JPH09329226A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
自動変速機の制御装置Info
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- JPH09329226A JPH09329226A JP8165102A JP16510296A JPH09329226A JP H09329226 A JPH09329226 A JP H09329226A JP 8165102 A JP8165102 A JP 8165102A JP 16510296 A JP16510296 A JP 16510296A JP H09329226 A JPH09329226 A JP H09329226A
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Abstract
に、車両の渋滞路走行時のエンジンブレーキ作用による
ギクシャク走行を防ぐ。 【解決手段】 自動変速機Tは、低速段達成時に係止さ
れる回転要素と、それを係止するブレーキB−3と、該
ブレーキの油圧サーボ4の油圧を制御する制御装置5,
6を備える。ブレーキは、セルフエナージャイジング及
びディエナージャイジング作用により係合力に差異を生
じるバンドブレーキとし、セルフエナージャイジング方
向を車両駆動時の回転要素の回転方向に合わせ、ディエ
ナージャイジング方向を車両の非駆動時の回転要素の回
転方向に合わせて、非駆動時油圧よりも、駆動時油圧の
方が低くなる領域を有する設定とされる。制御装置5,
6は、バンドブレーキB−3の油圧サーボ4へ非駆動時
油圧より低く、駆動時油圧に等しいか又はそれより高い
油圧を供給する供給手段を有する。
Description
装置に関し、特に、車両走行時のエンジンブレーキ作用
を制御する制御装置に関する。
に、変速機構中の特定の回転要素を係止して該要素に反
力トルクを支持させている状態から、高速段達成のため
に、該回転要素の係止を解放させるのに、従来一般的に
は、ワンウェイクラッチが用いられているが、湿式多板
構成の摩擦ブレーキを用いて上記回転要素の係止と解放
を油圧サーボへの供給油圧の調整で直接制御するように
して、ワンウェイクラッチの配設を廃し、変速装置のコ
ンパクト化を図った技術として、特開平4−30274
8号公報に開示の技術がある。なお、この技術では、副
変速機部にワンウェイクラッチを配しているが、このク
ラッチは、それに並列的に設けられたブレーキで常時フ
リーになることを防止されている。
路等を走行する場合、上記したようなワンウェイクラッ
チを配した通常の変速装置の場合には、アクセルペダル
の踏込みを緩めてスロットルをオンからオフしたとき、
すなわち、エンジンの動力により自動変速機を介して車
両のホイールが駆動されている(本明細書を通じて、こ
うした状態を「駆動」という)状態から、車両の慣性力
によるホイール側からの駆動力で自動変速機を介してエ
ンジンが逆駆動されるコースト(同じく、「非駆動」と
いう)状態に移行したときには、回転要素に作用する反
力トルクの方向が逆転するため、ワンウェイクラッチが
フリーとなる。したがってこのときは、自動変速機の変
速機構内で逆駆動の動力が伝わらなくなり、エンジンブ
レーキ効果が生じない惰行状態が得られる。これによ
り、スロットルの細かなオンオフの繰り返しにより、駆
動状態と非駆動状態が繰り返してもギクシャクしないス
ムーズな車両走行が可能である。
ウェイクラッチに代えて多板構成の摩擦ブレーキを用い
た変速装置の場合、回転要素にかかる反動トルクの方向
の逆転に応じたブレーキの自動的な係合解放作用は生じ
ないため、車両の渋滞路走行時のアクセルペダル操作に
よるスロットルのオンオフで、駆動状態から非駆動状態
へ移行するたびにエンジンブレーキ作用が生じ、加減速
が入れ替わるギクシャクした走行となる。
ためにワンウェイクラッチを用いない構成を採りなが
ら、非駆動時に上記のようなエンジンブレーキ作用でギ
クシャクした車両走行となることを防止できる自動変速
機の制御装置を提供することを第1の目的とする。
エンジンブレーキ作用を生じさせる選択も可能とするこ
とを第2の目的とする。
に応じてエンジンブレーキ作用を選択的に生じさせるこ
とができるようにすることを第3の目的とする。
用の要否判断を車両の走行状態に合わせて適切に行うこ
とを第4の目的とする。
作用の要否判断に基づいてエンジンブレーキ作用が必要
と判断されたときに、確実に該作用を生じさせることを
第5の目的とする。
るため、本発明は、低速段を達成するために係止される
回転要素と、該回転要素を係止するブレーキとを備える
自動変速機であって、前記ブレーキの油圧サーボの油圧
を制御する制御装置を備える自動変速機の制御装置にお
いて、前記ブレーキは、セルフエナージャイジング作用
とディエナージャイジング作用により係合力に差異を生
じるバンドブレーキで構成され、該バンドブレーキは、
セルフエナージャイジング作用が生じる方向を車両の駆
動時の前記回転要素の回転方向に合わせ、ディエナージ
ャイジング作用が生じる方向を車両の非駆動時の前記回
転要素の回転方向に合わせて、車両の非駆動時に回転要
素を係止するに必要な非駆動時油圧よりも、駆動時に回
転要素を係止するに必要な駆動時油圧の方が低くなる領
域を有する設定とされ、前記制御装置は、前記バンドブ
レーキの油圧サーボへ前記非駆動時油圧より低く、駆動
時油圧に等しいか又はそれより高い油圧を供給する供給
手段を有することを特徴とする。
手段は、バンドブレーキの油圧サーボへ、前記非駆動時
油圧と、非駆動時油圧より低く、駆動時油圧に等しいか
又はそれより高い油圧を選択的に供給可能とされた、構
成とされる。
装置は、車両のエンジンブレーキ達成の要否を判断する
判断手段を有し、前記供給手段は、前記判断手段によ
り、エンジンブレーキ達成が必要と判断された場合に
は、前記バンドブレーキの油圧サーボへ非駆動時油圧を
供給し、エンジンブレーキ達成が不要と判断された場合
には、前記油圧サーボへ非駆動時油圧より低く、駆動時
油圧に等しいか又はそれより高い油圧を供給する、構成
とされる。
手段は、車両が渋滞路を走行しており、降坂路を走行し
ておらず、かつ、高車速で走行していないときにエンジ
ンブレーキ達成が必要と判断する、構成とされる。
装置は、入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段とを有し、入力トルク検出
手段と車速検出手段からの信号に基づいて、前記駆動時
油圧と非駆動時油圧とを算出し、前記判断手段によりエ
ンジンブレーキ達成が必要と判断された場合に、算出さ
れた駆動時油圧と非駆動時油圧のうち、いずれか高い方
の油圧を油圧サーボへ供給し、エンジンブレーキ達成が
不要と判断された場合には、駆動時油圧を油圧サーボへ
供給する、構成とされる。
回転要素を同じ係合力で係止させる場合に、バンドブレ
ーキのセルフエナージャイジング時よりもディエナージ
ャイジング時の方が油圧サーボへの供給油圧を高くする
必要があるのを利用して、セルフエナージャイジング作
用を生じる側を回転要素の駆動時の回転方向、ディエナ
ージャイジング作用を生じる側を非駆動時の回転方向に
設定することで、非駆動時に回転要素の係止に必要な非
駆動時油圧よりも、駆動時に回転要素の係止に必要な駆
動時油圧の方が低くなる領域を有するようにブレーキを
設定している。これにより、油圧サーボへ非駆動時油圧
より低く、駆動油圧に等しいか又はそれより高い油圧を
供給することで、駆動時には、バンドブレーキは、セル
フエナージャイジング作用により回転要素を係止して所
定の変速段を達成し、スロットルがオンからオフに切り
換わる非駆動への移行時には、バンドブレーキは、ディ
エナージャイジング作用で回転要素を係止することがで
きなくなり、所定の変速段を維持することができなくな
って、エンジンブレーキが作用しなくなるため、ギクシ
ャクした車両走行を回避することができるようになる。
非駆動時油圧の供給も可能となるため、スロットルがオ
フされてバンドブレーキがディエナージャイジング状態
となっても、非駆動時油圧を供給することで、バンドブ
レーキの係止を維持させることもできるようになり、必
要に応じて、エンジンブレーキ作用を生じさせる制御が
可能となる。
ブレーキ作用の要否を判断する判断手段を設けているの
で、該判断手段による判断に基づき、エンジンブレーキ
作用が必要なときには、自動的にエンジンブレーキ作用
を生じさせる制御を行うことができる。
手段によるエンジンブレーキ作用の要否判断が渋滞路走
行を主として、車両走行状態に応じて適切に行われるよ
うになり、更に適切なエンジンブレーキ作用の解除制御
を行うことができる。
時油圧は、車両の逆駆動による負荷が車速に比例するこ
とから、車速の上昇に応じてリニアに高くすればよいの
に対して、駆動時油圧の方は、車両走行負荷が入力トル
クに比例させる分に加えて車速の上昇により2次特性で
上昇する空気抵抗分に見合う分だけ高くなる特性の関係
から、車速の上昇に応じて上昇度合いを大きくしなけれ
ばならないことから、バンドブレーキの設定によって
は、高車速領域では、非駆動時油圧と駆動時油圧の大小
関係が逆転する場合があることに合わせて、エンジンブ
レーキ作用が必要と判断された場合に、非駆動時油圧と
駆動時油圧のうち大きい方の油圧を供給することで、必
要時に確実にエンジンブレーキ作用を得ることができ
る。なお、こうした制御により、上記のように油圧の大
小関係が高車速域で逆転することで常時エンジンブレー
キ作用が生じるようになっても、高車速域では、渋滞路
でもエンジンブレーキ作用は必要とされるので、本発明
の本来の効果が損なわれることはない。
形態を説明する。図2は本発明の制御装置を適用した自
動変速機に差動装置を組み合わせて横置構成のトランス
ファ装置として具体化した形態を示す。先ず、機構の概
略構成から説明すると、この装置は、車両のエンジンに
連結されるロックアップクラッチ11付のトルクコンバ
ータ12と、その出力を前進5速後進1速に変速する3
段のプラネタリギヤセットM1,M2,M3を有する変
速機構Mとからなる自動変速機Tと、それに減速機構を
兼ねるカウンタギヤ20を介して連結され、伝達された
自動変速機Tの出力を車両の左右のホイールに伝達する
差動装置21とから構成されている。
セットM1,M2の大小径の異なるピニオンギヤP1,
P2は直結され、両ギヤセットM1,M3のそれぞれの
リングギヤR1,R3とキャリアC3,C1は、相互に
連結されており、ギヤセットM1のサンギヤS1とキャ
リアC1は入力要素とすべく、それぞれクラッチ(C−
1,C−2)を介してトルクコンバータ12のタービン
軸13に連なる入力軸14に連結されている。また、相
互に連結されたリングギヤR1とキャリアC3は、出力
軸15を介して出力要素としての出力ギヤ19に連結さ
れている。更に、ギヤセットM1のサンギヤS1は、ブ
レーキ(B−1)により変速機ケース10に係止可能と
され、ギヤセットM2のサンギヤS2は、ブレーキ(B
−2)により変速機ケース10に係止可能とされ、ギヤ
セットM3のサンギヤS3は、ブレーキ(B−3)によ
り同じく変速機ケース10に係止可能とされ、キャリア
C1に連結されたリングギヤR3は、ブレーキ(B−
R)により変速機ケース10に係止可能とされている。
4の外周に嵌まるサンギヤ軸16を介してクラッチ(C
−1)に連結され、キャリアC1は、入力軸14の外周
に嵌まるキャリア軸17を介してクラッチ(C−2)に
連結され、サンギヤS3は、キャリア軸17の外周に嵌
まるサンギヤ軸18を介してブレーキ(B−3)に連結
されている。また、この形態では、両クラッチ(C−
1,C−2)の油圧サーボ22,23は、変速機ケース
10に配設された静止シリンダ形とされている。そし
て、ブレーキ(B−R)を除く各ブレーキは、バンドブ
レーキ構成とされ、ブレーキ(B−R)については、多
板式のブレーキ構成とされており、それらの油圧サーボ
については図示を省略されている。そして、出力要素と
しての出力ギヤ19がカウンタギヤ20を介して差動装
置21に連結されている。
に図1を参照して説明する電子制御装置及び油圧制御装
置による制御の下に、各クラッチ及びブレーキに対応す
る油圧サーボに油圧を供給し、図3に示すように各クラ
ッチ及びブレーキを係合(図に○印で示す)及び解放
(図に無印で示す)させることで各変速段を達成する。
(C−1)とブレーキ(B−3)の係合で達成される。
このとき、駆動時の入力は、入力軸14からクラッチ
(C−1)経由でサンギヤS1に入り、ブレーキ(B−
3)の係合によるサンギヤS3の係止で最も減速された
キャリアC3の回転として出力ギヤ19に出力される。
この変速段では、非駆動時の出力ギヤ19の回転は、ブ
レーキ(B−3)の係合時には、サンギヤS3の係止に
よる反力支持で、キャリアC3、リングギヤR1、サン
ギヤS1及びクラッチ(C−1)経由でエンジン側に伝
達されるが、ブレーキ(B−3)の解放時には、サンギ
ヤS3による反力支持が解かれるので、リングギヤR1
の回転に対してピニオンギヤP1が空転し、逆駆動トル
クは伝達されない。
(C−2)とブレーキ(B−3)の係合で達成される。
このとき、クラッチ(C−2)経由でキャリア軸17に
入った入力は、キャリアC1経由でそのままリングギヤ
R3に入り、ブレーキ(B−3)の係合で係止されたサ
ンギヤS3を反力要素とするキャリアC3の差動回転と
して出力ギヤ19に出力される。この場合も非駆動時の
出力ギヤ19の回転は、ブレーキ(B−3)の係合時に
は、サンギヤS3の係止による反力支持で、キャリアC
3、リングギヤR1、キャリアC1及びクラッチ(C−
2)経由でエンジン側に伝達されるが、ブレーキ(B−
3)の解放時には、サンギヤS3による反力支持が解か
れるので、リングギヤR1の回転に対してピニオンギヤ
P1が空転し、逆駆動トルクは伝達されない。
(C−1,C−2)の係合による第1のプラネタリギヤ
セットM1の直結で達成される。このとき入力軸14の
回転は、そのままキャリアC3の回転として出力ギヤ1
9に出力される。そしてこの変速機の第4速(4TH)
以上は、オーバドライブとされ、第4速(4TH)は、
クラッチ(C−2)の係合と、サンギヤS1を係止する
ブレーキ(B−1)の係合で達成される。このとき、入
力軸14の回転はキャリアC1の回転に対してピニオン
ギヤP1の自転分増速されたリングギヤR1の回転とし
てキャリアC3から出力ギヤ19に伝達される。これに
対して、第5速は、クラッチ(C−2)の係合と、ブレ
ーキ(B−2)の係合で達成され、このとき、入力軸1
4の回転はキャリアC1の回転に対して、第4速達成時
より大径のサンギヤS2に反力をとる小径のピニオンギ
ヤP2の自転分更に増速されたリングギヤR1の回転と
してキャリアC3から出力ギヤ19に伝達される。ま
た、後進(REV)は、クラッチ(C−1)とブレーキ
(B−R)の係合で達成され、このとき、クラッチ(C
−1)を介するサンギヤS1への入力に対して、ブレー
キ(B−R)の係合によるリングギヤR3のケース10
への係止でキャリアC1の回転が止められ、ピニオンギ
ヤP1の自転による逆転の減速されたリングギヤR1の
回転がキャリアC3経由で出力ギヤ19から出力され
る。
発明は、上記のように、低速段達成のために係止される
回転要素をサンギヤS3、これを係止するブレーキをブ
レーキ(B−3)として適用されている。そして、ブレ
ーキ(B−3)の油圧サーボの油圧を制御する制御装置
は、本形態において、図1に示す油圧制御装置内の回路
と、それを電気信号で制御する電子制御装置6内のプロ
グラムとして構成されている。
3)は、ドラム31と、バンド32と、油圧サーボ4と
から構成されている。ドラム31は、図2に示すように
サンギヤ軸18を介してサンギヤS3に連結されてい
る。バンド32は、その両端外周側にブラケット33,
34を備えており、その一方のアンカー側ブラケット3
3は、ケース10に植え込んだアンカーピン35に当接
支持され、他方のアプライ側ブラケット34は、バンド
32の拡開方向の戻り弾性で油圧サーボ4のピストンロ
ッド42端に当接している。このブレーキ(B−3)の
機構上の特性により、ブレーキ締結時に、バンド32に
は、ドラム31が図示反時計回り方向のトルクを受ける
ときには、バンド32とドラム31の係合による摩擦力
がバンドを増し締めする方向に作用するため、ブレーキ
係合力を増大するセルフエナージャイジング(以下、セ
ルフエナージという)作用が生じる。これに対して、ド
ラム31が図示時計回り方向のトルクを受けるときに
は、バンド32とドラム31の係合による摩擦力がバン
ド締めつけ力と逆方向にバンドを緩める力として作用す
るため、ブレーキ係合力を減じさせるディエナージャイ
ジング(以下、ディエナージという)作用が生じる。こ
れにより、バンドブレーキ(B−3)は、サンギヤS3
にかかる反力トルクの方向により係合力の差異が生じ
る。
は、大小径の異なるシリンダボアSL,SS を有するサ
ーボシリンダ40と、その大径ボアSL に摺動自在に嵌
挿された大径ピストン44と、小径ボアSS に摺動自在
に嵌挿された小径ピストン43と、両ピストン43,4
4に嵌挿されたロッド42と、同じく大小径の異なる圧
縮コイルスプリングからなるセパレータスプリング45
及びリターンスプリング46と、大径ボアSL の開放端
を塞ぐリッド41とから構成されている。小径ピストン
43に固定されたロッド42は、サーボシリンダ40の
小径ボアSS 側の端壁を摺動自在に貫いて突出し、バン
ド32のブラケット34に当接している。大径ピストン
44は、ロッド42に摺動自在に支持され、小径ピスト
ン43と大径ピストン44との間に小径のセパレータス
プリング45が所定の荷重設定の基に配設されている。
大径のリターンスプリング46は、サーボシリンダ40
端壁と大径ピストン44との間に所定の荷重設定の基に
配設されている。
5は、ポンプを主体とするライン圧(PL )の油圧源5
1と、それにライン圧油路pを介して接続され、ライン
圧(PL )を調圧して前記油圧サーボ4に供給するB−
3コントロール弁52と、同じくライン圧油路pに接続
され、ライン圧(PL )を減圧してモジュレータ圧油路
mに出力するソレノイドモジュレータ弁53と、ソレノ
イドモジュレータ弁53により減圧されたモジュレータ
圧(Pm)を基圧としてスロットル圧(Pth)をスロ
ットル圧油路tを介してB−3コントロール弁52に印
加するリニアソレノイド弁54を備えている。
御装置6は、リニアソレノイド弁54のソレノイドに接
続されると共に、入力手段としての入力トルクセンサ7
1、車速センサ72及びアクセル開度センサ73に接続
されている。これら各センサのうち、入力トルクセンサ
71は、係合圧設定と降坂路判断に使用され、車速セン
サ72は、係合圧設定、降坂路判断、高車速判断及び渋
滞路判断に使用され、アクセル開度センサ73は、渋滞
路判断に使用される。
−3)は、車両の非駆動時にリングギヤR3を係止する
に必要な非駆動時油圧よりも、駆動時に回転要素を係止
するに必要な駆動時油圧の方が低くなる領域を有する設
定とされている。
照して説明する。図4に示すように、駆動時にブレーキ
(B−3)の係合を維持するに必要な必要係合力(T)
は、入力トルク(TI N )をパラメータとして、車速
(NO )の増加につれて増加率が大きくなる2次曲線で
表される特性となる。なお、係合力の特性がこうした2
次曲線となるのは、走行負荷に打ち勝って車速を維持す
るに要する駆動トルクは、車速の増加と共に2次曲線的
に増加する空気抵抗分の負荷の影響による。これに対し
て、非駆動時のブレーキ(B−3)の必要係合力(T)
は、車速(NO )の増加につれてリニアに増加する直線
状の特性となる。
ボに供給する駆動時のブレーキ(B−3)の必要油圧
(PF R )は、上記係合力の場合と同様に、入力トルク
(TIN )をパラメータとして、車速(NO )の増加に
つれて増加率が大きくなる2次曲線で表される特性とな
るのに対して、非駆動時のブレーキ(B−3)の必要油
圧(PE B )は、車速(NO )の増加につれてリニアに
増加する直線状の特性となる。そこで、セルフエナージ
時とディエナージ時との摩擦係合力の差により、非駆動
時よりも高い係合力が必要な駆動時でも、非駆動時より
低い油圧で、駆動時の係合状態を達成できる。なお、図
において、入力トルク値(TI N 1)は、入力トルクが
0又は車両の車速を維持する程度の低い値であり、渋滞
路走行時に対応するトルクである。したがって、入力ト
ルクが(TI N 1)のときに、図に編みかけで示す領
域、厳密には非駆動時の必要油圧(PE B )は含まず、
駆動時の必要油圧(PF R )を含む領域で油圧を出力す
ることで、駆動時に係合が維持され、非駆動となると係
合が解放されるブレーキ設定が可能となり、非駆動時に
エンジンブレーキ作用を生じさせないようにすることが
できる。
速を超えるまでは、バンドブレーキ(B−3)の油圧サ
ーボ4へ非駆動時油圧よりも低く、駆動時油圧に等しい
か又はそれより高い油圧を供給することで、非駆動時の
みエンジンブレーキ作用を生じないようにすることがで
きる。ところが、一定の車速を超える領域では、逆に駆
動時油圧の方が非駆動時油圧より高くなる状態が生じ
る。そこで、本形態では、非駆動時油圧と駆動時油圧の
うちいずれか高い油圧の方をバンドブレーキ(B−3)
の油圧サーボ4へ供給するようにしている。当然なが
ら、このようにすると、一定の車速を超える領域では、
エンジンブレーキ作用を解除できなくなるが、こうした
高車速域では、エンジンブレーキ作用の解除はむしろ不
要となるので、本発明の主題とする制御形態が損なわれ
ることはない。
のフローを示す。先ずステップS−1で入力トルクセン
サ71の検出値に基づく入力トルク(TI N )の計算を
行い、次のステップS−2で車速センサ72からの車速
(NO )の検出を行い、それらに基づいてステップS−
3で駆動時必要油圧(PF R )の算出を行い、ステップ
S−4で非駆動時必要油圧(PE B )の算出を行う。そ
して、ステップS−5でエンジンブレーキ要否の判断を
行い、この判断がイエス(Y)の不要となった場合は、
次のステップS−6で駆動時の係合維持に必要な油圧
(PF R )をサーボ油圧(PB D )として設定し、上記
判断がノー(N)の必要となった場合には、ステップS
−7で、前のステップS−3とステップS−4で算出さ
れた駆動時必要油圧(PF R )と非駆動時必要油圧(P
E B )のうち、いずれか高い方の油圧(MAX
(PF R ,PE B ))をブレーキB−3サーボ油圧(P
B D )として設定する。そして、最後のステップS−8
で前記リニアソレノイド弁54のソレノイドへ、B−3
コントロール弁52による調圧出力が上記サーボ油圧
(PB D)となるように、対応するデューティ信号値を
出力する。
は、モジュレータ圧(Pm)を基圧とするリニアソレノ
イド弁54の調圧動作で、B−3コントロール弁52の
スプール端にスロットル圧(Pth)が印加され、この
力に対向するリータンスプリング荷重とフィードバック
圧とのバランスで、ライン圧(PL )をサーボ油圧(P
B D )に調圧するB−3コントロール弁52の調圧動作
が生じ、規定のサーボ油圧(PB D )が油圧サーボ4の
大径ボアSL に供給される。この油圧供給による大径ピ
ストン44の移動でロッド42が押し出され、その先端
でブラケット34を押圧するため、一端をアンカーピン
35に支持されたバンド32は、ドラム31に締結され
る。そして、この締結状態でドラム31にかかる反動ト
ルクが図示セルフエナージ方向にかかる場合は、反力ト
ルクによるドラム31の回転は阻止される。また、この
状態で反力トルクが図示ディエナージ方向にかかる場合
は、サーボ油圧(PB D )として非駆動時必要油圧(P
E B )が選択されたときには、反力トルクによるドラム
31の回転は阻止されるが、駆動時必要油圧(PF R)
が選択されたときには、ドラム31の回転は阻止されな
くなる。ただし、必要係合力が逆転する高車速では、駆
動時必要油圧(PF R )が選択されたときでも、ドラム
31の回転は阻止される。
のルーチンを示す。この処理では、ステップS−11で
渋滞路判断、ステップS−12で降坂路判断、ステップ
S−13で高車速判断を行い、上記3つの判断で、車両
が渋滞路を走行しており、降坂路を走行しておらず、か
つ高車速で走行していないとの3つの判断が全て成立す
るときに、ステップS−14でエンジンブレーキ達成が
不要と判断する。一方、上記3つの判断で、渋滞路でな
い、降坂路である、高車速であるのいずれかの判断が成
立するときには、ステップS−15によるエンジンブレ
ーキ達成必要の判断に至る。
クシャク感が生じるのは、基本的に渋滞路走行のみであ
るとして、渋滞路のときのみエンジンブレーキを不要と
する。この渋滞路判断は、具体的には、スロットル開度
センサ73で検出されるアクセルペダルの操作、車速セ
ンサ72で検出される車速の傾向(停車頻度)等から行
う。また、渋滞路でも、降坂路はエンジンブレーキ効果
が必要とされることから、降坂路であればエンジンブレ
ーキ達成が必要とする。この降坂路判断は、具体的に
は、図1に示す入力トルクセンサ71で検出された入力
トルク(TI N )により得られるべき平坦路での理想加
速度と、実際の加速度との比較により、降坂路を走行中
か否かで行う。そして、高車速判断については、渋滞路
の場合は、一般的に高車速ではないが、一時的に高車速
となった場合に、空走感が発生してしまうのを防ぐため
に、エンジンブレーキ達成を必要としている。この判断
は、図1に示す車速センサ72で検出される現在の車速
が所定値(例えば、40km)より高いか否かにより行
う。
のスロットルオフ移行時のタイムチャートを示す。この
場合、スロットル開度が0となると、入力トルク(T
I N )は非駆動のマイナスとなり、サーボ油圧
(PB D )は、エンジンブレーキ必要の場合は、図に点
線で示す値(PE B )のまま維持され、エンジンブレー
キ不要の場合には、図に実線で示すセルフエナージの高
い値からディエナージの低い値に変化する。これに伴
い、係合要素すなわちブレーキ(B−3)の回転数(N
K S)は、エンジンブレーキ必要の場合は、点線で示す
係合状態の0を保つが、エンジンブレーキ不要の場合
は、実線で示す解放状態の回転数(サンギヤS3の回転
数)まで上昇する。また、車両の加減速度は、エンジン
ブレーキ必要の場合は、図に点線で示すように大きな減
速感が発生する急激な一定値までの降下を生じるが、エ
ンジンブレーキ不要の場合は、減速感を感じさせない程
度の緩徐で僅かな下降に止まる。
フトのタイムチャートを示す。この場合、2つの入力ク
ラッチ(C−1,C−2)の掴み替えのためのC−2油
圧とC−1油圧の制御が行われ、両クラッチ間でのトル
ク移管に伴って、入力回転数は第1速に見合って上昇す
る。この場合の回転上昇は、エンジンブレーキ作用時の
点線で示す場合の方が実線で示すエンジンブレーキ非作
用時より大きくなる。なお、入力トルク(TI N )、サ
ーボ油圧(PB D )、係止部材すなわちサンギヤR3の
回転数(NK S )及び車両の加減速度については、上記
スロットルオフ時の特性と同様となるので、説明を省略
する。
御装置によれば、サンギヤS3を同じ係止力で係止しよ
うとした場合に、セルフエナージ方向よりもディエナー
ジ方向の方が大きな油圧が必要とされる。これを利用し
て、セルフエナージ方向を駆動時、ディエナージ方向を
非駆動時に設定することで、非駆動時にサンギヤS3の
係止に必要な非駆動時油圧よりも、駆動時にサンギヤS
3の係止に必要な駆動時油圧の方が低くなる領域を有す
るように設定している。したがって、油圧サーボ4に非
駆動時油圧よりも低く、駆動油圧に等しいか又はそれよ
り高い油圧を供給すると、駆動時には、バンドブレーキ
(B−3)は、セルフエナージによってサンギヤS3を
係止して第1速及び第2速が達成可能であり、そして、
スロットルがオンからオフに切り換えられて非駆動時に
移行すると、バンドブレーキ(B−3)の係合はディエ
ナージ方向に変わるので、サンギヤS3を係止すること
ができなくなり、第1速又は第2速を維持することがで
きず、エンジンブレーキが作用しなくなる。
ロットルがオフされてバンドブレーキ(B−3)の係合
がディエナージ方向となっても、バンドブレーキの係止
が維持され、必要に応じて、エンジンブレーキを作用さ
せることができる。そして、エンジンブレーキ達成の要
否は判断手段により行われ、その判断は、車両が渋滞路
を走行しており、降坂路を走行しておらず、かつ高車速
で走行していないときを以てエンジンブレーキ不要とさ
れるので、渋滞路でも、降坂路や一時的に高車速となっ
た場合にはエンジンブレーキが作用し、空走感の発生を
防ぐことができる。
きい方の油圧を供給することで、高車速領域で非駆動時
油圧と駆動時油圧の大小関係が逆転しても確実にエンジ
ンブレーキを得ることができる。
たが、本発明は、特許請求の範囲の個々の請求項に記載
の事項の範囲内で種々に細部の具体的な構成を変更して
実施することができる。
一部ブロック化して示す回路図である。
ァ装置の機構を示すスケルトン図である。
である。
図である。
ートである。
ローチャートである。
スロットルオフ移行時のタイムチャートである。
シフト時のタイムチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 低速段を達成するために係止される回転
要素と、該回転要素を係止するブレーキとを備える自動
変速機であって、前記ブレーキの油圧サーボの油圧を制
御する制御装置を備える自動変速機の制御装置におい
て、 前記ブレーキは、セルフエナージャイジング作用とディ
エナージャイジング作用により係合力に差異を生じるバ
ンドブレーキで構成され、 該バンドブレーキは、セルフエナージャイジング作用が
生じる方向を車両の駆動時の前記回転要素の回転方向に
合わせ、ディエナージャイジング作用が生じる方向を車
両の非駆動時の前記回転要素の回転方向に合わせて、車
両の非駆動時に回転要素を係止するに必要な非駆動時油
圧よりも、駆動時に回転要素を係止するに必要な駆動時
油圧の方が低くなる領域を有する設定とされ、 前記制御装置は、前記バンドブレーキの油圧サーボへ前
記非駆動時油圧より低く、駆動時油圧に等しいか又はそ
れより高い油圧を供給する供給手段を有することを特徴
とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項2】 前記供給手段は、バンドブレーキの油圧
サーボへ、前記非駆動時油圧と、非駆動時油圧より低
く、駆動時油圧に等しいか又はそれより高い油圧を選択
的に供給可能とされた、請求項1記載の自動変速機の制
御装置。 - 【請求項3】 前記制御装置は、車両のエンジンブレー
キ達成の要否を判断する判断手段を有し、 前記供給手段は、前記判断手段により、エンジンブレー
キ達成が必要と判断された場合には、前記バンドブレー
キの油圧サーボへ非駆動時油圧を供給し、エンジンブレ
ーキ達成が不要と判断された場合には、前記油圧サーボ
へ非駆動時油圧より低く、駆動時油圧に等しいか又はそ
れより高い油圧を供給する、請求項2記載の自動変速機
の制御装置。 - 【請求項4】 前記判断手段は、車両が渋滞路を走行し
ており、降坂路を走行しておらず、かつ、高車速で走行
していないときにエンジンブレーキ達成が必要と判断す
る、請求項3記載の自動変速機の制御装置。 - 【請求項5】 前記制御装置は、入力トルクを検出する
入力トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と
を有し、 入力トルク検出手段と車速検出手段からの信号に基づい
て、前記駆動時油圧と非駆動時油圧とを算出し、 前記判断手段によりエンジンブレーキ達成が必要と判断
された場合に、算出された駆動時油圧と非駆動時油圧の
うち、いずれか高い方の油圧を油圧サーボへ供給し、エ
ンジンブレーキ達成が不要と判断された場合には、駆動
時油圧を油圧サーボへ供給する、請求項3又は4記載の
自動変速機の制御装置。
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