JPH09308679A - 吸着材 - Google Patents

吸着材

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JPH09308679A
JPH09308679A JP8150315A JP15031596A JPH09308679A JP H09308679 A JPH09308679 A JP H09308679A JP 8150315 A JP8150315 A JP 8150315A JP 15031596 A JP15031596 A JP 15031596A JP H09308679 A JPH09308679 A JP H09308679A
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正樹 福浦
Teruhiro Okada
輝弘 岡田
Shoichi Takamoto
昭一 高本
Nobuyuki Nishimura
修志 西村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】通気性が良好な不織布または不織布成型体
の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或
いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着
剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層に
活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を露
出された状態に保持せしめてなる吸着材、または更に該
不織布または不織布成型体の表面にこれらのバインダー
コート層を形成せしめてなる吸着材であり、更に活性炭
粒子を担持させた該不織布または不織布成型体とエレク
トレット処理した不織布を重ね合わせ、要すればプリー
ツ状に成型した吸着材。 【効果】この吸着材は不織布または不織布成型体の基材
上に活性炭粒子が、粒子間の空隙率が高い状態で均一に
分散され、且つ活性炭粒子の表面が露出した状態で保持
されているため、吸着速度が高く吸着容量も大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸着材に関するもの
で主として空気中の微量の悪臭成分を除去するために使
用され、吸着速度が早く取扱性に優れた吸着材である。
主な用途分野は、家庭用もしくは自動車用のエアーコン
ディショナー及び、空気清浄機用に使用されるフィルタ
ーエレメントで、低圧損、高寿命の特徴を有し高速で空
気を流した場合にも1パスで高い浄化度を達成できる。
【0002】
【従来の技術】従来から微量成分の吸着材として活性炭
が広く使用されているが、形状は一般に粉体または粒状
で必ずしも取扱い易いとは言い難い。そこで活性炭微粉
末を分散したエマルジョンをネット材、織物、不織布等
に含浸させた吸着材や、活性炭粒子をネット材、フォー
ム材、不織布等の多孔性物質中に固定させた吸着材が試
みられている。これらの吸着材は、粉体の様に粉塵が発
生するおそれがないので取扱いが便利であり、しかもガ
スは多孔性物質中の空隙を自由に流通し得るので、抵抗
が少ないという利点もある。
【0003】しかしながら従来からつくられているこれ
らのタイプの吸着材は、多孔性物質に含有されている活
性炭の表面がバインダーで被覆されているため、吸着能
力のごく一部しか使用できないデメリットが指摘されて
いた。これは多孔性物質内部の組織に活性炭を接着させ
る場合、活性炭とバインダーを混合して接着すると、活
性炭粒子表面の大部分がバインダ−層で被覆されること
は避けられないからである。
【0004】また、ポリウレタンフォームを生成させる
時、プレポリマーに吸着体粒子を混合して調製する方法
もある。この場合はかなり多量の活性炭粒子を混合する
と、ポリウレタンフォームの発泡性が抑制されると共
に、活性炭粒子の表面のかなり多くの部分がポリウレタ
ン樹脂で被覆されたり、或いは細孔が目詰まりするため
吸着能力が大幅に低下する。
【0005】またこれらの問題点を解決するため、発泡
ポリウレタン成型体の表面及び内部組織の外気との接触
面にバインダー層を形成させた後、吸着材粒子を付着す
る方法も開示されている。特公平 4-35201号公報には、
発泡ポリウレタン成型体の表面及び内部組織の上にウレ
タン系プレポリマーを塗布した後、吸着材粒子を吹き付
けて付着させる方法が開示されている。
【0006】活性炭微粉末を分散したエマルジョンを不
織布、目が荒い織物、網目状ネット等に含浸させた吸着
材は、微粉末の表面がエマルジョンの薄い皮膜でコート
されるため、圧損失は低下しても充分な吸着性能が得ら
れないデメリットがある。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問
題点にかんがみ、吸着材の基材として通気性が良好な不
織布または不織布成型体を利用して、これに粒子表面の
1部が露出している状態の活性炭粒子を接着させること
によって、圧損失が低く且つ吸着性が高い吸着材を開発
して提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は激しい乱気
流状態のガスが、充填密度が低い吸着剤層を通過すると
きには、ガスと吸着剤との接触効率が著しく高められて
悪臭ガスの除去性能が向上するため、圧損失が低く高風
量のガス処理に適した構造となることに着目した。この
ため通気性が良好な不織布または不織布成型体を基材と
して、その内部に吸着剤粒子があたかも空間に浮遊して
いるような状態で保持させ、通気性を阻害する度合いを
極力低下させる構造について研究した。その結果、通気
性が良好な不織布または不織布成型体に活性炭粒子をバ
インダーで点接着させることにより、吸着剤粒子が吸着
材の内部で適度な空隙率を保持した状態とすることがで
きることを見出し、これに基づいて本発明に到達した。
【0009】すなわち、通気性が良好な不織布または不
織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラ
テックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリ
マー系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バイ
ンダー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくと
も一部を露出された状態に保持せしめてなる吸着材であ
る。または更に該不織布または不織布成型体の表面にこ
れらのバインダーのコート層を形成せしめてなる吸着材
であり、更に活性炭粒子を担持させた該不織布または不
織布成型体とエレクトレット処理した不織布を重ね合わ
せ、要すればプリーツ状に成型した吸着材も本発明に含
まれている。
【0010】または不織布及び不織布成型体からなる多
孔性シートの表面及び内部組織の外気との接触面を溶融
させ、溶融層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の一部
が露出された状態に保持されている吸着材である。前述
の様にして得られた吸着材は自動車に搭載するエアーコ
ンディショナーまたは空気清浄器用に好適である。
【0011】更に、通気性が良好な不織布または不織布
成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、バイン
ダー層を形成させた後シートを活性炭粒子の流動層中を
通過させることにより、該不織布または不織布成型体の
表面及び内部組織の外気との接触面に活性炭粒子を接着
させ、粒子表面の少なくとも一部が露出された状態に保
持させることを特徴とする吸着材の製法である。
【0012】ここで、不織布成型体とは太い繊維を粗に
包絡させて少なくとも一部の繊維と繊維の接合点を融着
させ、三次元構造を有する通気性が良好な成型体を形成
させたもので、例えば、図1に示す様な繊維構造を有す
る成型体である。以下本発明について詳しく説明する。
【0013】本発明の吸着材には基材として通気性が良
好な不織布または不織布成型体を使用する必要がある。
不織布及び不織布成型体を構成する繊維の材質は特に限
定しない。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ウレタン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ビニロン、ポリアク
リル系ポリマー、酢酸セルローズ、プロミックス等の合
成繊維、半合成繊維、その他レイヨン、綿、麻、絹等の
天然繊維或いは無機繊維も使用可能である。更に不織布
及び不織布成型体の材質は繊維に限定されず、細いアル
ミニウム線からなる不織布でもよい。
【0014】また、基材である不織布または不織布成型
体を構成する個々の繊維の構造は単一成分からなる繊維
のみに限定されず、例えば、芯がポリプロピレンで鞘が
ポリエチレンのコーティング層からなる芯−鞘繊維でも
よく、その他の構造を有する複合繊維でもよい。繊維の
太さは特に限定しないが20〜300 デニルが好ましい。
【0015】合成繊維等の断面形状は通常円形が最も広
く使用されているが、本発明では円形に限定せず異形断
面糸を使用してもよい。この場合繊維の表面積が通常の
円形断面糸より広くなるため、活性炭粒子を表面に接着
させて担持させるためには担持量及び接着強度の点から
もより好ましい。
【0016】不織布の構造は特に限定せず、通気性が良
好となる様な粗な組織であればいずれでもよく、前記の
繊維を粗に包絡させた後接着剤或いは繊維の部分的な溶
融により、または機械的方法で接合点を連結して固定し
た構造でもよい。特に、不織布の組織内部で繊維が交差
する部分を融着し、不織布の構造の安定性及び強度を高
めた基材は好ましい。本発明において不織布成型体とは
太い繊維を粗に包絡させて少なくとも一部の繊維と繊維
の接合点を融着させ、三次元構造を有する通気性が良好
な成型体を形成させたもので、例えば、図1に示す様な
繊維構造を有する成型体である。
【0017】本発明の吸着材に含まれている活性炭は、
通常1g当たり数百平方メートル或いはそれ以上の大き
な表面積を有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広
範囲に使用できる。活性炭の原料には通常ヤシ殻または
木材等の炭化物或いは石炭が使用されるが何れでもよ
い。また賦活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温で
または塩化亜鉛、リン酸、濃硫酸処理等いづれの方法に
より得られたものでも良い。
【0018】活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた
吸着性を有する特異な物質で、殆どすべてのガス状或い
は液状物質に対して高い吸着性を示すことが知られてい
る。本発明の吸着材も活性炭のこの様な性質を利用した
ものである。
【0019】不織布または不織布成型体に担持させる活
性炭粒子の大きさは特に限定せず、広範囲の粒度の粒子
を使用した場合にもその効果が認められる。しかし吸着
容量を高く保持すると共に圧損失を抑制するためには、
粒子の平均粒径は 20 mesh以下、100 mesh以上が好まし
い。
【0020】本発明において、不織布または不織布成型
体に活性炭粒子を接着させるためには、ラテックス或い
はエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤
を使用する必要がある。尚、活性炭粒子の細孔の目詰ま
りを生じ難いものが好ましいため、ラテックス或いはエ
マルジョンは固形成分が多いものが適しており、固形成
分は 30 %以上が好ましく、50%以上がより好ましい。
【0021】ここで、ラテックス或いはエマルジョンと
は分散媒である水中に、ゴム系粒子或いは接着性を有す
るポリマー粒子が分散された状態を指している。ラテッ
クスとしては SBR、クロロプレン、ニトリルゴム等各種
合成ゴム系のラテックスが挙げられ、また、エマルジョ
ンとしてはアクリル酸エステルとアクリル酸或いは、メ
タクリル酸エステルを共重合させたアクリル系エマルジ
ョン、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン或
いは酢酸ビニル樹脂エマルジョン等が使用できる。
【0022】溶媒を含まないポリマー系接着剤として
は、有機溶媒または水を含まない、接着性を有するプレ
ポリマー等で、本発明の接着剤には合成ゴム系の物質が
好ましく、例えば、NCO 過剰のウレタン系プレポリマ
ー、より好ましくは MDI(メチレンジイソシアネート)
ベースのウレタン系プレポリマーが好ましい。 MDIベー
スのプレポリマーは、 TDI(トリレンジイソシアネー
ト)ベースのプレポリマーより遊離イソシアネートが発
生し難く、吸着体粒子への吸着性が少ないため好まし
い。
【0023】NCO 過剰のウレタン系プレポリマーを使用
する場合、粘度を調節するために場合によっては少量の
有機溶剤を加えて、不織布または不織布成型体に含浸或
いは塗布した後、温風乾燥等により大部分の有機溶剤を
除去して、この織物の表面及び内部組織の繊維表面にバ
インダー層を形成させ、その上に活性炭粒子を接着させ
てもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の吸着材の基材である不織
布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接
触面には、前述のバインダーからなるバインダー層を形
成させる必要がある。不織布の組織にバインダーを付着
させるには、不織布または不織布成型体をラテックスま
たはエマルジョン等のバインダーを満たした浴に浸漬し
た後、過剰のバインダーをロールで除去する方法、或い
はスプレーやコーターで表面に塗布した後、ロールで絞
り付着しているバインダーを組織の内部まで浸透させる
方法等がある。更に、エアーブローして包絡した繊維間
に生成した皮膜を除去した後乾燥させることによって、
不織布の表面及び内部の繊維組織の外気との接触面にバ
インダー層を形成させることができる。
【0025】活性炭粒子を、バインダー層が形成されて
いる不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外
気との接触面に接着させるには、流動層通過法或いは粉
体スプレー法、篩落下法等適宜の方法を採用することが
できる。
【0026】流動層通過法は組織内部にバインダー層を
形成せしめた不織布または不織布成型体を、活性炭粒子
の流動層の中を通常はシートを水平にして通過させるこ
とにより、シートの組織の内部に粒子を浸透させる方法
である。流動層は活性炭粒子を一定の深さに充填した槽
に、下部の分散板を通してガスを吹き込んで流動層を形
成させるが、ガスの吹込速度は最小流動化速度に比較的
近いガス速度領域で、不織布シートを通過させた場合に
も、粒子はシートの組織の内部に均等に浸透させること
ができる特徴がある。
【0027】その他の方法では大部分の粒子が不織布シ
ートの表面にのみに付着し易く、充分に内部まで浸透さ
せ付着させることは困難である。しかし流動層通過法は
流動状態を活性炭粒子の粒度に合わせてガス吹込速度に
よって適度に調節し、更にシートの流動層内の滞留時間
を調節することにより、シートの内部組織に活性炭粒子
を均一に付着させることができるため、本発明の吸着材
の粒子付着工程に最も適している。
【0028】粉体スプレー法或いは篩落下法の場合に
は、不織布シートを適宜反転させて、シートの両側から
活性炭粒子を吹き付け、または粒子を落下させることに
より、組織の内部にまで粒子を付着させることができ
る。更に、シートに活性炭粒子を付着させる工程或いは
付着させた後、このネットを振動させることによって、
組織内部への粒子の進入及びバインダー層への付着を促
進させることができる。
【0029】不織布のシートに活性炭粒子を付着させた
後、一組または複数組のピンチ・ロールの間を通してシ
ートを軽く圧迫することにより、粒子をバインダー層に
強固に接着させることができる。この際ロールの1部或
いは全部に加熱ロールを使用して、接着を促進させるこ
ともできる。
【0030】前記の様にして得られた不織布シートに含
まれる活性炭粒子は、流動層通過法等によって一旦その
内部組織のバインダー層の表面に付着された後、加熱圧
着工程によって強固にバインダー層に接着されるため、
粒子表面のかなり多くの部分が露出した状態となってい
る。本発明において「粒子表面の少なくとも一部が露出
された状態」とはかかる状態を指しており、活性炭粒子
がバインダー層に接着されている状態より分かる様に、
実質的には粒子表面の大部分が露出された状態に保持さ
れている。これは本発明の吸着材の構造の最も大きな特
徴の一つである。
【0031】従来活性炭粒子を担体に担持させる場合、
主として粒子をラテックスまたはエマルジョン等のバイ
ンダーと混合して塗布する方法が用いられた。この方法
では活性炭粒子の表面がバインダーで被覆されているた
め、活性炭の吸着性が阻害されることが避けられなかっ
た。しかし前述の様に本発明で得られた多孔性シート
は、大部分の活性炭粒子の表面が露出した状態となって
いるため、個々の活性炭粒子の吸着容量が大きく吸着速
度も高い特徴がある。しかも不織布のシートは全体が粗
な組織になっているため、ガスの流通路の断面積はかな
り大きく、従って圧損失は低く高速でガスを流した場
合、ガスは吸着材内部を激しい乱流となって流れる状態
になる。
【0032】不織布シートに活性炭粒子を付着させた
後、粒子をバインダー層に強固に接着させるために使用
するピンチ・ロールのクリアランスは適宜設定できる
が、シートの厚さの50〜80%が好ましい。また、ポリウ
レタン系のプレポリマー層に活性炭粒子を接着させる場
合には、加熱水蒸気処理によって接着力を更に向上させ
ることができる。
【0033】不織布シートの表面に接着された粒子は、
使用中摩擦その他のため脱落し易いから、これを防止す
るためシートの表面に更にラテックス或いはエマルジョ
ンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤を塗布するこ
とができる。ここで表面とは外部の物体と接触して摩擦
され易い部分の意味である。
【0034】バインダーの種類は、不織布または不織布
成型体の組織内部に含浸させたものと必ずしも同一でな
くてもよく、その適性を考慮して異なった種類のバイン
ダーを使用してもよい。バインダーを塗布した部分の活
性炭粒子表面は、薄いバインダー層で被覆されているた
め吸着性は低下するが、被覆される表面の粒子の比率は
全体からみると一部であるから、吸着材全体の機能低下
は少ない。
【0035】その他バインダーを使用せず活性炭粒子を
接着せしめる方法として、不織布または不織布成型体か
らなるシートの表面及び内部組織の外気との接触面を溶
融させ、溶融層に活性炭粒子を直接接着せしめ粒子表面
の一部が露出された状態に保持させることも出来る。
【0036】例えば、ポリプロピレンからなる芯にポリ
エチレンがコーティングされた鞘からなる複合繊維を、
120 °〜140 ℃に加温して、表面層のポリエチレンのみ
溶融させて活性炭粒子を接着させ、粒子表面の一部が露
出された状態に保持することが出来る。
【0037】更に、本発明の吸着材は一層でも使用する
ことができるが、複数枚積層またはプリーツ状にして用
いることも可能である。この際エレクトレット処理した
不織布と積層して同時に塵埃の除去性を付与することも
できる。その他、紙、不織布、導電性シート、磁気シー
ト或いは酸化触媒性シート等を重ねて成型してもよい。
【0038】本発明の吸着材は基材である通気性が良好
な不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気
との接触面に、活性炭粒子を接着させたもので圧力損失
が極めて低いため、ガスの流動性が乏しい雰囲気或いは
高風量の状態で使用するために適している。更にプリー
ツ状に加工することにより、ガスの通過面積が増加する
ため一層吸着性を高めることが可能となる。本発明の吸
着材は自動車用のエアーコンディショナー或いは空気清
浄器用の脱臭材として好適である。
【0039】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明する。
【0040】(実施例1)ポリエステル繊維からなる目
付 40g/m2 の不織布に SBRラテックスを含浸させ、絞り
用ゴムロ−ルでラテックス目付け量を調整し、エアーブ
ローをかけることにより、不織布の内部に生成したラテ
ックスの膜を取り除き、表面及び内部組織の外面にもバ
インダー層生成させた。そのシートを椰子殻を原料とし
た粒度 20〜42 mesh に調整した破砕状活性炭粒子の流
動層の中を通過させて、活性炭粒子を不織布の表面及び
内部組織のバインダー層に付着させた。
【0041】更に、不織布を押さえロールに通しバイン
ダー層に付着していた活性炭粒子を圧着して強固に接着
させた。過剰に付着している活性炭粒子を充分に振り落
とした後、120 ℃で乾燥して活性炭粒子を含む不織布を
得た。
【0042】(実施例2)太いポリエステル繊維を包絡
させて三次元構造を有する不織布成型体を形成させた。
この様にして得られた厚さ5mmの不織布成型体を SBRラ
テックスに含浸させ、絞り用ゴムロ−ルでラテックス目
付け量を調整し、エアーブローをかけることにより、不
織布成型体の内部に生成したラテックスの膜を取り除
き、不織布成型体の表面及び内部組織の外面にもバイン
ダ−層生成させた。その成型体をヤシ殻を原料とした粒
度 28 〜70 mesh 調整した破砕状活性炭及び同サイズの
アニリン、リンゴ酸、鉄塩を担持させた活性炭混合物の
流動層の中を通過させて、活性炭粒子を不織布成型体の
表面及び内部組織のバインダー層に接着させた。
【0043】更にその不織布成型体を押さえロールに通
し、バインダー層に付着していた活性炭粒子を圧着して
強固に接着させた。過剰に付着している活性炭粒子を充
分に振り落とした後、120 ℃で乾燥して活性炭粒子を含
む不織布成型体を得た。尚、本態様の吸着材の基材であ
る不織布成型体の繊維の形状を示すため図面に代わる写
真を図1に示した。
【0044】(実施例3)ポリプロピレンからなる芯に
ポリエチレンがコーティングされた鞘からなる複合繊維
を包絡させて、三次元構造を有する不織布成型体を形成
させた。この様にして得られた厚み7mmの不織布成型体
を 130℃に加温し、表面層のポリエチレンのみ溶融さ
せ、その成型体にヤシ殻を原料とした粒度 28 〜70mesh
に調整した破砕状活性炭及び同サイズのアニリン、リン
ゴ酸、鉄塩を担持させた活性炭混合物の中を通過させ
て、活性炭粒子を不織布成型体の表面及び内部組織に付
着させた。
【0045】(実施例4)実施例1で得られた不織布を
30 g/m2のエレクトレット不織布とピッチ5mm、高さ 2
0 mmのプリーツに同時加工を行った。
【0046】実施例1で得られた不織布の活性炭粒子接
着量は 350 g/m2 であり、JISK-1474-1975 によって測
定したベンゼン吸着量は 122 g/m2 で、良好な吸着性を
有することが分かった。
【0047】実施例2及び3で得られた不織布成型体の
活性炭粒子接着量はそれぞれ0.13及び0.12 g/m2 であ
り、JIS K-1474-1975 によって測定したベンゼン吸着量
はそれぞれ 0.045及び 0.041 g/ml となって、良好な吸
着性を有することが分かった。
【0048】実施例2で得られた不織布成型体 200×20
0 ×5.4 mmをそれぞれ悪臭成分である硫化水素 500 ppm
またはトリメチルアミン 100 ppm及びアセトアルデヒド
50ppm を含む容量1m ×1m ×1m のボックス中に入れ
空気を循環しながら放置した結果、いずれも 20 分で臭
気が殆ど総て除去された。
【0049】実施例3で得られた不織布成型体の 200×
200 ×7.7 mmをそれぞれ悪臭成分である硫化水素 500 p
pmまたはトリメチルアミン 100 ppm及びアセトアルデヒ
ド50ppm を含む容量1m ×1m ×1m のボックス中に入
れ空気を循環しながら放置した結果、いずれも 20 分で
臭気が殆ど総て除去された。
【0050】
【発明の効果】本発明の吸着材は不織布または不織布成
型体の基材上に活性炭粒子が、粒子間の空隙率が高い状
態で均一に分散され、且つ活性炭粒子の表面が露出した
状態で保持されているため、吸着速度が高く吸着容量も
大きい。更に、通気性が良好な粗な繊維組織となってい
るから圧力損失が極めて低く、ガスの流動性が乏しい雰
囲気或いは風量が大きい状態での使用に適している。こ
の不織布または不織布成型体吸着材は更に1枚をプリー
ツ状としたり、或いは複数枚を重ねてプリーツ状として
使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着材の一態様の基材である不織布成
型体の繊維の形状を示すための図面に代わる顕微鏡写真
(10倍) である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性が良好な不織布または不織布成型
    体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス
    或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接
    着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層
    に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を
    露出された状態に保持せしめてなる吸着材。
  2. 【請求項2】 通気性が良好な不織布または不織布成型
    体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス
    或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接
    着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層
    に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を
    露出された状態に保持せしめ、更に該不織布または不織
    布成型体の表面に、ラテックス或いはエマルジョンまた
    は溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるコート層を
    形成せしめてなる吸着材。
  3. 【請求項3】 通気性が良好な不織布または不織布成型
    体の、表面及び内部組織の外気との接触面を溶融させて
    活性炭粒子を接着せしめ、粒子表面の一部を露出された
    状態に保持せしめてなる吸着材。
  4. 【請求項4】 通気性が良好な不織布または不織布成型
    体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス
    或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接
    着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層
    に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を
    露出された状態に保持せしめてなる吸着材と、エレクト
    レット処理した不織布を重ね合わせ要すればプリーツ状
    に成型せしめてなる吸着材。
  5. 【請求項5】 通気性が良好な不織布または不織布成型
    体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス
    或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接
    着剤からなるバインダー層を形成させた後、該シートを
    活性炭粒子の流動層中を通過させることにより、不織布
    または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触
    面に活性炭粒子を付着させ、粒子表面の少なくとも一部
    を露出された状態に保持させることを特徴とする吸着材
    の製法。
  6. 【請求項6】 吸着材が自動車に搭載するエアーコンデ
    ィショナーまたは空気清浄器用である請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載された吸着材または吸着材の製法。
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