JPH08327557A - 欠陥検査装置及び方法 - Google Patents

欠陥検査装置及び方法

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JPH08327557A
JPH08327557A JP7136782A JP13678295A JPH08327557A JP H08327557 A JPH08327557 A JP H08327557A JP 7136782 A JP7136782 A JP 7136782A JP 13678295 A JP13678295 A JP 13678295A JP H08327557 A JPH08327557 A JP H08327557A
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image
optical
microscope
pattern
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Application number
JP7136782A
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English (en)
Inventor
Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
Kinya Kato
欣也 加藤
Masashi Sueyoshi
正史 末吉
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高コントラストの欠陥検出を高速で行う。 【構成】 欠陥検査装置は、回路パターンの無欠陥部分
を光学的に消去して欠陥部分を光学的に強調する欠陥強
調手段を備えている。この欠陥強調手段は、顕微鏡手段
M1の像面内に結像する基板表面と共役な光学像をその
像面内において相対的に横ずれした2つの光学像に分割
する視野分割手段44,50,52,54と、回路パタ
ーンに応じて、2つの光学像の横ずれのシフト量及びシ
フト方向を調整するシフト調整手段46,56と、2つ
の光学像の相対的な位相差を調整する位相差調整手段4
8,58,60とを備えており、干渉画像により無欠陥
の周期性パターンを消去し、欠陥部を強調することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は欠陥検出装置に係り、特
にウェハ、LCD、フォトマスク又はレチクルなどの回
路基板の欠陥を検出する欠陥検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子や液晶ディスプレイなどを製
造する半導体製造工程において、ウェハ、レチクル、L
CDなどの回路基板に形成される回路パターンの一部に
欠損や短絡などのパターン欠陥が生じることがある。製
品の品質や歩留まりを向上させるためには、かかる基板
のパターン欠陥を厳重に管理する必要がある。そこで、
従来より各種欠陥検査装置、例えば、パターン比較技術
を利用したパターン比較検査装置などが広く使用されて
いる。
【0003】典型的なパターン比較検査装置では、2つ
の明視野光学顕微鏡を用いて、ステージに載置された基
板上の2つの異なる位置に存在する同一設計の回路パタ
ーンを画像情報として獲得し、画像比較回路で両パター
ンの画像比較を行い、パターンが一致しない部分を欠陥
と判定して検出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の欠
陥検査装置では、回路パターンの明視野外像に基づいて
欠陥の抽出を行うため、低コントラストの欠陥や、微小
な欠陥を検出するためには、ピクセル寸法を小さくし、
さらに電気的なS/N比を十分に確保して、多階調の画
像信号による画像比較を全検査領域内で実施する必要が
あり、従って、検査時間が長くなっていた。また検査対
象である回路パターンには、所定の方向に所定の周期で
複数の同一パターンが配列される場合(例えば、セル状
パターン)やパターンが非周期的に配列される場合(例
えば、配線パターン)があるが、従来の欠陥装置では、
かかるパターンの周期性の有無にかかわらず、全ての検
査領域に対して同じパターン比較処理を行っていた。
【0005】本発明は従来の欠陥検査装置が有する如上
の問題点に鑑みて成されたものであり、回路パターンの
周期性の有無に応じて異なる検査方法を適用し、例えば
周期性パターンについては、光学的なセル比較を行い光
学的な暗視野画像とすることで欠陥像を強調し、大きな
ピクセルサイズで、かつ少ない階調で、高速の欠陥検査
を行うことを可能にし、これに対して、非周期性パター
ンについては、画像比較などの検査モードで別に検査す
ることで、総合的に高速な検査を行うことを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、検査対象の基板(W)を照明する照明手
段(26)と、基板表面(WS)から発生する散乱光
(ID1,ID1’)を集光し該基板表面と共役な光学
像を形成する顕微鏡手段(M1)とを備え、回路パター
ンが形成された基板の欠陥を検出する欠陥検査装置に、
回路パターンの無欠陥部分を光学的に消去して欠陥部分
を光学的に強調する欠陥強調手段(44〜60)を設け
ている。そして、この欠陥強調手段を、顕微鏡手段の像
面内に結像する基板表面と共役な光学像をその像面内に
おいて相対的に横ずれした2つの光学像(P1,P
1’)に分割する視野分割手段(44,50,52,5
4)と、回路パターンに応じて(例えば、周期性パター
ン部分であれば、その周期構造に応じて)2つの光学像
の横ずれのシフト量及びシフト方向を調整するシフト調
整手段(46,56)と、2つの光学像の相対的な位相
差を調整する位相差調整手段(48,58,60)とか
ら構成している。
【0007】さらに、本発明に係る欠陥検査装置は、上
記欠陥強調手段に加えて、基板上の異なる位置に形成さ
れた少なくとも2つの同一設計の回路パターン部分の光
学像を比較検査する比較検査手段(14)を設けること
ができる。そして、この比較検査手段は、顕微鏡手段に
より獲得された少なくとも2つの同一設計の回路パター
ン部分の光学像を画像比較する画像比較手段(14)
と、所定以上の差異が画像比較手段により検出された場
合に比較された回路パターン部分のいずれかに欠陥があ
ると判定する欠陥判定手段(16)とから構成してい
る。
【0008】なお本発明に係る欠陥検査装置では、明視
野光学顕微鏡(M1)、微分干渉顕微鏡(M1’)、位
相差顕微鏡(M1”’)などを顕微鏡手段として使用す
ることが可能である。さらにこれらの顕微鏡手段の対物
レンズ(42)の後側焦点付近に光学フィルタ手段(7
0,72)を設けることも可能である。なお、その光学
フィルタは、検査対象である基板の非周期性パターン部
分のフーリエ交換を表わす光パターンを阻止し、それ以
外の光を透過する空間フィルタ(70)として構成する
ことができる。
【0009】また本発明の別の観点によれば、上記欠陥
検査装置を用いた欠陥検査方法が提供される。そして、
この欠陥検査方法によれば、まず欠陥強調手段により検
査対象である基板の検査を行い、次いで、欠陥強調手段
により欠陥部分または疑似欠陥部分として強調された検
査領域に対して、比較検査手段による検査が行われる。
【0010】
【作用】本発明に係る欠陥検査装置の動作について、ま
ず周期性パターン(RP)の欠陥を検出する場合を例に
挙げて説明する。光学顕微鏡手段(M1)により得られ
た基板上の周期性パターンの光学像は、視野分割手段
(44,50,52,54)により、基板表面と共役な
面内において、第1のシフト方向に第1のシフト量だけ
相対的に横ずれした2つの光学像(P1,P1’)に分
割される。
【0011】ここで、周期性パターンの場合には所定の
配列方向に所定の周期(Pi)で回路パターンが設計さ
れている。そこで、シフト調整手段(46,56)によ
り、回路パターンの配列方向と第1のシフト方向とを一
致させるとともに、回路パターンの1周期(またはその
整数倍)に相当する長さ(第2のシフト量(Pi))に
第1のシフト量を一致させると(より正確に言えば、基
板表面と共役な面内におけるシフト方向とシフト量とを
一致させると)、同一形状の別のパターン同士が光学的
に重なり合うことになる。そして、位相差調整手段(4
8,58,60)により光学的に重ねられ2つの光学像
の相対的な位相差を調整すれば、同一形状の別のパター
ン同士(すなわち、無欠陥部分)を干渉により消去させ
ることができる。これに対して、光学的に重ねられたパ
ターン形状が一致しない場合(すなわち、いずれかのパ
ターンに欠陥が存在する場合)には、その欠陥部分(E
i)は消去されずに光学的に強調される。従って、欠陥
部分(Ei)の検出を容易に行うことができる。
【0012】このように、本発明によれば、周期性パタ
ーンについては、光学的な視野ずらし法により干渉画像
を形成し、無欠陥の回路パターンの画像を消去すること
で、欠陥部(Ei)を強調することができる。その結
果、光学的にS/N比を向上させ、取り込み画像のピク
セルサイズや、電気的S/N比に余裕を持たせることが
可能となり、検査時間を総合的に高速化できる。
【0013】なお、本発明に係る欠陥検査装置は、明視
野光学顕微鏡(M1)を用いても構成することができる
が、この他にも微分干渉顕微鏡(M1’)を用いること
もできる。この場合には、微分干渉像を利用するため、
物体面に垂直な方向の観察能力を向上でき、例えば基板
上の反射率の低い平坦な異物などの欠陥画像のコントラ
ストを向上させ、検査能力を向上できる。さらに、位相
差顕微鏡(M1”’)を用いれば、明視野顕微鏡では観
察しにくい位相物体などの観察が可能となる。
【0014】次に、本発明に係る欠陥検査装置の動作に
ついて、非周期性パターン(NRP)の欠陥を検出する
場合を例に挙げて説明する。なお、本発明によれば、非
周期性パターンについては、以下に説明する2つの方法
により欠陥検出を行うことができる。非周期性パターン
(NRP)の欠陥検出を行う第1の方法は、本発明に係
る比較検査手段(14)を用いる方法である。この方法
では、まず、顕微鏡手段(M1,M2)により基板上の
異なる位置に形成された少なくとも2つの同一設計の回
路パターン部分の光学像を獲得する。そして、画像比較
手段(14)により獲得された少なくとも2つの回路パ
ターン部分の画像比較を行い、所定以上の差異が検出さ
れた場合に、欠陥判定手段(16)により比較された回
路パターン部分のいずれかに欠陥があると判定し、欠陥
を検出することができる。なお、この第1の方法を適用
する場合には、顕微鏡手段を2つの光学顕微鏡(M1,
M2)から構成し、2つの光学像を同時に取得して実時
間で比較する構成とすることが好ましい。
【0015】これに対して、非周期性パターン(NR
P)の欠陥検出を行う第2の方法では、顕微鏡手段(M
1”)の対物レンズ(42)の後側焦点付近に空間フィ
ルタ手段(70)を設けた欠陥検査装置を用いる。この
空間フィルタ(70)は、基板の非周期性パターン部分
のフーリエ交換を表わす光パターンを阻止し、それ以外
の光を透過する。すなわち、無欠陥の非周期性パターン
部分のフーリエ変換パターンは空間フィルタ(70)に
より阻止され、欠陥部のフーリエ変換パターンを表す光
パターンのみが空間フィルタ(70)を通過する。従っ
て、この第2の方法によれば、光学顕微鏡の視野内に非
周期性パターン(NRP)が存在する場合にも、光学的
な暗視野画像により、無欠陥パターンを消去し、欠陥画
像を強調することができる。
【0016】このように、非周期性パターンに対する第
2の方法と、周期性パターンの欠陥強調方法とを併用す
れば、検査対象である基板(W)に形成された回路パタ
ーンが周期性パターン(RP)であると非周期性パター
ン(NRP)であるとに拘わらず、パターンの無欠陥部
分を光学的に消去して欠陥部分を強調することができ
る。従って画像信号を適当なしきい値により2値化する
程度の簡単な画像処理で欠陥の抽出を行うことができ
る。また、必要に応じて、例えばテンプレートによる特
徴検出法などの画像処理を行うことにより、より効果的
に欠陥検出を行える。
【0017】さらに、欠陥強調手段と比較検査手段とを
備えた欠陥検査装置で欠陥検査を行う際に、周期性パタ
ーン領域(RP)と非周期性パターン領域(NRP)と
の位置がそれぞれ予め判明している場合は、周期性パタ
ーン領域に対しては欠陥強調手段により検査を行い、非
周期性パターン領域に対しては比較検査手段により検査
を行うことができる。
【0018】これに対して、周期性パターン領域(R
P)と非周期性パターン領域(NRP)とが混在してい
たり、あるいはそれらの識別がなされていない場合に
は、次のような欠陥検査方法を適用することができる。
まず欠陥強調手段により、無欠陥の周期性パターンを消
去し、欠陥部を検出する。この結果、周期性パターンの
実際の欠陥部(Ei)とともに、無周期性パターン領域
が疑似欠陥として検出される。従って、疑似欠陥として
検出された部分について比較検査手段(14,16)に
より欠陥検査を行えば、無周期性パターン領域の欠陥部
を検出することができる。なお、周期性パターン領域の
実際の欠陥部と無周期性パターン領域(疑似欠陥部)と
は、前者の数に比較して後者の数の方が多いので、適当
なしきい値を設定すれば、容易に識別することが可能で
ある。
【0019】
【実施例】以下に添付図面を参照しながら、本発明に係
る欠陥検査装置の好適な実施例について説明する。まず
図1を参照しながら、2つの顕微鏡を用いて、欠陥強調
および比較検査を行うことが可能な欠陥検査装置の第1
実施例について説明する。なお図1に示す欠陥検査装置
は、検査対象のウェハW内の多数のダイ(またはセル)
D内の回路パターンの欠陥を検査する装置である。
【0020】図示のように、ウェハWはアクチュエータ
10によりXY平面内で平行移動の可能なステージ12
上に置載されている。なお理解を容易にするために、図
1にはY方向のアクチュエータのみを示し、X方向のア
クチュエータは省略している。光軸AX1に沿って顕微
鏡M1が設置されている。顕微鏡M1内には不図示の光
源装置が内蔵されている。従って顕微鏡M1は、照明光
I1で視野F10内を照射し、視野F1内の散乱光ID
1,ID1’を受光し、視野F10と共役な位置に光検
知面を有する撮像素子22上に視野F10と共役な像を
結像することができる。撮像素子22により得られた画
像信号MO1は後述する画像処理段14に出力される。
【0021】同様に、光軸AX2に沿って顕微鏡M2が
設置されている。顕微鏡M2内にも不図示の光源装置が
内蔵されており、照明光I2で視野F20内を照射し、
視野F20内の散乱光ID2,ID2’を受光し、視野
F2と共役な位置に光検知面を有する撮像素子24上に
視野F20と共役な像を結像することができる。そし
て、撮像素子24により得られた画像信号MO2は画像
信号MO1とともに画像処理段14に出力される。
【0022】なお光学顕微鏡M1,M2は、同じ光学系
を有し、各々ウェハW内のダイD内の回路パターンの無
欠陥部分を光学的に消去して欠陥部分を光学的に強調す
る欠陥強調機能を有している。なお光学顕微鏡M1,M
2の詳細な構造については、図2〜図7に関連して後述
する。光学顕微鏡M1、M2により出力される画像信号
MO1,MO2は、画像処理段14に入力され、所定の
画像処理技術により欠陥部分の抽出が行われる。なお図
中、16はコンピュータなどの制御装置、18はキーボ
ードなどのインタフェース、20はCRTなどの画像表
示装置をそれぞれ示しており、オペレータはCRT20
に表示される処理状況に応じて、キーボード18から所
定の指令を制御装置16に送ることができる。
【0023】さて、2つの光学顕微鏡M1,M2の光軸
AX1,AX2の間隔lnは不図示の駆動系により可変
に構成されている。従って、同一ダイ内の異なる2つの
デバイスチップ内で同一回路設計の領域を含有する2つ
の視野の中心か、あるいは異なる2つのダイ内の各々の
デバイスチップ内で同一回路設計の領域を含有する2つ
の視野の中心に、光軸AX1,AX2を一致させること
ができる。
【0024】さてこのようにして得られる、2つの顕微
鏡M1,M2の観察視野の一例を図8および図9示す。
ここで、図8は、ウェハW上の多数のストリート22
V,22Hにより分割された複数のダイのうち、ダイD
1,ダイD2上に設定された光軸AX1,AX2を示し
ている。図示のように、ダイD1内には同一回路設計の
デバイスチップD1C1,D1C2が存在し、ダイD2
内にも同一回路設計のデバイスチップD2C1,D2C
2が存在している。なお複数のダイD1,D2,…,D
nは同一のレチクルの像であって、同一の回路設計であ
る。
【0025】また図9は、ダイD2のデバイスチップD
2C1内にあった顕微鏡M2の光軸AX2をダイD1の
デバイスチップD1C2内の光軸AX2’の位置に移動
させたときのダイD1内の観察視野を示している。そし
て、デバイスチップD1C1,D1C2内には、それぞ
れ、周期的配列のセル状パターン(以下、周期性パター
ンと称する。)が形成された周期性パターン領域RP
1,RP2、および非周期的配列の配線状パターン(以
下、非周期性パターンと称する。)が形成された非周期
性パターン領域NRP1,NRP2が存在している。な
お視野F10は光学顕微鏡M1により周期性パターン領
域RP1を観察した場合の視野を示し、視野F22は光
学顕微鏡M2により周期性パターン領域RP2を観察し
た場合の視野を示している。また視野F10内にはパタ
ーン欠陥Eが存在するものとする。
【0026】次に図10〜図12を参照しながら、本発
明に係る欠陥検査装置により、回路パターンの無欠陥部
を光学的に消去し、図9に示す、パターン欠陥Eiを強
調させる工程について説明する。なお、図10は、光学
的な視野ずらし処理前の視野F10内にあるセルパター
ン領域の像であり、光線ID1,ID1’の光路長が同
一である場合の明視野反射顕微鏡の像である。また図1
0は、光波の2次元の振幅分布を示し、縦軸Aは振幅を
示している。
【0027】まず本発明によれば、後述する視野分割手
段により、図10に示す光学像を像面内において相対的
に横ずれした2つの光学像に分割する。そしてシフト調
整手段により、分割された2つの光学像を、同じ像面内
で、周期性パターンの一周期分のピッチPiiだけy方
向(図示の例では、周期性パターンの配列方向)に2つ
の像を相対的に横ずらし(シフト)すると、2つの光学
像は互いに重複することになる。より具体的に説明すれ
ば、図10において、周期性パターンのピッチをPii
=|Y2−Y1|とすると、横ずらし前のY=Y2(セ
ルC1i),Y=Y1(セルC2i)の位置が、横ずら
し後は、Y=(Y2+Y1)/2の位置において互いに
重複することになる。
【0028】かかる重ね合わせの様子を図11に一次元
的に示す。なお、図11(1)はY=Y1の振幅分布W
Y=Y1を示し、セル部C2iが観察される。図11
(2)はY=Y2の振幅分布WY=Y2を示しセル部C
1iと欠陥部分Eiが観察される。ここで、位相差調整
手段により、Y=Y2の位相をπだけずらすと振幅分布
は図11(3)に示すようにWY=Y2inとなる。そ
して、2つの振幅分布WY=Y1とWY=Y2inを重
複させると、干渉により図11(4)に示すように、W
((1)+(2))のように、無欠陥部分が消去され、
欠陥の像Eiのみが残る。なお図12は、Y=Y2−1
/2Pii=Y1+1/2Piiの位置に残る欠陥像E
iの振幅分布である。
【0029】以上、図10〜図12に関連して説明した
ように、光学顕微鏡M1の光軸AX1上の視野F10の
視野内には周期性パターンしか存在しないため、顕微鏡
M1は単独でセル状パターンの光学像を光学的に消去
し、欠陥像Eiのみを出力MO1(図1参照)に出力す
ることが可能である。また同様に、光学顕微鏡M2の光
軸AX2’上の視野F22の視野内においても周期性パ
ターンしか存在しないため、顕微鏡M2は単独でセル状
パターンの光学像を光学的に消去することができる。な
お、視野F22内には欠陥が存在しないため、出力MO
2(図1参照)にはほとんど何も出力されない。このよ
うに、本発明によれば、回路パターンの無欠陥部分を光
学的に消去し、欠陥部部分を光学的に強調できるので、
欠陥検査時間を短縮することができる。
【0030】再び図9に戻って、光学顕微鏡M1の光軸
AX1がAX11に移動し、光学顕微鏡M2の光軸AX
2’がAX21に移動した場合について検討する。この
場合、各々の視野F11,F23内には非周期的配列の
配線パターンのみが存在するため、本実施例の場合に
は、顕微鏡M1,M2は、周期性パターンの場合のよう
に単独では非周期性パターンの光学像を消去することは
できない(なお、周期性パターンの場合と同様に、各顕
微鏡M1,M2単独で非周期性パターンについてもその
光学像を消去する第2実施例については、図4、図6お
よび図13に関連して後述する。)。
【0031】しかしながら、この場合は、2つの光学顕
微鏡M1,M2を協調させて、本発明に係る比較検査手
段により、無欠陥の非周期性パターンの光学像を2つの
光学像出力MO1,MO2から消去することができる。
以下、その手順について説明すれば、まず画像処理段1
4において、画像比較手段により2つの光学顕微鏡M
1,M2により取得された2つの光学像の比較が行わ
れ、次いで欠陥判定手段16により、所定値以上の差異
のある部分が欠陥として抽出される。なお比較検査をす
る場合には、同一のダイ内において、例えばデバイスチ
ップD1C1とD1C2とを比較したり、あるいはデバ
イスチップD2C1とD2C2とを比較しても良いし、
異なるダイ間において、例えばデバイスチップD1C1
とD2C1と比較したり、あるいはデバイスチップD1
C2とD2C2とを比較しても良い。また一方の光学顕
微鏡M1の光軸AX1をいずれかのデバイスチップ(無
欠陥のものが好ましい)に固定し、他方の光学顕微鏡M
2の光軸AX2を順次移動させることにより処理を行っ
ても良い。
【0032】実際の欠陥検査にあたっては、まず、予め
周期性パターン領域RP1,RP2と非周期性パターン
領域NRP1,NRP2の位置が判明している場合に
は、周期性パターン領域RP1,RP2に対しては、視
野F10,F22により欠陥強調手段で欠陥検出を行
い、非周期性パターン領域NRP1,NRP2に対して
は視野F11,F23によりデバイスチップ間の比較検
査で欠陥検出を行うことにより、総合的な検査時間を短
縮することができる。
【0033】これに対して、周期性パターン部と非周期
性パターン部とが混在していたり、あるいはそれらの識
別がなされていない場合には、次のような欠陥検査方法
を適用することができる。まず視野F10,F22によ
り欠陥強調手段で検査領域全体を検査して、無欠陥のパ
ターンを消去する。この結果、周期性パターン領域RP
1,RP2の実際の欠陥部Eiとともに、非周期性パタ
ーン領域NRP1,NRP2が疑似欠陥として検出され
る。そして、疑似欠陥として検出された領域NRP1,
NRP2について、視野F11,F23によりデバイス
チップ間の比較検査で欠陥検出を行えば、非周期性パタ
ーンの欠陥部を検出することができる。なお、周期性パ
ターン領域RP1,RP2の実際の欠陥部Eiと非周期
性パターン領域(疑似欠陥部)NRP1,NRP2と
は、前者の数に比較して後者の数の方が多いので、出力
される画像出力MO1,MO2を適当なしきい値で選択
すれば、容易に識別することが可能である。このような
手順により検査すれば、光学的に検査可能な領域は高速
の検査が可能であり、検査時間を短縮できる。また欠陥
強調処理を行う場合には、AX1とAX2の相対位置精
度があまり厳しく要求されない。
【0034】また、別の検査手順においては、周期性パ
ターン領域の欠陥検査を行う場合にも、欠陥強調手段に
よる光学的なパターン像消去処理と、比較検査手段によ
るデバイスチップ間の画像比較処理を組み合わせること
ができる。かかる手順はウェハW面内に場所に応じて回
路形状にムラが存在する場合に適する。すなわち、例え
ば膜厚のムラなどは製品上は欠陥とみなされない疑似欠
陥であるが、本発明に係る欠陥強調処理では、無欠陥部
分として光学的に処理されず、欠陥(疑似欠陥)として
検出されることがある。しかしながら、このような膜厚
のムラなどの欠陥とならない疑似欠陥も、隣接するデバ
イスチップ同士では同じ傾向を有することが多い。従っ
て、かかる疑似欠陥に対して近くのデバイスチップ間の
画像比較を行い、再検査すれば、光学的に抽出された欠
陥のうち致命的ではない欠陥の発生を抑制できる。
【0035】次に、本発明に係る欠陥検査装置に適用可
能な光学顕微鏡M1,M2のいくつかの例について図2
〜図7を参照しながら説明する。なお図2〜図5は、そ
れぞれ視野分割が可能な明視野光学顕微鏡、微分干渉顕
微鏡、空間フィルタ付き明視野光学顕微鏡、位相差顕微
鏡の一例を示しており、図6および図7は、それぞれ空
間フィルタ、位相フィルタの一例を示している。また以
下では光学顕微鏡M1についてのみ説明するが、特に断
らない限り光学顕微鏡M2も同様の構成を有するものと
する。
【0036】図2に示す顕微鏡は視野分割の干渉顕微鏡
であって、ウェハW上のY方向に分離した2物点P1,
P1’の像をディテクター(撮像素子)22の光検知面
上の1点Pp上に重複させ、干渉させた像を観察でき
る。従って、Y方向に分離した2物点P1,P1’の間
隔を、例えば図9に示すように、Y方向に配列されたセ
ル状周期性パターンのピッチPiに相当するように調整
すれば視野内で合成される干渉像は、無欠陥のセルパタ
ーンが消去されたものになる。
【0037】さらに詳細に説明すれば、図2において、
ランプ26より発する光線1は拡散板28、レンズ群3
0、32、開口しぼりAS、レンズ34、視野しぼりF
S、レンズ36を透過し、ハーフミラー40により対物
レンズ42の方向に反射される。そして、光線1は、ウ
ェハW上のウェハ表面WS内において光軸AX1の直交
する付近の視野F10内を照明する。
【0038】視野F10内の点P1、点P1’より発生
する散乱光の1部分は光線ID1,ID1’となり、対
物レンズ42により集光され、ハーフミラー40を透過
して、ハーフミラー44に達する。光線ID1,ID
1’はハーフミラー44により振幅分割されて別々の光
路を通って進行する。光線ID1はハーフミラー44を
通過する成分であって、平行ガラス46、光路長補整部
材48を通過して、ミラー50により反射され、ハーフ
ミラー52により再度反射され光線ID1”となって進
行する。一方、光線ID1’は、ハーフミラー44で反
射される成分であって、ミラー54により反射され、平
行ガラス56、楔型プリズム58,60を透過して、ハ
ーフミラー52を透過して光線ID1”として進行す
る。
【0039】以上のように構成された顕微鏡は視野分割
機能を有しており、像面上の1点Ppと共役な物点を2
つ形成できる。以下、視野分割機能について具体的に説
明すると、図2に示すように、平行ガラス46,56を
光軸に対してθ1だけそれぞれ逆方向に傾けると、光線
ID1,ID1’をY方向に遠ざかるように平行シフト
させることができる。従って、像点Ppと共役であって
光線ID1によって搬送される像点はP1となり、像点
Ppと共役であって光線ID1’によって搬送される像
点はP1’となり、視野の分割が行なわれる。
【0040】なお、楔型プリズム58,60は、光線I
D1’の光路長を調整する部材であって楔型プリズム5
8または60のどちらか一方をY方向に出し入れするこ
とで、光路長を調整できる。また、光路長補整部材48
は楔型プリズム58,60を初期位置に設定したとき
に、光線ID1とID1’の光路長を等しくするための
ものである。
【0041】そして、ハーフミラー52よって得られる
光線ID1”は光線ID1とID1’の重複したもので
あるので、像点Ppには、物点P1とP1’の干渉像が
得られる。ここで、物点P1とP1’の光波の位相と振
幅が同じであれば、楔型プリズム58,60を調整する
ことで光線ID1,ID1’の光路差をπだけずらすこ
とで、像点Ppの干渉像を消去することが可能である。
その結果、図9に示すような周期性セル状パターン領域
RP1内に視野F10が存在する場合、視野のずらし量
をパターンのピッチPiに一致させて、光線ID1とI
D1’の光路差をπにすることで無欠陥のセル状回路パ
ターンの像を消去することができる。なお、無欠陥の周
期性パターンを消去して、欠陥部を抽出する方法の詳細
については、図10〜図12に関連して既に説明したの
で、ここで改めて説明はしない。また非周期性パターン
の欠陥を検出する場合には、図2に示す光学顕微鏡M1
と同じ構成の光学顕微鏡M2を用いて、図9に示す視野
F11,F23により異なるデバイスチップ間における
画像比較を行うことにより欠陥像を抽出することが可能
である。
【0042】図3には、本発明に係る欠陥検査装置に適
用可能な光学顕微鏡の別の実施例が示されている。この
光学顕微鏡M1’は、図2に示したものと同様に視野分
割の可能な干渉顕微鏡であるが、図2に示す実施例で
は、落射照明を用いた反射明視野顕微鏡の視野を分割し
ていたのに対し、図3に示す実施例では、、落射照明を
用いた反射微分干渉顕微鏡の視野を分割している。この
ため、照明光学系の開口しぼりASの近傍にポラライザ
62、対物レンズ42の後側焦点面付近にウォラストン
プリズム64、ハーフミラー40付近にアナライザ66
が増設されている。なお図3に示す光学顕微鏡M1’の
構成部材であって、図2に示す光学顕微鏡M1の構成部
材と同じ機能を有するものについては、同一の参照番号
を付することにより重複説明を省略する。
【0043】さて、光源26を出射する光線1は拡散板
28、レンズ群30,32を透過し、ポラライザ62に
達する。光線1のうちポラライザ62を透過する直線偏
光の光線2は開口しぼりAS、レンズ34、視野しぼり
FS、レンズ36を透過し、ハーフミラー40により対
物レンズ42の方向に反射される。光線2はウォラスト
ンプリズム64に入射して、偏光成分の直交する2つの
直線偏光の照明光Eと照明光Oに分離して出射する。照
明光Eと、照明光Oは対物レンズ42により屈折され、
ウェハW上の表面WS内の視野F10内を照明する。な
お照明光Oと照明光Eは、ウォラストンプリズム64に
より視野F10内で所定のシャー量ΔだけY方向に対物
レンズの解像限界と同等以下の距離だけ横ずれしてい
る。
【0044】以上のように構成された図3の光学顕微鏡
M1’も、図2の光学顕微鏡M1と同様に、視野分割機
能を備えており、像面上の1点Ppと共役な2つの物点
P1,P1’を形成できる。以下、図3の光学顕微鏡M
1’の視野分割機能について説明する。なお、図3の光
学顕微鏡M1’は、微分干渉顕微鏡でもあるので、物点
P1は厳密には、シャー量ΔだけY方向に横ずれした2
つの物点P1O,P1Eに対応する。同様に物点P1’
はシャー量ΔだけY方向に横ずれした2つの物点P1
E’,P1O’に対応する。ただしシャー量Δは対物レ
ンズ42の解像限界以下であるので、像点P1,P1’
は2つの像点P1O,P1E、あるいはP1E’,P1
O’に分離されることはない。
【0045】まず、図3の光学顕微鏡M1’で視野分割
をしない場合、すなわち平行ガラス46,56を光軸に
垂直に設定し、光路長補正部材48と光学楔58,60
の光路長を等しくした場合には、図3の光学顕微鏡M
1’は通常の微分干渉顕微鏡となり、微分干渉像を像面
に得ることができる。この状態から平行ガラス46,5
6を傾斜させることにより視野分割を行うことが可能で
あり、物点P1の微分干渉像と物点P1’の微分干渉像
を同一の像点Pp上に重複させて、2つの微分干渉像の
干渉像を得ることが可能である。
【0046】従って、観察視野F10を図9に示す周期
性パターン領域RP1上に位置決めし、物点P1,P
1’の間隔をパターンピッチPiに一致させ(ただし、
物点P1,P1’のシフト方向と周期性パターンの配列
方向とはともにy方向で一致しているものとする。)、
光線ID1と光線ID2の光路差をπに調整すれば、周
期性パターン領域RP1中の無欠陥回路パターンは2つ
の微分干渉像の重複する物体面内で打ち消し合い消去さ
れる。また周期性セル状パターン領域RP1内に欠陥が
存在する場合は、欠陥部分は消去されず強調された光学
像として抽出することができる。
【0047】以上説明したように、図3の光学顕微鏡M
1’においても、図2の光学顕微鏡M1と同様に周期性
セル状回路パターン内の欠陥のみを抽出可能であるが、
特に図3の光学顕微鏡M1’では、微分干渉像を形成す
るため、物体面に垂直方向の観察能力を向上でき、例え
ばウェハW上の反射率の低い平坦状の異物などの欠陥の
画像コントラストを向上でき、検出能力を向上できる。
また、光源26が白色光であれば、駆動装置68により
ウォラストンプリズム64を光軸AX1を横切る方向に
調整することにより、観察される欠陥部分の干渉色を調
整できるので、像面に設置したディテクター22の分光
感度および予想される欠陥のエッジ部分の傾きに応じ
て、検出感度を最適に設定できる。
【0048】なお図3の光学顕微鏡M1’により非周期
性パターンの欠陥を検出する場合には、図3の光学顕微
鏡M1’と同じ構成の光学顕微鏡M2’を用いて、図9
に示すように視野F11,F23により、異なるデバイ
スチップ間における画像比較を行うことにより欠陥像を
抽出することが可能である。図4には、本発明に係る欠
陥検査装置に適用可能な光学顕微鏡のさらに別の実施例
が示されている。なお、この光学顕微鏡M1”の基本的
構成は、図2に示す光学顕微鏡M1とほぼ同様であり、
従って、図2に示す光学顕微鏡M1の構成部材と同じ機
能を有するものについては、同一の参照番号を付するこ
とにより重複説明を省略する。ただし、図4の光学顕微
鏡M1”には、対物レンズ42の後側焦点面上に空間フ
ィルタ70が設けられている。
【0049】この空間フィルタ70の形状を第15図に
示す。この空間フィルタ70は斜線部分の光を遮断する
ことができる。空間フィルタ70はタンジェリン状の形
態であって、X,Y方向に平行な縦横十文字の遮光帯
と、これに対して45゜傾いた十文字の遮光帯とを組み
合わせたものである。このような空間フィルタ70を用
いれば、ウェハW上の回路パターンが、2次元周期構造
のセル状パターン(例えば図9の周期性パターン領域R
P1,RP2に見られるようなパターン)以外であって
も、XY直交座標系に対し、0゜、45゜、90゜のみ
の角度をなす直線エッジから構成される回路パターン
(例えば図9の非周期性パターン領域NRP1,NPR
2に見られるような配線パターン)であれば、かかる回
路パターンのフーリエ交換を表わす光パターンのほとん
どすべてを空間フィルタ70により遮断することが可能
である。従って、図4に示す光学顕微鏡M1”は、単一
の光学顕微鏡で非周期性パターンの消去を行うことので
きる第2実施例の欠陥検査装置にも適用することが可能
であるが、その詳細については図13に関連して後述す
る。なお、空間フィルタ70の遮光帯の向きは、ウェハ
W上に予想される直線部分に直交する向きで、ゼロ次ス
ペクトル位置を通る位置に設定し、空間フィルタ70の
遮光帯の幅はゼロ次スペクトルの幅に一致させることが
好ましい。
【0050】次に、以上のように構成された図4の光学
顕微鏡M1”による欠陥検査動作について簡単に説明す
る。まず、図9に示すような周期性セル状パターンに対
しては、図2に示す光学顕微鏡M1の場合と同様に、近
傍セル間における干渉像を形成し、無欠陥のセル状パタ
ーンの光学像を消去して、欠陥像のみを抽出することが
できる。
【0051】これに対して、非周期性の回路パターンに
対しても、図4の光学顕微鏡M1”と同様に構成された
光学顕微鏡M2”を用いて、図2に示す光学顕微鏡M1
の場合と同様に、異なるデバイスチップ間における画像
比較を行い、欠陥像の抽出を行なうことができる。ま
た、図4の光学顕微鏡M1”によれば、次のような検査
モードで欠陥検査を行うことが可能である。
【0052】すなわち、まず欠陥強調(無欠陥パターン
消去)モードで、チップ内の全エリアを検査し、所定の
しきい値を超えた画像信号を欠陥候補として抽出する。
この場合、図4の光学顕微鏡M1”によれば、無欠陥の
周期性パターンの消去が可能であるばかりでなく、空間
フィルタ70により、非周期性パターンであっても配線
パターンのように、例えば0゜、45゜、90゜の角度
をなす直線エッジから成るパターンについて、所定のし
きい値以下の光学像の光強度とすることができる。従っ
て、2つの光学顕微鏡M1”,M2”を用いて、異なる
デバイスチップ間の画像比較モードで疑似欠陥(無欠陥
の非周期性パターンであるが、欠陥強調モードで欠陥と
して検出されたもの)を除去すれば、非周期性パターン
領域の欠陥を容易に検出できる。このように、図4の光
学顕微鏡M1”を用いれば、空間フィルタにより、画像
比較モードで検査すべき面積を少なくできるので、総合
的に検査処理の高速化が図れる。
【0053】さらに、図4の光学顕微鏡M1”を用い
て、次のような手順で欠陥検査を行うことができる。ま
ず、欠陥検査の前処理として、光学顕微鏡M1”を視野
分割を行なわない単なる空間フィルタ70付きの反射顕
微鏡として使用し、その反射顕微鏡で全チップ内を検査
して、欠陥候補を抽出する。その後、視野分割により無
欠陥の周期性パターンを消去し、さらに、2つの光学顕
微鏡M1,M2”を用いて異なるデバイスチップ間の画
像比較を行い、無欠陥の非周期性パターンを消去して、
チップ全体の欠陥を検出する。このように構成すれば、
画像処理要する時間をさらに短縮し、検査の高速化が図
れる。
【0054】図5には、本発明に係る欠陥検査装置に適
用可能な光学顕微鏡のさらに別の実施例が示されてい
る。なお、この光学顕微鏡M1”’についても、その基
本的構成は、図2に示す光学顕微鏡M1とほぼ同様であ
り、従って、図2に示す光学顕微鏡M1の構成部材と同
じ機能を有するものについては、同一の参照番号を付す
ることにより重複説明を省略する。ただし、図5の光学
顕微鏡M1”’には、対物レンズ42の後側焦点面上に
位相フィルタ72が設けられている。そして、この位相
フィルタ72は、π/2位相シフター74と、振幅減衰
フィルタ76と、光透過部分78とから構成され、ウェ
ハWからのゼロ次反射光成分を所定量だけ減衰させ、か
つ(他の周波数スペクトルに対して)π/2だけ位相差
をつけることが可能である。
【0055】図5の光学顕微鏡M1”’は、図2の光学
顕微鏡M1と同様に視野分割機能を有しているが、ミラ
ー50,52、ハーフミラー44,52によるマッハツ
ェンダー干渉計部分による視野分割機能を除けば、通常
の落射照明による反射位相差顕微鏡と同様の構成であ
る。従って図5の光学顕微鏡M1”’によっても、図3
の反射微分干渉顕微鏡M1’と同様に、通常の明視野顕
微鏡では観察しにくい位相物体などの観察が可能であ
り、この種の異物による欠陥の検出が可能となる。な
お、視野分割機能を含めた装置の各機能は、図2の光学
顕微鏡M1と同様であり、また欠陥抽出動作(欠陥強調
モードによる無欠陥の周期性パターンの消去、および比
較検査モードによる無欠陥の非周期性パターンの消去)
についても、先に説明したものと実質的に同様なので、
詳細な説明は省略する。
【0056】次に、図13を参照しながら、本発明に係
る欠陥検査装置の第2実施例について説明する。この第
2実施例では、第1実施例とは異なり、光学顕微鏡M
1”が光軸AX1に沿って1つだけ設置されている。な
お光学顕微鏡M1”は、第1実施例と同様に、ミラー5
0,52、ハーフミラー44,52によるマッハツェン
ダー干渉計部分による視野分割機能を有し(図2を参
照。)、周期性セル状パターンについて、無欠陥パター
ン部分を消去し、欠陥部分を強調して抽出することがで
きる(かかる欠陥抽出動作についても、先に説明したも
のと同様なので、ここでは重複説明は省略する)。
【0057】ただし、本実施例では、光学顕微鏡M1”
を1つしか設けていないので、非周期性回路パターン部
分をデバイスチップ間で実時間で比較して欠陥検査を行
うことはできない。従って本実施例においては、光学顕
微鏡M1”として、図4に示す空間フィルタ70を備え
た光学顕微鏡M1”を用いて、無欠陥の非周期回路パタ
ーンの光学像についても可能な限り除去する構成とする
ことが好ましい。この際光軸AX1上の視野F10をな
るべく小さくすることで、無欠陥の非周期回路パターン
の光学像をより完全に除去できる。
【0058】また本実施例の信号処理段14において、
例えばテンプレート比較技術などによる画像処理を行
い、無欠陥の回路パターン像の除去をより完全に行なう
ように構成することもできる。さらに図13に示す第2
実施例においては、光学顕微鏡M”として図4に示すも
のを使用する場合を例に挙げたが、本実施例は、光学顕
微鏡として他の顕微鏡方式、例えば図2に示す微分干渉
方式の光学顕微鏡M’を使用し、その光学顕微鏡の対物
レンズ42の後側焦点面近傍に図6に示すような空間フ
ィルタ70を設置する構成を採用することを妨げない。
【0059】なお、本発明は上記実施例に限定されず、
特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範
囲で各種の変更や修正が可能であることはもちろんであ
る。例えば、本発明に係る欠陥検出装置について、ウェ
ハWを検査対象とする場合を例に挙げて説明したが、本
発明はかかる実施例に限定されるものではなく、レチク
ル、FPD基板など様々な基板の検査に最適である。
【0060】
【発明の効果】以上の様に本発明の第1実施例によれ
ば、周期性セルパターンの欠陥検査をする場合に、光学
顕微鏡の像面内に結像する無欠陥の回路パターンを消去
して、欠陥部分を強調でき、高コントラストの欠陥像が
得られる。このため、画像取り込みのための画素サイズ
を大きくでき、なおかつ少ない階調により画像処理が行
なえ、検査時間を縮小できる。また、画像取り込み用の
光学顕微鏡として、図3〜図5に記載の光学顕微鏡M
1’,M1”,M1”’を用いれば、より高コントラス
トの欠陥像を得られる。特に図3および図5に記載の光
学顕微鏡M1’,M1”’を用いた場合、反射率の低い
異物や、平坦状の異物による欠陥像のコントラストも向
上させることができる。
【0061】また本発明の第2実施例によれば、単一の
光学顕微鏡であっても、非周期性回路パターンの無欠陥
部分の像も消去でき、さらなる高速検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る欠陥検査装置の第1実施例の装置
構成の概略を示す説明図である。
【図2】本発明に適用可能な画像取り込み用光学顕微鏡
の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明に適用可能な画像取り込み用光学顕微鏡
の別の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明に適用可能な画像取り込み用光学顕微鏡
のさらに別の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明に適用可能な画像取り込み用光学顕微鏡
のさらに別の一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明に係る光学顕微鏡に適用可能な空間フィ
ルタの一例を示す概略平面図である。
【図7】本発明に係る光学顕微鏡に適用可能な位相フィ
ルタの一例を示す概略平面図である。
【図8】本発明に係る欠陥検査装置の検査対象であるウ
ェハ上の回路パターンの一例を示す説明図である。
【図9】図8に示す回路パターンの一部を拡大して示す
説明図である。
【図10】本発明に係る欠陥検査装置により無欠陥パタ
ーンを消去する工程を示す第1説明図である。
【図11】本発明に係る欠陥検査装置により無欠陥パタ
ーンを消去する工程を示す第2説明図である。
【図12】本発明に係る欠陥検査装置により無欠陥パタ
ーンを消去する工程を示す第3説明図である。
【図13】本発明に係る欠陥検査装置の第2実施例の装
置構成の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
M1,M2 光学顕微鏡 AX1,AX2 光軸 F10,F20 視野 I1,I2 照明光 ID1,ID1’ 視野分割された散乱光 ID2,ID2’ 視野分割された光線 22,24 撮像素子 14 画像処理段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の基板を照明する照明手段と、
    前記基板表面から発生する散乱光を集光し該基板表面と
    共役な光学像を形成する顕微鏡手段とを備え、回路パタ
    ーンが形成された基板の欠陥を検出する欠陥検査装置に
    おいて、 前記欠陥検査装置は、回路パターンの無欠陥部分を光学
    的に消去して欠陥部分を光学的に強調する欠陥強調手段
    を備えており、 この欠陥強調手段は、 前記顕微鏡手段の像面内に結像する前記基板表面と共役
    な光学像を該像面内において相対的に横ずれした2つの
    光学像に分割する視野分割手段と、 前記回路パターンに応じて、前記2つの光学像の横ずれ
    のシフト量及びシフト方向を調整するシフト調整手段
    と、 前記2つの光学像の相対的な位相差を調整する位相差調
    整手段と、 を備えていることを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】 前記回路パターンは周期性パターン部分
    を含み、前記シフト量及びシフト方向は前記周期性パタ
    ーン部分の周期構造に応じて調整されることを特徴とす
    る、請求項1に記載の欠陥検査装置。
  3. 【請求項3】 前記欠陥検査装置は、さらに、前記基板
    上の異なる位置に形成された少なくとも2つの同一設計
    の回路パターン部分の光学像を比較検査する比較検査手
    段を備えており、 この比較検査手段は、 前記顕微鏡手段により獲得された少なくとも2つの同一
    設計の回路パターン部分の光学像を画像比較する画像比
    較手段と、 所定以上の差異が画像比較手段により検出された場合に
    比較された回路パターン部分のいずれかに欠陥があると
    判定する欠陥判定手段とを備えていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の欠陥検査装置。
  4. 【請求項4】 前記顕微鏡手段は明視野光学顕微鏡であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の欠
    陥検査装置。
  5. 【請求項5】 前記顕微鏡手段は微分干渉顕微鏡である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の欠陥
    検査装置。
  6. 【請求項6】 前記顕微鏡手段は位相差顕微鏡であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の欠陥検
    査装置。
  7. 【請求項7】 前記顕微鏡手段は対物レンズを有し、該
    対物レンズの後側焦点付近に光学フィルタ手段を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の欠陥
    検査装置。
  8. 【請求項8】 前記回路パターンは非周期性パターン部
    分を含み、前記光学フィルタはその非周期性パターン部
    分のフーリエ交換を表わす光パターンを阻止しそれ以外
    の光を透過するものであることを特徴とする請求項7に
    記載の欠陥検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれかに記載の欠陥検
    査装置による欠陥検査方法であって、 前記欠陥強調手段により検査対象である基板を検査し、 前記欠陥強調手段により欠陥部分または疑似欠陥部分と
    して強調された検査領域に対して、前記比較検査手段に
    より検査を行うことを特徴とする方法。
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