を用いて投影光学系(PL1)の結像面の投影光
学系(PL1)の光軸方向の位置を制御するものであ
る。
【0010】また、温度制御手段(13)による制御対
象の一例は投影光学系(PL1)の像面湾曲であり、こ
の場合、投影光学系(PL1)の倍率誤差を制御する倍
率誤差制御手段(12)を設け、温度制御手段(13)
を用いて投影光学系(PL1)の像面湾曲を制御したと
きに発生する倍率誤差を倍率誤差制御手段(12)を介
して低減させることが望ましい。
【0011】また、温度制御手段(13)によって制御
対象の光学部材(36A,37A)の温度を±1℃以下
の範囲内で制御することにより、投影光学系(PL1)
の像面湾曲を±0.3μm以下の範囲内で補正すること
が望ましい。更に、投影光学系(PL1)の使用条件の
変化に応じた投影光学系(PL1)の結像面の位置の変
化量を記憶する記憶手段(18)を設け、投影光学系
(PL1)の使用条件の変化に応じて記憶手段(18)
に記憶されている結像面の位置の変化量を相殺するよう
に、温度制御手段(13)を介して投影光学系(PL
1)の結像面の位置を制御することが望ましい。
【0012】更に、投影光学系(PL1)の結像面と感
光基板(W)とを投影光学系(PL1)の光軸方向に相
対的に移動するフォーカス位置制御手段(2)を設け、
温度制御手段(13)を用いて投影光学系(PL1)の
結像面の位置を制御したときに残存しているフォーカス
位置のオフセットをフォーカス位置制御手段(2)を介
して低減させることが望ましい。
【0013】斯かる本発明によれば、例えばKrFエキ
シマレーザ光(波長248nm)やArFエキシマレー
ザ光(波長193nm)のような遠紫外域付近の光を露
光光として用いる場合、屈折率の温度特性の異なる複数
の硝材としては、石英、及び蛍石等が挙げられる。この
場合、石英は温度が上昇しても膨張係数が小さいため膨
張はしないが、屈折率が大きくなる特性を持っている。
従って、図6(b)に示すように、石英の正レンズ49
Bでは温度が上昇すると、結像面FBが正レンズ49B
に近付く方向に変位する。一方、蛍石は温度の上昇で膨
張し、屈折率は小さくなる特性を持っている。そのた
め、図6(a)に示すように、蛍石の正レンズ49Aで
は温度が上昇すると、結像面FAは正レンズ49Aから
遠ざかる方向に変位する。なお、上述の硝材の屈折率の
温度特性は、単にその屈折率自体の温度特性のみなら
ず、その硝材からなるレンズの熱膨張や鏡筒の膨張をも
考慮して温度が変化したときに結像面がどの方向に変化
するかによって定められる特性である。
【0014】また、例えば第1の硝材として石英を使用
し、第2の硝材として蛍石を使用し、その第1の硝材で
投影光学系(PL1)の大部分のレンズを構成した場
合、投影光学系の結像面のフォーカス位置の分布につい
て考えると、その第1の硝材のレンズに依るフォーカス
位置ZF の像高Hに応じた分布の傾向は、図7(a)の
曲線61Aで示すように下側に凸の像面湾曲となり、そ
の像面湾曲の状態は環境変化や露光用照明光の吸収等に
よって変化する。これに対して、その第2の硝材のレン
ズに依る結像面のフォーカス位置の分布は、図7(b)
の曲線62Cで示すように、曲線61Aと逆の傾向の上
側に凸の像面湾曲に、全部の像高Hで共通のオフセット
分を加算した傾向を有する。
【0015】そこで、環境変化や露光用照明光の吸収等
に応じて、例えばその第2の硝材のレンズの温度を制御
して、曲線61Aの像面湾曲を曲線62Cの像面湾曲で
相殺することにより、投影光学系(PL1)の非線形的
なデフォーカスである像面湾曲を小さくできる。但し、
第2の硝材のレンズの温度制御を行った場合、線形倍率
誤差が発生することがある。そこで、このような線形倍
率誤差を、例えば投影光学系内の所定のレンズ間の気体
室内の圧力を制御するような倍率誤差制御手段(12)
を介して低減させることにより、投影光学系(PL1)
による投影像にディストーションが残留することがな
い。
【0016】また、そのままでは結像面のフォーカス位
置の分布には、図7(c)の直線63Aで示すように、
一定のオフセットが残存している。しかしながら、その
ようなフォーカス位置のオフセットは、例えば基板
(W)の高さを制御するステージ等の焦点位置制御手段
(2)によって基板(W)の高さを調整することによっ
てほぼ完全に除去できる。これによって、基板(W)の
表面を基準とした、結像面のフォーカス位置ZF の分布
は、図8の曲線65Aに示すようになって、デフォーカ
スはほぼ0となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投影露光装置
の第1の実施の形態につき図1、図2、図6〜図14を
参照して説明する。本例は露光用の照明光としてエキシ
マレーザ光を使用するステップ・アンド・スキャン方式
の投影露光装置に本発明を適用したものである。但し、
本例で使用する投影光学系は、ステップ・アンド・リピ
ート方式(一括露光方式)の投影露光装置でも使用でき
るだけの性能を有している。
【0018】図1は、本例の投影露光装置を示し、この
図1において、エキシマレーザ光源16からパルス発光
されたレーザビームよりなる照明光ILは、ミラー15
で偏向されて照明光学系14に入射する。エキシマレー
ザ光源16としては、KrFエキシマレーザ光源(発振
波長:248nm)、又はArFエキシマレーザ光源
(発振波長:193nm)等が使用できる。また、露光
用の光源としては、YAGレーザの高調波発生装置、金
属蒸気レーザ光源、又は水銀ランプ等も使用できる。
【0019】照明光学系14は、ビームエクスパンダ、
減光システム、フライアイレンズ、リレーレンズ、視野
絞り(レチクルブラインド)、走査前後の不要な露光を
避けるための可動ブレード、及びコンデンサーレンズ等
から構成され、照明光学系14によって均一な照度分布
に整形された照明光ILが、レチクルRのパターン形成
面(下面)の所定形状の照明領域を照明する。この場
合、装置全体の動作を統轄制御する主制御装置18が、
照明制御系17を介してエキシマレーザ光源16のパル
ス発光のタイミング、照明光学系14内の減光システム
での減光率の制御等を行う。その照明領域内のレチクル
Rのパターンを透過した照明光は、投影光学系PL1を
介してフォトレジストが塗布されたウエハW上に投影さ
れ、そのパターンを倍率β(βは例えば1/4、又は1
/5等)で縮小した投影像がウエハW上に転写される。
ここで、投影光学系PL1の光軸AXに平行にZ軸を取
り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にY軸を取
り、図1の紙面に垂直にX軸を取る。
【0020】レチクルRは、レチクルステージ6上に保
持され、レチクルステージ6はエアベアリングを介して
レチクル支持台5上にY方向に移動自在に載置されてい
る。レチクルステージ6の上端に固定された移動鏡7、
及びレチクル支持台5上のレーザ干渉計8により計測さ
れたレチクルステージ6のY座標がステージ制御系11
に供給される。ステージ制御系11は、主制御装置18
からの指令に従ってレチクルステージ6の位置、及び移
動速度を制御する。
【0021】一方、ウエハWはウエハステージ2上に保
持され、ウエハステージ2はX方向、Y方向、Z方向、
及び回転方向等にウエハWの位置決めを行うと共に、Y
方向にウエハWの走査を行う。ウエハステージ2の上端
に移動鏡9が固定され、移動鏡9及び外部のレーザ干渉
計10によりウエハステージ2のX座標、及びY座標が
常時計測され、計測結果がステージ制御系11に供給さ
れている。ステージ制御系11は主制御装置18からの
指令に従って、ウエハステージ2のステッピング動作、
及びレチクルステージ6と同期した走査動作の制御を行
う。即ち、走査露光時には、上述の投影光学系PL1の
レチクル側からウエハ側への倍率βを用いて、ステージ
制御系11の制御のもとで、投影光学系PL1に対して
レチクルステージ6が−Y方向(又は+Y方向)に速度
R で走査されるのと同期して、ウエハステージ2が+
Y方向(又は−Y方向)に速度VW(=β・VR)で走査さ
れる。これにより、レチクルRのパターンが逐次ウエハ
W上の各ショット領域に転写される。
【0022】また、ウエハステージ2上のウエハWの近
傍には、結像特性計測用センサ3が固定されている。結
像特性計測用センサ3は、図9(b)に示すように、ウ
エハWの表面と同じ高さに設定された表面に矩形の開口
部50aが設けられた遮光膜50が被着されたガラス基
板51と、その開口部50aを通過した露光用の照明光
を光電変換する光電変換素子52と、この光電変換素子
52からの検出信号S1を処理する信号処理部53とを
有し、この信号処理部53の処理結果が図1の主制御装
置18に供給されている。本例では後述のように、ウエ
ハステージ2を駆動することにより、レチクルRのパタ
ーンの投影像を結像特性計測用センサ3の開口部50a
で走査し、その際に光電変換素子52から出力される検
出信号S1より信号処理部53が、投影光学系PL1の
結像面の種々の像高でのフォーカス位置の分布(像面湾
曲)を求めるようになっている。
【0023】次に、図1において、本例の投影光学系P
L1を構成する複数枚のレンズエレメントの内の大部分
は石英よりなり、残りの一部のレンズエレメントが蛍石
より形成され、その石英からなる所定の1対のレンズエ
レメントの間に形成された所定の気体室の気体圧力を制
御するためのレンズ制御装置12が設けられている。大
気圧変化、若しくは温度変化等の環境変化、又は露光用
照明光の投影光学系PL1に対する照射量の履歴等に応
じて、投影光学系PL1の倍率、焦点位置(ベストフォ
ーカス位置)、像面湾曲等の結像特性が変化した場合
に、主制御装置18からの指令に基づいてそれらの結像
特性をレンズ制御装置12が補正するようになってい
る。なお、レンズ制御装置12としては、圧力制御装置
の他に、例えば石英若しくは蛍石からなる所定のレンズ
エレメントの光軸AX方向の位置や傾斜角を制御するレ
ンズ位置制御装置、又はレチクルRの光軸AX方向の位
置や傾斜角を制御するレチクル位置制御装置等を使用し
てもよい。
【0024】更に、投影光学系PL1には、一部の蛍石
よりなる1枚又は複数枚のレンズエレメントの温度を制
御するためのレンズ温度制御装置13が接続されてい
る。本例では、環境変化、又は照射量の履歴等に応じ
て、投影光学系PL1の非線形的なデフォーカス(像面
湾曲等)が悪化した場合に、主制御装置18からの指令
に基づいてレンズ温度制御装置13がその非線形的なデ
フォーカスを補正するようになっている。また、その非
線形的なデフォーカスの補正によって、投影光学系PL
1の線形倍率誤差が悪化したときには、その線形倍率誤
差をレンズ制御装置12が補正するようになっている。
【0025】また、本例の投影露光装置には、投影光学
系PL1による露光領域内の複数の計測点でウエハW上
にスポット光を斜めに投射する投射光学系68と、それ
らの計測点からの反射光を受光してそれぞれスポット光
を再結像し、これらの再結像されたスポット光の横ずれ
量に対応した焦点信号を出力する受光光学系69と、か
らなる焦点位置検出系が設けられている。その受光光学
系69からの複数の焦点信号が主制御装置18に供給さ
れている。この場合、ウエハWの表面の投影光学系PL
1の光軸方向(Z方向)の位置(フォーカス位置)が変
化すると、対応する焦点信号のレベルが変化することか
ら主制御装置18ではウエハWのフォーカス位置をモニ
タする。そして、主制御装置18ではステージ制御系1
1を介してウエハステージ2内のZ方向への駆動機構の
動作を制御することにより、ウエハWの露光対象のショ
ット領域の平均面の中央でのフォーカス位置を、予め求
めてある投影光学系PL1の結像面の平均面の中央での
フォーカス位置に維持させる。
【0026】また、本例では投影光学系PL1の像面湾
曲を補正すると、結像面の平均的な面の中央でのフォー
カス位置にオフセットが生ずることがあるため、そのよ
うなオフセットが生じたときには、ウエハステージ2を
駆動してウエハWのフォーカス位置をそのオフセット分
だけ補正して、結像面とウエハWの表面との間にデフォ
ーカスが生ずるのを防止している。更に、本例のウエハ
ステージ2にはウエハWの傾斜角を補正する機構(レベ
リングステージ)も設けられ、主制御装置18はその焦
点位置検出系の複数の計測点でのフォーカス位置よりウ
エハWの傾斜角を求め、ウエハWの傾斜角を結像面の傾
斜角に合わせ込むようにしている。
【0027】更に、本例の投影光学系PL1の側面に
は、ウエハW上の各ショット領域に付設されたアライメ
ント用のウエハマークの位置を検出するためのオフ・ア
クシス方式の撮像方式のアライメントセンサ70も設け
られている。次に、本例の投影光学系PL1の構成、及
びレンズ温度制御装置13等の構成につき、図2等を参
照して詳細に説明する。
【0028】図2は、本例の投影光学系PL1の内部構
造、及び結像特性の制御システムを示し、この図2にお
いて、投影光学系PL1は、一例として鏡筒4内にウエ
ハW側から順に配列された6枚のレンズエレメント25
〜30、4枚のレンズエレメント31〜34、及び4枚
のレンズエレメント35A〜38Aによって構成されて
いる。また、レンズエレメント36A及び37Aのみは
蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英よ
り形成されている。そして、レンズエレメント33,3
4はレンズ枠G1を介して鏡筒4内に固定され、レンズ
エレメント35A〜38Aはレンズ枠G2を介して鏡筒
4内に固定され、他のレンズエレメントもそれぞれ不図
示のレンズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0029】この場合、レンズエレメント33,34及
びレンズ枠G1で囲まれた気体室は密封されており、そ
の気体室が配管12cを介してベローズ機構12bに接
続され、ベローズ機構12bの伸縮量が制御部12aに
よって制御されるようになっている。この制御部12
a、ベローズ機構12b、及び配管12cより図1のレ
ンズ制御装置12が構成され、ベローズ機構12bの伸
縮量の調整によってその気体室内の気体(例えば空気)
の圧力が制御できるようになっている。
【0030】そして、蛍石よりなるレンズエレメント3
6A,37A及びレンズ枠G2で囲まれた気体室には、
配管21を介して温度制御装置13bから、主制御装置
18に指示された任意の温度の気体が供給され、その気
体室を循環した気体が配管22を介して温度制御装置1
3bに戻される構成となっている。なお、その気体室内
に流す気体が投影光学系PL1の周囲の大気(空気)と
同じ成分である場合には、必ずしもその気体室を通過し
た気体を配管22を介して温度制御装置13bに戻す必
要はないが、例えば温度管理の容易な気体(例えば窒素
ガス等)を使用する場合には、閉ループで温度制御を行
うために配管22を使用する必要がある。
【0031】また、本例では温度制御装置13bによっ
てレンズエレメント36A,37Aの温度制御を行うた
め、これらレンズエレメント36A,37Aの温度がレ
ンズ枠G2、鏡筒4、及び気体を媒介として前後の石英
よりなるレンズエレメント35A,38Aに伝導するの
を防止する必要がある。そのため、レンズエレメント3
7A,38A及びレンズ枠G2により囲まれた気体室、
及びレンズエレメント35A,36A及びレンズ枠G2
により囲まれた気体室には、それぞれ配管19及び20
を介して温度制御装置13aから一定温度の気体を流し
ている。この一定温度の気体としては、温度伝導率の低
い気体(空気等)が使用され、それらの気体室を循環し
た気体がそれぞれ配管23A及び24Aを介して温度制
御装置13aに戻されている。温度制御装置13a,1
3b、及び配管19〜22,23A,24Aより図1の
レンズ温度制御装置13が構成されている。
【0032】また、本例の投影露光装置では、種々のパ
ターンを高い解像度で露光するために、図1の照明光学
系14による照明条件を通常の状態、変形光源、輪帯照
明、及びコヒーレンスファクタであるσ値が小さい状態
等に切り換えられるようになっている。図12は、照明
光学系14を切り換えた場合に投影光学系PL1を通過
する照明光の状態を示し、先ず、通常の状態ではレチク
ルRを通過した0次光は、図12(a)に示すように、
投影光学系PL1の瞳面(レチクルRに対するフーリエ
変換面)で所定のほぼ円形の領域を通過している。次
に、照明光学系14を変形光源状態とした場合には、レ
チクルRを通過した0次光は、図12(b)に断面図で
示すように、投影光学系PL1の瞳面上で離れた複数の
領域を通過する。また、照明光学系14を輪帯照明状態
とした場合には、レチクルRを通過した0次光は、投影
光学系PL1の瞳面上でほぼ輪帯状の領域を通過する。
更に、照明光学系14をコヒーレンスファクタであるσ
値が小さい状態とした場合には、レチクルRを通過した
0次光は、図12(c)に示すように、投影光学系PL
1の瞳面上でほぼ小さい円形の領域を通過する。これら
の照明条件によっても、投影像の結像特性が変化する。
【0033】次に、本例で投影光学系PL1の像面湾曲
を除去する場合の動作の一例につき説明する。本例の投
影光学系PL1のレンズエレメントの硝材は、石英及び
蛍石である。ここで、石英は温度が上昇しても膨張係数
が小さいため殆ど膨張しないが、屈折率が大きくなる特
性を持っている。従って、図6(b)に示すように、石
英の正のレンズ49Bでは温度が上昇すると、結像面F
Bがそのレンズに近付く方向に変位する。一方、蛍石は
温度の上昇で膨張し、屈折率は小さくなる特性を持って
いる。そのため、図6(a)に示すように、蛍石の正の
レンズ49Aでは温度が上昇すると、結像面FAはその
レンズから遠ざかる方向に変位する。なお、上述の硝材
の屈折率の温度特性は、単にその屈折率自体の温度特性
のみならず、その硝材からなるレンズの熱膨張や鏡筒の
膨張をも考慮して温度が変化したときに結像面がどの方
向に変化するかによって定められる特性である。
【0034】更に、投影光学系PL1の像面湾曲につい
て図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8にお
いて、縦軸は像高H、横軸はその像高Hにおける投影光
学系PL1の結像面のフォーカス位置ZF であり、光軸
上(H=0)でのフォーカス位置を設計上のフォーカス
位置として示してある。この場合、或る環境下で、或る
時間露光を継続して行った後における、投影光学系PL
1の石英からなるレンズエレメントに依る結像面は、図
7(a)の曲線61Aで示すように、下に凸の像面湾曲
となる。
【0035】これに対して、本例では図1のレンズ温度
制御装置13を介して、投影光学系PL1内の蛍石より
なるレンズエレメント36A,37Aの温度を調整する
ことにより、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエ
レメントに依る像面湾曲を、図7(a)の曲線61Aと
ほぼ逆の特性の像面湾曲を有するように設定する。しか
しながら、そのように蛍石よりなるレンズエレメントの
像面湾曲を設定しても、その結像面のフォーカス位置に
は所定の像高Hの全範囲で一定のオフセットが重畳され
る。従って、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエ
レメントに依る結像面のフォーカス位置の分布は、図7
(b)の曲線62Cで示すように、所定のオフセット
に、図7(a)の曲線61Aとほぼ逆の特性の像面湾曲
を重畳した特性となる。
【0036】そのため、投影光学系PL1の全体として
の結像面のフォーカス位置ZF は、図7(c)の直線6
3Aで示すように、像高Hの全範囲でほぼ一定の値とな
り、ウエハWの表面との間でデフォーカスが生ずる。そ
こで、図1のウエハステージ2内のZ方向への駆動機構
を用いて、投影光学系PL1に対して、そのデフォーカ
ス分だけウエハWの表面のフォーカス位置を補正する。
これは、実質的に投影光学系PL1の結像面に対して、
図7(c)の直線64Aで示すようなフォーカス位置の
オフセットを加えることを意味する。その結果、ウエハ
Wの表面を基準とした本例の投影光学系PL1の結像面
のフォーカス位置ZF の分布は、図8の曲線65Aに示
すようになり、像面湾曲と共に一定のデフォーカスも除
去されている。従って、結像面の全体で焦点深度の幅が
従来例よりも広くなり、投影像が全体として高い解像度
で投影露光される。
【0037】更に、蛍石よりなるレンズエレメント36
A,37Aの温度を調整することにより、その結像面の
線形倍率誤差(像高Hに比例して倍率が変化する誤差)
が悪化することがある。このように線形倍率誤差が発生
したときには、図1のレンズ制御装置12を介してその
結像面に対して、発生した線形倍率誤差をほぼ相殺する
ような線形倍率誤差を付与する。その結果、本例の投影
光学系PL1の結像特性は像面湾曲も、ディストーショ
ンも除去された良好な特性となる。
【0038】ここで、図9及び図10を参照して投影光
学系PL1の結像面のフォーカス位置の分布の計測方法
の一例につき説明する。そのため、図1のレチクルRと
して、照明領域内に所定個数のそれぞれ1対の(例えば
16対の)評価用マークが均等に分布するテストレチク
ルを使用する。それら各対の評価用マークは、X方向に
所定ピッチで配列されたライン・アンド・スペースパタ
ーンよりなるX軸の評価用マーク、及びこの評価用マー
クを90°回転した構成のY軸の評価用マークよりな
り、その内のi番目(i=1〜16)のY軸の評価用マ
ークの投影像MY(i)を図9(a)に示す。なお、以
下ではY軸の評価用マークの投影像を用いて結像面(最
良結像面)のフォーカス位置を検出するが、X軸の評価
用マークの投影像をも使用して、両方の方法で求めたフ
ォーカス位置の差を求めてもよい。
【0039】図9(a)において、投影像MY(i)は
Y方向に所定ピッチで明部P1〜P5が配列されたパタ
ーンであり、先ずウエハステージ2のZ方向の位置を所
定の初期値に設定した状態で、図1のウエハステージ2
を駆動することにより、結像特性計測用センサ3の矩形
の開口部50aでその投影像MY(i)をY方向に走査
する。その際に図9(b)の光電変換素子52から出力
される検出信号S1が、信号処理部53の内部でアナロ
グ/デジタル(A/D)変換されて、ウエハステージ2
のY座標に対応して記憶される。
【0040】図10(a)は本例の検出信号S1を示
し、本例の開口部50aは矩形であるため、その図10
(a)に示すように、得られる検出信号S1は、Y座標
に応じて階段状に変化する信号となる。そこで、一例と
して信号処理部53では、その検出信号S1をY座標で
微分して(実際の処理上では差分演算となる)、図10
(b)に示すような微分信号dS1/dYを得る。この
微分信号dS1/dYがピークを取るY軸上の位置Y1
〜Y5 がそれぞれ図9(a)の評価用マークの投影像M
Y(i)の明部P1〜P5に対応している。結像特性計
測用センサ3の撮像面が結像面のフォーカス位置(ベス
トフォーカス位置)にあるときに、微分信号dS1/d
Yの明部P1〜P5に対応する波形のコントラストが最
大となり、その明部P1〜P5に対応する波形の高さの
平均値ΔS(図10(a)の検出信号S1の傾きに対応
する)が最大となる。そこで、信号処理部53ではその
微分信号dS1/dYのピーク部の高さの平均値ΔSを
求める。そして、例えば16個の投影像の全部について
それぞれそのピーク部の高さの平均値ΔSを求める。そ
の後、図1のウエハステージ2のZ方向への駆動部を介
して、結像特性計測用センサ3の表面のZ方向への位置
を所定のステップ幅で変化させながらそれぞれ16個の
投影像についてそのピーク部の高さの平均値ΔSを求め
る。
【0041】その結果、16個の投影像の内の或る像高
の投影像について、図10(c)に点列示すような計測
データが得られる。図10(c)において、横軸は結像
特性計測用センサ3の撮像面のZ方向の位置、縦軸はそ
のピーク部の高さの平均値ΔSである。そして、信号処
理部53では、図10(c)の点列を例えば2次曲線7
1で最小自乗近似し、その2次曲線71がピークとなる
Z方向の位置ZF をその像高での結像面のフォーカス位
置とみなす。種々の像高のマークについてそれぞれ結像
面のフォーカス位置ZF を求めることにより、現在の環
境における図8に示すようなフォーカス位置の分布(像
面湾曲)を計測できる。また、計測されるのは像高H上
の所定の複数の計測点でのフォーカス位置であるため、
それらの間の像高でのフォーカス位置は前後の計測点で
のフォーカス位置を補間して得られる値を使用してもよ
い。
【0042】次に、図2における蛍石よりなるレンズエ
レメント36A,37Aの温度の設定値の決定方法の一
例につき説明する。先ず、投影光学系PL1の周囲の空
気の圧力(大気圧)をxとして、大気圧xが基準値x0
から変化することによって投影光学系PL1に許容値を
超える像面湾曲が生じた場合に、その像面湾曲を相殺す
るためのレンズエレメント36A,37Aの温度yの設
定値につき説明する。この場合、大気圧xが基準値x0
から変化することによって生ずる投影光学系PL1の像
面湾曲を光学計算によって求める。そして、このように
求めた像面湾曲と、逆の特性の像面湾曲を発生させるた
めのレンズエレメント36A,37Aの温度yを計算に
よって求める。
【0043】図11の実線の曲線は、そのようにして予
め大気圧xの関数FA(x)として求められた温度y
(y=FA(x))を表し、この図11において、横軸
は大気圧x、縦軸は蛍石よりなるレンズエレメント36
A,37Aの温度yであり、基準大気圧x0 で像面湾曲
を最小とするためのレンズエレメント36A,37Aの
温度をy0 としてある。実用上でも、その関数FA
(x)に基づいて温度yを設定するようにしてもよい。
【0044】しかしながら、実際には投影光学系PL1
の各光学要素の製造誤差等によって、関数FA(x)で
求めた温度yでは像面湾曲が十分に小さくならないこと
がある。更に、本例の図1の照明光学系14では、図1
2で説明したように、通常照明、変形光源法、及びコヒ
ーレンスファクタ(σ値)を小さくした照明等のように
照明条件を種々に切り換えて使用できるようになってい
る。そのため、上述の関数FA(x)も照明条件毎に計
算する必要があるが、特に変形光源法やコヒーレンスフ
ァクタ(σ値)を小さくした照明等での計算結果の信頼
性は低いことがある。そこで、像面湾曲をより小さくす
るためには、次のようにして関数FA(x)のキャリブ
レーションを行うことが望ましい。
【0045】即ち、実際に良く当てはまる関数を求める
ために、基準大気圧x0 と異なる任意の1点の大気圧x
1 において、図1の結像特性計測用センサ3を用いて投
影光学系PL1の投影像の像面湾曲を求める。次に、レ
ンズ温度制御装置13を介して蛍石よりなるレンズエレ
メント36A,37Aの温度を制御して、その投影像の
像面湾曲が0(最小)になるときの温度y1 を求める。
この際に、蛍石よりなるレンズエレメント36A,37
Aの温度は、理論的な関数FA(x)で定められる温度
yの近傍で変化させるようにする。その後、レンズ制御
装置12を用いて、残存する線形倍率誤差を0にするた
めの上述の気体室の圧力も求めておく。これと共に、残
存するフォーカス位置のオフセットも求めておく。
【0046】また、その大気圧x1 と異なる他の大気圧
2 においても、同様にして実際に投影像の像面湾曲を
ほぼ0にするための蛍石よりなるレンズエレメントの温
度y 2 、及び残存する線形倍率誤差を0にするためのそ
の気体室の圧力を求め、残存するフォーカス位置のオフ
セットを求める。そして、大気圧がx0 ,x1 ,x2
点での蛍石よりなるレンズエレメントの実測された温度
より、図11に点線で示すように、例えば2次関数とし
て、大気圧xに対する蛍石よりなるレンズエレメントの
温度yを表す関数FA’(x)を求めることができる。
更に、このときに残存する線形倍率誤差を0にするため
のその気体室の圧力も、その大気圧xの関数として求め
ることができる。同時に、残存するフォーカス位置のオ
フセットも大気圧xの関数として求めることができる。
なお、測定点数を増加させて、大気圧xの3次以上の関
数として蛍石よりなるレンズエレメントの温度y等を定
めてもよい。その関数FA’(x)を使用することによ
って、投影像の像面湾曲をより小さくできる。
【0047】また、図11の関数FA’(x)は通常の
照明条件(図12(a)の方式)のもとで求めた関数で
あるが、他の2種類の照明条件(図12(b)及び
(c)の方式)等のもとでも同様にキャリブレーション
を行う。図12(b)及び(c)の照明条件のもとで、
蛍石よりなるレンズエレメントの像面湾曲を最小にする
ための温度yを大気圧xの関数として求めた結果が、そ
れぞれ図13の関数FA1(x)及びFA3(x)で表
されている。また、図13の関数FA2(x)は図11
の関数FA’(x)と同じ関数、即ち通常の照明条件下
で求めた関数である。このように関数を求めた場合に
は、図13の3つの関数FA1(x)〜FA3(x)を
図1の主制御装置18内の記憶部に記憶しておく。そし
て、主制御装置18では計測される大気圧xに応じて、
使用されている照明条件に応じた関数より蛍石のレンズ
エレメントの温度yの目標値を求め、レンズ温度制御装
置13を介してそのレンズエレメントの温度をその目標
値に設定する。
【0048】上述の例では、大気圧による像面湾曲の補
正について説明したが、それ以外にも、露光用の照明光
が投影光学系を通過する際の照射エネルギーで各レンズ
エレメントが膨張したり、各レンズエレメントの屈折率
が変化したりすることがあり、それによっても像面湾曲
が発生する。そこで、投影光学系PL1を単位時間当た
りに通過する照射エネルギーをeとし、照射エネルギー
eの関数として像面湾曲を最小にするための蛍石よりな
るレンズエレメントの温度yを求めておく必要がある。
更に、この場合の関数も照明条件毎に求めておく必要が
ある。
【0049】図14は、照射エネルギーeに対して像面
湾曲が最小になるようにキャリブレーションを行って求
めた、蛍石よりなるレンズエレメント36A,37Aの
温度yを示し、この図14において、横軸は投影光学系
PL1を通過する露光用の照明光の照射エネルギーe、
縦軸は蛍石よりなるレンズエレメントの像面湾曲を最小
にするための温度yを示している。この場合、その照射
エネルギーeは、例えば図1の照明光学系14内で露光
用の照明光の一部を分離して得られる光束を光電変換し
て得た信号に、予め求められている変換係数を乗ずるこ
とによって求められる。そして、図14の照射エネルギ
ーeの関数gA1(e),gA2(e)及びgA3
(e)はそれぞれ、図12(b),(a)及び(c)の
照明条件毎に求めた像面湾曲を最小にするための温度y
を示す関数である。
【0050】以上をまとめると、最終的には照射エネル
ギーe、大気圧x、照明条件Iをパラメータとした関数
Q(e,x,I)によって、像面湾曲を最小にするため
の蛍石よりなるレンズエレメントの温度yを求めておく
必要がある。その関数Q(e,x,I)も図1の主制御
装置18内の記憶部に記憶しておき、主制御装置18で
は露光時の照射エネルギーe、大気圧x、照明条件Iに
応じて、その関数Q(e,x,I)より蛍石よりなるレ
ンズエレメントの目標温度を求めることが望ましい。
【0051】更に、図17を参照して説明したように、
使用するレチクルが大きくなると、そのレチクルの撓み
が大きくなって結像面の像面湾曲が悪化する。そこで、
使用するレチクルの大きさ、又は種類毎に上述の結像特
性計測用センサ3を用いて結像面の像面湾曲を求めてお
き、使用するレチクルに応じて像面湾曲が最小となるよ
うに蛍石よりなるレンズエレメントの温度を制御するこ
とが望ましい。これによって、大面積のレチクルを使用
しても、レチクルの撓みと像面湾曲とを相殺させること
ができる。
【0052】なお、本例では露光用光源としてエキシマ
レーザ光源が使用されているが、露光用照明光の照射エ
ネルギーに関しては、水銀ランプのi線(波長:365
nm)の方がエキシマレーザ光に比べて投影光学系での
吸収が大きく、投影光学系の像面湾曲も大きく変化す
る。従って、照射エネルギーに応じて蛍石よりなるレン
ズエレメントの温度を制御する方法は、むしろ水銀ラン
プのi線等を使用した投影露光装置(ステッパー等)に
適用することによって、像面湾曲を良好に低減できると
いう大きな利点がある。
【0053】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
3を参照して説明する。図3において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、特にステップ・アンド・スキャン方式
の投影露光装置に使用して好適な光学系である。図3
は、本例の投影光学系PL2を示し、この図3におい
て、投影光学系PL2は、鏡筒4内にウエハW側から順
に配列された6枚のレンズエレメント25〜30、4枚
のレンズエレメント31〜34、及び4枚のレンズエレ
メント35B〜38Bで構成されている。また、レンズ
エレメント35B〜37Bはレンズ枠G3を介して鏡筒
4内に固定され、レンズエレメント38Bも不図示のレ
ンズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0054】この場合、レンズエレメント36Bのみは
蛍石にて形成され、その他のレンズエレメントは石英に
て形成されている。そして、レンズエレメント36Bの
走査方向であるY方向の一方の端部の両面に1対の温度
制御素子40A,40Bが固定され、そのY方向の他方
の端部の両面にも1対の温度制御素子40C,40Dが
固定されている。この場合、照明光学系によるレチクル
Rのパターン形成面上でのスリット状の照明領域のY方
向の幅をLとすると、その幅Lの照明領域を通過した照
明光が通過しない領域にそれらの温度制御素子40A〜
40Dが固定してある。
【0055】それらの温度制御素子40A〜40Dとし
ては、ヒータ、又はペルチェ素子等が使用できる。その
ペルチェ素子は加熱用に使用してもよく、吸熱用に使用
してもよい。また、不図示であるが、レンズエレメント
36BのY方向の端部に温度センサが固定され、この温
度センサの検出信号が外部の温度制御装置39に供給さ
れ、温度制御装置39は、検出された温度が主制御装置
18に指示された設定温度になるように、温度制御素子
40A〜40Dの加熱、又は吸熱動作を制御する。
【0056】更に本例ではそのようにレンズエレメント
36Bの温度を制御することによって発生する熱の、近
接するレンズエレメントへの影響を防止するための排熱
機構が設けられている。即ち、レンズエレメント36
B,37B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室には、配
管19を介して温度制御装置13aから、所定温度の気
体が供給され、その気体室を循環した気体が配管23B
を介して温度制御装置13aに戻され、レンズエレメン
ト35B,36B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室に
は、配管20を介して温度制御装置13aから、所定温
度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管
24Bを介して温度制御装置13aに戻される構成とな
っている。そして、主制御装置18からの指令に基づい
て温度制御装置13aは、強制空調によって、レンズエ
レメント36Bの前後のレンズエレメント35B,37
Bの温度を一定に保つようにしている。それ以外の構成
は図2の例と同様である。
【0057】以上のように、本例によれば、スリット状
の照明領域を通過した照明光に照射されない空間を有効
に活用して、温度制御素子40A〜40Dを用いて蛍石
からなるレンズエレメント36Bの温度を直接制御して
いるため、そのレンズエレメント36Bの温度を高速且
つ高精度に所望の目標温度に設定できる利点がある。こ
れによって、投影光学系PL2の投影像の像面湾曲を迅
速に、且つ高い精度で補正できる。
【0058】次に、本発明の第3の実施の形態につき図
4を参照して説明する。図4において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及
びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装
置に適用しても好適な光学系である。図4は、本例の投
影光学系PL3を示し、この図4において、投影光学系
PL3は、鏡筒4内にウエハW側から順に配列された6
枚のレンズエレメント25〜30、4枚のレンズエレメ
ント31,32,33A,34A、及び4枚のレンズエ
レメント35C〜38Cより構成されている。また、レ
ンズエレメント33A,34Aはレンズ枠G4を介して
鏡筒4内に固定され、レンズエレメント35C,36C
はレンズ枠G5を介して鏡筒4内に固定され、他のレン
ズエレメントも不図示のレンズ枠を介して固定されてい
る。
【0059】この場合、レンズエレメント33A、及び
36Cのみは蛍石にて形成され、その他のレンズエレメ
ントは石英にて形成されている。この場合、上側の蛍石
のレンズエレメント36Cの温度変化によって主に像面
湾曲の特性が変化し、下側の蛍石のレンズエレメント3
3Aの温度変化によって主に線形倍率誤差の特性が変化
するようになっている。また、レンズエレメント35
C,36C及びレンズ枠G5で囲まれた気体室には、配
管41Aを介して温度制御装置13cから可変温度の気
体が供給され、その気体室を循環した気体が配管41B
を介して温度制御装置13cに戻され、レンズエレメン
ト33A,34A及びレンズ枠G4で囲まれた気体室に
は、配管42Aを介して温度制御装置13dから、可変
温度の温度の気体が供給され、その気体室を循環した気
体が配管42Bを介して温度制御装置13dに戻される
構成となっている。そして、主制御装置18からの指令
に基づいて、温度制御装置13c及び13dはそれぞ
れ、レンズエレメント36C及び33Aの温度を目標温
度に設定するようにしている。
【0060】そして、本例では投影光学系PL3の投影
像の像面湾曲を補正するときには、温度制御装置13c
を介してレンズエレメント36Cの温度を制御し、その
際発生する線形倍率誤差を、温度制御装置13dを介し
てレンズエレメント33Aの温度を制御することで相殺
する方法を採っている。更にこの方法は、大気圧による
像面湾曲の特性と、露光用の照明光の投影光学系に対す
る照射時の温度変化による像面湾曲の特性とが異なり、
3次以上のフォーカス位置の誤差が大きく残る場合等
に、それぞれに対応する2箇所の蛍石よりなるレンズエ
レメントで独立に像面湾曲制御を行う場合にも利用でき
る。即ち、例えば上側の蛍石よりなるレンズエレメント
36Cで大気圧による像面湾曲を補正し、それより下側
の蛍石よりなるレンズエレメントで照明光の照射による
像面湾曲を補正するようにしてもよい。
【0061】次に、本発明の第4の実施の形態につき図
5を参照して説明する。図5において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及
びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装
置に使用しても好適な光学系である。図5は、本例の投
影光学系PL4を示し、この図5において、投影光学系
PL4は、鏡筒4A内にウエハW側から順に6枚のレン
ズエレメント25,26,27A,28A,29A,3
0、4枚のレンズエレメント31,32,33B,34
B、及び2枚のレンズエレメント35D,36Dを固定
し、その鏡筒4Aの上にレンズエレメント37Dを保持
する支持台45、及びレンズエレメント38Dを保持す
る支持台46を固定して構成されている。また、レンズ
エレメント28A,29Aはレンズ枠G6を介して鏡筒
4A内に固定され、他のレンズエレメントも不図示のレ
ンズ枠を介して鏡筒4A内に固定されている。
【0062】本例では、レンズエレメント28A、及び
29Aのみは蛍石にて形成され、その他のレンズエレメ
ントは石英にて形成されている。また、レンズエレメン
ト28A,29A及びレンズ枠G6で囲まれた気体室に
は、配管43を介して温度制御装置13eから可変温度
の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管4
4を介して温度制御装置13eに戻されている。そし
て、主制御装置18からの指令に基づいて、温度制御装
置13eは、レンズエレメント28A,29Aの温度を
目標温度に設定するようにしている。また、支持台45
及び46は互いに独立に駆動装置47によって、投影光
学系PL4の光軸AXに平行な方向への移動、及び所望
の角度の傾斜ができるように構成されている。駆動装置
47の動作は、主制御装置18からの指令に基づいて結
像特性制御装置48が制御する。
【0063】本例でも、蛍石よりなるレンズエレメント
28A,29Aの温度を温度制御装置13eを介して制
御することによって、投影光学系PL4の投影像の像面
湾曲を補正するが、その際発生する線形倍率誤差を支持
台45,46を介してレンズエレメント37D,38D
を傾斜、又は上下動させることによって補正する。それ
ら2つの支持台45,46の動きの組み合わせによっ
て、倍率誤差のみでなく、焦点位置のデフォーカスも補
正できるので、像面湾曲補正時に発生する他の収差の大
半は温度制御装置13e、及び駆動装置47の制御を最
適化することで相殺することができる。
【0064】
【実施例】次に、投影光学系の実際の数値モデルについ
て、温度制御によって像面湾曲がどの程度変化するかを
数値解析した結果を示す。この場合、例えば図2に示す
投影光学系PL1を解析対象とすると、投影光学系PL
1中には蛍石より形成することによって結像特性を補正
できる可能性のあるレンズエレメントが例えば2枚あ
る。そこで、このように蛍石より形成して有効な2枚の
レンズエレメントをレンズエレメントL1,L2とし
て、蛍石よりなるレンズエレメントを使用しない場合、
及びレンズエレメントL1又はL2が蛍石からなり他の
レンズエレメントが石英からなる場合についてそれぞ
れ、像高が最大値の10割の位置での倍率誤差βA[μ
m]、及びフォーカス位置のZ方向へのずれ量(即ち、
像面湾曲)βB[μm]を求めた。また、像高が0での
フォーカス位置を基準として、その蛍石よりなる1枚の
レンズエレメントの温度を1℃変化させたときの倍率誤
差βA[μm]、及びフォーカス位置のずれ量βB[μ
m]を次の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】上記の表1より、蛍石よりなる1枚のレン
ズエレメントの温度を±1℃変化させることで、約±
0.2μm程度の像面湾曲の補正が可能となることが分
かる。更に、一般に温調制御の分解能は0.01℃程度
は可能であるため、蛍石よりなるレンズエレメントの温
度を1℃程度変化させて像面湾曲を補正する場合、その
像面湾曲の補正の分解能はほぼ±2nm(=±0.2/
100[μm])となる。また、更に複数の位置に蛍石
のレンズエレメントを入れることで温度制御レンジを狭
くしたり、付加的に発生する線形倍率誤差を小さくした
り、更に大きな像面湾曲を補正することも可能となる。
【0067】なお、本発明は上述の実施の形態、及び実
施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の構成を取り得ることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、第2の硝材からなる
なくとも一つの光学部材の温度制御を行う温度制御部材
を設けているため、投影光学系の周囲の大気圧等の環境
の変化、露光用照明光の吸収、又はレチクルの撓み等に
よって悪化する投影光学系の結像面のデフォーカス、特
に像面湾曲のような非線形的なデフォーカスを補正でき
る利点がある。その結果、投影像全体としての焦点深度
の幅が広くなり、投影像全体としての解像度が向上す
る。
【0069】また、温度制御手段による制御対象が投影
光学系の像面湾曲であり、その投影光学系の倍率誤差を
制御する倍率誤差制御手段を設け、その温度制御手段を
用いてその投影光学系の像面湾曲を制御したときに発生
する倍率誤差をその倍率誤差制御手段を介して低減させ
る場合には、像面湾曲の補正によって発生する線形倍率
誤差等の倍率誤差が低減され、全体として結像特性が良
好に維持される。
【0070】更に、温度制御手段によって制御対象の光
学部材の温度を±1℃以下の範囲内で制御することによ
り、その投影光学系の像面湾曲を±0.3μm以下の範
囲内で補正するときには、上述の数値解析で示したよう
に例えば蛍石よりなる1枚のレンズエレメントの温度を
制御することによってその範囲内での補正を行うことが
できて実用的である。
【0071】また、その投影光学系の使用条件の変化に
応じたその投影光学系の結像面の位置の変化量を記憶す
る記憶手段を設け、その投影光学系の使用条件の変化に
応じてその記憶手段に記憶されている結像面の位置の変
化量を相殺するように、その温度制御手段を介してその
投影光学系の結像面の位置を制御するときには、使用条
件が変化しても迅速、且つ高精度に像面湾曲等を補正で
きる利点がある。
【0072】また、その投影光学系の結像面と感光基板
とをその投影光学系の光軸方向に相対的に移動するフォ
ーカス位置制御手段を設け、その温度制御手段を用いて
その投影光学系の結像面の位置を制御したときに残存し
ているフォーカス位置のオフセットをそのフォーカス位
置制御手段を介して低減させるときには、像面湾曲の補
正によって発生するデフォーカスが補正され、常に感光
基板の表面が結像面に合致した状態で露光が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1の実施の形態
を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図3】第2の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図4】第3の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図5】第4の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図6】温度変化に対して互いに異なる特性を有する2
つの硝材のレンズを示す光路図である。
【図7】(a)は石英からなるレンズエレメントに依る
像面湾曲を示す図、(b)は温度制御された蛍石からな
るレンズエレメントに依るフォーカス位置の分布を示す
図、(c)は残存するフォーカス位置の補正量を示す図
である。
【図8】石英からなるレンズエレメント、温度制御され
た蛍石からなるレンズエレメント、及びフォーカス位置
の制御機構(ウエハステージ)を組み合わせて得られる
フォーカス位置の分布(像面湾曲)を示す図である。
【図9】(a)は結像特性計測用センサ3の開口部及び
評価用マークの投影像を示す平面図、(b)は結像特性
計測用センサ3の構成を示す一部を断面とした構成図で
ある。
【図10】(a)は結像特性計測用センサ3で検出され
る検出信号を示す波形図、(b)はその検出信号の微分
信号を示す波形図、(c)はフォーカス位置の決定方法
の説明図である。
【図11】大気圧と蛍石よりなるレンズエレメントの温
度との関係を示す図である。
【図12】照明条件を種々に切り換えた場合の投影光学
系内を通過するレチクルからの0次光の分布を示す概念
図である。
【図13】照明条件を切り換えた場合の大気圧と蛍石よ
りなるレンズエレメントの温度との関係を示す図であ
る。
【図14】投影光学系を通過する照射エネルギーと蛍石
よりなるレンズエレメントの温度との関係を示す図であ
る。
【図15】従来の投影露光装置における像面湾曲を示す
図である。
【図16】(a)は一括露光を行った場合の像面湾曲の
影響を示す図、(b)は走査露光を行った場合の像面湾
曲の影響を示す図である。
【図17】(a)はサイズの小さいレチクルの撓みを示
す斜視図、(b)はサイズの大きいレチクルの撓みを示
す斜視図である。
【符号の説明】
R レチクル PL1,PL2,PL3,PL4 投影光学系 W ウエハ 2 ウエハステージ 3 結像特性計測用センサ 4 鏡筒 G1,G2 レンズ枠 6 レチクルステージ 8,10 レーザ干渉計 12 レンズ制御装置 13 レンズ温度制御装置 13a,13b 温度制御装置 14 照明光学系 18 主制御装置 25〜34,35A,38A 石英よりなるレンズエレ
メント 36A,37A 蛍石よりなるレンズエレメント 36B 蛍石よりなるレンズエレメント 33A,36C 蛍石よりなるレンズエレメント 28A,29A 蛍石よりなるレンズエレメント 40A〜40D 温度制御素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/30 516E 516F (56)参考文献 特開 平4−86668(JP,A) 特開 平5−347239(JP,A) 特開 昭60−159748(JP,A) 特開 平6−5490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03B 13/36 G03F 7/20 521

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクパターンを投影光学系を介して
    感光基板上に投影する投影露光装置において、 前記投影光学系は、第1の硝材からなる複数の光学部材
    と、屈折率に関する温度特性が前記第1の硝材と異なる
    第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材とを有
    し、前記第2の硝材からなる 少なくとも一つの光学部材の温
    度制御を行う温度制御手段を設け、 該温度制御手段を用いて前記投影光学系の結像面の前記
    投影光学系の光軸方向の位置を制御することを特徴とす
    る投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記温度制御手段による制御対象は前記
    投影光学系の像面湾曲であり、 前記投影光学系の倍率誤差を制御する倍率誤差制御手段
    を設け、 前記温度制御手段を用いて前記投影光学系の像面湾曲を
    制御したときに発生する倍率誤差を前記倍率誤差制御手
    段を介して低減させることを特徴とする請求項1に記載
    投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記温度制御手段によって、前記第2の
    硝材からなる少なくとも一つの光学部材の温度を±1℃
    以下の範囲内で制御することにより、前記投影光学系の
    像面湾曲を±0.3μm以下の範囲内で補正することを
    特徴とする請求項2に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記投影光学系の使用条件の変化に応じ
    た前記投影光学系の結像面の位置の変化量を記憶する記
    憶手段を設け、 前記投影光学系の使用条件の変化に応じて前記記憶手段
    に記憶されている結像面の位置の変化量を相殺するよう
    に、前記温度制御手段を介して前記投影光学系の結像面
    の位置を制御することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記投影光学系の結像面と前記感光基板
    とを前記投影光学系の光軸方向に相対的に移動するフォ
    ーカス位置制御手段を設け、 前記温度制御手段を用いて前記投影光学系の結像面の位
    置を制御したときに残存しているフォーカス位置のオフ
    セットを前記フォーカス位置制御手段を介して低減させ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
    投影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記温度制御手段は、前記少なくとも一
    つの光学部材の表面に固定された温度制御素子を有する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記投影光学系は、前記第2の硝材から
    なる2つの光学部材を有し、 前記温度制御手段は、前記2つの光学部材の一方の温度
    を制御することによって、前記投影光学系の像面湾曲を
    補正し、前記2つの光学部材の他方の温度を制御するこ
    とによって、前記投影光学系の線形倍率誤差を補正する
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の
    投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の硝材は、石英であり、前記第
    2の硝材は、蛍石であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記マスクを保持するマスクステージ
    と、前記感光基板を保持する基板ステージとをさらに有
    し、前記マスクステージ及び前記基板ステージを同期移
    動させて、走査露光を行うことを特徴とする請求項1〜
    8のいずれか一項に記載の投影露光装置。
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