JPH09271200A - ディジタルサーボ制御装置 - Google Patents

ディジタルサーボ制御装置

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JPH09271200A
JPH09271200A JP8103344A JP10334496A JPH09271200A JP H09271200 A JPH09271200 A JP H09271200A JP 8103344 A JP8103344 A JP 8103344A JP 10334496 A JP10334496 A JP 10334496A JP H09271200 A JPH09271200 A JP H09271200A
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JP
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current
axis component
value
control
component
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Application number
JP8103344A
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English (en)
Inventor
Minoru Enomoto
稔 榎本
Yuji Oba
裕司 大場
Norihisa Sugiura
功久 杉浦
Katsuhiro Asano
勝宏 浅野
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Toyoda Koki KK
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタルサーボ制御においてサーボモータ
の出力トルクの変動を防止し制御性能を向上させるこ
と。 【解決手段】 検出された電流のd軸成分及びq軸成
分、算出された電圧のd軸成分及びq軸成分、検出され
た回転角、検出された回転角速度から、ディジタルサー
ボ制御系に対する同一次元オブザーバによる演算によ
り、現実の制御時期における負荷電流のd軸成分及びq
軸成分を予測する電流予測手段と、電流予測手段により
得られた負荷電流のd軸成分及びq軸成分と、検出され
た電流のd軸成分及びq軸成分とを電流のフィードバッ
ク値とし、それらの値と電流の目標値とに応じて電流制
御を行う電流制御手段を設けた。電流検出時刻と電流制
御時刻との時間差を無くし、電流予測値のずれを無くす
ることができるので、ディジタルサーボモータのトルク
振動が防止され、制御性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は交流サーボモータを
ディジタル制御するためのディジタルサーボ制御装置に
関し、特に、トルク変動を防止したものに関する。
【0002】
【従来技術】近年、アナログ制御系の欠点を解消するた
めに、ディジタルサーボ制御装置が使用されるようにな
った。このディジタルサーボ制御装置は、目標値及びフ
ィードバック値をディジタル値で与えると共に、両者の
偏差演算をディジタルコンピュータで行い、その偏差に
応じた指令値をディジタル値で与え、その値に応じて制
御量をディジタル制御するものである。このようなサー
ボ制御装置は、一般に、位置、速度及び電流のフィード
バックループを備えている。上記フィードバックループ
のうち電流フィードバックループにおいては、電流はカ
レントトランスフォーマ(CT)で検出され、その出力
はアナログ増幅器で増幅され、その増幅器の出力が所定
の周期でサンプリングされて、ディジタル化される。
【0003】そして、検出された各相の電流がdq変換
され、そのd軸成分とq軸成分とが、各軸の目標値に等
しくなるように制御されている。負荷電流のd軸成分は
無効電流を意味し、負荷電流のq軸成分はサーボモータ
が同期モータであり励磁磁界の大きさが一定である場合
には、サーボモータのトルクに比例する。従って、電流
のフィードバック制御は、同期モータの場合には、検出
された負荷電流のd軸成分が零となり、q軸成分が出力
トルクの目標値に等しくなるように制御される。このよ
うに、d軸成分とq軸成分は、励磁磁場と電機子コイル
の基準軸との成す電気角、例えば回転励磁子形の同期モ
ータでは回転磁界の回転角θ、回転電機子形の同期モー
タでは電機子の回転角、誘導電動機では一次側(静止座
標)から見た回転磁界の回転角、にかかわらず、直流成
分だけとなるため、電流制御が容易になるという利点が
ある。また、速度フィードバックループと位置フィード
バックループの制御周期は、電流フィードバックループ
の整数倍に設定されている。
【0004】このようなディジタルサーボ制御装置にお
いては、電流検出、電流のdq変換、電流偏差演算、指
令電圧値演算、dq逆変換、PWM制御パターン出力
が、ディジタルコンピュータによって演算される。この
結果、ディジタルコンピュータによる演算時間のため、
現実の電流制御時刻が演算時間だけ電流検出時刻に対し
て遅れることになる。即ち、電流の制御時刻において
は、既に、電流値は検出された値と異なるために、現実
の電流値と異なった値に基づいて電流制御を行うことに
より、制御特性が悪くなり、トルク変動を生じることに
なる。この問題を解決するために、ディジタルサーボ制
御系に対する同一次元オブザーバによる演算により、現
実の制御時期における負荷電流のd軸成分及びq軸成分
を予測し、その予測された負荷電流のd軸成分及びq軸
成分を電流のフィードバック値とし、その値と電流の目
標値とに応じて電流制御を行い、電流の検出時刻と制御
時刻との時間差をなくしたディジタルサーボ制御装置が
開示されている(特開平5−204461号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示技術では、フィードバック値として用いている予測値
が、インバータのバス電圧変動や非線形要素、またモー
タ定数の誤差などによって実際の値よりずれることがあ
り、それによりディジタルサーボ制御装置の制御特性が
よくないという問題がある。
【0006】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、ディジタルサーボ制御装置
において、インバータのバス電圧変動などによるサーボ
モータの出力トルクの変動を防止し、制御性能を向上さ
せることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の手段を採用することができる。こ
の手段によると所定の制御周期で、多相交流サーボモー
タの負荷電流をサンプリングして電流フィードバック値
として、その値と電流の目標値に応じて、負荷電流をデ
ィジタル制御する電流フィードバックループを有したデ
ィジタルサーボ制御装置において、電流検出手段により
各サンプリング時刻における交流サーボモータの負荷電
流のd軸成分とq軸成分とを検出する。また角度検出手
段により各サンプリング時刻におけるサーボモータの回
転角を検出し、速度検出手段により各サンプリング時刻
におけるサーボモータの回転角速度を検出する。そし
て、電流検出手段による検出値、各サンプリング時刻に
おける交流サーボモータの印加電圧のd軸成分とq軸成
分、角度検出手段による検出値、及び速度検出手段によ
る検出値を用いて、ディジタルサーボ制御系に対する同
一次元オブザーバによる演算により、現実の制御時期に
おける負荷電流のd軸成分及びq軸成分を電流予測手段
により予測する。この電流予測手段による予測値と、電
流検出手段による検出値をフィードバック値として、そ
れぞれの値と電流の目標値とに応じて電流制御手段によ
り電流制御を行う。電流の予測値はインバータのバス電
圧変動や非線形要素、またはモータの定数の誤差によっ
て実際の値よりずれることがあるが、電流検出手段によ
る検出値をフィードバックすることにより電流指令値に
電流の予測値のズレによる誤差がなくなり、トルク変動
が防止され、ゲインを上げることができ、制御性能が向
上する。
【0008】また、請求項2に記載の手段によれば、電
流の目標値と電流予測手段からのフィードバック値との
偏差から比例項を求める第一演算手段と、電流の目標値
と電流検出手段からのフィードバック値との偏差の累積
値から積分項を求める第二演算手段と、比例項及び積分
項から電流制御のための電圧指令値を求める第三演算手
段とで電流制御手段を構成する。これにより請求項1に
記載の手段をより効果的に実現することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図1は本発明に係るディジタルサー
ボ制御装置の構成を示したブロックダイヤグラムであ
る。ディジタルサーボ制御装置10は主として、CPU
11、ROM12、RAM13、ディジタルシグナルプ
ロセッサ(以下「DSP」という)14、共通RAM1
7,A/D変換器15a,15b及び現在値カウンタ1
6から構成されている。CPU11にはインタフェース
(IF)19を介してキーボード(KB)21及びCR
T表示装置22が接続されている。
【0010】DSP14の出力はインバータ25に入力
され、そのインバータ25はDSP14の出力信号に応
じてサーボモータ31を駆動する。サーボモータ31に
は同期モータが用いられ、インバータ25のPWM電圧
制御によりサーボモータ31の負荷電流が制御され、そ
の結果、出力トルクが制御される。
【0011】サーボモータ31のu 相及びv 相の負荷電
流はCT32a,32bにより検出され、増幅器18
a,18bにより増幅される。その増幅器18a,18
bの出力は、A/D変換器15a,15bに入力され、
所定の周期でサンプリングされ、ディジタル値に変換さ
れる。そのサンプリングされた値は、瞬時負荷電流のフ
ィードバック値として、DSP14に入力する。又、サ
ーボモータ31にはパルスエンコーダ33が接続され、
その現在位置が検出される。パルスエンコーダ33の出
力は波形整形・方向判別回路34を介して現在値カウン
タ16に接続されている。
【0012】波形整形・方向判別回路34を介して現在
値カウンタ16に入力されるパルスエンコーダ33から
の出力信号は現在値カウンタ16の値を加減させる。D
SP14により、現在値カウンタ16の値は現在位置フ
ィードバック値として読み込まれ、DSP14により、
CPU11から出力された目標値と比較され位置偏差が
算出される。そして、DSP14により、その位置偏差
に基づいて速度目標値が算出される。
【0013】又、DSP14に入力された現在位置フィ
ードバック値は微分され、速度フィードバック値が算出
される。DSP14により、位置偏差に応じて決定され
る速度目標値と速度フィードバック値とが比較され速度
偏差が算出され、その速度偏差に基づいて電流目標値が
算出される。
【0014】一方、CT32a,32bにて検出された
負荷電流は、増幅器18,18b及びA/D変換器15
a,15bを介してDSP14に入力する。そして、後
で詳しく説明するように、電流サンプリング時刻におけ
る検出電流値に基づいて電流制御時刻における電流値が
電流フィードバック値として予測演算される。
【0015】そして、DSP14により、電流目標値と
予測演算された電流フィードバック値と比較され、電流
偏差が算出される。その時の瞬時電流偏差と瞬時電流偏
差の累積値とに基づいて、即ち、比例積分演算により、
その電流制御時刻における瞬時電圧指令値が演算され
る。その瞬時電圧指令値は高周波数の三角波と比較さ
れ、インバータ25の各相のトランジスタのオンオフを
制御する電圧制御PWM信号が生成される。
【0016】その電圧制御PWM信号は、インバータ2
5に出力され、そのインバータ25の各相のトランジス
タがそれぞれ駆動される。このインバータ25のスイッ
チングにより、各相の負荷電流は電流目標値に制御され
ることになる。尚、サーボモータ31の位置決めは、C
PU11により、現在値カウンタ16の出力値が位置の
目標値に等しくなったと判定された時に完了される。
又、A/D変換器15a,15bによってサンプリング
されたu 相,v相の負荷電流値は、DSP14によりdq変
換される。
【0017】本実施例のディジタルサーボ制御装置は、
上述したように、位置、速度及び電流の3つのフィード
バックループにより構成されている。より下位のフィー
ドバックループ程、より高い応答性が要求され、例え
ば、最下位の電流フィードバックループは 100μs 、速
度フィードバックループはその数倍、位置フィードバッ
クループは更にその数倍の時間間隔で同期を取ってデー
タのサンプリングが実行され、それぞれのフィードバッ
クループの処理が実行される。
【0018】次に、本実施例装置の作動について説明す
る。図2のプログラムは、DSP14によって、所定の
最小周期毎に繰り返し実行される。ステップ100 では、
現実行サイクルが位置偏差演算タイミングか否かが判定
され、位置偏差演算タイミングであれば、ステップ102
で現在値カウンタ16に保持された位置の現在値が読み
込まれ、目標値に対する位置偏差が演算される。次に、
ステップ104 において、位置偏差に応じて速度目標値が
演算される。この位置のフィードバック制御は、図3の
信号S1で示すタイミングで実行される。
【0019】次に、ステップ106 において、現実行サイ
クルが速度偏差演算タイミングか否かが判定される。第
p 速度制御周期における速度偏差演算タイミングであれ
ば、ステップ108 で、現在値カウンタ16に保持された
位置の現在値( 電気角) θ(p) が読み込まれる。次に、
ステップ110 において、前回第p-1 速度制御周期におけ
る速度偏差演算タイミング時に読み込まれた位置の現在
値( 電気角) θ(p-1) と、速度制御周期D とから現速度
制御期間における電気角速度の現在値ω(p) が次式によ
って演算される。
【0020】
【数1】 ω(p)= (θ(p)-θ(p-1))/D …(1)
【0021】又、ステップ104 で設定された速度目標値
に対する偏差、即ち、速度偏差が演算される。そして、
次のステップ112 において、その速度偏差に応じて、d
軸成分とq 軸成分の電流目標値が演算される。この速度
フィードバック制御は、図3の信号S2で示すタイミング
で実行される。
【0022】次に、ステップ114 において、前回の速度
制御周期において検出された角速度ω(p-1) と今回の速
度制御周期において検出された角速度ω(p) とを用い
て、今回の電気角加速度A(p)が次式により演算される。
【0023】
【数2】 A(p)=(ω(p)-ω(p-1))/D …(2) 次に、ステップ116 に移行して、現実行サイクルが第n
電流制御周期における電流偏差演算タイミングか否かが
判定される。尚、n は、1 つの速度制御周期において、
1,2,…と変化する値であり、電流検出及び電流制御の時
刻に関連している。電流偏差演算タイミングであれば、
ステップ118 へ移行する。ステップ118以下は電流フィ
ードバック制御であり、この制御は、図3の信号S3に示
すタイミングで実行される。
【0024】ステップ118 では、第p 速度制御周期にお
ける第n 電流制御周期の電流検出時の電気角θ(n) と電
流制御時の電気角θ(n+1) が次式により演算される。
尚、本実施例では、図3に示すように、電流制御時は電
流検出時に比べて、1電流制御周期分T だけ遅れると
し、第N 電流制御周期の電流制御が行われた後、時間遅
れなく、第N+1 電流制御周期の電流検出が行われるもの
としている。即ち、第N 電流制御周期の電流制御時刻と
第N+1 電流制御周期の電流検出時刻は同一であると仮定
している。
【0025】
【数3】 θ(n)=θ(p)+ω(p)nT …(3)
【数4】 θ(n+1)=θ(p)+ω(p)(n+1)T …(4) 但し、T は電流制御周期である。又、電流検出時刻にお
ける電気角速度ω(n) が次式により補間演算される。
【数5】 ω(n) =ω(p) +A(p)nT …(5)
【0026】次に、120 へ移行して、u 相、v 相の瞬時
負荷電流の現在値Iu(n),Iv(n) がA/D変換器15a,
15bから読み込まれる。尚、w 相の瞬時負荷電流の現
在値Iw(n) は、Iw(n)=-(Iu(n)+Iv(n))により演算され
る。次に、ステップ122 において、その電流の現在値Iu
(n),Iv(n),Iw(n) はdq変換されて、電流検出時刻におけ
る d軸成分Id(n) と q軸成分Iq(n) とが、次式により演
算される。
【0027】
【数6】
【0028】尚、dq座標系は、良く知られたように、 d
軸は励磁磁場と同相にとられ、 q軸は励磁磁場と電気角
で90°の位相差にとられた座標系である。 d軸成分は無
効成分をq 軸成分は有効成分を表す。
【0029】次に、ステップ124 において、電流検出時
刻(n) における検出電流の現在値のd軸成分Id(n) と q
軸成分Iq(n) から、電流制御時刻(n+1) における負荷電
流の予測値の d軸成分Id(n+1)'と q軸成分Iq(n+1)'が演
算される。
【0030】次にその手順を図4に基づいて説明する。
ステップ200 において、電流検出時刻におけるサーボモ
ータの速度起電力のq軸成分Eq(n) が、サーボモータの
誘起電圧定数Φと電流検出時刻における電気角速度ω
(n) を用いて、Eq(n)=Φ×ω(n) により演算される。
【0031】次に、ステップ202 において、ディジタル
制御系に対する同一次元オブザーバによる演算により、
電流検出時刻(n) における検出電流の d軸成分Id(n), q
軸成分Iq(n),速度起電力のq 軸成分Eq(n),電圧指令値の
d軸成分Vd(n)*,q軸成分Vq(n)*とから、電流制御時刻(n
+1) における電流の予測値の d軸成分Id(n+1)',q軸成分
Iq(n+1)'が演算される。
【0032】次に、同一次元オブザーバについて説明す
る。電圧の d軸成分Vd,q軸成分Vqと、電流の d軸成分I
d,q軸成分Iqとの間には、次の関係が成立する。
【数7】
【0033】上記(7) 式を(Id,Iq) に関する一次微分方
程式に書き改めると、
【0034】
【数8】 となる。さらに、上記(8) 式を離散化することにより、
次式が得られる。
【0035】
【数9】 但し、
【数10】
【数11】
【0036】上記の(9) 式は、サーボモータの電流と電
圧間の特性を示しており、時刻(n)における電圧、電流
から時刻(n+1) における電流が予測できることを示して
いる。上記(9) 式によるサーボモータのディジタル電流
制御に関する伝達特性は、図5に示すように表現され
る。この制御系に対して、同様な伝達特性を示す制御系
を構成し、同一次元オブザーバを図5に示すように構成
する。現実の制御系と同一次元オブザーバとでは、各ブ
ロックの伝達関数は同一である。このような図5に示す
同一次元オブザーバの伝達特性に関して、次の関係式が
成立する。
【0037】
【数12】 行列チルトA、チルトBは、(10),(11) 式で定義された
ように、ディジタル制御系における伝達行列が用いられ
る。このように、(12)式によって、第N 電流制御時にお
ける電流の予測値のd 軸成分Id(n+1)'とq 軸成分Iq(n+
1)'を求めることが可能となる。
【0038】次に、図2のステップ126 に戻り、ステッ
プ112 で設定された電流目標値のd軸成分とq 軸成分(
電流目標値は速度制御周期の期間不変である。即ち、電
流目標値は、電流検出時刻(n) と電流制御時刻(n+1) と
で等しい) に対する電流の予測値のd 軸成分Id(n+1)'と
q 軸成分Iq(n+1)'の偏差、及び電流目標値のd 軸成分と
q 軸成分に対する電流の検出値のd 軸成分Id(n) とq 軸
成分Iq(n) の偏差の累積値に応じて、電流制御時刻(n+
1) における電圧指令値のd 軸成分Vd(n+1)*とq軸成分Vq
(n+1)*とが演算される。このステップ126 における制御
系のブロック線図を示せば図6のようになり、電圧指令
値のd 軸成分Vd(n+1)*及びq 軸成分Vq(n+1)*は、(13)式
で表される。
【0039】
【数13】 ここで、Id* 、Iq* は目標電流値のd 軸成分、q 軸成分
をそれぞれ示す。また、KI =K/Tである。尚、(13)
式において右辺の第一項、第二項がそれぞれ第一演算手
段、第二演算手段に相当し、右辺全体が第三演算手段に
相当する。次に、ステップ128 において、次式により、
電圧指令値Vd(n+1)*,Vq(n+1)* を逆dq変換して、電流制
御時刻(n+1) における各相電圧指令値Vu(n+1)*,Vv(n+1)
*,Vw(n+1)* が演算される。
【0040】
【数14】
【0041】次に、ステップ130 において各相電圧指令
値Vu(n+1)*,Vv(n+1)*,Vw(n+1)*と高周波数の三角波との
レベル関係を利用して、即ち、平均電圧法を用いて、各
相のPWM信号のオン時間が演算される。そして、ステ
ップ132 において、DSP14に内在された各タイマに
そのオン時間を設定することで、その設定された時間だ
け高レベルとなる各相のPWM信号がインバータ25に
出力される。尚、明示していないが、各相のPWM信号
を生成する時、同相の2つのトランジスタが同時にオン
しないようにデッドタイム処理が施されている。
【0042】このようにして、1つの実行サイクルの処
理が完了する。この実行サイクルは、最小の制御周期で
実行されており、その整数倍で電流フィードバックルー
プが制御され、その整数倍で速度フィードバックループ
が制御され、その整数倍で位置フィードバックループが
制御されるように、ステップ100 、106 、116 で判定の
基準となる回数が設定されている。上記のサイクルが繰
り返し実行されることで、図3に示すタイミングで、位
置、速度、電流のフィードバック制御が行われる。
【0043】尚、上記実施例において、電流予測の演算
式(12)において初期値として商用電源の既知の電圧値を
用いればよい。または、電流検出時(n) における電圧の
指令値Vd(n)*, Vq(n)*に代えて、電圧を実測によって求
めてもよい。また、角速度ω(n) をタコジェネレータに
よって求めても良い。
【0044】
【発明の効果】上記に示されるように、本発明によれ
ば、検出された電流のd軸成分及びq軸成分、算出され
た電圧のd軸成分及びq軸成分、検出された回転角、検
出された回転角速度から、ディジタルサーボ制御系に対
する同一次元オブザーバによる演算により、現実の制御
時期における負荷電流のd軸成分及びq軸成分を予測す
る電流予測手段と、電流予測手段により得られた負荷電
流のd軸成分及びq軸成分と電流検出手段により検出さ
れた負荷電流のd軸成分及びq軸成分とを電流のフィー
ドバック値とし、それらの値と電流の目標値とに応じて
電流制御を行う電流制御手段とを設けているので、未来
の電流制御時刻での電流値を予測することができ、この
予測された電流値を電流のフィードバック値として、電
流を制御することが可能となる。よって、電流検出時刻
と電流制御時刻との時間差を無くすることができるの
で、ディジタルサーボモータのトルク振動を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係るディジタルサ
ーボ制御装置の構成を示したブロックダイヤグラム。
【図2】同実施例装置で使用されているDSPによる処
理手順を示したフローチャート。
【図3】同じくDSPによる位置、速度、電流フィード
バック制御のタイミングを示したタイミングチャート。
【図4】同一次元オブザーバによる電流値の予測手順を
示したフローチャート。
【図5】同一次元オブザーバとディジタル制御系との関
係を示したブロック図。
【図6】電流目標値を入力とし、電圧指令値を出力とし
たときの制御系のブロック線図。
【符号の説明】
10…ディジタルサーボ制御装置 11…CPU 12…ROM 13…RAM 14…DSP(ディジタルシグナルプロセッサ) 15a,15b…A/D変換器 16…現在値カウンタ 25…インバータ 31…サーボモータ 32a,32b…カレントトランスフォーマ(CT) 33
…パルスエンコーダ
フロントページの続き (72)発明者 大場 裕司 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 杉浦 功久 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 浅野 勝宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の制御周期で、多相交流サーボモータ
    の負荷電流をサンプリングして電流フィードバック値と
    して、その値と電流の目標値に応じて、負荷電流をディ
    ジタル制御する電流フィードバックループを有したディ
    ジタルサーボ制御装置において、 各サンプリング時刻における前記交流サーボモータの前
    記負荷電流のdq座標系における無効電流成分のd軸成
    分と有効電流成分のq軸成分とを検出する電流検出手段
    と、 各サンプリング時刻における前記サーボモータの回転角
    を検出する角度検出手段と、 各サンプリング時刻における前記サーボモータの回転角
    速度を検出する速度検出手段と、 前記電流検出手段により検出された電流のd軸成分及び
    q軸成分、各サンプリング時刻における前記交流サーボ
    モータの印加電圧のdq座標系における無効電圧成分の
    d軸成分と有効電圧成分のq軸成分、前記角度検出手段
    により検出された前記回転角、前記速度検出手段により
    検出された前記回転角速度から、ディジタルサーボ制御
    系に対する同一次元オブザーバによる演算により、現実
    の制御時期における負荷電流のd軸成分及びq軸成分を
    予測する電流予測手段と、 前記電流予測手段により得られた負荷電流のd軸成分及
    びq軸成分と、前記電流検出手段により検出された負荷
    電流のd軸成分及びq軸成分とを電流のフィードバック
    値とし、それぞれの値と電流の前記目標値とに応じて電
    流制御を行う電流制御手段とを有することを特徴とする
    ディジタルサーボ制御装置。
  2. 【請求項2】前記電流制御手段は、電流の前記目標値と
    前記電流予測手段からの前記フィードバック値との偏差
    から比例項を求める第一演算手段と、 電流の前記目標値と前記電流検出手段からの前記フィー
    ドバック値との偏差の累積値から積分項を求める第二演
    算手段と、 前記比例項及び前記積分項から電流制御のための電圧指
    令値を求める第三演算手段とを備えたことを特徴とする
    請求項1に記載のディジタルサーボ制御装置。
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