JPH0930983A - アポトーシス抑制剤 - Google Patents

アポトーシス抑制剤

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JPH0930983A
JPH0930983A JP7182999A JP18299995A JPH0930983A JP H0930983 A JPH0930983 A JP H0930983A JP 7182999 A JP7182999 A JP 7182999A JP 18299995 A JP18299995 A JP 18299995A JP H0930983 A JPH0930983 A JP H0930983A
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apoptosis
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JP7182999A
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Inventor
Masahiro Yamamoto
雅浩 山本
Naoko Miura
尚子 三浦
Toshiyuki Ueki
俊之 植木
Kazuo Ogawa
和生 小川
Kazunori Fukuda
一典 福田
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Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アポトーシスを抑制する作用を有し、例えば、
ウイルス性肝炎、肝硬変等の肝疾患や、ストレス時の免
疫機能低下のようなアポトーシスが関与する疾患の治療
および症状の緩和に有用なアポトーシス抑制剤を提供す
る。 【解決手段】本発明のアポトーシス抑制剤は、黄連や茵
ちん蒿の含有成分である、ベルベリン、パルマチン、キ
ャピラリシン、7−メチルキャピラリシン、6,7−ジ
メチルエスクレチン、アルキャピリン、カピリン、カピ
レンおよびカピラリンからなる群から選択される少なく
とも1種を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫調節剤、肝炎
治療剤等の医薬として利用可能なアポトーシス抑制剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞組織の死に関し、アポトーシ
ス(apoptosis、アプポトーシスともいう;自
爆死あるいは細胞自滅)という様式が見出だされ、注目
されている。
【0003】このアポトーシスは、病理的細胞死である
壊死と異なり、細胞自身の遺伝子に最初から組み込まれ
ている死であると考えられている。すなわち、何らかの
外部的または内部的要因が引き金になってアポトーシス
をプログラムする遺伝子が活性化され、この遺伝子を元
にプログラム死タンパク質が生合成され、生成したプロ
グラム死タンパク質により細胞自体が分解され、死に至
ると考えられている。
【0004】このようなアポトーシスの性質から、アポ
トーシスを所望の組織、細胞で発現させることができれ
ば、不要な細胞または病原細胞を自然に生体から排除す
ることが可能となる。従って、従来より、アポトーシス
誘起作用を有する化合物の探索および開発がさかんに行
われている。例えば、本出願人は、これまでに幾つかの
アポトーシス誘起剤を提案している(特開平5−331
061号公報、特開平6−25002号公報、特開平6
−72888号公報)。
【0005】しかしながら、近年、アポトーシスを抑制
することが有用である場合も報告されている。例えば、
以下に示すようなものである。アルツハイマー等の患者
において、神経細胞が脱落するのを防止すること、HI
Vに感染していないT細胞がアポトーシスで死滅して行
くのを防止すること、および、抗癌剤等の副作用により
ダメージを受けやすい正常細胞の細胞死を防止するこ
と。
【0006】しかしながら、従来、アポトーシスを抑制
することができる化合物として知られているものは少な
く、より優れたアポトーシス抑制作用を有する化合物の
開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる点に
鑑みてなされたものであり、アポトーシスを抑制する作
用を有し、例えば、ウイルス性肝炎、肝硬変等の肝疾患
や、ストレス時の免疫機能低下のようなアポトーシスが
関与する疾患の治療および症状の緩和に有用なアポトー
シス抑制剤を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、ベル
ベリン、パルマチン、キャピラリシン、7−メチルキャ
ピラリシン、6,7−ジメチルエスクレチン、アルキャ
ピリン、カピリン、カピレンおよびカピラリンからなる
群から選択される少なくとも1種を有効成分として含有
するアポトーシス抑制剤を提供する。
【0009】本発明は、第2に、黄連、黄柏、蘇木、紅
秦きゅう、桜皮、樸そく、莪述、馬蘭子、路々通、耆
草、巻柏、麻黄、茯苓、乳香、前胡、虎杖根および茵ち
ん蒿からなる群から選択される少なくとも1種の生薬を
含有するアポトーシス抑制剤を提供する。
【0010】本発明は、第3に、黄連解毒湯、三黄瀉心
湯、桂枝茯苓丸、桂枝加芍薬大黄湯、大承気湯、茵ちん
蒿湯、六味丸、木防已湯、麻子仁丸、胃苓湯、当帰建中
湯、川きゅう茶調散、桂枝加竜骨牡蛎湯、呉茱萸湯、防
風通聖散、桃核承気湯、治打撲一方、大黄牡丹皮湯、柴
朴湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯および茵ちん五苓散から
なる群から選択される1種の漢方薬を含有するアポトー
シス抑制剤を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本願の第1発明は、ベルベリン
(berberine)、パルマチン(palmati
ne)、キャピラリシン(capillarisi
n)、7−メチルキャピラリシン(7−methylc
apillarisin)、6,7−ジメチルエスクレ
チン(6,7−dimethylescureti
n)、アルキャピリン(arcapillin)、カピ
リン(capillin)、カピレン(capille
ne)およびカピラリン(capirallin)から
なる群から選択される少なくとも1種の化合物を有効成
分として含有するアポトーシス抑制剤である。
【0012】これらの有効化合物は、いずれも、茵ちん
蒿、黄連、黄柏等の生薬の含有成分である。例えば、ベ
ルベリンおよびパルマチンは黄連の含有成分である。こ
れらのうち、キャピラリシン、7−メチルキャピラリシ
ン、6,7−ジメチルエスクレチン、アルキャピリン、
カピリン、カピレンおよびカピラリンは、いずれも茵ち
ん蒿の含有成分である。また、6,7−ジメチルエスク
レチンは、花椒根の含有成分でもある。
【0013】本願の第1発明のアポトーシス抑制剤の有
効化合物は、当該有効化合物を含有する生薬から抽出お
よび分離して用いることができる。また、人工的に合成
されたものを使用することもできる。
【0014】また、本願の第1発明のアポトーシス抑制
剤は、上記有効化合物を含有する生薬および当該生薬の
抽出物を含有するものであっても良い。具体的には、例
えば、黄連、黄柏および茵ちん蒿からなる群から選択さ
れる少なくとも1種の生薬並びに生薬の抽出物を用いる
ことができる。
【0015】さらに、本願の第1発明のアポトーシス抑
制剤は、上記有効化合物を含有する漢方薬も包含する。
具体的には、例えば、黄連解毒湯、三黄瀉心湯、茵ちん
蒿湯、胃苓湯、防風通聖散、柴朴湯、柴苓湯、黄連湯ま
たは茵ちん五苓散である。また、本願の第1発明のアポ
トーシス抑制剤は、上述の漢方薬の抽出物を含有する組
成物も包含する。さらに、本願の第1の発明のアポトー
シス抑制剤は、上記有効化合物を含有する植物等の天然
物からの抽出物を含有する組成物であっても良い。本願
の第2発明は、黄連、黄柏、蘇木、紅秦きゅう、桜皮、
樸そく、莪述、馬蘭子、路々通、耆草、巻柏、麻黄、茯
苓、乳香、前胡、虎杖根および茵ちん蒿からなる群から
選択される少なくとも1種を含有するアポトーシス抑制
剤である。
【0016】本願の第2発明のアポトーシス抑制剤に用
いられる上記有効生薬は、そのままで用いても良いし、
これらの抽出物を用いても良い。
【0017】また、本願の第2発明のアポトーシス抑制
剤は、上記生薬を含有する漢方薬または上記漢方薬の抽
出物を含有する組成物であっても良い。具体的には、例
えば、黄連解毒湯、三黄瀉心湯、桂枝茯苓丸、茵ちん蒿
湯、六味丸、胃苓湯、防風通聖散、柴朴湯、麻黄湯、麻
黄附子細辛湯および茵ちん五苓散である。
【0018】本願の第3発明のアポトーシス抑制剤は、
黄連解毒湯、三黄瀉心湯、桂枝茯苓丸、桂枝加芍薬大黄
湯、大承気湯、茵ちん蒿湯、六味丸、木防已湯、麻子仁
丸、胃苓湯、当帰建中湯、川きゅう茶調散、桂枝加竜骨
牡蛎湯、呉茱萸湯、防風通聖散、桃核承気湯、治打撲一
方、大黄牡丹皮湯、柴朴湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯お
よび茵ちん五苓散からなる群から選択される1種の漢方
薬またはその抽出物である。
【0019】本発明で用いられる漢方薬の配合割合は、
一般的に以下の通りである。 (1)黄連解毒湯 黄連 1.5〜2 黄柏 1.5〜3 黄ごん 3.0 山梔子 2〜3
【0020】(2)三黄瀉心湯 大黄 1〜2 黄ごん 1〜1.5 黄連 1〜1.5
【0021】(3)桂枝茯苓丸 桂枝 4.0 茯苓 4.0 牡丹皮 4.0 桃仁 4.0 芍薬 4.0
【0022】(4)桂枝加芍薬大黄湯 桂枝 4.0 芍薬 6.0 大棗 4.0 生姜 3〜4(乾生姜1〜2) 甘草 2.0 大黄 1〜2
【0023】(5)大承気湯 厚朴 5.0g 枳実 3.0g 大黄 2.0g 無水芒硝 1.3g
【0024】(6)茵ちん蒿湯 茵ちん蒿 4〜6 山梔子 2〜3 大黄 0.8〜2
【0025】
【0026】(8)木防已湯 石膏 10.0g 防巳 4.0g 桂皮 3.0g 人参 3.0g
【0027】(9)麻子仁丸 麻子仁 4〜5 芍薬 2.0 枳実 2.0 厚朴 2.0 大黄 3.5〜4 杏仁 2〜2.5
【0028】(10)胃苓湯 蒼朮 2.5〜3 厚朴 2.5〜3 陳皮 2.5〜3 猪苓 2.5〜3 沢瀉 2.5〜3 芍薬 2.5〜3 白朮 2.5〜3 茯苓 2.5〜3 桂枝 2〜2.5 大棗 1.5〜2 乾生姜 1.5〜2 甘草 1〜2 縮砂 2.0 黄連 2.0 芍薬、縮砂、黄連のない場合も可
【0029】(11)当帰建中湯 当帰 4.0 桂枝 4.0 生姜 4.0 大棗 4.0 芍薬 5〜6 甘草 2.0 膠飴 20.0(なくても可)
【0030】(12)川きゅう茶調散 びゃくし 2.0 きょうかつ 2.0 荊芥 2.0 防風 2.0 薄荷葉 2.0 甘草 1.5 茶葉 1.5 川きゅう 3.0 香附子 4.0
【0031】(13)桂枝加竜骨牡蛎湯 桂枝 3〜4 芍薬 3〜4 大棗 3〜4 生姜 3〜4 甘草 2.0 竜骨 2.0 牡蛎 3.0
【0032】(14)呉茱萸湯 呉茱萸 3〜4 人参 2〜3 大棗 3〜4 生姜 4〜6
【0033】(15)防風通聖散 当帰 1.2 芍薬 1.2 川きゅう 1.2 山梔子 1.2 連翹 1.2 薄荷葉 1.2 生姜 1.2 荊芥 1.2 防風 1.2 麻黄 1.2 大黄 1.2 芒硝 1.5 白朮 2.0 桔梗 2.0 黄ごん 2.0 甘草 2.0 石膏 2〜3 滑石 3〜5
【0034】(16)桃核承気湯 桃仁 5.0 桂枝 4.0 大黄 1〜3 芒硝 1〜2 甘草 1.5
【0035】(17)治打撲一方 川きゅう 3.0 樸そく 3.0 川骨 3.0 桂枝 3.0 甘草 1.5 丁香 1〜1.5 大黄 1〜1.5
【0036】(18)大黄牡丹皮湯 大黄 1〜2 牡丹皮 4.0 桃仁 4.0 芒硝 4.0 冬瓜子 4〜6
【0037】(19)柴朴湯 柴胡 4〜7 半夏 5〜6 生姜 3.0 黄ごん 3.0 大棗 2〜3 人参 2.0 甘草 2.0 茯苓 5.0 厚朴 3.0 紫蘇葉 2.0
【0038】(20)麻黄湯 麻黄 4.0〜5.0 杏仁 4.0〜5.0 桂枝 3.0〜4.0 甘草 1.5〜2.0
【0039】(21)麻黄附子細辛湯 麻黄 4.0g 細辛 3.0g 修治附子末 1.0g
【0040】(22)茵ちん五苓散 沢瀉 4.5〜6 茯苓 3〜4.5 猪苓 3〜4.5 桂枝 2〜3 茵ちん蒿 3〜4
【0041】上述の有効漢方薬は、そのままで使用して
も良いし、またはその抽出物を用いることができる。生
薬または漢方薬の抽出物は、例えば、水、エタノール、
アセトン、エーテルまたはこれらの混合物のような各種
溶剤による抽出物が好ましく、水抽出物(水エキス)を
用いることが特に好ましい。具体的な抽出方法として
は、生薬または漢方薬を8〜20倍量の熱水で抽出し、
得られた抽出液を瀘過する方法が挙げられる。抽出物は
必要に応じて乾燥させ、乾燥粉末とすることもできる。
【0042】本願の第1〜第3発明のアポトーシス抑制
剤は、経口剤、または、注射剤、点滴用剤等の非経口剤
のいずれの剤形によっても投与することができる。
【0043】本願の第1〜第3発明のアポトーシス抑制
剤は、有効化合物、有効生薬および有効漢方薬と、選択
された剤形に応じて適宜選ばれた薬学的に許容可能な担
体と混合して調製することができる。
【0044】経口剤の場合は、薬学的に許容可能な担体
として、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、
カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩
等が使用される。また、経口剤の調製にあたっては、さ
らに結合剤、崩壌剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進
剤、矯味剤、着色剤、香料等を配合することができる。
これらの具体例としては、以下に示すものが挙げられ
る。
【0045】(結合剤)デンプン、デキストリン、アラ
ビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、ヒドロキシプロピルセルコース、結晶セルロー
ス、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロ
ゴール。
【0046】(崩壊剤)デンプン、ヒドロキシプロピル
スターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチ
ルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0047】(界面活性剤)ラウリル硫酸ナトリウム、
大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート
80−1 (滑沢剤)タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂
肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレ
ングリコール。
【0048】(流動性促進剤)軽質無水ケイ酸、乾燥水
酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウム。
【0049】また、経口用の液剤としては、懸濁液、エ
マルジョン剤、シロップ剤およびエリキシル剤を例示で
きる。これらの各種剤形には、矯味、矯臭剤および着色
剤を配合しても良い。
【0050】一方、非経口剤の場合は、常法に従い、本
発明の有効化合物並びに有効生薬および有効漢方薬の抽
出物を溶剤に溶解または懸濁させることにより調製する
ことができる。溶剤としては、例えば、注射用蒸留水、
生理食塩水.ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、
ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレン
グリコーノレ、ポリエチレングリコール等を用いること
ができる。また、必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定
剤、等張化剤、無痛化剤等を加えることもできる。
【0051】本願の第1〜第3発明のアポトーシス抑制
剤は、肝炎等の肝疾患や、ストレス時の免疫機能低下に
よる疾患のような、アポトーシスの亢進に起因する疾患
の治療に有用である。また、アルツハイマー等の患者に
おいて、神経細胞が脱落するのを防止するため、HIV
に感染していないT細胞がアポトーシスで死滅して行く
のを防止するため、抗癌剤等の副作用によりダメージを
受けやすい正常細胞の細胞死を防止するため等に使用す
ることができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
各種薬理効果試験について説明する。
【0053】試験例1 ラット高分化型肝癌細胞株McA−RH8994におけ
るTGFβ誘導性アポトーシスの阻害作用を、各種生薬
水エキスおよび市販の漢方製剤について調べた。なお、
TGFβは、肝細胞障害および肝細胞死の主要な因子で
あることが知られている。
【0054】McA−RH8994細胞を、ウシ胎児血
清(FBS)10%添加ダルベッコ改変培地(DME
M)に20万cells/mlの細胞密度で分散させ、
最終濃度0.5μCi/mlとなるように[3H]チミ
ジンを加え、96ウエルプレートにまいた。16時間培
養後、表1に示す生薬の水エキスおよび表2に示す漢方
製剤[(株)ツムラ製]の水けんだく液を、表1および
表2に示す最終濃度(μg/ml)になるように添加し
た。1時間後、ヒトリコンビナントTGFβ1(キング
醸造)を0.5ng/mlになるように添加した。さら
に36時間培養後、1/10量の200mM EDT
A、5%TrironX−100、50mMトリス緩衝
液(pH8)を添加し、撹拌した。この後、ガラスフィ
ルターとDEAEフィルターを重ね合わせてハーヴェス
ターにセットし、このハーヴェスターに培養液を通し、
断片化されたDNAをDEAEフィルターに、断片化さ
れていないDNAをガラスフィルターに回収した。βシ
ンチレーションカウンタによって各フィルター上のカウ
ントを測定し、断片化したDNA量/{断片化したDN
A量+断片化していないDNA量}×100(%)をD
NA断片化率として求めた。
【0055】以上の操作により一つのサンプルについ
て、TGFβ1を未添加のもの(−TGF)、サンプル
添加1時間後にTGFβ1を添加したもの(+TGF)
の2つのタイプの試験を行った。この結果を、表1およ
び表2に示す。また、サンプルを添加しなかった以外は
同様の手順に従ってDNA断片化率を測定したものをコ
ントロールとして表1および表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表1および表2から明らかなように、コン
トロールは、TGFβ1未添加の場合にはDNA断片化
が32.4%であったのに対して、 TGFβ1添加の
場合には69.3%に増加した。
【0059】これに対して、いずれの生薬および漢方薬
についても、TGFβ1添加によって誘起されるDNA
断片化の増加が抑制された。この結果、上記生薬および
漢方薬がラット肝癌細胞株McA−RH8994におけ
るTGFβ1により誘導されたアポトーシスを抑制でき
ることが確認された。
【0060】試験例2 コラーゲン潅流法により調製したラット正常肝実質細胞
(初代培養肝細胞)を、FBS10%添加DMEM培地
に15万cells/mlの細胞密度で分散し、これを
96ウエルプレートにまいた。16時間培養後、表3に
示す生薬の水エキスおよび表4に示す漢方製剤[(株)
ツムラ製]の水けんだく液を、表3および表4に示す最
終濃度(μg/ml)になるように添加した。1時間
後、ヒトリコンビナントTGFβ1(キング醸造)を
0.5ng/mlになるように添加した。さらに48時
間培養後、培地交換を行い、MTT(3−[4,5−ジ
メチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテ
トラゾリウム ブロミド)水溶液を最終濃度1mg/m
lとなるように加えた。4時間培養後、10%ドデシル
硫酸ナトリウム/0.01N塩酸を100μl添加し、
16時間インキュベーションした後、培養液の560n
mの吸光度を測定し、生存細胞数を検量線より算出し
た。死細胞率(%)は、次式により求めた。 死細胞率(%)=[{コントロールの生存細胞数}−
{サンプルウエルの生存細胞数}]/[コントロールの
生存細胞数]×100 この結果を、表3および表4に示す。また、サンプルを
添加しなかった以外は同様の手順に従って死細胞率を測
定したものをコントロールとして表3および表4に示
す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】表3および表4から明らかなように、コン
トロールの場合の死細胞率は、23.8%であった。こ
れに対して、いずれの生薬および漢方薬についても、T
GFβ1添加の場合の死細胞率はコントロールの場合に
比べて低かった。この結果、上記生薬および漢方薬が正
常ラット肝実質細胞におけるTGFβ1により誘導され
るアポトーシスを抑制できることが確認された。
【0064】試験例3 次に、茵ちん蒿(インチンコウ)由来の化合物、キャピ
ラリシン、7−メチルキャピラリシン、6,7−ジメチ
ルエスクレチン、アルキャピリン、カピリン、カピレン
およびカピラリンについて、各種濃度を変更して、正常
ラット肝実質細胞(初代培養肝細胞)および肝癌細胞株
McA−RH8994におけるTGF誘導アポトーシス
の抑制作用について、試験例1および2で説明した手順
に従って試験を行った。
【0065】この際の最大有効濃度およびこの濃度にお
けるDNA断片化および死細胞率を表5に示す。なお、
この結果は、コントロールによるDNA断片化および死
細胞率を100%とした場合の割合として評価した。
【0066】
【表5】
【0067】この結果から明らかなように、茵ちん蒿由
来の化合物がTGFβ1により誘導されたアポトーシス
を抑制する作用を有することがわかった。
【0068】以上に説明したように、表1〜表5に示す
生薬、漢方薬および化合物が、TGF誘導性の肝細胞ア
ポトーシスを抑制し、ひいてはウイルス肝炎、肝硬変等
の肝疾患の治療に有効であるが期待される。
【0069】試験例4 次に、副腎皮質ホルモン誘導性アポトーシスに対する抑
制作用を各種化合物、生薬および漢方薬について調べた
結果について説明する。
【0070】ストレス時の免疫機能の低下は、一つに
は、副腎皮質ホルモンの分泌亢進による胸腺およびリン
パ系組織の委縮が原因であると推察されている。その際
の胸腺細胞の委縮は、副腎皮質ホルモン(グルココルチ
コイド)で誘導されるアポトーシスによると推察されて
いる。
【0071】そこで、マウス胸腺細胞を用いて合成グル
ココルチコイドであるデキサメタゾンによって誘導され
るアポトーシスの阻害活性を各種生薬、漢方薬、およ
び、生薬に含有される化合物について調べた。
【0072】まず、マウスC3H/HeNより胸腺細胞
を調製し、FBS10%添加RPM1640培地に、6
×106 cells/mlの細胞濃度で分散し、この培
地を96ウエルプレートにまいた。
【0073】表6に示す生薬の熱水抽出エキス、漢方薬
の水けんだく液、および、生薬に含有される化合物を表
6に示す濃度になるように添加し、3時間培養した後、
デキサメタゾンを濃度10-7Mとなるように添加した。
【0074】サンプル添加後15〜24時間培養後、1
/10量の200mM EDTA、5%TrironX
−100、50mMトリス緩衝液(pH8)を添加し、
撹拌した。この後、670gで30分〜16時間遠心
し、沈殿を得た。この沈殿に100μlの0.4g/l
DABA(3,5−ジアミノ安息香酸二塩酸塩)を添加
し、55℃、2時間反応させた。励起波長407nm、
測定波長500nmで蛍光を測定し、DNA標準液によ
って測定した検量線に基づいて断片化していないDNA
量を算出した。断片化したDNA量は、細胞播種時の全
DNA量から断片化していないDNA量を減じて数値を
得た。DNA断片化率は、[{細胞播種時の全DNA
量}−{断片化していないDNA量}]/[細胞播種時
の全DNA量]×100として算出した。
【0075】以上の操作により、1つのサンプルについ
て、デキサメタゾンを未添加のもの(−)、サンプル添
加3時間後にデキサメタゾンを添加したもの(+)の2
つのタイプの試験を行った。この結果を、表6に示す。
また、サンプルを添加しなかった以外は同様の手順に従
ってDNA断片化率を測定したものをコントロールとし
て表6に示す。
【0076】
【表6】
【0077】表6から明らかなように、コントロールで
は、デキサメタゾン未添加の場合のDNA断片化は2
3.6%であり、デキサメタゾンを添加した場合には、
78.8%に増加した。
【0078】これに対して、表6に示す生薬、漢方薬お
よび生薬に含有される化合物を添加した場合には、いず
れも、デキサメタゾンにより誘導されたDNA断片化率
は、コントロールの場合に比べて低かった。この結果、
表6に示す生薬、漢方薬および生薬に含有される化合物
は、デキサメタゾンにより誘導されたアポトーシスを抑
制する作用を有し、ストレス時の免疫機能低下を改善す
ると共に、種々の病態における免疫調節作用を発揮する
ことが期待される。
【0079】なお、本発明のアポトーシス抑制剤の有効
成分である化合物の急性毒性試験をICR系雄性マウス
を用いて行ったところ、全ての化合物について、1g/
kgの経口投与で死亡例はなかった。従って、本発明の
アポトーシス抑制剤の有効成分である化合物は、安全性
が高いことが確認された。
【0080】また、本発明で用いる各有効生薬はすでに
漢方薬の原料として長い歴史を有し、安全性が確認され
たものであり、副作用等の心配なく使用することができ
る。例えぱ、黄連は、マウスおよびラットに対し、投与
限界である15g/kgの経口投与で死亡例が認められ
ないことから明らかなように、極めて安全性の高いもの
である。
【0081】また、本発明のアポトーシス抑制剤で用い
られる漢方薬はすでに漢方治療において長い歴史を有
し、安全性が確認されたものであり、副作用等の心配な
く使用することができる。例えば、柴朴湯は、マウスお
よびラットに対し、投与限界である15g/kgの経口
投与で死亡例が認められないことから明らかなように、
極めて安全性の高いものである。
【0082】以下、本発明の有効化合物を使用したアポ
トーシス抑制剤の製剤例を挙げる。
【0083】[製剤例1] (1)コーンスターチ 44 g (2)結晶セルロース 40 g (3)カルボキシメチル セルロースカルシウム 5 g (4)軽質無水ケイ酸 0.5g (5)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (6)パルマチン 10 g 計 100 g 上記の処方に従って(1)〜(6)を均一に混合し、打
錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。
【0084】この錠剤一錠には、パルマチン20mgが
含有されており、成人1 日3〜10錠を数回にわけて服
用する。
【0085】[製剤例2] (1)結晶セルロース 84.5g (2)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (3)カルボキシメチル セルロースカルシウム 5 g (4)ベルベリン 10 g 計 100 g 上記の処方に従って(1)、(4)および(2)の一部
を均一に混合し、圧縮成型した後、粉砕し、(3)およ
び(2)の残量を加えて混合し、打錠機にて圧縮成型し
て一錠200mgの錠剤を得た。
【0086】この錠剤一錠には、ベルベリン20mgが
含有されており、成人1日3〜10錠を数回にわけて服
用する。
【0087】[製剤例3] (1)結晶セルロース 79.5g (2)10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 50 g (3)カルボキシメチル セルロースカルシウム 5 g (4)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (5)パルマチン 10 g 計 145 g 上記の処方に従って(1)、(2)および(5)を均一
に混合し、常法によりねつ和し、押し出し造粒機により
造粒し、乾燥・解砕した後、(3)および(4)を混合
し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得
た。
【0088】この錠剤一錠には、パルマチン20mgが
含有されており、成人1日3〜10錠を数回にわけて服
用する。
【0089】[製剤例4] (1)コーンスターチ 84 g (2)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (3)カルボキシメチル セルロースカルシウム 5 g (4)軽質無水ケイ酸 0.5g (5)キャピラリシ 10 g 計 100 g 上記の処方に従って(1)〜(5)を均一に混合し、圧
縮成型機にて圧縮成型後、破砕機により粉砕し、篩別し
て顆粒剤を得た。
【0090】この顆粒剤1gには、キャピラリシン10
0mgが含有されており、成人1日0.6〜2gを数回
にわけて服用する。
【0091】[製剤例5] (1)結晶セルロース 86・5g (2)10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 35 g (3)7−メチルキャピラリシン 10 g 計 131.5g 上記の処方に従って(1)〜(3)を均一に混合し、ね
つ和した。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、篩別
して顆粒剤を得た。
【0092】この顆粒剤1gには、7−メチルキャピラ
リシン100mgが含有されており、成人1日0.6〜
2gを数回にわけて服用する。
【0093】[製剤例6] (1)コーンスターチ 89.5g (2)軽質無水ケイ酸 0.5g (3)アルキャピリン 10 g 計 100 g 上記の処方に従って(1)〜(3)を均一に混合し、2
00mgを2号カプセルに充填した。
【0094】このカプセル剤1カプセルには、アルキャ
ピリン20mgが含有されており、成人1日3〜10カ
プセルを数回にわけて服用する。
【0095】[製剤例7] (1)注射用蒸留水 89.5g (2)大豆油 5 g (3)大豆リン脂質 2.5g (4)グリセリン 2 g (5)カピラリン 1 g 全量 100 g 上記の処方に従って(5)を(2)および(3)に溶解
し、これに(1)と(4)の溶液を加えて乳化し、注射
剤を得た。
【0096】[製剤例8] (1)注射用蒸留水 適量 (2)ブドウ糖 200 mg (3)パルマチン 10 g 全量 15 ml (1)注射用蒸留水に(2)および(3)を溶解させた
後、5mlのアンプルに注入し、121℃で15分間加
圧滅菌を行って注射剤を得た。
【0097】次に、本発明の有効生薬を用いたアポトー
シス抑制剤の製造および製剤の例を挙げる。 [製剤例9] 黄連の抽出物の製造 黄連25gに2.5リットルの精製水を加え、ほぽ半量
になるまで煎出を行い、濾過により生薬残渣を除去し、
濾液を得た。濾液を室温まで冷却した後、7,000r
pmで30分間遠心分離を行い、得られた上清を凍結乾
燥して熱水抽出エキスとした。
【0098】[製剤例10] 黄柏の抽出物の製造 黄柏10kgに精製水100リットルを加え、100℃
で1時間加熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、スプ
レードライして1500gの乾燥エキス粉末を得た。
【0099】[製剤例11] 蘇木の抽出物の製造 蘇木30kgに精製水360リットルを加え、100℃
で60分間抽出した。得られた抽出液を遠心分離により
固液分離し、得られた分離液を150℃でスプレードラ
イして乾燥エキス粉末を得た。
【0100】[製剤例12] 紅蓁きゆうの抽出物の製
造 紅蓁きゆう10kgに精製水100リットルを加え、加
熱し、100℃になってから1時間拙出した。得られた
抽出液を遠心分離にかけ、残澄を分離して溶液80リッ
トルを得る。
【0101】この溶液20リットルを0.3μmのメン
ブランフィルター(東洋濾紙社製)により無菌精澄濾過
する。得られた濾液をダイアフィルターG‐10T(バ
イオエンジニアリング社製;分画分子量10,000)
を用いて限外濾過する。この限外濾過は、内容積2.0
リットルの容器の下面に直径152mmの膜をセット
し、圧力3kg/cm2 で行い、容器内の液が濃縮され
るにつれ精製水約2リットル添加する方法で実施した。
この結果、限外濾過液20リットルを得た。
【0102】[製剤例13] 桜皮の抽出物の製造 桜皮50gに5リットルの精製水を加え、ほほ半量にな
るまで煎出を行い、濾過により生薬残渣を除去し、濾液
を得た。濾液を室温まで冷却した後7,000rpmで
30分間遠心分離を行い、得られた上清を凍結乾燥して
熱水抽出エキスとした。
【0103】[製剤例14] 樸そくの抽出物の製造 樸そく10kgに精製水100リットルを加え、100
℃で1時間加熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、ス
プレードライして1500gの乾燥エキス粉末を得た。
【0104】[製剤例15] 莪述の抽出物の製造 莪述30kgに精製水360リットルを加え、100℃
で60分間抽出した。得られた抽出液を遠心分離により
固液分離し、得られた分離液を150℃でスプレードラ
イして乾燥エキス粉末を得た。
【0105】[製剤例16] 馬蘭子の抽出物の製造 馬蘭子10kgに精製水100リットルを加え、加熱
し、100℃になってから1時間抽出した。得られた抽
出液を遠心分離にかけ、残渣を分離して溶液80リット
ルを得た。
【0106】この溶液20リットルを0.3μmのメン
ブランフィルター(東洋濾紙社製)により無菌精澄濾過
する。得られた濾液をダイアフィルターG−10T(バ
イオエンジニアリング社製;分画分子量10,000)
を用いて限外濾過する。この限外濾過は、内容積2.0
リットルの容器の下面に直径152mmの膜をセット
し、圧力3kg/cm2 で行い、容器内の液が濃縮され
るにつれ精製水約2リットル添加する方法で実施した。
この結果、限外濾過液20リットルを得た。
【0107】[製剤例17] 蘇木の顆粒剤の調製 実施例16により得た蘇木の乾燥エキス粉末1000g
を乳糖980gおよびステアリン酸マグネシウム20g
と混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠し、直径
20mm、重量2.3gのスラッグ錠をオシレーターで
粉砕し、整粒後篩別し、粒径20〜50メッシュの顆粒
剤を得た。
【0108】[製剤例18] 黄柏の錠剤の調製 実施例12により得た黄柏の乾燥エキス粉末250gを
結晶セルロース47gおよびステアリン酸マグネシウム
3gと混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠し、
直径9mm、重量300mgの錠剤を製造した。本錠剤
1錠中には、黄柏の乾燥エキス粉末を250mg含有す
る。
【0109】[製剤例19] 黄連のカプセル剤の調製 実施例9により得た黄連の乾燥エキス粉末500mgを
硬カプセルに充填し、カプセル剤を調製した。
【0110】[製剤例20] 紅蓁きゅうの注射剤の調
製 実施例12で得た紅蓁きゅうの限外濾過液20リットル
にアラントイン(発熱物質不含)300gを添加、溶解
した。これを900本のバイアル瓶に分注した後、凍結
乾燥し、粉末注射剤を得た。この注射剤1バイアルに
は、凍結乾燥物406mgが含まれており、10mlの
精製水に容易に溶解した。また、溶解後の注射液は、9
2%(550nm)の透過度を有しており、日本薬局方
の発熱性物質試験法に適合していた。
【0111】以下、本発明の漢方薬を用いたアポトーシ
ス抑制剤の製造および製剤の例を挙げる。
【0112】[製剤例21] 黄連解毒湯の抽出物の製
造 黄連解毒湯17g(黄連4.0g、黄柏3.0g、黄ご
ん6.0gおよび山梔子4.0g)に170mlの精製
水を加え、ほぼ半量になるまで(30〜40分)煎出を
行い、濾過により生薬残渣を除去し、濾液を得た。濾液
を室温まで冷却した後、7,000rpmで30分間遠
心分離を行い、得られた上清を凍結乾燥して熱水抽出エ
キスとした。
【0113】[製剤例22] 桂枝加竜骨牡蛎湯の製造 桂枝加竜骨牡蛎湯(桂枝3部、芍薬3部、大棗3部、生
姜3部、甘草2部、竜骨2部、牡蛎0.3部)の処方生
薬10kgに精製水120リットルを加え、100℃で
1時間加熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、スプレ
ードライして乾燥エキス粉末を得た。
【0114】[製剤例23] 菌ちん五苓散の抽出物の
製造 菌ちん五苓散(沢瀉5部、茯苓3部、猪苓3部、朮3
部、桂枝2部、茵ちん蒿3部)の処方生薬30kgに精
製水360リットルを加え、100℃で60分間抽出し
た。得られた抽出液を遠心分離により固液分離し、得ら
れた分離液を150℃でスプレードライして乾燥エキス
粉末を得た。
【0115】[製剤例24] 柴朴湯の抽出物の製造 柴朴湯(柴胡4部、半夏6部、生姜3部、黄ごん3部、
大棗2部、人参2部、甘草2部、茯苓5部、厚朴3部、
紫蘇葉2部)の処方生薬10kgに精製水100リット
ルを加え、加熱し、100℃になってから1時間抽出し
た。得られた抽出液を遠心分離にかけ、残渣を分離して
溶液80リットルを得た。
【0116】この溶液20リットルを0.3μmのメン
プランフィルター(東洋濾紙社製)により無菌精澄濾過
する。得られた濾液をダイアフィルターG‐10T(バ
イオエンジニアリング社製;分画分子量10,000)
を用いて限外濾過する。この限外濾過は、内容積2.0
リットルの容器の下面に直径152mmの膜をセット
し、圧力3kg/cm2 で行い、容器内の液が濃縮され
るにつれ精製水約2リットル添加する方法で実施した。
この結果、限外濾過液20リットルを得た。
【0117】[製剤例25] 防風通聖散の抽出物の製
造 防風通聖散28g(当帰1.2g、芍薬1.2g、川き
ゅう1.2g、山梔子1.2g、連翹1.2g、薄荷葉
1.2g、生姜1.2g、荊芥1.2g、防風1.2
g、麻黄1.2g、大黄1.5g、芒硝1.5g、白朮
2.0g、桔梗2.0g、黄ごん2・0g、甘草2.0
g、石膏2.0g、滑石3.0g)に280m1の精製
水を加え、ほぼ半量になるまで(30〜40分)煎出を
行い、濾過により生薬残渣を除去し、濾液を得た。濾液
を室温まで冷却した後、7,000rpmで30分間遠
心分離を行い、得られた上清を凍結乾燥して熱水抽出エ
キスとした。
【0118】[製剤例26] 菌ちん蒿湯の製造 菌ちん蒿湯(菌ちん蒿4部、山梔子2部、大黄1部)の
処方生薬10kgに精製水120リットルを加え、10
0℃で1時間加熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、
スプレードライして乾燥エキス粉末を得た。
【0119】[製剤例27] 三黄瀉心湯の抽出物の製
造 三黄瀉心湯(大黄1部、黄ごん1部、黄連1部)の処方
生薬30kgに精製水360リットルを加え、100℃
で60分間抽出した。得られた抽出液を遠心分離により
固液分離し、得られた分離液を150℃でスプレードラ
イして乾燥エキス粉末を得た。
【0120】[製剤例28] 呉茱萸湯の抽出物の製造 呉茱萸湯(呉茱萸4部、生姜4部、大棗3部、人参2
部)の処方生薬10kgに精製水100リットルを加
え、加熱し、100℃になってから1時間抽出した。得
られた抽出液を遠心分離にかけ、残渣を分離して溶液8
0リットルを得る。
【0121】この溶液20リットルを0.3μmのメン
プランフィルター(東洋濾紙社製)により無菌精澄濾過
する。得られた濾液をダイアフィルターG−10T(バ
イオエンジニアリング社製;分画分子量10,000)
を用いて限外濾過する。この限外濾過は、内容積2.0
リットルの容器の下面に直径152mmの膜をセット
し、圧力3kg/cm2 で行い、容器内の液が濃縮され
るにつれ精製水約2リットル添加する方法で実施した。
この結果、限外濾過液20リットルを得た。
【0122】[製剤例29] 当帰建中湯の抽出物の製
造 当帰建中湯(当帰4部、桂枝4部、生姜4部、大棗4
部、芍薬5部、甘草2部)の処方生薬10kgに精製水
100リットルを加え、ほば半量になるまで(30〜4
0分)煎出を行い、濾過により生薬残渣を除去し、濾液
を得た。濾液を室温まで冷却した後、7,000rpm
で30分間遠心分離を行い、得られた上清を凍結乾燥し
て熱水抽出エキスとした。
【0123】[製剤例30] 桂枝茯苓丸の製造 桂枝茯苓丸(桂枝4部、茯苓4部、牡丹皮4部、桃仁4
部、芍薬4部)の処方生葉10kgに精製水120リッ
トルを加え、100℃で1時間加熱抽出した。得られた
抽出液を濾過後、スプレードライして乾燥エキス粉末を
得た。
【0124】[製剤例31] 茵ちん五苓散の顆粒剤の
製造 実施例23により調製した茵ちん五苓散の乾燥エキス粉
末1000gを乳糖980gおよびステアリン酸マグネ
シウム20gと混合し、この混合物を単発式打錠機にて
打錠し、直径20mm、重量2.3gのスラッグ錠をオ
シレーターで粉砕し、整粒後篩別し、粒径20〜50メ
ッシュの顆粒剤を得た。
【0125】[製剤例32] 桂枝加竜骨牡蛎湯の錠剤
の調製 実施例22により調製した桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥エキ
ス粉末250gを結晶セルロース47gおよびステアリ
ン酸マグネシウム3gと混合し、この混合物を単発式打
錠機にて打錠し、直径9mm、重量300mgの錠剤を
製造した。本錠剤1錠中には、桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥
エキス粉末を250mg含有する。
【0126】[製剤例33] カプセル剤の調製 実施例21により調製した黄連解毒湯の乾燥エキス粉末
500mgを硬カプセルに充填し、カプセル剤を調製し
た。
【0127】[製剤例34]実施例24で得た柴朴湯の
限外濾過液20リットルにアラントイン(発熱物質不
含)300gを添加、溶解した。これを900本のバイ
アル瓶に分注した後、凍結乾燥し、粉末注射剤を得た。
この注射剤1バイアルには、凍結乾燥物406mgが含
まれており、10mlの精製水に容易に洛解した。ま
た、溶解後の注射液は、92%(550nm)の透過度
を有しており、日本薬局方の発熱性物質試験法に適合し
ていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 A61K 35/78 T ACS ACSK 31/01 31/01 31/32 31/32 31/435 31/435 35/84 35/84 A Z // C07D 311/16 101 C07D 311/16 101 455/03 455/03 (72)発明者 小川 和生 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 株式会社ツ ムラ内 (72)発明者 福田 一典 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 株式会社ツ ムラ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルベリン、パルマチン、キャピラリシ
    ン、7−メチルキャピラリシン、6,7−ジメチルエス
    クレチン、アルキャピリン、カピリン、カピレンおよび
    カピラリンからなる群から選択される少なくとも1種を
    有効成分として含有するアポトーシス抑制剤。
  2. 【請求項2】 黄連、黄柏、蘇木、紅秦きゅう、桜皮、
    樸そく、莪述、馬蘭子、路々通、耆草、巻柏、麻黄、茯
    苓、乳香、前胡、虎杖根および茵ちん蒿からなる群から
    選択される少なくとも1種の生薬を含有するアポトーシ
    ス抑制剤。
  3. 【請求項3】 黄連解毒湯、三黄瀉心湯、桂枝茯苓丸、
    桂枝加芍薬大黄湯、大承気湯、茵ちん蒿湯、六味丸、木
    防已湯、麻子仁丸、胃苓湯、当帰建中湯、川きゅう茶調
    散、桂枝加竜骨牡蛎湯、呉茱萸湯、防風通聖散、桃核承
    気湯、治打撲一方、大黄牡丹皮湯、柴朴湯、麻黄湯、麻
    黄附子細辛湯および茵ちん五苓散からなる群から選択さ
    れる1種の漢方薬を含有するアポトーシス抑制剤。
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