JPH09187248A - 抗アレルギー食品 - Google Patents

抗アレルギー食品

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JPH09187248A
JPH09187248A JP8212016A JP21201696A JPH09187248A JP H09187248 A JPH09187248 A JP H09187248A JP 8212016 A JP8212016 A JP 8212016A JP 21201696 A JP21201696 A JP 21201696A JP H09187248 A JPH09187248 A JP H09187248A
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JP
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oil
thyme extract
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thyme
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JP8212016A
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Inventor
Atsuro Nishina
淳良 仁科
Hidehiko Hibino
英彦 日比野
Hiroyuki Nakano
裕之 中野
Tatsuya Sugawara
達也 菅原
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然物からなる安全で摂取しやすく、しかも効
果の大きい抗アレルギー食品を提供する。 【解決手段】タイム抽出物を含有することを特徴とする
抗アレルギー食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗アレルギー食品
に関する。さらに詳しくは、本発明は、タイム抽出物を
有効成分として含有し、アレルギー症状の予防及び治療
に効果のある抗アレルギー食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アレルギー症状の患者が増加する
傾向にあるが、その直接の原因が、カビ、ダニ、花粉な
どに含まれるアレルゲンの増加のみに起因するのか、あ
るいは生体反応の上昇によるのかは解明されてはいな
い。アレルギー症状は、アレルゲンに対する体内で起こ
る抗原抗体反応により、免疫グロブリンE(IgE)が
産生され、結果的に肥満細胞の細胞膜が刺激され、ヒス
タミン、ロイコトリエンを放出することによって発生す
る。放出されたこれらの物質は、血管透過性を促進させ
る作用や、平滑筋を収縮させる作用などを有するため、
白血球や蛋白質が血管から漏出して炎症を誘発したり、
気管支を収縮させ喘息を起こしたりする。抗アレルギー
成分に関して、ボルネオールの肥満細胞膜安定化能(特
開平6−211713号公報)、放線菌培養液の炎症抑
制作用(特開平5−25053号公報)を利用した技術
が知られている。一方、奥山らによりα−リノレン酸を
油脂の形で食品として摂取することによって、アレルギ
ー反応の原因となるロイコトリエンの産生を抑制する効
果のあることが報告されている(Prostaglan
din、第36巻、第3号、1988年)。また、ドコ
サヘキサエン酸(DHA)や、α−リノレン酸を含む油
脂の抗アレルギー性を利用した技術(特開平2−290
812号公報)が知られている。しかし、これらの天然
の抗アレルギー剤は、副作用が少ないものの、いずれも
効果が十分とはいえない。アレルギー症状を軽減するた
めに、従来より、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラ
ミンなどの抗ヒスタミン剤、クロモリン、トラニラスト
などの肥満細胞安定化剤、副腎皮質ホルモンなどを、経
口投与により、あるいは軟膏として用いてきた。しかし
ながら、抗ヒスタミン剤は眠気や口渇などの副作用があ
り、肥満細胞安定化剤にはすでに起こってしまった症状
を軽減する効果は期待できない。副腎皮質ホルモンは、
胃腸障害、肝臓障害、糖尿病、高血圧などの副作用をと
もなう。しかも、これらの薬剤はいずれも一時的な治療
に用いられ、使用を中断すると、再び症状が現れるなど
の問題があった。タイムは、スペイン原産のシソ科の植
物の葉や芽を乾燥したもので、防腐性の強い香辛料とし
て知られ、肉類の料理に広く用いられている。タイムの
薬理作用を利用する先行技術としては、衣類害虫用防虫
剤(特開平5−97618号公報)、美白化粧料(特開
平6−199647号公報)、皮膚外用剤(特開平7−
61915号公報)などが知られているが、タイムの抗
アレルギー性については知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の薬剤
による治療の問題点を解決するために、天然物からなる
安全で摂取しやすく、しかも効果の大きい抗アレルギー
食品を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、タイム抽出物が
抗アレルギー食品として有効であり、しかも、タイム抽
出物と油脂を併用することにより、全く予期しない相乗
効果が発現することを見いだし、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)
タイム抽出物を含有することを特徴とする抗アレルギー
食品、(2)タイム抽出物及び油脂を含有することを特
徴とする抗アレルギー食品、(3)油脂がエゴマ油であ
る第(2)項記載の抗アレルギー食品、(4)油脂がDH
A油である第(2)項記載の抗アレルギー食品、(5)油
脂がボラージ油である第(2)項記載の抗アレルギー食
品、及び、(6)油脂が月見草油である第(2)項記載の
抗アレルギー食品、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の抗アレルギー食品は、タ
イム抽出物を有効成分として含有する。タイム(thy
me)は、シソ科の植物 Thymus serpyll
um L.、Thymus vulgaris L.、T
hymus pruecox Opiz.、Thymu
s pannonocs L.、Thymus doe
rflert Ronn.、Thymus caesp
ittius Brot.などであって、古くより香辛
料の原料として栽培されている小低木である。本発明に
用いるタイム抽出物を得る方法には特に制限はなく、任
意の公知の抽出方法によることができる。例えば、原料
のタイムの乾燥した実、若芽、葉、茎、根などをボール
ミルなどを用いて粉砕し、次いで、水、エタノール、n
−ヘキサン、エーテル、アセトンなどの溶媒で抽出し、
抽出液の加熱などにより溶媒を除去することにより、タ
イム抽出物を得ることができる。また、必要に応じて、
クロマトグラフィーなどにより、さらに精製することが
できる。本発明の抗アレルギー食品は、タイム抽出物を
含有せしめることができるものであれば形態には特に制
限はなく、例えば、タイム抽出物をそのまま封入したカ
プセル、タイム抽出物の油脂懸濁液を封入したカプセ
ル、タイム抽出物と吸油性でんぷんなどを混合して得ら
れる粉末などのほか、キャンディー、ドロップ、錠菓、
チューインガム、ゼラチンカプセル錠、飲料などとする
ことができる。タイム抽出物を含有する本発明の抗アレ
ルギー食品を、カプセル錠とすることにより、容易に摂
取することができる。また、タイム抽出物を、あらかじ
めグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、レシチン、グリセリンなどと混合し、均一
な乳化状態としておき、これらの混合物を食品に使われ
る一般的な原料に配合、分散して、所望の形態に加工す
ることができる。本発明の抗アレルギー食品において、
タイム抽出物の含有量は0.1〜100重量%であるこ
とが好ましい。タイム抽出物の含有量が0.1重量%未
満であると、抗アレルギー性が十分に発現しないおそれ
がある。
【0006】本発明の抗アレルギー食品は、タイム抽出
物及び油脂を併せて配合することにより、抗アレルギー
性が一層強く発揮される。本発明の抗アレルギー食品に
油脂を含有せしめる場合は、油脂の含有量は1〜99重
量%であることが好ましく、10〜50重量%であるこ
とがより好ましい。油脂の含有量が1重量%未満である
と、抗アレルギー性の増強効果が顕著に発現しないおそ
れがある。また、油脂の含有量が99重量%を超える
と、相対的にタイム抽出物の含有量が少なくなり、結果
的に抗アレルギー性が低下するおそれがある。本発明に
おいて使用する油脂には特に制限はなく、例えば、アマ
ニ油、エゴマ油、カヤ油、サフラワー油、大豆油などの
乾性油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、レモン
油などの半乾性油、ウイキョウ油、オリーブ油、カポッ
ク油、ツバキ油、落花生油などの不乾性油、カカオ脂、
シア脂、パーム油、ヤシ油などの植物脂、牛酪脂、豚
脂、馬脂などの陸産動物油、イワシ油、カツオ油、サン
マ油、ニシン油、マグロ油などの魚油、サメ類、エイ類
などの肝油、鯨油、イルカ油などの海獣油などを挙げる
ことができる。これらの油脂の中で、α−リノレン酸を
含むエゴマ油、シソ油など、γ−リノレン酸を含むボラ
ージ油、月見草油など、ドコサヘキサエン酸(DH
A)、エイコサペンタエン酸(EPA)を含む精製魚油
などが好ましく、特にα−リノレン酸を含むエゴマ油、
ドコサヘキサエン酸を含むDHA油、γ−リノレン酸を
含むボラージ油及びγ−リノレン酸を含む月見草油を好
適に使用することができる。これらの油脂はいずれも市
販されており、容易に入手して使用することができる。
【0007】本発明の抗アレルギー食品において、タイ
ム抽出物とエゴマ油を併用することにより、タイム抽出
物とエゴマ油の抗アレルギー性に相乗効果が現れ、タイ
ム抽出物を単独で使用する場合と比較して、同等あるい
はそれ以上の抗アレルギー効果が発現する。タイム抽出
物とエゴマ油を併用する場合、その割合には特に制限は
ないが、タイム抽出物10〜40重量%とエゴマ油90
〜60重量%であることが好ましく、タイム抽出物15
〜30重量%とエゴマ油85〜70重量%であることが
より好ましい。エゴマ油(perrila oil)
は、シソ科の植物Pellia ocymoidesの
種子から得られるリノール酸及びα−リノレン酸を主成
分とする油である。エゴマ油の搾油方法には特に制限は
なく、例えば、種子を熱したのち搗き砕き、圧搾するこ
とにより得ることができる。本発明の抗アレルギー食品
において、DHA油にタイム抽出物を少量添加すること
により、抗アレルギー性の効果が強く発現し、タイム抽
出物のみを使用した場合と同等又はそれ以上の優れた抗
アレルギー効果が得られる。タイム抽出物をDHA油に
添加する場合、その割合には特に制限はないが、タイム
抽出物0.1〜20重量%とDHA油99.9〜80重量
%であることが好ましく、タイム抽出物0.5〜10重
量%とDHA油99.5〜90重量%であることがより
好ましい。DHA油は、ω−3脂肪酸であるドコサヘキ
サエン酸(DHA)を含む油脂であって、カツオ油、マ
グロ油、精製魚油などから得ることができる。
【0008】本発明の抗アレルギー食品において、ボラ
ージ油にタイム抽出物を少量添加することにより、抗ア
レルギー性の効果が強く発現し、タイム抽出物のみを使
用した場合と同等又はそれ以上の優れた抗アレルギー効
果が得られる。タイム抽出物をボラージ油に添加する場
合、その割合には特に制限はないが、タイム抽出物0.
1〜20重量%とボラージ油99.9〜80重量%であ
ることが好ましく、タイム抽出物0.5〜10重量%と
ボラージ油99.5〜90重量%であることがより好ま
しい。ボラージ油は、ムラサキ科の植物 Borago
officinalis L.の種子から得られるγ
−リノレン酸を多量に含む油である。搾油後、酸処理、
分子蒸留、脱臭の工程を経て精製油とすることができ
る。本発明の抗アレルギー食品において、タイム抽出物
と月見草油を併用することにより、タイム抽出物と月見
草油の抗アレルギー性に相乗効果が現れ、タイム抽出物
を単独で使用する場合と比較して、同等あるいはそれ以
上の抗アレルギー効果が発現する。タイム抽出物と月見
草油を併用する場合、その割合には特に制限はないが、
タイム抽出物10〜40重量%と月見草油90〜60重
量%であることが好ましく、タイム抽出物15〜30重
量%と月見草油85〜70重量%であることがより好ま
しい。月見草油は、アカバナ科の植物 Oenothe
ratetrapteraの種子から得られるγ−リノ
レン酸を含有する油である。本発明の抗アレルギー食品
は、そのまま経口摂取することも可能であるが、カプセ
ル、錠剤、乳剤などにして摂取することができる。本発
明の抗アレルギー食品の摂取量は、タイム抽出物の量と
して成人1日当たり300〜10,000mgであること
が好ましく、1,000〜5,000mgであることがより
好ましく、2,000〜3,000mgであることがさらに
好ましい。通常は、成人1日当たりの摂取量2,000
〜3,000mgで十分な効果が認められる。本発明の抗
アレルギー食品は、天然物より構成されているために安
全であり、かつ製造がきわめて容易である。また、本発
明の抗アレルギー食品は、通常の食生活の中で自然に摂
取することができ、特にタイム抽出物と油脂を併用した
ときは、相乗的にアレルギー症状に対して顕著な抑制効
果を示す。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1(タイム抽出物の製造) タイムの実1kgをボールミルで粉砕し、エーテル5,0
00mlとともにソックスレー抽出器に仕込み、20時間
加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾固し、淡褐色の
タイム抽出物45.3gを得た。 製造例2(タイム抽出物の製造) 乾燥したタイムの葉1kgをボールミルで粉砕し、メタノ
ール5,000mlを加えて10日間放置した。得られた
抽出液を減圧乾固し、濃緑色のタイム抽出物38.3g
を得た。 製造例3(タイム抽出物の製造) 乾燥したタイムの葉1kgをボールミルで粉砕し、エタノ
ール5,000mlとともにソックスレー抽出器に仕込
み、20時間加熱還流した。得られた抽出液を減圧乾固
し、濃緑色のタイム抽出物43.2gを得た。 製造例4(タイム抽出物の製造) 乾燥したタイムの葉1kgをボールミルで粉砕し、3重量
%水酸化ナトリウム水溶液10リットルを加えて10日
間放置した。ヌッチェでろ過して、得られた抽出液のpH
を、1規定の塩酸を用いて7.0に調節したのち真空凍
結乾燥し、塩化ナトリウムを含む褐色のタイム抽出物5
11.9gを得た。 実施例1(カプセル) シームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製品]
を用いて、1粒当たり製造例1のタイム抽出物を240
mg含むカプセルを調製した。 実施例2(カプセル) エゴマ油[α−リノレン酸含有量55重量%:日本油脂
(株)製品]80重量部と製造例1のタイム抽出物20重
量部を湯浴上で60℃に加熱しながら混合して均質化
し、抗アレルギー食品を得た。さらにシームレスカプセ
ル製造機[フロイント産業(株)製品]を用いて、1粒当
たり上記の抗アレルギー食品を240mg含むカプセルを
調製した。 実施例3(粉末) 製造例2のタイム抽出物50重量部と吸油性でんぷん
[商品名パインフロー:松谷化学(株)製品]50重量部
をリボンミキサーで混合して粉末を調製し、抗アレルギ
ー食品を得た。 実施例4(粉末) DHA油[DHA含有量27重量%:日本油脂(株)製
品]98重量部と製造例2のタイム抽出物2重量部を湯
浴上で60℃に加熱しながら混合したのち、マイクロフ
ルイダイザー[マイクロフルイド社製品:均質化圧力5
00kg/cm2]を用いて均質化し、タイム抽出物のDH
A油懸濁液を得た。さらに、このタイム抽出物のDHA
懸濁液50重量部と吸油性でんぷん[商品名パインフロ
ー:松谷化学(株)製品]50重量部をリボンミキサーで
混合して粉末を調製し、抗アレルギー食品を得た。 実施例5(カプセル) ボラージ油[γ−リノレン酸含有量25重量%:日本油
脂(株)製品]99重量部と製造例3のタイム抽出物1重
量部を湯浴上で60℃に加熱しながら混合して均質化
し、タイム抽出物のボラージ油懸濁液を得た。さらにシ
ームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製品]を
用いて、このタイム抽出物のボラージ油懸濁液を1粒当
たり240mg含むカプセルを調製した。 実施例6(粉末) DHA油[DHA含有量27重量%:日本油脂(株)製
品]90重量部と製造例4のタイム抽出物10重量部を
湯浴上で60℃に加熱しながら混合したのち、マイクロ
フルイダイザー[マイクロフルイド社:均質化圧力50
0kg/cm2]を用いて均質化し、タイム抽出物のDHA
懸濁液を得た。さらにこのタイム抽出物のDHA懸濁液
50重量部と吸油性でんぷん[商品名パインフロー:松
谷化学(株)製品]50重量部とをリボンミキサーで混合
して粉末を調製した。 実施例7(カプセル) エゴマ油[α−リノレン酸含有量55重量%:日本油脂
(株)製品]80重量部、製造例3のタイム抽出物15重
量部及びカルナウバロウ5重量部を湯浴上で60℃に加
熱しながら混合したのち、マイクロフルイダイザー[マ
イクロフルイド社:均質化圧力500kg/cm2]を用い
て均質化し、タイム抽出物のエゴマ油懸濁液を得た。シ
ームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製品]を
用いて、このタイム抽出物のエゴマ油懸濁液を1粒当た
り240mg含むカプセルを調製した。 比較例1(エゴマ油含有カプセル) シームレスカプセル製造機[フロイント産業(株)製品]
を用いて、エゴマ油[α−リノレン酸含有量55重量
%:日本油脂(株)製品]を1粒当たり240mg含むカプ
セルを調製した。 比較例2(DHA油含有粉末) DHA油[DHA含有量27重量%:日本油脂(株)製
品]50重量部と吸油性でんぷん[商品名パインフロ
ー:松谷化学(株)製品]50重量部をリボンミキサーで
混合して粉末を調製し、食品を得た。 実施例8(アレルギー性鼻炎に対する臨床試験) アレルギー性鼻炎(花粉症)患者、計30名(男14
名、女16名、22〜43歳)を、10名ずつA群、B
群及びC群の3群に分けて、2カ月間にわたって臨床試
験を行った。A群の患者には、実施例1で調製したタイ
ム抽出物を含有するカプセルを投与し、B群の患者には
比較例1で調製したエゴマ油を含有するカプセルを投与
し、C群の患者には実施例2で調製したタイム抽出物2
0重量%及びエゴマ油80重量%の混合物を含有するカ
プセルを投与した。試験方法は、花粉症状が患者に現れ
たときから、被験者に毎日10錠ずつカプセルを経口投
与した。一方、食事など生活活動は特に制限しなかっ
た。診断は試験開始日より2週間後、1カ月後及び2カ
月後の計3回実施した。効果の判定は、被験者の自覚症
状をもとに、著効、有効、無効、悪化の4段階で評価し
た。また、著効及び有効とした患者数の合計を被験者数
で除して、改善率を求めた。A群の患者は、2週間後に
有効2名、無効8名で改善率20%、1カ月後に有効4
名、無効6名で改善率40%、2カ月後に著効4名、有
効4名、無効2名で改善率80%であった。B群の患者
は、2週間後に有効2名、無効8名で改善率20%、1
カ月後に有効3名、無効7名で改善率30%、2カ月後
に有効4名、無効6名で改善率40%であった。C群の
患者は、2週間後に有効4名、無効6名で改善率40
%、1カ月後に著効2名、有効6名、無効2名で改善率
80%、2カ月後に著効6名、有効4名で改善率100
%であった。臨床試験の結果をまとめて第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】第1表の結果から、タイム抽出物を投与し
たA群の患者の改善率は、エゴマ油を投与したB群の患
者の改善率より高く、タイム抽出物がエゴマ油よりもア
レルギー性鼻炎において抗アレルギー性が強いことが分
かった。さらに、全く予期しないことに、タイム抽出物
のみを投与したA群の患者の改善率よりも、タイム抽出
物とエゴマ油の混合物を投与したC群の患者の方が改善
率が高く、C群の患者には効果が早期に現れ、しかもC
群の患者には著効を認めるものが多いことから、タイム
抽出物とエゴマ油を併用することにより、顕著な相乗効
果が発現することが分かった。 実施例9(アトピー性皮膚炎に対する臨床試験) アトピー性皮膚炎患者30名(男18名、女12名、5
〜32歳)を、10名ずつA群、B群及びC群の3群に
分けて、3カ月間にわたって臨床試験を行った。A群の
患者には、実施例3で調製したタイム抽出物を含有する
抗アレルギー食品を投与し、B群の患者には比較例2で
調製したDHA油を含有する食品を投与し、C群の患者
には実施例4で調製したタイム抽出物2重量%及びDH
A油98重量%の混合物を含有する抗アレルギー食品を
投与した。試験方法は、各患者に毎日5gずつタイム抽
出物、DHA油又はタイム抽出物とDHA油を含有する
食品を経口投与した。一方、試験中の入浴、食事は特に
制限はしなかった。診断は試験開始日より1カ月後、2
カ月後及び3カ月後の計3回実施した。効果の判定は、
被験者及び試験者の意見をもとに、著効、有効、無効、
悪化の4段階で評価した。また、著効及び有効とした患
者数の合計を被験者数で除して、改善率を求めた。A群
の患者は、1カ月後に有効4名、無効6名で改善率40
%、2カ月後に有効5名、無効5名で改善率50%、3
カ月後に有効8名、無効2名で改善率80%であった。
B群の患者は、1カ月後に有効1名、無効9名で改善率
10%、2カ月後に有効2名、無効8名で改善率20
%、3カ月後に有効4名、無効6名で改善率40%であ
った。C群の患者は、1カ月後に有効4名、無効6名で
改善率40%、2カ月後に有効5名、無効5名で改善率
50%、3カ月後に著効1名、有効8名、無効1名で改
善率90%であった。臨床試験の結果をまとめて第2表
に示す。
【0012】
【表2】
【0013】第2表の結果から、タイム抽出物を投与し
たA群の患者の改善率は、DHA油を投与したB群の患
者の改善率より高く、タイム抽出物がDHA油よりも、
アトピー性皮膚炎において抗アレルギー性が強いことが
分かった。さらに、全く予期しないことに、タイム抽出
物のみを投与したA群の患者と、タイム抽出物2重量%
とDHA油98重量%の混合物を投与したC群の患者を
比較すると、改善率は同等あるいはC群の患者の方がわ
ずかに高く、効果が顕著でないDHA油に少量のタイム
抽出物を加えることにより、タイム抽出物を100%用
いた場合と同等又はそれ以上の効果が発現することが分
かった。 実施例10(抗アレルギー性の試験) 5週齢のマウス(DDY:雌)10匹を、5匹ずつA群
及びB群に分け、A群のマウスには粉末飼料[CE−
2、日本クレア(株)製品]を、B群のマウスにはこの粉
末飼料98重量%と製造例1のタイム抽出物2重量%の
混合物を、それぞれ4週間自由に摂取させた。3週間目
にジニトロフェニルベンゼンの0.5重量%エタノール
溶液100μlをマウスの腹部に塗布した。さらに、4
週間目にジニトロフェニルベンゼンの0.2重量%オリ
ーブオイル溶液20μlをマウスの両耳に塗布し、塗布
後と24時間後にアレルギーに起因する耳たぶの腫れを
ノギスで測定し、それぞれの群について平均値と標準偏
差を求めた。
【0014】
【表3】
【0015】第3表の結果から、本発明の抗アレルギー
食品を摂取したマウスの耳たぶの腫れは、粉末飼料のみ
を与えた群と比較して有意に小さく、本発明の抗アレル
ギー食品が抗アレルギー性を有することが確認された。 実施例11(抗アレルギー性の試験) 5週齢のマウス(DDY:雌)40匹を、5匹ずつC
群、D群、E群、F群、G群、H群、I群及びJ群に分
け、C群のマウスには粉末飼料[CE−2、日本クレア
(株)製品]のみを、D群のマウスにはこの粉末飼料95
重量%と製造例3のタイム抽出物5重量%の混合物を、
H群のマウスにはこの粉末飼料99重量%と実施例5の
タイム抽出物のボラージ油懸濁液1重量%の混合物を、
I群のマウスにはこの粉末飼料95重量%と実施例6の
タイム抽出物のDHA油懸濁液5重量%の混合物を、J
群のマウスにはこの粉末飼料90重量%と実施例7のタ
イム抽出物のエゴマ油懸濁液10重量%の混合物を、そ
れぞれ4週間自由に摂取させた。また、E群、F群及び
G群のマウスには、それぞれ第4表に示す粉末飼料と油
脂の混合物を、4週間自由に摂取させた。3週間目に、
ジニトロフェニルベンゼンの0.5重量%エタノール溶
液100μlを、マウスの腹部に塗布した。さらに、4
週間目にジニトロフェニルベンゼンの0.2重量%オリ
ーブオイル溶液20μlをマウスの両耳に塗布し、塗布
直後と24時間後に、アレルギーに起因する耳たぶの腫
れをノギスで測定し、それぞれの群について平均値と標
準偏差を求めた。タイム抽出物を摂取しないC群のマウ
スの耳たぶの腫れは、平均0.42mmであった。また、
タイム抽出物を摂取したD群のマウスの耳たぶの腫れ
は、平均0.29mmであった。油脂を摂取したE群、F
群及びG群のマウスの耳たぶの腫れは、それぞれ0.3
2mm、0.27mm及び0.28mmであった。さらに、タイ
ム抽出物と油脂の混合物を摂取したH群、I群及びJ群
のマウスの耳たぶの腫れは、それぞれ0.15mm、0.1
6mm及び0.16mmであった。投与飼料、耳たぶの腫れ
の平均値及び標準偏差を、まとめて第4表に示す。
【0016】
【表4】
【0017】第4表の結果から、タイム抽出物を摂取し
たD群のマウスの耳たぶの腫れ、油脂を摂取したE群、
F群及びG群のマウスの耳たぶの腫れは、粉末飼料のみ
を摂取したC群のマウスの耳たぶの腫れと比較して有意
に小さく、タイム抽出物、ボラージ油、DHA油及びエ
ゴマ油が、いずれも抗アレルギー性を有することが確認
された。さらに、タイム抽出物とこれらの油脂の混合物
を摂取したH群、I群及びJ群のマウスの耳たぶの腫れ
は、タイム抽出物のみ又は油脂のみを摂取したD群、E
群、F群及びG群のマウスの耳たぶの腫れと比較してさ
らに有意に小さく、タイム抽出物と油脂が相乗的な抗ア
レルギー性を発揮することが分かった。 実施例12(抗補体活性の測定) タイム抽出物、タイム抽出物と油脂の混合物及び油脂に
ついて、常法[進藤美由記ら、和漢薬、第16巻、76
頁(1983年)]により抗補体活性を測定した。ま
た、比較対照として、精製水及び抗アレルギー性のある
漢方薬紫朴湯を用いて測定を行った。試験液は、A群が
精製水のみであり、B群が紫朴湯、C群がタイム抽出
物、D群がボラージ油、E群がDHA油、F群がエゴマ
油、G群がタイム抽出物20重量%とエゴマ油80重量
%の混合物、H群がタイム抽出物10重量%とボラージ
油90重量%の混合物、I群がタイム抽出物1重量%と
DHA油99重量%の混合物を、いずれも精製水に1重
量%添加し、超音波により均一に分散した液である。ヒ
ト血清と0.15mM塩化カルシウム、0.5mM塩化マ
グネシウム、0.1%ゲラチンを含むベロナール緩衝液p
H7.5(GVB++)及び試験液を各50μl混合し、こ
れを37℃において30分間反応させたのち、GVB++
で段階希釈し、ヒツジ感作血球を加えTCH5Oを測定
した。試験液の代わりに、PBS-を反応させた際のT
CH5Oを100とし、試験液によるTCH5Oの減少
率をもって抗補体活性とした。抗補体活性は、精製水の
みを用いたA群は0.0%であり、紫朴湯を用いたB群
は59.2%であり、タイム抽出物を用いたC群は54.
1%であった。また、ボラージ油、DHA油及びエゴマ
油を用いたD群、E群及びF群は、それぞれ36.3
%、35.0%及び30.3%であった。また、タイム抽
出物とともに、エゴマ油を併用したG群、ボラージ油を
併用したH群及びDHA油を併用したI群は、それぞれ
79.2%、76.2%及び73.6%であった。試験に
供した試料の組成及び抗補体活性を、まとめて第5表に
示す。
【0018】
【表5】
【0019】第5表の結果から、タイム抽出物は、抗ア
レルギー性のある漢方薬として知られている紫朴湯の抗
アレルギー性をわずかに下まわる程度の抗アレルギー性
を有することが分かる。また、ボラージ油、DHA油及
びエゴマ油は、それぞれ単独では紫朴湯より抗アレルギ
ー性がかなり低い。しかし、タイム抽出物とこれらの油
脂を併用することにより、抗補体活性の値が高くなり、
相乗効果により優れた抗アレルギー性を発揮することが
分かった。
【0020】
【発明の効果】現在、成人では花粉症が、また小児では
アトピー性皮膚炎が増加しているにもかかわらず、これ
らの予防法、治療法は確立されてはいない。本発明のタ
イム抽出物を含有する抗アレルギー食品は、天然物より
構成されているために安全であり、これまでの抗炎症
剤、抗ヒスタミン薬剤などにたよる治療法とは異なり、
副作用を伴うことなく、抗アレルギー症状の予防及び治
療を効果的に行うことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイム抽出物を含有することを特徴とする
    抗アレルギー食品。
  2. 【請求項2】タイム抽出物及び油脂を含有することを特
    徴とする抗アレルギー食品。
  3. 【請求項3】油脂がエゴマ油である請求項2記載の抗ア
    レルギー食品。
  4. 【請求項4】油脂がDHA油である請求項2記載の抗ア
    レルギー食品。
  5. 【請求項5】油脂がボラージ油である請求項2記載の抗
    アレルギー食品。
  6. 【請求項6】油脂が月見草油である請求項2記載の抗ア
    レルギー食品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230977A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Naris Cosmetics Co Ltd 顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(gm−csf)産生抑制剤ii
JP2010088441A (ja) * 2001-12-11 2010-04-22 Soc Des Produits Nestle Sa 骨成長の促進及び骨健康の維持のための組成物
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WO2020209701A1 (ko) * 2019-04-12 2020-10-15 이연제약 주식회사 타임 추출물을 포함하는 피부질환 개선, 치료 또는 예방용 조성물
KR20200120556A (ko) * 2019-04-12 2020-10-21 이연제약주식회사 타임 추출물을 포함하는 피부질환 개선, 치료 또는 예방용 조성물

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