JPH09234019A - 抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤 - Google Patents
抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤Info
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- JPH09234019A JPH09234019A JP8212015A JP21201596A JPH09234019A JP H09234019 A JPH09234019 A JP H09234019A JP 8212015 A JP8212015 A JP 8212015A JP 21201596 A JP21201596 A JP 21201596A JP H09234019 A JPH09234019 A JP H09234019A
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Abstract
レルギー症状の予防及び治療に効果の大きい抗アレルギ
ー食品及び抗アレルギー剤を提供する。 【解決手段】コンフリー抽出物を含有することを特徴と
する抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤。
Description
及び抗アレルギー剤に関する。さらに詳しくは、本発明
は、コンフリー抽出物を有効成分として含有し、アレル
ギー症状の予防及び治療に効果のある抗アレルギー食品
及び抗アレルギー剤に関する。
傾向にあるが、その直接の原因が、カビ、ダニ、花粉な
どに含まれるアレルゲンの増加のみに起因するのか、あ
るいは生体反応の上昇によるのかは解明されてはいな
い。アレルギー症状は、アレルゲンに対する体内で起こ
る抗原抗体反応により、免疫グロブリンE(IgE)が
産生され、結果的に肥満細胞の細胞膜が刺激され、ヒス
タミン、ロイコトリエンを放出することによって発生す
る。放出されたこれらの物質は、血管透過性を促進させ
る作用や、平滑筋を収縮させる作用などを有するため、
白血球や蛋白質が血管から漏出して炎症を誘発したり、
気管支を収縮させ喘息を起こしたりする。抗アレルギー
成分に関して、ボルネオールの肥満細胞膜安定化能(特
開平6−211713号公報)、放線菌培養液の炎症抑
制作用(特開平5−25053号公報)を利用した技術
が知られている。一方、奥山らによりα−リノレン酸を
油脂の形で食品として摂取することによって、アレルギ
ー反応の原因となるロイコトリエンの産生を抑制する効
果のあることが報告されている(Prostaglan
din,第36巻、第3号、1988年)。また、ドコ
サヘキサエン酸(DHA)や、α−リノレン酸を含む油
脂の抗アレルギー性を利用した技術(特開平2−290
812号公報)が知られている。しかし、これら天然の
抗アレルギー剤は、副作用が少ないものの、いずれも効
果が十分とはいえない。アレルギー症状を軽減するため
に、従来より、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミ
ンなどの抗ヒスタミン剤、クロモリン、トラニラストな
どの肥満細胞安定化剤、副腎皮質ホルモンなどを、経口
投与により、あるいは軟膏として用いてきた。しかしな
がら、抗ヒスタミン剤は眠気や口渇などの副作用があ
り、肥満細胞安定化剤にはすでに起こってしまった症状
を軽減する効果は期待できない。副腎皮質ホルモンは、
胃腸障害、肝臓障害、糖尿病、高血圧などの副作用をと
もなう。しかも、これらの薬剤はいずれも一時的な治療
に用いられ、使用を中断すると、再び症状が現れるなど
の問題があった。コンフリーは、野菜として利用されて
おり、胃潰瘍、癌、貧血症などに効果があるといわれて
いる。これまでに、皮膚外用剤(特開平7−25741
号公報)、抗酸化剤(特開平3−56585号公報)、
発毛促進剤(特開昭58−134030号公報)、肝硬
変症治療剤(特開昭53−127811号公報)、糖尿
病治療剤(特開昭53−127810号公報)、浴用整
肌剤(特開昭51−146956号公報)などへのコン
フリーが有する成分の利用が提案されているが、コンフ
リーの抗アレルギー性については知られていなかった。
による治療の問題点を解決するために、天然物からなる
安全で摂取しやすく、しかもアレルギー症状の予防及び
治療に効果の大きい抗アレルギー食品及び抗アレルギー
剤を提供することを目的としてなされたものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コンフリー抽出
物が、肥満細胞からのヒスタミンの遊離抑制作用と、ア
レルギー反応の実験モデルとして確立しているラットP
CA(受身皮膚アナフィラキシー)反応を抑制すること
を見いだし、さらに、コンフリー抽出物と油脂を含有す
る食品が、相乗効果により優れた抗アレルギー性を有す
ることを見いだして、これらの知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)コンフ
リー抽出物を含有することを特徴とする抗アレルギー食
品、(2)コンフリー抽出物及び油脂を含有することを
特徴とする抗アレルギー食品、及び、(3)コンフリー
抽出物を含有することを特徴とする抗アレルギー剤、を
提供するものである。さらに、本発明の好ましい態様と
して、(4)コンフリー抽出物の含有量が、0.1〜2
0重量%である第(1)項又は第(2)項記載の抗アレルギ
ー食品、(5)油脂の含有量が、1〜90重量%である
第(2)項又は第(4)項記載の抗アレルギー食品、及び
(6)コンフリー抽出物の含有量が、0.5〜100重
量%である第(3)項記載の抗アレルギー剤、を挙げるこ
とができる。
アレルギー剤はコンフリー抽出物を有効成分として含有
する。本発明の抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤に
使用するコンフリーは、ムラサキ科ヒレハリソウ属の多
年草 Symphytum officinale
L.である。本発明に用いるコンフリー抽出物を得る方
法には特に制限はなく、任意の公知の抽出方法によるこ
とができる。例えば、まず原料のコンフリーの実、葉、
茎、根などをボールミルなどを用いて粉砕し、次いで、
水、エタノール、n−ヘキサン、エーテル、アセトンな
どの溶媒で抽出し、抽出液を減圧下で加熱することなど
により溶媒を除去して、コンフリー抽出物を得ることが
できる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーなど
により、さらに精製することができる。本発明の抗アレ
ルギー食品は、コンフリー抽出物を配合し得るものであ
れば形態には特に制限はなく、例えば、キャンディー、
ドロップ、錠菓、チューインガム、ゼラチンカプセル
錠、飲料などとすることができる。本発明の抗アレルギ
ー食品は、コンフリー抽出物を、食品に使われる一般的
な原料に直接混合、分散したのち、公知の方法により所
望の形態に加工することによって得ることができる。ま
た、コンフリー抽出物を、あらかじめグリセリン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチ
ン、グリセリンなどとの混合物としておき、この混合物
を原料に配合、分散して、所望の形態に加工することが
できる。グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセリンなどを使用す
ることにより、コンフリー抽出物と食品に使われる一般
的な原料を混合して、容易に均一な乳化状態とすること
ができる。本発明の抗アレルギー食品において、コンフ
リー抽出物の含有量は0.1〜20重量%であることが
好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
コンフリー抽出物の含有量が0.1重量%未満である
と、抗アレルギー性が十分に発現しないおそれがある。
また、コンフリー抽出物の含有量が20重量%を超える
と、食品の粘度の上昇、着色、臭味の劣化が起こり、食
用として不適当となるおそれがある。
抽出物に加えて、さらに油脂を含有せしめることが好ま
しい。使用する油脂には特に制限はなく、例えば、アマ
ニ油、エゴマ油、カヤ油、サフラワー油、大豆油などの
乾性油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、レモン
油などの半乾性油、ウイキョウ油、オリーブ油、カポッ
ク油、ツバキ油、落花生油などの不乾性油、カカオ脂、
シア脂、パーム油、ヤシ油などの植物脂、牛酪脂、豚
脂、馬脂などの陸産動物油、イワシ油、カツオ油、サン
マ油、ニシン油、マグロ油などの魚油、サメ類、エイ類
などの肝油、鯨油、イルカ油などの海獣油などを挙げる
ことができる。これらの油脂の中で、α−リノレン酸を
含むエゴマ油、シソ油など、γ−リノレン酸を含むボラ
ージ油、月見草油など、ドコサヘキサエン酸(DH
A)、エイコサペンタエン酸(EPA)を含む精製魚油
などを特に好適に使用することができる。これらの油脂
はいずれも市販されており、容易に入手して使用するこ
とができる。本発明の抗アレルギー食品は、コンフリー
抽出物及び油脂を併せて配合することにより、抗アレル
ギー性が一層強く発揮される。本発明の抗アレルギー食
品に油脂を含有せしめる場合は、油脂の含有量は1〜9
0重量%であることが好ましく、10〜50重量%であ
ることがより好ましい。油脂の含有量が1重量%未満で
あると、抗アレルギー性の増強効果が顕著に発現しない
おそれがある。また、油脂の含有量が90重量%を超え
ると、相対的にコンフリー抽出物の含有量が少なくな
り、結果的に抗アレルギー性が低下するおそれがある。
出物を直接賦形剤などに混合、分散したのち、所望の形
態に加工することによって得ることができる。あるい
は、コンフリー抽出物をあらかじめグリセリン脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチ
ン、グリセリンなどとの混合物としておき、この混合物
を賦形剤などに配合、分散して、所望の形態に加工する
ことができる。本発明の抗アレルギー剤は、経口投与に
よっても、あるいは、筋肉内、皮下、静脈内、下部体
腔、皮膚などの非経口投与によっても投与することがで
きる。本発明の抗アレルギー剤の製剤化は、製剤の技術
分野における公知の方法により、散剤、細粒剤、顆粒
剤、丸剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ
剤、芳香水剤、懸濁剤、乳剤、チンキ剤、軟膏剤、坐
剤、点眼剤、注射剤などの剤形とすることができる。例
えば、経口用固形製剤を調製する場合には、主薬に賦形
剤、さらに必要に応じて、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯
味矯臭剤などを加えたのち、公知の方法により、錠剤、
顆粒剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤などの剤形とす
る。本発明の抗アレルギー剤において、コンフリー抽出
物の含有量には特に制限はないが、通常は0.5〜10
0重量%であることが好ましく、1〜50重量%である
ことがより好ましい。抗アレルギーにおけるコンフリー
抽出物の含有量は、剤形に応じて適宜選択することがで
きる。本発明の抗アレルギー食品の摂取量又は抗アレル
ギー剤の投与量は、コンフリー抽出物の量として成人1
日当たり300〜10,000mgであることが好まし
く、1,000〜5,000mgであることがより好まし
く、2,000〜3,000mgであることがさらに好まし
い。通常は、成人1日当たりの投与量2,000〜3,0
00mgで十分な効果が認められる。本発明に用いるコン
フリー抽出物について、マウスを用いて急性毒性試験を
行ったところ、経口投与、皮下投与、静脈内投与のいず
れの場合も、5,000mg/kgで死亡例は認められなか
った。本発明の抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤
は、天然物より構成されているために食品及び薬剤とし
て安全であり、かつ製造がきわめて容易である。また、
本発明の抗アレルギー食品は、通常の食生活の中で自然
に摂取することができ、特にコンフリー抽出物と油脂を
併用したときは、相乗的にアレルギー症状に対して顕著
な抑制効果を示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1(コンフリー抽出物の製造) コンフリーの実1kgをボールミルで粉砕し、エーテル
5,000mlとともにソックスレー抽出器に仕込み、2
0時間加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾固し、淡
褐色のコンフリー抽出物45.3gを得た。 製造例2(コンフリー抽出物の製造) 乾燥したコンフリーの葉1kgをボールミルで粉砕し、水
5,000mlを加えて10日間放置した。得られた抽出
液を減圧乾固し、濃緑色のコンフリー抽出物38.3g
を得た。 製造例3(コンフリー抽出物の製造) 乾燥したコンフリーの葉1kgをボールミルで粉砕し、エ
タノール5,000mlとともにソックスレー抽出器に仕
込み、20時間加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾
固し、濃緑色のコンフリー抽出物65.2gを得た。 製造例4(コンフリー抽出物の製造) 乾燥したコンフリー葉1kgをボールミルで粉砕し、3重
量%水酸化ナトリウム水溶液10リットルを加えて10
日間放置した。ヌッチェでろ過して得られた抽出液のpH
を1規定の塩酸で7.0に調節したのち真空凍結乾燥
し、塩化ナトリウムを含む褐色のコンフリー抽出物52
4.5gを得た。 実施例1(ドロップ) 砂糖81.0重量部、D−グルコース[塩水港精糖(株)
製品]16.5重量部、クエン酸[磐城化学(株)製品]
1.1重量部、オレンジ香料[高砂香料(株)製品]0.0
1重量部、オレンジ色素[アイゼン(株)製品]0.01
重量部及び製造例1のコンフリー抽出物0.5重量部を
100〜120℃で加熱溶解し、金型にて固化させてド
ロップを得た。 実施例2(キャンディー) マルチトール[塩水港精糖(株)製品]48.0重量部、
澱粉糖化物[松谷化学(株)製品]20.0重量部及び製
造例2のコンフリー抽出物1.0重量部を120〜17
0℃で加熱溶解し、金型にて固化させてキャンディーを
得た。 実施例3(錠菓) 白糖100.0重量部、アラビアゴム[三栄源(株)製
品]7.0重量部、製造例1のコンフリー抽出物2.0重
量部及びハッカエキス[小川香料(株)製品]0.1重量
部をロッキングミキサーで30分間混合後、打錠機で圧
縮して錠菓を得た。 実施例4(チューインガム) ガムベース20.0重量部、砂糖78.5重量部、製造例
2のコンフリー抽出物0.2重量部、ハッカエキス[小
川香料(株)製品]1.0重量部及び水5重量部を混合
し、チューインガムを製造した。 実施例5(錠剤) 製造例1のコンフリー抽出物100.0gに、乾燥コー
ンスターチ[日本食品(株)製品]2.0gを加えて押し
出し式造粒機で整粒し、タルク[和光純薬(株)製品]
1.8g及びステアリン酸カルシウム[日本油脂(株)製
品]0.2gを滑沢剤として加えて、ロッキングミキサ
ーで10分間混和し、打錠することにより、1錠の重量
が0.52gである錠剤200錠を製造した。 実施例6(顆粒剤) 製造例1のコンフリー抽出物5.0重量部をらいかい機
に入れ、少量の水を加えて溶解したのち、直ちに乳糖
[純正薬品(株)製品]5.0重量部を加えて均一に混合
し、次いでアラビアゴム[三栄源(株)製品]1.0重量
部、最後に単シロップ0.1重量部を滴下し、可塑性の
固まりとしたのち、造粒機で整粒して顆粒剤を得た。 実施例7(散剤) 製造例2のコンフリー抽出物1.0重量部及び乳糖9.0
重量部を混合して散剤とし、0.48g/包に小分けし
た。 実施例8(カプセル剤) 製造例1のコンフリー抽出物5.0重量部、微結晶セル
ロース[旭化成(株)製品]3.5重量部、コーンスター
チ[日本食品(株)製品]2.2重量部及び乳糖[純正薬
品(株)製品]5.0重量部を混和し、ポリビニルピロリ
ドン[和光純薬(株)製品]0.3重量部を結合剤として
加え、造粒機て整粒して顆粒化したのち、ゼラチン硬カ
プセルに充填してカプセル剤を得た。 実施例9(シロップ剤) カルボキシメチルセルロース[旭化成(株)製品]2.0
重量部に、単シロップ100.0重量部を研和しながら
徐々に添加した。これに製造例1のコンフリー抽出物
5.0重量部を添加してさらに研和し、均一な粘稠液と
してシロップ剤を得た。 実施例10(カプセル剤) ボラージ油[γ−リノレン酸含有量25重量%:日本油
脂(株)製品]99重量部と製造例3のコンフリー抽出物
1重量部を、湯浴上で60℃に加熱しながら混合し均質
化し、コンフリー抽出物のボラージ油懸濁液を得た。さ
らにシームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製
品]を用いて、1粒当たりコンフリー抽出物のボラージ
油懸濁液240mgを含むカプセル剤を調製した。 実施例11(粉末) DHA油[DHA含有量27重量%:日本油脂(株)製
品]90重量部と製造例4のコンフリー抽出物10重量
部を、湯浴上で60℃に加熱しながら混合したのち、マ
イクロフルイダイザー[マイクロフルイド社:均質化圧
力500kg/cm2]を用いて均質化し、コンフリー抽出
物のDHA油懸濁液を得た。さらに吸油性でんぷん[商
品名パインフロー:松谷化学(株)製品]50重量部とコ
ンフリー抽出物のDHA油懸濁液50重量部をリボンミ
キサーで混合して、粉末を調製した。 実施例12(カプセル剤) エゴマ油[α−リノレン酸含有量55重量%:日本油脂
(株)製品]80重量部、製造例3のコンフリー抽出物1
5重量部及びカルナウバロウ5重量部を、湯浴上で60
℃に加熱しながら混合したのち、マイクロフルイダイザ
ー[マイクロフルイド社:均質化圧力500kg/cm2]
で均質化してコンフリー抽出物のエゴマ油懸濁液を得
た。シームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製
品]を用いて、1粒当たりコンフリー抽出物のエゴマ油
懸濁液を240mg含むカプセル剤を調製した。 実施例13(点眼剤) 製造例2のコンフリー抽出物0.5重量部、クロロブタ
ノール[和光純薬(株)製品]0.1重量部及び塩化ナト
リウム0.01重量部を、精製水30.0重量部に溶解し
て点眼剤を得た。 実施例14(坐剤) 製造例2のコンフリー抽出物5.0重量部に、カーボワ
ックス4000[和光純薬(株)製品]2.0重量部及び
カーボワックス1500[和光純薬(株)製品]9.0重
量部を溶解、混合したカーボワックス混合物を少量づつ
加えて研和し、坐剤型に流し込んで坐剤を得た。 実施例15(軟膏) 製造例1のコンフリー抽出物10.0重量部を、流動パ
ラフィン[和光純薬(株)製品]10.0重量部と研和し
て泥状とし、さらに 白色ワセリン[たつみ薬品(株)製
品]100.0重量部を混和し、練り合わせて均質化し
て軟膏を得た。 実施例16(抗アレルギー性の試験) 5週齢のマウス(DDY:雌)10匹を、5匹ずつA群
及びB群に分け、A群のマウスには粉末飼料[CE−
2、日本クレア(株)製品]のみを、B群のマウスにはこ
の粉末飼料98重量%と製造例1のコンフリー抽出物2
重量%の混合物を、それぞれ4週間自由に摂取させた。
3週間目にジニトロフェニルベンゼンの0.5重量%エ
タノール溶液100μlをマウスの腹部に塗布した。さ
らに、4週間目にジニトロフェニルベンゼンの0.2重
量%オリーブオイル溶液20μlをマウスの両耳に塗布
し、塗布直後と24時間後にアレルギーに起因する耳た
ぶの腫れをノギスで測定し、それぞれの群について平均
値と標準偏差を求めた。コンフリー抽出物を摂取しない
A群のマウスの耳たぶの腫れは、平均0.29mmであっ
た。一方、コンフリー抽出物を摂取したB群のマウスの
耳たぶの腫れは、平均0.14mmであった。結果をまと
めて第1表に示す。
取したB群のマウスの耳たぶの腫れは、粉末飼料のみを
摂取したA群のマウスの耳たぶの腫れと比較して有意に
小さく、コンフリー抽出物が抗アレルギー性を有するこ
とが確認された。 実施例17(抗アレルギー性の試験) 5週齢のマウス(DDY:雌)40匹を、5匹ずつC
群、D群、E群、F群、G群、H群、I群及びJ群に分
け、C群のマウスには粉末飼料[CE−2、日本クレア
(株)製品]のみを、D群のマウスにはこの粉末飼料95
重量%と製造例3のコンフリー抽出物5重量%の混合物
を、H群のマウスにはこの粉末飼料99重量%と実施例
10のコンフリー抽出物のボラージ油懸濁液1重量%の
混合物を、I群のマウスにはこの粉末飼料95重量%と
実施例11のコンフリー抽出物のDHA油懸濁液5重量
%の混合物を、J群のマウスにはこの粉末飼料90重量
%と実施例12のコンフリー抽出物のエゴマ油懸濁液1
0重量%の混合物を、それぞれ4週間自由に摂取させ
た。また、E群、F群及びG群のマウスには、それぞれ
第2表に示す粉末飼料と油脂の混合物を、4週間自由に
摂取させた。3週間目に、ジニトロフェニルベンゼンの
0.5重量%エタノール溶液100μlを、マウスの腹
部に塗布した。さらに、4週間目にジニトロフェニルベ
ンゼンの0.2重量%オリーブオイル溶液20μlをマ
ウスの両耳に塗布し、塗布直後と24時間後に、アレル
ギーに起因する耳たぶの腫れをノギスで測定し、それぞ
れの群について平均値と標準偏差を求めた。コンフリー
抽出物を摂取しないC群のマウスの耳たぶの腫れは、平
均0.44mmであった。また、コンフリー抽出物を摂取
したD群のマウスの耳たぶの腫れは、平均0.26mmで
あった。油脂を摂取したE群、F群及びG群のマウスの
耳たぶの腫れは、それぞれ0.29mm、0.33mm及び
0.28mmであった。さらに、コンフリー抽出物と油脂
の混合物を摂取したH群、I群及びJ群のマウスの耳た
ぶの腫れは、それぞれ0.15mm、0.17mm及び0.1
4mmであった。投与飼料、耳たぶの腫れの平均値及び標
準偏差を、まとめて第2表に示す。
取したD群のマウスの耳たぶの腫れは、粉末飼料のみを
摂取したC群のマウス、油脂を摂取したE群、F群及び
G群のマウスの耳たぶの腫れと比較して有意に小さく、
コンフリー抽出物が抗アレルギー性を有することが確認
された。さらに、コンフリー抽出物と油脂の混合物を摂
取したH群、I群及びJ群のマウスの耳たぶの腫れは、
コンフリー抽出物を摂取したD群のマウスの耳たぶの腫
れと比較してさらに有意に小さく、コンフリー抽出物と
油脂が相乗的な抗アレルギー性を有することが分かっ
た。 実施例18(抗補体活性の測定) コンフリー抽出物、コンフリー抽出物と油脂の混合物及
び油脂について、常法[進藤美由記ら、和漢薬、第16
巻、76頁(1983年)]により抗補体活性を測定し
た。また、比較対照として、精製水及び抗アレルギー性
のある漢方薬紫朴湯を用いて測定を行った。試験液は、
A群が精製水のみであり、B群が紫朴湯、C群がコンフ
リー抽出物、D群がボラージ油、E群がDHA油、F群
がエゴマ油、G群がコンフリー抽出物20重量%とエゴ
マ油80重量%の混合物、H群がコンフリー抽出物10
重量%とボラージ油90重量%の混合物、I群がコンフ
リー抽出物1重量%とDHA油99重量%の混合物を、
いずれも精製水に1重量%添加し、超音波により均一に
分散した液である。ヒト血清と0.15mM塩化カルシ
ウム、0.5mM塩化マグネシウム、0.1%ゲラチンを
含むベロナール緩衝液pH7.5(GVB++)及び試験液
を各50μl混合し、これを37℃において30分間反
応させたのち、GVB++で段階希釈し、ヒツジ感作血球
を加えTCH5Oを測定した。試験液の代わりに、PB
S-を反応させた際のTCH5Oを100とし、試験液
によるTCH5Oの減少率をもって抗補体活性とした。
抗補体活性は、精製水のみを用いたA群は0.0%であ
り、紫朴湯を用いたB群は58.3%であり、コンフリ
ー抽出物を用いたC群は55.3%であった。また、ボ
ラージ油、DHA油及びエゴマ油を用いたD群、E群及
びF群は、それぞれ37.1%、34.4%及び30.0
%であった。また、コンフリー抽出物とともに、エゴマ
油を併用したG群、ボラージ油を併用したH群及びDH
A油を併用したI群は、それぞれ77.2%、75.2%
及び70.2%であった。試験に供した試料の組成及び
抗補体活性を、まとめて第3表に示す。
抗アレルギー性のある漢方薬として知られている紫朴湯
と同程度の抗アレルギー性を有することが分かった。ま
た、ボラージ油、DHA油及びエゴマ油は、それぞれ単
独では紫朴湯より抗アレルギー性が低いが、コンフリー
抽出物とこれらの油脂を併用することにより、抗補体活
性の値が高くなり、優れた抗アレルギー性を示すことが
分かった。
アトピー性皮膚炎が増加しているにもかかわらず、これ
らの予防法、治療法は確立されてはいない。本発明のコ
ンフリー抽出物を含有する抗アレルギー食品及び抗アレ
ルギー剤は、天然物より構成されているために安全であ
り、これまでの抗炎症剤、抗ヒスタミン薬剤などにたよ
る治療法とは異なり、副作用を伴うことなく、抗アレル
ギー症状の予防及び治療を効果的に行うことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】コンフリー抽出物を含有することを特徴と
する抗アレルギー食品。 - 【請求項2】コンフリー抽出物及び油脂を含有すること
を特徴とする抗アレルギー食品。 - 【請求項3】コンフリー抽出物を含有することを特徴と
する抗アレルギー剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8212015A JPH09234019A (ja) | 1995-12-27 | 1996-07-23 | 抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35322395 | 1995-12-27 | ||
JP7-353223 | 1995-12-27 | ||
JP8212015A JPH09234019A (ja) | 1995-12-27 | 1996-07-23 | 抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-07-23 JP JP8212015A patent/JPH09234019A/ja not_active Ceased
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004035456A (ja) * | 2002-07-03 | 2004-02-05 | Pola Chem Ind Inc | 角質細胞成熟促進剤及びそれを含有してなる経口投与組成物 |
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JP6018712B2 (ja) * | 2014-04-25 | 2016-11-02 | 株式会社山田養蜂場本社 | 不飽和脂肪酸の吸収促進剤 |
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