JPH09234019A - 抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤 - Google Patents

抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤

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JPH09234019A
JPH09234019A JP8212015A JP21201596A JPH09234019A JP H09234019 A JPH09234019 A JP H09234019A JP 8212015 A JP8212015 A JP 8212015A JP 21201596 A JP21201596 A JP 21201596A JP H09234019 A JPH09234019 A JP H09234019A
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JP
Japan
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oil
comfrey extract
weight
food
comfrey
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JP8212015A
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English (en)
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Atsuro Nishina
淳良 仁科
Tatsuya Sugawara
達也 菅原
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NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然物からなる安全で摂取しやすく、しかもア
レルギー症状の予防及び治療に効果の大きい抗アレルギ
ー食品及び抗アレルギー剤を提供する。 【解決手段】コンフリー抽出物を含有することを特徴と
する抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗アレルギー食品
及び抗アレルギー剤に関する。さらに詳しくは、本発明
は、コンフリー抽出物を有効成分として含有し、アレル
ギー症状の予防及び治療に効果のある抗アレルギー食品
及び抗アレルギー剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アレルギー症状の患者が増加する
傾向にあるが、その直接の原因が、カビ、ダニ、花粉な
どに含まれるアレルゲンの増加のみに起因するのか、あ
るいは生体反応の上昇によるのかは解明されてはいな
い。アレルギー症状は、アレルゲンに対する体内で起こ
る抗原抗体反応により、免疫グロブリンE(IgE)が
産生され、結果的に肥満細胞の細胞膜が刺激され、ヒス
タミン、ロイコトリエンを放出することによって発生す
る。放出されたこれらの物質は、血管透過性を促進させ
る作用や、平滑筋を収縮させる作用などを有するため、
白血球や蛋白質が血管から漏出して炎症を誘発したり、
気管支を収縮させ喘息を起こしたりする。抗アレルギー
成分に関して、ボルネオールの肥満細胞膜安定化能(特
開平6−211713号公報)、放線菌培養液の炎症抑
制作用(特開平5−25053号公報)を利用した技術
が知られている。一方、奥山らによりα−リノレン酸を
油脂の形で食品として摂取することによって、アレルギ
ー反応の原因となるロイコトリエンの産生を抑制する効
果のあることが報告されている(Prostaglan
din,第36巻、第3号、1988年)。また、ドコ
サヘキサエン酸(DHA)や、α−リノレン酸を含む油
脂の抗アレルギー性を利用した技術(特開平2−290
812号公報)が知られている。しかし、これら天然の
抗アレルギー剤は、副作用が少ないものの、いずれも効
果が十分とはいえない。アレルギー症状を軽減するため
に、従来より、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミ
ンなどの抗ヒスタミン剤、クロモリン、トラニラストな
どの肥満細胞安定化剤、副腎皮質ホルモンなどを、経口
投与により、あるいは軟膏として用いてきた。しかしな
がら、抗ヒスタミン剤は眠気や口渇などの副作用があ
り、肥満細胞安定化剤にはすでに起こってしまった症状
を軽減する効果は期待できない。副腎皮質ホルモンは、
胃腸障害、肝臓障害、糖尿病、高血圧などの副作用をと
もなう。しかも、これらの薬剤はいずれも一時的な治療
に用いられ、使用を中断すると、再び症状が現れるなど
の問題があった。コンフリーは、野菜として利用されて
おり、胃潰瘍、癌、貧血症などに効果があるといわれて
いる。これまでに、皮膚外用剤(特開平7−25741
号公報)、抗酸化剤(特開平3−56585号公報)、
発毛促進剤(特開昭58−134030号公報)、肝硬
変症治療剤(特開昭53−127811号公報)、糖尿
病治療剤(特開昭53−127810号公報)、浴用整
肌剤(特開昭51−146956号公報)などへのコン
フリーが有する成分の利用が提案されているが、コンフ
リーの抗アレルギー性については知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の薬剤
による治療の問題点を解決するために、天然物からなる
安全で摂取しやすく、しかもアレルギー症状の予防及び
治療に効果の大きい抗アレルギー食品及び抗アレルギー
剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コンフリー抽出
物が、肥満細胞からのヒスタミンの遊離抑制作用と、ア
レルギー反応の実験モデルとして確立しているラットP
CA(受身皮膚アナフィラキシー)反応を抑制すること
を見いだし、さらに、コンフリー抽出物と油脂を含有す
る食品が、相乗効果により優れた抗アレルギー性を有す
ることを見いだして、これらの知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)コンフ
リー抽出物を含有することを特徴とする抗アレルギー食
品、(2)コンフリー抽出物及び油脂を含有することを
特徴とする抗アレルギー食品、及び、(3)コンフリー
抽出物を含有することを特徴とする抗アレルギー剤、を
提供するものである。さらに、本発明の好ましい態様と
して、(4)コンフリー抽出物の含有量が、0.1〜2
0重量%である第(1)項又は第(2)項記載の抗アレルギ
ー食品、(5)油脂の含有量が、1〜90重量%である
第(2)項又は第(4)項記載の抗アレルギー食品、及び
(6)コンフリー抽出物の含有量が、0.5〜100重
量%である第(3)項記載の抗アレルギー剤、を挙げるこ
とができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の抗アレルギー食品及び抗
アレルギー剤はコンフリー抽出物を有効成分として含有
する。本発明の抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤に
使用するコンフリーは、ムラサキ科ヒレハリソウ属の多
年草 Symphytum officinale
L.である。本発明に用いるコンフリー抽出物を得る方
法には特に制限はなく、任意の公知の抽出方法によるこ
とができる。例えば、まず原料のコンフリーの実、葉、
茎、根などをボールミルなどを用いて粉砕し、次いで、
水、エタノール、n−ヘキサン、エーテル、アセトンな
どの溶媒で抽出し、抽出液を減圧下で加熱することなど
により溶媒を除去して、コンフリー抽出物を得ることが
できる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーなど
により、さらに精製することができる。本発明の抗アレ
ルギー食品は、コンフリー抽出物を配合し得るものであ
れば形態には特に制限はなく、例えば、キャンディー、
ドロップ、錠菓、チューインガム、ゼラチンカプセル
錠、飲料などとすることができる。本発明の抗アレルギ
ー食品は、コンフリー抽出物を、食品に使われる一般的
な原料に直接混合、分散したのち、公知の方法により所
望の形態に加工することによって得ることができる。ま
た、コンフリー抽出物を、あらかじめグリセリン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチ
ン、グリセリンなどとの混合物としておき、この混合物
を原料に配合、分散して、所望の形態に加工することが
できる。グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセリンなどを使用す
ることにより、コンフリー抽出物と食品に使われる一般
的な原料を混合して、容易に均一な乳化状態とすること
ができる。本発明の抗アレルギー食品において、コンフ
リー抽出物の含有量は0.1〜20重量%であることが
好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
コンフリー抽出物の含有量が0.1重量%未満である
と、抗アレルギー性が十分に発現しないおそれがある。
また、コンフリー抽出物の含有量が20重量%を超える
と、食品の粘度の上昇、着色、臭味の劣化が起こり、食
用として不適当となるおそれがある。
【0006】本発明の抗アレルギー食品は、コンフリー
抽出物に加えて、さらに油脂を含有せしめることが好ま
しい。使用する油脂には特に制限はなく、例えば、アマ
ニ油、エゴマ油、カヤ油、サフラワー油、大豆油などの
乾性油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、レモン
油などの半乾性油、ウイキョウ油、オリーブ油、カポッ
ク油、ツバキ油、落花生油などの不乾性油、カカオ脂、
シア脂、パーム油、ヤシ油などの植物脂、牛酪脂、豚
脂、馬脂などの陸産動物油、イワシ油、カツオ油、サン
マ油、ニシン油、マグロ油などの魚油、サメ類、エイ類
などの肝油、鯨油、イルカ油などの海獣油などを挙げる
ことができる。これらの油脂の中で、α−リノレン酸を
含むエゴマ油、シソ油など、γ−リノレン酸を含むボラ
ージ油、月見草油など、ドコサヘキサエン酸(DH
A)、エイコサペンタエン酸(EPA)を含む精製魚油
などを特に好適に使用することができる。これらの油脂
はいずれも市販されており、容易に入手して使用するこ
とができる。本発明の抗アレルギー食品は、コンフリー
抽出物及び油脂を併せて配合することにより、抗アレル
ギー性が一層強く発揮される。本発明の抗アレルギー食
品に油脂を含有せしめる場合は、油脂の含有量は1〜9
0重量%であることが好ましく、10〜50重量%であ
ることがより好ましい。油脂の含有量が1重量%未満で
あると、抗アレルギー性の増強効果が顕著に発現しない
おそれがある。また、油脂の含有量が90重量%を超え
ると、相対的にコンフリー抽出物の含有量が少なくな
り、結果的に抗アレルギー性が低下するおそれがある。
【0007】本発明の抗アレルギー剤は、コンフリー抽
出物を直接賦形剤などに混合、分散したのち、所望の形
態に加工することによって得ることができる。あるい
は、コンフリー抽出物をあらかじめグリセリン脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチ
ン、グリセリンなどとの混合物としておき、この混合物
を賦形剤などに配合、分散して、所望の形態に加工する
ことができる。本発明の抗アレルギー剤は、経口投与に
よっても、あるいは、筋肉内、皮下、静脈内、下部体
腔、皮膚などの非経口投与によっても投与することがで
きる。本発明の抗アレルギー剤の製剤化は、製剤の技術
分野における公知の方法により、散剤、細粒剤、顆粒
剤、丸剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ
剤、芳香水剤、懸濁剤、乳剤、チンキ剤、軟膏剤、坐
剤、点眼剤、注射剤などの剤形とすることができる。例
えば、経口用固形製剤を調製する場合には、主薬に賦形
剤、さらに必要に応じて、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯
味矯臭剤などを加えたのち、公知の方法により、錠剤、
顆粒剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤などの剤形とす
る。本発明の抗アレルギー剤において、コンフリー抽出
物の含有量には特に制限はないが、通常は0.5〜10
0重量%であることが好ましく、1〜50重量%である
ことがより好ましい。抗アレルギーにおけるコンフリー
抽出物の含有量は、剤形に応じて適宜選択することがで
きる。本発明の抗アレルギー食品の摂取量又は抗アレル
ギー剤の投与量は、コンフリー抽出物の量として成人1
日当たり300〜10,000mgであることが好まし
く、1,000〜5,000mgであることがより好まし
く、2,000〜3,000mgであることがさらに好まし
い。通常は、成人1日当たりの投与量2,000〜3,0
00mgで十分な効果が認められる。本発明に用いるコン
フリー抽出物について、マウスを用いて急性毒性試験を
行ったところ、経口投与、皮下投与、静脈内投与のいず
れの場合も、5,000mg/kgで死亡例は認められなか
った。本発明の抗アレルギー食品及び抗アレルギー剤
は、天然物より構成されているために食品及び薬剤とし
て安全であり、かつ製造がきわめて容易である。また、
本発明の抗アレルギー食品は、通常の食生活の中で自然
に摂取することができ、特にコンフリー抽出物と油脂を
併用したときは、相乗的にアレルギー症状に対して顕著
な抑制効果を示す。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1(コンフリー抽出物の製造) コンフリーの実1kgをボールミルで粉砕し、エーテル
5,000mlとともにソックスレー抽出器に仕込み、2
0時間加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾固し、淡
褐色のコンフリー抽出物45.3gを得た。 製造例2(コンフリー抽出物の製造) 乾燥したコンフリーの葉1kgをボールミルで粉砕し、水
5,000mlを加えて10日間放置した。得られた抽出
液を減圧乾固し、濃緑色のコンフリー抽出物38.3g
を得た。 製造例3(コンフリー抽出物の製造) 乾燥したコンフリーの葉1kgをボールミルで粉砕し、エ
タノール5,000mlとともにソックスレー抽出器に仕
込み、20時間加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾
固し、濃緑色のコンフリー抽出物65.2gを得た。 製造例4(コンフリー抽出物の製造) 乾燥したコンフリー葉1kgをボールミルで粉砕し、3重
量%水酸化ナトリウム水溶液10リットルを加えて10
日間放置した。ヌッチェでろ過して得られた抽出液のpH
を1規定の塩酸で7.0に調節したのち真空凍結乾燥
し、塩化ナトリウムを含む褐色のコンフリー抽出物52
4.5gを得た。 実施例1(ドロップ) 砂糖81.0重量部、D−グルコース[塩水港精糖(株)
製品]16.5重量部、クエン酸[磐城化学(株)製品]
1.1重量部、オレンジ香料[高砂香料(株)製品]0.0
1重量部、オレンジ色素[アイゼン(株)製品]0.01
重量部及び製造例1のコンフリー抽出物0.5重量部を
100〜120℃で加熱溶解し、金型にて固化させてド
ロップを得た。 実施例2(キャンディー) マルチトール[塩水港精糖(株)製品]48.0重量部、
澱粉糖化物[松谷化学(株)製品]20.0重量部及び製
造例2のコンフリー抽出物1.0重量部を120〜17
0℃で加熱溶解し、金型にて固化させてキャンディーを
得た。 実施例3(錠菓) 白糖100.0重量部、アラビアゴム[三栄源(株)製
品]7.0重量部、製造例1のコンフリー抽出物2.0重
量部及びハッカエキス[小川香料(株)製品]0.1重量
部をロッキングミキサーで30分間混合後、打錠機で圧
縮して錠菓を得た。 実施例4(チューインガム) ガムベース20.0重量部、砂糖78.5重量部、製造例
2のコンフリー抽出物0.2重量部、ハッカエキス[小
川香料(株)製品]1.0重量部及び水5重量部を混合
し、チューインガムを製造した。 実施例5(錠剤) 製造例1のコンフリー抽出物100.0gに、乾燥コー
ンスターチ[日本食品(株)製品]2.0gを加えて押し
出し式造粒機で整粒し、タルク[和光純薬(株)製品]
1.8g及びステアリン酸カルシウム[日本油脂(株)製
品]0.2gを滑沢剤として加えて、ロッキングミキサ
ーで10分間混和し、打錠することにより、1錠の重量
が0.52gである錠剤200錠を製造した。 実施例6(顆粒剤) 製造例1のコンフリー抽出物5.0重量部をらいかい機
に入れ、少量の水を加えて溶解したのち、直ちに乳糖
[純正薬品(株)製品]5.0重量部を加えて均一に混合
し、次いでアラビアゴム[三栄源(株)製品]1.0重量
部、最後に単シロップ0.1重量部を滴下し、可塑性の
固まりとしたのち、造粒機で整粒して顆粒剤を得た。 実施例7(散剤) 製造例2のコンフリー抽出物1.0重量部及び乳糖9.0
重量部を混合して散剤とし、0.48g/包に小分けし
た。 実施例8(カプセル剤) 製造例1のコンフリー抽出物5.0重量部、微結晶セル
ロース[旭化成(株)製品]3.5重量部、コーンスター
チ[日本食品(株)製品]2.2重量部及び乳糖[純正薬
品(株)製品]5.0重量部を混和し、ポリビニルピロリ
ドン[和光純薬(株)製品]0.3重量部を結合剤として
加え、造粒機て整粒して顆粒化したのち、ゼラチン硬カ
プセルに充填してカプセル剤を得た。 実施例9(シロップ剤) カルボキシメチルセルロース[旭化成(株)製品]2.0
重量部に、単シロップ100.0重量部を研和しながら
徐々に添加した。これに製造例1のコンフリー抽出物
5.0重量部を添加してさらに研和し、均一な粘稠液と
してシロップ剤を得た。 実施例10(カプセル剤) ボラージ油[γ−リノレン酸含有量25重量%:日本油
脂(株)製品]99重量部と製造例3のコンフリー抽出物
1重量部を、湯浴上で60℃に加熱しながら混合し均質
化し、コンフリー抽出物のボラージ油懸濁液を得た。さ
らにシームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製
品]を用いて、1粒当たりコンフリー抽出物のボラージ
油懸濁液240mgを含むカプセル剤を調製した。 実施例11(粉末) DHA油[DHA含有量27重量%:日本油脂(株)製
品]90重量部と製造例4のコンフリー抽出物10重量
部を、湯浴上で60℃に加熱しながら混合したのち、マ
イクロフルイダイザー[マイクロフルイド社:均質化圧
力500kg/cm2]を用いて均質化し、コンフリー抽出
物のDHA油懸濁液を得た。さらに吸油性でんぷん[商
品名パインフロー:松谷化学(株)製品]50重量部とコ
ンフリー抽出物のDHA油懸濁液50重量部をリボンミ
キサーで混合して、粉末を調製した。 実施例12(カプセル剤) エゴマ油[α−リノレン酸含有量55重量%:日本油脂
(株)製品]80重量部、製造例3のコンフリー抽出物1
5重量部及びカルナウバロウ5重量部を、湯浴上で60
℃に加熱しながら混合したのち、マイクロフルイダイザ
ー[マイクロフルイド社:均質化圧力500kg/cm2
で均質化してコンフリー抽出物のエゴマ油懸濁液を得
た。シームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製
品]を用いて、1粒当たりコンフリー抽出物のエゴマ油
懸濁液を240mg含むカプセル剤を調製した。 実施例13(点眼剤) 製造例2のコンフリー抽出物0.5重量部、クロロブタ
ノール[和光純薬(株)製品]0.1重量部及び塩化ナト
リウム0.01重量部を、精製水30.0重量部に溶解し
て点眼剤を得た。 実施例14(坐剤) 製造例2のコンフリー抽出物5.0重量部に、カーボワ
ックス4000[和光純薬(株)製品]2.0重量部及び
カーボワックス1500[和光純薬(株)製品]9.0重
量部を溶解、混合したカーボワックス混合物を少量づつ
加えて研和し、坐剤型に流し込んで坐剤を得た。 実施例15(軟膏) 製造例1のコンフリー抽出物10.0重量部を、流動パ
ラフィン[和光純薬(株)製品]10.0重量部と研和し
て泥状とし、さらに 白色ワセリン[たつみ薬品(株)製
品]100.0重量部を混和し、練り合わせて均質化し
て軟膏を得た。 実施例16(抗アレルギー性の試験) 5週齢のマウス(DDY:雌)10匹を、5匹ずつA群
及びB群に分け、A群のマウスには粉末飼料[CE−
2、日本クレア(株)製品]のみを、B群のマウスにはこ
の粉末飼料98重量%と製造例1のコンフリー抽出物2
重量%の混合物を、それぞれ4週間自由に摂取させた。
3週間目にジニトロフェニルベンゼンの0.5重量%エ
タノール溶液100μlをマウスの腹部に塗布した。さ
らに、4週間目にジニトロフェニルベンゼンの0.2重
量%オリーブオイル溶液20μlをマウスの両耳に塗布
し、塗布直後と24時間後にアレルギーに起因する耳た
ぶの腫れをノギスで測定し、それぞれの群について平均
値と標準偏差を求めた。コンフリー抽出物を摂取しない
A群のマウスの耳たぶの腫れは、平均0.29mmであっ
た。一方、コンフリー抽出物を摂取したB群のマウスの
耳たぶの腫れは、平均0.14mmであった。結果をまと
めて第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】第1表の結果から、コンフリー抽出物を摂
取したB群のマウスの耳たぶの腫れは、粉末飼料のみを
摂取したA群のマウスの耳たぶの腫れと比較して有意に
小さく、コンフリー抽出物が抗アレルギー性を有するこ
とが確認された。 実施例17(抗アレルギー性の試験) 5週齢のマウス(DDY:雌)40匹を、5匹ずつC
群、D群、E群、F群、G群、H群、I群及びJ群に分
け、C群のマウスには粉末飼料[CE−2、日本クレア
(株)製品]のみを、D群のマウスにはこの粉末飼料95
重量%と製造例3のコンフリー抽出物5重量%の混合物
を、H群のマウスにはこの粉末飼料99重量%と実施例
10のコンフリー抽出物のボラージ油懸濁液1重量%の
混合物を、I群のマウスにはこの粉末飼料95重量%と
実施例11のコンフリー抽出物のDHA油懸濁液5重量
%の混合物を、J群のマウスにはこの粉末飼料90重量
%と実施例12のコンフリー抽出物のエゴマ油懸濁液1
0重量%の混合物を、それぞれ4週間自由に摂取させ
た。また、E群、F群及びG群のマウスには、それぞれ
第2表に示す粉末飼料と油脂の混合物を、4週間自由に
摂取させた。3週間目に、ジニトロフェニルベンゼンの
0.5重量%エタノール溶液100μlを、マウスの腹
部に塗布した。さらに、4週間目にジニトロフェニルベ
ンゼンの0.2重量%オリーブオイル溶液20μlをマ
ウスの両耳に塗布し、塗布直後と24時間後に、アレル
ギーに起因する耳たぶの腫れをノギスで測定し、それぞ
れの群について平均値と標準偏差を求めた。コンフリー
抽出物を摂取しないC群のマウスの耳たぶの腫れは、平
均0.44mmであった。また、コンフリー抽出物を摂取
したD群のマウスの耳たぶの腫れは、平均0.26mmで
あった。油脂を摂取したE群、F群及びG群のマウスの
耳たぶの腫れは、それぞれ0.29mm、0.33mm及び
0.28mmであった。さらに、コンフリー抽出物と油脂
の混合物を摂取したH群、I群及びJ群のマウスの耳た
ぶの腫れは、それぞれ0.15mm、0.17mm及び0.1
4mmであった。投与飼料、耳たぶの腫れの平均値及び標
準偏差を、まとめて第2表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】第2表の結果から、コンフリー抽出物を摂
取したD群のマウスの耳たぶの腫れは、粉末飼料のみを
摂取したC群のマウス、油脂を摂取したE群、F群及び
G群のマウスの耳たぶの腫れと比較して有意に小さく、
コンフリー抽出物が抗アレルギー性を有することが確認
された。さらに、コンフリー抽出物と油脂の混合物を摂
取したH群、I群及びJ群のマウスの耳たぶの腫れは、
コンフリー抽出物を摂取したD群のマウスの耳たぶの腫
れと比較してさらに有意に小さく、コンフリー抽出物と
油脂が相乗的な抗アレルギー性を有することが分かっ
た。 実施例18(抗補体活性の測定) コンフリー抽出物、コンフリー抽出物と油脂の混合物及
び油脂について、常法[進藤美由記ら、和漢薬、第16
巻、76頁(1983年)]により抗補体活性を測定し
た。また、比較対照として、精製水及び抗アレルギー性
のある漢方薬紫朴湯を用いて測定を行った。試験液は、
A群が精製水のみであり、B群が紫朴湯、C群がコンフ
リー抽出物、D群がボラージ油、E群がDHA油、F群
がエゴマ油、G群がコンフリー抽出物20重量%とエゴ
マ油80重量%の混合物、H群がコンフリー抽出物10
重量%とボラージ油90重量%の混合物、I群がコンフ
リー抽出物1重量%とDHA油99重量%の混合物を、
いずれも精製水に1重量%添加し、超音波により均一に
分散した液である。ヒト血清と0.15mM塩化カルシ
ウム、0.5mM塩化マグネシウム、0.1%ゲラチンを
含むベロナール緩衝液pH7.5(GVB++)及び試験液
を各50μl混合し、これを37℃において30分間反
応させたのち、GVB++で段階希釈し、ヒツジ感作血球
を加えTCH5Oを測定した。試験液の代わりに、PB
-を反応させた際のTCH5Oを100とし、試験液
によるTCH5Oの減少率をもって抗補体活性とした。
抗補体活性は、精製水のみを用いたA群は0.0%であ
り、紫朴湯を用いたB群は58.3%であり、コンフリ
ー抽出物を用いたC群は55.3%であった。また、ボ
ラージ油、DHA油及びエゴマ油を用いたD群、E群及
びF群は、それぞれ37.1%、34.4%及び30.0
%であった。また、コンフリー抽出物とともに、エゴマ
油を併用したG群、ボラージ油を併用したH群及びDH
A油を併用したI群は、それぞれ77.2%、75.2%
及び70.2%であった。試験に供した試料の組成及び
抗補体活性を、まとめて第3表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】第3表の結果から、コンフリー抽出物は、
抗アレルギー性のある漢方薬として知られている紫朴湯
と同程度の抗アレルギー性を有することが分かった。ま
た、ボラージ油、DHA油及びエゴマ油は、それぞれ単
独では紫朴湯より抗アレルギー性が低いが、コンフリー
抽出物とこれらの油脂を併用することにより、抗補体活
性の値が高くなり、優れた抗アレルギー性を示すことが
分かった。
【0015】
【発明の効果】現在、成人では花粉症が、また小児では
アトピー性皮膚炎が増加しているにもかかわらず、これ
らの予防法、治療法は確立されてはいない。本発明のコ
ンフリー抽出物を含有する抗アレルギー食品及び抗アレ
ルギー剤は、天然物より構成されているために安全であ
り、これまでの抗炎症剤、抗ヒスタミン薬剤などにたよ
る治療法とは異なり、副作用を伴うことなく、抗アレル
ギー症状の予防及び治療を効果的に行うことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンフリー抽出物を含有することを特徴と
    する抗アレルギー食品。
  2. 【請求項2】コンフリー抽出物及び油脂を含有すること
    を特徴とする抗アレルギー食品。
  3. 【請求項3】コンフリー抽出物を含有することを特徴と
    する抗アレルギー剤。
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