JPH09315337A - 作業車両の操向装置 - Google Patents

作業車両の操向装置

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JPH09315337A
JPH09315337A JP15761296A JP15761296A JPH09315337A JP H09315337 A JPH09315337 A JP H09315337A JP 15761296 A JP15761296 A JP 15761296A JP 15761296 A JP15761296 A JP 15761296A JP H09315337 A JPH09315337 A JP H09315337A
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transmission
gear
steering
vehicle
shaft
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JP15761296A
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English (en)
Inventor
Masami Inui
正実 乾
Masaaki Kojima
正昭 児島
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両操向を、車両の変速走行駆動機構とは独
立させた可逆転無段変速装置により得て、変速走行駆動
機構を任意に構成できることとしつつ、車両旋回目的に
応じた適確な車両操向を達成可能とする。 【解決手段】 操向操作具により変速操作される可逆転
無段変速装置27を左右の走行駆動軸31L,31Rに
対し、左右逆方向の付加回転を伝達するための付加回転
伝達装置42によって接続した。付加回転伝達装置は、
択一的に作動させ得る少なくとも2系列の減速伝動列を
含む。一実施例では2系列の減速伝動列を、操向操作量
の大小により択一的に作動されるブレーキ54とクラッ
チ55により選択的に作動させることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンバイン等の作
業車両において回転方向を含めて出力回転数を無段に変
更可能である、油圧伝動装置等の可逆転無段変速装置を
用い、車両旋回を得る操向装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】作業車両の旋回を、走行駆動機構により
左右の走行手段(クローラ又は車輪)に対し積極的に回
転数差を与えて行わせることとした技術が特公昭54−
34972号公報、特開平6−34332号公報、特公
平7−2468号公報等から公知である。これらの公報
に開示された従来技術は可逆転無段変速装置、つまり汎
用されている油圧伝動装置とか実公昭49−26037
号公報、特開昭56−18150号公報、特開昭59−
190556号公報等から周知である摩擦機械式等の他
の可逆転無段変速装置を、2組利用して左右の走行手段
を各別に駆動することとしている。
【0003】この従来技術によれば左右の可逆転無段変
速装置の回転方向を含めて出力回転数を互いに変更して
車両の任意の旋回半径での旋回を得ることが容易である
が、逆に左右各別の可逆転無段変速装置を用いた走行駆
動によることから、車両の直進性を確保するために複雑
な制御装置を必要としていた。すなわち左右の走行手段
を各別の無段変速装置によって駆動する構造によると、
車両の荷重の左右のアンバランス、圃場面の走行抵抗の
左右のアンバランス等により左右の走行手段の等速回転
が得難く、このため左右の回転数差を検出して補正する
等の複雑な制御装置を必要としていたのである。
【0004】また上述の技術に類似の旋回方式は、車速
を有段に変更することとした作業車両には適用できな
い。何故なら左右各別の有段変速機構を設けるようなト
ランスミッションは、コストの面でおよそ実用的ではな
いからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は走行
駆動系の変速機構とは独立させた油圧伝動装置等の可逆
転無段変速装置により車両の旋回を行わせることとし
て、車速を無段に変更制御することとした場合にも有段
に変更制御することとした場合にも、上述の従来技術に
よるのと同様に車両の任意の旋回半径での旋回を得るこ
とを容易としてある、作業車両の新規な操向装置を提供
するにある。
【0006】この発明の他の主な目的はその都度の車両
旋回目的、例えば作業中に車両の進行方向を微細に修正
する目的とか圃場の枕地等で車両の進行方向を大きく変
更する目的、に応じ操向操作具の操作による適確な車両
旋回を達成できることとしてある操向装置を、提供する
ことである。
【0007】
【発明の要約】この発明の作業車両の操向装置は、操向
操作具10により変速操作される可逆転無段変速装置2
7を設けて、互いに等速で等方向に回転駆動される左右
の走行駆動軸31L,31Rに対し該可逆転無段変速装
置27を、左右の走行駆動軸31L,31Rに対し互い
に逆方向の付加回転を伝達するための付加回転伝達装置
42であって択一的に作動させ得る少なくとも2系列の
減速伝動列を含む付加回転伝達装置42によって、接続
したことを特徴としてなる。
【0008】上記した左右の走行駆動軸31L,31R
は無段に変速駆動されるものであっても有段に変速駆動
されるものであってもよいが、この発明は均等に駆動さ
れる左右の走行駆動軸31L,31Rに対し、走行駆動
系とは独立した可逆転無段変速装置27により付加回転
伝達装置42を介し左右逆方向の付加回転を与えること
によって車両の操向を得るものであるから、車両の直進
時には操向装置が走行駆動系と切離され、したがって車
両の直進性を確保するために左右の回転数差を検出して
補正する等の複雑な制御装置を必要としない。車両の旋
回は、可逆転無段変速装置27が出力回転数を無段に変
更可能であることから、車両の前進中にも後進中にも任
意の方向に任意の旋回半径で行わせることができる。
【0009】付加回転伝達装置42を、択一的に作動さ
せ得る少なくとも2系列の減速伝動列を含むものに構成
してあることにより、操向操作具10の操作量とそれに
よって得られる車両旋回態様との関係を、減速伝動列の
選択によって変更することができる。すなわち減速比大
の減速伝動列を選択すると、操向操作具を比較的大きく
操作しても比較的小さな車両旋回が得られることになる
から、例えば作業中に車両の進行方向を微細に修正しよ
うとする場合に、その修正を精密に行えることになる。
逆に減速比小の減速伝動列を選択すると、操向操作具の
操作量が比較的小さくても比較的大きな車両旋回が得ら
れることになるから、例えば圃場内の枕地等で車両の進
行方向を大きく変更しようとするような場合に、操向操
作具の操作で大きな進行方向変更を迅速に行えることに
なる。
【0010】この発明の一実施態様では操向操作具10
の操作に連動して前記付加回転伝達装置42の減速伝動
列を、操向操作具の操作量が大であるほど減速比小の減
速伝動列が作動せしめられるように自動的に切替えるよ
う、操向装置を構成する。本構成によると、車両の微細
な進路修正等のために操向操作具が小さな範囲で操作さ
れるときは減速比大の減速伝動列の作動により、そのと
きの操向操作目的に適って微細で精密に制御可能な車両
旋回が得られ、逆に車両を大きく旋回させるべく操向操
作具が大きく操作されると減速比小の減速伝動列の作動
により、そのときの操向操作目的に適って大きな車両旋
回が迅速に得られることになる。
【0011】しかし路上等で車両を比較的高速で走行さ
せている状態の下で、操向操作具の操作量に大きく依存
した車両旋回が得られるとすると、車両の急旋回により
危険な事態が発生するおそれがある。かかる場合に備え
て操向装置をさらに、車両の車速が設定値以上であると
減速比大な減速伝動列の作動状態を維持するものに構成
するのが、好ましい。本構成によれば車速が上記設定値
以上であれば必ず減速比大な減速伝動列の作動状態が得
られ、操向操作具により車両を急旋回させる危険性が大
きく減らされる。
【0012】前記可逆転無段変速装置は低コストであり
作用が確実である点で、操向操作具10によりポンプ斜
板25aの傾角を変更制御される可変容積形油圧ポンプ
25を備えた油圧伝動装置27であるのが、好ましい。
【0013】この発明の他の特徴と長所は、添付図面を
参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0014】
【実施例】図2は、本発明に係る操向装置の実施例を装
備したコンバインを示している。図示コンバインは通例
のように左右のクローラ1により走行駆動され、機体前
方の刈取部2で植立穀稈を刈取り、刈取られた穀稈につ
いて機体上の脱穀部3で脱穀して、穀粒は機体上の穀粒
タンク4に収納し、排わらは機体後方の排わら処理装置
(集束、結束、カッター装置又はその切替え式組合せ)
5により処理するものとされている。エンジン6は機体
中寄りに設置され、該エンジンから入力伝動を受けるト
ランスミッション7が、エンジン6の前下方位置に配置
されている。エンジン6の上前方側に座席8を備える操
縦部9が配置されている。この操縦部9は操向操作具の
一例として示す車両操向用のステアリングホイール1
0、車速制御用の主変速レバー11及び副変速レバー1
2、駐車ブレーキレバー13等を備える。図2において
14はクローラ駆動輪15を装備する車軸、16は刈
刃、17は穀粒タンク4から穀粒を搬出するための揚穀
装置である。
【0015】図1はトランスミッション7内の伝動機構
を示しており、本図及び図2に示すようにトランスミッ
ション7は入力軸18を備え、該入力軸18に入力プー
リ19を嵌着して、エンジン6の出力プーリ6aからベ
ルト20により入力軸18への入力伝動を行ってある。
【0016】図1に示すように入力軸18をポンプ軸と
する油圧ポンプ21,25と、該ポンプ21,25に対
し1対宛の油給排回路を介して接続された油圧モータ2
2,26とを、設けてある。各油圧ポンプ21,25は
その斜板21a,25aの傾角を変更調節して油吐出量
と吐出方向を変更自在である可変容積形のものに構成さ
れており、油圧ポンプ21と油圧モータ22の組合せに
より第1の油圧伝動装置23が、また油圧ポンプ25と
油圧モータ26の組合せにより第2の油圧伝動装置27
が、それぞれ提供されている。これらの油圧伝動装置2
3,27は、その出力軸24,28から可逆転の無段変
速回転を出力可能である可逆転無段変速装置である。
【0017】第1の油圧伝動装置23によって変速回転
駆動される歯車29を嵌着した走行駆動用の主駆動軸3
0と左右の走行駆動軸31L,31Rとを同心配置して
設けてあり、左右の走行駆動軸31L,31Rは左右の
前記車軸14に対し、左右の各歯車32,33減速機構
を介し接続してある。主駆動軸30と左右の走行駆動軸
31L,31Rとは、左右の遊星歯車減速装置34L,
34Rによって接続されている。図示の各遊星歯車減速
装置34L,34Rは、太陽歯車35を主駆動軸30に
固定すると共に遊星キャリア36を各走行駆動軸31
L,31Rに固定し、遊星キャリア36に回転自在に軸
支させた複数個の遊星歯車38を、太陽歯車35と内歯
車37とに噛合せてあるものに、構成してある。各内歯
車37は特に回転可能に支持してあり、各内歯車37に
はそれと一体回転する歯車39を付設してある。
【0018】第2の油圧伝動装置27は、そのポンプ斜
板25aを図2の前記ステアリングホイール10によっ
て操作されるものとし、左右の上記歯車39を介し左右
の内歯車37に互いに逆方向の付加回転を与えて、車両
の操向を得るために用いられている。そのためには前記
出力軸28にカップリング40にて連結した回転軸41
と左右の歯車39間に配して、図示の付加回転伝達装置
42が設けられている。この付加回転伝達装置42は、
第1の油圧伝動装置23の出力軸24と主駆動軸30間
の走行動力伝動機構と共に、図2の前記トランスミッシ
ョン7に設けたミッションケース43(図3,4)内に
配置されている。図3,4に示すようにミッションケー
ス43の上端部外面に装着した厚手の板体44にはハウ
ジング45を取付けてあり、油圧ポンプ21,25及び
油圧モータ22,26は該ハウジング45若しくはそれ
に類似して板体44に取付けた他のハウジング(図示せ
ず)内に配置し、板体44に装着して設けられている。
【0019】図1及び図3−5について付加回転伝達装
置42の構造を説明すると、回転軸41と左右の歯車3
9間には2本の中間軸46,47が配置されている。こ
のうち中間軸47は図1,3に示すように、それに固定
した等径の2個の歯車48,49のうち一方の歯車48
を一側の歯車39に対し直接に噛合せると共に、歯車4
9を他側の歯車39に対し、図5に示すようにミッショ
ンケース43に軸50a支させてあるアイドラ歯車50
を介し噛合せることにより左右の歯車39に対し、該両
歯車39を互いに等速で逆方向に回転させるように接続
されている。
【0020】図1,4に示すように回転軸41上には、
2個の歯車51,52を配置してある。このうち歯車5
1は回転軸41上に設けた遊星歯車機構53を介して回
転軸41により減速駆動させるものとされ、該歯車51
の回転を得るためには遊星歯車機構53に付設してブレ
ーキ54を設けてある。また歯車52は回転軸41上に
設けたクラッチ55の作動によって回転軸41に対し結
合され、該回転軸41と等速で回転駆動されるものとし
てある。図1に示すように中間軸46上には、回転軸4
1上の上記歯車51,52に対し噛合され該歯車51,
52によりそれぞれ減速回転駆動される歯車56,57
を固定設置してある。そして該中間軸46はその従動側
の中間軸47に対し、減速歯車58,59列によって接
続されている。
【0021】図4に示すように回転軸41上の遊星歯車
機構53は、その太陽歯車61を回転軸41に固定する
と共に、遊星キャリア62及び内歯車63を回転軸41
上で相対回転可能に支持し、遊星キャリア62にピン6
2aにて遊転自在に支持させた複数遊星歯車64を、太
陽歯車61と内歯車63とに噛合せてあるものに構成さ
れている。図示の遊星キャリア62は回転軸41上に遊
嵌したスプライン筒62bを備え、このスプライン筒6
2bにキャリア本体をスプライン嵌めし1対のサークリ
ップ62cにより、軸線方向及び放射方向で若干変位し
得るように位置保持してあるものとされ、これにより遊
星歯車64の円滑な噛合い回転を図ってある。そして歯
車51は上記スプライン筒62bにスプライン嵌めし、
遊星キャリア62と一体回転することとされている。
【0022】同様に図4に示すようにブレーキ54は、
内歯車63のボス部63aとミッションケース43の一
側壁に一体形成した内向きの筒部65とに複数枚宛の摩
擦エレメントを摺動のみ自在に支持させると共に、該摩
擦エレメント群に対面するピストン54aを筒部65に
摺動可能に嵌合し、筒部65端を閉鎖するカバー66に
基端を受けさせたスプリング54bをピストン54aに
対し、該ピストン54aを介し摩擦エレメント間の係合
を得るように作用させてある、スプリング作動型の多板
式ブレーキに構成されている。筒部65及びピストン5
4aは図示のように段付きのものに形成されていて、筒
部65内には、ピストン54aをスプリング54b力に
抗し移動させてブレーキ54による制動を解除するため
の環状の油室54cが、形成されている。クラッチ55
はそのクラッチ・シリンダ55aを回転軸41に固定
し、該シリンダ55aと歯車52のボス部とに複数枚宛
の摩擦エレメントを摺動のみ自在に支持させ、シリンダ
55a内に、戻しスプリング55bにて移動付勢された
ピストン55cを設けて、シリンダ55a内に形成した
環状の油室55dに対し油圧を作用させることによりス
プリング55b力に抗したピストン55cの移動を得
て、摩擦エレメント間の係合を得る油圧作動型の多板式
クラッチに構成されている。
【0023】以上よりしてブレーキ54の作動状態では
遊星歯車機構53の内歯車63が回転不能に拘束され、
これにより回転軸41と共に回転する太陽歯車61の回
転が大幅に減速されて遊星キャリア62へ伝達され、そ
の回転が歯車51,56によってさらに若干減速されて
中間軸46へ伝えられる。これに対しブレーキ54が切
られクラッチ55が入れられると、遊星歯車機構53は
その内歯車63が自在に回転し得ることからもはや動力
伝達にあずからず、クラッチ55を介し歯車52が回転
軸41と等速回転せしめられ、その回転が歯車52,5
7によって若干減速されて中間軸46へ伝えられる。中
間軸46の回転はさらに減速されて左右の歯車39に対
し、互いに逆方向で伝達される。
【0024】第1の油圧伝動装置23の出力軸24と主
駆動軸30間の走行動力伝動機構の構造を図1,3につ
いて説明しておくと、その間には平行するクラッチ軸6
8、中間軸69及び副変速軸70を設けてある。出力軸
24とクラッチ軸68間は、減速歯車71,72によっ
て接続されている。クラッチ軸68上にはペダル73a
(図2)操作されるクラッチ73と該クラッチ73によ
り常時は軸68に対し結合される歯車74が設けられ、
歯車74は、中間軸69上に固定設置したより大径の歯
車75と噛合されている。中間軸69と副変速軸70間
には、機械式3段の副変速装置76を配設してある。こ
の副変速装置76は中間軸69上に、2個の歯車77及
び79を遊嵌設置すると共に単一のシフト歯車78を摺
動のみ自在に設け、また副変速軸70上に、上記歯車7
7,79に対し噛合せた歯車80,82及びシフト歯車
78を噛合せ可能な歯車81を固定設置してあるもの
に、構成されている。シフト歯車78は図2の前記副変
速レバー12によってシフト操作するものとされ、該シ
フト歯車78と歯車77,79間にはそれぞれ、クラッ
チ手段を介在させてある。以上により副変速装置76は
歯車77,80列によっては高速変速段(路上走行変速
段)、歯車78,81列によっては中速変速段(乾田作
業時変速段)、歯車79,82列によっては低速変速段
(湿田作業時変速段)の回転を、副変速軸70に得させ
る。そして副変速軸70上の最大径の歯車82を、主駆
動軸30上の前記歯車29に対し噛合せている。副変速
軸70には、図2の前記駐車ブレーキレバー13で操作
される駐車ブレーキ83を配設してある。
【0025】なお図3に示すように左右の遊星歯車減速
装置34L,34Rにおける左右の各遊星キャリア36
はスプライン嵌めによって左右の走行駆動軸31L,3
1Rに固定され、遊星歯車38の個数に対応する個数の
ピン36aを有する。前記各歯車39はキャリア36の
ボス部と1対のボールベアリング84とを介し各走行駆
動軸31L,31R上で支持され、内歯車37は該歯車
39に、相対回転不能に支持されている。
【0026】図6は油圧回路及び制御機構を示し、前記
油圧ポンプ21,25同様にエンジン6によって駆動さ
せる油ポンプ85を設け、該油ポンプ85により前記ブ
レーキ54及びクラッチ55に対する油の供給を行うこ
ととされている。この油の供給制御は電磁方向切換弁8
6によって得ることとされており、同切換弁86は、図
4について前述した油室54c,55dから油をドレン
してブレーキ54を作動させると共にクラッチ55を切
る第1の位置I、及び油室54c,55dに対し油を供
給してブレーキ54を非作動とすると共にクラッチ55
を入れる第2の位置IIを、有する。方向切換弁86はソ
レノイド86aの励磁によって、第1の位置Iから第2
の位置IIへ変位する。
【0027】ステアリングホイール10によって回動操
作され、第2の油圧伝動装置27のポンプ斜板25aの
傾角を変更制御する回動制御板87を設けてあり、この
制御板87に、操作角検出スイッチ88を対設してあ
る。検出スイッチ88は制御板87に形成したカム面に
当接する作動子を備え、ステアリングホイール10の操
作による制御板87の中立位置からの操作角が図示の角
度θ1 より小さい間はオフ状態に維持され、同操作角が
θ1 以上であるとオンするものに構成されている。他の
センサとして、図1に示すように前記副変速軸70の回
転数を検出するための回転数検出スイッチ89が、設け
られている。副変速軸70の回転数は車速に比例するこ
ととなるが、回転数検出スイッチ89は、図示コンバイ
ンを路上で走行させる場合の標準的な最低車速に対応す
る回転数にまで副変速軸70の回転数が高められると、
オンするものに構成されている。そして両検出スイッチ
88,89は図6に示すように、ソレノイド86aを励
解磁制御するためのコントローラ90に対し接続されて
いる。
【0028】図7は図6のコントローラ90による電磁
方向切換弁86の制御ルーチンを示しており、車速を検
出することとなる回転数検出スイッチ89がオンしてい
る限り方向切換弁86を第1の位置Iに保持することと
されている。同検出スイッチ89がオンしていない、つ
まり車速が圃場内でのコンバイン車速域にあるとする
と、ステアリングホイール10の操作量を検出すること
となる操作角検出スイッチ88がオンしている、つまり
ステアリングホイール10の操作量が予定した値以上で
あるとすると電磁方向切換弁86を第2の位置IIへと変
位させ、逆にステアリングホイール10の操作量が予定
した値より小さくスイッチ88がオンしていないとする
と電磁方向切換弁86を第1の位置Iにおくこととされ
ている。
【0029】なお図6において、91は第1及び第2の
油圧伝動装置23,27に対し作動油を補給するための
チャージポンプ、92は同補給作動油の油圧を設定する
リリーフ弁、93は油ポンプ91によりブレーキ54及
びクラッチ55に供給される油の油圧を設定するリリー
フ弁である。
【0030】図2に示すコンバインはその走行条件に応
じ副変速レバー12により図1,3に図示の副変速装置
76に路上走行時には高速、乾田作業時には第1の低
速、湿田作業時にはより低い第2の低速の変速段を選択
セットし、主変速レバー11により図1,6に図示の第
1の油圧伝動装置23のポンプ斜板21aを操作し進行
方向の制御を含め車速を無段に変更制御して、走行せし
められる。車両の直進時にはステアリングホイール10
による図1,6に図示の第2の油圧伝動装置27のポン
プ斜板25a操作は行われず、同油圧伝動装置27は中
立状態に維持される。この状態で左右の遊星歯車減速装
置34L,34Rの内歯車37は、それが互いに同方向
に等速で回転変位しようとするとその回転変位が左右の
歯車39から中間軸47に対し互いに逆方向に等速で伝
えられることになるから、該中間軸47が何れの方向に
も回転し得ないことにより、中間軸47によって回転不
能にロックされた状態にある。なお車両の直進中に左右
の内歯車37を積極的にロックするためのブレーキを、
付加回転伝達装置42中に設けることもできる。
【0031】図8の(L),(R)は左右の遊星歯車減
速装置34L,34Rを模式的に示している。第1の油
圧伝動装置23の油圧モータ22が正転している状態で
は太陽歯車35が矢印A方向に回転し、これにより各遊
星歯車38が矢印B方向に自転しつつ矢印C方向に、図
8では図示省略の遊星キャリア36を回転させつつ公転
する。この場合に遊星キャリア及び各走行駆動軸31
L,31Rに与えられる回転数Rは、太陽歯車35の回
転数を1とし、太陽歯車35の歯数をN1 、内歯車37
の歯数をN2 とすると、 R=N1 /(N1 +N2 ) で与えられるから、歯数N2 を適当に設定しておくこと
で大幅な減速が得られる。油圧モータ22の逆転時には
回転方向が逆になるのみで、上記したのと事情は等し
い。
【0032】車両の前進中にステアリングホイール10
を回動操作し、図1,6に示す第2の油圧伝動装置27
のポンプ斜板25aを傾動させ油圧モータ25を正転方
向に回転させるときは、付加回転伝達装置42により左
側の遊星歯車減速装置34Lの内歯車37には矢印D1
方向の回転が、また右側の遊星歯車減速装置34Rの内
歯車37には逆に矢印D2 方向の回転が、それぞれ与え
られる。左側の内歯車37の矢印D1 方向への回転によ
ってはその回転速度分だけ遊星歯車38の矢印C方向へ
の回転数、したがって左側の遊星キャリア36及び走行
駆動軸31Lの回転数が減少され、逆に右側の内歯車3
7の矢印D2 方向への回転によってはその回転速度分だ
け遊星歯車38の矢印C方向への回転数、したがって右
側の遊星キャリア36及び走行駆動軸31Rの回転数が
増加される。したがって車両は左旋回せしめられ、その
旋回半径はステアリングホイール10の操作量を加減し
油圧モータ25の回転数を制御することによって、自在
に選択できる。車両前進中の右旋回、後進中の左又は右
旋回も類似して得ることができる。
【0033】図9はステアリングホイール10の中立位
置Nからの左右方向への操作角度を、図6の前記回動制
御板87の操作角θで表わして横軸にとり、左右の内歯
車37及び走行駆動軸31L,31Rに対し与えられる
付加回転数の絶対値ARを縦軸にとって、θとARの関
係を模式的に示したグラフである。図9の操作角範囲D
は、ステアリングホイール10の遊びの範囲に相当す
る。
【0034】コンバインが比較的低速で走行せしめられ
ていて回転数検出スイッチ89(図1,6)がオフ状態
を維持している条件下では、操作角θが図6に示した前
記操作角θ1 より小さな範囲では操作角検出スイッチ8
8(図6)がオフ状態にあり、図6の電磁方向切換弁8
6が第1の位置Iをとっている。したがって前述した通
りブレーキ54が作動し図1,4の遊星歯車機構53に
おける内歯車63が回転不能に拘束され、またクラッチ
55は切られている。このため前述した通り第2の油圧
伝動装置27の油圧モータ26の回転が遊星歯車機構5
3により大幅に減速されて回転軸41上の歯車51へと
伝えられることになり、該歯車51の回転がさらに減速
されて左右の内歯車37及び走行駆動軸31L,31R
へと伝達されることから、操作角θの増加に伴い付加回
転数(絶対値)ARは比較的緩やかな関係線C1 に沿っ
て増加する。このため操作角θ1 までの範囲でステアリ
ングホイール10の操作量を加減することにより車両の
進行方向を微細に調節できることになり、例えば圃場内
でコンバインの進行方向を植立穀稈列に正しく沿わせる
等の進路調整を、精密に行える。
【0035】車両の進行方向を大きく変更すべくステア
リングホイール10が大きく操作され操作角θがθ1
上となると、図6において操作角検出スイッチ88がオ
ンし電磁方向切換弁86が第2の位置IIをとる。したが
って前述した通り図1,4においてブレーキ54が非作
動状態となると共にクラッチ55が入れられて歯車52
が回転軸41に結合される。このため前述した通り付加
回転伝達装置42における減速比が減らされ、左右の内
歯車37及び走行駆動軸31L,31Rに与えられる付
加回転数(絶対値)ARは図9に示す通り、操作角θの
増加に伴い比較的急な関係線C2 に沿って増加する。こ
のため操作角θ1 以上の範囲でステアリングホイール1
0の操作量を加減することにより車両の進行方向を大き
く、任意の旋回半径で迅速に変更でき、例えば圃場の枕
地でのコンバイン進行方向の大幅な変更を迅速に行え
る。
【0036】路上走行時等で車速が比較的高速にセット
されている場合、車両の走行により図1,6の前記回転
数検出スイッチ89がオンする条件の下では、前述した
通り図6においてステアリングホイール10の操作量如
何に拘らず電磁方向切換弁86が第1の位置Iに留めら
れる。したがってブレーキ54が作動しクラッチ55が
切られた状態にあるから、付加回転伝達装置42が大き
な減速比で作動する。このため車速が比較的大である場
合には必ず、ステアリングホイール10を大きく操作し
たとしても車両が比較的緩やかに旋回されることとなっ
て、車速大な状態での車両急旋回に伴う危険が未然に防
止される。
【0037】図10−12は第2の実施例を示してい
る。図10に示すように主駆動軸30と左右の走行駆動
軸31L,31R間には左右の遊星歯車減速装置34
L,34Rを配設してあるが、図10の各遊星歯車減速
装置34L,34Rは、主駆動軸30に内歯車37を固
定すると共に各走行駆動軸31L,31Rに遊星キャリ
ア36を固定し、各走行駆動軸31L,31Rに太陽歯
車35を遊嵌支持させて、遊星キャリア36に遊転自在
に支持させた複数個の遊星歯車38を太陽歯車35と内
歯車37とに噛合せてあるものに、構成されている。左
右の太陽歯車35に、前記歯車39対応の左右の歯車3
9を一体的に付設してあり、操向用油圧伝動装置27か
ら該左右の歯車39を介し左右の太陽歯車35に対し互
いに逆方向の付加回転を伝達する付加回転伝達装置42
が、設けられている。
【0038】この付加回転伝達装置42は前記中間軸4
7同様に一側の歯車39には歯車48,39列により、
また他側の歯車39には歯車49,50,39列によ
り、それぞれ接続されている中間軸47を備える他、操
向用油圧伝動装置27の出力軸28に連結された回転軸
100、それに平行する制御作動軸101、及び中間軸
47と同心配置の中間軸102を、備えている。
【0039】中間軸102と中間軸47間には遊星歯車
機構103を設けてあり、この遊星歯車機構103は太
陽歯車104を中間軸102に、遊星キャリア105を
中間軸47に、それぞれ固定すると共に、内歯車106
を中間軸102に遊嵌支持させて、遊星キャリア105
に遊転自在に支持させた複数個の遊星歯車107を、太
陽歯車104と内歯車106とに噛合せてあるものに、
構成されている。内歯車106には歯車108を、一体
形成してある。
【0040】回転軸100上には2個の歯車109,1
10が固定設置され、このうちの1個の歯車109はよ
り大径の上記歯車108に対し噛合せてある。制御作動
軸91上には歯車110に対し噛合された歯車111を
遊嵌設置すると共に、該歯車111を作動軸101に対
し結合するための多板式クラッチ112を設けてある。
また制御作動軸101を制動するための多板式ブレーキ
113も設けられ、さらに制御作動軸101は歯車11
4,115減速列によって中間軸102に対し接続され
ている。
【0041】上述した多板式のクラッチ112及びブレ
ーキ113のうち、クラッチ112は図10,11に示
すスプリング112aの作用によって係合せしめられる
スプリング・ロード型のものに構成され、スプリング1
12aに抗する油圧の作用によって切られるものとされ
ている。ブレーキ113は油圧作動型のものに構成さ
れ、油圧の非作用状態では図11に示すスプリング11
3aの作用で制動作動を解除されるものとされている。
【0042】図11に示すようにクラッチ112及びブ
レーキ113に対し油を供給するための油ポンプ85、
及びその油の供給を制御する方向切換弁120が設けら
れている。方向切換弁120はクラッチ112及びブレ
ーキ113から油を排除させる第1の位置I、及びクラ
ッチ112及びブレーキ113に対し油を供給する第2
の位置IIを、有する。この方向切換弁120はその弁ば
ね120a反対側から予定した値以上の油圧を作用せし
められると第1の位置Iから第2の位置IIへ移される油
圧パイロット型のものに構成されており、弁120に対
しパイロット油圧を作用させるためのパイロット回路1
21の基端にはシャトル弁122を設けてある。シャト
ル弁122は1対の油圧取出し回路123A,123B
により油圧伝動装置27における、ポンプ25及びモー
タ26間を接続する1対の油給排回路27A,27Bへ
と接続されており、ポンプ斜板25aの中立位置からの
傾動方向で決定する高圧側油給排回路27A又は27B
の油圧を、シャトル弁122で選択しパイロット油圧と
して方向切換弁120に対し作用させることとしてあ
る。
【0043】第2の実施例に係るコンバインでは車速無
段変速用の前記第1の油圧伝動装置23(図1,6)に
対応する油圧伝動装置を設けていない。すなわち図10
に示すように、前記のもの同様にエンジンから入力伝動
を受けるミッション入力軸18により主駆動軸30を変
速駆動するのに、機械式3段の副変速装置131と前進
3速,後進1速の4段の変速段を有する油圧クラッチ式
の主変速装置132とを用いている。副変速装置131
は入力軸18とそれに平行な副変速軸136間に配設さ
れていて、入力軸18上にはシフト歯車137を摺動の
み自在に設置してあると共に、該シフト歯車137のシ
フトによって入力軸18に対しクラッチ結合される2個
の歯車138,139を遊嵌設置してある。副変速軸1
36上にはシフト歯車137を噛合せ得る歯車140、
及び歯車138,139に対しそれぞれ噛合された歯車
141,142を固定設置してある。したがって副変速
装置131は、シフト歯車137のシフト操作により3
段の変速を得るものに構成されている。
【0044】上記各軸18,136に平行する2本のク
ラッチ軸144,145と出力軸146を設け、クラッ
チ軸144上には2個の歯車148,149と該歯車を
クラッチ軸144に対し選択的に結合するための2個の
油圧クラッチCF1 ,CF2とを設置し、クラッチ軸1
45上には2個の歯車150,151と該歯車をクラッ
チ軸145に対し選択的に結合するための2個の油圧ク
ラッチCF3 ,CRとを設置している。歯車148は副
変速軸136に嵌着の歯車152と噛合されて前進方向
に回転し、歯車149,150は副変速軸136に嵌着
の歯車153と噛合されて前進方向に回転する。歯車1
51はクラッチ軸144上の上記歯車148と噛合され
て、後進方向に回転する。クラッチ軸144,145に
嵌着した歯車155,156を出力軸146に嵌着した
歯車157に対し噛合せ、油圧クラッチ式の主変速装置
132による変速回転を出力軸146に得ることとされ
ている。出力軸146には油圧クラッチCF1 ,C
2 ,CF3 の各作動によって前進1速、前進2速、前
進3速が得られ、油圧クラッチCRの作動によって後進
1速が得られる。
【0045】出力軸146はそれに嵌着した歯車158
を前記のもの同様の主駆動軸30上の歯車29に対し噛
合せて、主駆動軸30を減速駆動するものとされてい
る。なお出力軸146には、内拡式の走行ブレーキ16
0を配設してある。
【0046】図10−12の第2の実施例においては、
ステアリングホイール10を中立位置から一方向或いは
他方向に操作しポンプ斜板25aを中立位置から一方向
或いは他方向に傾動させるとき、斜板傾角が大となるほ
どその時に高圧側となる油給排回路27A又は27Bの
油圧が高められるのに対し、その油圧が予定した値に達
すると方向切換弁120が第1の位置Iから第2の位置
IIへ移される。
【0047】方向切換弁120が第1の位置Iにある状
態では、図10,11のクラッチ112が入っていて歯
車111が制御作動軸101に対し結合されていると共
に、ブレーキ113が非作動状態にあって制御作動軸1
01が回転可能である。したがって制御作動軸101は
歯車110,111を介し回転軸100により回転せし
められ、その回転は歯車114,115を介し中間軸1
02へと伝えられる。方向切換弁120が第2の位置II
へ移されると図10,11のクラッチ112が切られ歯
車111が制御作動軸101から切離されると共に、ブ
レーキ113が作動して制御作動軸101が回転不能に
拘束され、これにより歯車114,115を介し中間軸
102が回転不能に拘束される。方向切換弁120の何
れの位置においても遊星歯車機構103の内歯車106
は回転軸100により、歯車109,108を介して回
転せしめられる。
【0048】遊星歯車機構103において太陽歯車10
4が固定されているとすれば、遊星キャリア105及び
それを固定した中間軸47に得られる回転数RC は内歯
車106の回転数を1、太陽歯車104及び内歯車10
6の歯数をそれぞれZ1 ,Z2 とすると、 RC =Z2 /(Z1 +Z2 ) で与えられる。これに対し方向切換弁120の第1の位
置Iでは上述のように回転軸100の回転が制御作動軸
101を介し中間軸102へも伝えられ、したがって中
間軸102に固定されている太陽歯車104は内歯車1
06とは逆方向に回転する。太陽歯車104の逆方向回
転は遊星歯車機構103で得られる減速比について、太
陽歯車104の歯数が実際の歯数Z1 より増されたのと
同一の結果を得させ、そのように増された見掛けの歯数
をZ1'とすれば(Z1 <Z1')、それにより得られる遊
星キャリア105及び中間軸47の回転数RC ’は、 RC ’=Z2 /(Z1'+Z2 ) で与えられることになる(RC >RC ’)。
【0049】すなわち方向切換弁120の第1の位置I
では上記後者の式に従った減速回転が遊星キャリア10
5及び中間軸47に得られる。これに対し方向切換弁1
20の第2の位置IIでは上述のようにブレーキ113に
より、制御作動軸101を介し中間軸102が回転不能
に拘束され、該中間軸102上の太陽歯車104が固定
されることになるから、遊星キャリア105及び中間軸
47に得られる減速回転は、上記前者の式に従ったもの
になる。上のRC ,RC ’は歯車109,108のギヤ
比と歯車110,111及び歯車114,115のギヤ
比との間の関係を適切に設定することにより、大きく異
ならせることができる。
【0050】図12はポンプ斜板25aの中立位置から
の一方向及び他方向への傾動により高圧側となる油給排
回路27A及び27Bに得られる油圧Pを横軸にとり、
図10の左右の走行駆動軸31L,31Rに対し与えら
れる付加回転数の絶対値ARを縦軸にとって、PとAV
との関係を模式的に示したグラフであり、V1 が方向切
換弁120の位置IからIIへの変位パイロット油圧に相
当する。横軸の油圧Pはステアリングホイール10の操
作角とみてもよく、第1の実施例の場合に類似して車両
の緩旋回は微細に調整して行え、車両進行方向の大きな
変更は迅速に行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を装備したコンバインに設けられ
た伝動機構を示す機構図である。
【図2】上記コンバインの概略側面図である。
【図3】上記コンバインに設けられたトランスミッショ
ンの一部を示す一部展開縦断面図である。
【図4】第1の実施例の要部を示す縦断面図である。
【図5】第1の実施例の一部分を示す縦断面図である。
【図6】第1の実施例に係る油圧回路を示す回路図であ
る。
【図7】第1の実施例における制御態様を示すフローチ
ャートである。
【図8】上記コンバインに設けられた遊星歯車減速装置
の作用を説明するための模式図である。
【図9】第1の実施例の作用を説明するための模式的な
グラフである。
【図10】第2の実施例を装備したコンバインに設けら
れた伝動機構を示す機構図である。
【図11】第2の実施例に係る油圧回路を示す回路図で
ある。
【図12】第2の実施例の作用を説明するための模式的
なグラフである。
【符号の説明】
6 エンジン 10 ステアリングホイール 18 入力軸 25 油圧ポンプ 25a ポンプ斜板 26 油圧モータ 27 油圧伝動装置 28 出力軸 30 主駆動軸 31L,31R 走行駆動軸 34L,34R 遊星歯車減速装置 39 歯車 41 回転軸 42 付加回転伝達装置 46,47 中間軸 48,49 歯車 50 アイドラ歯車 51,52 歯車 53 遊星歯車機構 54 ブレーキ 55 クラッチ 56,57 歯車 61 太陽歯車 62 遊星キャリア 63 内歯車 64 遊星歯車 85 油圧ポンプ 86 電磁方向切換弁 87 回動制御板 88 操作角検出スイッチ 89 回転数検出スイッチ 100 回転軸 101 制御作動軸 102 中間軸 103 遊星歯車機構 104 太陽歯車 105 遊星キャリア 106 内歯車 107 遊星歯車 108 歯車 109,110 歯車 111 歯車 112 クラッチ 113 ブレーキ 114,115 歯車 120 方向切換弁 122 シャトル弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】作業車両の旋回を、走行駆動機構により
左右の走行手段(クローラ又は車輪)に対し積極的に回
転数差を与えて行わせることとした技術が特公昭54−
34972号公報、特開平6−343332号公報、特
公平7−2468号公報等から公知である。これらの公
報に開示された従来技術は可逆転無段変速装置、つまり
汎用されている油圧伝動装置とか実公昭49−2603
7号公報、特開昭56−18150号公報、特開昭59
−190556号公報等から周知である摩擦機械式等の
他の可逆転無段変速装置を、2組利用して左右の走行手
段を各別に駆動することとしている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】車両の直進中にステアリングホイール10
を回動操作し、図1,6に示す第2の油圧伝動装置27
のポンプ斜板25aを傾動させ油圧モータ26を正転方
向に回転させるときは、付加回転伝達装置42により左
側の遊星歯車減速装置34Lの内歯車37には矢印D
方向の回転が、また右側の遊星歯車減速装置34Rの内
歯車37には逆に矢印D方向の回転が、それぞれ与え
られる。左側の内歯車37の矢印D方向への回転によ
ってはその回転速度分だけ遊星歯車38の矢印C方向へ
の回転数、したがって左側の遊星キャリア36及び走行
駆動軸31Lの回転数が減少され、逆に右側の内歯車3
7の矢印D方向への回転によってはその回転速度分だ
け遊星歯車38の矢印C方向への回転数、したがって右
側の遊星キャリア36及び走行駆動軸31Rの回転数が
増加される。したがって車両は左旋回せしめられ、その
旋回半径はステアリングホイール10の操作量を加減し
油圧モータ26の回転数を制御することによって、自在
に選択できる。車両前進中の右旋回、後進中の左又は右
旋回も類似して得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作具(10)により変速操作され
    る可逆転無段変速装置(27)を設けて、互いに等速で
    等方向に回転駆動される左右の走行駆動軸(31L,3
    1R)に対し該可逆転無段変速装置を、左右の走行駆動
    軸に対し互いに逆方向の付加回転を伝達するための付加
    回転伝達装置であって択一的に作動させ得る少なくとも
    2系列の減速伝動列を含む付加回転伝達装置(42)に
    よって、接続したことを特徴としてなる作業車両の操向
    装置。
  2. 【請求項2】 操向操作具(10)の操作に連動して前
    記付加回転伝達装置(42)の減速伝動列を、操向操作
    具の操作量が大であるほど減速比小の減速伝動列が作動
    せしめられるように自動的に切替える請求項1の操向装
    置。
  3. 【請求項3】 車両の車速が設定値以上であると減速比
    大な減速伝動列の作動状態を維持する請求項2の操向装
    置。
  4. 【請求項4】 前記可逆転無段変速装置が、操向操作具
    (10)によりポンプ斜板(25a)の傾角を変更制御
    される可変容積形油圧ポンプ(25)を備えた油圧伝動
    装置(27)である、請求項1から3までの何れか一項
    に記載の操向装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238864A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Yanmar Co Ltd 走行車両の差動機構
JP2007216805A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Yanmar Co Ltd クローラ式作業車両
US8517139B2 (en) 2004-01-29 2013-08-27 Yanmar Co., Ltd. Tractor

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