JPH09280149A - 筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火時期制御装置

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JPH09280149A
JPH09280149A JP8193672A JP19367296A JPH09280149A JP H09280149 A JPH09280149 A JP H09280149A JP 8193672 A JP8193672 A JP 8193672A JP 19367296 A JP19367296 A JP 19367296A JP H09280149 A JPH09280149 A JP H09280149A
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和正 飯田
Hiroki Tamura
宏記 田村
Katsuhiko Miyamoto
勝彦 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノッキングを防止しながら、加速運転時にお
ける出力や燃費の向上を実現した筒内噴射型火花点火式
内燃機関の点火時期制御装置を提供する。 【解決手段】 ECUは、スロットル開度変化Δθ等に
より加速を検出すると、壁温Tcwの上昇遅れを考慮し、
スロットル開度θTHに対応した進角量をもって点火進角
を行う。そして、壁温Tcwの上昇によるノッキングを防
止するべく、進角制御時間txの経過時点で進角量が0
となるように進角量を漸減させてゆく。また、加速運転
中に再加速が行われた場合には、壁温Tcwの上昇率の変
化に対応するべく、その時点で進角量と進角制御時間t
xを改めて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に搭載さ
れる筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火時期制御装置
に係り、詳しくは、ノッキングを防止しながら、過渡運
転時における出力や燃費の向上を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等に搭載される燃料噴射火
花点火式内燃機関では、有害排出ガス成分の低減や燃費
の向上等を図るため、旧来の吸気管噴射型火花点火式内
燃機関(以下、吸気管噴射ガソリンエンジン)に代えて
燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射型のもの(以下、
筒内噴射ガソリンエンジン)が種々提案されている。筒
内噴射ガソリンエンジンでは、例えば、低負荷運転時に
は圧縮行程において燃料噴射弁からピストン頂部に設け
たキャビティ内に燃料を噴射することで、点火時点にお
いて点火プラグの周囲に理論空燃比に近い空燃比の混合
気を生成させている。これにより、全体に希薄な空燃比
でも着火が可能となり、COやHCの排出量が減少する
と共に、アイドル運転時や低負荷運転時の燃費を大幅に
向上させることができる。また、高負荷運転時には、吸
気行程において燃焼室全体に均質な燃料噴射を行い、ス
トイキオまたはリッチな混合気を生成して出力の増大を
図っている。そして、燃料噴射量を増減させる際に、吸
気管による移送遅れがないため、加減速レスポンスも非
常に良好となる。
【0003】ところで、火花点火式のエンジンでは、周
知のように、点火時期の設定が出力や燃費等を決定する
重要なファクターとなる。すなわち、同一の条件で混合
気を燃焼させる場合では、最も大きな発生トルクが得ら
れる点火時期(MBT:Minimam spark advance for th
e Best Torque)が一義的に存在し、これよりアドバン
ス(進角)あるいはリタード(遅角)させると、燃焼圧
力の有効利用が図られなくなって出力も燃費も低下す
る。また、MBTで点火した場合、燃料のオクタン価や
機関負荷等に応じてノッキングが発生するため、一般的
には、殆どの運転領域でMBTに対して所定量のリター
ドが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、点火時期の設定
には、エンジン回転数や機関負荷等をパラメータとする
点火時期マップが用いられるが、過渡運転領域において
は、点火時期マップから得られる基本点火時期に対して
更にリタードあるいはアドバンスさせる制御が行われて
いる。例えば、特開平2-223647号公報等には、吸気管噴
射ガソリンエンジンでのノッキングの防止や出力の向上
を図るべく、加速運転開始時には点火時期を一時的にリ
タードさせ、その後所定期間に亘ってアドバンスさせる
技術が開示されている。加速運転開始時のリタードは、
加速増量された燃料の多くが吸気管の壁面に付着し、燃
料中のオクタン価の低い成分(すなわち、揮発性の高い
成分)が先に燃焼室内に流入することに対応したもの
で、これによりノッキングの発生を防止する。一方、そ
の後のアドバンスは、加速運転開始後にも暫くの期間は
燃焼室の壁温が上昇せず、点火時期をMBTに近づけて
もノッキングが生じにくいことに対応させたもので、こ
れにより出力の向上を図る。
【0005】ところで、筒内噴射ガソリンエンジンにお
いては燃料が燃焼室内に直接噴射されるため、オクタン
価の低い成分が先に燃焼室内に流入するような事態は発
生しない。したがって、上述した吸気管噴射ガソリンエ
ンジン用の点火時期制御を適用した場合、加速運転開始
時に不要なリタードが行われて出力や燃費が徒に低下す
ることになる。そこで、従来から、筒内噴射ガソリンエ
ンジン用として、過渡運転時にも最適な点火時期制御を
実現する点火時期制御装置の出現が要望されていた。
【0006】本発明は上記状況に鑑みなされたもので、
ノッキングを防止しながら、加速運転時における出力や
燃費の向上を実現した筒内噴射型火花点火式内燃機関の
点火時期制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1では、
この目的を達成するために、燃焼室内に直接噴射された
燃料を点火装置により点火する筒内噴射型火花点火式内
燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置であっ
て、少なくとも前記内燃機関の負荷と回転数とに基づい
て点火時期を設定する点火時期設定手段と、前記内燃機
関が加速運転に移行した場合、燃焼室内の壁温上昇遅れ
に対応させて加速運転開始直後から所定期間に亘って前
記点火時期を進角補正する点火時期補正手段とを備えた
ものを提案する。
【0008】また、請求項2では、請求項1の点火時期
制御装置において、前記内燃機関の運転状態を判定する
運転状態判定手段を更に備え、前記点火時期補正手段
は、当該運転状態判定手段により判定された加速運転開
始直前の運転状態が高負荷運転状態であった場合、前記
進角補正を抑制または中止するものを提案する。また、
請求項3では、請求項1の点火時期制御装置において、
前記内燃機関の運転状態を判定する運転状態判定手段を
更に備え、この運転状態判定手段は、当該内燃機関の出
力制御部材が所定速度以上で加速側に変位し、かつ、当
該内燃機関の負荷と回転数とにより決まる運転状態量が
所定の加速領域にあるときに前記進角補正を行うものを
提案する。
【0009】また、請求項4では、請求項1〜3の点火
時期制御装置において、前記点火時期補正手段は、少な
くとも前記内燃機関の負荷状態に対応した進角補正量を
記憶した記憶手段を有し、当該内燃機関が加速運転に移
行した場合、加速運転開始直後の第1負荷状態に対応す
る進角補正量を当該記憶手段から読み出して進角補正を
行うと共に、燃焼室壁面の温度上昇に応じて予め定めら
れたテーリングパターンに従って進角補正量を漸減させ
る一方、この進角補正の継続中に前記内燃機関の負荷状
態が前記第1負荷状態と異なる第2負荷状態に移行した
場合、当該第2負荷状態に対応する進角補正量を前記記
憶手段から読み出して新たに進角補正を行うものを提案
する。
【0010】また、請求項5では、燃焼室内に直接噴射
された燃料を点火装置により点火する筒内噴射型火花点
火式内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置で
あって、少なくとも負荷およびエンジン回転数に基づい
て、定常運転状態における最適点火時期を予め設定した
点火時期設定手段と、実際の運転状態における壁温また
は当該壁温と相関するパラメータを検出または推定する
壁温検出手段と、所定負荷以上の運転状態において、前
記壁温検出手段により検出または推定された壁温が同一
運転状態における定常的な壁温より低い場合、前記最適
点火時期を進角補正する進角補正手段とを備えたものを
提案する。
【0011】請求項6では、前記点火時期補正手段は、
前記回転数と負荷とから予め設定された特定の高負荷領
域とその他の領域とを有し、前記内燃機関の運転状態が
前記特定の高負荷領域にあるときに点火時期の進角補正
を行うものを提案する。この場合、特定の高負荷領域と
は、ある回転数範囲内で所定負荷以上であることが好ま
しい。
【0012】請求項7では、前記点火時期補正手段によ
る進角量の反映度合いを決定する学習補正値が設定さ
れ、前記特定の高負荷領域では前記学習補正値による進
角反映度合いを減らす方向に変化させ、その他の領域で
は進角反映度合いを増やす方向に変化させるものを提案
する。この場合、その領域をある負荷を基準に低負荷領
域と中負荷領域とに分け、中負荷領域にて学習補正値に
よる進角反映度合を減らす方向に設定しても良い。
【0013】請求項8では、前記学習補正値の変化速度
は、進角反映度合いを減らす方向には速く、増やす方向
には遅く設定されているものを提案する。請求項9で
は、燃焼室内に直接噴射された燃料を点火装置により点
火する筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火時期を制御
する点火時期制御装置であって、前記内燃機関の各負荷
状態に応じて定常的に得られる燃焼室壁温に対応させて
前記各負荷状態における定常最適点火時期を予め設定し
た点火時期設定手段と、前記負荷状態が増大側に急変す
る過渡時には所定期間に亘り前記定常最適点火時期を更
に進角させる進角補正手段とを備えたものを提案する。
【0014】定常最適点火時期とは、各負荷における定
常的に得られる壁温において、ノッキングが発生せず、
且つ高トルクが得られる時期を意味し、特に中負荷以上
においてはノッキングの発生しない最も進んだ時期(M
BTに最も近いノッキングの発生しない時期)に設定さ
れる(但し、アイドル時は例外)。また、「急変」と
は、負荷変化に伴う壁温の上昇速度に比べ速い変化を指
す。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。 (実施例1)図1は本発明を適用したエンジン制御シス
テムの一実施形態を示す概略構成図であり、図2は実施
形態に係る筒内噴射ガソリンエンジンの縦断面図であ
る。これらの図において、1は自動車用の筒内噴射型直
列4気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記
す)であり、燃焼室を始め吸気装置やEGR装置等が筒
内噴射専用に設計されている。
【0016】本実施形態の場合、エンジン1のシリンダ
ヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ3と共に電磁式の
燃料噴射弁4も取り付けられており、燃焼室5内に直接
燃料が噴射されるようになっている。また、シリンダ6
に上下摺動自在に保持されたピストン7の頂面には、圧
縮行程後期に燃料噴射弁4からの燃料噴霧が到達する位
置に、半球状のキャビティ8が形成されている。また、
このエンジン1の理論圧縮比は、吸気管噴射型のものに
比べ、高く(本実施形態では、12程度)設定されてい
る。動弁機構としてはDOHC4弁式が採用されてお
り、シリンダヘッド2の上部には、吸排気弁9,10を
それぞれ駆動するべく、吸気側カムシャフト11と排気
側カムシャフト12とが回転自在に保持されている。
【0017】シリンダヘッド2には、両カムシャフト1
1,12の間を抜けるようにして、略直立方向に吸気ポ
ート13が形成されており、この吸気ポート13を通過
した吸気流が燃焼室5内で後述する逆タンブル流を発生
させるようになっている。一方、排気ポート14につい
ては、通常のエンジンと同様に略水平方向に形成されて
いるが、斜め下方に大径のEGRポート15(図2には
図示せず)が分岐している。図中、16は冷却水温Tw
を検出する水温センサであり、17は各気筒の所定のク
ランク位置(本実施形態では、5°BTDCおよび75°BTD
C)でクランク角信号SGTを出力するベーン型のクラ
ンク角センサであり、19は点火プラグ3に高電圧を出
力する点火コイルである。尚、クランクシャフトの半分
の回転数で回転するカムシャフトには、気筒判別信号S
GCを出力する気筒判別センサ(図示せず)が取り付け
られ、クランク角信号SGTがどの気筒のものか判別さ
れる。
【0018】図2に示したように、吸気ポート13に
は、サージタンク20を有する吸気マニホールド21を
介して、エアクリーナ22,スロットルボディ23,ス
テッパモータ式のISCバルブ(アイドルスピードコン
トロールバルブ)24を具えた吸気管25が接続してい
る。更に、吸気管25には、スロットルボディ23を迂
回して吸気マニホールド21に吸入気を導入する、大径
のエアバイパスパイプ26が併設されており、その管路
にはリニアソレノイド式で大型のABV(エアバイパス
バルブ)27が設けられている。尚、エアバイパスパイ
プ26は、吸気管25に準ずる流路面積を有しており、
ABV27が略全開した状態でエンジン1の低中速域で
要求される量の吸入気が流通可能となっている。尚、ス
ロットルボディ23には、流路を開閉するバタフライ式
のスロットルバルブ28と共に、スロットルバルブ28
の開度θTHを検出するスロットルセンサ29と、全閉状
態を検出するアイドルスイッチ30とが備えられてい
る。図中、31は吸気管圧力Pbを検出するブースト圧
(MAP:Manifold Absolute Pressure)センサであ
り、サージタンク20に接続している。
【0019】一方、排気ポート14には、O2センサ4
0が取付けられた排気マニホールド41を介して、三元
触媒42や図示しないマフラー等を具えた排気管43が
接続している。また、EGRポート15は、大径のEG
Rパイプ44を介して、吸気マニホールド21の上流に
接続されており、その管路にはステッパモータ式のEG
Rバルブ45が設けられている。
【0020】燃料タンク50は、図示しない車体後部に
設置されている。そして、燃料タンク50に貯留された
燃料は、電動式の低圧燃料ポンプ51に吸い上げられ、
低圧フィードパイプ52を介して、エンジン1側に送給
される。低圧フィードパイプ52内の燃圧は、リターン
パイプ53の管路に介装された第1燃圧レギュレータ5
4により、比較的低圧(以下、低燃圧と記す)に調圧さ
れる。エンジン1側に送給された燃料は、シリンダヘッ
ド2に取り付けられた高圧燃料ポンプ55により、高圧
フィードパイプ56とデリバリパイプ57とを介して、
各燃料噴射弁4に送給される。本実施形態の場合、高圧
燃料ポンプ55は斜板アキシャルピストン式であり、排
気側カムシャフト12により駆動され、エンジン1のア
イドル運転時にも50〜60kg/mm2以上の吐出圧を発生す
る。デリバリパイプ57内の燃圧は、リターンパイプ5
8の管路に介装された第2燃圧レギュレータ59によ
り、比較的高圧(以下、高燃圧と記す)に調圧される。
図中、60は第2燃圧レギュレータ59に取付けられた
電磁式の燃圧切換弁であり、オン状態で燃料をリリーフ
して、デリバリパイプ57内の燃圧を低燃圧に低下させ
る。また、61は高圧燃料ポンプ55の潤滑や冷却等を
行った燃料を燃料タンク50に還流させるリターンパイ
プである。
【0021】車室内には、図示しない入出力装置,制御
プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置
(ROM,RAM,BURAM等),中央処理装置(C
PU),タイマカウンタ等を具えた、ECU(エンジン
制御ユニット)70が設置されており、エンジン1の総
合的な制御を行う。ECU70の入力側には、上述した
各種のセンサ類等からの検出情報が入力する。ECU7
0は、これらの検出情報に基づき、燃料噴射モードや燃
料噴射量を始めとして、点火時期やEGRガスの導入量
等を決定し、燃料噴射弁4や点火コイル19,EGRバ
ルブ45等を駆動制御する。尚、ECU70には、その
入力側に図示しない多数のスイッチやセンサ類が接続す
る一方で、出力側にも各種警告灯や機器類等が接続して
いる。
【0022】次に、エンジン制御の基本的な流れを説明
する。冷機時において、運転者がイグニッションキーを
オン操作すると、ECU70は、低圧燃料ポンプ51と
燃圧切換弁60をオンにして、燃料噴射弁4に低燃圧の
燃料を供給する。これは、エンジン1の停止時やクラン
キング時には、高圧燃料ポンプ55が全くあるいは不完
全にしか作動しないため、要求燃料噴射量を低圧燃料ポ
ンプ51の吐出圧と燃料噴射弁4の開弁時間とから得る
しかないためである。次に、運転者がイグニッションキ
ーをスタート操作すると、図示しないセルモータにより
エンジン1がクランキングされ、同時にECU70によ
る燃料噴射制御が開始される。この時点では、ECU7
0は、前期噴射モード(すなわち、吸気行程での噴射モ
ード)を選択し、比較的リッチな空燃比となるように燃
料を噴射する。これは、冷機時には燃料の気化率が低い
ため、後期噴射モード(すなわち、圧縮行程での噴射モ
ード)に基づいて燃料噴射を行った場合、失火や未燃燃
料(HC)の排出が避けられないからである。また、E
CU70は、始動時にはABV27を閉鎖するため、燃
焼室5への吸入空気はスロットルバルブ28の隙間やI
SCバルブ24から供給される。尚、ISCバルブ24
とABV27とは、ECU70により一元管理されてお
り、スロットルバルブ28を迂回する吸入気(バイパス
エア)の必要導入量に応じてそれぞれの開弁量が決定さ
れる。
【0023】始動が完了してエンジン1がアイドル運転
を開始すると、高圧燃料ポンプ55が定格の吐出作動を
始めるため、ECU70は、燃圧切換弁60をオフにし
て燃料噴射弁4に高圧の燃料を供給する。この際には、
当然のことながら、要求燃料噴射量は高圧燃料ポンプ5
5の吐出圧と燃料噴射弁4の開弁時間とから得ることが
できる。そして、冷却水温Twが所定値に上昇するまで
は、ECU70は、始動時と同様に前期噴射モードを選
択して燃料を噴射すると共に、ABV27も継続して閉
鎖する。また、エアコン等の補機類の負荷の増減に応じ
たアイドル回転数の制御は、吸気管噴射型と同様にIS
Cバルブ24によって行われる。更に、所定サイクルが
経過してO2センサ40が活性化されると、ECU70
は、O2センサ40の出力電圧に応じて空燃比フィード
バック制御を開始し、有害排出ガス成分を三元触媒42
により浄化させる。このように、冷機時においては、吸
気管噴射型と略同様の燃料噴射制御が行われるが、吸気
管13の壁面への燃料滴の付着等がないため、制御の応
答性や精度は高くなる。
【0024】エンジン1の暖機が終了すると、ECU7
0は、吸気管圧力Pbやスロットル開度θTH等から得た
目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとに基づき、
図3の燃料噴射制御マップから現在の燃料噴射制御領域
を検索し、燃料噴射モードと燃料噴射量と燃料噴射時期
とを決定して燃料噴射弁4を駆動する他、ABV27や
EGRバルブ45の開閉制御等も行う。尚、当然のこと
であるが、燃料噴射量は燃料噴射弁4の開弁時間幅と比
例関係にある。
【0025】例えば、アイドル運転時や低速走行時等の
低負荷域は図3中の後期噴射リーン域となるため、EC
U70は、後期噴射モードを選択すると共にABV27
を開放し、リーンな平均空燃比(本実施形態では、30〜
40程度)となるように燃料を噴射する。この時点では、
図4に示したように吸気ポート13から流入した吸気流
が矢印で示す逆タンブル流80を形成するため、燃料噴
霧81がピストン7のキャビティ8内に保存される。そ
の結果、点火時点において点火プラグ3の周囲には理論
空燃比近傍の混合気が層状に形成されることになり、全
体としてリーンな空燃比でも着火が可能となる。これに
より、COやHCの排出が極く少量に抑えられると共
に、ポンピングロスの低減も相俟って燃費が大幅に向上
する。そして、補機負荷等の増減に応じたアイドル回転
数の制御は、燃料噴射量を増減させることにより行うた
め、制御応答性も非常に高くなる。また、ECU70
は、この制御領域ではEGRバルブ45を開放し、燃焼
室5内に大量(本実施形態では、30%以上)のEGRガ
スを導入することにより、NOXも大幅に低減させる。
【0026】また、定速走行時等の中負荷域は、その負
荷状態やエンジン回転速度Neに応じて、図3中の前期
噴射リーン域あるいはストイキオフィードバック域とな
るため、ECU70は、前期噴射モードを選択すると共
に、所定の空燃比となるように燃料を噴射する。すなわ
ち、前期噴射リーン域では、比較的リーンな空燃比(本
実施形態では、20〜23程度)となるようにABV27の
開弁量と燃料噴射量とを制御し、EGRバルブ45は閉
鎖する。また、ストイキオフィードバック域では、AB
V27を開閉制御すると共に、O2センサ40の出力電
圧に応じて空燃比フィードバック制御を行う。この場
合、図5に示したように吸気ポート13から流入した吸
気流が逆タンブル流80を形成するため、逆タンブル流
80による乱れの効果により、リーンな空燃比でも着火
が可能となる。尚、ECU70は、このストイキオフィ
ードバック域でもEGRバルブ45を開放し、燃焼室5
内に適量のEGRガスを導入することにより、NOX
低減させる。また、この制御領域では、比較的高い圧縮
比により大きな出力が得られると共に、有害排出ガス成
分が三元触媒42により浄化される。
【0027】そして、急加速時や高速走行時等の高負荷
域は図3中のオープンループ制御域となるため、ECU
70は、前期噴射モードを選択すると共にABV27と
EGRバルブ45とを閉鎖し、スロットル開度θTHやエ
ンジン回転速度Ne 等に応じて、比較的リッチな空燃比
となるように燃料を噴射する。この際には、圧縮比が高
いことや吸気流が逆タンブル流80を形成することの
他、吸気ポート13が燃焼室5に対して略直立している
ため、慣性効果によっても高い出力が得られる。
【0028】更に、中高速走行中の惰行運転時は図3中
の燃料カット域となるため、ECU70は、燃料噴射を
停止する。これにより、燃費が向上すると同時に、有害
排出ガス成分も全く排出されなくなる。尚、燃料カット
は、エンジン回転速度Neが復帰回転速度より低下した
場合や、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合には
即座に中止される。
【0029】以下、図6〜図10のフローチャートに基
づき、本実施形態における点火時期制御と加速時進角制
御との手順を説明する。運転者がイグニッションキーを
ONにしてエンジン1が始動すると、ECU30は、所
定の制御インターバル(例えば、10ms)で、図6,図
7のフローチャートに示した点火時期制御サブルーチン
を繰り返し実行する。このサブルーチンを開始すると、
ECU70は先ずステップS1で各種の運転情報を読み
込んだ後、ステップS3でシリンダ6の壁温TcwをRA
Mから読み出す。
【0030】本実施形態では、エンジン1の運転中に
は、点火時期制御サブルーチンと並行して、図8に示し
た壁温推定サブルーチンによりシリンダ6の壁温Tcwの
推定が繰り返し行われている。壁温推定サブルーチンに
おいて、ECU70は、先ずステップS31で、始動フ
ラグFstが1か否であるかを判定する。始動フラグFst
は、エンジン1の始動時を判別するためのフラグであ
り、イグニッションキーをONにする毎に0にリセット
される。エンジン1の始動時(再始動時も含む)にはこ
の判定がNo(否定)となるため、ECU70は、ステ
ップS33で壁温Tcwを冷却水温Tw(一般的には、2
0℃〜95℃)としてRAMに記憶した後、ステップS
35で始動フラグFstを1とする。また、2回目以降の
処理ではステップS31の判定がYes(肯定)となるた
め、ECU70は、ステップS37で、壁温Tcwとスロ
ットル開度θTHとエンジン回転数Neとをパラメータと
する関数g(Tcw,θTH,Ne)により壁温増減量ΔT
を求め、ステップS39でこれを壁温Tcwの前回値に加
算してRAMに記憶する。尚、壁温増減量ΔTは、壁温
Tcwに対して燃焼室側表面の平均温度が高くなる運転状
態では正の値となり、逆の場合には負の値となる。した
がって、エンジン1の暖機終了後の定常運転時には、壁
温Tcwは負荷状態に応じて所定の温度で平衡することに
なる。
【0031】ステップS3での壁温Tcwの読み込みを終
えると、ECU70は、ステップS5で、エンジン回転
数Neやスロットル開度θTH等に基づき、基本目標平均
有効圧Pebaseを推定する。次に、ECU70は、ステ
ップS7で壁温Tcwが所定値TcwA(例えば、150
℃)より低いか否かを判定する。尚、ステップS7では
壁温Tcwと所定値TcwAとを比較しているが、所定値Tc
wAに代え、壁温Tcw推定時における内燃機関の運転状態
に応じて変化する値を用いるようにしてもよい。ステッ
プS7の判定がYesであれば、ステップS9でアイドル
スイッチ30がOFFである(スロットルバルブ28が
閉鎖状態にない)か否かを判定する。ECU70は、こ
の判定もYesであれば、ステップS11でスロットルバ
ルブ28の開弁速度Δθが所定値Δθxより大きいか否
かを判定し、この判定がYesであれば、図7のステップ
S13で現在の運転状態が加速領域にあるか否かを更に
判定する。そして、この判定がYesであった場合には、
ECU70は、ステップS15で後述する加速時進角制
御サブルーチンを実行する。尚、スロットルバルブ28
の開弁速度Δθは、スロットルセンサ29から入力した
スロットルバルブ28の開度θTHの変化を時間微分する
ことにより得られ、また、運転状態が加速領域にあるか
否かは、基本目標平均有効圧Pebaseとエンジン回転数
Neとに基づき、図11のマップから判定される。
【0032】さて、ステップS7〜S13の判定のいず
れか一つでもNoであった場合、ECU70は、加速時
進角制御に移行せず、通常の点火時期制御を実行する。
すなわち、ECU70は、先ずステップS17で基本目
標平均有効圧Pebaseを目標平均有効圧Peとした後、ス
テップS19で、エンジン1の負荷情報を代表する目標
平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに基づき、図12
の基本点火時期マップから基本点火時期Θ1を検索す
る。しかる後、ECU70は、ステップS21で点火コ
イル19を駆動し、点火プラグ3に高電圧を出力して点
火を行わせる。尚、このエンジン1では、図3に示すよ
うに目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに基づき
噴射・空燃比のモードが設定され、図12の基本点火時
期マップは各モードに対応した基本点火時期データを具
備している。
【0033】一方、ステップS7〜S13の判定が全て
Yesであった場合、ECU70は、図9,図10に示し
た加速時進角制御サブルーチンを実行する。このサブル
ーチンにおいて、ECU70は、先ず図9のステップS
41で、進角制御フラグFADが1か否であるかを判定す
る。進角制御フラグFADは、加速時進角制御が開始され
たことを判別するためのフラグであり、イグニッション
キーをONにした時点では0にリセットされている。し
たがって、初回の処理ではこの判定がNoとなり、EC
U70は、ステップS43でプログラム変数nを1とす
ると共にタイマtをスタートさせ、更にステップS45
で進角制御フラグFADを1とする。
【0034】次に、ECU70は、ステップS47で、
今回のスロットル開度θTH(n)とタイマt(制御経過時
間)との値に基づき、関数f(θTH(n),t)を用いて
時間係数Ktを算出した後、ステップS49で、時間係
数Ktに基づき、関数h(Kt)を用いて進角制御時間t
xを算出する。尚、時間係数Ktは、スロットル開度θTH
(n)やタイマtの値が大きくなるにつれ、小さな値とな
り、進角制御時間txは、時間係数Ktの値が大きくなる
につれ、大きな値となる。
【0035】時間係数Ktと進角制御時間txとの算出を
終えると、ECU70は、ステップS51で、下式によ
り目標平均有効圧Peを算出する。ここで、Pe'(θT
H)はスロットル開度θTH(n)に応じて設定される負荷補
正値であり、KNeはエンジン回転数Neに応じて設定さ
れる回転数係数である。 Pe=Pebase−Pe'(θTH)・KNe・Kt 次に、ECU70は、ステップS53で、目標平均有効
圧Peとエンジン回転数Neとに基づき、図12の基本点
火時期マップから基本点火時期Θ1を検索し、ステップ
S55で、点火コイル19を駆動して、点火プラグ3に
高電圧を出力して点火を行わせる。これにより、図13
に示したように、加速直後には点火時期Θが大幅に進角
され、燃費や出力が向上することになる。尚、この場
合、加速が行われる前の低負荷・低回転域での運転によ
り壁温Tcwが十分に低下しているため、進角によるノッ
キングは発生しない。
【0036】ステップS55での点火コイル19の駆動
を終えると、ECU70は、ステップS57でプログラ
ム変数nに1を加算した後、ステップS59でタイマt
の値が進角制御時間txを超えたか否かを判定し、この
判定がNoであればスタートに戻って制御を繰り返す。
さて、このサブルーチンにおける2回目以降の処理で
は、ステップS41の判定がYesとなるため、ECU7
0は、ステップS61で各種の運転情報を読み込んだ
後、ステップS63で、吸気管圧力Pbやスロットル開
度θTH等に基づき、基本目標平均有効圧Pebaseを推定
する。次に、ECU70は、ステップS65でスロット
ルバルブ開度の今回値θTH(n)が前回値θTH(n-1)と等し
いか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップ
S67で時間係数Ktを改めて算出する。この際、タイ
マtの値が制御の進行に伴って大きくなるため、前述し
たように、時間係数Ktの値は小さくなる。
【0037】ステップS67での時間係数Ktの算出を
終えると、ECU70は、ステップS51以降の処理に
移行して、目標平均有効圧Peの算出や基本点火時期Θ1
の検索等を行う。この際、時間係数Ktの値の減少に応
じて目標平均有効圧Peが低下するため、図13に示し
たように、点火時期Θの進角量も漸減する。これによ
り、負荷の増大により壁温Tcwが上昇しても、点火時期
Θが壁温Tcwの上昇量に見合って遅角される(すなわ
ち、壁温Tcwの上昇に対応する)ことになり、ノッキン
グの発生が防止される。尚、スロットル開度θTH(n)の
値が大きくなるにつれ、ノッキングが発生する壁温まで
の温度上昇が速くなることから、時間係数Kt(すなわ
ち、進角量の初期値)や進角制御時間txの値が小さく
なるように設定されており、このため壁温Tcwの上昇速
度が大きくなる高負荷時には比較的短時間で進角制御が
終了することになる。
【0038】一方、ステップS65での判定がNo、す
なわち、スロットル開度の今回値θTH(n)が前回値θTH
(n-1)に対して増減した場合、ECU70は、ステップ
S47およびステップS49で時間係数Ktと進角制御
時間txとを改めて算出した後、ステップS51以降の
処理に移行して、目標平均有効圧Peの算出や基本点火
時期Θ1の検索等を行う。これにより、負荷の増減によ
り壁温Tcwの上昇速度が変化しても、最適な点火時期Θ
の進角が行われることになる。図13には、例えば加速
途中にスロットル開度θTHが増加した場合(再加速が行
われた場合)を示してあるが、この図から再加速時には
進角量が減少すると共に進角制御時間の総計も小さくな
り、加速直後の加速変化にも対応させていることが判
る。仮に、加速途中にスロットル開度θTHが減少した場
合には、進角量を増大させ、進角制御時間の総計をも大
きくする。尚、上述した説明では、進角量と進角制御時
間とを同時に増減させているが、発進時や走行時におけ
る加速のように運転状態が異なる場合には、要求される
出力等も異なるため、進角量と進角制御時間とのいずれ
か一方を増加させ、他方を減少させるように設定しても
よい。
【0039】制御の経過により、タイマtの値が進角制
御時間txを超えてステップS59の判定がYesになる
と、ECU70は、ステップS69で進角制御フラグF
ADを0にリセットした後、加速時進角制御サブルーチン
を終了する。これ以降、ECU70は、図6,図7の点
火時期制御サブルーチンに復帰し、通常の点火時期制御
を行う。
【0040】このように、本実施形態では、壁温Tcwが
比較的低い加速初期において、ノッキングが生じない範
囲で点火進角を行うようにしたため、出力の上昇による
加速性能の向上が得られると共に、燃料エネルギーの有
効利用が図られて燃費も向上する。尚、上記実施形態で
は加速時の進角制御にあたって目標平均有効圧を補正す
るようにしたが、スロットル開度等から進角補正量を求
めるマップを作成し、これにより得られた進角補正量を
基本点火時期に加算するような方法や、加速時の目標平
均有効圧から直接に基本点火時期を求め、その後に基本
点火時期に補正係数を乗じて加速時に対応する点火時期
を求める方法、または加速時専用の点火時期マップを別
に設定する方法や、以下に詳述する方法を採ってもよ
い。 (実施例2)次に、図1に示すエンジン制御システムの
他の制御例について説明する。
【0041】ECU70は、ノッキング等を考慮した上
で負荷とエンジン回転数Neとで決まる定常運転時の基
本点火時期をΘ1(図12参照)、過渡運転時(高負荷
運転時)に基本点火時期Θ1を進角補正するための点火
時期補正値をΘ2、点火時期補正値Θ2の反映度合を決定
する学習補正値をG(0≦G≦1)、吸気温や水温等の
他のパラメータによる補正値をKとした場合に、最終的
な点火時期Θを下式により算出する。
【0042】 Θ=Θ1+(Θ2・G)+K …(エンジン1が図14の領域C内で運転される場合) Θ=Θ1+K …(エンジン1が図14の領域C以外で運転される場合) ここで、領域Cとは、図14において、下限設定回転数
RPML(例えば、アイドル回転数より若干低い回転数)
と上限設定回転数 RPMH(例えば、それ以上の加速があ
まり望めない最高回転数近くの回転数)との間の回転数
範囲でエンジン1が高負荷運転状態(好ましくは、全開
運転状態)にある領域、すなわち、運転者が最も加速感
を要求し、出力トルクの増加を必要とする領域である。
また、領域Cにおける進角補正を燃焼室壁温Tcwの上昇
に応じて抑制・停止するために、学習補正値Gが設定さ
れる。この学習補正値Gは、定常運転時の燃焼室壁温T
cwが比較的低く保たれる領域Aでの運転中には、時間の
経過とともに徐々に最大値1に近づき、定常運転時の燃
焼室壁温Tcwが比較的高くなる領域A以外(領域Dを除
く)での運転中(定常運転時の燃焼室壁温Tcwが高くな
る運転中)には、時間の経過とともに徐々に最小値0に
近づく。
【0043】そして、学習補正値Gは、燃焼室壁温Tcw
と相関するように、領域A以外(領域Dを除く)の高負
荷運転領域での運転が継続されて高温となった燃焼室壁
温Tcwが、その後に領域Aでの運転が継続されて低温に
移行する速度に対応して、最小値0から最大値1への移
行速度が設定され、逆に、領域Aでの運転が継続されて
低温となった燃焼室壁温Tcwが、その後に領域A以外
(領域Dを除く)の高負荷運転領域での運転が継続され
て高温に移行する速度に対応して、最大値1から最小値
0への移行速度が設定されており、後者の移行速度が前
者の移行速度より大きくなっている。例えば、最小値0
から最大値1への移行時間は約70〜90秒程度に設定
され、最大値1から最小値0への移行時間は約20〜3
0秒程度に設定されている。更に、この学習値はECU
70内のRAMに記憶される一方、点火時期Θは、各領
域での滞留時間毎、各領域での学習値の変化方向に応じ
て随時更新される。したがって、領域Cでの点火時期Θ
の設定においては、過去の運転状態が学習値の変化によ
り反映されることとなる。
【0044】次に、この方法での制御の流れを説明する
と、運転者がイグニッションスイッチをONにしてエン
ジン1を始動させると、ECU70は先ずエンジン回転
数Neと負荷情報である目標平均有効圧Peとを読み込
む。次いで、ECU70は、これらエンジン回転数Ne
と目標平均有効圧Peとに基づいて、現在の運転状態が
図14中のいずれの領域にあるかを判定し、領域Aにあ
れば、点火時期Θを上式により算出する。そして、領域
Aでの滞留時間に応じて、学習補正値Gを最大値1に向
けて徐々に変化させる。また、領域B(領域Aと領域C
との間の中負荷領域)にあれば、ECU70は、領域A
と同様に、点火時期Θを算出し、領域Bでの滞留時間に
応じて学習補正値Gを最小値0に向けて徐々に変化させ
る。尚、領域Bは運転者による加速要求がある領域では
あるが、ECU70は、領域Bにおいては、進角補正を
行わない。その理由は、特に進角補正を行わなくとも、
吸気量調整手段(スロットル弁等)の開度調整により、
要求された出力を得ることができるためである。一方、
領域Cにあれば、ECU70は、加速領域と判定して、
学習補正値Gと点火時期補正値Θ2とに基づき点火時期
Θを進角させるが、領域Bと同様に領域Cでの滞留時間
に応じて学習補正値Gが最小値0に向けて徐々に変化す
るため、点火時期Θの進角量は時間の経過とともに低減
する。また、領域Dでは、領域A、Bと同様、上式によ
り点火時期Θを算出するが、学習補正値Gについては、
リセット(最小値0)とする。これは、燃焼室内の壁温
上昇が推定できなくなることによる。ECU70は、こ
のように領域に合わせて点火時期Θを算出した後、点火
コイル19を駆動し、点火プラグ3に高電圧を出力して
点火を行わせる。
【0045】今度は、運転状態が変化した場合について
説明する。ECU70は、領域Bや領域Cで運転されて
学習補正値Gが最小値0まで変化した直後に、運転状態
が領域Aに一旦移行し、再び領域Cに移行した場合に
は、学習補正値Gが最大値1に近づかないために領域C
での進角補正を殆ど行わない。これは、領域Aでの滞留
時間が短く、定常運転時の燃焼室壁温Tcwが十分に低下
しないため、領域Cで進角補正を行うだけのノッキング
に対する余裕がなくなることによる。また、ECU70
は、領域Aでの運転で学習補正値Gが最大値1になった
後、運転状態が領域Bに移行して長時間滞留し、その後
に領域Cに移行した場合にも、領域Bにおいて学習補正
値Gが最小値0に近い値になるため、領域Cでの進角補
正を殆ど行わない。これは、領域Bでの滞留時間が長い
ことにより、定常運転時の燃焼室壁温Tcwが高くなって
しまい、領域Cで進角補正を行うだけのノッキングに対
する余裕がなくなることによる。更に、領域A、B、C
から領域Dに移行し、その後、領域Cとなった場合、領
域Cでの進角補正は行わない。これは、領域Dにおい
て、燃焼室内の壁温がどの程度上昇するか推定できない
ためである。つまり、学習補正値Gが、点火時期補正値
Θ2に反映され領域Cに移行したからといって、点火時
期Θが積極的に進角されノッキングが発生してしまうこ
とを防止している。
【0046】次に、上記制御手順を図15のフローチャ
ートにより説明する。ECU70は、エンジンの負荷P
e、回転数Ne、及び学習補正値Gを読み込み(ステッ
プS71)、エンジン回転数Neが上限設定回転数RP
MH以上であるか否かを判定し(ステップS73)、判
定がYesのときには、学習補正値Gを0にして(ステ
ップS75)点火時期の設定を行い(ステップS9
3)、点火コイル19を駆動して点火プラグ3を点火さ
せる(ステップS95)。このときの点火時期は、基本
点火時期Θ1に設定される。エンジン回転数Neが上限
設定回転数RPMH以上である運転状態は、図14に示
す領域Dである。この領域Dは、壁温上昇の推定ができ
ない高負荷領域である。従って、この領域Dにおいて
は、点火時期Θの進角を行わない。そして、この領域D
では、予め設定されている点火時期により制御される。
【0047】ECU70は、ステップS73の判定がN
oのときには運転領域が図14の領域C(高負荷領域)
にあるか否かを判定し(ステップS77)、判定がYe
sのときには領域A、Bにおける学習補正値Gの変化の
速度を設定するタイマA、Bをリセットして停止させ、
領域Cにおける学習補正値Gの変化の速度を設定するタ
イマCを作動させ(ステップS79)、現在の学習補正
値G1を徐々に減らし(ステップS81)、ステップS
93に進む。このタイマCは、領域Cでの学習補正値G
の更新周期を設定するものであり、領域Cでは時間Tc
が経過するたびにその時の学習補正値G1を所定値ΔG
だけ減少させる。従って、この学習補正値G1は、時間
の経過に伴い即ち、領域Cにおける滞留時間に応じて徐
々に最小値0に近づく。そして、点火時期Θの進角量が
徐々に0になる。前述したようにこの領域Cにおいて
は、学習補正値Gと点火時期補正値Θ2とにより前式に
基づいて算出され、当該算出された点火時期Θに進角さ
せる。しかしながら、領域Cでの滞留時間に応じて学習
補正値Gが最小値0に向けて徐々に減少するため、点火
時期Θの進角量は、時間の経過と共に小さくなる。
【0048】ECU70は、ステップS77の判定がN
oのとき即ち、運転状態が領域Cにないときにはタイマ
Cをリセットして作動を停止させ(ステップS83)、
領域Aにあるか否かを判定し(ステップS85)、当該
判定がNoのとき即ち、領域BにあるときにはタイマA
もリセットして停止させ、タイマBを作動させて(ステ
ップS91)、現在の学習補正値G1を徐々に減らし
(ステップS81)、ステップS93に進む。このタイ
マBは、領域Bでの学習補正値Gの更新周期を設定する
ものであり、領域Bでは時間Tb(Tb>Tc)が経過す
るたびにその時の学習補正値G1をΔGだけ減少させ
る。従って、領域Bにおける学習補正値Gの変化速度
は、領域Cにおける変化速度より遅い。そして、この学
習補正値G1は、時間の経過に伴い即ち、領域Bにおけ
る滞留時間に応じて徐々に最小値0に近づく。この領域
Bにおいては、点火時期Θは基本点火時期Θ1により前
式に基づいて算出され、進角補正は行わない。
【0049】ECU70は、ステップS85の判定がY
esのとき即ち、領域AにあるときにはタイマAを作動
させ、タイマBをリセットして停止させ(ステップS8
7)、現在の学習補正値G1を徐々に増やし(ステップ
S89)、ステップS93に進む。このタイマAは、領
域Aでの学習補正値Gの更新周期を設定するものであ
り、領域Aでは、時間Ta(Ta>Tb)が経過するたび
にその時の学習補正値G1をΔGだけ増大させる。尚、
領域Aにおける学習補正値Gの増大速度は、領域Bにお
ける速度より更に遅い。そして、この学習補正値G
1は、時間の経過に伴い即ち、領域Aにおける滞留時間
に応じて徐々に最大値1に近づく。そして、この領域A
においては、点火時期Θは、基本点火時期Θ1により前
式に基づいて算出され、進角補正は行わない。
【0050】ECU70は、点火時期設定マップを備え
ており、学習補正値Gに応じて点火時期を設定する。学
習補正値Gは、前述したように進角反映度合いを減らす
方向の変化(最大値1から最小値0に減少する速度)
が、進角反映度合いを増やす方向の変化(最小値0から
最大値1に増加する速度)よりも速くなるように設定さ
れている。尚、学習補正値Gの減少する速さは、一律で
も良い(即ち、本実施例の場合Tb>Tcとする。)が、
高い領域(高負荷)ほどシリンダの発生する熱量が大き
いことから、本実施形態のように高負荷領域ほど速い速
度で学習補正値Gを減少させるようにした方が好まし
い。
【0051】また、学習補正値Gを領域Dにおいてリセ
ット(最小値0)としているが、領域BやCのように滞
留時間に応じて学習補正値Gを徐々に減少するよう設定
しても良い。このとき、領域BやCでの学習補正値Gの
減少する速さより速く設定することが好ましい。更に、
ECU70は、エンジン停止(キーオフ)後学習補正値
Gの値を、最低壁温を示す値に設定する。例えば、EC
U70は、エンジン停止後、学習補正値Gの値を最小値
0から時間の経過に伴い徐々に最大値1にする。勿論、
エンジン停止後、領域Aと同様の処理を行い、学習補正
値Gを最小値0から最大値1にするようにしてもよい。
そして、エンジン停止後、所定時間内でのエンジン再始
動時には学習補正値Gの値を最大値1に近い値又は最大
値1からスタートさせる。これにより、エンジンの運転
領域が、エンジン再始動後、直ぐに領域Cに移行した場
合でも点火時期の進角量を大きくし出力を得ることが可
能となる。
【0052】このように、図14に示した領域毎に進角
制御や学習補正値制御を行うことにより、システムの構
成を非常に簡素なものとしながら、運転状態の変化を十
分に加味することができ、加速要求の高い運転状態(高
負荷運転領域)において、ノッキングの発生しない範囲
で点火時期Θを積極的に進角させて出力を向上させるこ
とができる。
【0053】以上で具体的実施形態の説明を終えるが、
本発明の態様はこれら実施形態に限るものではない。例
えば、上記実施形態は本発明を直列4気筒の筒内噴射ガ
ソリンエンジンに適用したものであるが、単気筒エンジ
ンやV型6気筒エンジン等、気筒数やその配列が異なる
種々のエンジンに適用してもよいし、メタノール等のガ
ソリン以外の燃料を使用するエンジンに適用してもよ
い。また、上記実施形態では壁温をスロットル開度やエ
ンジン回転数を用いて推定するようにしたが、シリンダ
壁に熱電対等の温度センサを取り付け、直に壁温を検出
するようにしてもよいし、加速判定に回転数の変化率等
を用いてもよい。更に、制御システムの具体的構成や制
御手順等については、本発明の主旨を逸脱しない範囲で
変更することが可能である。例えば、上記実施形態では
関数h(Kt)を用いて進角制御時間txを算出するよう
にしたが、エンジン回転数Neをパラメータとして予め
進角制御時間txをマップ化しておいたり、所定回転数
以上となった場合には進角制御時間txを一定値とする
ようにしてもよい。また、燃焼室壁温Tcwが低くなる運
転状態から加速が検知または推定された後、ある所定時
間だけ進角させてもよいし、より簡素なシステムを考え
た場合、進角補正量を一定に設定するようにしてもよ
い。
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、燃焼室内に
直接噴射された燃料を点火装置により点火する筒内噴射
型火花点火式内燃機関の点火時期を制御する点火時期制
御装置であって、少なくとも前記内燃機関の負荷と回転
数とに基づいて点火時期を設定する点火時期設定手段
と、前記内燃機関が加速運転に移行した場合、燃焼室内
の壁温上昇遅れに対応させて加速運転開始直後から所定
期間に亘って前記点火時期を進角補正する点火時期補正
手段とを備えるようにしたため、壁温が比較的低い加速
初期において、出力の上昇による加速性能の向上が得ら
れると共に、燃料エネルギーの有効利用が図られて燃費
も向上する。
【0055】また、請求項2によれば、請求項1の点火
時期制御装置において、前記内燃機関の運転状態を判定
する運転状態判定手段を更に備え、前記点火時期補正手
段は、当該運転状態判定手段により判定された加速運転
開始直前の運転状態が高負荷運転状態であった場合、前
記進角補正を抑制または中止するようにしたため、壁温
が高い状態で進角することによるノッキングが防止でき
る。
【0056】また、請求項3によれば、請求項1の点火
時期制御装置において、前記内燃機関の運転状態を判定
する運転状態判定手段を更に備え、この運転状態判定手
段は、当該内燃機関の出力制御部材が所定速度以上で加
速側に変位し、かつ、当該内燃機関の負荷と回転数とに
より決まる運転状態量が所定の加速領域にあるときに前
記進角補正を行うようにしたため、加速運転状態を正確
に認識することができるようになる。
【0057】また、請求項4によれば、請求項1〜3の
点火時期制御装置において、前記点火時期補正手段は、
少なくとも前記内燃機関の負荷状態に対応した進角補正
量を記憶した記憶手段を有し、当該内燃機関が加速運転
に移行した場合、加速運転開始直後の第1負荷状態に対
応する進角補正量を当該記憶手段から読み出して進角補
正を行うと共に、燃焼室壁面の温度上昇に応じて予め定
められたテーリングパターンに従って進角補正量を漸減
させる一方、この進角補正の継続中に前記内燃機関の負
荷状態が前記第1負荷状態と異なる第2負荷状態に移行
した場合、当該第2負荷状態に対応する進角補正量を前
記記憶手段から読み出して新たに進角補正を行うように
したため、再加速等に伴う壁温上昇率の変化があって
も、適正な進角補正が行えるようになる。
【0058】また、請求項5によれば、燃焼室内に直接
噴射された燃料を点火装置により点火する筒内噴射型火
花点火式内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装
置であって、少なくとも負荷およびエンジン回転数に基
づいて、定常運転状態における最適点火時期を予め設定
した点火時期設定手段と、実際の運転状態における壁温
または当該壁温と相関するパラメータを検出または推定
する壁温検出手段と、所定負荷以上の運転状態におい
て、前記壁温検出手段により検出または推定された壁温
が同一運転状態における定常的な壁温より低い場合、前
記最適点火時期を進角補正する進角補正手段とを備える
ようにしたため、壁温が比較的低い加速初期等におい
て、出力の上昇による加速性能の向上が得られると共
に、燃料エネルギーの有効利用が図られて燃費も向上す
る。
【0059】請求項6によれば、前記点火時期補正手段
は、前記回転数と負荷とから予め設定された特定の高負
荷領域とその他の領域とを有し、前記内燃機関の運転状
態が前記特定の高負荷領域にあるときに点火時期の進角
補正を行うことにより、高負荷領域における加速性能の
向上が図られる。請求項7によれば、前記点火時期補正
手段による進角量の反映度合いを決定する学習補正値が
設定され、前記特定の高負荷領域では前記学習補正値に
よる進角反映度合いを減らす方向に変化させ、その他の
領域では進角反映度合いを増やす方向に変化させること
により、高負荷領域における加速性能の向上を図ると共
に壁温の上昇を防ぎノッキングを防止することができ
る。また、その他の領域において学習補正値の進角反映
度合いが高まり、当該領域から高負荷領域に移行した際
に進角反映の度合いを高めることができる。
【0060】請求項8によれば、前記学習補正値の変化
速度は、進角反映度合いを減らす方向には速く、増やす
方向には遅く設定されていることにより、高負荷領域に
おける加速性能を確保しながらノッキングの発生を有効
に防止することができる。請求項9によれば、燃焼室内
に直接噴射された燃料を点火装置により点火する筒内噴
射型火花点火式内燃機関の点火時期を制御する点火時期
制御装置であって、前記内燃機関の各負荷状態に応じて
定常的に得られる燃焼室壁温に対応させて前記各負荷状
態における定常最適点火時期を予め設定した点火時期設
定手段と、前記負荷状態が増大側に急変する過渡時には
所定期間に亘り前記定常最適点火時期を更に進角させる
進角補正手段とを備えたことにより、負荷状態が増大側
に急変する、例えば、高負荷状態に移行した際の過渡時
における加速性能の一層の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン制御システムの一実施形
態を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に係る筒内噴射ガソリンエンジンの縦
断面図である。
【図3】実施形態に係る燃料噴射制御マップである。
【図4】実施形態における後期噴射モード時の燃料噴射
形態を示す説明図である。
【図5】実施形態における前期噴射モード時の燃料噴射
形態を示す説明図である。
【図6】点火時期制御サブルーチンの手順を示したフロ
ーチャートである。
【図7】点火時期制御サブルーチンの手順を示したフロ
ーチャートである。
【図8】壁温推定サブルーチンの手順を示したフローチ
ャートである。
【図9】加速時進角制御サブルーチンの手順を示したフ
ローチャートである。
【図10】加速時進角制御サブルーチンの手順を示した
フローチャートである。
【図11】加速領域を判定するためのマップである。
【図12】点火時期を設定するためのマップである。
【図13】加速時における点火進角補正量と壁温との変
化を示したタイムチャートである。
【図14】運転状態をパラメータとする加速進角領域を
示したグラフである。
【図15】本発明の実施例2における点火時期の制御手
順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 3 点火プラグ 5 燃焼室 6 シリンダ 7 ピストン 70 ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 和正 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 田村 宏記 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 宮本 勝彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 安東 弘光 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に直接噴射された燃料を点火装
    置により点火する筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火
    時期を制御する点火時期制御装置であって、 少なくとも前記内燃機関の負荷と回転数とに基づいて点
    火時期を設定する点火時期設定手段と、 前記内燃機関が加速運転に移行した場合、燃焼室内の壁
    温上昇遅れに対応させて加速運転開始直後から所定期間
    に亘って前記点火時期を進角補正する点火時期補正手段
    とを備えたことを特徴とする筒内噴射型火花点火式内燃
    機関の点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記内燃機関の運転状態を判定する運転
    状態判定手段を更に備え、 前記点火時期補正手段は、当該運転状態判定手段により
    判定された加速運転開始直前の運転状態が高負荷運転状
    態であった場合、前記進角補正を抑制または中止するこ
    とを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射型火花点火式
    内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記内燃機関の運転状態を判定する運転
    状態判定手段を更に備え、 この運転状態判定手段は、当該内燃機関の出力制御部材
    が所定速度以上で加速側に変位し、かつ、当該内燃機関
    の負荷と回転数とにより決まる運転状態量が所定の加速
    領域にあるときに前記進角補正を行うことを特徴とす
    る、請求項1記載の筒内噴射型火花点火式内燃機関の点
    火時期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記点火時期補正手段は、少なくとも前
    記内燃機関の負荷状態に対応した進角補正量を記憶した
    記憶手段を有し、当該内燃機関が加速運転に移行した場
    合、加速運転開始直後の第1負荷状態に対応する進角補
    正量を当該記憶手段から読み出して進角補正を行うと共
    に、燃焼室壁面の温度上昇に応じて予め定められたテー
    リングパターンに従って進角補正量を漸減させる一方、
    この進角補正の継続中に前記内燃機関の負荷状態が前記
    第1負荷状態と異なる第2負荷状態に移行した場合、当
    該第2負荷状態に対応する進角補正量を前記記憶手段か
    ら読み出して新たに進角補正を行うことを特徴とする、
    請求項1〜3記載の筒内噴射型火花点火式内燃機関の点
    火時期制御装置。
  5. 【請求項5】 燃焼室内に直接噴射された燃料を点火装
    置により点火する筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火
    時期を制御する点火時期制御装置であって、 少なくとも負荷およびエンジン回転数に基づいて、定常
    運転状態における最適点火時期を予め設定した点火時期
    設定手段と、 実際の運転状態における壁温または当該壁温と相関する
    パラメータを検出または推定する壁温検出手段と、 所定負荷以上の運転状態において、前記壁温検出手段に
    より検出または推定された壁温が同一運転状態における
    定常的な壁温より低い場合、前記最適点火時期を進角補
    正する進角補正手段とを備えたことを特徴とする筒内噴
    射型火花点火式内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 【請求項6】 前記点火時期補正手段は、前記回転数と
    負荷とから予め設定された特定の高負荷領域とその他の
    領域とを有し、前記内燃機関の運転状態が前記特定の高
    負荷領域にあるときに点火時期の進角補正を行うことを
    特徴とする請求項1記載の筒内噴射型火花点火式内燃機
    関の点火時期制御装置。
  7. 【請求項7】 前記点火時期補正手段による進角量の反
    映度合いを決定する学習補正値が設定され、前記特定の
    高負荷領域では前記学習補正値による進角反映度合いを
    減らす方向に変化させ、その他の領域では進角反映度合
    いを増やす方向に変化させることを特徴とする請求項6
    記載の筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火時期制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記学習補正値の変化速度は、進角反映
    度合いを減らす方向には速く、増やす方向には遅く設定
    されていることを特徴とする請求項7記載の筒内噴射型
    火花点火式内燃機関の点火時期制御装置。
  9. 【請求項9】 燃焼室内に直接噴射された燃料を点火装
    置により点火する筒内噴射型火花点火式内燃機関の点火
    時期を制御する点火時期制御装置であって、 前記内燃機関の各負荷状態に応じて定常的に得られる燃
    焼室壁温に対応させて前記各負荷状態における定常最適
    点火時期を予め設定した点火時期設定手段と、 前記負荷状態が増大側に急変する過渡時には所定期間に
    亘り前記定常最適点火時期を更に進角させる進角補正手
    段とを備えたことを特徴とする筒内噴射型火花点火式内
    燃機関の点火時期制御装置。
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