JP3744192B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に、ダウンシフト時の変速ショックを低減する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、そのギヤトレイン中の遊星歯車装置による動力伝達経路を変更することで変速を行うものであり、動力伝達経路の変更は、遊星歯車装置の特定の回転部材に連結された摩擦係合要素を油圧サーボにより適宜係合・解放させることで行われる。そして、油圧サーボの制御は、電子制御装置により油圧制御装置を介して行われる。こうした自動変速機において、高速段から低速段へのダウンシフトを行う場合、高速段達成時に係合させている摩擦係合要素を解放し、低速段達成のための摩擦係合要素を係合させることになるが、こうした解放に対する係合のタイミングがずれると、エンジン吹きやタイアップショックが生じる。そこで、上記のようなダウンシフトを行う場合に、自動変速機の入力回転数の低速段側への同期付近で滑らかな回転変化率として、エンジン吹きやタイアップショックを防止するために、回転部材の変化状態が目標とする状態となるように、フィードバック制御を行う技術が、特開昭63−266258号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動変速機は、上記のように、油圧制御装置を介して摩擦係合要素を操作するものであるため、目標回転変化率となるように、電気的にきめ細かく制御しても、油圧応答性に自ずと限界があり、摩擦係合要素の機械的な特性のばらつきもあって、狙いどおりに追従性の良いコントロールを行うのは難しい。特に、上記の技術によれば、変速の過渡状態において、回転数に基づいて目標値を設定し、その目標値となるように制御する必要があり、非常に制御が複雑となる。
【0004】
そこで、本発明は、油圧応答性の影響を小さくすることができ、かつ、簡単な方法でありながら、ダウンシフト時のエンジン吹きやタイアップショックを防止することができる自動変速機の制御装置を提供することを第1の目的とする。
【0005】
次に、本発明は、上記制御装置において、個々の変速機ごとの特性のばらつきによる変速特性の変化をなくすことを第2の目的とする。
【0006】
更に、本発明は、自動変速機の作動状況に応じた最適な変速特性を、簡易な制御で実現することを第3の目的とする。
【0007】
また、本発明は、自動変速機の伝達トルクの大小に係わらず、ダウンシフト時の急係合によるショックの発生と、変速の間延びを防止することを第4の目的とする。
【0008】
そして、本発明は、ダウンシフト時の車速の違いによる体感上の変速ショックをも低減可能とすることを第5の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明は、高速段を達成するために係合される摩擦係合要素と、低速段を達成するために係止され、前記高速段達成時の回転方向と低速段達成時の反力トルクの作用方向とが逆転する回転部材と、該回転部材を係止するブレーキとを備える自動変速機であって、前記摩擦係合要素とブレーキの油圧サーボの油圧を制御する制御装置を備える自動変速機の制御装置において、前記ブレーキは、セルフエナージャイジング作用とディエナージャイジング作用により係合力に差異を生じるバンドブレーキで構成され、該バンドブレーキは、セルフエナージャイジング作用が生じる方向を低速段達成時の前記回転部材の反力トルクの作用方向に合わせて、高速段達成時に回転部材を係止するに必要な油圧よりも、低速段達成時に回転部材を係止するに必要な油圧の方が低くなる領域を有する設定とされ、前記制御装置は、高速段から低速段へのダウンシフトにおいて、前記摩擦係合要素を解放させる解放手段と、自動変速機の入力回転の低速段への同期を判定する同期判定手段と、前記バンドブレーキの油圧サーボへの油圧を、前記同期判定手段による同期判定まで、回転部材のセルフエナージャイジング作用方向の回転のみ係止可能な油圧より所定量低く、それにより入力回転が同期点を過ぎて基準の吹き量だけ吹き上がるような待機油圧に保持する定圧保持手段と、同期判定後に、回転部材を係止させるように待機油圧から上昇させる昇圧手段とを有することを特徴とする。
【0010】
上記第2の目的を達成するため、前記制御装置は、基準の吹き量を実現するために予め記憶された待機圧値を有するとともに、自動変速機の入力回転数から入力回転数の最大吹き量を検出する最大吹き量検出手段を有し、ダウンシフト完了後、基準の吹き量と検出された最大吹き量とを比較し、吹き量が基準値となるように、記憶された前記待機圧値を更新する学習手段を有する構成とされる。
【0011】
上記第3の目的を達成するため、前記待機圧値は、エンジンのスロットル開度と自動変速機の出力回転数をパラメータとして、それぞれのスロットル開度と出力回転数に対応させて複数記憶されており、変速開始時のスロットル開度と出力回転数に応じて選択される構成とされる。
【0012】
上記第4の目的を達成するため、前記昇圧手段は、同期判定後、エンジンのスロットル開度が大きいほど急となる勾配で油圧を上昇させる構成とされる。
【0013】
上記第5の目的を達成するため、前記昇圧手段は、同期検出後、所定の勾配で油圧を上昇させるとともに、最大吹き量検出後、自動変速機の出力回転数が小となるほど緩やかになるような目標の勾配で入力回転数が変化するように油圧を制御する構成とされる。
【0014】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1記載の構成では、ダウンシフトにより、回転部材の回転が低速段の同期側、すなわち、停止に向かって変化していくが、このとき、バンドブレーキはディエナージャイジング側なので、上記のような油圧を供給しても係合力が小さく、回転部材を係止することはない。そして、回転部材が停止して、逆回転を開始すると、セルフエナージャイジング側に切り替わり、バンドブレーキの係合力が急激に増し、回転部材を止めようとする。しかし、そのときの油圧は、回転部材のセルフエナージャイジング側の回転の停止を保持することができる油圧よりも所定量低い待機油圧であるので、急激な回転部材の停止が生じることはなく、ゆるやかな回転部材の変化が得られる。そして、同期の検出後、油圧を上昇させて、回転部材を係止して、変速が終了する。よって、前記のような油圧とすることで、油圧を変更しなくても、回転部材の回転状態に応じてバンドブレーキの特性が変化し、係合力が増すので、油圧の応答性が問題となることはなく、また、同期前に回転数等に基づくフィードバック制御を行わなくとも、同期付近で、回転部材の回転数を緩やかに変化させることができ、簡素な制御でありながら、大きなエンジン吹き及びタイアップショックを防止することができる。
【0015】
また、請求項2記載の構成では、回転部材の基準吹き量を決定する待機圧値を、実際の最大吹き量に応じて更新しているので、自動変速機の製造時の各製品ごとのばらつきや、バンドブレーキや自動変速機作動油の経時変化が生じても、常時、変速ショックを低減するに最適な吹き量に制御することができる。
【0016】
ところで、待機圧値は、変速ショックを低減する意味で、変速が終了する時点の変速機の入力トルク及びイナーシャトルクに基づき設定することが理想であるが、実際にこれらの値を正確に算出するには、複雑な計算が必要となる。そこで、請求項3記載の構成では、エンジンのスロットル開度と自動変速機の出力回転数に基づき待機圧値を予め記憶しておくことで、スロットル開度と出力回転数により入力トルクに適合でき、また、出力回転数によりイナーシャトルクに適合できるので、簡単な方法で、理想の状態に近付けることができる。
【0017】
次に、請求項4記載の構成では、エンジンが吹いた状態から、スロットル開度が大きいほど急となる勾配で油圧を上昇させることにより、低スロットル開度の急係合と、高スロットル開度の変速の間延びを防止できる。
【0018】
そして、請求項5記載の構成では、同じ最大吹き量でも、低出力回転数と高出力回転数とでは変速時の全体の回転変化量に対する割合は、低出力回転数側の方が大となる。よって、低出力回転数ほど勾配を緩やかにすることにより、変速全体で見た場合の急激な回転の変化を防止することができ、ショックを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図2は本発明の制御装置を適用し、横置構成のトランスファ装置として具体化した自動変速機を示す。先ず、機構の概略構成から説明すると、この自動変速機は、車両のエンジン(E/G)1に連結されたロックアップクラッチ(L/C)付のトルクコンバータ12と、その出力を前進5速後進1速に変速する3段のプラネタリギヤセットM1,M2,M3を有する変速機構と、それに減速機構を兼ねるカウンタギヤ20を介して連結され、車両の左右のホイールに出力を伝達する差動装置21とから構成されている。
【0020】
この自動変速機における変速機構の両ギヤセットM1,M2の大小径の異なるピニオンギヤp1,p2は直結され、両ギヤセットM1,M3のそれぞれのリングギヤr1,r3とキャリアc3,c1は、相互に連結されており、ギヤセットM1のサンギヤs1とキャリアc1は入力要素とすべく、それぞれクラッチ(C−1,C−2)を介してトルクコンバータ12のタービン軸13に連なる入力軸14に連結されている。また、相互に連結されたリングギヤr1とキャリアc3は、出力ギヤ19に連結されている。更に、ギヤセットM1のサンギヤs1は、ブレーキ(B−1)により変速機ケース10に係止可能とされ、ギヤセットM2のサンギヤs2は、ブレーキ(B−2)により変速機ケース10に係止可能とされ、ギヤセットM3のサンギヤs3は、ブレーキ(B−3)により同じく変速機ケース10に係止可能とされ、キャリアc1に連結されたリングギヤr3は、ブレーキ(B−R)により変速機ケース10に係止可能とされている。そして、出力要素としての出力ギヤ19がカウンタギヤ20を介して差動装置21に連結されている。また、ブレーキ(B−R)を除く各ブレーキは、バンドブレーキ構成とされ、ブレーキ(B−R)については、多板式のブレーキ構成とされており、それらの油圧サーボについては図示を省略されている。
【0021】
このように構成された自動変速機は、電子制御装置6及び油圧制御装置5による制御の下に、各クラッチ及びブレーキに対応する油圧サーボに油圧を供給し、図3に示すように各クラッチ及びブレーキを係合(図に○印で示す)及び解放(図に無印で示す)させることで各変速段を達成する。
【0022】
すなわち、第1速(1ST)は、クラッチ(C−1)とブレーキ(B−3)の係合で達成される。このときの入力は、入力軸14からクラッチ(C−1)経由でサンギヤs1に入り、ブレーキ(B−3)の係合によるサンギヤs3の係止で最も減速されたキャリアc3の回転として出力ギヤ19に出力される。次に、第2速(2ND)は、クラッチ(C−2)とブレーキ(B−3)の係合で達成される。このときの入力は、クラッチ(C−2)からキャリアc1経由でそのままリングギヤr3に入り、ブレーキ(B−3)の係合で係止されたサンギヤs3を反力要素とするキャリアc3の差動回転として出力ギヤ19に出力される。また、第3速(3RD)は、両クラッチ(C−1,C−2)の係合によるプラネタリギヤセットM1の直結で達成される。このとき入力軸14の回転は、そのままキャリアc3の回転として出力ギヤ19に出力される。
【0023】
この変速機の第4速(4TH)以上は、オーバドライブとされ、第4速(4TH)は、クラッチ(C−2)の係合と、サンギヤs1を係止するブレーキ(B−1)の係合で達成される。このとき、入力軸14の回転はキャリアc1の回転に対してピニオンギヤp1の自転分増速されたリングギヤr1の回転としてキャリアc3から出力ギヤ19に伝達される。これに対して、第5速は、クラッチ(C−2)の係合と、ブレーキ(B−2)の係合で達成され、このとき、入力軸14の回転はキャリアc1の回転に対して、第4速達成時より大径のサンギヤs2に反力をとる小径のピニオンギヤp2の自転分更に増速されたリングギヤr1の回転としてキャリアc3から出力ギヤ19に伝達される。
【0024】
また、後進(REV)は、クラッチ(C−1)とブレーキ(B−R)の係合で達成され、このとき、クラッチ(C−1)を介するサンギヤs1への入力に対して、ブレーキ(B−R)の係合によるリングギヤr3のケース10への係止でキャリアc1の回転が止められ、ピニオンギヤp1の自転による逆転の減速されたリングギヤr1の回転がキャリアc3経由で出力ギヤ19から出力される。
【0025】
こうした構成の自動変速機において、本発明は、高速段達成のために係合される摩擦係合要素をブレーキ(B−2)、低速段達成のために係止される回転部材をサンギヤs3、これを係止するブレーキをブレーキ(B−3)として適用されている。そして、ブレーキ(B−2)及びブレーキ(B−3)の両油圧サーボの油圧を制御する制御装置は、本形態において、油圧制御装置5内の回路と、それを電気信号で制御する電子制御装置6内のプログラムとして構成されている。
【0026】
図1に詳細を示すように、ブレーキ(B−3)は、ドラム31と、バンド32と、油圧サーボ4とから構成されている。ドラム31は、図2に示すように、サンギヤs3に連結されている。バンド32は、その両端外周側にブラケット33,34を備えており、その一方のアンカー側ブラケット33は、ケース10に植え込んだアンカーピン35に当接支持され、他方のアプライ側ブラケット34は、バンド32の拡開方向の戻り弾性で油圧サーボ4のピストンロッド42端に当接している。このブレーキ(B−3)の機構上の特性により、ブレーキ締結時に、バンド32には、ドラム31が図示反時計回り方向のトルクを受けるときには、バンド32とドラム31の係合による摩擦力がバンドを増し締めする方向に作用するため、ブレーキ係合力を増大するセルフエナージャイジング(以下、セルフエナージという)作用が生じる。これに対して、ドラム31が図示時計回り方向のトルクを受けるときには、バンド32とドラム31の係合による摩擦力がバンド締めつけ力と逆方向にバンドを緩める力として作用するため、ブレーキ係合力を減じさせるディエナージャイジング(以下、ディエナージという)作用が生じる。これにより、バンドブレーキ(B−3)は、サンギヤs3にかかる反力トルクの方向により係合力の差異が生じる。
【0027】
このブレーキ(B−3)の油圧サーボ4は、大小径の異なるシリンダボアSL ,SS を有するサーボシリンダ40と、その大径ボアSL に摺動自在に嵌挿された大径ピストン44と、小径ボアSS に摺動自在に嵌挿された小径ピストン43と、両ピストン43,44に嵌挿されたロッド42と、同じく大小径の異なる圧縮コイルスプリングからなるセパレータスプリング45及びリターンスプリング46と、大径ボアSL の開放端を塞ぐリッド41とから構成されている。小径ピストン43に固定されたロッド42は、サーボシリンダ40の小径ボアSS 側の端壁を摺動自在に貫いて突出し、バンド32のブラケット34に当接している。大径ピストン44は、ロッド42に摺動自在に支持され、小径ピストン43と大径ピストン44との間に小径のセパレータスプリング45が所定の荷重設定の基に配設されている。大径のリターンスプリング46は、サーボシリンダ40端壁と大径ピストン44との間に所定の荷重設定の基に配設されている。
【0028】
この油圧サーボ4を制御する油圧制御装置5は、ポンプを主体とするライン圧(PL )の油圧源50と、それにライン圧油路pを介して接続され、ライン圧(PL )を調圧してブレーキB−2の油圧サーボに供給するB−2コントロール弁51と、ライン圧(PL )を調圧して前記油圧サーボ4に供給するB−3コントロール弁52と、同じくライン圧油路pに接続され、ライン圧(PL )を減圧してモジュレータ圧油路mに出力するソレノイドモジュレータ弁53と、ソレノイドモジュレータ弁53により減圧されたモジュレータ圧(Pm)を基圧としてソレノイド信号圧を油路qを介してB−2コントロール弁51に印加するリニアソレノイド弁54と、同じく、ソレノイドモジュレータ弁53により減圧されたモジュレータ圧(Pm)を基圧として、ソレノイド信号圧を油路rを介してB−3コントロール弁52に印加するリニアソレノイド弁55を備えている。
【0029】
リニアソレノイド弁54とリニアソレノイド弁55を制御する電子制御装置6は、それら両弁のソレノイドに接続されるとともに、図2に示すように、入力手段としてのスロットル開度センサ71、タービン回転数センサ72、出力回転数センサ73及び自動変速機作動油(ATF)温度センサ74に接続されている。これら各センサのうち、スロットル開度センサ71は、変速判断と後に詳説するマップ選択に使用され、タービン回転数センサ72は、変速開始及び同期判定のための変速機入力回転数の検出に使用され、出力回転数センサ73は、マップデータの選択のための車速の検出に使用され、ATF温度センサ74は、マップ選択に使用される。
【0030】
本発明の主題に沿い、バンドブレーキ(B−3)は、サンギヤs3に連結されたブレーキドラム31が第5速達成時に回転する方向(正転方向)のときに、ブレーキドラム31を係止するに必要な油圧よりも、第2速達成時にブレーキドラム31に作用する反力トルクの方向(逆転方向)のときに、ブレーキドラム31を係止するに必要な油圧の方が低くなる領域を有する設定とされている。すなわち、正転方向にブレーキドラム31が回転しているときには、バンドブレーキ(B−3)にはディエナージ作用が生じ、逆転方向にブレーキドラム31が回転し、又はブレーキドラム31が静止状態で逆転方向のトルクが作用しているときには、バンドブレーキ(B−3)にはセルフエナージ作用が生じている。
【0031】
ここで、詳細に説明すると、第5速達成時は、クラッチ(C−2)からキャリアc1に入力された回転(正転方向)は、サンギヤs2の係止により、入力回転より増速されてリングギヤr1から出力され、そしてキャリアc3を介して出力ギヤ19から出力される。この際、リングギヤr3はキャリアc1と共に入力回転で回転し、キャリアc3はリングギヤr1と共に入力回転よりも増速状態で回転しているので、サンギヤs3は正転方向に回転している状態となっており、ブレーキドラム31も正転方向で回転している。また、第2速達成時は、クラッチ(C−2)からキャリアc1を介してリングギヤr3に入力された回転は、サンギヤs3の係止により、入力回転より減速されてキャリアc3から出力される。この際、サンギヤs3には逆転方向の反力が生じているために、ブレーキドラム31にもこの逆転方向の反力トルクが作用している。
【0032】
なお、上述のような領域を有するのは、エンジンからの駆動トルクにより出力軸が駆動されている状態、すなわち、アクセルペダルが踏み込まれているパワーオン状態や、アクセルペダルは解放されているが極低車速であり、エンジンがアイドリング回転数よりも低い回転数で回転しているときであり、出力軸からの逆駆動トルクによりエンジンが駆動されている状態、いわゆるコースト状態のときには、ブレーキドラム31に作用する反力トルクの方向が正転方向に変化するために、上述のような領域は生じない。したがって、本発明は、エンジンからの駆動トルクにより出力軸が駆動される状態のときに適用されるものである。
【0033】
こうした設定について、図4を参照して説明する。図4は、所定出力回転数のときに、バンドブレーキを係合させるに必要な油圧を概念的に示す。図に示すように、回転部材を完全に係止するためには、同じ入力トルクに対して、実線で示すセルフエナージ方向への回転時には、実線で示すディエナージ方向への回転時より低い油圧で足りる。そこで、セルフエナージ方向への回転を係止する油圧でワンウェイクラッチのように回転部材の逆転を止めることができる。しかしながら、本発明に主題に従い、変速終了時に若干エンジンを吹かせぎみにするため、点線で示すような油圧値にすると、回転部材の逆転時の急激なブレーキ係合を防止して、滑らかな変速を達成できることになる。ただ実際には、ブレーキが係合するとき、すなわち変速終了時の入力トルクとイナーシャトルクを算出するのは、非常に複雑なため、後に詳記する図10に示すような5→2時B−3圧同期油圧マップに示すような、出力回転数(Nout)と待機圧値(ΔPB3)の関係をスロットル開度(THR)をパラメータとして定めたデータを制御装置内に持つことにより、簡単に制御するようにしている。
【0034】
こうした制御を行う手段は、電子制御装置6にプログラムとして構成されるが、その具体的な構成の説明に先立ち、それにより実行される制御内容をタイムチャートに基づき、概念的に説明する。図5は、ダウンシフトの一例としての5→2変速制御のタイムチャートを示す。この場合、当初、ブレーキ(B−2)の油圧サーボに供給されるB−2油圧(PB2)は、入力トルクに見合った係合圧となっており、ブレーキ(B−3)の油圧サーボへのB−3油圧(PB3)は、解放状態の0となっている。タービン回転数(NT)は、第5速同期の低回転数にあり、スロットル開度(THR)は、スロットルオフの0、出力トルク(Tout)は、惰行によるエンジンコースト状態の負の値、B−3ドラム回転数(NB3)は空転状態にあり、その回転方向はディエナージ方向である。
【0035】
ここで、キックダウン等によりスロットル開度(THR)が立ち上がることで、電子制御装置による5→2変速判断の成立に合わせて制御を開始する。このとき、B−2油圧(PB2)は、ブレーキ(B−2)の係合を、トルク増加に合わせて維持すべく、スロットル開度(THR)の上昇によるスロットル圧の上昇で高い値に移行する。そして、この状態で、両ブレーキ(B−2,B−3)のアンダラップによるエンジン吹きを防止すべく、所定時間だけタイマ制御でその値に保持する。このとき、出力トルク(Tout)は、エンジン駆動状態に切り替わることで正の値に変化する。一方、B−3油圧(PB3)の方は、油圧サーボピストンのクリアランス分をタイムラグ少なく詰めるべく、ファーストフィル圧(PS 1 )に昇圧させ、タイマ設定した所定時間(tS A )だけその値に保持する。
【0036】
クリアランス分を詰めるタイマ時間(tS A )が経過したところで、所定勾配でB−3油圧(PB3)を降下させ、その値がストローク油圧(PS 2 )になったところで、タイマ時間(tS E )が経過するまでその値に保持する。一方、B−2油圧(PB2)の方は、上記所定時間経過を待って一定勾配で解放させる。この油圧の解放よる実際の変速の開始に伴い、入力回転数としてのタービン回転数(NT)は、ニュートラル回転数に向かって上昇して行き、B−3ドラム回転数(NB3)は、反力トルクの逆転で低下して行く。
【0037】
ここで、タイマ(tS E )の経過により、B−3油圧(PB3)を、本発明に従う待機圧値(ΔPB3)分だけ昇圧させ、その値に保持する。この状態で変速が進行して行き、同期判定が成立する段階になったところで、今度は所定勾配(dPB3)でB−3油圧(PB3)を昇圧させる。この時点では、B−3ドラム回転数(NB3)は0となり、直ぐに逆転を開始するが、それまでの油圧制御による低めの油圧設定により、バンドの係合力が不足するため、ブレーキ(B−3)は直ちには係止しない。したがって、タービン回転数(NT)は、図に破線で示す2速同期回転数に対して若干吹き上がり、その後緩やかに降下し、やがて変速終了時点で同期回転数に収束する。ここで、同期したときのタービン回転数(NT)と、下降し始めたときのタービン回転数(NT)との差を最大タービン吹き量(ΔNTmax)とする。この間、B−3ドラムは、若干セルフエナージ方向に回転し、B−3油圧(PB3)のスイープアップにつれてのバンドの係止力の増加で、変速終了時に緩やかに係止状態の0に戻る。この時点で、B−3油圧(PB3)を一気に係合状態を確実に維持するライン圧まで高めて変速を終了する。
【0038】
図6は上記制御を実現する電子制御装置6内での5→2ダウンシフト時の油圧制御処理のメインフローを示す。このフローは、5→2ダウンシフトの判断により、変速時制御と定常時制御とを分けるものであり、当初のステップS1で5→2変速判断を行い、この判断が成立しない(N)場合は、ステップS4の定常時制御を実行し、成立(Y)すると、次のステップS2により変速時B−2制御のサブルーチンと、ステップS3の変速時B−3制御のサブルーチンとを実行することになる。
【0039】
図7は解放される側のブレーキ(B−2)の変速時B−2制御の詳細を示すもので、ステップS21で、上記の各センサから、スロットル開度(THR)、出力回転数(Nout)、タービン回転数(NT)及びATF温度(Temp)を検出し、ステップS22で所定時間B−2油圧を維持するためのタイマ(T2 )を初期化し、ステップS23でB−2油圧を保持しつつ、ステップS24でタイマ(T2 )の経過(T2 ≧t、t:一定時間)を待つ。タイマ経過後、ステップS25で油圧を一定勾配で解放し、処理を終了する。
【0040】
一方、係合される側のブレーキ(B−3)については、図8に示す変速時B−3制御を実行する。この制御では、当初のステップS31で、サーボ起動制御を実行する。この起動制御は、図9に示す内容のもので、ステップS31−1でタイマ制御用の計時を開始(t=0)し、ステップS31−2で、アプライ油圧(PB3)をピストンの無効ストロークを詰めるファーストフィル用の油圧(PS 1 )とする処理を行う。具体的には、図1に示すリニアソレノイドバルブ54への出力をB−3コントロールバルブ52の調圧出力による油圧がファーストフィル油圧(PS 1 )となるデューティ比とする。次のステップS31−3は、タイマ(t)の経過判断である。この判断が成立すると、ステップS31−4で、アプライ油圧(PB3)を(PS 1 −PS 2 )/tS B の勾配でスイープダウンさせる。そして、この処理は、ステップS31−5で、アプライ油圧(PB3)がストローク油圧(PS 2 )を下回るまで継続される。油圧の下降が判断されると、ステップS31−6で、その油圧に保持する処理を実行し、この状態を次のステップS31−7のタイマ経過(t>tS E )が判断されるまで継続してサーボ起動制御を終了する。
【0041】
こうしてサーボ起動制御が終わったところで、図8に戻って、ステップS32によりスロットル開度(THR)、出力回転数(Nout)、タービン回転数(NT)及びATF温度(Temp)を検出し、次のステップS33で、5→2時B−3圧同期油圧マップより待機圧値(ΔPB3)の読み込みを行う。図10は、この5→2時B−3圧同期油圧マップを示すもので、このマップは、待機圧値(ΔPB3)をスロットル開度(THR)をパラメータとし、出力回転数(Nout)との関係で定められている。図に示すように、入力トルクを反映するスロットル開度(THR)が高いほど待機圧値(ΔPB3)は高くなる。このマップでは、スロットル開度(THR)と車速すなわち出力回転数(Nout)とから入力トルクが推測でき、出力回転数(Nout)からイナーシャトルクが推測できることから、入力トルクとイナーシャトルクの変化に対応することができる。なお、このマップは、ATF温度(Temp)に応じて複数用意しておき、バンドブレーキのμ特性が低油温時ほど低下する場合には、ATF温度(Temp)が低いほど待機圧値(ΔPB3)が大となるようにするのが望ましい。なお、バンドブレーキのμ特性の温度による変化は、摩擦材の材質により異なるので、材質に応じて適宜設定することが望ましい。
【0042】
図8に戻って、ステップS34で、上記の読み込みにより得られた待機圧値(ΔPB3)とストローク用の基準油圧(PS 2 )からアプライ油圧(PB3)を待機油圧として設定し、出力する。次に、ステップS35で、ギヤ比(G)をタービン回転数(NT)を出力回転数(Nout)で除することで算出し、それに基づきステップS36で、算出されたギヤ比(G)が2速のギヤ比(G2)まで減少したか否かで2速同期判定(G≦G2)を行う。同期判定が成立すると、ステップS37でタイマ(T1 )を初期化し、始動させる。次に、ステップS38で、5→2時B−3圧係合勾配マップ(図11参照)より、係合勾配圧(dPB3)を読み込み、併せて同期時間ガードタイマ(TG D )(図12参照)の読み込みを行う。ここに、図11は、5→2時B−3圧係合勾配マップを示すもので、スロットル開度(入力トルク)が大きいときには、傾きを急にすることにより、変速時間の間延びを防止するとともに、低スロットル開度時には、変速ショックを防止している。また、図12は、変速時間の延び過ぎによる摩擦材の焼け等を防ぐ同期時間ガードタイママップを示す。かくして得られた係合勾配圧(dPB3)を、ステップS39で、現在のアプライ油圧(PB3)に加算して、更新したアプライ油圧(PB3)を出力させる。そして、ステップS40で同期判定(G<G2)を行う。この判定が成立すると、ステップS42でB−3油圧学習制御を行う。一方、ステップS40での同期判定(G<G2)がガードタイマ(T1 )の時間(TG D )経過まで成立しないときには、ステップS41によるタイマ経過判断(T1 ≧TG D )が成立すると、ステップS42のB−3油圧学習制御に移る。
【0043】
図13は、B−3圧学習制御の詳細を示す。この制御では、当初のステップS41−1で、最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)と、出力回転数(Nout)と、タービン回転数(NT )と、ATF温度(Temp)とを検出する。ここに、最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)については、変速機の出力回転数(Nout)とギヤ比から得られる低速段での同期入力回転数と、実際の入力回転数との差の最大値を最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)としている。そして、ステップS41−2で、図14に示すB−3油圧補正マップを参照して補正値(ΔH)を読み込み、それによりステップS41−3で、待機圧値(ΔPB3)を変更して出力させる。更に、図10の破線で示すように、ステップS41−4で、上記B−3油圧補正マップの検出された条件部分に待機圧値(ΔPB3)を新たな値に書替える処理を行う。
【0044】
図14は、B−3油圧補正マップを示すもので、補正値(ΔH)の0の線と交わる点が、基準のタービン回転吹き量(ΔNTmax)であり、これに対して吹き過ぎれば、変速遅れを防ぐ意味で油圧を高くし、吹き量が小さ過ぎれば、変速ショックを防ぐ意味で油圧を低くしている。また、基準吹き量を車速すなわち出力回転数(Nout)の大小に係わらず同じに設定すると、低車速時の方が変速時の全体の回転変化率が小さいので、吹き感が大きくなってしまうのを避ける意味で、低車速ほど基準吹き量を小さく設定する必要がある。そこで、このマップでは、基準吹き量より大きい領域では、補正値(ΔH)を低車速ほど大きくしている。
【0045】
こうした電子制御装置による処理で、図1に示す油圧回路では、モジュレータ圧(Pm)を基圧とするリニアソレノイド弁55の調圧動作で、B−3コントロール弁52のスプール端にソレノイド圧が印加され、この力に対向するリータンスプリング荷重とフィードバック圧とのバランスで、ライン圧(PL )を待機油圧(PB3=PS 2 +ΔPB3)に調圧するB−3コントロール弁52の調圧動作が生じ、一定の待機油圧に保持されたアプライ油圧(PB3)が油圧サーボ4の大径ボアSL に供給される。この油圧供給による大径ピストン44の移動でロッド42が押し出され、その先端でブラケット34を押圧するため、一端をアンカーピン35に支持されたバンド32は、ドラム31に締結される。しかしながら、この締結状態でドラム31にかかる反力トルクが、図示ディエナージ方向にかかる第2速への同期前の状態では、バンド32の係止力が不足するため、ドラム31は次第に回転数を減じながらも回転を続ける。やがて変速が進行し、第2速同期点に達するとドラム31は速度0となるが、この時点では待機油圧(PB3=PS 2 +ΔPB3)とされているため、バンド32の係止力は依然として不足し、ドラム31は逆転に向かう。ここで、電子制御装置6によるアプライ油圧の指令が昇圧(PB3=PB3+dPB3)に変更されるため、やがてアプライ油圧は、図示セルフエナージ方向での係止可能圧に達し、ドラム31の回転は阻止される。
【0046】
かくして、上記第1実施形態の制御によれば、第2速達成のためにサンギヤs3を係止しようとした場合に、セルフエナージ方向よりもディエナージ方向の方が大きな油圧が必要とされる。これを利用して、セルフエナージ方向を低速段達成時にサンギヤs3にかかる反力でドラム31が回されようとする方向に設定することで、第5速同期時からセルフエナージ方向の回転のみ係止可能な油圧を供給しておくことで、高速段達成時にディエナージ方向に回転していたドラム31が低速段への同期時にセルフエナージ方向に回転方向が替わることで、同期時には、バンドブレーキ(B−3)は、セルフエナージによってサンギヤs3を係止して第2速が達成可能となる。しかしながら、この同期時点で直ちに係止可能な油圧を供給しておくと、同期点でのサンギヤs3の回転の停止で、変速ショックが大きくなる。そこで、本発明では、若干同期点を過ぎての逆転を生じさせてから、緩やかに逆転を止める操作を行うわけである。
【0047】
次に、図15及び図16は、第2実施形態による制御のフローを示す。この形態は、上記第1実施形態に対して、B−3油圧のスイープアップの後半において、フィードバック制御を行う点が異なっている。したがって、第1実施形態と共通の部分については、同様のステップ番号を付して説明に代え、以下、相違点のみ説明する。このフィードバック制御では、図15に示すステップS36の同期判定の後、タイマ(T1 )の初期化及び始動を行うことなく、ステップS38Aのマップ読み込み及びそれによるステップS39の昇圧のスイープアップを行う。その後、ステップS43により最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)の検出を行う。
【0048】
続いて、図16に示すように、ステップS44で、タイマ(T)の初期化及び始動を行う。このタイマ設定は、次のステップS45のためのものであり、ステップS45では、変速終了時同期時間マップより同期時間(TF B )の読み込みを行う。図17は、この変速終了時同期時間マップを示す。図に示すように、最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)が大きければ、それに応じて、変速時間を長くし、急な回転変化による変速ショックを防止するためのものである。低車速の低出力回転数と高車速の高出力回転数とでは、同じ最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)でも、変速時の全体の回転変化量に対する割合は、低車速側の方が大となる。したがって、低車速の低出力回転数側の方が変速時間を長くすることにより、変速全体でみた場合の、急激な回転の変化を防止することができる。
【0049】
図16に戻って、ステップS46で、目標回転勾配(ΔFB)を設定する。ここに、目標回転勾配(ΔFB)は、最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)を同期時間(TF B )で除した値となる。次に、ステップS47で、回転変化が目標回転勾配(ΔFB)となるようB−3圧のフィードバック(F/B)制御を行う。次のステップS40は第1実施形態の対応するステップS40と同様である。更に、ステップS48で、タイマ(T)の経過判断(TF B )を行う。次のステップS42も第1実施形態の対応するステップS48と同様である。
【0050】
図18は、第2実施形態による同期判定以後のタイムチャートを示す。この場合、所定の最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)となったところで、フィードバック制御が開始されるため、B−3油圧(PB3)は所定のスイープアップ状態から離れて、フィードバック値に基づき制御される。
【0051】
こうした第2実施形態の制御によれば、第1実施形態の制御に比して若干制御内容は複雑になるものの、同じ最大タービン回転吹き量(ΔNTmax)でも、車速の低い低出力回転数時と高車速の高出力回転数時とでは、変速時の全体の回転変化量に対する割合は、低出力回転数側の方が大となるのに対応させて、低出力回転数のときほど勾配を緩やかにすることにより、変速全体で見た場合の急激な回転の変化を防止することができ、ショックを一層確実に防止できる利点が得られる。
【0052】
以上、本発明を2つの実施形態に基づき詳説したが、本発明は、特許請求の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で種々に細部の具体的な構成を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の制御装置の第1実施形態を一部ブロック化して示す回路図である。
【図2】本発明を適用した自動変速機の全体構成を変速機構部をスケルトンで示すシステム構成図である。
【図3】上記自動変速機の作動図表である。
【図4】上記自動変速機の低速段達成用ブレーキ必要係合力の概念図である。
【図5】上記第1実施形態による変速制御のタイムチャートである。
【図6】上記制御装置による変速制御のメインフローチャートである。
【図7】上記制御装置による変速時B−2制御サブルーチンのフローチャートである。
【図8】上記制御装置による変速時B−3制御サブルーチンのフローチャートである。
【図9】上記制御装置によるサーボ起動制御サブルーチンのフローチャートである。
【図10】上記制御装置のB−3圧同期油圧マップの概念図である。
【図11】上記制御装置のB−3圧係合勾配マップの概念図である。
【図12】上記制御装置の同期時間ガードタイママップの概念図である。
【図13】上記制御装置によるB3圧学習制御サブルーチンのフローチャートである。
【図14】上記制御装置のB−3圧補正マップの概念図である。
【図15】制御内容を一部変更した第2実施形態の変速制御による変速時B−3制御サブルーチンの前半部分のフローチャートである。
【図16】上記変速時B−3制御サブルーチンの後半部分のフローチャートである。
【図17】上記第2実施形態の制御装置の変速終了時同期時間マップである。
【図18】上記第2実施形態の制御装置による変速後半部分のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
4 油圧サーボ
5 油圧制御装置(制御装置)
6 電子制御装置(制御装置)
s3 サンギヤ(回転部材)
B−2 摩擦係合要素
B−3 バンドブレーキ
B3 油圧サーボ
S2 変速時B2制御サブルーチン(解放手段)
S34 定圧保持手段
S36 同期判定ステップ(同期判定手段)
S39 昇圧手段
S42 学習手段
S43 最大吹き量検出手段
ΔPB3 待機圧値

Claims (5)

  1. 高速段を達成するために係合される摩擦係合要素と、低速段を達成するために係止され、前記高速段達成時の回転方向と低速段達成時の反力トルクの作用方向とが逆転する回転部材と、該回転部材を係止するブレーキとを備える自動変速機であって、前記摩擦係合要素とブレーキの油圧サーボの油圧を制御する制御装置を備える自動変速機の制御装置において、
    前記ブレーキは、セルフエナージャイジング作用とディエナージャイジング作用により係合力に差異を生じるバンドブレーキで構成され、
    該バンドブレーキは、セルフエナージャイジング作用が生じる方向を低速段達成時の前記回転部材の反力トルクの作用方向に合わせて、高速段達成時に回転部材を係止するに必要な油圧よりも、低速段達成時に回転部材を係止するに必要な油圧の方が低くなる領域を有する設定とされ、
    前記制御装置は、高速段から低速段へのダウンシフトにおいて、前記摩擦係合要素を解放させる解放手段と、
    自動変速機の入力回転の低速段への同期を判定する同期判定手段と、
    前記バンドブレーキの油圧サーボへの油圧を、前記同期判定手段による同期判定まで、回転部材のセルフエナージャイジング作用方向の回転のみ係止可能な油圧より所定量低く、それにより入力回転が同期点を過ぎて基準の吹き量だけ吹き上がるような待機油圧に保持する定圧保持手段と、
    同期判定後に、回転部材を係止させるように待機油圧から上昇させる昇圧手段とを有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記制御装置は、基準の吹き量を実現するために予め記憶された待機圧値を有するとともに、自動変速機の入力回転数から入力回転数の最大吹き量を検出する最大吹き量検出手段を有し、
    ダウンシフト完了後、基準の吹き量と検出された最大吹き量とを比較し、吹き量が基準値となるように、記憶された前記待機圧値を更新する学習手段を有する、請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記待機圧値は、エンジンのスロットル開度と自動変速機の出力回転数をパラメータとして、それぞれのスロットル開度と出力回転数に対応させて複数記憶されており、変速開始時のスロットル開度と出力回転数に応じて選択される、請求項1又は2記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記昇圧手段は、同期判定後、エンジンのスロットル開度が大きいほど急となる勾配で油圧を上昇させる、請求項1、2又は3記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記昇圧手段は、同期検出後、所定の勾配で油圧を上昇させるとともに、最大吹き量検出後、自動変速機の出力回転数が小となるほど緩やかになるような目標の勾配で入力回転数が変化するように油圧を制御する、請求項1、2又は3記載の自動変速機の制御装置。
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