JPH09145626A - マスクの欠陥検査装置 - Google Patents

マスクの欠陥検査装置

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JPH09145626A
JPH09145626A JP8098362A JP9836296A JPH09145626A JP H09145626 A JPH09145626 A JP H09145626A JP 8098362 A JP8098362 A JP 8098362A JP 9836296 A JP9836296 A JP 9836296A JP H09145626 A JPH09145626 A JP H09145626A
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light
mask
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gain
inspection
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JP8098362A
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English (en)
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Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/95Investigating the presence of flaws or contamination characterised by the material or shape of the object to be examined
    • G01N21/956Inspecting patterns on the surface of objects
    • G01N2021/95676Masks, reticles, shadow masks

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  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 微小な異物や半透明異物などの欠陥を検出可
能にする。 【解決手段】マスクで反射された検査光を受光する第1
の受光光学系と;マスクを透過した検査光を受光する第
2の受光光学系と;各受光光学系内の回路パターンに対
する光学的なフーリエ変換面内の受光光学系の光軸を含
む中心領域を通過する検査光を遮光する空間フィルタ
と;を設ける。各空間フィルタを通過した検査光を光電
変換するディテクタと;各ディテクタからの出力信号の
利得を調整し、出力信号として出力する利得調整回路と
を有し、利得調整回路によって利得を調整された2つの
出力信号の相対的な強度差又は強度比のいずれか一方に
基づいて欠陥を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマスクの欠陥検査装
置に関し、特にIC等の回路パターンが形成されたマスク
の欠陥(マスクに付着した異物等の欠陥も含む)を光学
的に検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来のマスク欠陥検査装置又は異物検査装
置としては、例えば、特開昭58ー62543号や特開
昭61ー82147号に示されるものが知られている。
図48は、従来のマスク欠陥検査装置を示す構成図であ
る。透過光310と反射光303とを比較演算処理して、マス
ク欠陥や異物等を検出する装置の例である。同図におい
て、光源Laから射出した光301は、レンズ群L306、L305
を経て。ミラーM301により反射され、光線102となる。
光線(照明光)302は、レンズ群L304、L303を透過し
て、ハーフミラーHMにより反射され、対物レンズL301を
透過してマスク305上の回路描画面307を照明する。マス
ク上には回路パターン306がある。マスク305より発生す
る反射光、散乱光のうち、反射方向に向かう光線303は
対物レンズL301に入射する。物体面上のマスクの描画面
と共役な物体面上に一次元光電変換素子DRの光検知面31
1が位置するように配置されている。光線303は、光電変
換素子DR上に結像し、反射明視野像(反射像)を形成す
る。光電変換素子DRは画像信号IROを出力する。同様に
マスク305より発生する光線のうち透過方向に向かう光
線310は対物レンズL302に入射する。物体面上のマスク
の描画面307と共役な物体面上に1次元光電変換素子DT
の光検知面312が位置するように配置されている。光線3
10は光電変換素子DT上に結像し、透過明視野像(透過
像)を形成する。光線310は光電変換素子DTは画像信号I
TOを出力する。2つの画像信号ITO、IROは画像処理シス
テムSCに入力され、表像、裏像の関係を電気的に補正し
て、適当なゲインを各々信号に乗じてからマスク上の座
標が同一となるように、たし合わされる。そのたし合わ
された信号は、所定の閾値と比較され、欠陥、異物等の
有無が検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような装
置では、単純な1つ又は2つの閾値による2値化処理で
は、微小なマスク欠陥、異物等を十分に検出することが
できない場合があった。本発明は従来の問題に鑑みてな
されたもので、マスク上に存在する微小なマスク欠陥(
平坦状のマスク欠陥等) や半透明のマスク欠陥を検出可
能なマスクの欠陥検査装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに本発明では、回路パターンを有するマスク上の欠陥
を光学的に検出するマスクの欠陥検査装置において、前
記マスクを検査光で照明する照明系と;前記マスクで反
射された前記検査光を受光する第1の受光光学系と;前
記マスクを透過した前記検査光を受光する第2の受光光
学系と;前記第1の受光光学系内の前記回路パターンに
対する光学的なフーリエ変換面内の前記第1の受光光学
系の光軸を含む中心領域を通過する前記検査光を遮光す
る第1の空間フィルタと;前記第2の受光光学系内の前
記回路パターンに対する光学的なフーリエ変換面内の前
記第2の受光光学系の光軸を含む中心領域を通過する前
記検査光を遮光する第2の空間フィルタと;前記第1の
空間フィルタを通過した前記検査光を光電変換する第1
の光電変換手段と;前記第2の空間フィルタを通過した
前記検査光を光電変換する第2の光電変換手段と;前記
第1の光電変換手段からの第1出力信号の利得を調整
し、第3出力信号として出力し、前記第2の光電変換手
段からの第2出力信号の利得を調整し、第4出力信号と
して出力する利得調整回路とを有し、前記利得調整回路
によって利得を調整された前記第3出力信号と前記第4
出力信号との相対的な強度差又は強度比のいずれか一方
に基づいて前記欠陥を検出することとした。
【0005】更に本発明は、光透過性の平板状の基板の
第1の面に回路パターンを有し、第1の面に対向する第
2の面に回路パターンを有していないマスクの欠陥を検
査する装置であって、マスクの検査対象となる前記第1
の面内の領域である検査領域内を照明する照明手段と;
前記マスクを含む空間を前記第1の面を含む平面で2分
割した2つの空間内に別々に配置された2つの受光手段
であって、前記第2の面を含む第2の空間に配置された
第2の受光手段と、前記第2の面を含まない第1の空間
に配置された第1の受光手段と;前記マスクの前記検査
領域内より発生する光線であって前記第1の受光手段に
入射する光線を光電変換する第1の光電変換手段と;前
記マスクの前記検査領域内より発生する光線であって第
2の受光手段に入射する光線を光電変換する第2の光電
変換手段と;前記第1の光電変換手段から出力される第
1出力信号を利得調整し第3出力信号として出力し、前
記第2の光電変換手段から出力される第2出力信号を利
得調整し、第4出力信号として出力する利得調整回路を
有し、前記利得調整回路によって利得を調整された前記
第3出力信号と前記第4出力信号との相対的な強度差又
は強度比のいずれか一方に基づいて前記欠陥を検出する
こととした。
【0006】更に本発明は、マスクの欠陥を検査する欠
陥検査装置において、前記マスクの被検査面の第1領域
内を落射照明する第1照明手段と、前記被検査面の第1
領域内を前記マスクの前記被検査面とは異なる面から透
過照明する第2照明手段と、前記第1の領域内の第1位
置の第2領域内から発生する散乱光のみを集光し、第1
光線とする光線選択手段と、前記第1光線を第2光線と
第3光線に分離する光線分離手段と、前記第2の光線を
光電変換する第1光電変換手段と、前記第3の光線を光
電変換する第2光電変換手段と、前記第1の光電変換手
段から出力される第1出力信号を利得調整し第3出力信
号として出力し、前記第2の光電変換手段から出力され
る第2出力信号を利得調整し、第4出力信号として出力
する利得調整回路を有し、前記利得調整回路によって利
得を調整された前記第3出力信号と前記第4出力信号と
の相対的な強度差又は強度比のいずれか一方に基づいて
前記欠陥を検出することとした。
【0007】更に、本発明は、対向する第1面、第2面
を有する板状の光透過性の基板であって、該第1面にパ
ターンが描画され、該第2面にパターンが描画されてい
ない基板の欠陥を検査する欠陥検査装置であって、レー
ザー光線を射出するレーザー光源と、前記レーザー光線
を前記基板の第一面の第一領域に集光し、かつ照射し、
該第一領域を前記基板のパターン描画面内において、1
次元方向に連続的に移動せしめる光走査手段と、前記基
板の第1面を含む第1平面で分割された2つの空間領域
の片方であって前記第2面を含まない第1空間領域に配
置され、光電変換素子を有する第1受光手段と、前記基
板の第1面を含む第1平面で分割された、二つの空間領
域の片方であって前記第2面を含む第2空間領域に配置
され、光電変換素子を有する第2受光手段と、前記第1
の受光手段からの第1出力信号の利得を調整し、第3出
力信号として出力し、前記第2の受光手段からの第2出
力信号の利得を調整し、第4出力信号として出力する利
得調整回路とを有し、前記利得調整回路によって利得を
調整された前記第3出力信号と前記第4出力信号との相
対的な強度差又は強度比のいずれか一方に基づいて前記
欠陥を検出することとした。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
【実施例】本発明の第1実施例を図面を参照して説明す
る。図1は本実施例のマスクの欠陥検査装置の概略構成
を示す図であり、この装置は反射検出系と透過検出系と
の両方を有する装置である。光源1(Arレーザ等) から
射出された照明光ILのビーム径はビームエキスパンダ
(レンズL7、レンズL8)により拡大され、対物レンズL3
の後側焦点面FI2 に位置する振動ミラー(ハーフミラ
ー)4に入射する。振動ミラー4で反射された照明光IL
は対物レンズL3に入射する。
【0010】対物レンズL3の前側焦点面がマスクRのパ
ターンPA面に一致するように、マスクRの位置が調整さ
れており、対物レンズL3は照明光ILをマスクR上に集光
して、マスク上にスポット上の照明領域を形成する( 図
1では対物レンズL3からマスクRへの照明光ILの光路、
マスクRを透過した正透過光のマスクRからレンズL1ま
での光路及びマスクRで正反射された照明光のレンズL5
までの光路を省略している) 。
【0011】振動ミラー4はx軸(紙面に垂直な軸)に
平行な回転軸を有し、モータ等より構成される駆動系M
Oはこの回転軸を中心にして駆動系MOにより光軸AX
に対して振動ミラー4を回転する。駆動系MOは振動ミ
ラー4を回転し、照明光ILをy方向にスキャンする。対
物レンズL3はテレセントリック系であり、振動ミラー4
によってマスクR上での照明光ILの照射位置が変化した
場合でも、照明光ILは光軸AXとほぼ平行にマスクに入
射される。図1では走査点PLから走査点PRまで照明光IL
がy 方向に走査されるものとする。
【0012】さて、図1の装置にはマスクRからの反射
光を受光する受光光学系(L3、L4、L5、L6)が設けられ
ている。これらのレンズL3、L4、L5、L6は光学AXに沿
って配置されている。対物レンズL3( 焦点距離f3のレン
ズ) とレンズL4( 焦点距離f4のレンズ) は対物レンズの
後側焦点面とレンズL4の前側焦点面を一致させるように
配置されており、対物レンズL3とレンズL4は2重回折光
学系を構成する。従って、フーリエ変換面FI2 上には物
対面ob上の光波の振幅分布をフーリエ変換したものが得
られる。このことは、フーリエ変換面FI2 上には物体面
obに配置されたマスクのパターンPAからの回折光(反
射光)の振幅分布をフーリエ変換したものが得られるこ
とを意味する。
【0013】またレンズL4の後側焦点面には物体と共役
な像面IM2 が形成される。フーリエ変換面FI2 上には像
画IM2 上の光波の振幅分布をフーリエ変換したものが得
られる。レンズL5、レンズL6も同様に2重回折光学系と
なし、フーリエ変換面FI3 にはフーリエ変換面FI2 と共
役なスペクトル(フーリエ回折像)が得られ、像面IM3
には像面IM2 上に形成される像と共役な像が得られる。
そしてフーリエ変換面FI3 には空間フィルターS2が設け
られている(詳細後述)。
【0014】このように2組の2重回折光学系を直列に
つなげているのは、本実施例ではビームスポットを物対
面ob上で光走査するために、フーリエ変換面FI2 上に振
動ミラーMOが配置されていて、この面に空間フィルタ
を配置することが困難なためである。像面IM3 には一次
元の光電変換素子ID2 の受光面が配置されており、光電
変換素子ID2 からの信号IDD2は主制御系100(図2)に送ら
れる。
【0015】以上のように、受光光学系(L3、L4、L5、
L6)と光電変換素子ID2 とで反射検出系が構成される。
次に透過検出系について説明する。マスクRを挟んで反
射検出系とは反対側には、光軸AXに沿ってレンズL1(
焦点距離f1のレンズ) 、レンズL2( 焦点距離f2のレン
ズ) が配置されている。クRを透過した照明光ILはレン
ズL1、L2を介して光電変換素子ID1 に入射する。レンズ
L1の前側焦点面がマスクのパターン面PAとほぼ一致する
ようにレンズL1は配置されている。レンズL2の後側焦点
面には像面IM1 が形成され、この像面IM1 と光電変換素
子ID1 の像面IM1 とが一致するように光電変換素子ID1
が配置されている。
【0016】従って、このレンズL1、L2も2重回折光学
系をなし、物体面obの光波の振幅分布のフーリエ変換が
フーリエ変換面FI1 上に得られ、物体面obと共役な像が
像面IM1 上に得られる。そして、フーリエ変換面FI1 に
は空間フィルタS1(詳細後述)が設けられている。以上
のように受光光学系(L1、L2)と光電変換素子ID1 とで
透過検出系が構成される。
【0017】また、対物レンズL1、L3はテレセントリッ
ク光学系であって、照明光ILは、スポットスキャン中に
常に、物対面obの法線( 光軸AXと平行な線) に対して角
度θ 0 をなしてマスクRに入射する。また図1には光軸
AXに沿ってマスクRの走査領域PR-PL を透過した正透
過光(0次回折光)11 と、照明光ILが走査点PLを照射した
時、マスクR を透過して発生する光線12とマスクR で反
射されて発生する光線16、及び照明光ILが走査点PRを照
射した時、マスクR を透過して発生する光線13とマスク
R で反射されて発生する光線15が示されている。これら
の光線12、13、15、16は物対面obの法線( 光軸AXと平行
な線) に対して角度θm をなす光線である。
【0018】また、マスクRはマスクステージRSTに
より保持され、移動機構DVは、対物レンズL3、L1の物
体面ob内にパターン描画面PAを常に位置させながら
光軸AX(y方向の光走査線)を横切って、x、y面に
平行にy方向にマスクステージRSTを移動する。振動
ミラー4の移動による光走査と移動機構DVによるマス
クRの移動によりマスクRの所定の検査エリア(2次元
領域)が検査可能となる。主制御系100は振動ミラー
4の移動の制御、駆動機構DVによるマスクRの移動の
制御、光電変換素子ID1、ID2からの信号の処理等
を初めとして、装置全体を統括的に制御する。
【0019】次に図1の主制御系100について図2
(a)、(b)を参照して説明する。図2(a)、
(b)において、主制御系100は光電変換素子ID1
より出力される信号IDD1と光電変換素子ID2から
出力される信号IDD2とを入力し、信号IDD1とI
DD2とを各々増幅するアンプとアンプのゲインを調整
する調整回路GA1,GA2とを含む信号処理回路SC
と、メインのコンピュータCOMと検査エリア等の情報
を入力する入力装置IFとマスク欠陥の検査結果等を表
示するディスプレイDとを有する。ここで、図2(a)
に示すものは、ゲイン調整されたそれぞれの信号の差
を、差動アンプDAで求め、これに基づいてマスク欠陥
の検査を行うものであり、図2(b)に示すものはゲイ
ン調整されたそれぞれの信号の比を、割り算器Dで求
め、これに基づいてマスク欠陥の検査を行うものであ
る。
【0020】入力装置IFはキーボード、マウス、ライ
トペン、フロッピーディスクドライブ、バーコードリー
ダ等である。例えばオペレータによってキーボード(入
力装置IF)からマスクの透過率とマスク上のパターン
の反射率の情報に基づく信号IDD1とIDD2に対す
る増幅ゲインの設定値、検査感度、検査エリア等の情報
がコンピュータCOMに入力される。コンピュータCO
Mはこれらの入力された情報に基づいて、信号IDD1
とIDD2に対する増幅ゲイン( 利得) の設定値を信号
処理回路SCに出力する。
【0021】2つの光電変換素子ID1、ID2から出
力される透過画像信号IDD1と反射画像信号IDD2
は信号処理回路SCに入力される。信号処理回路SCは
コンピュータCOMからの情報に基づいて設定されたゲ
インで2つの信号の信号強度を調整する。このゲインの
調整量は、後述する原理に従って、回路パターンからの
反射光の光電信号と透過光の光電信号との差信号が零と
なるように調整される。 次に、信号処理回路SCはゲ
イン調整された後の2つの信号を引き算し又は比をと
り、信号IDD3を得る。信号処理回路SCはこの信号
IDD3を、信号処理回路SC内のウインドコンパレー
タ回路によって、2つの閾値THH 、THL の少なくとも一
方によって2値化する。すなわち、信号IDD3が閾値
THH より大きいときは「1」をコンピュータCOMに出
力し、信号IDD3が閾値THH より小さいときは「0」
をコンピュータCOMに出力する。もしくは、信号ID
D3が閾値THL より大きいときは「0」をコンピュータ
COMに出力し、信号IDD3が閾値THL より小さいと
きは「1」をコンピュータCOMに出力する。コンピュ
ータCOMは信号処理回路SCから論理値「1」が出力さ
れたときは( 閾値THH、THL の少なくとも一方で2値化
された結果が出力されたときは) 、マスク欠陥が検出さ
れたと判断し、信号処理回路から論理値「0」が出力さ
れたときは、マスク欠陥が検出されなかった(回路パタ
ーンもしくはマスクRのガラス面からの信号しか得られ
なかった)と判断する。
【0022】コンピュータCOMは、マスク欠陥の検出
結果の情報と検出光ILのX方向の位置及びマスクRの
Y方向の位置情報に基づいて、マスク欠陥の検出結果を
マッピングし、ディスプレイDに表示させる。また信号
処理回路SCは2つの信号信号強度より、マスク欠陥の
反射率と透過率の差を求めることにより、ゲイン設定値
を補正することもできる。
【0023】次に図3(a)及び(b)を参照して空間
フィルタS1、S2について説明する。図3(a)及び
(b)は、それぞれ各受光系内に形成されたフーリエ変
換面とそこに設けられた空間フィルタを示す図である。
図3(a)の領域Ff1はレンズL1、L2で規定され、フ
ーリエ変換面FI1 上の円形領域Ff1を示し、図3
(b) の領域Ff2はレンズL3、L4、L5、L6で規定さ
れ、フーリエ変換面FI3 (FI2も同じ)上の円形の領域
Ff2を示す。領域Ff1は光電変換素子ID1に到達
し得るマスクRからの光が通過する領域を示し、領域F
f2は光電変換素子ID2に到達し得るマスクからの光
が通過する領域を示している。また、図3(a)、
(b)のxy座標系は図1のxy座標系に対応してい
る。
【0024】本実施例では図3(a)のフーリエ変換面
FI1 上の領域Ff1と図3(b)のフーリエ変換面FL
2上の領域Ff2を透過するフーリエスペクトル(フー
リエ回折像)を一致させる。このため、フーリエ変換面
FI1 、FI3 を透過しうる最大の空間周波数に相当する物
対面obより出射する光線の光軸AXに対する最大の角
度θm が透過光、反射光で一致するように、レンズL3、
L4、L5、L6の開口数、倍率と、レンズL1、L2の開口数、
倍率が定められている。
【0025】図3(a)に示すようにフーリエ変換面上
の領域Ff1内には、領域Ff1内の照明光ILの0次
回折光(透過光11)を遮光する空間フィルタS1が設
けられおり、図3(b)に示すようにフーリエ変換面上
の領域Ff2内には、領域Ff2内の照明光ILの0次
回折光(反射光14)を遮光する空間フィルタS2が設
けられている。図3(a)、(b)のuvはフーリエ変
換面上での座標系を表す。
【0026】マスクRから発生した(マスク上の回路パ
ターンやマスク欠陥で発生した)回折光12、13はフ
ーリエ変換面上FI1 上(領域Ff1上)のTm1、Tm
2で示す領域を通過し、マスクRで反射して発生した
(マスク上の回路パターンやマスク欠陥で反射されて発
生した)回折光15、16はフーリエ変換面上FL2上
(領域Ff2上)のRm1、Rm2で示す領域を通過す
る。点Rm1,Rm2,Tm1,Tm2は領域Ff1 、Ff2 の限界( 最外
領域) に位置する。
【0027】従って、光軸AXと角度θmをなすマスク
Rからの透過光線成分(透過光線の主光線と光軸AXと
のなす角度がθm)がフーリエ変換面FL1上の領域F
f1を通過することができる限界の光線となる。このこ
とは、角度θmが領域Ff1の大きさを表していること
を意味している。同様に光軸AXと角度θmをなすマス
クRからの反射光線成分(反射光線の主光線と光軸AX
とのなす角度がθm)がフーリエ変換面FL2上の領域
Ff2を通過することができる限界の光線となり、角度
θmが領域Ff2の大きさを表している。
【0028】また、図1ではフーリエ変換面FI1 及びFI
3 と0 次回折光( 透過、反射) との交点は点で示してい
るが、実際には照明光ILは所定の角度( θ0 ) 、すなわ
ち光束のNAを持ってマスクRに入射しているため、フ
ーリエ変換面上での交点は角度( θ0 ) に対応する大き
さを持っている。上記では空間フィルタS1、S2は0
次回折光を遮光すると述べたが、このことは、換言すれ
ば0次回折光が光軸AXに対して±角度θ0 の広がり
(フーリエ変換面上での0次回折光の大きさに相当す
る)を有するとしたとき、空間フィルタS1は物体面o
bより発生する光線で透過方向に進行する光線のうち物
体面obの法線に対して角度θ0 以下の角度成分の光線
を遮断し、角度θ0 〜θm の角度成分を有する光線を通
過させることである。同様に空間フィルタS2は物体面
obより発生する反射方向に進行する光線のうち、物体
面obの法線に対して角度θ0 以下の角度成分の光線を
遮断し角度θ0 〜θm の角度成分を有する光線を通過さ
せる。
【0029】図3(a)及び(b)では、示すフーリエ
変換面上での円形の空間フィルタS1、S2の直径をu
v座標系で2u0 (=2v0 )として表しており、角度
2θ 0 がこの直径2u0 (=2v0 )に対応している。
点Ti1 、Ti1 は0 次回折光11( 透過光) が図1のフーリ
エ変換面FI1 上に衝突する点を示す。また、点Ri1 、Ri
2 は0 次回折光14( 反射光: 光線11と同じ角度成分の光
線) が物体面obより発生したときにフーリエ変換面FI3
に衝突する点を示す。
【0030】図1に示す2つの光電変換素子ID1,I
D2から出力される信号IDD1、IDD2の差とゲイ
ンの調整について、以下に詳しく説明する。物体面ob
上で反射散乱光を生じるマスクR上の回路パターン部分
での振幅反射率をα、反射光の振幅分布の関数をf1
(x、y)とすると、反射率の分布はαf1 (x、y)
で示され、透過散乱光を生じる回路パターンなし部分の
振幅透過率をβ、反射光の振幅分布の関数をf2 (x、
y)とすると、透過率の分布はβf2 (x、y)で示さ
れる。これらは(1)式の関係がある。
【0031】 1−f1 (x、y)=f2 (x、y) (1) また、入射ビームスポットの光波の振幅分布をf0
(x、y)とすると、フーリエスペクトル(フーリエ回
折像)は、(2)、(3)式で示される。フーリエ変換面FI3
上のスペクトルは FT - [αf1 (x、y)×f0 (x、y)] =FT- [αf1'(x、y)] =αF1 (u、v)*F0 (u、v)=αF1 ’(u、v) (2) FT - [αf1ac (x、y)×f0 (x、y)] =αF1ac (u、v)*F0 (u、v)=αF1 ’ac(u、v) (3) となり、フーリエ変換面FI1 上のスペクトルは FT- [βf2 (x、y)×f0 (x、y)] =FT- [βf2'(x、y)] =βF2 (u、v)*F0 (u、v)=βF2 ’(u、v) (4) FT - [βf2ac (x、y)×f0 (x、y)] =βF1ac (u、v)*F0 (u、v)=−βF1 ’ac(u、v) (5)と なる。
【0032】ここでF0 (u、v)、F1 (u、v)、
2 (u、v)は(6)、(7)、(8)の関係がある。
【0033】
【数1】
【0034】 FT- [f1 (x、y)]=F1 (u、v) (7) FT- [f2 (x、y)]=F2 (u、v) (8) バビネの原理により(9)式が成り立つ。 F1'(u、v)+F2'(u、v)=F0 (u、v) (9) ここで新たに関数F1'ac(u、v)、F2'ac(u、v)
は(10)、(11)式される。
【0035】
【数2】
【0036】(6)、(9)式より、(12)式となる。 F1'ac(u、v)+F2'ac(u、v)=0 (12) 従って本実施例において通過するフーリエスペクトル
は、 FI1 を通過するスペクトル=βF2'ac(u、v) (13) FI3 を通過するスペクトル=αF1'ac(u、v) (14) (13)、(14)式で示され、(12)式より係数以外は同じであ
る。図29に1次元の場合のf1(x) 、f2(x) 、F1'(u)、
F2'(u)の様子を示した。図29の回路はライン:パター
ンが1:1 の場合である。
【0037】また、像面、IM3 、IM1 に生じる像は、(1
5)、(16)式で示される。 像面IM1 上の像=FT- [βF2'ac(u,v)]=βf2'ac(x、y) =−βf1'ac(x、y) (15) 像面IM3 上の像=FT- [αF1'ac(u,v)]=αf1'ac(x、y) (16) これも係数以外同じである。
【0038】像は強度で出力されるので電気出力IDD
1、IDD2は次式で k・IDD1=k[βf2 ”(x、y)]2 =kβ2 [(f1 ”(x、y)]2 (17) l・IDD2=l(αf1 ”(x、y)]2 =lα2 [f1 ”(x、y)]2 (18) 示される。但しk、lはアンプのゲインである。(17)、
(18)式より kβ2 =lα2 (19) (19)式が成り立つようにすれば、同じ出力が得られる。
【0039】出力信号IDD1、IDD2は図2におい
て、信号処理回路SCに入力されるが、(19)式を満たす
ように、センサのゲインk、lを設定すれば容易にマス
ク欠陥を検出できる。(19)式は、回路パターンの反射率
αと、マスクRのガラス部分の透過率βに対して最適化
すると、 k・IDD1−l・IDD2=0 (20) となることをしめしている。つまり、マスク欠陥の反射
率が透過率のいずれか一方がα、βと異なる場合に(20)
式は成り立たなくなる。従って(21)の様な信号IDD3
を作りこれを適当な閾値( ウインドウコンパレータによ
るTHH 、THL)で2値化すればよい。
【0040】 IDD3=k・IDD1−l・IDD2 (21) (42)式より明らかな様に本発明は、透過暗視野画像と
反射暗視野画像の引き算によって無欠陥の回路パターン
の像を消去し、フォトマスク上の振幅反射率、振幅透過
率のいずれかが、無欠陥の回路パターンのそれと異なる
マスク欠陥のみを描出しうる。
【0041】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。本実施例の装置構成は、第1実施例の図1の検査装
置とほぼ共通の構成である。第1実施例との違いは、図
4に示すようにフーリエ変換面FI1 、FI3 に、空間フィ
ルタS1、S2の他に空間フィルタS11、S22が
(空間フィルタS1、S2に重なるように)追加されて
いる点である。
【0042】図4において、空間フィルタS11、S2
2は、物体面ob上の回路パターンの主な構成要素であ
るx軸に対して0°、45°、95°、135 °の角度をなす
パターンの直線部分に照明光ILが入射した際に発生す
るフーリエ変換パターンを阻止(遮光)する。空間フィ
ルタS11、S22は各々3本の帯が、光軸AXを中心
として、45°の角度をなして交じわっている。3本の帯
の幅は物体面ob上に回路パターンがない場合に発生す
る照明光のフーリエ変換スペクトルの大きさ(マスクR
を透過した照明光ILの0次回折光(透過光)のフーリ
エ変換面FI1における通過領域の大きさ)に相当する
空間フィルタS1の直径(=2u0 =2v0 )、物体面
ob上が全面均一な反射性の回路パターン描画材料に覆
われている際に発生する照明光のフーリエ変換スペクト
ルの大きさ(マスクRで反射された照明光ILの0次回
折光(反射光)のフーリエ変換面FI3における通過領
域の大きさ)に相当するS2の直径(=2u0 =2v
0 )に一致させることで前記直線部分から発生する回折
光のフーリエ変換パターン(回折像)を阻止できる。
【0043】空間フィルターS11、S22は回路パタ
ーンの直線部分から発生するフーリエ変換パターンを阻
止するが、その他の空間周波数のフーリエ変換スペクト
ル(回折像)を通過させる。通過するフーリエ変換スペ
クトルは例えば直線部分よりもむしろランダムな曲線で
構成されるマスク欠陥のフーリエ変換スペクトルや、2
次元的な周期構造を有するセル状の回路パターンのフー
リエスペクトルの一部分である。
【0044】第2実施例のように図4の空間フィルタを
備えた検査装置によれば、回路パターンから発生する散
乱光の大部分を阻止出来るため、光電変換阻止に入射す
る、回路パターンの像の光量を減少できる。従って、図
3に示す空間フィルタS1、S2だけを備えた図1の検
査装置に比べ、回路パターン像に対するマスク欠陥の像
のコントラストを向上でき、より容易に、微小な低段差
マスク欠陥を検出できる。
【0045】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。図5(a)、(b)、(c)は、本発明の第3の実
施例の検査装置に用いられる遮光体と空間フィルタとを
示す図である。本実施例における検査装置と図1の装置
との違いは空間フィルタS13、S23と、照明光IL
の光路中に設けられた、遮光帯A1である。他の部分は
図1の装置と同じなので装置構成の詳細説明は省略す
る。遮光帯A1は、フーリエ変換面FI2近傍のマスク
Rに入射する照明光ILの光路中に位置されている。図
5(a)は遮光体A1を示す図であり、図に示すように
遮光体A1は照明光ILとほぼ垂直平面内で十文字に交
わる2本の遮光体から構成されている。遮光体A1を通
過した照明光ILは、4分割され、物体面ob上で集束
して、一点を照明する。マスクRの回路パターンが無い
場合に生じる透過照明光束のフーリエ変換スペクトルは
図5(b)のS01で示され、フォトマスク1の回路パ
ターン描画面が均一な反射性の回路パターン描画材料に
よって覆われているときに発生する反射照明のフーリエ
交換スペクトルは図5(c)のS02で示される。
【0046】空間フィルタS13、S23は、図5
(b)、(c)に示されるように、照明光束のフーリエ
スペクトルS01、S02(フーリエ変換面上での回折
像)の存在しない領域であって、u軸、v軸に沿った、
幅v1 の十文字状のスリット内の空間周波数の光束を透
過させ、それ以外の空間周波数の光束を阻止する。空間
フィルターS13、S23は、回路パターンにより発生
するフーリエ変換パターンの大部分を阻止し、マスク欠
陥より発生するフーリエ変換パターンの一部分を透過さ
せる。従って回路パターン像の強度を低下させ、マスク
欠陥像のコントラストを向上しうる。また空間フィルタ
ーS13、S23は、図4に示す空間フィルタS11、
S22が透過させる2次元の周期構造のセル状回路パタ
ーンのフーリエ変換パターンも阻止するので、この様な
回路内のマスク欠陥のコントラストも向上させる。
【0047】次に本発明の第4の実施例について説明す
る。本実施例の装置の図1の装置との違いは、本実施例
の装置にはレンズL2とレンズL6がなく光電変換素子ID
1、ID2がフーリエ変換面FI1、FI3上に配置さ
れていること、そして、光電変換素子ID1、ID2は
単一画素のセンサーであることである。他は図1の装置
と同様なので図面を使った装置構成の詳細説明は省略す
る。
【0048】本実施例においても、フーリエ変換面FI
1、FI3上に照明光束のフーリエ変換パターンを遮断
する空間フィルタS1、S2が図1と同様に設けられて
いる。このため、フーリエ変換面FL1、FL3上のフ
ーリエスペクトルは、(13)、(14)式より係数以外は同じ
になる。従って、フーリエ変換面FL1、FL3上に設
けられた光電変換素子ID1、ID2は図3(a)、
(b)に示す、空間周波数領域Ff1、Ff2内で空間
フィルタS1、S2が設けられ領域を除く領域を通過す
る光の全スペクトルを積分した光量を光電変換し、出力
IDD1、IDD2を出力する。これらは(22)、(23)式
で示される。
【0049】 k・IDD1=k|βF2 ”(u、v)|2 (22) l・IDD2=l|αF1 ”(u、v)|2 (23) ここでアンプのゲインを表わすk,l を(19)式と同様にk
β2 =lα2 とすれば、マスク欠陥のない回路パターン
において同じ出力が得られる、ここで(21)式と同様に信
号IDD3を作りこれを適当な閾値(THH、THL)で2値化
すればマスク欠陥の検出が行える。このように本実施例
ではフーリエ変換面上において、透過光量と反射光量を
引き算することでマスク欠陥のない場合には信号値がゼ
ロとなる信号IDD3を生成し、容易にマスク欠陥を検
出しうる。
【0050】本実施例において、ID1、ID2は、照
明光束ILの照明位置によって1つの値に決まる光量を
表わす出力IDD1、IDD2を出力する。信号処理部
SCは上述したような信号の減算処理と2値化処理など
を行い、コンピュータCOM は一連の検査動作を制御す
る。コンピュータCOM は、フォトマスクRの平行移動、
振動ミラー4のスキャンなども制御し、これらの位置情
報とマスク欠陥の検出情報とに基づいてマスク欠陥の付
着位置を求める。
【0051】図6は本発明の第5実施例の検査装置であ
る。第4の実施例の装置との違いは、光電変換素子の数
と、それに伴う信号処理系の違いだけである。フーリエ
変換面FI1、FI3上に光検知面(受光面)が位置す
るように、透過光用の光電変換素子SA1、SA2、SA
3、SA4及び反射光用の光電変換素子SB1、SB2、S
B3、SB4が設置されている。これらの光電変換素子
は、SA1とSB1、SA2とSB2、SA3とSB3、SA
4とSB4が各々ペアになっていて各々の受光面の領域内
で(12)式が成り立つように配置されている。
【0052】図7(a)はフーリエ変換面における光電
変換素子SA1、SA2、SA3、SA4の配置を示す図で
あり、図7(b)はフーリエ変換面における光電変換素
子SB1、SB2、SB3、SB4の配置を示す図である。
つまり、図7(a)、(b)におけるuv直交座標系に
おいて、同じ象限内の領域同志がペアリングされてい
る。図8は本実施例における信号処理系を示す図であ
る。図8において4つの光電変換出力のペアは4つの信
号処理回路SC1〜SC4、17〜20に入力され各々
で加算、減算処理が行なわれる。光電変換素子SA1〜
SA4、SB1〜SB4から出力信号をSA01〜SA04、
SB01〜SB04とした。また、SC1〜SC4からの出
力信号をSC01〜SC04とした。その出力信号SC01-
〜SC04-の添字の−印は減算出力を示し、出力信号S
C01+〜SC04+の添字の+印は減算出力を示す。
【0053】4つの光電変換素子のペアは各々(12)式を
満足するため次のようにSc1C4を定議すれば、4つの
信号を適当な閾値(THH、THL)で2値化すれば各々の信号
からマスク欠陥検出を行なえる。 SC01- =k・SA01−l・SB01 (24) SC02- =k・SA02−l・SB01 (25) SC03- =k・SA03−l・SB03 (26) SC04- =k・SA04−l・SB04 (27) ところで、回路パターンのフーリエ変換スペクトルはフ
ーリエ変換面上偏りをもつことが多い。このことを利用
して本実施例では回路パターンのフーリエ変換スペクト
ルの各受光面との積分光量のより少ない、光電変換素子
のペアを選択し、より微細な低段差マスク欠陥を検出で
きるようになっている。
【0054】この第5実施例も前述の実施例と同様に、
透過光と反射光の光量を表わす。第1の光電変換信号、
第2の光電変換信号を引き算して、第3の光電変換信号
を作り、第3の光電変換信号を適当なスライスレベル(T
HH、THL)により2値化してマスク欠陥の信号を抽出す
る。このような方法を行ううえで、光電変換素子のダイ
ナミックレンジ内で、信号の減算を行う必要がある。光
電変換素子は光量に比例した信号を出力するが、出力信
号は電気的ノイズによる最小出力値と、最大定格で決定
される最大出力値を有する。通常ダイナミックレンジは
最大出力/最小出力により定議され、固々の光電変換素
子に固有の値となる。(ダイナミックレンジの定議は比
であるが、慣用的に領域を表現する。)微小なマスク欠
陥の散乱光の光量を最小出力値よりも増加させるには照
明光ILの輝度を増加させればよい。この場合、回路パ
ターンからの散乱光の光量も増加する。回路パターンか
らの散乱光量が、最大出力値よりも大きくなると、(21)
式による第3の光電変換信号が理想値と異なり、正常な
マスク欠陥検査が行なえなくなる。
【0055】上記の現象を避けるため、本実施例では、
フーリエ変換面上で、回路パターンからの散乱光量が少
ない領域を4つのうちから選択できるようになってい
る。前述の如く図8において4つの光電変換出力のペア
は4つの信号処理回路SC1〜SC4に入力され各々で加
算、減算処理が行なわれる。同図において+印は加算出
力のSC01+ 、SC02+ 、SC03+ 、SC04+ を表わ
す。
【0056】−印は減算出力のSC01- 、SC02- 、S
C03- 、SC04- を表わす。 SC01+ =k SA01+l SB01 (28) SC02+ =k SA02+l SB02 (29) SC03+ =k SA03+l SB03 (30) SC04+ =k SA04+l SB04 (31) SC01+ 〜SC04+ は(28)〜(31)式で示される。4つの
加算出力は、最小値選択部k1 に入力され、出力選択信
号MSを出力する。セレクターk2 は出力選択信号MS
で指定された。加算出力で最小となる減算出力を選択
し、信号処理回路SCに入力する。信号処理回路SCは適当
な閾値(THH、THL)により2値化処理を行い、マスク欠陥
検出信号をコンピュータCOM に入力する。尚、この場合
にも、図2(b)を用いて説明したように、ゲイン調整
した信号の差をとるのではなく、比をとって、これを用
いてもよい。
【0057】上記の動作によってダイナミックレンジを
向上でき、より微細なマスク欠陥の検出を行なえる。本
実施例においても前述の実施例と同様にコンピュータCO
M は検査動作を制御する。コンピュータCOM は、マスク
Rの平行移動、振動ミラー4のスキャンなども制御す
る。コンピュータCOM は検査結果をマッピングし、ディ
スプレイDに表示する。入力装置IFは、オペレータから
の検査の内容、例えば検査領域、検査感度などの入力を
受け付け、これをコンピュータCOM に転送する。
【0058】この実施例の検査装置はフーリエ変換面F
I1、FI3に各々、4つの光電変換素子を有してい
る。光電変換素子の占有する領域はこの例だけに限定さ
れるものではない。また光電変換素子の数も、4つに限
定されるものではない。次に本発明の第6の実施例を説
明する。図9は、本発明の第6の実施例の検査装置を示
す図である。
【0059】光源1より出射する照明光ILはレンズ群L
7、L8、L9を透過し、対物レンズL3の後側焦点面FI2の近
傍のミラーM 上で集束する光スポットを形成する。照明
光ILは対物レンズL3に向かって反射され、対物レンズL3
により屈折されて平行な光線となり、マスクR を照明す
る。レンズL3、L4、L1、L2は光軸AXに沿って配置され
る。レンズL3、L4は2重回折光学系を構成する対物レン
ズL3は物体面obから焦点距離f3 の約1倍の位置に配置
される。対物レンズL3の後側焦点面にはフーリエ変換面
FI2が形成される。またレンズL4の後側焦点面には、物
体面obと共約な像面IM2が形成される。レンズL1、L2も
2重回折光学系を構成し、対物レンズL1は物体面obより
焦点距離f1 の約1倍の距離に位置し、同レンズL1の後
側焦点面にはフーリエ変換面FI1 が形成される。レンズ
L2の後側焦点面にも、物体面obと共役な像面IM1が形成
される。
【0060】物体面obには、マスクRの被検査面であ
る、回路パターン描画面PAが位置するようにマスクステ
ージRST によりマスクRが保持されている。照明光IL
は、対物レンズL3、L1の視野内を照明する。マスクRの
パターンによる描画面PAが、全面的均一な、反射性の回
路パターン描画材料により覆われているとき、照明光IL
は、物対面ob上で反射され、もとの光路をさかのぼり、
フーリエ変換面FI2上で照明光ILのフーリエ変換パター
ンを形成する。物対面上での照明光ILの光波の振幅分布
をf0 (x、y)、これのフーリエ変換パターンをF0
(u、v)で表わすと、フーリエ変換パターンF0
(u、v)は、ミラーMにより総て、レンズL3 の方向
に反射される。すなわち、ミラーMは図1の検査装置の
0次光遮断空間フィルタS2の役割りをはたす。フーリ
エ変換面上の領域Ff2 を光線が透過し、レンズL4にいた
る。マスクRのパターン描画面PAに回路パターンがない
とき、照明光ILの光波の振幅分布をf0 (x、y)とす
ると、フーリエ変換パターンはFI1 上に形成され、F0
(u、v)となる。
【0061】フーリエ変換面FI1 上には、0次光遮光フ
ィルタS1が設置されている。フィルタS1はF0 (u、
v)を遮断し他の空間周波数領域Ff1 内の光線を透過さ
せる。空間周波数領域Ff1 とFf2 は同じ周波数領域の光
線を透過させるように設計する。例えば空間周波数領域
Ff1 、Ff2 内で最大の空間周波数に相当する光線13、1
4、15、16などはいずれも光軸AXに対して同じ角度をな
す。
【0062】回路部分の反射率をαとして反射率分布を
αf1 (x、y)、透過率をβとし、透過率分布をβf
2 (x、y)とすると、(1)式〜(16)式が成り立ち、像
面IM1、IM2には振幅の大きさの異なる同じ像が形成され
る。従って光電変換素子ID1 、ID2の出力IDD1、
IDD2は(17)、(18)式により示され、アンプのゲイン
k、lを(19)式のように定め、第3の出力IDD3を(2
1)式により生成し、これを適当な2値化回路( ウインド
コンパレータ) で2値化することでマスク欠陥信号を検
出できる。
【0063】第6実施例で、光電変換素子は1次元のリ
ニアセンサーであり、スキャナーミラーやAOD による光
走査は不要である。また光電変換素子は2次元のエリア
センサーでもよい。コンピュータCOM の検査動作の制御
は他の実施例と同じである。尚、前述の第1〜第6の実
施例では光電変換素子ID1、ID2からの出力を調整す
るのに、2 つの出力を増幅するアンプのゲインを調整す
ることとしたが、減衰特性の異なる複数のNDフィルタ
ー等を、光電変換素子ID1、ID2の前( マスク側) に
光路から出し入れ可能に設けて、2 つの出力を調整する
ようにしてもよい。
【0064】また本発明は、レーザスキャン式のフォト
マスク用のマスク欠陥検査装置のすべてに応用可能であ
り、入射が斜入射の照明系であれば、受光器の配置によ
り、空間フィルターのような回路パターンのエッジから
の散乱、回折光の遮光効果と同等の効果を等価的に構成
できる。また、前述の第1〜第6の実施例の入射系を、
マスクRの法線に対して斜めから照明光ILを入射させる
斜入射系としてもよく、また、受光系の光軸をマスクR
の法線に対して傾けて配置してもよい。さらに、入射系
と受光系との両方をマスクRに対して傾けるようにして
もよい。また、図6に示す装置構成において、フーリエ
変換面に配置する光電変換素子の配置を、特開平4-1220
42号公報、特開平5-165196号公報、特開平6-43111 号公
報あるいは特開平6-94633 号公報に開示されているよう
に、両端に位置する光電変換素子の内側の空間的角度(
フーリエ変換面上での光電変換素子の内側の間隔) を0
次光の角度(2θ0:フーリエ変換面上での0 次光の大きさ
に相当する) とほぼ等しくしてもい。これにより、複数
の光電変換素子の少なくとも1 つには回路パターンから
の回折光が入射しなくなり、マスク欠陥の検出精度が向
上する。
【0065】次に上記第1から第6実施例において用い
た検査方法の原理について説明する。図10はマスク上
をパターン側から照明した際の光波の強度分布である。
回路パターンのある部分のみ入射光強度の30% の光強度
となる。これは回路パターンが2層クロムの場合であ
る。図11はレチクル上を照明して透過した光波の強度
分布である。レチクルのパターンなしの強度透過率は96
% であるのでこのような光強度分布となる。図10、図
11で縦軸は強度を表し、横軸は位置を表す。図10の
光強度分布は振幅反射率αと、図12に示されるように
パターン有りの部分で1 となる関数 f1(x)を用いると|
α・f1(x) |2 で示される。図11の光強度分布も同様
幅透過率βと、図13に示すような関数 f2(x)= 1- f
1(x)を用いると|β・f|2 で示 される。図12及び1
3で縦軸は振幅を表し、横軸は位置を表す。
【0066】ところで、f1(x) はベクトル表示すれば図
14に示すように、図15に示すf1の交流成分f1ac(x)
と図16に示すf1(x) の直流成分f1dc(x) との和である
交流成分f1ac(x) はx 軸を境界とした図の斜線を付し
た領域と点によるハッチングを付した領域との2 つの領
域の面積が等しい関数である。このときh1は自動的に決
まる。
【0067】同様にf2(x) をベクトル表示すると、図1
7のようになり、これは図18に示す交流成分f2ac (x)
と図19に示す直流成分f2dc(x) との和である。交流成
分f2はx 軸を境界とした図の斜線を付した領域と点によ
るハッチングを付した領域との2 つの領域の面積が等し
い関数である。このときh1は自動的に決まる。図18よ
り明らかなように、f1ac(x) = - f2ac (x)である。従っ
て、これらの強度を考えると |f1ac(x) |2 = |f2ac(x) |2 (32) となり、交流成分f1ac(x) の強度と交流成分f2ac(x) の
強度とは完全に一致する。このように、交流成分を物体
より得ることは、実施例の例えば、図9に示すような2
重回折光学系と空間フィルタを用いて、0 次回折光のみ
を除去すればよい。
【0068】図9の光学系によって得られる透過画像出
力IDD1と反射画像出力IDD2との2つの画像出力を
考える。図20は図10をレチクルのガラス部分の強度
反射率4%も考慮して描いた図である。縦軸は強度を表
し、横軸は位置を表す。またこのように2 つの強度分布
(反射率30% と反射率4%の強度分布) を示すケースとし
ては、ハーフトーンレチクルの強度反射率分布もしくは
透過光による強度透過率分布なども相当する。
【0069】図21は図20のような2 つの強度分布を
なす物体を振幅に比例した関数f1(x) g1(x) でベクトル
表示したものである。ここで、関数f1(x) はパターン有
りき強度1 を持ち、関数g1(x) は(4%/30%)1/2 の強度を
ガラス部分で持つものとする。関数f1(x) と関数g1(x)
との間に位相差φ1 がある。これら2 つの関数の合成関
数f10(x)は次の(33) 式で示される。
【0070】 f10(x) = f1(x) + g1(x) (33) 図22はf10(x)を書き直したもので次の(34) 式の関係
がある。 f10(x) = f1(x) + g1(x) = f11(x) + g11(x) = m' ・f1(x) + g11(x) (34) (34) 式より係数m'は位置x によらない定数であり、f10
(x)はf1(x) に係数けて、直流成分g11(x)を付加したも
のであることがわかる。
【0071】f11(x)の交流成分f11ac(x)は図23のよう
にf1(x) とゲインだけの違いf10(x)の交流成分f10ac(x)
と一致する。f10(x)の直流成分f10dc(x)は図24のよう
に位相差φ3 を有する2 つの直分f11dc(x),g11(x) の合
成関数となる。直流成分f10dc(x)は図25に示されて。
従って、2 つの強度値もしくは2 つの振幅値をもつ関数
も交流成分はf1(x) 同様に扱える。
【0072】本発明は例えば、上述の実施例中の図9に
示されるように、レチクルの上と下に各々透過用と反射
用の2 組の2 重回折格子を配し、これら各々のフーリエ
変換面に0 次回折光を除去するフィルターを配してい
る。2 つのセンサID1 、ID2には各々透過光の交流
成分と、反射光の交流成分の像が得られる。これらの像
はいわゆる暗視野像もしくはシュリーレン像に相当す
る。回路パターンとしてCrパターンを考える。回路パタ
ーンがライン部分5 μm,スペース部分5 μm の1 次元の
繰り返しパターンで入射光が488nm のコヒーレント照明
( 対物レンズのNA=1) であるとき、反射像に対応する信
号IDD2は、図26(a)のようになり、透過像に対
応する信号IDD1は図26(b)のようになる。これ
らの像は[ α・f10ac(x]2,[β・f2ac(x)]2 に対応する
像であるが、対物レンズのNA及び波長の限り有限 の空
間周波数(0〜1/488 Cycle/ μm)の正弦波によって形成
されるため変調が見られる。 1次元の場合の計算である
ので対物レンズのNA, 波長λよりこれらの像は、* をコ
ンボューションを表すとして、
【0073】
【数3】
【0074】で得られる。2次元の場合はv(x)は(36) 式
とは異なるが、いずれにしても反射像、透過像に及ぼす
変調は同じである。f10ac(x) = m' ・f1(x) であるの
で、k( α・m')2 = Lβ2 とし、2 つの差画像を作る
と、図26(c)のようになるのように完全に零にな
る。図26(a)、図26(b)、図26(c)の縦軸
は強度を表し、横軸は位置をあらわす。尚、後述する実
施例では説明を簡単にするため、f10ac(x) = f1(x)とし
て、ガラスの反射を考慮しないで説明している。
【0075】図27(a)は強度反射率20% 、強度透過
率80% で大きさが0.6 μm の染みの場合の反射像、図2
7(b)は透過像、図27(c)はこれらにk 、l を乗
じて差をとった差画像である。縦軸は強度を表し、横軸
は位置を表す。物体の強度分布は(36) 式の点像の振幅
分布のコンボリューションにより尖った形状となる。ま
た、図27(a)と図27(b)とは、全く同一の像と
なる。これはクロム等の金属と違い物体( 染み) が誘電
体の場合、強度透過率+強度反射率=100% と、エネルギ
ー保存が成り立つためである。クロムは吸収のため強度
透過率+強度反射率≒ 30%である。
【0076】図28(a)、(b)、(c)は、大きさ
が0.6 μm で10% の強度反射率、90% の強度透過率の染
みの場合の反射像、透過像を示すものであり、図28
(a)、(b)は各々反射像、透過像を示す。また、先
のk 、l を乗じた差画像は図28(c)のようになる。
縦軸は強度を表し、横軸は位置を表す。以上のように本
発明では、ゲインk 、l を適切に決定すれば、反射と透
過の差画像において回路パターンの像をレンズの回折の
影響を受けずに完全に除去し、マスク欠陥の像のみを残
すことができる可能となり、マスク欠陥の像を閾値THH
と閾値THL との少なくとも一方と比較することにより、
マスク欠陥を検出できる。実際のマスク欠陥検出には、
図26(c)、図27(c)、図28(c)に示すよう
に、2 つのウインドコンパレータ(2つの閾値)THH、THL
を十分にグランドレベル( 零) に近づけることが可能
で、より微細なマスク欠陥の検出が可能となる。
【0077】また、金属のように光の吸収がある物質で
あっても、反射像、透過像の強度比が回路パターンのそ
れと少しでも異なれば、原理的には検出し得る。次にフ
ーリエ変換面に光電変換素子の受光面を配置する場合を
考える。フーリエ変換は次の(38) 式で示される。
【0078】
【数4】
【0079】より対物レンズのフーリエ変換面には FT - {f10ac(x)*v(x) } = m'F1ac(u)・V(u) (43) FT - {f2ac(x) *v(x) } = - F1ac(u)・V(u) (44) (43),(44)式より係数m'を除いて同じスペクトル( 回折
像) が透過光を受光する対物レンズ、反射光を受光する
対物レンズの各々のフーリエ変換面に観察される。従っ
て透過、反射で対応する空間周波数領域( フーリエ回折
像) を光電変換しても回路パターンの結像面に配置され
たイメージセンサで透過、反射光を受光する場合と同等
の結果( 作用) が得られる。
【0080】今までは照明領域の十分に大きい平面波に
よる均一振幅分布の照明、所謂コヒーレント照明につい
て説明した。次に照明光が開口角を有するビームスポッ
ト状に集光されてレチクルに入射する場合の照明光の振
幅分布について説明する。図29(a)、(b)におい
て、図29(a)は振幅反射率分布αf1(x) と照明光の
振幅分布f0を示している。図29(b)は振幅透過率分
布βf2(x) と照明光の振幅分布f0(x示している。f0(x)
は(45)式で示され、f0(x)のフーリエ変換をF0(u) とす
ると
【0081】
【数5】
【0082】交流成分に関しては
【0083】
【数6】
【0084】(46) 式,(47) 式や図29(c)、(d)
より明らかなように、0 次回折光のスペクトは幅±u0
有するが、根本的には平面波の照明のときと同じであ
る。つまり、間周波数成分( フーリエ回折像成分) とし
て2 つの交流成分F'1 ac(u)=-F'2ac) の関係が成り立
つ。また、これらの2 つの関数F'1ac(u)と-F'2(u) を再
度フーリエ変換しても同じ振幅像が得られる。これらを
(51)、(52)式に示す。
【0085】 FT - [F'1ac(u)] = f'1ac(x)= f0(x)×f1ac(x) (51) FT - [F'2ac(u)] = f'2ac(x)= f0(x)×f2ac(x) = -f0(x) ×f1ac(x) (52) 以上のように本発明では、反射照明法と透過照明法によ
って得られる光線からマスク内で既存の反射率、透過率
の分布を有する回路パターンによる光線の成分による情
報のみを除去することで、ランダムな反射率、透過率を
もつマスク欠陥から発生する光線の情報のみを抽出でき
るように受光光学系の集光する空間周波数領域( フーリ
エ変換面上を通過できる光束の角度範囲) を決定した。
従来の明視野法に相当する検査装置に対し、本発明は暗
視野法もしくはシュリーレン法に相当する。本発明では
バビネの原理と0 次光カットの手法( 例えば空間フィル
タ) を応用することで透過方向に進行する光波と反射方
向に進行する光波の強度比をどのような回路デザインで
もマスク欠陥がない場合には一定になるようにした。従
って疑似欠陥の発生が原理的になく、容易にマスク欠陥
を検出できる。
【0086】すなわち、反射光を受光する光学系が回路
パターンを有するマスクからの反射光の0次回折光成分
を遮光する空間フィルタを有し、透過光を受光する光学
系が過光の0次回折光成分を遮光する空間フィルタを有
している。このため、回路パターンを有するマスクから
の反射光の強度と透過光の強度との差もしくは比が回路
パターンの形状、種類等に依存することなく、一定とな
る。すなわち、マスク欠陥が付着していない回路パター
ンで反射され、前述の空間フィルタを通過した反射光
と、マスク欠陥が付着していないマスクのガラス部分を
透過し、前述の空間フィルタを通過した透過光との差も
しくは比は一定となる。これに対してマスク欠陥からの
反射光と、マスク欠陥とマスクのガラス部分を透過した
透過光の差もしくは比は一定ではない。
【0087】実際のマスク欠陥の検査の際には、各々の
空間フィルタを通過した反射光、透過光を各々のディテ
クタで受光し、ディテクタからの信号を受け取った信号
処理系が反射光の強度と透過光の強度との差もしくは比
を算出し、さらに信号処理系がこの差と所定の閾値(2つ
のウインドコンパレータレベル) とを比較することでマ
スク欠陥と回路パターンとを弁別する。
【0088】以上のような構成、原理により低段差のマ
スク欠陥や半透明のマスク欠陥を検出することができ
る。また、反射光の強度と透過光の強度との利得を電気
的、または光学的に調整できるようにしたので、ディテ
クタに入射する反射光の強度と透過光の強度とをほぼ等
しくすることができ、反射光の強度と透過光の強度の差
をほぼ零とすることができる。このため、SN比(マス
ク欠陥からの散乱光の強度と回路パターンからの散乱光
の強度の比)が向上する。
【0089】次に本発明の第7の実施例について、図3
0を用いて説明する。光源111 は水銀ランプであって射
出する光線は干渉フィルター112 を透過して光線r0、
となる。光線r0はレンズ113 によって屈折され、紙面
に垂直な偏波面の直線偏光を透過させるアナライザ137
を経て紙面に垂直な偏波面の直線偏光r1となる。光線
r1は輪帯絞り114 を通過しリレーレンズ115 、116 を
経て輪帯反射ミラー117 によって対物レンズ118 に向け
て反射される。光線r1は対物レンズ118 によって屈折
され、レチクル108 上の回路描画面109 上を落射暗視野
照明方法にて照明する。
【0090】光源101 は水銀ランプであって射出する光
線は干渉フィルター102 を透過して光線t0となる。光
線t0はレンズ103 によって屈折され、紙面に平行な偏
波面の直線偏光を透過させるアナライザ136 を経て紙面
に垂直な偏波面の直線偏光t1となる。光線t1は輪帯
絞り104 を通過しリレーレンズ105 、106 を経て輪帯反
射ミラー107 によって対物レンズ110 に向けて反射され
る。光線t1は対物レンズ110 によって屈折され、レチ
クル108 上の回路描画面109 上を透過暗視野照明方法に
て照明する。
【0091】対物レンズ118 の光軸AX1上に設けられ
たピンホール139 はレチクル108 の回路描画面109 と共
役であり、ピンホール139 の像は、レンズ138 、1次元
偏向手段121 、対物レンズ118 によってレチクル108 の
回路描画面109 に投影される。投影されるピンホール
139 の像は1次元偏向手段121 によって対物レンズ118
の視野内のX方向に平行な直線上の任意の点に位置させ
ることができる。つまりピンホール139 の像は点状の視
野と考えられ、本光学系は点状の視野による1次元の視
野走査を可能とする。
【0092】光線r1と光線t1によって照明される対
物レンズ118 の視野内であって回路描画面109 内の一つ
の物点から発生する散乱光r2、t2は一次元走査手段
121によって偏向され、レンズ138 、ピンホール139 、
レンズ140 を経て、偏光ビームスプリッタ122 に至る。
一次元走査手段121 は対物レンズ118 の視野内の複数の
物点のうちから、特定の一つの物点の位置を選択し、こ
の物点から発生する散乱光r2、t2を偏向し、偏光ビ
ームスプリッタ122 に導く。
【0093】ピンホール139 と共役な点状の視野から発
生する散乱光であって紙面に垂直な偏波面の直線偏光r
2は偏光ビームスプリッタ122 によって反射され、レン
ズ125 によって屈折され光電変換素子126 に入射し光電
変換される。ピンホール139 と共役な点状の視野から発
生する散乱光であって紙面に平行な偏波面の直線偏光t
2は偏光ビームスプリッタ122 を透過して、レンズ123
によって屈折され光電変換素子124 に入射し光電変換さ
れる。
【0094】減衰器127 はコンピュータ131 の指令によ
り差動増幅器128 に入力される二つの映像信号の信号強
度比を調整する。光電変換素子126 、光電変換素子124
によって出力される映像信号Sr、映像信号Stは減衰
器127 によって、レチクル108 の回路描画面109 内に欠
陥がないときに、差動増幅器128 の出力がゼロとなるよ
うな信号強度比の二つの信号( Sr' 、St')に設定さ
れ差動増幅器128 に入力される。
【0095】差動増幅器128 は入力信号Sr' と入力信
号St’の差に比例した誤差信号を出力する。差動増幅
器128 の出力である誤差信号は信号処理回路129 に入力
される。信号処理回路129 はプラス側とマイナス側の二
つのスライスレベルを有する2値化回路であるウインド
ウコンパレータ回路を有する。信号処理回路129 は誤差
信号の強度値、欠陥の有無を示す2値化回路の出力など
を、同期装置130 に出力する。
【0096】信号処理回路129 のウインドウコンパレー
タ回路のプラス側とマイナス側の二つのスライスレベル
は光学的なノイズ、電気的なノイズによって疑似欠陥を
生じないレベルに設定する。なおスライスレベルはイン
ターフェース132 、コンピュータ131 を介して外部より
設定可能である。同期装置130 は検査実行中の一次元走
査手段121 とX-Yステージ137 の同期制御を行う。一
次元走査手段121 はアクチュエータ135 を介して駆動さ
れる。X-Yステージ137 はアクチュエータ134 を介し
て駆動される。
【0097】一次元走査手段121 によるX方向の一回の
視野走査により対物レンズ118 の視野の大きさで長さが
制限されるX方向が長手方向の線分状の領域、走査線上
を検査可能である。一次元走査手段121 によるX方向の
視野走査を繰り返しながら、X-Yステージ137 でレチ
クル108 をY方向に適当な速度で等速で移動させると、
X方向の走査線の長さと、Y方向へのレチクルの移動距
離で決定する大きさの方形の領域内に、複数の線分状の
領域(走査線)を適当な重なりを保ちながら一定の間隔
で回路描画面上に敷き詰めることになり、この方形の領
域内の全面の検査が可能である。
【0098】同期装置130 は信号処理回路129 から送ら
れる誤差信号の強度値、欠陥の有無を示す2値化回路の
出力などの情報に、欠陥の存在位置を示す情報(XY座
標)を加えてコンピュータ131 に送る。コンピュータ13
1 は欠陥のレチクル内の位置と欠陥位置での誤差信号の
強度を示す、マップを生成し、表示部133 に表示する。
【0099】コンピュータ131 は減衰器127 のゲインの
セットアップが自動で可能である。このセットアップに
は無欠陥のレチクルや欠陥ありのレチクルの無欠陥部分
が用いられる。また減衰器のゲインはレチクルの品種、
例えばクロム・パターンのレチクル、ハーフトーン・パ
ターンのレチクルなどに応じて最適値が異なる。レチク
ルの品種ごとの最適ゲイン値を一度、測定して、これを
コンピュータ131 内のメモリーに記憶させておけば、次
からの検査ではメモリー内のデータを用いて簡単にセッ
トアップ可能である。
【0100】外部のオペレータは、インターフェース13
2 を介して、コンピュータ131 に対し、被検査レチクル
の種類(例えばクロム・パターンのレチクル、ハーフト
ーン・パターンのレチクルなど)、検査モード、検査感
度、検査領域、装置の初期設定の実行、検査の実行など
を入力する。本実施例では照明光の0次スペクトル成分
(正反射光と、直進する透過光)は光電変換される光線
t2、r2とは別の方向に進行し、光電変換されないた
め、対物レンズの瞳共役位置に空間フィルターを設ける
必要が無いことは言うまでもない。
【0101】図31は本発明の第8実施例による検査装
置を示す図である。光源1 はレーザーを射出する光源で
あり、光源1 から射出された光線はビームエクスパンダ
ー202 によって、拡大された平行光線となり、振動ミラ
ー203 で反射され走査レンズ204 で集光され、レチクル
R 上を斜入射で照明する。振動ミラー203 は一次元走査
手段SC、ドライバSCAによって駆動されることによって
光線を偏向し、レチクル上のX方向に平行な走査線LC
R上を光走査可能である。走査線LCR上の各点から発
生する散乱光は4つの対物レンズL101 、L201 、LL
1、LL2により集光され、これらの瞳共役面(PP plan
e1、PP plane2 、PPplane1L、PP plane2L) 上に光検
知面を位置させた16個の光電変換素子d1、d2、d
3、d4、d5、d6、d7、d8、dL1、dL2、
dL3、dL4、dL5、dL6、dL7、dL8によ
り光電変換され、16個の出力信号D1、D2、D3、
D4、D5、D6、D7、D8、DL1、DL2、DL
3、DL4、DL5、DL6、DL7、DL8が信号処
理回路(図32参照)に入力される。
【0102】4つの対物レンズL101 、L201 、LL
1、LL2の設置される光軸AX101、AX201 、AX
1L、AX2Lは照明光線がレチクルR に反射されて生
じる正反射光線と、レチクルR によって回折、散乱され
ずに透過して直進する透過光束が4つの対物レンズのい
ずれにも入射しない位置に設けられている。レチクルR
はレチクルステージRST 上に載置されており、レチクル
ステージRSTはレチクルスライダー205 によってY方向
に移動可能される。同期装置TIM(図35参照)は検査実行
中の一次元走査手段SCとYステージreticle sliderの同
期制御を行う。一次元走査手段SCはアクチュエータSCA
を介して駆動される。レチクルステージRST はアクチュ
エータACTを介して駆動される。
【0103】一次元走査手段SCによるX方向の一回の視
野走査により走査レンズ204 の画角の大きさで長さが制
限されるX方向が長手方向の線分状の領域、走査線LC
R上を照明できこの領域の検査が可能である。一次元走
査手段SCによるX方向の光走査を繰り返しながら、レチ
クルスライダー205 でレチクルR をY方向に適当な速度
で等速で移動させると、X方向の走査線LCRの長さと、
Y方向へのレチクルの移動距離で決定する大きさの方形
の領域内に、複数の線分状の領域(走査線LCR)を適当
な重なりを保ちながら一定の間隔で回路描画面patterne
d surface上に敷き詰めることになり、この方形の領域
内の全面の検査が可能である。
【0104】図32は本実施例の制御系の構成図であ
る。16個の出力信号D1、D2、D3 、D4、D
5、D6、D7、D8、DL1、DL2、DL3、DL
4、DL5、DL6、DL7、DL8が信号処理回路S
Pに入力される。信号処理回路SPは入力信号から所定
の演算を行いその結果として欠陥ありの真偽を示す信号
detと 欠陥部分での信号強度を示す欠陥信号強度ss out
を出力する。これらは同期回路TIMに入力される。
【0105】同期回路TIMは一次元走査手段のアクチ
ュエータSCAとレチクルスライダー205 のアクチュエー
タACTと通信し、これらの動作を制御する。すなわち、
同期回路TIMはコンピュータCOMからの指令に基づ
き、所定の領域内の光走査を行い、この領域内の欠陥検
査を行う。同期回路TIMは信号処理回路SPから送ら
れる欠陥ありの真偽を示す信号detに基ずき、欠陥部分
での信号強度を示す欠陥信号強度ss outの情報に、欠陥
の存在位置を示す情報(XY座標)を加えてコンピュー
タCOM に送る。
【0106】コンピュータCOMは欠陥のレチクル内の位
置と欠陥位置での欠陥信号強度ss outを示す、マップを
生成し、表示部DISに表示する。コンピュータCOMは信号
処理回路SPと通信し、信号処理回路SP内のゲインの
セットアップが自動で可能である。このセットアップに
は無欠陥のレチクルや欠陥ありのレチクルの無欠陥部分
が用いられる。また信号処理回路SP内のゲインはレチ
クルの品種、例えばクロム・パターンのレチクル、ハー
フトーン・パターンのレチクルなどに応じて最適値が異
なる。レチクルの品種ごとの最適ゲイン値を一度、測定
して、これをコンピュータCOM内のメモリーに記憶させ
ておけば、次からの検査ではメモリー内のデータを用い
て簡単にセットアップ可能である。
【0107】外部のオペレータは、インターフェースIF
を介して、コンピュータCOMに対し、被検査レチクルの
種類(クロム・パターンのレチクル、ハーフトーン・パ
ターンのレチクルなど)、検査感度、検査領域、装置の
初期設定の実行、検査の実行などを入力する。図33は
本実施例の信号処理回路SPの第1の例である。8つの光
電変換信号のペア(D1、DL1)、(D2、DL
2)、(D3、DL3)、(D4、DL4)、(D5、
DL5)、(D6、DL6)、(D7、DL7)、(D
8、DL8)は各々、減衰器K1, K2, K3, K4, K5, K6,
K7, K8,に入力され、コンピュータCOMの指令により、
所定の信号強度比に調整される。減衰器K1, K2, K3, K
4, K5,K6, K7, K8 の減衰率は減衰率設定器K0を介して
コンピュータCOM により任意に設定できる。減衰器K1,
K2, K3, K4, K5, K6, K7, K8の出力は差動増幅器Sa1,S
a2, Sa3, Sa4, Sa5, Sa6, Sa7, Sa8に入力され、これら
の差動増幅器は入力信号の差に比例した信号である、差
動出力を出力する。
【0108】これらの差動出力は対応するコンパレータ
C1, C2, C3, C4, C5, C6, C7, C8によって、基準レベル
発生器Vrefの基準レベルと比較されて真偽を示す二値化
信号となりアンド回路Aに入力される。8つのコンパレ
ータは差動増幅器の差動出力が基準レベル発生器Vrefの
基準レベルを越えたときに真値(ハイレベル)を出力
し、それ以外は偽値(ロウレベル)を出力する。アンド
回路Aは、8つすべての入力が真値のときのみに真値を
出力し、それ意外は偽値を出力する。
【0109】基準レベル発生器Vrefの基準レベルはコン
ピュータCOMの指令により、任意のレベルに設定可能
で、このレベルを変更することで、欠陥の検出感度を変
化させ得る。一方、8つの差動出力は信号選択器Ssにも
入力される。信号選択器Ssは入力される信号のうち最小
値、最大値、平均値などの値から前もってオペレータに
よりコンピュータCOM を介して選択された値を出力信号
ss out として出力する。通常は最小値の出力で十分で
ある。なぜならば最小値は最もバックグラウンドノイズ
が少なくなり、忠実に欠陥からの散乱光の強度を反映す
るからである。これらの信号は入力信号の強度変化に十
分な速度でもって更新され実時間の値を出力する。
【0110】図34は本実施例の信号処理回路SP の第
2の例である。8つの光電変換信号の ペア(D1、D
L1)、(D2、DL2)、(D3、DL3)、(D
4、DL4)、(D5、DL5)、(D6、DL6)、
(D7、DL7)、(D8、DL8)は各々、減衰器K
1, K2, K3, K4, K5, K6, K7, K8,に入力され、コンピ
ュータCOM の指令により、所定の信号強度比に調整さ
れ、差動増幅器へ入力される。
【0111】減衰器K1, K2, K3, K4, K5, K6, K7, K8
の出力は、差動増幅器Sa1, Sa2, Sa3, Sa4, Sa5, Sa6,
Sa7, Sa8に入力され、これらの差動増幅器は入力信号
の差に比例した信号である、差動出力を出力する。信号
選択器Ssに入力され、信号選択器Ssは入力される信号の
うちの最小値を出力信号ss out として出力する。出力
信号ss out は入力信号の強度変化に十分な速度でもっ
て更新され実時間の値を 出力する。
【0112】出力信号ss out はコンパレータC1によっ
て、基準レベル発生器Vrefの基準レベルと比較されて真
偽を示す二値化信号となり、真偽信号detとして出力さ
れる。コンパレータC1は出力信号ss out が基準レベル
発生器Vrefの基準レベルを越えたときに真値(ハイレベ
ル)を出力し、それ以外は偽値(ロウレベル)を出力す
る。
【0113】基準レベル発生器Vrefの基準レベルはコン
ピュータCOMの指令により、任意のレベルに設定可能
で、このレベルを変更することで、欠陥の検出感度を変
化させ得る。一方、出力信号ss out は同期回路TIMにも
出力される。図35は本実施例の信号処理回路SPの第3
の例である。8つの光電変換信号のペア(D1、DL
1)、(D2、DL2)、(D3、DL3)、(D4、
DL4)、(D5、DL5)、(D6、DL6)、(D
7、DL7)、(D8、DL8)は各々、減衰器K1, K
2, K3, K4, K5, K6, K7, K8,に入力され、コンピュー
タCOM の指令により、所定の信号強度比に調整される。
【0114】減衰器K1, K2, K3, K4, K5, K6, K7, K8
の出力は差動増幅器Sa1, Sa2, Sa3,Sa4, Sa5, Sa6, Sa
7, Sa8入力され、これらの差動増幅器は入力信号の差
に比例した信号である、差動出力を出力する。これらの
差動出力は対応するコンパレータC1, C2, C3, C4, C5,
C6, C7, C8によって、基準レベル発生器Vrefの基準レベ
ルと比較されて真偽を示す二値化信号となり,コンパレ
ータC1, C2, C3, C4の出力はアンド回路A1に入力され
る。コンパレータ C5, C6, C7, C8の出力はアンド回路
A2に入力される。アンド回路A1、アンド回路A2の
出力はオア回路Oに入力される。オア回路Oは欠陥の有
無を示す出力信号detを出力する。
【0115】8つのコンパレータは差動増幅器の差動出
力が基準レベル発生器Vrefの基準レベルを越えたときに
真値(ハイレベル)を出力し、それ以外は偽値(ロウレ
ベル)を出力する。アンド回路A1、A2は、4つすべ
ての入力が真値のときのみに真値を出力し、それ意外は
偽値を出力する。オア回路Oは二つの入力のどちらか一
方でも真値であれば真値を出力する。このような論理と
する目的は、検出する欠陥の形状によっては散乱指向性
に著しい偏りが生じる場合にも、多方向に配置された対
物レンズを含む複数の受光手段のうち、散乱光の受光強
度の大きい受光手段が一つでもあればこれを欠陥と見做
すことにより、あらゆる形状の欠陥を検出可能とするた
めである。
【0116】基準レベル発生器Vrefの基準レベルはコン
ピュータCOM の指令により、任意のレベルに設定可能
で、このレベルを変更することで、欠陥の検出感度を変
化させ得る。一方、4つの差動増幅器Sa1, Sa2, Sa3, S
a4,の差動出力は信号選択器Ss1にも入力される。4つ
の差動増幅器Sa5, Sa6, Sa7, Sa8の差動出力は信号選択
器Ss2にも入力される。これらの信号選択器Ss1、Ss2
は入力される信号のうち最小値、最大値、平均値などの
値から前もってオペレータによりコンピュータCOM を介
して選択された値を出力する。
【0117】これらの信号選択器Ss1、Ss2の出力する
信号は、通常は最小値の出力で十分である。なぜならば
最小値は最もバックグラウンドノイズが少なくなり、忠
実に欠陥からの散乱光の強度を反映するからである。こ
れらの信号は入力信号の強度変化に十分な速度でもって
更新され実時間の値を出力する。信号選択器Ss3は入力
される信号のうち最小値、最大値、平均値などの値から
前もってオペレータによりコンピュータCOM を介して選
択された値を出力信号ssout として出力する。
【0118】信号選択器Ss3の出力する信号は、通常は
最大値の出力で十分である。なぜならば検出する欠陥の
形状によっては散乱指向性に著しい偏りが生じるので、
多方向に配置された対物レンズを含む受光手段のうち、
散乱光の受光強度の大きい信号を優先させた方が、忠実
に欠陥からの散乱光の強度を反映するからである。これ
らの信号は入力信号の強度変化に十分な速度でもって更
新され実時間の値を出力信号ss out として出力する。
【0119】図36は、本実施例の信号処理回路SPの第
4 の例である。8つの光電変換信号のペア(D1、DL
1)、(D2、DL2)、(D3、DL3)、(D4、
DL4)、(D5、DL5)、(D6、DL6)、(D
7、DL7)、(D8、DL8)は各々、減衰器K1, K
2, K3, K4, K5, K6, K7, K8,に入力され、コンピュー
タCOM の指令により、所定の信号強度比に調整される。
【0120】減衰器K1, K2, K3, K4, K5, K6, K7, K8
の出力は、差動増幅器Sa1, Sa2, Sa3, Sa4, Sa5, Sa6,
Sa7, Sa8に入力され、これらの差動増幅器は入力信号の
差に比例した信号である、差動出力を出力する。差動増
幅器Sa1, Sa2, Sa3, Sa4の差動出力は信号選択器Ss1に
入力され、差動増幅器Sa5, Sa6, Sa7, Sa8の差動出力は
信号選択器Ss2に入力され、二つの信号選択器Ss1、Ss
2は各々、最小値を出力する。なぜならば最小値を出力
することで、最もバックグラウンドノイズが少なくな
り、忠実に欠陥からの散乱光の強度を反映するからであ
る。二つの信号選択器Ss1、Ss2は入力信号の強度変化
に十分な速度でもって更新され実時間の値を出力する。
【0121】二つの信号選択器Ss1、Ss2の出力は信号
選択器Ss3に入力される。信号選択器Ss3の出力する信
号は、通常は二つの信号のうちの最大値の出力で十分で
ある。なぜならば検出する欠陥の形状によっては散乱指
向性に著しい偏りが生じるので、多方向に配置された対
物レンズを含む受光手段のうち、散乱光の受光強度の大
きい信号を優先させた方が、忠実に欠陥からの散乱光の
強度を反映するからである。これらの信号は入力信号の
強度変化に十分な速度でもって更新され実時間の値を出
力信号ss out として出力する。
【0122】出力信号ss out はコンパレータC1によっ
て、基準レベル発生器Vrefの基準レベルと比較されて真
偽を示す二値化信号となり、真偽信号detとして出力さ
れる。コンパレータC1は出力信号ss out が基準レベル
発生器Vrefの基準レベルを越えたときに真値(ハイレベ
ル)を出力し、それ以外は偽値(ロウレベル)を出力す
る。
【0123】基準レベル発生器Vrefの基準レベルはコン
ピュータCOM(不図示)の指令により、任意のレベルに
設定可能で、このレベルを変更することで、欠陥の検出
感度を変化させ得る。一方、出力信号ss out は同期回
路TIMにも出力される。本実施例では照明光の0次スペ
クトル成分(正反射光と、直進する透過光)は光電変換
される光線t2、r2とは別の方向に進行し、光電変換
されないため、対物レンズの瞳共役位置に空間フィルタ
ーを設ける必要が無いことは言うまでもない。
【0124】図37は本実施例の斜視図である。図37
によれば図31の4つの瞳共役面上に配置された16個
の光電変換素子の光検知面の位置関係が容易に理解され
る。また、回路パターン面上の走査線LCR上を入射光が
光走査する様子を示している。 図38は4つの瞳共役
面上に観察可能なスペクトルがフーリエ変換面上でいか
なる関係であるかの説明図であり図37と同じ視点から
の鳥瞰図であるが説明に不要なものは省略している。
【0125】レチクルの回路パターン面はXY平面に位
置し、照明光の形成するレーザスポットよりも十分に大
きい仮想的な球体を考える。球体の赤道面は回路パター
ン面と一致している。レーザスポットの位置は球体の中
心に一致する。レーザスポットの位置から発生する散乱
光の方向は球体の半径に等しいベクトルにて表せ、ベク
トルと球面の交点を赤道面に平行な平面に正射影すると
フーリエスペクトルが得られることは公知である(たと
えば特開平5-165196号公報、特開平6-43111 号公報、特
開平6-94633 号公報)。正射影された各点の座標は通常
0次スペクトルを原点としたXY座標に平行な直交座標
で示される。
【0126】球体の大きさを1と仮定すれば、レーザス
ポットからの任意のベクトルのX、Y軸に関する方向余
弦から0次光の方向余弦を引いた値が、フーリエ変換面
上の座標となる。このときフーリエ変換面の単位は空間
周波数(cycle)となり、これを入射波長で割れば物体の
単位長さ当りの周波数(例えばcycle/micron)を示し、
直感的に分かりやすい。
【0127】レーザースポットの位置からのベクトルの
うち+Z半球側の交点を第一のフーリエ変換面FT plane1
上に正射影して示す。ベクトルのうち-Z半球側の交点を
第二のフーリエ変換面FT plane1L上に正射影して示す。
対物レンズL1、LL1のNAを同一とすれば、これら
が設置されている光軸AX101 、AX1Lの向きを示す
ベクトルr,rLは球面上の点r, rLで示され、二つのフー
リエ変換面上では、点r1, rL1となる。これらの座標の
値が、二つの直行座標系、U-V座標、UL-VL座標に
おいて一致するように光軸AX101 、AX1Lを定め
る。つまりベクトルr,rLの赤道面equatorical plane上
の正射影が一致するように配置する。これで透過方向、
反射方向に同時に発生する散乱光の空間スペクトルを対
象な範囲で受光することができる。
【0128】対物レンズL201 、LL2に関しても同様
であって、NAを同一とすれば、これらが設置されてい
る光軸AX201 、AX2Lの向きを示すベクトルs,sLは
球面上の点s, sLで示され、二つのフーリエ変換面上で
は、点s1, sL1となる。これらの座標の値が、二つの直
行座標系、U-V座標、UL-VL座標において一致する
ように光軸AX201 、AX2Lを定める。つまりベクト
ルs,sLの赤道面上の正射影が一致するように配置する。
このように、赤道面を挟んだ対象な位置に、光学系をい
くらでも増やすことができる。
【0129】対物レンズL101 、L201 、LL1、LL
2の瞳共役面PP plane1, PP plane2, PP plane1L, PP p
lane2Lとフーリエ変換面FT plane1, FT plane1Lの関係
を考える。ベクトルqは対物レンズL1により屈折さ
れ、瞳共役面PP plane1上の点q2となる。またこのベク
トルはフーリエ変換面FT plane1上では点q1となり、瞳
共役面PP plane1上の任意の点はフーリエ変換面FT plan
e1上一点に一対一対応をすることが分かる。したがっ
て、フーリエ変換面FT plane1上の点r1を原点としてU-
V座標に平行な直交座標u'-v'を考えると、これは瞳共
役面PP plane1で光軸AX1との交点r2を原点としたU'-
V'座標となる。U'-V'座標は厳密には直交座標では無
く、各軸も直線ではないが、対物レンズのNAがおおむ
ね0.1以下ならば各軸は直線と考えて差し支えない。
【0130】同様にフーリエ変換面FT plane1上の点s1
を原点としてU-V座標に平行な直交座標u"-v"を考える
と、これは瞳共役面PP plane2で光軸AX1との交点s2
を原点としたU"-V"座標となる。同様にフーリエ変換面F
T plane1L上の点rL1を原点としてUL-VL座標に平行な
直交座標uL'-vL'を考えると、これは瞳共役面PP plane1
Lで光軸AX1Lとの交点rL2を原点としたUL'-VL'座標と
なる。
【0131】同様にフーリエ変換面FT plane1L上の点sL
1を原点としてUL-VL座標に平行な直交座標uL"-vL"を
考えると、これは瞳共役面PP plane2Lで光軸AX2Lとの交
点sL2を原点としたUL"-VL"座標となる。また、ベクトル
qと赤道面を挟んで対象な、つまり方向余弦のY成分の
符号が反転したベクトルqLは球面と交点qLをなし、瞳共
役面PP plane1L上で点qL2、フーリエ変換面FT plane1L
上で点qL1となる。
【0132】入射光を示すベクトルp, 正反射光線を示
すベクトルt, 直進する透過光線を示すベクトルwはの赤
道面に正射影すると点p', t', w'であり、これらは二つ
のフーリエ変換面上の点p1, t1, wL1となる。点t', w'
は一致し、点 t1, wL1は0次スペクトルを示し、二つの
直交座標の原点である。図39は、光電変換素子の光検
知面が受光する光の空間周波数領域を示す鳥瞰図であ
る。本実施例では、+Z, -Z方向に、XY平面について面対
称に配置された対物レンズの、2対の組み(L1, LL1),
(L2, LL2)が存在する。これらの瞳共役面PPplane1, PP
plane2, PP plane1L, PP plane2L上に4つずつの光検知
面を有する。(例えば、瞳共役面PP plane1上には、光
検知面d1, d2, d3, d4)これらの光検知面は、対称に配
置された対物レンズの、各々、1つの組みの瞳共役面
(たとえば瞳共役面PP plane1, PP plane1L)上にXY平
面について面対称に配置され、4つの光検知面のペアを
なしている。
【0133】またこれらのペアになっている、2つの光
検知面の瞳共役面上の形状、及び配置は、光検知面が受
光、光電変換する光の、、空間周波数領域(フーリエ・
スペクトル領域)がフーリエ変換面FT plane1、FT plan
e1L上において一致するようになっいる。図38で説
明したように本鳥瞰図から、容易にこれらの空間周波数
領域(フーリエ・スペクトル領域)がフーリエ変換面FT
plane1、FT plane1L上に前記の正射 影を用いた手法に
より容易に作図でき、これらの位置、形状が合同になる
よう瞳共役面上での光検知面の形状と位置を決定すれば
良い。
【0134】たとえば光検知面d1は+Z側なのでそのフー
リエ・スペクトルはフーリエ変換面FT plane1上に観察
されるdd1である。これと合同な領域をフーリエ変換面F
T plane1L上に描くとこれはddL1であり、このフーリエ
・スペクトル領域を受光するように、対物レンズL101と
対象に配置された対物レンズLL1の瞳共役面PPplane1L上
の光検知面dL1の形状を決定する。
【0135】なお、すべての光検知面は各々のフーリエ
変換面上でU, UL方向に長手方向を有する短冊上になっ
ており、等間隔で配置されているが、このような配置方
法は2次元周期パターンのフーリエ・スペクトルをフィ
ルタリングするのに最適であり、詳細な設計方法は例え
ば特開平5-165196号公報や特開平6-94633 号公報などに
開示されている。上記実施例では一つの対物レンズに対
して複数の光電変換素子を用いているがこれは、比較的
高い強度の、回路パターンの回折光が素子に入射するこ
とで、光電変換素子が電気的に飽和してしまうと、線形
な差動出力を得られなくなるため、ダイナミックレンジ
の上限が決定される。ダイナミックレンジの下限はもち
ろん電気的、および光学的なノイズで決定するので、よ
り大きなダイナミックレンジを得ようとすれば、上限を
拡大する必要があり、このために、上記実施例では、1
つの対物レンズに対し複数の光電変換素子を用いてい
る。
【0136】またダイナミックレンジの下限はもちろ
ん、照明光線のビームスポットサイズを縮小するなどの
方法で可能であるが、照明光線のビームスポットサイズ
は検査時間などと強い関数なので安易には縮小できな
い。しかし、各々の対物レンズに1つの光電変換素子を
用いても実用的な性能の検査装置を構成できる。
【0137】図40は本発明の第9実施例であり、第8
実施例の光電変換素子の数を減らして、各々の対物レン
ズに1つの光電変換素子とした例である。図31と同様
の部材にには同様の符号を付して説明し、その詳細な説
明は省略する。対物レンズの配置は直接反射光、と直接
透過光の入射しない位置に配置され、例えば、第8実施
例のようにレチクルR のパターン描画面を挟んで面対称
な位置に設置されている。
【0138】本実施例に最適な信号処理回路を図41に
示す。同図は図35の変形例である。アンドロジックは
必要なく、オアロジックOのみで異物の有無の判定が行
われる。 つまり差動増幅器Sa1 、Sa2 のいずれかの出
力がコンピュータCOM(図32参照) から設定される基準
レベルを越えた場合に、異物ありとする。信号選択回路
Sは常に最大の信号を選択する、最大値選択回路であ
る。また、レチクル搬送系、制御系は第8実施例と同様
の図32もので良い。
【0139】図42は本発明の第10実施例であり、第9
実施例の受光光学系をシリンドリカル・レンズで構成し
た例である。図41と同様の部材には同様の符号を付し
て説明し、その詳細は省略する。図42においてシリン
ドリカルレンズのペア(SLN1, SLN1L, (SLN2, SLN2L)
は直接反射光(正反射光)、と直接透過光の入射しない
位置 に配置され、第2実施例のようにレチクルR のパ
ターン描画面を挟んで面対称な位置に設置され、図39
を用いて説明したように両者の受光する光線のフーリエ
スペクトルが一致するように設計する。これらのシリン
ドリカルレンズにより集光された光線は光ファイバアッ
センブリfh1, fh2, fh1L, fh2Lの光入射端d1, d2, d1L,
d2Lから入射し、光ファイバ部分fb1, fb2, fb1L, fb2L
によってフォトマルチプライヤなどの光電変換素子ph1,
ph2, ph1L, ph2Lによって光電変換される。信号処理回
路は第9実施例と同様で良く、またレチクル搬送系、制
御系は第8実施例と同様の図32のもので良い。図43
は、図42において+X方向から見た制御系の説明図で
ある。
【0140】前述の実施例において、入射光の1次元走
査手段(例えば振動ミラーと対物レンズ)とレチクルの
1次元走査手段(例えばレチクルステージの駆動系)に
よって、レチクル全面を検査可能とした構成は、入射光
の2次元走査によって、レチクル全面を検査可能とする
構成に置き換えてもよい。上記実施例において、検出し
た欠陥の像を、検査後に観察することは欠陥の重要性、
又は程度を具体的に把握するために望まれている。ここ
で、上記実施例の光学系は、暗視野照明による物体の2
次元の光学像を、レーザー走査とステージ移動の協調動
作によって得ることが可能である。また、レーザ走査光
学系を予め、2次元走査行えるようにしておけば、ステ
ージを移動することなく検査が可能となる。この2次元
走査は、従来知られているようなポリゴンミラー等を組
合わせることにより可能となる。そして、この時、ディ
スプレー上に差動増幅器の出力すなわち、図34に示す
Ss outの出力又はこれに比例する輝度信号を用いて欠
陥をデイスプレー上に表示させれば回路パターンが画像
化されないので、検出された異物のみを高いコントラス
トで観察でき、異物の大きさ等を容易に把握することが
できる。
【0141】また、図31に示す実施例において、パタ
ーンエッジの垂直部分からの散乱光は、光学ノイズとな
る場合があり、これを排除するため、図44〜図46に
示すように、透過光、反射光の光路に夫々、一方又は双
方に検光子An1−An4を設け,光学ノイズを除去す
るようにすることが好ましい。これは、パターンエッジ
の垂直部分からの散乱光の偏光は平端面部分(マスクに
平行な面)と異なる偏光を有しているためである。これ
により、光学ノイズを除去し、マスク上の回路パターン
像の消去を理想的なものすることが可能である。尚、図
44〜図46に示すように、マスクを挟んだ上下の検光
子の透過軸は上下で対象であることが好ましい。
【0142】また、このような検光子は、この図31、
図44〜図46に示す実施例に限定されず、他の実施例
にも適用することが好ましい。また、照射光の入射方向
であるが、図47(a)に示すように、回路パターンの
形成面側から照射すると、回路パターンエッジの垂直部
分により、回路パターンの影の部分が、ガラス部分に形
成され、透過方向に進行する光波と反射方向に進行する
光波の強度比が理想値から変化してしまうことがある。
これを解消するために、図47(b)に示すように、マ
スクの回路パターン形成面と反対側から入射させること
が好ましい。
【0143】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、低段差の異
物や半透明の異物を検出することが可能となる。また、
高度の画像処理技術に依存せずに高感度の異物検査装置
を構成できる。また、本発明は、マスク上の回路パター
ンが1つの反射率と1つの透過率の分布関数である場合
に適するので、回路描画材料としてはクロムなどの遮光
部材の他に、ハーフトーンと呼ばれる光透過性の材料で
も問題ない。すなわち本発明によれば、クロム遮光膜
による回路パターンのコンベンショナルなレチクル、光
透過性の薄膜による位相シフターのみで回路パターンが
描画されたハーフトーンレチクルに対応可能である。
【0144】またビームスポットサイズを拡大でき、検
査時間を短縮できる。また、従来の空間フィルタのみで
回路パターンからの散乱、回折光を阻止する方式に比べ
て、受光光学系の配置に自由度が増加し、たとえば0次
空間周波数スペクトル近傍にも受光光学系を設けること
ができる。したがって従来検出が困難であった0次空間
周波数スペクトル近傍にしか散乱光を発生しない異物、
例えば、平坦状の異物であって、異物の輪郭部分でなだ
らかに厚みが薄くなっていて、輪郭が明確でないような
異物の付着の有無も同時に検査の行える検査装置を提供
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に好適なマスク欠陥検査
装置の概略を示す図である。
【図2】図2(a)、(b)は、図1の装置の信号処理
系を示す図である。
【図3】図3(a)、(b)は、図1の装置で使用され
る空間フィルターS1、S2を示す図である。
【図4】図4(a),(b)は、本発明の第2の実施例
の空間フィルターを示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図6】本発明の第5の実施例に好適なマスク欠陥検査
装置の概略を示す図である。
【図7】図5の装置に用いられる光電変換素子を示す図
である。
【図8】図5の装置に用いられる信号処理系を示す図で
ある。
【図9】本発明の第6の実施例を説明する図である。
【図10】、
【図11】、
【図12】、
【図13】、
【図14】、
【図15】、
【図16】、
【図17】、
【図18】、
【図19】、
【図20】、
【図21】、
【図22】、
【図23】、
【図24】、
【図25】、
【図26】、
【図27】、
【図28】、
【図29】は、本発明に従う実施例における検査原理を
説明する図である。
【図30】本発明の第7の実施例を説明する図である。
【図31】本発明の第8の実施例を説明する図である。
【図32】図34の装置の信号処理系を示す図である。
【図33】、
【図34】、
【図35】、
【図36】は、図31の信号処理回路SPの詳細を説明
する図である。
【図37】図31の装置の斜視図である。
【図38】図31の装置で観察可能なスペクトルのフー
リエ変換面上での関係を示す図である。
【図39】図31の装置の光電変換素子の光検知面が受
光する空間周波数を説明する図である。
【図40】本発明の第9の実施例を説明する図である。
【図41】図40の信号処理系を説明する図である。
【図42】本発明の第10の実施例を説明する図であ
る。
【図43】図42の装置の制御系を説明する図である。
【図44】、
【図45】、
【図46】は、第8実施例の変形例を説明する図であ
る。
【図47】図47(a)、(b)は、光のマスクに対す
る入射方向による改善原理を説明する図である。
【図48】従来のマスクの欠陥検査装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 R マスク 4、M ミラー L1〜L9 レンズ ID1、ID2、124、125、D1〜D8、DL1〜DL8 光電変換
素子 S1、S2 空間フィルタ

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路パターンを有するマスク上の欠陥を
    光学的に検出するマスクの欠陥検査装置において、 前記マスクを検査光で照明する照明系と;前記マスクで
    反射された前記検査光を受光する第1の受光光学系と;
    前記マスクを透過した前記検査光を受光する第2の受光
    光学系と;前記第1の受光光学系内の前記回路パターン
    に対する光学的なフーリエ変換面内の前記第1の受光光
    学系の光軸を含む中心領域を通過する前記検査光を遮光
    する第1の空間フィルタと;前記第2の受光光学系内の
    前記回路パターンに対する光学的なフーリエ変換面内の
    前記第2の受光光学系の光軸を含む中心領域を通過する
    前記検査光を遮光する第2の空間フィルタと;前記第1
    の空間フィルタを通過した前記検査光を光電変換する第
    1の光電変換手段と;前記第2の空間フィルタを通過し
    た前記検査光を光電変換する第2の光電変換手段と;前
    記第1の光電変換手段からの第1出力信号の利得を調整
    し、第3出力信号として出力し、前記第2の光電変換手
    段からの第2出力信号の利得を調整し、第4出力信号と
    して出力する利得調整回路とを有し、 前記利得調整回路によって利得を調整された前記第3出
    力信号と前記第4出力信号との相対的な強度差又は強度
    比のいずれか一方に基づいて前記欠陥を検出するマスク
    の欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の受光光学系と前記第2の受光
    光学系の少なくとも一方は、前記第1出力信号と前記第
    2出力信号の相対的な利得を光学的に調整するための利
    得光学系を有し、前記信号処理系は、前記利得を調整し
    た後の前記第1出力信号と前記第2出力信号とに基づい
    て前記欠陥を検出することを特徴とする請求項1記載の
    装置。
  3. 【請求項3】 前記利得調整回路の利得設定は前記第3
    第4の出力信号の強度差がほぼゼロか又は強度比が実質
    的に1となるように利得を調整する請求項1記載の装
    置。
  4. 【請求項4】 マスク欠陥検査によって、検出された欠
    陥を観察するために画像化する際に、欠陥検査時と同じ
    光学系を用い、前記第3、第4の出力信号の強度差又は
    強度比に比例した輝度信号の画像を表示可能である、表
    示装置を備える請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の空間フィルタの少な
    くとも片方の近傍に所定の偏波面の偏光を透過させる検
    光子を設けた請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記検査光が前記マスクの回路描画側よ
    り入射するように光学配置されている請求項1記載の装
    置。
  7. 【請求項7】 前記検査光が、前記マスクの回路描画面
    と反対側より入射するように光学配置されている請求項
    1記載の装置。
  8. 【請求項8】 光透過性の平板状の基板の第1の面に回
    路パターンを有し、第1の面に対向する第2の面に回路
    パターンを有していないマスクの欠陥を検査する装置で
    あって、 マスクの検査対象となる前記第1の面内の領域である検
    査領域内を照明する照明手段と;前記マスクを含む空間
    を前記第1の面を含む平面で2分割した2つの空間内に
    別々に配置された2つの受光手段であって、前記第2の
    面を含む第2の空間に配置された第2の受光手段と、前
    記第2の面を含まない第1の空間に配置された第1の受
    光手段と;前記マスクの前記検査領域内より発生する光
    線であって前記第1の受光手段に入射する光線を光電変
    換する第1の光電変換手段と;前記マスクの前記検査領
    域内より発生する光線であって第2の受光手段に入射す
    る光線を光電変換する第2の光電変換手段と;前記第1
    の光電変換手段から出力される第1出力信号を利得調整
    し第3出力信号として出力し、前記第2の光電変換手段
    から出力される第2出力信号を利得調整し、第4出力信
    号として出力する利得調整回路を有し、 前記利得調整回路によって利得を調整された前記第3出
    力信号と前記第4出力信号との相対的な強度差又は強度
    比のいずれか一方に基づいて前記欠陥を検出するマスク
    の検査装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の受光手段と前記第2の受光手
    段は、前記検査領域内に視野を有する対物レンズを備え
    ることを特徴とする請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記対物レンズ近傍に空間フィルタを
    有することを特徴とする請求項8記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の光電変換手段及び前記第2
    の光電変換手段は、前記検査領域と共役な像面内に位置
    された撮像素子を含むことを特徴とする請求項8記載の
    装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の光電変換手段及び前記第2
    の光電変換手段は、前記対物レンズの瞳共役面近傍に配
    置されていることを特徴とする請求項8記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記第1及び第2の光電変換手段は、
    複数の独立な光電変換信号を出力する複数の光電変換面
    を有することを特徴とする請求項8記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記照明手段は、光走査機構を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記利得調整回路の利得設定は前記第
    3第4の出力信号の強度差がほぼゼロか又は強度比が実
    質的に1となるように利得を調整する請求項8記載の装
    置。
  16. 【請求項16】 マスク欠陥検査によって、検出された
    欠陥を観察するために画像化する際に、欠陥検査時と同
    じ光学系を用い、前記第3、第4の出力信号の強度差又
    は強度比に比例した輝度信号の画像を表示可能である、
    表示装置を備える請求項8記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記第1及び第2の空間フィルタの少
    なくとも片方の近傍に所定の偏波面の偏光を透過させる
    検光子を設けた請求項8記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記検査光が前記マスクの回路描画側
    より入射するように光学配置されている請求項8記載の
    装置。
  19. 【請求項19】 前記検査光が、前記マスクの回路描画
    面と反対側より入射するように光学配置されている請求
    項8記載の装置。
  20. 【請求項20】 マスクの欠陥を検査する欠陥検査装置
    において、 前記マスクの被検査面の第1領域内を落射照明する第1
    照明手段と、 前記被検査面の第1領域内を前記マスクの前記被検査面
    とは異なる面から透過照明する第2照明手段と、 前記第1の領域内の第1位置の第2領域内から発生する
    散乱光のみを集光し、第1光線とする光線選択手段と、 前記第1光線を第2光線と第3光線に分離する光線分離
    手段と、 前記第2の光線を光電変換する第1光電変換手段と、 前記第3の光線を光電変換する第2光電変換手段と、 前記第1の光電変換手段から出力される第1出力信号を
    利得調整し第3出力信号として出力し、前記第2の光電
    変換手段から出力される第2出力信号を利得調整し、第
    4出力信号として出力する利得調整回路を有し、 前記利得調整回路によって利得を調整された前記第3出
    力信号と前記第4出力信号との相対的な強度差又は強度
    比のいずれか一方に基づいて前記欠陥を検出するマスク
    の検査装置。
  21. 【請求項21】 前記被検査面には所定の回路パターン
    が描画されていることを特徴とする請求項20記載の装
    置。
  22. 【請求項22】 前記第1照明手段と前記第2照明手段
    の各々の照明光は、前記被検査面において互いに偏波面
    の直交する直線偏光であることを特徴とする請求項20
    記載の装置。
  23. 【請求項23】 前記第2領域は、前記第1領域より十
    分に小さいことを特徴とする請求項20記載の装置。
  24. 【請求項24】 前記光線分離手段は、偏光ビーム・ス
    プリッタであることを特徴とする請求項20記載の装
    置。
  25. 【請求項25】 前記光線選択手段は、対物レンズと1
    次元光偏向手段の組み合わせであることを特徴とする請
    求項20記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記光線選択手段は、対物レンズと2
    次元光偏向手段の組み合わせであることを特徴とする請
    求項20記載の装置。
  27. 【請求項27】 前記利得調整回路の利得設定は前記第
    3、第4の出力信号の強度差がほぼゼロか又は強度比が
    実質的に1となるように利得を調整する請求項20記載
    の装置。
  28. 【請求項28】 マスク欠陥検査によって、検出された
    欠陥を観察するために画像化する際に、欠陥検査時と同
    じ光学系を用い、前記第3、第4の出力信号の強度差又
    は強度比に比例した輝度信号の画像を表示可能である、
    表示装置を備える請求項20記載の装置。
  29. 【請求項29】 対向する第1面、第2面を有する板状
    の光透過性の基板であって、該第1面にパターンが描画
    され、該第2面にパターンが描画されていない基板の欠
    陥を検査する欠陥検査装置であって、 レーザー光線を射出するレーザー光源と、 前記レーザー光線を前記基板の第一面の第一領域に集光
    し、かつ照射し、該第一領域を前記基板のパターン描画
    面内において、1次元方向に連続的に移動せしめる光走
    査手段と、 前記基板の第1面を含む第1平面で分割された2つの空
    間領域の片方であって前記第2面を含まない第1空間領
    域に配置され、光電変換素子を有する第1受光手段と、 前記基板の第1面を含む第1平面で分割された、二つの
    空間領域の片方であって前記第2面を含む第2空間領域
    に配置され、光電変換素子を有する第2受光手段と、 前記第1の受光手段からの第1出力信号の利得を調整
    し、第3出力信号として出力し、前記第2の受光手段か
    らの第2出力信号の利得を調整し、第4出力信号として
    出力する利得調整回路とを有し、 前記利得調整回路によって利得を調整された前記第3出
    力信号と前記第4出力信号との相対的な強度差又は強度
    比のいずれか一方に基づいて前記欠陥を検出するマスク
    の欠陥検査装置。
  30. 【請求項30】 前記第1領域から発生し、前記第1受
    光手段により光電変換される第1光線と、前記第2受光
    手段により光電変換される第2光線は、前記第1面に対
    して面対称の関係になっていることを特徴とする請求項
    29記載の装置。
  31. 【請求項31】 前記第1受光手段と前記第2受光手段
    は各々、同じ個数の複数の光電変換素子を有することを
    特徴とする請求項29記載の装置。
  32. 【請求項32】 前記複数の第1光線の内の任意の一つ
    の光線は、前記複数の第2光線の内のいずれか一つの光
    線と、前記第1面に対して面対称の関係である、1対1
    の組となっていることを特徴とする請求項29記載の装
    置。
  33. 【請求項33】 前記利得調整回路の利得設定は前記第
    3第4の出力信号の強度差がほぼゼロか又は強度比が実
    質的に1となるように利得を調整する請求項29記載の
    装置。
  34. 【請求項34】 マスク欠陥検査によって、検出された
    欠陥を観察するために画像化する際に、欠陥検査時と同
    じ光学系を用い、前記第3、第4の出力信号の強度差又
    は強度比に比例した輝度信号の画像を表示可能である、
    表示装置を備える請求項29記載の装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006162500A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Hitachi High-Technologies Corp 欠陥検査装置
JP2007132729A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Lasertec Corp 検査装置及び検査方法並びにパターン基板の製造方法
JP2015516568A (ja) * 2012-03-20 2015-06-11 ケーエルエー−テンカー コーポレイション レチクルの劣化を検出するための反射マップおよび透過マップの使用
JP2016130717A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 新一 土坂 球面検査装置
JP2017090133A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 株式会社ニューフレアテクノロジー 検査装置および検査方法

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