JPH0927344A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH0927344A
JPH0927344A JP7174812A JP17481295A JPH0927344A JP H0927344 A JPH0927344 A JP H0927344A JP 7174812 A JP7174812 A JP 7174812A JP 17481295 A JP17481295 A JP 17481295A JP H0927344 A JPH0927344 A JP H0927344A
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JP
Japan
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positive electrode
graphite
carbon
negative electrode
mixture
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Pending
Application number
JP7174812A
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English (en)
Inventor
Tokuo Komaru
篤雄 小丸
Naoyuki Nakajima
尚幸 中島
Masayuki Nagamine
政幸 永峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重負荷放電条件で用いた場合でも正極の電極
構造が破壊されず、長いサイクル寿命が得られる非水電
解液二次電池を実現する。 【解決手段】 非水電解液二次電池において、正極の導
電剤として鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混合物を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関し、特に正極に用いる導電剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型、軽量化を次々と実現させている。それに
伴い、ポータブル用電源としての電池に対しても益々小
型・軽量且つ高エネルギー密度であることが求められる
ようになっている。
【0003】従来、一般用途の二次電池としては鉛電
池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系二次電池が
主流である。しかし、これらの水溶液系二次電池はサイ
クル特性にはある程度満足できるものの、電池重量やエ
ネルギー密度の点で十分であるとは言えない。
【0004】一方、最近、リチウムあるいはリチウム合
金を負極材料として用いる非水電解液二次電池の研究・
開発が盛んに行われている。この電池では、特にLiC
oO2に代表されるような放電電圧の高いLi含有複合
酸化物が正極材料として用いられ、高エネルギー密度を
有し、自己放電も少なく、軽量という優れた特長を有す
るものとなっている。
【0005】しかし、この非水電解液二次電池は、充放
電サイクルが進行するのに伴って充電時に負極上にリチ
ウムがデンドライト状に結晶成長し、ついには正極に到
達して内部ショートに至るといった可能性が高い。ま
た、このデンドライト状の結晶成長は充放電が急速にな
る程著しくなるため、急速充放電はできるだけ避ける必
要がある。このため、実用化への道は遠いものと言わざ
るを得ない。
【0006】そこで、さらに、負極材料として炭素材料
を使用した非水電解液二次電池(いわゆるリチウムイオ
ン二次電池)が注目されている。この非水電解液二次電
池は、炭素材料の炭素層間にリチウムがドープ・脱ドー
プされることを負極反応に利用するものであり、充放電
サイクルが進行しても負極上にデンドライト状リチウム
が析出するといった現象は認められず、高エネルギー密
度を有し、軽量であるとともに優れた充放電サイクル特
性を発揮する。
【0007】このような非水電解液二次電池において、
負極材料として使用し得る炭素材料は各種あるが、はじ
めに負極材料として実用化された炭素材料はコークス
や、ガラス状炭素等の難黒鉛化性炭素材料、すなわち有
機材料を比較的低温で熱処理することで得られる結晶性
の低い炭素材料である。これら低結晶性炭素材料で構成
された負極と炭酸プロピレン(PC)を主溶媒とする電
解液を用いた非水電解液二次電池が既に商品化されてい
る。
【0008】さらに最近では、結晶構造が発達した黒鉛
類が負極材料として用いられるようになっている。
【0009】この黒鉛類は、これまで非水溶媒の主溶媒
として汎用されているPCを分解するために、負極材料
としての使用は困難であるとされていた。しかし、PC
の代わりに炭酸エチレン(EC)を用いることで、この
ような不都合が解消されることが判明し、このECと組
み合わせたかたちで負極に使用できるようになってい
る。
【0010】黒鉛類は、鱗片状のものが比較的容易に入
手でき、従来よりアルカリ電池用導電剤等として広く用
いられている。この黒鉛類は、低結晶性炭素材料に比べ
て結晶性が高く、真密度が高い。従って、この黒鉛類に
よって負極を構成すれば、高い電極充填性が得られ、電
池のエネルギー密度が高められることになる。このこと
から、黒鉛類は負極材料として期待の大きい材料である
と言える。
【0011】一方、正極材料としてはLiCoO2に代
表されるLi含有複合酸化物が主流である。ここで、こ
のLi含有複合酸化物を正極材料として用いる場合、こ
の酸化物自体の導電性が非常に小さいことから黒鉛等の
導電剤を併用するのが通常である。すなわち、正極は、
Li含有複合酸化物及び結着材にさらに導電剤を添加し
た正極合剤として構成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
Li含有複合酸化物を用いる正極では、このLi含有複
合酸化物の単位結晶格子が充放電に際して膨張収縮する
ために、最大でl0%程度の厚み変化が生じる。また、
負極においても炭素材料の結晶子が充放電に際して膨張
収縮するために、やはり最大でl0%程度の厚み変化が
生じる。
【0013】正極、負極にこのような厚み変化が生ずる
と、電極同士が互いに圧迫し合い、これによって電極構
造が徐々に破壊される可能性がある。電極構造が破壊さ
れた場合には、特に活物質自身の導電性が低い正極にお
いて、著しい性能の劣化が招来される。特に、このよう
な電極構造の破壊は重負荷放電条件下において顕著にな
り、重負荷放電条件で電池が使用される放送用等業務用
ビデオカメラや液晶付きビデオカメラ、ノート型ワーク
スーション等への用途を考えたときには問題が大きい。
【0014】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、重負荷放電条件で用い
た場合でも電極構造が破壊されず、サイクル寿命が長
く、高い信頼性が得られる非水電解液二次電池を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者らが鋭意検討を行った結果、正極の導電
剤として鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混合物を用いること
により、重負荷放電条件においても長サイクル寿命を示
す電池が得られるようになるとの知見を得るに至った。
【0016】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0017】すなわち、本発明は、リチウムをドープ・
脱ドープすることが可能な炭素材料を主体とする負極、
正極及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる非水電解液
を有してなる非水電解液二次電池に適用される。
【0018】このような非水電解液二次電池では、正極
は、正極活物質,導電剤及び結着材よりなる正極合剤を
有して構成され、本発明ではこの導電剤として鱗片状黒
鉛と繊維状炭素の混合物を使用する。
【0019】正極の導電剤として鱗片状黒鉛と繊維状炭
素の混合物を用いると、この鱗片状黒鉛と繊維状炭素に
よって正極に導電性が付与されるとともに、繊維状炭素
が正極の電極構造を保持するように作用する。したがっ
て、充放電に伴った正極活物質の膨張収縮によって起こ
る電極構造の破壊が抑えられ、例えば重負荷放電条件下
で充放電を行った場合でも正極の性能が損なわれず、長
いサイクル寿命が得られる。
【0020】ここで、この導電剤として用いられる鱗片
状黒鉛と繊維状炭素の混合比率は、重量比で85:l5
〜25:75とするのが適当である。また、正極合剤全
体にに対する鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混合物の含有率
は3〜16重量%が適当である。
【0021】なお、正極合剤の正極活物質としては、例
えばLiMO2(但し、MはCo,Ni,Mn,Fe,
Al,V,Tiの少なくとも1種を表す)で表されるリ
チウム遷移金属複合酸化物が用いられる。
【0022】一方、負極の活物質としては炭素材料が用
いられる。そのような炭素材料としては、黒鉛材料や難
黒鉛化性炭素材料が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態を説明する。
【0024】本発明の非水電解液二次電池は、リチウム
をドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料を主体と
する負極、正極及び非水溶媒に電解質が溶解されてなる
非水電解液を有して構成される。
【0025】上記正極は、正極活物質、導電剤及び結着
材を混合して調製した正極合剤を、有機溶媒に分散させ
て正極合剤スラリーとし、これを圧縮成型することで得
られる。
【0026】本発明では、この正極合剤に含有させる導
電剤として鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混合物を使用す
る。
【0027】この鱗片状黒鉛は、従来から酸化物等に対
して導電性を付与する導電剤として用いられており、高
結晶性であることから電子導電性が非常に高い。しか
し、この鱗片状黒鉛単独を導電剤として用いた正極で
は、特に重負荷放電条件下において、充放電に伴う正極
活物質の膨張収縮によって電極構造が破壊され、性能劣
化が招来される。ここで、このような正極に繊維状炭素
を添加すると、この繊維状炭素が電極構造を保持するよ
うに機能し、充放電に伴う電極構造の破壊が抑えられ
る。また、この繊維状炭素は、鱗片状黒鉛に比べればや
や劣るものの、導電性を付与する導電剤としての作用を
も有している。したがって、鱗片状黒鉛と繊維状炭素の
混合物を導電剤として用いる正極では、従来の正極と同
等の性能を有しながら、充放電に伴う電極構造の破壊が
抑えられ、電池の長寿命化に大きく寄与することにな
る。
【0028】上記鱗片状黒鉛としては、具体的には鉱石
として産出される天然黒鉛または、有機材料を炭素化
し、さらに高温処理することで合成される人造黒鉛が挙
げられる。
【0029】このうち天然黒鉛は、中国、マダガスカ
ル、セイロン、メキシコ、ブラジル等で産出される。鉱
石の状態では、黒鉛以外の無機不純物が多く含まれてお
り、特に金属元素が不純物として混入していると、これ
が電気化学的に溶出し電池に対して悪影響を及ぼす。こ
のため、溶媒に溶解させてこれら不純物を洗い流す必要
がある。この溶媒としては、フッ化水素、塩化水素等を
含ませた無機の酸性水溶液や有機酸を含ませた水溶液、
またカセイソーダ等を含ませた無機のアルカリ性水溶液
や塩基性有機物を含ませた水溶液、さらに有機系溶媒が
使用可能である。
【0030】一方、人造黒鉛は有機材料を熱処理するこ
とで生成される。この出発原料となる有機材料として
は、石炭やピッチが代表的である。
【0031】ピッチとしては、コールタール、エチレン
ボトム油、原油等を高温熱分解することで得られるター
ル類、アスファルト等より蒸留(真空蒸留,蒸圧蒸留,
スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作
によって得られるものや、その他木材乾留時に生成する
ピッチ等もある。
【0032】さらに、ピッチとなる出発原料としてはポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニル
ブチラート、3,5−ジメチルフェノール樹脂等があ
る。
【0033】これら石炭、ピッチは、炭素化の途中最高
400℃程度で液状で存在し、その温度で保持すること
で芳香環同士が縮合、多環化して積層配向した状態とな
り、その後500℃程度以上の温度になると固体の炭素
前駆体、すなわちセミコークスを形成する。このような
過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛化炭素の典型的な
生成過程である。
【0034】その他、ナフタレン、フェナントレン、ア
ントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペン
タフェン、ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、そ
の他、誘導体(例えばこれらのカルボン酸、カルボン酸
無水物、カルボン酸イミド等)、あるいは混合物、アセ
ナフチレン、インドール、イソインドール、キノリン、
イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾー
ル、アクリジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮
合複素環化合物、さらにはその誘導体もピッチの原料と
して使用可能である。
【0035】以上の有機材料を出発原料として所望の人
造黒鉛を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等
の不活性ガス気流中、300〜700℃で炭化した後、
不活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温
度900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30
時間程度の条件でか焼し(このプロセスまで経たものが
易黒鉛化性炭素材料である)、さらに2000℃以上、
好ましくは2500℃以上で熱処理する。勿論、場合に
よっては炭化やか焼操作を省略しても良い。
【0036】なお、これら天然黒鉛あるいは人造黒鉛
は、粉砕・分級することで鱗片状黒鉛とされる。このと
き、理想的な鱗片形状を得るためには、黒鉛が高い結晶
性を有し、X線回折分析によって測定される(002)
面のC軸結晶子厚みが100nm以上であることが好ま
しい。これは、より平板な粉末を得るためには、ファン
デルワールス力で弱く結合した炭素六角網面から剥がれ
ることで、当該黒鉛が砕かれる方が都合が良いからであ
る。また、導電剤として高い導電性を得るためにも、結
晶性が高い方が有利である。
【0037】本発明では、このような鱗片状黒鉛と組み
合わせて繊維状炭素が導電剤として用いられる。
【0038】繊維状炭素には、繊維状に紡糸された高分
子やピッチからなるプリカーサーを熱処理することで得
られるものと、ベンゼン等の有機物蒸気を1000℃程
度の温度となされた基盤上に直接流し、鉄微粒子等を触
媒として炭素結晶を成長させることで得られる気相成長
炭素繊維等がある。
【0039】熱処理によって繊維状炭素を得る場合にお
いて、高分子系のプリカーサーとしては、ポリアクリロ
ニトリル(PAN)、レーヨンがある。また、ポリアミ
ド、リグニン、ポリビニルアルコール等も使用可能であ
る。
【0040】ピッチ系のプリカーサーとしては、コール
タール、エチレンボトム油、原油等を高温熱分解するこ
とで得られるタール類、アスファルト等より蒸留(真空
蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化
学重縮合等の操作によって得られるものや、その他木材
乾留時に生成するピッチ等もある。
【0041】さらにピッチとなる出発原料としてはポリ
塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブ
チラート、3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
【0042】その他、ナフタレン、フェナントレン、ア
ントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペン
タフェン、ペンタセン等の縮合多環化水素化合物、その
他誘導体(例えばこれらのカルボン酸、カルボン酸無水
物、カルボン酸イミド等)。あるいは混合物、アセナフ
チレン、インドール、イソインドール、キノリン、イソ
キノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、
アクリジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合複
素環化合物、さらにはその誘導体もピッチの原料として
使用可能である。
【0043】高分子系のプリカーサー、ピッチ系のプリ
カーサーともに、不融化あるいは安定化という工程を経
て、その後さらに高温中で熱処理されることで繊維状炭
素となる。
【0044】なお、この不融化あるいは安定化の工程と
は、高分子等が炭素化の際に溶融や熱分解を起こさない
よう、繊維表面を酸、酸素、オゾン等を用いて酸化を行
う工程である。この際、処理方法はプリカーサーの種類
によって適宜選択できる。但し、処理温度はプリカーサ
ーの融点以下を選択する必要がある。また、必要に応じ
て複数回処理を繰り返し、安定化が十分に施されるよう
にしても良い。
【0045】繊維状炭素を得るには、この不融化あるい
は安定化が施された高分子系のプリカーサーあるいはピ
ッチ系のプリカーサーを、窒素等の不活性ガス気流中、
温度300〜700℃で炭化した後、不活性ガス気流
中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度900〜15
00℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度の条件
でか焼することによって得られる。勿論、場合によって
は炭化を省略しても良い。
【0046】一方、炭素繊維を気相成長法によって得る
場合において、出発原料としては気体状となり得る有機
物であればいずれでもよい。例えば、エチレン、プロパ
ン等の常温で気体状で存在するもの、ベンゼン等のよう
に室温でバブリング等を施すことで気化されるもの、あ
るいは熱分解温度以下の温度で加熱気化できる有機物が
使用可能である。
【0047】気化した有機物は、直接高温の基盤上に放
出されることで繊維状炭素として結晶成長する。この際
の温度は、400℃〜1500℃程度が好ましく、出発
原料である有機物の種類によって適宜選択される。ま
た、基盤の種類は、石英、ニッケル等が好ましく、やは
り出発原料である有機物の種類によって適宜選択され
る。
【0048】このとき、結晶成長を促進するために触媒
を用いるようにしても良い。触媒としては、鉄やニッケ
ル又はその混合物等を微粒子化したものが使用可能であ
り、その他、黒鉛化触媒と称される金属やその酸化物も
触媒として機能する。これら触媒は、出発原料である有
機物の種類によって適宜選択可能である。
【0049】なお、得られた繊維状炭素は、さらに不活
性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度2
000℃以上、好ましくは2500℃以上、到達温度で
の保持時間0〜30時間程度の条件で黒鉛化処理するよ
うにしても良い。これにより、電子導電性が増し、導電
剤としての機能が向上する。
【0050】また、得られた繊維状炭素は、電極の厚み
や活物質の粒径等に合わせて粉砕して導電剤に供するよ
うにしても良く、紡糸時に単繊維となったものも導電剤
として使用可能である。なお、粉砕は炭化、か焼の前後
あるいは、黒鉛化前の昇温過程の間、いずれで行っても
よい。
【0051】導電剤は、以上のような鱗片状黒鉛と繊維
状炭素を混合して構成されるが、鱗片状黒鉛と繊維状炭
素の混合比率は85:l5〜25:75が好ましく、8
0:20〜30:70がより好ましい。鱗片状黒鉛の比
率がこの範囲を下回る場合には導電性が不足する可能性
があり、繊維状炭素がこの範囲を下回る場合には電極構
造を保持する作用が十分に得られない。また、導電剤の
正極合剤への添加量は、正極合剤全体に対して3〜l6
重量%であるのが好ましく、4〜l0重量%であるのが
より好ましい。導電剤の添加量がこの範囲よりも少ない
場合には、導電性を付与する作用,電極構造を保持する
作用が十分に得られない。また、導電剤の添加量がこの
範囲よりも多い場合には、その分正極活物質の割合が少
なくなり容量の低下につながる。
【0052】なお、正極合剤に用いる他の材料、すなわ
ち正極活物質、結着材としてはこの種の非水電解液二次
電池で通常用いられているものがいずれも使用可能であ
る。
【0053】例えば正極活物質としては、十分な量のL
iを含んでいることが好ましく、例えば一般式LiMO
2(但し、MはCo,Ni,Mn,Fe,Al,V,T
iの少なくとも1種を表す。)で表されるリチウムと遷
移金属からなる複合金属酸化物やLiを含んだ層間化合
物等が好適である。
【0054】特に、本発明は、高容量を達成することを
狙ったものであるので、正極は、定常状態(例えば5回
程度充放電を繰り返した後)で負極炭素質材料1g当た
250mAh以上の充放電容量相当分のLiを含むこと
が必要で、300mAh以上の充放電容量相当分のLi
を含むことがより好ましい。なお、Liはかならずしも
正極材からすべて供給される必要はなく、要は電池系内
に炭素質材料lg当たり250mAh以上の充放電容量
相当分のLiが存在すれば良い。また、このLiの量
は、電池の放電容量を測定することによって判断するこ
ととする。
【0055】また、結着材としては、耐溶剤性に優れる
ことからポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂が適当
である。
【0056】一方、負極は、負極活物質及び結着材を混
合して調製した負極合剤を、有機溶媒に分散させて負極
合剤スラリーとし、これを圧縮成形することで得られ
る。
【0057】負極活物質としては、リチウムイオンをド
ープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が使用でき
る。炭素材料としては、黒鉛材料、易黒鉛化性炭素材
料、難黒鉛化性炭素材料がいずれも選択可能であるが、
特に黒鉛材料を負極に用いた場合に本発明は大きな効果
を発揮する。
【0058】難黒鉛化性炭素材料としては、(002)
面の面間隔が0.37nm以上、真密度がl.70g/
cm3未満、空気中での示差熱分析(DTA)において
700℃以上に発熱ピークを持たないといった物性パラ
メータを示す材料が好適である。
【0059】難黒鉛化性炭素材料の代表としては、フル
フリルアルコールあるいはフルフラールのホモポリマ
ー、コポリマーまた他の樹脂との共重合よりなるフラン
樹脂を焼成し、炭素化したものがある。
【0060】さらに、出発原料となる有機材料として
は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ハロゲン化ビニル
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリアセチレン、ポリ(p‐フェニレン)等
の共役系樹脂、セルロースおよびその誘導体、任意の有
機高分子系化合物を使用することが出来る。
【0061】また、特定のH/C原子比を有する石油ピ
ッチに酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)し
たものも前記フラン樹脂と同様、炭素化の過程(400
℃以上)で溶融することなく固相状態で最終的に難黒鉛
化性炭素材料となる。
【0062】ここで、石油ピッチは、コールタール、エ
チレンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール
類、アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、
スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作
によって得られる。このとき、石油ピッチのH/C原子
比が重要で、難黒鉛化性炭素を得るためにはこのH/C
原子比を0.6〜0.8とする必要がある。
【0063】これらの石油ピッチに酸素を含む官能基を
導入する具体的な手段は限定されないが、例えば硝酸、
混酸、硫酸、次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、ある
いは酸化性ガス(空気、酸素)による乾式法、さらに硫
黄、硝酸アンモニア、過硫酸アンモニア、塩化第二鉄等
の固体試薬による反応などが用いられる。酸素含有率
は、特に限定されないが、特開平3−252053号公
報に示されるように、好ましくは3%以上、さらに好ま
しくは5%以上である。この酸素含有率は、最終的に得
られる炭素材料の結晶構造に影響を与え、酸素含有率を
この範囲としたときに(002)面の面間隔を0.37
nm以上、空気気流中でのDTAにおいて700℃以上
に発熱ピークを持たないといった条件を満たし、負極容
量の大なるものとなる。
【0064】また、特開平3−137010号公報に記
載されるリン、酸素、炭素を主成分とする化合物も前記
難黒鉛化性炭素材料と同様の物性パラメータを示し、負
極活物質として使用可能である。
【0065】さらに、他のあらゆる有機材料について
も、酸素架橋処理等によって固相炭素化過程を経て難黒
鉛化性炭素となるのであれば、出発原料として使用可能
である。なお、この酸素架橋を行うための処理方法は限
定されない。
【0066】以上の有機材料を出発原料に用いて炭素材
料を合成するには、例えば、温度300〜700℃で炭
化した後、昇温速度毎分l〜l00℃、到達温度900
〜l300℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度
の条件で焼成すれば良い。勿論、場合によっては炭化操
作を省略しても良い。
【0067】得られた炭素材料は、粉砕・分級すること
で負極材料に供されるが、この粉砕は炭化、か焼、高温
熱処理の前後あるいは昇温過程の間のいずれで行っても
良い。
【0068】次に、負極として用いられる黒鉛材料につ
いて説明する。
【0069】黒鉛材料としては、真密度が2.lg/c
3以上であるのが好ましく、2.l8g/cm3以上で
あるのがより好ましい。
【0070】そのような真密度を得るには、X線回折法
で得られる(002)面の面間隔が0.340nm未
満、さらに好ましくは0.335nm以上、0.337
nm以下であり、(002)面のC軸結晶子厚みが1
4.0nm以上であることが必要である。
【0071】さらに、結晶構造パラメータとしてはミク
ロな構造欠陥の指標となるラマンスペクトルにおけるG
値も重要である。G値は炭素材料中の黒鉛構造に由来す
るシグナルの面積強度と、非晶質構造に由来するシグナ
ルの面積強度の比で表されるものであり、ミクロな結晶
構造欠陥の指標となる。このG値は2.5以上が好まし
い。G値が、2.5未満である場合には2.lg/cm
3以上の真密度が得られない場合がある。
【0072】また、電池のサイクル寿命を長寿命化する
ためには、黒鉛の嵩比重,形状パラメータxの平均値
(平均形状パラメータxave)及び比表面積が重要であ
る。
【0073】すなわち、黒鉛材料の嵩比重は、長サイク
ル寿命化を図る観点から0.4g/cm3以上であるこ
とが望ましい。嵩比重が0.4g/cm3以上の黒鉛材
料を用いて負極を構成すると、負極合剤層から黒鉛材料
が剥がれ落ちることのない、電極構造の良好な負極が得
られ、電池のサイクル寿命が延長する。なお、嵩比重の
より好ましい範囲は、0.5g/cm3以上、さらには
0.6g/cm3以上である。
【0074】また、さらに長いサイクル寿命を得るに
は、嵩比重がこの範囲であるとともに、次式で示される
形状パラメータxの平均値がl25以下の黒鉛粉末を用
いるのが望ましい。
【0075】x=(W/T)×(L/T) x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分厚み L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ すなわち、黒鉛粉末の代表的な形状は、図1及び図2に
示されるごとき偏平な略円柱状あるいは略直方体状であ
る。
【0076】この黒鉛粉末の最も厚さの薄い部分の厚み
をT、最も長さの長い部分の長さをL、奥行きに相当す
る長軸と直交する方向の長さをWとしたときに、LとW
それぞれをTで除した価の積が前記形状バラメータxで
ある。この形状パラメータxが小さいほど、底面積に対
する高さが高く偏平度が小さいことを意味する。
【0077】平均形状パラメータxaveとは、この形状
パラメータxの平均値であり、以下のようにして求めら
れるものである。まず、黒鉛試料粉末をSEM(走査型
電子顕微鏡)を用いて観察し、粒子の最も長さの長い部
分が、レーザ回折法等の粒度分布測定装置を用いて測定
された平均粒径の±30%であるような粒子10個を選
択する。そして、選択した10個の粉末のそれぞれにつ
いて形状パラメータxを計算し、その平均値を算出す
る。
【0078】嵩比重が上述の範囲内であって、且つこの
平均形状パラメータxaveがl25以下である黒鉛粉末
を用いて構成された負極は、電極構造が良好であり、よ
り長いサイクル寿命が得られる。なお、平均形状パラメ
ータxaveのさらに好ましい範囲は2以上1l5以下、
より好ましくは2以上l00以下である。
【0079】また、以上のような条件を満足するのに加
えて比表面積が9m2/g以下であるような黒鉛粉末を
用いると、電池のサイクル寿命がさらに延長する。すな
わち、黒鉛粉末では、通常、サブミクロンレベルの微粒
子が付着しており、この微粒子が黒鉛粉末の嵩比重の低
下に影響していると考えられる。ここで黒鉛粉末の比表
面積は、付着している微粒子が多くなる程大きな値にな
ることから、微粒子の付着の程度の指標になる。9m2
/g以下というように比表面積が比較的小さい黒鉛粉末
は、微粒子の付着が少なく、大きな嵩比重が得られる。
したがって、電池のサイクル寿命が延長することにな
る。なお、この比表面積は、7m2/g以下であるのが
より好ましく、5m2/g以下であるのがさらに好まし
い。
【0080】また、実用電池として高い安全性及び信頼
性を得るためには黒鉛粉末の粒度分布が最適化されてい
ることが望ましい。例えばレーザ回折法により求められ
る黒鉛粉末の粒度分布において、累積10%粒径が3μ
m以上であり、且つ累積50%粒径がl0μm以上であ
り、且つ累積90%粒径が70μm以下であるのが良
い。これは以下の理由からである。
【0081】まず、黒鉛粉末の充填密度を考えた場合に
は、粒度分布に幅を持たせた方が当該黒鉛粉末が効率良
く電極に充填できることから望ましい。また、さらに粒
度分布が正規分布に近いとより有利である。
【0082】但し、過充電等の異常事態が生じた場合
に、負極に粒径の小さな黒鉛粉末が多く含まれていると
発熱が促進される傾向がある。このため、粒径の小さな
黒鉛粉末の数はある程度抑える必要がある。また、負極
の黒鉛層間にリチウムイオンが挿入される際には、結晶
子が約l0%膨張し、電池内において正極やセパレータ
を圧迫する。このとき負極に粒径の大きな黒鉛粉末が多
く含まれていると、このような結晶子の膨張による影響
が大きくなることから、初充電時に内部ショート等の初
期不良が起こり易くなる傾向がある。このため、初期不
良を回避する点から、粒径の大きな黒鉛粉末の数もある
程度抑えなければならない。
【0083】上述の黒鉛粉末の粒度分布は、このような
電池への粒度分布の影響を考慮して設定されたものであ
り、粒径の大きい黒鉛粉末から小さい黒鉛粉末までバラ
ンス良く配合されるかたちになっている。このような粒
度分布を有する黒鉛粉末を負極の活物質として用いる
と、高い電極充填性が得られるとともに、過充電時等の
異常事態において発熱が生じ難く、また電極の膨張によ
る初期不良が防止され、安全性、信頼性に優れた電池が
得られることになる。さらに、黒鉛粉末の累積90%粒
径が60μm以下である場合には、初期不良が大きく低
減され、電池の信頼性がより一層向上することになる。
【0084】また、電池の重負荷特性を向上させるため
には、黒鉛粉末の破壊強度の平均値が6.0kgf/m
2以上であることが望ましい。
【0085】すなわち、電池の負荷特性には放電時にお
ける電解質イオンの動き易さが影響する。例えば、電極
に空孔が多く存在すると、当該電極に電解液が十分含浸
され電解質イオンの動態が良好になることから、負荷特
性は改善される。
【0086】一方、黒鉛材料では、a軸方向に炭素六角
網面が発達しており、その積み重なりによってc軸の結
晶子が成り立っている。そして、その積み重なった層間
に電解質イオンがドープ・脱ドープされる。
【0087】ここで、このような黒鉛材料の炭素六角網
面同士の結合は、ファンデルワールス力と称される弱い
結合であることから、応力に対して変形し易い。そのた
め、この炭素六角網面同士の間の隙間は、例えば負極の
作製工程で圧縮成形される際につぶれる可能性が高く、
このため黒鉛材料は難黒鉛化性炭素材料に比べて通常空
孔を維持するのが難しい。したがって、黒鉛材料では、
破壊強度を規制することで空孔がつぶれ難いものを選別
して用いるのが望ましい。上述の破壊強度の平均値,す
なわち6kgf/mm2以上という範囲はこの点から設
定されたものであり、そのような破壊強度を有する黒鉛
を用いることで、負極において空孔が維持されるように
なり、負荷特性に優れた電池が得られる。
【0088】なお、この破壊強度の平均値は次のように
して測定される。まず、光学顕微鏡によって試料粉末を
観察し、最も長さの長い部分の長さが平均粒径の±10
%であるような粉末をl0個選択する。そして、選択し
たl0個の試料粉末それぞれについて、荷重をかけて粒
子の破壊強度を測定し、その平均を算出する。
【0089】負極として使用する黒鉛材料としては、以
上のような条件を満たすものであれば、鉱物として産出
する天然黒鉛であっても良く、有機材料を炭素化し、さ
らに高温処理することで合成される人造黒鉛であっても
よい。
【0090】上記人造黒鉛を生成するに際して出発原料
となる有機材料としては、先に導電剤となる鱗片状黒鉛
の出発原料として例示した有機材料がいずれも使用可能
である。また、出発原料となる有機材料の熱処理条件も
基本的には先に示した条件に準じて良い。但し、負極活
物質に求められる特性と導電剤に求められる特性は異な
り、負極活物質となる黒鉛を生成する際の詳細な条件
は、上述ような結晶性、真密度、嵩比重、形状パラメー
タx、比表面積、粒度分布、粒子破壊強度の条件を満足
するように設定する必要がある。なお、得られた黒鉛材
料は粉砕・分級されたかたちで負極に供されるが、粉砕
は炭化、か焼の前後あるいは黒鉛化前の昇温過程の間と
いうように黒鉛化の前に行うのが望ましい。
【0091】但し、特に嵩比重や破壊強度を重視して黒
鉛材料を生成する場合には、炭素材料成型体を作製し、
これを熱処理して黒鉛化を行うと良い。
【0092】炭素材料成型体とは、フィラーとなるコー
クスと、成型剤,焼結剤となるバインダーピッチとを混
合,成型し、この成型体(炭素材料成型体の前駆体)を
熱処理することでバインダーピッチを炭素化したもので
ある。この炭素材料成型体に、溶融ピッチを含浸させて
炭素化し、さらに熱処理することで黒鉛化を行う。そし
て、得られた黒鉛化成型体を粉砕・分級する。
【0093】ここで、このようにして得られる黒鉛粉末
は、硬度の高い黒鉛成型体を粉砕して得られたものであ
ることから嵩比重が高く、破壊強度が強い。このため、
圧縮成型に際して空孔がつぶれたり、充放電に際して負
極合剤から当該黒鉛粉末が剥がれ落ちるといったことも
ない。
【0094】しかも、この黒鉛の生成過程では、フィラ
ーであるコークスとバインダーピッチを出発原料として
いることから、多結晶体として黒鉛化し、さらに原料に
含まれる硫黄や窒素が熱処理時にガスとなって発生し、
その通り道が最終的にミクロな空孔になる。このような
ミクロな空孔を有して生成された黒鉛は、その空孔もリ
チウムの格納場所となり得ることから、リチウムのドー
プ・脱ドープ反応が進行し易い。したがって、このよう
な黒鉛粉末で構成された負極は、非常に優れた性能を発
揮することになる。
【0095】また、このような炭素成型体から製造する
製造方法は、収率が高く工業的にも有利である。
【0096】なお、上記炭素成型体は、フィラー自身に
成型性、焼結性を付与した原料で構成するようにしても
良い。
【0097】次に、非水電解液二次電池で用いる電解液
としては、電解質が非水溶媒に溶解されてなる非水電解
液が用いられる。
【0098】非水溶媒としては、エチレンカーボネート
(EC)等の比較的誘電率の高いものを主溶媒に用いる
ことが前提となるが、電解質イオンの移送能力や低温特
性を高める目的で、低粘度溶媒を併用するのが望まし
い。
【0099】高誘電率溶媒としては、ECの他、プロピ
レンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビ
ニレンカーボネート、スルホラン類、ブチロラクトン
類、バレロラクトン類等が好適である。
【0100】低粘度溶媒としては、ジエチルカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート等の対称あるいは非対
称の鎖状炭酸エステルが好適である。これら低粘度溶媒
は、単独で高誘電率溶媒に混合しても、2種類以上を組
み合わせて高誘電率溶媒に混合しても良い。
【0101】ここで、特に負極に黒鉛材料を用いる場合
には、高誘電率溶媒の選択に注意する。すなわち、負極
に黒鉛材料を用いる場合には、例えばPCは黒鉛材料と
反応性を有することから使用を避ける必要があり、EC
等を主溶媒として用いるのが望ましい。また、ECの水
素原子をハロゲン元素で置換した構造の化合物も主溶媒
として使用できる。
【0102】但し、PCのように黒鉛材料と反応性があ
るものであっても、第2の成分溶媒として、主溶媒とな
るECあるいはECの水素原子をハロゲン元素で置換し
た化合物等の一部を少量置換する程度に用いるのであれ
ば使用可能である。この第2の成分溶媒としては、PC
の他、ブチレンカーボネート,1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシメタン、γ−ブチロラクトン、
バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル、
l,3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン
等が挙げられる。なお、これら第2の成分溶媒の添加量
は、l0容量%未満に抑えることが好ましい。
【0103】非水溶媒に溶解する電解質としては、この
種の電池で通常用いられているものがいずれも使用可能
である。
【0104】具体的には、LiPF6、LiClO4、L
iAsF6、LiBF4、LiB(C654、CH3SO
3Li、CF3SO3Li、LiN(CF3SO22、Li
C(CF3SO23、LiCl、LiBr等が挙げら
れ、特にLiPF6が好ましい。また、これら電解質は
単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても良
い。
【0105】
【実施例】本発明の実施例を実験結果に基づいて説明す
る。
【0106】作製した電池の構成 後述の各実験例において作製した電池の構造を図3に示
す。
【0107】この非水電解液二次電池は、図3に示すよ
うに、負極集電体10に負極活物質を塗布してなる負極
1と、正極集電体11に正極活物質を塗布してなる正極
2とを、セパレータ3を介して巻回し、この巻回体の上
下に絶縁体4を載置した状態で電池缶5に収納してなる
ものである。
【0108】前記電池缶5には電池蓋7が封口ガスケッ
ト6を介してかしめることによって取付けられ、それぞ
れ負極リード12及び正極リード13を介して負極1あ
るいは正極2と電気的に接続され、電池の負極あるいは
正極として機能するように構成されている。
【0109】そして、本実施例の電池では、前記正極リ
ード13は電流遮断機構を有する安全弁装置8に溶接さ
れて取付けられ、この安全弁装置8及びPTC素子9を
介して電池蓋7との電気的接続が図られている。
【0110】このような構成を有する電池において、電
池内部の圧力が上昇すると、前記安全弁装置8が押し上
げられて変形する。すると、正極リード13が安全弁装
置8と溶接された部分を残して切断され、電流が遮断さ
れる。
【0111】実験例1 本実験例では、負極活物質として難黒鉛化性炭素材料を
用いた場合について、正極の導電剤として鱗片状黒鉛及
び繊維状黒鉛の混合物を用いる効果を検討した。
【0112】まず、負極1の負極活物質を次のようにし
て合成した。
【0113】フルフリルアルコールl00重量部に対
し、85%燐酸0.5重量部、水10重量部を混合し、
これを湯浴上で5時間加熱することで粘調な重合体(フ
ルフリルアルコール樹脂(PFA))を得た。残留した
水及び未反応アルコールを真空蒸留で除去した後、得ら
れたフルフリルアルコール樹脂を、窒素気流中、温度5
00℃で5時間で炭化し、粉砕した。そして、この粉砕
物を、1200℃まで昇温して1時間熱処理し、さらに
粉砕することで平均粒径20μmの炭素材料(難黒鉛化
性炭素材料)の粉末を得た。なお、この難黒鉛化性炭素
材料についてX線回折測定を行った結果、(002)面
の面間隔が0.383nmであった。また、ピクノメー
タ法による真比重は1.52g/cm3、空気気流中で
の示差熱分析における酸化発熱ピーク温度は634℃で
あった。
【0114】次に、このようにして得られた難黒鉛化性
炭素粉末を負極活物質として、負極1を作製した。
【0115】まず、上記難黒鉛化性炭素粉末90重量部
と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)l
0重量部を混合して負極合剤を調製し、この負極合剤を
溶剤となるN−メチルピロリドンに分散させて負極合剤
スラリー(ペースト状)とした。
【0116】そして、この負極合剤スラリーを、負極集
電体10となる厚さl0μmの帯状の銅箔の両面に塗
布、乾燥させた後、一定圧力で圧縮成型することで帯状
負極1を作製した。
【0117】一方、正極2の正極活物質を以下のように
して作製した。
【0118】炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1
モルを混合し、空気中、温度900℃で5時間焼成し
た。この得られた材料についてX線回折測定を行った
果、JCPDSファイルに登録されたLiCoO2のピ
ークと良く一致していた。
【0119】このようにして得られたLiCoO2を、
レーザー回折法で得られる累積50%粒径が15μmと
なるように粉砕した。
【0120】次に、得られたLiCoO2粉末を正極活
物質として、正極2を作製した。
【0121】まず、LiCoO2粉末95重量部と炭酸
リチウム粉末5重量部を混合した。そして、この混合物
9l重量部と、導電剤となる鱗片状黒鉛(ロンザ社製
商品名KS−15)と繊維状炭素(昭和電工社製 商品
名VGCF)の混合物6重量部及び結着材となるポリフ
ッ化ビニリデン3重量部を混合して正極合剤を調製し
た。なお、鱗片状黒鉛と繊維状炭素のそれぞれの混合量
は表1に示すように変化させた。そして、この正極合剤
を、N−メチルピロリドンに分散させて正極合剤スラリ
ー(ペースト状)とした。
【0122】そして、この正極合剤スラリーを、正極集
電体11となる厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の
両面に均一に塗布、乾燥させた後、圧縮成型することで
帯状正極2を作製した。
【0123】以上のようにして作製された帯状負極1、
帯状正極2を、図1に示すように厚さ25μmの微多孔
性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ3を介し
て、負極1、セパレータ3、正極2、セパレータ3の順
に積層して多数回巻回し、外径18mmの渦巻型電極体
を作製した。
【0124】続いて、作製した渦巻型電極体を、ニッケ
ルめっきを施した鉄製電池缶5に収納し、この渦巻式電
極上下両面に絶縁板4を配設した。そして、正極集電体
11からアルミニウム製正極リード13を導出して電池
蓋7に溶接し、負極集電体10からニッケル製負極リー
ド12を導出して電池缶5に溶接した。
【0125】このように渦巻型電極体が収納された電池
缶5の中に、プロピレンカーボネートとジメチルカーボ
ネートの等容量混合溶媒中にLiPF6を1mol/l
の割合で溶解した電解液を注入した。そして、電池缶5
と、電流遮断機構を有する安全弁装置8、PTC素子9
並びに電池蓋7を、アスファルトで表面を塗布した絶縁
封ロガスケット6を介してをかしめることで固定し、電
池内の気密性を保持させ、直径l8mm,高さ65mm
の円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0126】以上のようにして作製した電池について、
充放電サイクルを繰り返し行い、2サイクル目の容量に
対する100サイクル目の容量の比(容量維持率)を求
めた。
【0127】なお、充放電サイクル試験は、環境温度2
5℃下、最大充電電圧4.2V,充電電流1Aで2.5
時間充電した後、2000mAの定電流で2.75Vま
で放電するといった条件で行った。
【0128】測定された容量維持率を、鱗片状黒鉛と繊
維状黒鉛の混合量と併せて表1に示す。また、容量維持
率について、導電剤全体に対する繊維状炭素の割合を横
軸にプロットした結果を図4に示す。
【0129】
【表1】
【0130】図4からわかるように、鱗片状黒鉛のみを
導電剤とした用いた電池では88%の容量維持率しか得
られず、また、繊維状炭素のみを導電剤として用いた電
池では80%の容量維持率しか得られない。
【0131】これに対して、導電剤の一部を繊維状炭素
に置き換えた電池では、最高で95%の容量維持率が得
られる。
【0132】このことから、導電剤として鱗片状黒鉛と
繊維状炭素の混合物を用いることは電池の容量維持率を
改善する上で有効であることがわかる。
【0133】しかし、繊維状炭素の混合率が10重量%
と小さい場合、逆に繊維状炭素の混合率が80重量%と
大きい場合には、鱗片状黒鉛あるいは繊維状炭素を単独
で導電剤に用いた場合に比べてあまり容量維持率の向上
は見られない。
【0134】このことから、鱗片状黒鉛と繊維状炭素の
混合率は、重量比で85:15〜25:75が適当であ
ることがわかる。
【0135】実験例2 本実験例では、負極材料として黒鉛を用いる場合につい
て、正極の導電剤として鱗片状黒鉛及び繊維状黒鉛の混
合物を用いる効果を検討した。
【0136】以下のようにして生成した黒鉛粉末を負極
活物質とすること以外は実験例1と同様にして電池を作
製した。なお、導電剤における鱗片状黒鉛と繊維状炭素
の混合率は表2に示すように変化させた。
【0137】フィラーとなる石炭系コークスl00重量
部にバインダーとなるコールタール系ピッチ30重量部
を加え、温度約l00℃で混合した。そして、この混合
物を、プレスにて圧縮成型することで炭素成型体の前駆
体を得た。
【0138】次に、この炭素成型体の前駆体をl000
℃以下の温度で熱処理して炭素材料成型体とした後、2
00℃以下の温度で溶融させたバインダーピッチを含浸
させ、l000℃以下の温度で熱処理を行った。続い
て、このピッチ含浸/焼成工程を数回繰り返し、炭素成
型体を得た。そして、この炭素成型体を、不活性雰囲気
下、温度2600℃で熱処理することで黒鉛化成型体と
し、粉砕・分級することで黒鉛粉末を作製した。
【0139】なお、得られた黒鉛粉末についてX線回折
測定を行った結果、(002)面の面間隔は0.337
nm、(002)面のC軸結晶子厚みが50.0nmで
あった。また、ピクノメータ法による真比重が2.23
g/c3、嵩比重が0.83g/cm3、平均形状パラメ
ータxaveがl0、BET法による比表面積が4.4m2
/gである。さらに、レーザ回折法による粒度分布は、
平均粒径が3l.2μm、累積l0%粒径がl2.3μ
m,累積50%粒径が29.5μm,累積90%粒径が
53.7μmである。また、破壊強度の平均値は7.l
kgf/mm2である。なお、嵩比重、平均形状パラメ
ータxave及び破壊強度は以下のようにして測定した。
【0140】<嵩比重測定方法>嵩比重はJISK‐l
469に記載される方法で求めた。すなわち、予め質量
を測定しておいた容量l00cm3のメスシリンダーを
斜めにし、これに試料粉末l00cm3を、さじを用い
て徐々に投入する。そして、メスシリンダー及び試料粉
末全体の質量を最小目盛0.1gで測り、その質量から
メスシリンダーの質量を差し引くことで試料粉末の重量
Wを求める。次に試料粉末が投入されたメスシリンダー
にコルク栓をし、その状態のメスシリンダーを、ゴム板
に対して約5cmの高さから50回落下させる。その結
果、メスシリンダー中の試料粉末は圧縮されるので、そ
の圧縮された試料粉末の容積Vを読み取る。そして、下
記の式により嵩比重(g/cm3)を算出する。
【0141】D=W/V D:嵩比重(g/cm3) W:メスシリンダー中の試料粉末の質量(g) V:50回落下後のメスシリンダー中の試料粉末の容積
(cm3) <平均形状パラメータxave測定方法:SEM法>試
料粉末をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、
最も長さの長い部分の長さLが平均粒径の±30%であ
るような粉末を10個選択する。そして、選択した10
個の試料粉末それぞれについて、最も厚さの薄い部分の
厚みT、最も長さの長い部分の長さL、奥行きに相当す
る長軸と直交する方向の長さWを測定し、次式に基づい
て形状バラメータを求め、平均値を算出した。この平均
値を平均形状パラメータxaveとした。
【0142】x:(W/T)×(L/T) x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分厚み L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ <破壊強度の平均値の測定方法>破壊強度は、微小圧縮
試験機(島津製作所社製 商品名MCTM‐500)を
用いて測定した。まず、試験機付属の光学顕微鏡によっ
て試料粉末を観察し、最も長さの長い部分の長さが平均
粒径の±10%であるような粉末をl0個選択する。そ
して、選択したl0個の試料粉末それぞれについて、荷
重を加えて粒子の破壊強度を測定し、その平均を算出す
る。この算出された平均値を破壊強度の平均値とする。
【0143】以上のようにして作製した電池について、
充放電サイクルを繰り返し行い、2サイクル目の容量に
対する100サイクル目の容量の比(容量維持率)を求
めた。容量維持率の測定結果を、鱗片状黒鉛と繊維状黒
鉛の混合量と併せて表2に示す。また、容量維持率につ
いて、導電剤全体に対する繊維状炭素の割合を横軸にプ
ロットした結果を図5に示す。
【0144】
【表2】
【0145】図5からわかるように、鱗片状黒鉛のみを
導電剤とした用いた電池では80%の容量維持率しか得
られず、また、繊維状炭素のみを導電剤として用いた電
池では70%の容量維持率しか得られない。
【0146】これに対して、導電剤の一部を繊維状炭素
に置き換えた電池では、最高で91%の容量維持率が得
られる。
【0147】このことから、導電剤として鱗片状黒鉛と
繊維状炭素の混合物を用いることによる効果は、負極活
物質として黒鉛を用いる場合においてより顕著に発揮さ
れることがわかる。
【0148】しかし、繊維状炭素の混合率が10重量%
と小さい場合、逆に繊維状炭素の混合率が80重量%と
大きい場合には、鱗片状黒鉛あるいは繊維状炭素を単独
で導電剤に用いた場合に比べてあまり容量維持率の向上
は見られない。
【0149】このことから、負極材料として黒鉛を用い
る場合にも、鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混合率は、重量
比で85:15〜25:75が適当であることがわか
る。
【0150】実験例3 本実験例では、正極合剤に含有させる導電剤の比率につ
いて検討した。
【0151】正極合剤の、LiCoO2粉末と炭酸リチ
ウム粉末の混合物,鱗片状黒鉛,繊維状炭素及びポリフ
ッ化ビニリデンの混合量を表3に示すように変化させた
こと以外は実験例2と同様にして非水電解液二次電池を
作製した。
【0152】作製した電池について、充放電サイクルを
繰り返し行い、2サイクル目の容量に対する100サイ
クル目の容量の比(容量維持率)を求めた。2サイクル
目の容量及び容量維持率の測定結果を、正極合剤の組成
と併せて表3に示す。また、容量維持率について、正極
合剤全体に対する導電剤(鱗片状黒鉛と繊維状炭素)の
割合を横軸にプロットした結果を図6に、2サイクル目
の容量について正極合剤全体に対する導電剤の割合を横
軸にプロットした結果を図7に示す。
【0153】
【表3】
【0154】図6及び図7からわかるように、容量維持
率、2サイクル目の容量は、正極合剤全体に対する導電
剤の割合に依存して変化する。そして、いずれについて
も、導電剤の割合が例えば3重量%とを下回ったり、逆
に16重量%を越えている場合には、十分な値が得られ
なくなる。このことから、正極合剤全体に対する導電剤
の割合は3〜16重量%が適当であることがわかる。
【0155】実験例4 本実験例では、導電剤に混合する繊維状炭素の種類を変
え、それぞれの効果を比較した。
【0156】正極合剤において鱗片状黒鉛と繊維状炭素
の混合量を、それぞれ4重量%,2重量%に固定し、繊
維状炭素の種類を表4に示すように変えたこと以外は実
験例2と同様にして非水電解液二次電池を作製した。な
お、用いた繊維状炭素は、VGCF炭素化品(昭和電工
社製),グラスカー炭素化品GWV−1A(日機装社
製),グラスカー黒鉛化品GWH−1A(日機装社
製),T−300(東レ社製)の4種類である。
【0157】作製した電池について、充放電サイクルを
繰り返し行い、2サイクル目の容量に対する100サイ
クル目の容量の比(容量維持率)を求めた。容量維持率
の測定結果を、繊維状黒鉛の種類とともに表4に示す。
また、比較として、鱗片状黒鉛単独を導電剤に用いて作
製した電池の容量維持率も併せて表4に示す。
【0158】
【表4】
【0159】表4からわかるように、導電剤として鱗片
状黒鉛と繊維状炭素の混合物を用いた電池は、鱗片状黒
鉛単独を導電剤に用いた電池に比べて、いずれも大きな
容量維持率が得られる。
【0160】このことから、導電剤に繊維状炭素を混合
することによる効果は、繊維状炭素の種類に依らず発揮
されることが確認された。
【0161】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の非水電解液二次電池では、正極の導電剤として鱗片
状黒鉛と繊維状炭素の混合物を使用するので、重負荷放
電条件で用いた場合でも正極の電極構造が破壊されず、
長いサイクル寿命が得られる。したがって、本発明は非
水電解液二次電池の実用性の向上に大いに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒鉛粉末の粒子形状の一例を示す模式図であ
る。
【図2】黒鉛粉末の粒子形状の他の例を示す模式図であ
る。
【図3】本発明を適用した非水電解液二次電池の一例を
示す縦断面図である。
【図4】負極活物質として難黒鉛化性炭素材料を用いた
場合の、導電剤中の繊維状炭素の混合比率と電池の容量
維持率の関係を示す特性図である。
【図5】負極活物質として黒鉛材料を用いた場合の、導
電剤中の繊維状炭素の混合比率と電池の容量維持率の関
係を示す特性図である。
【図6】正極合剤全体に対する導電剤の含有率と電池の
容量維持率の関係を示す特性図である。
【図7】正極合剤全体に対する導電剤の含有率と電池の
2サイクル目容量の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 負極 2 正極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムをドープ・脱ドープすることが
    可能な炭素材料を主体とする負極、正極及び非水溶媒に
    電解質が溶解されてなる非水電解液を有してなる非水電
    解液二次電池において、 上記正極に、導電剤として鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混
    合物が含有されていることを特徴とする非水電解液二次
    電池。
  2. 【請求項2】 正極に含有される鱗片状黒鉛と繊維状炭
    素の混合比率が、重量比で85:l5〜25:75であ
    ることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電
    池。
  3. 【請求項3】 正極は、正極活物質、鱗片状黒鉛と繊維
    状炭素の混合物及び結着材よりなる正極合剤を有してな
    り、正極合剤に含有される鱗片状黒鉛と繊維状炭素の混
    合物の含有率が3〜16重量%であることを特徴とする
    請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 正極に、正極活物質としてLiMO
    2(但し、MはCo,Ni,Mn,Fe,Al,V,T
    iの少なくとも1種を表す)で表されるリチウム遷移金
    属複合酸化物が含有されていることを特徴とする請求項
    1記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 負極の炭素材料は、黒鉛材料であること
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 負極の炭素材料は、難黒鉛化性炭素材料
    であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次
    電池。
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