JPH09137386A - 抗ピリング性及びピーチスキン加工性に優れた溶剤紡糸セルロース系繊維、その繊維構造物及びその製造法 - Google Patents

抗ピリング性及びピーチスキン加工性に優れた溶剤紡糸セルロース系繊維、その繊維構造物及びその製造法

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JPH09137386A
JPH09137386A JP8220660A JP22066096A JPH09137386A JP H09137386 A JPH09137386 A JP H09137386A JP 8220660 A JP8220660 A JP 8220660A JP 22066096 A JP22066096 A JP 22066096A JP H09137386 A JPH09137386 A JP H09137386A
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fiber
tencel
cellulase
pilling
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JP8220660A
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Kiyoshi Otoi
清 音居
Sumio Abe
純夫 阿部
Masaru Kitamura
優 北村
Shohei Miyata
昌平 宮田
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KANEBO SILK EREGANSU KK
OMORI KIKAKU KK
OOMORI KIKAKU KK
Kanebo Ltd
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KANEBO SILK EREGANSU KK
OMORI KIKAKU KK
OOMORI KIKAKU KK
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生産性や布帛強度の面での不均一性等で従来問
題であった揉み叩き加工を採らずに、高度な抗ピリング
性と良好なピーチスキン加工性を合わせ持った改質テン
セル繊維、とくに通常の紡績条件で良好な糸質の紡績が
可能な改質テンセル原綿を提供する。 【解決手段】テンセル繊維及び該繊維構造物、特に原綿
のセルラーゼによる改質において、予め該繊維に付着し
ているアニオン界面活性剤の量を0.05重量%以下に
熱水で洗い落とし、かつセルラーゼ加工を総酵素力価が
25000単位以下の非常に穏やかな条件で実施するこ
とで平均単繊維強度が3.0g/d〜4.3g/dに調
整し、しかも単繊維強度変動率を20%以下の小さい範
囲に抑制し、これにグリシジル化合物による架橋改質を
組み合わせることで高度な抗ピリング性と良好なピーチ
スキン加工性を合わせ持ったテンセル繊維、特に良好な
紡績性のテンセル原綿の製造を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改質された溶剤紡糸
セルロース系繊維、該繊維からなる繊維構造物及びその
製造法に係わり、特に限定された処理条件での該繊維の
原綿、スライバー、紡績糸或いは織編物等のセルラーゼ
加工による改質とエポキシ化合物による架橋改質の組み
合わせにより、該繊維の布帛加工に常用されている前処
理としての揉み叩き加工を実施しなくて、高度の抗ピリ
ング性と良好なピーチスキン加工性を合わせ持った溶剤
紡糸セルロース系繊維、該繊維からなる繊維構造物及び
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶剤紡糸セルロース系繊維とは、精製パ
ルプを誘導体に化学反応せしめることなく、特殊な有機
溶媒、例えばN−メチルモルホリン−N−オキシド等に
加圧、加温下に溶解し、湿式紡糸したもので、英国コー
トルズ社の「テンセル」(商品名)が知られている。
【0003】この溶剤紡糸セルロース系繊維(以下テン
セル繊維)は綿糸やレーヨンに比べて、強度が非常に強
く、張りが有りながらレーヨン特有の柔らかい風合を持
っていることが特徴で、さらに湿潤時の繊維強度がレー
ヨンと違って強く、さらに湿潤で縮みにくいといった優
れた特性を有している。
【0004】テンセル繊維はN−メチルモルホリン−N
−オキシドを溶剤とし紡糸されたものであるが、上述の
優れた特性を持つ一方で、単繊維の構造が、スキン−コ
ア構造を持ち、このスキン層が家庭洗濯等の湿潤摩擦や
衝撃で非常にフィブリル化し易く、さらに該フィブリル
が絡んでピリングし易いという欠点を持っている。そし
て、最近のテンセル繊維に関する技術開発は、ほとんど
がピリング化を効率良く、効果的に防止しうる抗ピリン
グ技術に集中していると言っても過言では無い。例え
ば、「ニューレーヨンの実際知識」(繊維社)280〜
283頁には該繊維のピリング発現機構及びセルラーゼ
によるピリングの分解除去手法が理論的に解説されてい
る。該解説に記述されているように、現在、テンセル繊
維の抗ピリング対策としては、該繊維からなる布帛をロ
ータリーワッシャー等で揉み叩き加工を施すことで敢え
て単繊維のスキン層をフィブリル化さらにはピリング化
させ、発生したフィブリル及びピリングをさらに揉み叩
き加工しながら、セルラーゼで溶解除去する、いわゆる
バイオ加工が実施されている。従来、上述の揉み叩き加
工、セルラーゼ加工は布帛で実施されて来たが、絡み防
止対策を施した糸での揉み叩き加工やセルラーゼ加工の
研究も着手されている(特開平6−322667号公
報、特開平7−3626号公報参照)。
【0005】繊維のフィブリル化現象は、一般的には、
糸や布帛への摩擦や衝撃で単繊維がさらに割繊され、割
繊されて発生したミクロ繊維が毛羽状に立ち上がる状態
である。さらに、ピリング化の機構は未だ完全に解明さ
れていない面もあるが、フィブリル化した布帛にさらに
摩擦や衝撃を加えて行った場合、ミクロ繊維同志及びミ
クロ繊維と単繊維が複雑に絡んで毛玉になり発現すると
言われている。フィブリル化は絹繊維の染色時や着用時
に白化現象として良く見られるものであるが、絹繊維の
場合は単繊維の強度が適度なものであるため、発生した
フィブリルは摩擦や衝撃で引きちぎられピリングが発生
することは無い。絹繊維の場合、フィブリル化は普通は
好ましい現象ではないが、時には布帛のピーチスキン加
工として利用される。
【0006】これに対してテンセル繊維の場合、前述の
ように単繊維強度が非常に強いため、発生したフィブリ
ルを摩擦や衝撃で引きちぎることが困難なため、著しく
ピリングし易い。そのためテンセル繊維の場合、前述の
ように揉み叩き加工で敢えてフィブリル及びピリングを
発生させ、これをセルラーゼ加工で溶解除去する加工手
段を採っている。一旦、表皮層をフィブリル化それに続
くセルラーゼ加工で溶解除去したテンセル繊維はもはや
摩擦や衝撃でピリングが発生することは無い。
【0007】しかしながら、揉み叩き加工、セルラーゼ
加工は対象が布帛であれ糸であれ、それぞれが小ロット
生産で、しかも不均一な反応であり、処理時間としても
数時間〜10数時間掛かり、大規模な生産手法としては
問題があった。
【0008】一方、揉み叩き加工、セルラーゼ加工を施
したテンセル布帛の表面は、いわゆるピーチスキン調布
帛の風合を呈し、ファッション性のある繊維素材として
確固たる評価を得ている。従って、現在のところ、テン
セル繊維には感性の高いピーチスキン加工が必須の条件
であると言える。この意味で、テンセル繊維の、より大
規模、より短時間で高度な抗ピリング性加工と良好なピ
ーチスキン加工が両立する手法の開発が要望されていた
が、これまでの技術ではこれは不可能であった。
【0009】特に、大規模生産と短時間処理で経済性を
改善し、しかも加工の均一性の改善が期待できる点、さ
らには揉み叩き加工やセルラーゼ加工が困難な他素材と
テンセル繊維との混紡を実施する要望から、テンセル繊
維の原綿での改質加工が望まれていたが、テンセル原綿
の場合、揉み叩き加工は後の紡績を不可能にするほど綿
を損傷するため、さらに一段と困難な課題であった。
【0010】繊維間をエポキシ化、特にグリシジル化合
物でセルロース分子間を架橋する方法で、防しわ性や耐
洗濯性を向上させる手法は公知である(例えば、続絹糸
の構造、信州大学繊維学部発行、638頁、(198
0))。しかしながら該架橋結合をテンセル繊維に生成
させた場合、抗ピリング性を改善するには効果がある
が、一方でテンセル繊維を差別化繊維素材たらしめてい
る、ピーチスキン加工にさらに長時間の揉み加工が必要
になり実用手法としては採用できない。
【0011】本発明者等は、先にテンセル繊維のセルラ
ーゼ加工に関して、改良された物及びその製造法を提案
した。該発明は単繊維の表面が揉み叩き加工によるフィ
ブリル化又はミクロフィブリル化構造を呈しておらず、
繊維構造として完全なセルロース構造のみから成るにも
関わらず抗ピリング性に改質されている溶剤紡糸セルロ
ース系繊維、特に平均単繊維強度が3.5g/d以下に
改質されていて、しかも単繊維強度変動率が20%以下
に均一に改質されているために、該繊維からなる織編物
の家庭洗濯機法での抗ピリング試験にJIS L−10
76法のピリング判定写真を準用しての判定で4級以上
の抗ピリング性であり、しかも該繊維から成る織編物強
度の均一性が良好に改質されていることを特徴とする抗
ピリング性溶剤紡糸セルロース系繊維に関し、その製造
法は溶剤紡糸セルロース系繊維の原綿、スライバー、紡
績糸或いは織編物のセルラーゼによる改質加工におい
て、予め該繊維に付着している紡糸油剤としてのアニオ
ン界面活性剤又はカチオン界面活性剤の付着量を0.0
5重量%以下となるように熱水で洗い落とし、かつセル
ラーゼ加工の総酵素力価(酵素力価(単位/g)×酵素
濃度(%ows)×酵素加工時間(分))を50000
単位以下に規制することを特徴とするものである。
【0012】該発明は、セルラーゼ加工を受けていない
テンセル繊維の平均単繊維強度が4.8g/d程度なの
に対して、3.5g/d以下に調整されているが、単繊
維強度変動率が20%以下に均一に改質されているた
め、該発明からなるテンセル布帛は実用強度を保ちなが
ら、高度の抗ピリング性と良好なピーチスキン性を両立
させるものである。しかしながら該発明は、実施例にも
見られるように平均単繊維強度が3.0g/d以上にな
ると抗ピリング性が4級になり、このことから、さらに
細番手紡績糸による布帛の場合に、高度の抗ピリング性
を保ちながら実用強度を満足させるためには平均単繊維
強度が3.0g〜4.0g/dにおいても5級を満足す
る抗ピリング性のテンセル繊維の開発が望まれた。
【0013】さらに、本発明者らが先に提案した発明で
は、平均単繊維強度を3.0g/d以下に調整した場
合、通常のテンセル繊維の紡績条件、特にカード条件で
糸質、例えばIPI値でかなり劣るという問題点があ
り、この面で平均単繊維強度が3.0g/d以上で抗ピ
リング性がさらに改良され、しかもピーチスキン加工性
を良好に保持することが可能で、その上で紡績性を犠牲
にしないテンセル原綿での改質が望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はテンセル
繊維の抗ピリング性改質及びピーチスキン加工性につい
て鋭意研究した結果、本発明を完成したものである。本
発明の目的とするところは、上述したような、テンセル
繊維を差別化繊維素材たらしめている良好なピーチスキ
ン加工性を低下させることなく改質し、しかも高度な抗
ピリング性を持ったテンセル繊維及び該繊維からなる繊
維構造物を提供するにあり、特に、本発明者等が先に提
案した発明で、抗ピリング性を改善するためにセルラー
ゼ加工の度合を強めるにつれて、通常のテンセル繊維の
紡績条件、特にカード条件で糸質がかなり劣るという問
題点があり、これを改良してセルラーゼ加工を施した、
特に平均単繊維強度が3.0g/d以上のテンセル繊維
からなる繊維構造物に、高度な抗ピリング性と良好なピ
ーチスキン加工性を付与するテンセル原綿を提供するに
ある。さらに他の目的はかかる改質を工業的に有利に製
造する方法を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために次の構成からなる。即ち、第1発明は、溶剤
紡糸セルロース系繊維において、単繊維の表面が揉み叩
き加工によるフィブリル化又はミクロフィブリル化構造
を呈しておらず、しかも該繊維からなる織編物の家庭用
洗濯機法での抗ピリング試験にJIS L−1076法
のピリング判定標準写真を準用しての判定で4級以上の
抗ピリング性に架橋改質されていながら、ピーチスキン
加工性が改質前と同等或いは改質前より良好であり、さ
らに反応染料による染色性及び染色堅牢度が改質前より
改善されていることを特徴とする溶剤紡糸セルロース系
繊維及び該繊維からなる繊維構造物であり、第2発明は
溶剤紡糸セルロース系繊維において、単繊維の表面が揉
み叩き加工によるフィブリル化又はミクロフィブリル化
構造を呈しておらず、しかも平均単繊維強度が3.0g
/d以上、4.3g/d以下、単繊維強度変動率が20
%以下に調整されていて、さらに、ジグリシジルエーテ
ル又はポリグリシジルエーテル或いはグリシジルアクリ
レート化合物により架橋改質されていることを特徴とす
る、該繊維からなる織編物の家庭用洗濯機法での抗ピリ
ング試験にJIS L−1076法のピリング判定標準
写真を準用しての判定で4級以上の抗ピリング性であり
ながら、該繊維からなる織編物のピーチスキン加工性が
改質前と同等或いは改質前より良好であり、さらに反応
染料による染色性及び染色堅牢度が改質前より改善され
ている溶剤紡糸セルロース系繊維及び該繊維からなる繊
維構造物である。さらに、第3発明は、溶剤紡糸セルロ
ース系繊維の原綿、スライバー、紡績糸或いは織編物の
セルラーゼによる改質加工において、予め該繊維に付着
している紡糸油剤としてのアニオン界面活性剤又はカチ
オン界面活性剤の付着量を0.05重量%以下となるよ
うに熱水で洗い落とし、かつセルラーゼ加工の総酵素力
価(酵素力価(単位/g)×酵素濃度(%ows)×酵
素加工時間(分))を25000単位以下に規制して該
処理を実施し、さらに、ジグリシジルエーテル又はポリ
グリシジルエーテル或いはグリシジルアクリレート化合
物により架橋改質することを特徴とする請求項1の溶剤
紡糸セルロース系繊維及び該繊維からなる繊維構造物の
製造法である。
【0016】本発明は、先に本発明者等が提案した発明
で説明した、テンセル繊維の紡糸油剤として常用される
アニオン界面活性剤又は希に使用されるカチオン界面活
性剤がセルラーゼの触媒毒であること、そして該触媒毒
作用はアニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤の繊
維への付着量を0.05重量%以下に規制した場合劇的
に低減され、テンセル繊維のセルラーゼ加工による抗ピ
リング加工が、総酵素力価として50000単位以下の
穏やかな条件で可能になり、その結果、該加工後の単繊
維強度変動率が活性剤の規制をしなかった場合に比べて
大幅に改善され、均一性の顕著に良好な実用繊維強度を
持った抗ピリング性テンセル繊維及び該繊維構造物の製
造を可能にしたことを基本にして、さらに、先の本発明
者等による発明でも課題であった平均単繊維強度が3.
0g/d以上での抗ピリング性をより改善するべく、グ
リシジル化合物で架橋改質することで、通常の紡績条
件、特にカード条件で糸質が低下しない範囲、具体的に
は3.0g/d以上にセルラーゼ加工による平均単繊維
強度の調整を留め、それでいて該繊維及び構造物に高度
の抗ピリング性と良好なピーチスキン加工性を付与する
ことを可能ならしめるものである。この意味で、本発明
はテンセル原綿の改質加工に特に有用であるが、これに
限定されるものでは無く、紡績糸及び織編物にも、布帛
強度をより改善することや、染色性、染色堅牢度の改善
を目的にして処理設備の形態を若干変えるだけでそのま
ま適用できる。
【0017】逆の観点から説明すると、セルラーゼ加工
を施していない通常のテンセル繊維を架橋改質すること
で高度の抗ピリング性に改質することができることは、
前記の文献からも、当業者ならば容易に予想できること
である。しかしながら、通常のテンセル繊維に該架橋改
質を施した場合、該改質を受けていないテンセルでも数
時間〜十数時間の処理時間を要したピーチスキン加工性
がさらに長時間を要するように悪化すると思われる。従
って、経済性を考慮した場合、実態として、架橋改質し
た通常のテンセル繊維のピーチスキン加工は不可能であ
る。
【0018】これに対して、本発明者等はセルラーゼ加
工によりテンセル繊維の平均単繊維強度の調整を行い、
その際、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤の
繊維への付着量を0.05重量%以下に規制した上で総
酵素力価が25000単位以下の非常に穏やかな条件で
の該加工を実施し、その効果として単繊維維強度変動率
が20%以下の該加工を可能にし、これと架橋度をコン
トロールしたグリシジル化合物による改質を組み合わせ
た場合、通常の紡績条件、特にカード条件で糸質が低下
しない範囲、具体的には3.0g/d以上の平均単繊維
強度の範囲においても、高度の抗ピリング性と良好なピ
ーチスキン加工性を合わせ持ったテンセル綿、ひいては
テンセル繊維構造物の製造を可能にした。この場合、セ
ルラーゼ加工での繊維強度変動率を20%以下に規制す
ることは肝要な条件であって、平均単繊維強度が3.0
g/d以上でも、単繊維強度変動率が20%を越えた場
合、単繊維強度の範囲が広くなるため、これだけでも紡
績工程での糸質維持、高度の抗ピリング性それに良好な
ピーチスキン加工性を阻害することは本発明者等の先の
発明等で説明したが、さらにこれにグリシジル化合物に
よる架橋改質を組合わせた場合、その架橋改質が不均一
に進み、前記の不均一性との相乗作用により各問題点は
さらに拡大する。
【0019】アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性
剤のセルラーゼに対する触媒毒については先に本発明者
等が提案した発明で説明した。即ち、従来、溶剤紡糸セ
ルロース系繊維及び該繊維からなる繊維構造物に前処理
として実施されていた揉み叩き加工は、フィブリル化以
外にセルラーゼの触媒毒である紡糸油剤としてのアニオ
ン界面活性剤又はカチオン界面活性剤を不充分ながらも
繊維から剥離させることに潜在的な意味があったが、現
実には該意味は認識されておらず、ましてやアニオン界
面活性剤又はカチオン界面活性剤を0.05重量%以下
に規制する必要性が均一なセルラーゼ加工に必要である
ことは全くと言っても過言で無く意識されていなかっ
た。その為、前処理としての揉み叩き加工で無意識で熱
水洗されていた以外、紡糸油剤としてのアニオン界面活
性剤又はカチオン界面活性剤の上記規制に対して無策で
あり、その為、揉み叩き加工をしない単なるセルラーゼ
加工のみで、効果的な抗ピリング加工及び均一な実用繊
維強度を持った抗ピリング加工が出来ず、これは不可能
と考えられていた。
【0020】即ち、通常、テンセル繊維はアニオン界面
活性剤を主成分とするアニオン界面活性剤、時には、カ
チオン界面活性剤が0.3〜0.6重量%付着してい
る。従来、揉み叩き加工を実施しないで該繊維の抗ピリ
ングを目的にしたセルラーゼ加工に於いて、アニオン界
面活性剤又はカチオン界面活性剤が触媒毒であり、該触
媒毒の付着量を0.05重量%以下に規制する必要性が
認識されていなかった為、これをこのまま水洗せずに、
或いは1回程度熱水洗してセルラーゼ加工を実施するの
が通例であった。1回程度の熱水洗では、繊維に付着し
ている紡糸油剤はせいぜい3分の1程度にしか減少して
おらず0.10〜0.20重量%残留付着している。
【0021】これをセルラーゼ加工で抗ピリングに改質
するには、触媒毒に打ち勝つ為、酵素力価1500〜1
800単位/gを持つ通常のセルラーゼの場合、酵素初
期濃度5g〜10g/ l、酵素反応時間2〜3時間の処
理が必要で、この場合、総酵素力価としては少なくとも
1500(単位/g)×0.5(%ows)×120
(分)=90000単位の作用が必要であった。これは
セルラーゼ加工の総酵素力価としては非常に激しいもの
であり、その為、紡糸油剤の付着ムラに応じて、該油剤
の付着量が少ない部分で局部的にセルラーゼ加工が進み
過ぎ、結果的にセルラーゼ加工後の溶剤紡糸セルロース
系繊維及び該繊維からなる繊維構造物の単繊維強度変動
率は40%を越え、部分的に極度に単繊維強度が弱い箇
所が発生し、溶剤紡糸セルロース系繊維で構成される布
帛は実用強度を満足しないことになる。
【0022】これに対して、先に本発明者等が提案した
発明ではセルラーゼ加工前の熱水洗を3回以上実施し最
後に遠心脱水を実施するとか、各回の脱液に遠心脱水を
する熱水洗を2回以上実施するとかで、目標意識を持っ
て徹底的に熱水洗し残留する紡糸油剤としてのアニオン
界面活性剤又はカチオン界面活性剤を0.05重量%以
下、好ましくは0.025重量%以下に落とした場合、
触媒毒の紡糸油剤としてのアニオン界面活性剤又はカチ
オン界面活性剤が少なく、且つ該界面活性剤の付着の濃
淡の差が小さいため、総酵素力価の非常に小さい条件で
均一なバイオ加工が可能になり、例えば、酵素力価15
00〜1800単位/gの酵素の場合、酵素濃度1g/
l、酵素反応時間2時間のセルラーゼ加工で均一性の良
い抗ピリング性に改質された溶剤紡糸セルロース系繊維
及び該繊維からなる繊維構造物が得られた。即ち、この
場合、総酵素力価は最大でも1800(単位/g)×
0.1(%ows)×120(分)=21600単位と
非常に穏やかなものであり、その為セルラーゼ加工後の
平均単繊維強度が3.5g/d以下でありながら単繊維
強度変動率が20%以下に均一に改質され、その結果と
して、該繊維から成る織編物の家庭洗濯機法での抗ピリ
ング試験にJIS L−1076法のピリング判定標準
写真を準用しての判定で4級以上の抗ピリング性であ
り、しかも該繊維からなる織物強度の均一性が良好に改
質された抗ピリング性溶剤紡糸セルロース系繊維及び該
繊維からなる繊維構造物が得られた。
【0023】本発明は、先に本発明者等が提案した前記
の発明の改良に関するもので、これにより、先の発明の
アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤の規制下で
のセルラーゼ加工に加えて、これにグリシジル化合物に
よる架橋改質を組み合わせることにより、先の発明の平
均単繊維強度が3.0g/d以上のテンセル繊維の抗ピ
リング性を改善するとともに良好なピーチスキン加工性
を両立させたこと、及び同じく3.0g/d以上の平均
単繊維強度のテンセル繊維及び該繊維構造物に高度な抗
ピリング性と良好なピーチスキン加工性が期待できる、
高品位の糸質の紡績を可能ならしめる該繊維の原綿の改
質加工を提案することに新規性と進歩性がある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要件を具体的
に説明する。本発明の溶剤紡糸セルロース系繊維とは、
具体的には、現在のところ商業的に実用化されているテ
ンセル(商品名)が唯一該当する。そして本発明はテン
セル原綿、スライバー、紡績糸、或いは織編物等の全て
に適用できるが、特に原綿に適用した場合の効果が生産
性及び経済性及び他素材との複合性の面で大きい。
【0025】本発明においては、現在テンセル繊維のセ
ルラーゼ加工の前処理として必ず実施されている揉み叩
き加工を行わないのが大きな特徴である。その理由は前
記したが、大規模生産と短時間処理でのセルラーゼ加工
で経済性を改善し、しかも加工の均一性の改善が期待で
きる点、さらには揉み叩き加工やセルラーゼ加工が困難
な他素材とテンセル繊維との混紡を実施する要望から、
テンセル原綿でのセルラーゼ加工が望まれていたが、テ
ンセル原綿の場合、揉み叩き加工は後の紡績を不可能に
するほど綿を損傷するからである。本発明でピーチスキ
ン調の布帛を製造する場合は、テンセル繊維を布帛に製
編織した後揉み叩き加工のみを実施する。本発明の場
合、単繊維強度が適度に調整されていて、その上で架橋
改質されているため、短時間の揉み叩き加工のみで良好
なピーチスキン加工と高度な抗ピリング性が両立する。
【0026】本発明のテンセル繊維の平均単繊維強度は
3.0g/d以上、好ましくは3.5g/d以上、4.
3g/d以下である。平均単繊維強度が小さくなる程抗
ピリング性は良好になるが、3.0g/d以下の該強度
の場合、セルラーゼ加工だけで高度な抗ピリング加工が
可能であるから効果としては小さい。但し、3.0g/
d以下でもグリシジル化合物による改質は反応染料によ
る染色性及び染色堅牢度を改質前より顕著に改善するた
め、この観点では3.0g/d以下でもグリシジル化合
物による改質は意味がある。
【0027】本発明によって得られるテンセル繊維の単
繊維強度変動率は20%以下、好ましくは15%以下で
ある。これはセルラーゼ加工前に紡糸油剤としてのアニ
オン界面活性剤又はカチオン界面活性剤を徹底的に洗い
落とし、残留アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性
剤を平均で0.05重量%以下、好ましくは0.025
重量%以下に規制することにより可能になる。
【0028】本発明で残留アニオン界面活性剤が0.0
25重量%以下で単繊維強度変動率は概ね15%以下、
0.05重量%以下で該変動率は概ね20%以下であ
る。該残留活性剤が0.10重量%以上では、所定の水
準に繊維強度を調整するためには、相対的に総酵素力価
の大きいセルラーゼ加工が必要になり、この場合、セル
ラーゼ加工が該残留活性剤の付着ムラに応じて、不均一
しかも局部的に過剰に進み、セルラーゼ加工及び架橋改
質後のテンセル繊維の平均単繊維強度を3.0g/d程
度に調整した場合、単繊維強度変動率は場合によっては
40%以上になり、該繊維からなる繊維構造物は部分的
に強度不足の箇所が発生し実用繊維としては採用できな
い。しかも本発明の場合、単繊維強度変動率の大きさに
応じて架橋改質反応が不均一に進むため、抗ピリング性
及びピーチスキン加工性も布帛表面上に不均一に発現す
るのでより好ましくない。
【0029】本発明のテンセル繊維はグリシジル化合物
により架橋改質されている。該グリシジル化合物として
は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリ
セリン、ソルビトール、ポリグリセロール、ペンタエリ
スリトール等のジ、及びポリグリシジルエーテル或いは
グリシジルアクリレートであるが、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及
びポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルが
効果及び経済性の面で好ましい。
【0030】本発明のグリシジル化合物による架橋度
は、これを重量増加率で表した場合、1〜20重量%、
好ましくは2〜15重量%が望ましい。1重量%以下で
は抗ピリング性が3級以下であるし、20重量%を越え
た場合、ピーチスキン加工性が不良になる。
【0031】本発明のセルラーゼ加工及び架橋改質によ
って、テンセル繊維は単繊維強度が3.0g/d以上で
も高度の抗ピリング性と良好なピーチスキン加工性を合
わせ持った繊維に改質される。該繊維からなる織編物の
家庭洗濯機法での抗ピリング試験にJIS L−107
6のピリング判定標準写真を準用しての判定は、単繊維
強度が3.0g〜4.0g/dで5級、4.0g/d以
上で4級以上である。本発明によって平均単維強度が
3.0g/d以上でも高度な抗ピリング性と良好なピー
チスキン加工性を合わせ持った繊維にテンセル繊維を改
質できたことは、細番手紡績糸による薄地織編物に抗ピ
リング性と充分な実用強度を付与するに極めて効果的で
ある。
【0032】本発明の家庭用洗濯機法での抗ピリング試
験は、JIS L−0217の103法に準拠した方法
で、家庭用洗濯機(JIS L−0217の103号の
規定するもの)を使用し、衣料用合成洗剤2g/lを含
む液温40℃の洗濯機、浴比1:30で、試験片3枚と
負荷布2枚(計5枚)を5分間洗濯した後脱液し、次に
常温の水で2分間すすぎ洗いと脱液を各々2回行い、試
験片と負荷布を取り出しタンブル乾燥機で乾燥する(吹
き出し温度約70℃)。この操作を5回くり返し、得ら
れた試験片をJIS L−1076法のピリング判定標
準写真を準用して試験片の抗ピリング性を判定する。
【0033】本発明方法に於いては、溶剤紡糸セルロー
ス系繊維に付着している紡糸油剤として常用されるアニ
オン界面活性剤、或いは時に配合されるカチオン界面活
性剤を0.05重量%以下、好ましくは0.025重量
%以下に削減すべく、揉み叩き加工に代わって、セルラ
ーゼ加工前に徹底的に熱水洗する必要がある。この為に
は、熱水洗を3回以上実施し最後に遠心脱水するとか、
熱水洗後に毎回遠心脱水する熱水洗を2回以上実施する
とかの方策が必要である。この際、助剤として、酸性亜
硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩や水酸化ナ
トリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ、或いはノニオ
ン界面活性剤系の洗浄剤や膨潤剤を添加した方が、アニ
オン界面活性剤又はカチオン界面活性剤を洗い落としや
すくなるので好ましい。
【0034】一方、このような処理で、アニオン界面活
性剤又はカチオン界面活性剤を0.05重量%以下に規
制する目標意識がない場合は、熱水洗無しでセルラーゼ
加工を実施するか、最良でも1回水洗後、自然脱液して
含水500〜600%のままセルラーゼ加工液に投入す
る程度が通例であるが、この程度の熱水洗ではアニオン
界面活性剤又はカチオン界面活性剤を0.05重量%以
下に規制することは不可能である。
【0035】本発明方法のセルラーゼとしては、セルロ
ース繊維の減量処理用として一般に市販されているセル
ラーゼが全て適用され、例えば、エンチロンCM−40
L(洛東化成工業(株))、セルクラスト1.5L(ノ
ボノルディスク(株))、酵素OP−8800(GEN
ENCOR社)、セルラーゼXP−425(長瀬生化学
(株))等である。これらのセルラーゼの酵素力価は通
常1500〜3000単位/gである。尚、この場合の
セルラーゼの酵素力価の1単位は、カルボキシメチルセ
ルロース(CMC)を基質とし、40℃、pH4.5に
於いて1分間に1μmolのブドウ糖を生成する活性で
ある。
【0036】本発明方法のセルラーゼ加工の最適温度
は、酵素の種類により若干異なるが、一般には50〜6
0℃である。50℃以下でも反応は進むが遅く、特別の
理由がないかぎりこれより低温で処理する意味はない。
本発明方法の処理中のpHは3.5〜6.5、好ましく
は4.5〜5.5に維持される。この際pH緩衝剤とし
て酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤を適宜使
用する。
【0037】本発明方法に於いては、酵素の触媒毒であ
るアニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤のテンセ
ル繊維への付着量を0.05重量%以下、好ましくは
0.025重量%以下に規制している為、セルラーゼ加
工のセルラーゼ濃度を劇的に少なくすることが可能で、
総酵素力価=酵素力価(単位/g)×酵素濃度(%ow
s)×処理時間(分)として25000単位以下、好ま
しくは12500単位以下に規制することが可能とな
る。これによって処理後の、単繊維強度変動率は20%
以下、好ましくは15%以下になり、その結果、グリシ
ジル化合物による架橋結合の分布が均一になり、高度の
抗ピリング性と良好なピーチスキン加工性の両立を可能
ならしめたことが本発明の特徴である。
【0038】本発明方法においては、通常、酵素力価1
500〜1800単位/gのセルラーゼ、例えば酵素O
P−8800(GENENCOR社)、セルクラスト
(ノボノルディスク(株))、処理時間として1〜2時
間の場合、酵素濃度は1.0g/ l程度が適当である。
この場合の総酵素力価=1500〜1800(単位/
g)×0.10(%ows)×60〜120(分)=9
000〜21600単位である。従って、同一セルラー
ゼで酵素濃度を2倍にすれば処理時間は1/2で良い。
実用処方としては、むしろ作業の段取り上最適のセルラ
ーゼ加工時間を設定し、使用酵素の力価に応じて総酵素
力価の規制をクリアーする酵素濃度を決定することにな
るが、通常セルラーゼ加工時間は2〜3時間が適当であ
る。
【0039】テンセル繊維に付着しているアニオン界面
活性剤又はカチオン界面活性剤が0.05重量%を超え
る場合、触媒毒に打ち勝って抗ピリング性に改質するた
めには高濃度の酵素濃度が必要で、酵素OP−8800
(GENENCOR社)やセルクラスト(ノボノルディ
スク(株))での2〜3時間のバイオ加工に必要な酵素
濃度は5g〜10g/ lであるが、この場合の総酵素力
価は少なくとも9万単位となる。この程度総酵素力価が
大きくなると、たとえ高度の抗ピリング性と良好なピー
チスキン加工性に改質出来ても単繊維強度変動率が場合
によっては40%以上になり、繊維構造物において強力
の変動が大きくなり実用繊維としては使用に耐えない。
【0040】総酵素力価を25000単位以下に抑えて
セルラーゼ加工が可能なのは驚くべきことで、例えば、
前記した公報特許で処理条件が明記されているものとし
て、特開平5−117970号公報の実施例19の表V
には溶剤紡糸セルロース系繊維のセルラーゼ加工の処方
が例示されているが、そのなかでセルクラスト(ノボル
ディスク(株)社製、技術資料より力価1500単位/
g)の1.0%ows溶液で60分処理しているが、こ
の場合の総酵素力価=1500(単位/g)×1(%o
ws)×60(分)=9万単位である。又、特開昭58
−36217号公報にはセルロース繊維の風合改良をセ
ルラーゼ処理により行っているが、その実施例1の場
合、3000〜6000(単位/g)のセルラーゼを溶
液濃度1.0%owsで4時間処理しているが、この場
合の総酵素力価=3000〜6000×1×240=7
2万〜144万単位である。
【0041】本発明方法において、セルラーゼ加工の
後、場合によっては前にグリシジル化合物による架橋改
質を行う。架橋改質の方法としては、浸漬加熱法、パッ
ド−スチーム法、パッド−ドライ−スチーム法、コール
ドバッチ法の何れでも可能であるが、均一性の面では浸
漬法が好ましい。何れの方法においても、グリシジル化
合物及び架橋反応の触媒の水溶液にテンセルを浸漬し、
浸漬法の場合はそのまま、パッド法及びコールドバッチ
法の場合はピックアップ量を70%〜130%に搾液し
加温又は加熱下で反応させる。
【0042】本発明方法のグリシジル化合物の施与量は
グリシジル化合物のエポキシ当量等によっても異なる
が、浸漬法ではテンセル繊維に対して2〜30重量%、
パッド−スチーム法、パッド−ドライ−スチーム法では
2〜40重量%、コールドバッチ法では2〜50重量%
である。
【0043】本発明方法の触媒としては、中性塩、弱ア
ルカリ性塩、アルカリ性塩、酸性塩、アルカリ金属の水
酸化物、アンモニア、及びアミン類を用いることができ
るが、中性塩、弱アルカリ性塩、アミン類が最も効果的
である。中性塩としては、硫酸、塩酸、硝酸、チオシア
ン酸、チオ硫酸のナトリウム塩及びカリウム塩、弱アル
カリ性塩としては酒石酸、クエン酸、プロピオン酸のナ
トリウム及びカリウム塩、アミンとしてはエチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン
等が好ましい。この内、硫酸ナトリウム又は硫酸カリウ
ムが効果及び経済性の点で特に好ましい。本発明の触媒
の量は、処理液中の濃度として1〜15重量%、好まし
くは2〜10重量%である。グリシジルアクリレート化
合物による架橋改質は上記触媒とアクリル基をグラフト
反応させるべくレドックス触媒とか過酸化水素等の通常
のグラフト触媒を用いる。
【0044】本発明のグリシジル化合物による架橋改質
の処理法としては、浸漬加熱法、パッド−スチーム法、
パッド−ドライ−スチーム法、コールドバッチ法の何れ
も用いることができる。浸漬加熱法の場合、グリシジル
化合物とテンセルを速やかにしかも収率良く反応させる
ためには、処理温度を70℃以上とする必要がある。浴
比は原綿処理の場合、10〜30程度が好ましい。パッ
ド−スチーム法は、例えばテンセルに対して50〜20
0重量%、好ましくは80〜120重量%の処理液を付
与後、120℃、好ましくは110℃以下の飽和蒸気で
10分〜数10分間スチーミングする。パッド−ドライ
−スチーム法の場合も、パッド−スチーム法に準ずる
が、スチーミングの前に80〜120℃で乾燥する。
【0045】コールドバッチ法では、例えばシート状の
テンセル原綿に50〜200重量%、好ましくは80〜
120重量%の処理液を付与した後、ラップ状に巻取
り、乾燥することなくフィルム等で覆って水分の蒸散を
防止した上で室温で20時間程度置く。この間、反応が
均一に進むように該ラップを回転させることが望まし
い。
【0046】グリシジル化合物による架橋改質処理した
テンセル繊維は、常法に従って湯洗、油剤処理等の通常
の工程を経て乾燥する。
【0047】なお、本発明の単繊維強度変動率は次の式
で計算する。
【数1】
【0048】
【実施例】以下実施例にて本発明を具体的に説明する。
【0049】実施例1 テンセル原綿(単繊維:1.5d/38mm長、英国コ
ートルズ社製)60Kgを液容量1800lのオーバー
マイヤーを用いて、セルラーゼ加工及びグリシジル化合
物による架橋改質を行った。まず、セルラーゼ加工に先
立って、75℃の熱水1800lを循環させて原綿の紡
糸油剤を洗い落とした。この際、30分間熱水洗した後
一旦自然排水し、再び新鮮な熱水で同様に水洗した。こ
の操作を更に1回繰り返し最後に遠心脱水機で脱水し
た。熱水洗後の原綿の一部を乾燥し、付着している紡糸
油剤を熱テトラクロルエチレンで抽出し、これをエプト
ン法で測定してアニオン界面活性剤の付着量を測定した
結果0.023重量%であった。得られた原綿を続いて
セルラーゼ加工した。セルラーゼ加工の条件はセルラー
ゼとして酵素OP−8800(GENENCOR社製、
力価1800単位/g):0.10%ows(1.0g
/l)、処理液量:1800 l、処理温度:55℃、p
H:4.5(酢酸/酢酸ソーダ緩衝液)、処理時間:6
0分で行った。この場合の総酵素力価=1800(単位
/g)×0.10(%ows)×60(分)=1080
0単位である。これを80℃の熱水で15分間失活処理
した後、グリシジル化合物で架橋改質した。該架橋改質
の条件は、グリシジル化合物としてエチレングリコール
ジグリシジルエーテル(デナコール EX−810 ナ
ガセ化成工業)を20g/l、触媒として無水硫酸ナト
リウムを100g/lの水溶液1800lにセルラーゼ
加工済の原綿約60Kgを室温で浸漬し、良く攪拌した
後昇温し、90℃で60分間反応させた。水洗後、遠心
脱水機で脱水し、パンソフター−S(商品名 第一工業
製薬製)の水溶液に浸漬し該油剤を1.2%重量付着さ
せた後乾燥した。得られたテンセル原綿の単繊維強度は
3.5g/d、単繊維強度変動率は13%であった(セ
ルラーゼ加工前の平均単繊維強度4.8g/d、単繊維
強度変動率10%)。又、重量増加率で測定した架橋度
は10.3%であった。得られた改質原綿を綿番手72
/1の紡績糸に紡績した。該紡績糸のIPI値/100
0mのネップ数は28個で、改質前のテンセル原綿によ
る糸質とほとんど変わらぬ良好なものであった。続い
て、これを仕上織設計で織幅114cm、径:122本
/インチ、緯:105本/インチの平織物に製織した。
該織物をビニールスルホン酸系の反応染料で染色後,前
記した家庭用洗濯機法でピリング試験を実施し、得られ
た試験布片をJIS L−1076法のピリング判定写
真を準用して判定した結果5級で、全くピリングは発現
しておらず良好であった。次に該織物のピーチスキン加
工を実施した。その方法は、上記平織物をポリエステル
ネットに袋詰めし、ロータリーワッシャーにて温水中で
揉み加工を実施した。この際、粒径1μmのセラミツク
の粒子を10重量%含む直径3.8cmのゴムボール
(50g/個)を平織物と同重量袋詰めした。揉み加工
の処理条件はロータリーワッシャーの回転数が30回転
/分、浴比1:100、温度60℃、時間180分であ
った。その後、タンブラー乾燥機で乾燥した。得られた
ピーチスキン加工織物の外観及び感触を専門検査員10
名により検査したところ、ピーチスキン調の外観の均一
性、滑らかなピーチスキン調感触それにテンセル特有の
反発感に優れた織物風合であった。さらに、反応染色、
ピリング試験は対照資料としてセルラーゼ加工、架橋改
質を施してない通常のテンセル織物を同浴で処理した
が、本発明で改質したテンセル繊維の染色性、染色堅牢
度は対照資料と比較して顕著に良好であった。
【0050】比較例1 セルラーゼ加工を実施しない以外は実施例1に準じてテ
ンセル原綿の熱水洗、架橋改質を行い、同じく紡績、製
織、染色、ピリング試験及びピーチスキン加工性試験を
行った。この場合の架橋改質後の平均単繊維強度は4.
5g/d、単繊維強度変動率は12%、綿番手72/1
紡績糸のIPI値/1000mのネップ数は25個、抗
ピリング性は5級であった。しかしながら実施例1のピ
ーチスキン加工条件に準じ、但しロータリーワッシャで
の揉み加工を240分間実施したが、ピーチスキン調の
立毛は全く起こらず、固い風合、フラットな表面感は揉
み加工の前とほとんど変化なかった。セルラーゼ加工を
施してないテンセルは架橋改質した場合ピーチスキン加
工が困難なことが分かる。
【0051】比較例2 実施例1に於いてセルラーゼ加工前の熱水洗を3回実施
したのを1回だけに留め、しかも自然脱水だけで遠心脱
水は実施しなかった。水洗後のテンセル繊維に付着して
いるアニオン界面活性剤の量は0.12重量%であっ
た。セルラーゼ加工、架橋改質は実施例1に準じて処理
した。但し、セルラーゼ加工時間は120分間行った。
従って、この場合の総酵素力価は21600単位であ
る。得られたテンセル原綿の平均単繊維強度は3.8g
/d、単繊維強度変動率は26%であった。該原綿を実
施例1と全く同じ条件で綿番手72/1の紡績糸に紡績
した。該紡績糸IPI値/1000mのネップ数は23
個であった。以降、実施例1に準じて製織、染色した
後、ピリング試験、ピーチスキン加工性試験を実施し
た。ピリング試験は4級、ピーチスキン加工性は、24
0分間揉み加工の処理をしたが立毛状態が不均一であり
不良であった。アニオン界面活性剤の洗浄ムラがピーチ
スキン加工性の均一性に影響することが分かる。
【0052】比較例3 実施例1に準じて、熱水洗、セルラーゼ加工を行った。
但し、架橋改質は行わなかった。水洗後のテンセル繊維
に付着しているアニオン界面活性剤の量は0.021重
量%であった。得られたテンセル原綿の平均単繊維強度
は3.2g/d、単繊維強度変動率は12%であった。
該原綿を実施例1と全く同じ条件で綿番手72/1の紡
績糸に紡績した。該紡績糸のIPI値/1000mのネ
ップ数は26個であった。以降、実施例1に準じて製
織、染色した後、ピリング試験を行った結果4級で、架
橋改質が施されていない分、抗ピリング性が低下した。
又、染色性、染色堅牢度も実施例1に比較して劣るもの
であった。
【0053】比較例4 実施例1に準じて、熱水洗、セルラーゼ加工、架橋改質
を行った。但し、セルラーゼ加工は実施例1の倍時間の
120分間処理した。従って、この場合の総酵素力価は
21600単位である。水洗後のテンセル原綿に付着し
ているアニオン界面活性剤の量は0.022重量%であ
つた。セルラーゼ加工及び架橋改質後のテンセル原綿の
平均単繊維強度は2.60g/d、単繊維強度変動率は
14%であった。得られた改質原綿を実施例1と全く同
じ条件で綿番手72/1の紡績糸に紡績したが、該紡績
糸のIPI値/1000mのネップ数は108個で、改
質原綿の平均単繊維強度が3.0g/dを切ったことが
紡績性の不良に直結した。以降、実施例1に準じて、製
織、染色、ピリング試験、ピーチスキン加工性試験を実
施した。ピリング試験は5級、ピーチスキン加工性も良
好であったが、実施例1と比較すると糸質が劣る分、ピ
ーチスキン調外観の滑らかさは劣るものであった。
【0054】実施例2 実施例1においてセルラーゼ加工前の熱水洗を3回実施
したのを2回に減らし、2回目の終わりに遠心脱水し
た。その他は実施例1に準じてセルラーゼ加工を実施し
た。水洗後のテンセル原綿に付着しているアニオン界面
活性剤の量は0.048重量%であった。セルラーゼ加
工済のテンセル原綿を続いてグリシジル化合物で架橋改
質した。該架橋改質の条件は、グリシジル化合物として
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(デナコー
ル EX−851 ナガセ化成工業)を10g/l、触
媒として塩化ナトリウムを50g/lを使用した以外は
実施例1に準じて実施した。得られたテンセル原綿の平
均単繊維強度は3.9g/d、単繊維強度変動率は16
%であった。熱水洗を簡略した分、セルラーゼ加工が抑
制され強度変動率も若干大きくなった。架橋度は3.5
%であった。得られた改質原綿を実施例1と全く同じ条
件で綿番手72/1の紡績糸に紡績した。該紡績糸のI
PI値/1000mのネップ数は53個であった。以
降、実施例1に準じて、製織、染色した後、ピリング試
験を行った結果抗ピリング性は4級で良好であった。引
き続き、実施例1に準じてピーチスキン加工を実施した
が、この場合、処理時間として240分を要した以外、
ピーチスキン調の外観及び感触それに風合とも、実施例
1とほぼ同様で良好であった。
【0055】実施例3 セルラーゼ加工を120分間実施した以外は実施例2に
準じてテンセル原綿の改質を行った。水洗後のテンセル
に付着しているアニオン界面活性剤の量は0.05重量
%であった。又、この場合の総酵素力価は21600単
位である。得られた改質テンセル原綿の平均単繊維強度
は3.1g/d、単繊維強度変動率は19%であった。
架橋度は4.0%であった。該原綿を実施例1と全く同
じ条件で綿番手72/1の紡績糸に紡績した。該紡績糸
の1PI値/1000mのネップ数は60個であつた。
以降、実施例1に準じて、製織、染色した後、ピリング
試験及びピーチスキン加工性を試験した。抗ピリング性
は5級、ピーチスキン加工性も揉み加工処理時間180
分で実施例1と同程度で良好であった。
【0056】実施例4 実施例1に準じて熱水洗、セルラーゼ加工を行った。但
し、セルラーゼとしてセルクラスト1.5L(ノボノル
ディスク(株)力価1500単位/g)を使用した。熱
水洗後のテンセル原綿に付着しているアニオン界面活性
剤の量は0.021重量%であった。該原綿を乾燥後、
混打綿しラップ状に巻取った。該ラツプをエチレングリ
コールジグリシジルエーテル80g/l、触媒として無
水硫酸ナトリウム100g/lを含む水溶液に浸漬し、
マングルで85%に絞った後、加熱水蒸気を用いて12
0℃で10分間蒸熱した。その後、水洗し実施例1に準
じて油剤処理をし乾燥した。得られた改質テンセル原綿
の平均単繊維強度は3.3g/d、単繊維強度変動率は
14%であった。架橋度は6重量%であつた。続いて実
施例1と全く同じ条件で綿番手72/1の紡績糸に紡績
した。該紡績糸のIPI値/1000mのネップ数は2
5個であつた。以降、実施例1に準じて製織、染色した
後、ピリング試験、ピーチスキン加工性試験を実施し
た。抗ピリング性は5級、ピーチスキン加工性も揉み加
工時間180分で実施例1と同程度で良好であった。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明者等はテンセル繊
維のセルラーゼ加工による抗ピリング加工において、先
に本発明者等が提案した発明である、テンセルの紡糸油
剤として付着しているアニオン界面活性剤を主とするイ
オン性界面活性剤がセルラーゼの触媒毒であり、該触媒
毒作用はセルラーゼ加工の前処理として熱水洗を徹底的
に行い、該活性剤の付着量を0.05重量%以下、好ま
しくは0.025重量%以下に規制した場合劇的に低減
され、単位力価(単位/g)×酵素濃度(%ows)×
酵素加工時間(分)で表される総酵素力価が50000
単位、好ましくは25000単位以下の非常に穏やかな
セルラーゼ加工を可能にした技術を基本にして、本発明
はさらに、該技術とテンセルの架橋改質、特にグリシジ
ル化合物による架橋改質を組み合わせることにより、先
の発明をさらに工業的に有利なものに改良した。その効
果として次ぎの項目等があげられる。
【0058】本発明は徹底的な熱水洗により総酵素力価
が従来の2分の1、乃至は4分の1と非常に穏やかなセ
ルラーゼ加工が可能になり、単繊維強度変動率が20%
以下、好ましくは15%以下の小さい範囲に抑制できる
ようになり、その分、繊維強度調整の度合を大きく取れ
るようになつた。これと架橋改質を組み合わせることに
より、従来のセルラーゼ加工を施さないで架橋改質のみ
の場合にピーチスキン加工性が阻害されたのに対して、
本発明の場合、高度の抗ピリング性と良好なピーチスキ
ン加工性が両立する改質テンセル繊維の製造が可能にな
った。先の本発明者等による発明が平均単繊維強度が
3.0g/d以上の場合に抗ピリング性が完全に満足し
得なかったのに対して、本発明は、これに架橋改質を組
み合わせることによりこれを改善し5級を満足するよう
になつた。先の本発明者等による発明が、セルラーゼ加
工で平均単繊維強度が3.0g/d未満に調整した場合
に、通常のテンセル繊維の紡績条件、特にカード条件で
糸質がかなり損傷を受ける問題点があったが、上記の結
果、平均単繊維強度3.0g/d以上でも高度の抗ピリ
ング性になり、大規模生産、短時間処理、しかもピーチ
スキン加工性を阻害しない、テンセル原綿での抗ピリン
グ加工が可能になつた。従来、テンセル繊維のセルラー
ゼ加工の前処理として、必ず必要であった揉み叩き加工
が不要になり、単繊維表面がフィブリル化又はミクロフ
ィブリル化構造を呈していなくて、しかも高度な抗ピリ
ング性のテンセル原綿の製造が可能になつた。これによ
り経済的に有利で良好な品質の抗ピリング性テンセル紡
績糸の製造が可能になった。グリシジル化合物による架
橋改質により、反応染料による染色性、染色堅牢度が改
善された。
フロントページの続き (72)発明者 北村 優 長野県小県郡丸子町大字東内774番地1 (72)発明者 宮田 昌平 神戸市東灘区深江南町1丁目3番5号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤紡糸セルロース系繊維において、単
    繊維の表面が揉み叩き加工によるフィブリル化又はミク
    ロフィブリル化構造を呈しておらず、しかも該繊維から
    なる織編物の家庭用洗濯機法での抗ピリング試験にJI
    S L−1076法のピリング判定標準写真を準用して
    の判定で4級以上の抗ピリング性に架橋改質されていな
    がら、ピーチスキン加工性が改質前と同等或いは改質前
    より良好であり、さらに反応染料での染色性及び染色堅
    牢度が改質前より改善されていることを特徴とする溶剤
    紡糸セルロース系繊維及び該繊維からなる繊維構造物。
  2. 【請求項2】 溶剤紡糸セルロース系繊維において、単
    繊維の表面が揉み叩き加工によるフィブリル化又はミク
    ロフィブリル化構造を呈しておらず、しかも平均単繊維
    強度が3.0g/d以上、4.3g/d以下、単繊維強
    度変動率が20%以下に調整されていて、さらに、ジグ
    リシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル或いはグ
    リシジルアクリレート化合物により架橋改質されている
    ことを特徴とする、該繊維からなる織編物の家庭用洗濯
    機法での抗ピリング試験にJIS L−1076法のピ
    リング判定標準写真を準用しての判定で4級以上の抗ピ
    リング性でありながら、該繊維からなる織編物のピーチ
    スキン加工性が改質前と同等或いは改質前より良好であ
    り、さらに反応染料での染色性及び染色堅牢度が改質前
    より改善されていることを特徴とする溶剤紡糸セルロー
    ス系繊維及び該繊維からなる繊維構造物。
  3. 【請求項3】 溶剤紡糸セルロース系繊維の原綿、スラ
    イバー、紡績糸或いは織編物のセルラーゼによる改質加
    工において、予め該繊維に付着している紡糸油剤として
    のアニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤の付着量
    を0.05重量%以下となるように熱水で洗い落とし、
    かつセルラーゼ加工の総酵素力価(酵素力価(単位/
    g)×酵素濃度(%ows)×酵素加工時間(分))を
    25000単位以下に規制して該加工を実施し、さら
    に、ジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル
    或いはグリシジルアクリレート化合物により架橋改質す
    ることを特徴とする請求項1の溶剤紡糸セルロース系繊
    維及び該繊維からなる繊維構造物の製造法。
JP8220660A 1995-08-04 1996-08-01 抗ピリング性及びピーチスキン加工性に優れた溶剤紡糸セルロース系繊維、その繊維構造物及びその製造法 Pending JPH09137386A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200308737A1 (en) * 2017-10-06 2020-10-01 Lenzing Ag Knitted continuous filament lyocell fabrics
KR20220066206A (ko) * 2017-10-06 2022-05-23 렌징 악티엔게젤샤프트 라이오셀 필라멘트를 함유하거나 이로 이루어진 실크-라이크 직조 의복

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