JP3542666B2 - 作業車両の操向装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はコンバイン等の作業車両において、回転方向を含めて出力回転数を無段に変更可能である油圧伝動装置を用い車両旋回を行う操向装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
コンバイン等の作業車両において2組の油圧伝動装置を用い車両の走行と旋回を得る技術が、例えば特公昭54−34972号公報、特開平6−343332号公報、特公平7−2468号公報に開示されているように、周知である。またこのような車両走行装置に、穀稈列に接当する等で車両の左右の偏りを検出するセンサの信号に基づいて作業車両の進行方向を自動的に修正する自動操向機構を組合せる技術も、例えば特開平2−70597号公報に開示されているように、良く知られている。
【0003】
これらの周知技術は、2組の油圧伝動装置のうち一の組の油圧伝動装置ないしその油圧モータを左側最終走行駆動手段(クローラ又は車輪)を駆動するために用い、他の組の油圧伝動装置ないしその油圧モータを右側最終駆動手段(クローラ又は車輪)を駆動するために用いて、車両の旋回は、一の組の油圧伝動装置の出力回転数と他の組の油圧伝動装置の出力回転数とに差を与えることにより左右の最終走行駆動手段に回転数差を与えて得ることとしていることから、車両の直進性を確保するために複雑な制御装置を必要としていた。すなわち左右の最終走行駆動手段を各別の油圧伝動装置ないしその油圧モータによって駆動する構造によると、車両の荷重の左右のアンバランス、圃場面の走行抵抗の左右のアンバランス等により左右の最終走行駆動手段の等速回転が得難く、このため左右の回転数差を検出して補正する等の複雑な制御装置を必要としていたのである。
【0004】
また上述の構造によると、車両の車速レンジをセットする他の有段変速装置を、設け得ないことになる。すなわち油圧伝動装置は高出力回転を与える高速変速域で使用するのが出力回転数が安定するもので、作業車両が路上走行時には比較的高速で、圃場内等での作業時には比較的低速で、それぞれ走行せしめられる点を考慮すると、そのような走行条件に合せた車速レンジの設定を有段変速装置で得て、油圧伝動装置は高速変速域で使用することとするのが望ましいのであるが、左右各別の油圧伝動装置を用いる構造によると該2組の油圧伝動装置の従動側に車速レンジ設定用の単一の有段変速装置を設けるようなことは出来ない。
【0005】
この発明の主たる目的とするところは油圧伝動装置を、車両の変速走行駆動機構とは独立させて車両旋回のために用いることにより、車両の変速駆動は油圧伝動装置その他の無段変速装置によってはもとより無段変速装置と有段変速装置の組合せ、或は有段変速装置のみの任意の変速駆動機構によって行えることとし、且つ、センサ信号に基づく自動操向方式を直ちに採用可能とする、作業車両の新規な操向装置を提供するにある。
【0006】
付随する目的は、自動操向方式を採り入れた場合の応答性が高い操向装置を提供するにある。
【0007】
【発明の要約】
この発明に係る作業車両の操向装置は、
可変容積形の油圧ポンプ24と定容積形の油圧モータ25を備えた油圧伝動装置23、
左右の最終走行駆動手段1に伝動する左右の走行駆動軸30L,30Rに対し上記油圧モータを、左右の走行駆動軸に互いに逆方向の付加回転を与え得るように連動連結する付加回転伝達装置36、
上記油圧ポンプのポンプ斜板24aを中立位置から両方向に傾動操作するための第1の操作手段10、
上記ポンプ斜板を中立位置から一方向に傾動操作する第2の操作手段90、及び
この第2の操作手段の操作に連動して上記油圧ポンプと油圧モータ間の接続回路を断ち油圧ポンプの両ポート間を短絡する一方、その短絡回路部から油圧モータに対し作動油を、供給方向を選択的に切換えて供給するように、短絡回路部と油圧ポンプの両ポート間を接続可能とする電磁弁装置92、
を備えたものに構成される。
【0008】
この発明の操向装置は油圧伝動装置23の油圧モータ25によって付加回転伝達装置36を介し、左右の走行駆動軸30L,30Rに対し互いに逆方向の付加回転を与えて、それにより左右の走行駆動軸30L,30Rの回転数に差を生じさせ、クローラ又は車輪である左右の最終走行駆動手段1に回転数差を与えることで車両を旋回させ操向する。油圧伝動装置23の油圧ポンプ24のモータ斜板24aの第1の操作手段10による傾角制御で油圧モータ25の回転方向と回転速度を自在に選択できるから、車両の前進中にも後進中にも任意の旋回半径で車両を旋回させることができる。
【0009】
第2の操作手段90によりポンプ斜板24aを中立位置から一方向に傾動操作すると、それにより電磁弁装置92は油圧ポンプ24と油圧モータ25間の接続回路を断ち油圧ポンプの両ポート間を短絡させるように回路を切換える。したがって油圧ポンプ24の一方のポートから吐出されることになる油が、同ポンプの両ポート間を短絡している短絡回路部を介し他方のポートに戻される、短絡回路部での一方向の油循環状態が得られることになる。そして電磁弁装置92がこの状態で短絡回路部から油圧モータ25に対し作動油を、供給方向を選択的に切換えて供給できるものに構成されていることから、車両の進行方向の偏りを検出するセンサの信号に基づいて電磁弁装置92の作動を制御し進行方向の偏りを無くす方向の車両旋回が達成されるモータ回転が得られるように、油圧モータ25に対し選択的に作動油を供給するようにすれば、車両の進行方向を自動的に修正する自動操向制御を得ることができる。
【0010】
すなわちこの発明の操向装置はポンプ斜板24aを中立位置から一方向に傾動操作する第2の操作手段90と、この操作手段90の操作に連動して油圧ポンプ24と油圧モータ25間の接続を断ち油圧ポンプ24の両ポート間を短絡する回路部に一方向の油流れを生じさせる電磁弁装置92であって同短絡回路部から油圧モータ25に対し作動油を、供給方向を選択的に切換えて供給可能とする電磁弁装置92とを、設けてあることからして、センサ信号に基づく自動操向方式を直ちに採用可能とするものとなっているのである。そして自動操向方式を採り入れた場合、ポンプ斜板24aが一方向に傾動されていて短絡回路部を常時流れている油を油圧モータ25に対し選択的に供給することになるから、油圧モータへの作動油供給が迅速に行われ、センサ信号に迅速に対応した高い応答性が確保されることになる。
【0011】
そしてこの発明は油圧伝動装置23を専ら、左右の走行駆動軸30L,30Rに対し車両操向のための互いに逆方向の付加回転を与える目的で使用し、車両の走行駆動は左右の走行駆動軸30L,30Rに対し任意の機構によって走行駆動力を伝動し得ることとしているから、単一の走行動力伝動機構により左右の走行駆動軸30L,30Rを互いに等速で回転駆動することを可能とし、それによって車両の直進性を問題なく確保できることとするものとなっている。
【0012】
そしてその場合、車両の変速駆動は任意の変速駆動機構、つまり油圧伝動装置その他の無段変速装置によってはもとより無段変速装置と有段変速装置の組合せ、或は有段変速装置のみを含む機構によって行えることとする。したがって車速レンジを設定するための有段変更装置と車速の精密制御を得させる無段変速装置を組合せて用いるとか、車速の無段の精密制御までは必要でない作業車両では有段変速装置のみを用いる等、車両の変速駆動機構についての自在な選択を可能とする。
【0013】
前記電磁弁装置92は適当した電磁弁を組合せて、構成できる。例えば第2の操作手段90の操作に連動して油圧ポンプ24と油圧モータ25間の接続回路を断ち油圧ポンプ24の両ポート間を短絡させる複数個又は1個の電磁弁93A,93B,93C;93と、油圧ポンプ24の両ポート間の短絡回路部81Cを選択的に油圧モータ25の両ポートに、方向を切換えて接続可能とする3ポジションの電磁方向切換弁94とを、組合せて構成できる。また第2の操作手段90の操作に連動して油圧ポンプ24と油圧モータ25間の接続回路を断ち油圧ポンプ24の両ポート間を短絡させる位置へと変位せしめられる2個の2ポジションの電磁弁99A,99Bを設けて、これらの電磁弁を、1個のみの電磁弁が原位置に戻されると短絡回路部から油圧モータ25に対し作動油が供給されるように回路再切換えを行うものに構成して、3ポジションの電磁方向切換弁を無くすこともできる。
【0014】
第1の操作手段10及び第2の操作手段90はそれぞれ、ポンプ斜板24aに対し機械的に接続してあるものであってもよいが、操作の容易さと制御のし易さの点から、ポンプ斜板24aを傾動させるための油圧アクチュエータ86を設けて、第1の操作手段10により変位操作されて該油圧アクチュエータ86を一方向及び他方向に作動させる方向切換弁87、及び第2の操作手段90の操作に連動して油圧アクチュエータ86を一方向に作動させる電磁弁89を、設けるのがよい。この場合に電磁弁89は、電磁弁装置92中の電磁弁を変位制御する制御装置を介して位置制御できる。
【0015】
油圧アクチュエータ86を作動させる上記電磁弁89は、油圧アクチュエータ86に対する油供給回路を単一に構成できることとするため上記方向切換弁87に対し、同切換弁87の中立位置で該切換弁を介し油圧アクチュエータ86が作動せしめられるように接続したものとするのが、好ましい。
【0016】
この発明の他の特徴と長所は、添付図面を参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0017】
【実施例】
図2は、本発明に係る操向装置の実施例を装備したコンバインを示している。図示コンバインは通例のように左右のクローラ1により走行駆動され、機体前方の刈取部2で植立穀稈を刈取り、刈取られた穀稈について機体上の脱穀部3で脱穀して、穀粒は機体上の穀粒タンク4に収納し、排わらは機体後方の排わら処理装置(集束、結束、カッター装置又はその切替え式組合せ)5により処理するものとされている。エンジン6は機体中寄りに設置され、該エンジンから入力伝動を受けるトランスミッション7が、エンジン6の前下方位置に配置されている。エンジン6の上前方側に座席8を備える操縦部9が配置されている。この操縦部9は車両操向用のステアリングホイール10、車速制御用の主変速レバー11及び副変速レバー12、駐車ブレーキレバー13等を備える。図2において14はクローラ駆動輪15を装備する車軸、16は刈刃、17は穀粒タンク4から穀粒を搬出するための揚穀装置である。
【0018】
図3は図2のコンバインに設けられた伝動機構を、前記した刈取部2及び脱穀部3等への伝動機構を省略して示している。後で説明する図5に示すように前記トランスミッション7にはエンジン6にて駆動させる入力軸19をポンプ軸とする2個の可変容積形油圧ポンプ21,24を設けてあり、図2,3に示すように該入力軸19に入力プーリ26を嵌着して、エンジン6の出力プーリ6aからベルト27によって入力軸19への入力伝動を行ってある。図3に示すように上記油圧ポンプ21と定容積形の油圧モータ22を1対の油給排回路によって接続してなる第1の油圧伝動装置20、及び上記油圧ポンプ24と定容積形の油圧モータ25を1対の油給排回路によって接続してなる第2の油圧伝動装置23が、設けられている。このうち第1の油圧伝動装置20はコンバインの走行駆動のために、また第2の油圧伝動装置23はコンバインの操向のために、それぞれ用いるものとされている。
【0019】
より具体的に説明すると同様に図3−5に示すように、走行用の主駆動軸29と左右の走行駆動軸30L,30Rとを互いに同心配置して設け、左右の走行駆動軸30L,30Rを左右の歯車31,32減速機構を介して左右の前記車軸14に対し連動連結してある。主駆動軸29は左右の走行駆動軸30L,30Rに対し減速用の左右の遊星歯車装置33L,33Rを介し接続してあり、第1の油圧伝動装置20において油圧モータ22によって回転駆動される出力軸34を主駆動軸29に対し接続して、第1の油圧伝動装置20により車両を走行駆動させることとしてある。そして第2の油圧伝動装置23は、同装置23において油圧モータ25により回転駆動される出力軸35を左右の走行駆動軸30L,30Rに対し、該左右の走行駆動軸30L,30Rに互いに逆方向の付加回転を与えることとする付加回転伝達装置36により接続して、主駆動軸29により互いに等速度で回転駆動される左右の走行駆動軸30L,30Rの回転数を互いに異ならせることによって、車両の操向を行うものとされている。
【0020】
主駆動軸29上には入力歯車38を固定設置してあり、第1の油圧伝動装置20の出力軸34は図3に示す伝動機構によって入力歯車38に対し連動連結されている。同伝動機構は出力軸34により歯車39,40を介し減速駆動されるクラッチ軸41、クラッチ軸41上に設けた多板式クラッチ42と歯車43,44とを介しクラッチ軸41により減速駆動される中間軸45、中間軸45と次段の副変速軸46間に配設された副変速装置47を、含む。副変速装置47は中間軸45上に摺動のみ自在に設けたシフト歯車48、同軸45上に遊嵌設置した2個の歯車49,50、副変速軸46上に固定設置されシフト歯車48を噛合せ可能な歯車51、及び同軸46上に固定設置され歯車49,50を噛合せてある2個の歯車52,53を、備えている。シフト歯車48と歯車49,50間にはそれぞれシフト歯車48のシフト操作により係合せしめられるクラッチを介在させてあり、これによって副変速装置47は副変速軸46を比較的高速で回転させる路上走行変速段、第1の低速で回転させる乾田作業時変速段、及びより低い第2の低速で回転させる湿田作業時変速段の3段の変速段に切替えられるものとされている。副変速軸46上の湿田作業時変速段用の歯車53を主駆動軸29上の入力歯車38に対し噛合せてあり、また副変速軸46には駐車ブレーキ54を配設してある。副変速装置47及び駐車ブレーキ54はそれぞれ、図2に図示の前記副変速レバー12及び駐車ブレーキレバー13によって操作される。クラッチ42を操作するためには、図2に示すペダル55を設けてある。
【0021】
図4はトランスミッション7のミッションケース56内の下方部分を示し、そこに主駆動軸29と左右の走行駆動軸30L,30R間を接続する左右の前記遊星歯車装置33L,33Rが配置されている。各遊星歯車装置33L,33Rは主駆動軸29に一体形成してある太陽歯車57、この太陽歯車57の外周位置に設けた内歯々車58、及び各走行駆動軸30L,30Rに固定支持させてあるキャリア59に遊転可能に軸支され太陽歯車57と内歯々車58とに対し噛合せてある複数個(3個)の遊星歯車60を、備えている。左右の各キャリア59には入力歯車38側に配置のリング59aを、スペーサ59b及びボルト59cを介して連結してあり、リング59aにより抜止めしたピン59dを設けて、該ピン59d上に遊星歯車60を遊転自在に設けている。
【0022】
各内歯々車58は太陽歯車57の外周側に配置したリング61の内面に形成してあるが、左右の各リング61は特に、次のように支持されている。すなわち左右のリング61は、左右の走行駆動軸30L,30R上にキャリア59のボス部と1対宛のボールベアリング62とを介して遊嵌設置した左右の歯車63に、リング61の内周面に形成した内歯61aと歯車63のボス部に形成した外歯63aとを噛合せることで、歯車63と共に回転変位可能に支持してある。また各リング61は、該リング61に挿通したピン64を内歯61a及び外歯63aの側面に接当させリング61の抜止めを行うことにより、歯車63に対し放射方向で可動であるように支持されていて、これにより複数遊星歯車60に対し動力が等配分されるように図られている。
【0023】
図5,6は、第2の油圧伝動装置23の出力軸35から左右の走行駆動軸30L,30Rに対し付加回転を伝達するための前記付加回転伝達装置36を、示している。本装置36は出力軸35に平行する中間軸66及びロック軸67を備え、出力軸35と中間軸66間は減速歯車68,69列によって接続されている。また中間軸66とロック軸67間は、減速歯車70,71列によって接続されている。そしてロック軸67と左右の遊星歯車装置33L,33Rのリング61間を前記した左右の歯車63を利用して、ロック軸67により左右のリング61が互いに逆方向に等速で回転せしめられるように接続している。すなわち左側のリング61と一体回転する歯車63に対しては歯車71と一体形成してロック軸67に嵌着した歯車72を噛合せ、また右側のリング61と一体回転する歯車63に対してはロック軸67に嵌着した歯車73を、アイドラ軸74上のアイドラ歯車75を介して噛合せ、且つ、左側の歯車72,63列の減速比と右側の歯車73,75,63列の減速比とを等しく設定している。
【0024】
このように左右のリング61に対し互いに逆方向の回転を与え得るようにしたことによっては、後でも述べるように主駆動軸29により左右の遊星歯車装置33L,33Rを介し回転駆動される左右の走行駆動軸30L,30Rに対し、左右逆方向の回転を付加的に与え得ることになるから、それによって左右の走行駆動軸30L,30Rの回転数を異ならせて車両を旋回させ得ることとなる。第2の油圧伝動装置23ないしその油圧ポンプ24が中立状態とされ出力軸35に回転が与えられない場合、左右のリング61が互いに同方向に等速で回転変位しようとするとその回転変位はロック軸67に対し互いに逆方向で等速で伝えられるからロック軸67は何れの方向にも回転せず、したがって逆にロック軸67により左右のリング61が回転不能にロックされることになる。
【0025】
なお図5に示すようにミッションケース56の上端部一側面には上方向きに突出する厚手のプレート部材77を装着してあり、このプレート部材77の一側面と他側面にハウジング78,79を装着してある。トランスミッション入力軸19は両ハウジング78,79とプレート部材77を貫通させて設けてあり、前記のように該入力軸19をポンプ軸とする前記油圧ポンプ21,24を、ハウジング78,79内に配置してプレート部材77上に装着してある。これらの油圧ポンプ21,24のポンプ斜板21a,24aはそれぞれ、図2に図示の前記した主変速レバー11及びステアリングホイール10によって傾動操作される。前記油圧モータ22,25は、図5に油圧モータ25について示すようにハウジング79内に配置してプレート部材77上に装着してある。
【0026】
図1は第2の油圧伝動装置23とその作動を制御する操向制御機構を、油圧回路図で示している。油圧伝動装置23は通例のように、油圧ポンプ24と油圧モータ25間を1対の油給排回路81A,81Bにより接続してなる。油給排回路81A,81Bに対し作動油を補給するためのチャージポンプ82が設けられ、1対の逆止弁83を介して油給排回路81A,81Bに接続されている。補給油の油圧を設定するリリーフ弁84、及び1対の油給排回路81A,81Bのうち高圧側となる回路の油圧を設定するリリーフ弁85も、通例のように設けられている。油圧ポンプ24のポンプ斜板24aは複動形油圧シリンダに構成されている油圧アクチュエータ86により傾角を変更制御され、ステアリングホイール10によって変位操作され該油圧アクチュエータ86に対する油圧の給排を制御する方向切換弁87が設けられている。方向切換弁87は油圧アクチュエータ86の両油室から油をドレーンしポンプ斜板24aを1対のスプリングの付勢力のバランスにより中立位置に維持することとする中立位置N、及び油圧アクチュエータ86に対し一方向或は他方向から作動油を供給し該アクチュエータ86を一方向或は他方向に作動させポンプ斜板24aを一方向或は他方向に傾動させる2つの作用位置A,Bを、有する。油圧アクチュエータ86へ供給される作動油はチャージポンプ82から、回路88を介して方向切換弁87の一次側に導かれる。
【0027】
コンバインの操向はステアリングホイール10により方向切換弁87を変位操作して行う手動制御による他、自動操向制御によっても行えることとされており、そのためには先ず、図1に示すように上記回路88と方向切換弁87の一次側とに接続された電磁弁89が設けられている。この電磁弁89は方向切換弁87からの油ドレンを許容する位置Iと、ソレノイド89aの励磁によって移され回路88から中立位置Nの方向切換弁87を介し油圧アクチュエータ86に対し一方向から作動油を供給することとする他の位置IIとを、備えている。図7に示すように前記操縦部9には他の制御スイッチ類と並設して自動操向設定スイッチ90を配置してあり、このスイッチ90を押してオンさせるとソレノイド89aが励磁して電磁弁89が位置IIに移されることとされている。
【0028】
自動操向制御を選択した状態で油圧モータ25の作動を制御するため、油圧ポンプ24と油圧モータ25間の接続回路中には図1に示す電磁弁装置92を挿入設置してある。本実施例では電磁弁装置92は、2ポジションの3個の電磁弁93A,93B,93Cと3ポジションの電磁方向切換弁94から構成されている。電磁弁93A,93Bはそれぞれ、1対の油給排回路81A,81B中に挿入され、該回路81A,81Bを導通状態に維持する位置Iとソレノイド93Aa,93Baの励磁によって移され回路81A,81Bを遮断する位置IIとを、有する。電磁弁93Cは両油給排回路81A,81B間を接続する短絡回路部81C中に挿入されていて、該回路部81Cを遮断状態に維持する位置Iとソレノイド93Caの励磁によって移され回路部81Cの遮断を解除する位置IIとを、有する。電磁弁93A,93B,93Cのソレノイド93Aa,93Ba,93Caはそれぞれ、図7に示す前記自動操向設定スイッチ90をオンさせると励磁せしめられることとされている。
【0029】
電磁方向切換弁94は短絡回路部81Cに接続された2個の入力ポートと油圧ポンプ24の1対のポートに接続された2個の出力ポートを有し、図示の中立位置Nでは両入力ポート間を接続して短絡回路部81Cを導通状態に維持し、また両出力ポートをブロックするものとされている。そしてこの電磁方向切換弁93はそれぞれソレノイド94a,94bの励磁によって移される左旋回位置Lと右旋回位置Rとを有し、これらの位置L,Rでは短絡回路部81Cの導通状態を断って同回路81Cから油圧モータ25に対しそれぞれ一方向及び他方向で作動油を供給し、油圧モータ25からの戻り油は再び短絡回路部81Cに戻すものに構成されている。図2に模式的に示すように刈取部2の左右の分草体に取付けて左右の操向センサスイッチ95L,95Rを設けてあり、これらのセンサスイッチ95L,95Rは左右の植立穀稈条に接触するとオン動作してコンバインの左右方向への偏りを検出するものとされている。そしてソレノイド94a,94bはそれぞれ、センサスイッチ95R,95Lのオン動作により励磁されるものとされ、電磁方向切換弁94は右操向センサスイッチ95Rによりコンバインの右方向への偏りが検出されると左旋回位置Lに、また左操向センサスイッチ95Lによりコンバインの左方向への偏りが検出されると右旋回位置Rに、それぞれ移されることとなっている。
【0030】
図7に示すようにステアリングホイール10のハンドル軸には手動操向スイッチ96を装備させてあり、このスイッチ96はステアリングホイール10が操作されるとオン動作し、手動操向を優先させるために何れの状態でも前記ソレノイド89a,93Aa,93Ba,93Ca,94a,94bを全て解磁状態とするために利用されている。またステアリングホイール10には条合せスイッチ97を付設してあり、自動操向スイッチ90のオン状態で該条合せスイッチ97が一方向或は他方向に操作されると、図1に示すソレノイド94a或は94bが励磁され電磁方向切換弁94が左旋回位置L或は右旋回位置Rに移されることとされている。
【0031】
操縦部9のコラム内には図7に示すように制御装置98を設けてあり、図8に示すように前述のスイッチ類からの電気信号を制御装置98に入力し、該制御装置98の出力信号により前述の各種ソレノイドを前述した通りに励解磁させることとしてある。
【0032】
図2に示すコンバインはその走行条件に応じ副変速レバー12により図3に図示の副変速装置47に路上走行時には高速、乾田作業時には第1の低速、湿田作業時にはより低い第2の低速の変速段を選択セットし、主変速レバー11により図3,5に図示の第1の油圧伝動装置20のポンプ斜板21aを操作し進行方向の制御を含め車速を無段に変更制御して、走行せしめられる。車両の直進時にはステアリングホイール10による図1,5に図示の第2の油圧伝動装置23のポンプ斜板24a操作は行われず、同油圧伝動装置23は中立状態に維持され、このとき前述したように左右の遊星歯車装置33L,33Rのリング61はロック軸67により回転変位不能に拘束されている。なお左右のリング61の回転変位不能なロックは、該左右のリング61に伝動する左右の伝動機構中にウォーム伝動機構を設けて、左右のリング61からの逆方向の回転伝達を不能とすることによっても得られる。
【0033】
図9の(L),(R)は左右の遊星歯車装置33L,33Rを模式的に示している。第1の油圧伝動装置20の油圧モータ22が正転している状態では太陽歯車57が矢印A方向に回転し、これにより各遊星歯車60が矢印B方向に自転しつつ矢印C方向に、図9では図示省略のキャリア59を回転させつつ公転する。この場合にキャリア及び各走行駆動軸30L,30Rに与えられる回転数Rは、太陽歯車57の回転数を1とし、太陽歯車57の歯数をN1 、内歯々車58の歯数をN2 とすると、
R=N1 /(N1 +N2
で与えられるから、歯数N2 を適当に設定しておくことで大幅な減速が得られる。油圧モータ22の逆転時には回転方向が逆になるのみで、上記したのと事情は等しい。
【0034】
車両の前進中にステアリングホイール10を回動操作し図1に示す方向切換弁87を変位させて、油圧アクチュエータ86により第2の油圧伝動装置23のポンプ斜板24aを傾動させ、油圧モータ25を正転方向に回転させるときは図3,5に示す付加回転伝達装置36により、左側の歯車72,63列を介し左側の遊星歯車装置33Lのリング61には矢印D1 方向の回転が与えられ、また右側の歯車73,75,63列を介し右側の遊星歯車装置33Rのリング61には矢印D2 方向の回転が与えられる。左側のリング61の矢印D1 方向への回転によってはその回転速度分だけ遊星歯車60の矢印C方向への回転数、したがって左側キャリア59及び走行駆動軸30Lの回転数が減少され、逆に右側のリング61の矢印D2 方向への回転によってはその回転速度分だけ遊星歯車60の矢印C方向への回転数、したがって右側キャリア59及び走行駆動軸30Rの回転数が増加される。したがって車両は左旋回せしめられ、その旋回半径はステアリングホイール10の操作量を加減し油圧モータ25の回転数を制御することによって、自在に選択できる。車両前進中の右旋回、後進中の左又は右旋回も類似して得ることができる。
【0035】
図10は図1の油圧回路を、図7に示す自動操向設定スイッチ90がオン操作され自動操向制御が選択された状態で示している。この状態では前述した通り方向切換弁87の一次側に設けた電磁弁89が位置IIをとり、このため中立位置Nの方向切換弁87を介し油圧アクチュエータ86に一方向で作動油が供給され、図示のように該アクチュエータ86によりポンプ斜板24aが一方向に傾動された姿勢をとる。また前述した通り電磁弁装置92の3個の電磁弁93A,93B,93Cが、それぞれの位置IIをとる。したがって油圧ポンプ24から矢印方向に吐出される油は順次矢印で示す通り、油給排回路81Aから短絡回路部81Cへ流入し電磁弁93C及び中立位置Nの電磁方向切換弁94を介し他方の油給排回路81Bへ、そして油圧ポンプ24へと還流するように流れ、油圧ポンプ24の両ポート間が短絡された状態が得られる。そしてこの図10の状態で図3に示す操向センサスイッチ95L或は95Rがオン動作してコンバインの左右一方向への偏りが検出されると電磁方向切換弁94が右旋回位置R或は左旋回位置Lへと移されるから、位置Rでは破線図示の矢印R方向で、また位置Lでは破線図示の矢印L方向で、それぞれ油圧モータ25に対し作動油が供給され、これによる油圧モータ25の一方向或は他方向への回転によって、図3,5に示す付加回転伝達装置36を介し左右の走行駆動軸30L,30Rに互いに逆方向の付加回転が与えられ、それによる機体旋回によって左右方向での偏りを無くすようにコンバインの進路が自動修正される。これによって操向センサスイッチ95L,95Rがオフすると、電磁切換弁94が図10に示す中立位置Nに戻る。
【0036】
圃場内の枕地でコンバインを、その進路を逆方向に変更するように旋回させた後等で、コンバインの進路が穀稈条に正しく沿っていないことを操縦者が発見した場合、図10の状態から図7に示す条合せスイッチ97を進路修正方向に操作する。それによって前述した通り電磁方向切換弁94が左旋回位置L又は右旋回位置Rに移されて、自動操向制御の場合同様に進路が修正される。
【0037】
図11は第2の実施例を示し、本実施例では図1に示した2ポジションの3個の電磁弁93A,93B,93Cを、同様に2ポジションの1個の電磁弁93に置換えている。この電磁弁93は二次側に、油圧モータ25に接続される1対のポートと電磁方向切換弁94に接続される1対のポートとの4個のポートを有し、図示の位置Iでは電磁方向切換弁94に対する両接続ポートがブロックされ、ソレノイド93aの励磁によって移される位置IIでは油圧モータ35に対する両接続ポートがブロックされるものに、構成されている。電磁弁93の位置Iでは該電磁弁93を介し、両油給排回路81A,81Bが導通状態に維持されることとしてある。電磁弁93が位置IIに移されると油圧モータ35に対する両接続ポートのブロックにより油給排回路81A,81Bが遮断され、油圧ポンプ24の両ポートが電磁弁93を介し電磁方向切換弁94の一次側へと接続される。電磁方向切換弁94は第1の実施例で設けたものと等しく、中立位置Nでは短絡回路部81Cを介しての油圧ポンプ24の両ポート間の短絡状態を維持し、左旋回位置L或は右旋回位置Rに移されると短絡回路部81Cの導通状態を断って該回路部81Cから油圧モータ25に対し、車両を左旋回或は右旋回させるモータ回転が得られる方向で作動油を供給する。第2の実施例の他の部分の構成は、第1の実施例におけるのと等しい。
【0038】
図12,13は第3の実施例を示し、図12が手動操向時を、図13が自動操向制御時を、それぞれ表している。本実施例では電磁弁装置92が2ポジションの2個の電磁弁99A,99Bを備えたものに構成されている。電磁弁99Aは両側1対宛の4個のポートA1 ,A2 ,A3 ,A4 を、また電磁弁99Bは同様に両側1対宛の4個のポートB1 ,B2 ,B3 ,B4 を、それぞれ有する。
【0039】
電磁弁99Aは図12の位置Iでは一側の両ポートA1 ,A2 間及び他側の両ポートA3 間がそれぞれ連通し、ソレノイド99Aaの励磁によって移される図13の位置IIでは両側のポートA1 ,A3 間及びA2 ,A4 間がそれぞれ連通するものに、構成されている。また電磁弁99Bは図12の位置Iでは両側のポートB1 ,B4 間及びB2 ,B3 間がそれぞれ連通し、ソレノイド99Baの励磁によって移される図13の位置IIでは両側のポートB1 ,B3 間及びB2 ,B4 間がそれぞれ連通するものに、構成されている。そしてこれらの電磁弁99A,99BはポートA3 ,B3 間及びポートA4 ,B4 間をそれぞれ接続することで、互いに接続されている。油圧ポンプ24と油圧モータ25は、油給排回路81A側ではそれぞれ電磁弁99AのポートA1 とA2 に、油給排回路81B側ではそれぞれ電磁弁99BのポートB1 とB2 に、接続されている。
【0040】
以上により図12の手動操向状態では油給排回路81Aが電磁弁99AのポートA1 ,A2 間の連通によって導通状態に維持され、また油給排回路81B側では電磁弁81BのポートB1 ,B4 間の連通、電磁弁99AのポートA4 ,A3 間の連通、及び電磁弁99BのポートB3 ,B2 間の連通によって維持されることとなっている。また図13の自動操向制御状態では油給排回路81A,81B間が、電磁弁99AのポートA1 ,A3 間の連通及び電磁弁99BのポートB1 ,B3 間の連通によって短絡回路部81Cを介し接続され、油圧ポンプ24との接続を断たれた油圧モータ25は両電磁弁99A,99Bを介し両ポート間が接続された状態をとることとなっている。
【0041】
第3の実施例では前記のもの同様の自動操向設定スイッチ90のオン操作によりソレノイド99Aa,99Baが励磁されて電磁弁99A,99Bがそれぞれの位置IIに移される他、一側の操向センサスイッチ95Rのオン動作によってソレノイド99Aaが解磁されて電磁弁99Aが図13の状態から位置Iに戻され、また他側の操向センサスイッチ95Lのオン動作によってソレノイド99Baが解磁されて電磁弁99Bが図13の状態から位置IIに戻されるように、制御装置(98)が構成されている。また同様の位置Iへの戻りは、条合せスイッチ97によっても得ることができることとされている。
【0042】
したがって図13に示すように自動操向制御が選択されている状態で操向センサスイッチ95Rにより進路の偏りが検出されると電磁弁99Aが位置Iへ戻り、その時は短絡回路部81Cから電磁弁99AのポートA1 ,A2 を介して油圧モータ25に作動油が供給され(破線矢印L参照)、同モータ25からの戻り油は電磁弁99BのポートB2 ,B4 、電磁弁99AのポートA4 ,A3 、及び電磁弁99BのポートB3 ,B1 を介して油圧ポンプ24方向に戻される。また操向センサスイッチ95Lにより進路の偏りが検出されると電磁弁99Bが位置Iへ戻り、短絡回路部81Cから電磁弁99AのポートA1 ,A3 及び電磁弁99BのポートB3 ,B2 を介して油圧モータ25に作動油が供給され(破線矢印R参照)、同モータからの戻り油は、電磁弁99AのポートA2 ,A4 及び電磁弁99BのポートB1 ,B4 を介して油圧ポンプ24方向に戻される。条合せスイッチ97により電磁弁99A又は電磁弁99Bを位置Iに戻した場合も、同様である。
【0043】
なお前述実施例におけるように付加回転伝達装置36を、左右の遊星歯車装置33L,33Rを介して左右の走行駆動軸30L,30Rに対し互いに逆方向の付加回転を与えるものに構成する場合、前記のように左右の内歯々車58ないしそのリング61に対し油圧モータ25の回転を伝達するものとする他、左右の太陽歯車57或は左右のキャリア59に対し油圧モータ25の回転を伝達するものとすることもできる。図14はそのような他例を、模式的に示している。
【0044】
図14の実施例で主駆動軸29と左右の走行駆動軸30L,30R間に配置の左右の遊星歯車装置33L,33Rをそれぞれ、内歯々車58を形成したリング61を主駆動軸29に固定すると共に、複数遊星歯車60を軸支するキャリア59を各走行駆動軸30L,30Rに固定し、太陽歯車57は各走行駆動軸30L,30R上に遊嵌設置して、該太陽歯車57と一体に前記歯車63対応の歯車63を設けている。前記中間軸66とその上の前記歯車69を省略したものに図示されている付加回転伝達装置36は前記のもの同様、ロック軸67から左右で回転を逆にする歯車列によって左右の歯車63に対し伝動するものに構成されている。本実施例では左右の太陽歯車57に互いに逆方向の回転を与えることで、左右の走行駆動軸30L,30Rに対し互いに逆方向の付加回転を与えることとしていることから、油圧モータ25の回転を大きく減速した付加回転を走行駆動軸30L,30Rに対し与える関係となり、ステアリングハンドル10の切り角に応じて車両の緩旋回から徐々に急旋回を得ることができるといった実益が与えられる。
【0045】
図14の実施例ではまた主駆動軸29を変速駆動するのに、機械式3段の副変速装置101と前進3速,後進1速の4段の変速段を有する油圧クラッチ式の主変速装置102とを用いている。図14において105はエンジン6から前述同様の機構で入力される入力軸であり、副変速装置101は該入力軸105とそれに平行な副変速軸106間に配設されている。入力軸105上にはシフト歯車107を摺動のみ自在に設置してあると共に、該シフト歯車107のシフトによって入力軸105に対しクラッチ結合される2個の歯車108,109を遊嵌設置してある。副変速軸106上にはシフト歯車107を噛合せ得る歯車110、及び歯車108,109に対しそれぞれ噛合された歯車111,112を固定設置してある。したがって副変速装置101は、シフト歯車107のシフト操作により3段の変速を得るものに構成されている。
【0046】
上記各軸105,106に平行する2本のクラッチ軸114,115と出力軸116を設け、クラッチ軸114上には2個の歯車118,119と該歯車をクラッチ軸114に対し選択的に結合するための2個の油圧クラッチCF1 ,CF2 とを設置し、クラッチ軸115上には2個の歯車120,121と該歯車をクラッチ軸115に対し選択的に結合するための2個の油圧クラッチCF3 ,CRとを設置している。歯車118は副変速軸106に嵌着の歯車122と噛合されて前進方向に回転し、歯車119,120は副変速軸106に嵌着の歯車123と噛合されて前進方向に回転する。歯車121はクラッチ軸114上の上記歯車118と噛合されて、後進方向に回転する。クラッチ軸114,115に嵌着した歯車125,126を出力軸116に嵌着した歯車127に対し噛合せ、油圧クラッチ式の主変速装置102による変速回転を出力軸116に得ることとされている。出力軸116には油圧クラッチCF1 ,CF2 ,CF3 の各作動によって前進1速、前進2速、前進3速が得られ、油圧クラッチCRの作動によって後進1速が得られる。
【0047】
出力軸116はそれに嵌着した歯車128を前記のもの同様の主駆動軸29上の入力歯車38に対し噛合せて、主駆動軸29を減速駆動するものとされている。なお出力軸116には、内拡式の走行ブレーキ130を配設してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す油圧回路図である。
【図2】同実施例を装備したコンバインの概略側面図である。
【図3】同コンバインに設けられた伝動機構を示す機構図である。
【図4】同コンバインに設けられたトランスミッションの一部を示す縦断背面図である。
【図5】上記トランスミッションを他の縦断面に沿って切断して画いた一部省略縦断背面図である。
【図6】同トランスミッションの一部分を示す縦断面図である。
【図7】コンバインの操縦部を示す概略斜視図である。
【図8】操向制御機構の概要を示すブロック図である。
【図9】実施例で設けた遊星歯車装置の作用を説明するための模式図である。
【図10】図1の油圧回路を、異なった状態で示す回路図である。
【図11】第2の実施例を示す油圧回路図である。
【図12】第3の実施例を示す油圧回路図である。
【図13】図12の油圧回路を、異なった状態で示す回路図である。
【図14】一部の変形に係る実施例を示す模式的な機構図である。
【符号の説明】
1 クローラ
6 エンジン
10 ステアリングホイール
23 油圧伝動装置
24 油圧ポンプ
24a ポンプ斜板
25 油圧モータ
30L,30R 走行駆動軸
33L,33R 遊星歯車装置
35 出力軸
36 付加回転伝達装置
63 歯車
67 ロック軸
72 歯車
73 歯車
75 アイドラ歯車
81A,81B 油給排回路
81C 短絡回路部
86 油圧アクチュエータ
87 方向切換弁
89 電磁弁
90 自動操向設定スイッチ
92 電磁弁装置
93,93A,93B,93C 電磁弁
94 電磁方向切換弁
95L,95R 操向センサスイッチ
99A,99B 電磁弁

Claims (5)

  1. 可変容積形の油圧ポンプ(24)と定容積形の油圧モータ(25)を備えた油圧伝動装置(23)、
    左右の最終走行駆動手段(1)に伝動する左右の走行駆動軸(30L,30R)に対し上記油圧モータを、左右の走行駆動軸に互いに逆方向の付加回転を与え得るように連動連結する付加回転伝達装置(36)、
    上記油圧ポンプのポンプ斜板(24a)を中立位置から両方向に傾動操作するための第1の操作手段(10)、
    上記ポンプ斜板を中立位置から一方向に傾動操作する第2の操作手段(90)、及び
    この第2の操作手段の操作に連動して上記油圧ポンプと油圧モータ間の接続回路を断ち油圧ポンプの両ポート間を短絡する一方、その短絡回路部から油圧モータに対し作動油を、供給方向を選択的に切換えて供給するように、短絡回路部と油圧ポンプの両ポート間を接続可能とする電磁弁装置(92)、
    を備えた作業車両の操向装置。
  2. 前記電磁弁装置(92)が、前記第2の操作手段(90)の操作に連動して前記油圧ポンプ(24)と油圧モータ(25)間の接続回路を断ち油圧ポンプの両ポート間を短絡させるための複数個又は1個の2ポジションの電磁弁(93A,93B,93C;93)と、油圧ポンプの両ポート間の短絡回路部に接続された3ポジションの電磁方向切換弁(94)であって、短絡回路部を導通状態に維持する中立位置と該短絡回路部の導通状態を断って短絡回路部から油圧モータに対しそれぞれ一方向及び他方向で作動油を供給するように短絡回路部を油圧モータの両ポートに対し接続する2つの作用位置を有する電磁方向切換弁(94)とを、備えている請求項1の作業車両の操向装置。
  3. 前記電磁弁装置(92)が、前記第2の操作手段(90)の操作に連動して前記油圧ポンプ(24)と油圧モータ(25)間の接続回路を断ち油圧ポンプの両ポート間を短絡させる位置へと変位せしめられる2個の2ポジションの電磁弁(99A,99B)であって、そのうちの1個の電磁弁のみが原位置に戻されると油圧モータに対し一方向で作動油が供給され他の1個の電磁弁のみが原位置に戻されると油圧モータに対し他方向で作動油が供給されるように、油圧ポンプの両ポート間の短絡回路部を油圧モータの両ポートに対し接続する2個の電磁弁(99A,99B)を、備えている請求項1の作業車両の操向装置。
  4. 前記ポンプ斜板(24a)を傾動させるための油圧アクチュエータ(86)、前記第1の操作手段(10)により変位操作されて該油圧アクチュエータを一方向及び他方向に作動させる方向切換弁(87)、及び前記第2の操作手段(90)の操作に連動して上記油圧アクチュエータを一方向に作動させる電磁弁(89)を設けてある、請求項1から3までの何れか一項に記載の作業車両の操向装置。
  5. 前記油圧アクチュエータ(86)を作動させる前記電磁弁(89)を前記方向切換弁(87)に、該方向切換弁の中立位置で方向切換弁を介し油圧アクチュエータが作動せしめられるように接続してある請求項4の作業車両の操向装置。
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