JP2003342875A - セルロース繊維の加工方法 - Google Patents

セルロース繊維の加工方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース繊維が本来具備している風合を損
なうことなく、速乾性に優れたセルロース繊維を得る。 【解決手段】 無緊張状態のセルロース繊維をアルカリ
金属水酸化物水溶液で処理し、水洗後に疎水性加工剤で
処理することによりセルロース繊維に疎水性を有するよ
うな改質加工を行い、繊維製品に速乾性を付与するセル
ロース繊維の加工方法であり、使用する疎水性加工剤が
樹脂加工剤、疎水化架橋剤又は疎水化剤であるセルロー
ス繊維の加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース繊維の
本来具備している特質を損なうことなく、更に疎水性の
機能を付与させる加工方法を提供するもので、この性能
を発現する紡績糸、編織された布帛、不織布、製紙等の
分野に供される優れたセルロース繊維を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から衣服の着用時、特に夏季におけ
る快適性を追求するために吸汗速乾性を有する繊維製品
の開発は広く行われてきた。一般には吸水性が低く、乾
燥速度の速いポリエステル繊維を用い、衣服の形状や構
成の工夫や、他の吸水性を有する繊維素材との組み合わ
せにより吸汗速乾性を付与する方法が多く用いられてい
る。一方、異素材との組み合わせによらず木綿やレーヨ
ン等のセルロース繊維のみにて吸汗速乾性の繊維製品を
得ようとすると、セルロース繊維の優れた吸水性や吸湿
性を抑えて、ポリエステル繊維のように吸水性が低く乾
燥速度を速くする改質が不可欠となる。セルロース繊維
に速乾性を付与するための方法として、一般的にはセル
ロース繊維を架橋反応させることにより膨潤度を減少さ
せる方法や、セルロース繊維を疎水化して含水率を減少
させる方法が考えられるが、セルロース繊維の本来具備
している吸水性をあまり疎外せずに、含水率を減少させ
速乾性を具現化する方法についてはこれまで解決されて
いなかった。
【0003】一方改質のための手段としてのセルロース
繊維の架橋反応は、防しわ性や寸法安定性を付与するた
めに織布や編地に形成した後に精練・漂白等の一連の前
処理を施した後に染色し、その後に架橋反応させ加工す
る方法が広く行われてきた。その中では、疎水性の架橋
剤による架橋反応や樹脂加工による膨潤抑制と同時に疎
水化を行うことも広く知られており、又、改質の手段と
して架橋反応を伴わず疎水化するために疎水性ポリマー
による繊維表面へのコーティングや、疎水性官能基を持
つ化学物質をセルロース繊維へ固定化反応させることも
広く知られていた。
【0004】無緊張状態のセルロース繊維を改質するた
めの手段として、特公昭45−24956号公報には、
原綿を精練・漂白した後に合成樹脂接着剤を繊維に固定
し、マーセル化処理して繊維層帯を得る方法が開示され
ており、特開昭59−173325号公報には寸法安定
性に優れた天然セルロース繊維紡績糸を得るために、繊
維束をマーセル化剤により処理した後で、開繊し紡績す
ることが開示されており、特開昭58−46142号公
報には原綿を下哂し、架橋剤及び解媒を含む溶液を付与
した後で、加熱処理し得た架橋原綿を紡績、紡糸、製編
織し、更にマーセル加工をする製造方法が開示され、特
公昭45−24957号公報には精練・漂白した繊維層
帯をマーセル化する方法が開示されてている。更に、セ
ルロース繊維内部まで改質する方法として、特開平8−
100368号公報には、予め内部親水化の機能剤をス
ライバー状態の天然セルロース繊維に含浸させた後に、
0.1〜50%の苛性ソーダの水溶液中で反応させる方
法が開示されている。又、吸水性を減少させるために特
公昭37−12039号公報には繊維素繊維若しくは布
帛をホルムアルデヒドにより架橋する方法が開示されて
おり、寸法安定性、防皺性改善のために特公昭38−1
2393号公報にはセルロース材料にメチロールフォス
フォラス重合物をアンモニアにより架橋する方法が開示
されている。しかしながら、セルロース繊維に疎水性能
を付与させることは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル繊維に代
表される疎水性の合成繊維を使用せずに、セルロース繊
維のみで速乾性を付与しようとすると、セルロース繊維
の膨潤度を抑制する改質加工が必要となるが、通常の編
織した生地への後加工による架橋反応及び樹脂加工処理
では、速乾性を高めるために含水率を高度に低下させる
目的での改質反応を強化すると非常に風合いが硬くなる
欠点が生じる。更に、含水率をより低下させたり、疎水
性が強すぎる改質加工をするとセルロース繊維が具備し
ている本来の吸水性を損なう恐れがあり、その改質の程
度のコントロールが非常に困難であり、セルロース繊維
の強力低下を生じる問題がある。又、セルロース繊維を
疎水化するために疎水性化学物質を固定化反応させる方
法や疎水性高分子化学物質を繊維表面にコーティングす
る方法でも、同様にその疎水性の程度をコントロールす
ることは困難であるという問題がある。
【0006】紡績糸を得る前に原綿やスライバー等への
改質加工によりセルロース繊維の本来具備している風合
いを低下することなく紡績糸を得る方法は従来から実施
されており、又、改質加工したセルロース繊維を紡績工
程において未加工のセルロース繊維と混紡したり、交撚
できることも知られており、繊維製品への吸水性のコン
トロールが比較的容易であるため工業的には確立された
技術として認められていた。しかしながら、これらの技
術によって原綿やスライバー等への加工においてセルロ
ース繊維を単に架橋剤処理や樹脂加工により含水率を低
下させる改質加工を実施しても、繊維表面のみの改質と
なり、得られたセルロース改質繊維は撥水性により、セ
ルロース繊維内部の水分が外部へ移行するものの繊維表
面からの蒸発が阻害され、遅乾性のセルロース繊維にな
るという欠点があった。
【0007】アルカリ金属水酸化物水溶液によるセルロ
ース繊維の処理はマーセル化とも呼ばれ、セルロース繊
維の改質加工方法として広く実用に供されている。前述
のように、紡績糸とする前に原綿やスライバー等に近い
状態でセルロース繊維を改質加工する方法については様
々な方法が開示されている。マーセル化の方法は前述の
特公昭45−24956号公報等に開示されているが、
スライバー状のセルロース繊維をマーセル化するとマー
セル化の前後でセルロース繊維が膨潤した後で収縮する
ために繊維表面が荒れた状態になり、そのまま紡績工程
に移行すると、開繊性、紡績性が劣る等の欠点が指摘さ
れている。又、マーセル化によって寸法安定性や染色性
の向上は図れるものの、その他の機能を付与する方法に
ついては開示されていない。
【0008】セルロース繊維への架橋反応による機能化
付与を行う方法についても前述の特公昭37−1203
9号公報等に開示されているが、これらの方法ではセル
ロース繊維の表面のみに架橋反応させるという機能化改
質となるため、例えば、疎水化処理を行うと撥水性が強
くなり過ぎ、吸水性を損なうという欠点があり、前述の
如く繊維内部への架橋反応が不十分であるために、繊維
内部に取り込まれた水分がその繊維内部の親水性のため
と、水分の繊維内部から外部への移行はあるものの繊維
表面の疎水化により乾燥が非常に困難になる傾向がある
ために、工業的には採用されていない。又、前述の特開
平8−100368号公報に開示された方法のように予
め機能化剤を繊維に含浸させた後にアルカリ性で反応さ
せることで繊維内部への架橋反応は可能となるが、その
反応方法がバッチ法であり、高濃度のアルカリで加熱処
理することが必要となるため、セルロース繊維へのダメ
ージ、変色等の問題が解決されていない。又、特開平8
−100368号公報にはマーセル化と共に架橋反応を
行なうという記載はない。本発明は、セルロース繊維に
疎水性機能を具備させ、速乾性の優れたセルロース繊維
を得る加工方法である。
【0009】
【課題を解決するための手段】セルロース繊維をマーセ
ル化すると繊維が膨潤し繊維内部への機能化剤の移行が
可能となり、繊維内部での反応も可能となることを見出
し、出願人はセルロース繊維をアルカリ存在下で反応す
る親水性の架橋剤で処理することにより、吸水性、吸湿
性、放湿性、染色性、風合の優れたセルロース繊維を得
る加工方法を発明し、特願2001−166066号と
して出願した。
【0010】更に、夏季の衣料用途としてセルロース繊
維でありながら疎水性を有する機能を付与する方法につ
いての検討を重ねた結果、本発明者等は、無緊張状態の
セルロース繊維を金属水酸化物水溶液で処理した後に疎
水性の加工剤を繊維内部までも反応させることで、上述
の欠点を解決しセルロース繊維が本来具備している風合
を損なうことなくむしろ向上させた上で、セルロース繊
維が夏季の衣料品に要求される疎水性を併せ持つ改質加
工をすることにより速乾姓を付与できることを見いだし
本発明に至った。
【0011】即ち本発明は、無緊張状態のセルロース繊
維をアルカリ金属水酸化物水溶液で処理し、水洗後に疎
水性加工剤で処理することを特徴とするセルロース繊維
の加工法であり、又、使用する疎水性加工剤が樹脂加工
剤、疎水化架橋剤又は疎水化剤であるセルロース繊維の
加工方法に係る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるセルロース繊
維は木綿、麻等の天然セルロース繊維や、レーヨン、ポ
リノジック、キュプラ、テンセル、リヨセル等の再生セ
ルロース繊維が挙げられるが、本発明の処理による効果
の発現から見ると天然セルロース繊維への応用が好適で
ある。セルロース繊維の形態としては、繊維が束縛され
ていない状態、すなわち、無緊張状態であればよく、原
綿、混打綿ラップ、スライバー等から適宜選ばれる。ま
た、精練、漂白の前処理の有無に関係なく、本発明を実
施することは可能であるが、反応効率や反応の均一性を
考慮すると精練、漂白の前処理済みのセルロース繊維が
好ましい。
【0013】本発明で用いられるアルカリ金属水酸化物
としては、セルロース繊維をマーセル化する効果があれ
ばよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、水酸化セシウムが挙げられ、これらか
ら適宜選択される。本発明ではアルカリ金属水酸化物の
水溶液の状態で用い、その濃度は10〜40重量%が好
ましく、使用時の温度は常温でよい。アルカリ金属水酸
化物水溶液をセルロース繊維に含浸させる方法としては
スプレー法、コーティング法、含浸法が挙げられるが、
いずれの方法で処理してもよい。またアルカリ金属水酸
化物水溶液でセルロース繊維を処理する時間は、選定す
る方法によって様々であるが、通常2秒以上でアルカリ
金属水酸化物水溶液が均一に浸透する時間であればよ
い。処理後、水洗してアルカリ金属水酸化物水溶液を除
去するが、酢酸等の酸を用いて中和することもできる。
【0014】アルカリ金属水酸化物水溶液を除去した後
に添加する疎水性加工剤としては、樹脂加工剤、疎水化
架橋剤又は疎水化剤が挙げられるが、セルロース繊維と
反応可能な官能基を有するものであればよく、例えばエ
ポキシ、ハロゲンヒドリン、ハロゲン化アルキル、イソ
シアネート、カルボキシル基、アシルハライド、酸無水
物、エステル、アルコール等が挙げられる。疎水性加工
剤として樹脂加工剤は、一例を挙げると、N−メチロー
ル系樹脂加工剤が好ましい。この樹脂加工剤は触媒を添
加し、加熱処理することにより反応性モノマーが重合
し、セルロース系繊維上に三次元的な樹脂を形成するも
のであり、具体的には、ジメチロールエチレン尿素、ジ
メチロールウロン、ジメチロールトリアゾン、ジメチロ
ールプロピレン尿素、ジメチロール−4−メトキシ−
5,5−ジメチルプロピレン尿素、ジメチロールジヒド
ロキシエチレン尿素、ジメチロールアルキルカーバメー
ト、メチル化ジメチロールジメトキシエチレン尿素、
1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−エチレン尿
素等が挙げられる。又、これらの樹脂加工剤の重合架橋
反応を促進する触媒としては、用いる樹脂加工剤に適す
るものを用いればよく、例えば、住友化学工業(株)
製、商品名:スミテックスアクセラレーター X−11
0等が挙げられる。
【0015】疎水化架橋剤としては、ペンタエリスリト
ールポリグリシジルエーテルや1,6−ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル等が挙げられる。 疎水化剤と
しては、市販されている大和化学工業(株)製、商品
名:ネオドライTM−1等が挙げられる。
【0016】これらの疎水性加工剤である樹脂加工剤、
疎水化架橋剤又は疎水化剤は単独でも、二種又は三種混
合しても用いることができ、又、別の機能を付与するた
めに他の機能化剤を混合して用いることもできる。
【0017】得られたセルロース繊維は洗浄された後
に、乾燥、開繊、紡績、編織、不織布、製紙等の通常の
工程を経て繊維製品とすることができる。衣料の繊維製
品は、本発明によって得られたセルロース繊維と目的に
応じて未処理のセルロース繊維や他の繊維等と任意の割
合での混紡した紡績糸や交撚糸を用いて得てもよく、
又、それらを用いて交編織して得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明について、実施例により具体的
に説明するが、本発明はこの範囲に限定されるものでは
ない。本発明は無緊張状態でのセルロース繊維の加工方
法であるが、発明の効果を明確にするために、本発明の
加工後の繊維からなる編地で評価した。本実施例での測
定方法と評価方法は、以下の方法に基づいて実施した。
【0019】・吸水性の評価方法 JIS L1907−1994「繊維製品の吸水性試験
方法」5.1.1滴下法に基づいて試料を直径150m
mの試料保持枠に取付け、ビュレットで高さ10mmの
ところから水を1滴滴下し、水滴が試料の表面に達した
ときからその水滴が特別な反射をしなくなるまでの時間
を測定した。
【0020】・速乾性の評価方法 試料約5gを水に浸漬した後、1000Gで10分間遠
心脱水し、40℃の乾燥機中に放置し、水分率が50%
になるまでの時間を測定した。
【0021】・染色性の評価方法 編地とした試料を精練助剤〔商品名:クリーンN−1
5、一方社油脂工業(株)製〕1.0g/l、ソーダ灰
2g/lを含む処理液中で浴比1:30、温度80℃で
30分間精練した後、反応性染料〔商品名:Sumif
ix BlackB 150%、住化染料テック(株)
製〕2.5%owf、芒硝50g/l、ソーダ灰20g
/lを含む染色浴中で浴比1:30、温度65℃で60
分間染色した。次いで、水洗、湯洗、ソーピング、水洗
した後、乾燥し染色した試料を得た。この試料の測色デ
ータをフラットベッドスキャナー〔型式:GT−950
0、EPSON製〕を用いて測定し、混合減色モデルの
シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)成分を
各256段階で数値化し、次式により染色性を求めた。
【数1】
【0022】・風合の評価 被験者10人で本発明の疎水化処理を施したセルロース
繊維を用いて作成した編地の風合を触感判定し、風合が
良いもの1点、悪いもの0点とし、各人に評価してもら
いその総点から下記の基準に従い風合を判定した。 ○ (良好):8〜10点、 △ (やや良い):4〜7点、 ×(悪い):0〜3点
【0023】〔実施例1〕常法により精練漂白した木綿
原綿(平均繊維長29mm、平均繊度0.222te
x)を準備し、5.0重量%、10.0重量%、15.
0重量%、30.0重量%、45.0重量%、50.0
重量%の水酸化ナトリウム水溶液に夫々浴比1:10、
室温で30分間浸漬した後、処理液をブローし、洗滌液
が中性になるまで十分に水洗した。次いで疎水性加工剤
である樹脂加工剤〔商品名:アルコフィックスPL88
63、クラリアントジャパン(株)製〕4.0重量%、
触媒〔商品名:リケンフィクサーMX−18、三木理研
工業(株)製〕1.2重量%、油剤〔商品名:マーポゾ
ールP−138、松本油脂製薬(株)製〕5.0重量%
の混合水溶液を6つ準備し、水酸化ナトリウム水溶液処
理した夫々の木綿原綿を夫々に浴比1:10、室温で3
0分間浸漬後、絞り率100%になるように遠心脱水し
た後に130℃で熱風乾燥し、疎水化原綿を得た。得ら
れた疎水化原綿それぞれをクイックスピンシステム(型
式:QSS−20、SDL Internatinal
LTD製)を用いて29.53texの紡績糸を得た
後、これらの紡績糸を使用して丸編み機を用いて編地を
作成し、試料No.1〜No.6とした。
【0024】比較のために上記の精練漂白した木綿原綿
を原料として、何ら処理せず上記のクイックスピンシス
テムを用いて29.53texの紡績糸とし、この紡績
糸を使用して丸編み機を用いて編地を作成し、比較試料
No.1とした。
【0025】また、上記精練漂白した木綿原綿を原料と
して、水酸化ナトリウム水溶液による処理を行わずに、
前述と同一の樹脂加工剤4.0重量%、触媒1.2重量
%、油剤5.0重量%の混合水溶液に浴比1:10、室
温で30分間浸漬後、絞り率が100%になるように遠
心脱水した後に、130℃で熱風乾燥した疎水化原綿
を、クイックスピンシステムを用いて29.53tex
の紡績糸を得た後、この紡績糸を使用して丸編み機を用
いて編地を作成し、比較試料No.2とした。得られた
各試料の吸水性、速乾性、染色性、風合を測定し、その
結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1より明らかな通り、水酸化ナトリウム
水溶液の濃度10.0〜45.0重量%で処理した後、
樹脂加工剤で処理した試料No.2〜No.5はいずれ
も未処理の比較試料No.1と比較して吸水性はやや落
ちるものの速乾性、染色性及び風合は向上した。また、
水酸化ナトリウム50.0重量%水溶液で処理した試料
6は強力が低下し、紡績糸を得ることができなかった。
水酸化ナトリウム5.0重量%水溶液で処理した後、樹
脂加工剤で処理した試料No.1および水酸化ナトリウ
ム処理をしないで樹脂加工剤で処理した比較試料No.
2の吸水性、速乾性は未処理の比較試料No.1と比べ
て低下し、水酸化ナトリウム処理をしないで、樹脂加工
剤で処理しただけでは効果が劣る。
【0028】〔実施例2〕常法により精練漂白した木綿
原綿(平均繊維長29mm、平均繊度0.222te
x)を15.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浴比
1:10、室温で30分間浸漬した後、処理液をブロー
し、洗浄液が中性になるまで十分に水洗した。このアル
カリ処理綿を7等分した。次いで、実施例1で用いた疎
水性加工剤である同一の樹脂加工剤、触媒、油剤を表2
に示す様な濃度に調製した混合水溶液を6つ準備し、ア
ルカリ処理綿をそれぞれの混合水溶液に浴比1:10、
室温で30分間浸漬後、絞り率が100%になるように
遠心脱水した後に130℃で熱風乾燥し、疎水化原綿を
得た。得られた疎水化原綿それぞれを実施例1と同様に
クイックスピンシステムを用いて29.53texの紡
績糸を得た後、これらの紡績糸を使用して丸編み機を用
いて編地を作成し、試料No.7〜No.12とした。
【0029】また、前述のアルカリ処理綿を乾燥した
後、実施例1に記載のクイックスピンシステムを用いて
29.53texの紡績糸を得た後、この紡績糸を使用
して丸編み機を用いて編地を作成し、比較試料No.3
とした。得られた各試料の吸水性、速乾性、染色性、風
合を測定し、その結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2より明らかな通り、15.0重量%の
水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、2.0〜8.0
重量%の樹脂加工剤水溶液で疎水化処理した試料No.
8〜No.10はいずれも実施例1の未処理の比較試料
1と比較して吸水性はやや落ちるものの速乾性と風合は
向上し、染色性は大差がなかった。また、15.0重量
%の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、16.0重
量%の樹脂加工剤水溶液で処理した試料No.12は強
力が低下し、紡績糸を得ることができなかった。15.
0重量%の水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、1
2.0重量%の樹脂加工剤水溶液で処理した試料No.
11は疎水化が強くなりすぎ、吸水性が著しく低下し
た。15.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液で処理し
た後、1.0重量%の樹脂加工剤水溶液で疎水化処理し
た試料No.1および15.0重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液で処理しただけの比較試料No.3は、実施例
1に記載の比較試料No.1に比べて風合は良くなって
いたが速乾性の向上が見られなかった。
【0032】〔実施例3〕常法により精練漂白した木綿
原綿(平均繊維長29mm、平均繊度0.222te
x)を15.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浴比
1:10、室温で30分間浸漬した後、処理液をブロー
し、洗浄液が中性になるまで十分に水洗した。このアル
カリ処理綿を4等分し、それぞれを疎水性加工剤として
樹脂加工剤〔商品名:リケンレジンRG−20E、三木
理研工業(株)製〕4.0重量%、触媒〔商品名:リケ
ンフィクサーMX−18、三木理研工業(株)製〕1.
2重量%、油剤〔商品名:マーポゾールP−138、松
本油脂製薬(株)製〕5.0重量%の混合水溶液、疎水
性加工剤として疎水化架橋剤であるペンタエリスリトー
ルポリグリシジルエーテル〔商品名:デナコールEX−
411、ナガセケムテックス(株)製〕4.0重量%、
同一の触媒1.2重量%、同一の油剤5.0重量%の混
合水溶液、疎水性加工剤として疎水化架橋剤である1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル〔商品名:
デナコールEX−212、ナガセケムテックス(株)
製〕4.0重量%、同一の触媒1.2重量%、同一の油
剤5.0重量%の混合水溶液、疎水性加工剤として疎水
化剤〔商品名:ネオドライTM−1、大和化学工業
(株)製〕4.0重量%、同一の触媒1.2重量%、同
一の油剤5.0重量%の混合水溶液を準備し夫々の混合
水溶液にアルカリ処理綿を夫々浴比1:10、室温で3
0分間浸漬後、絞り率100%になるように遠心脱水し
た後に130℃で熱風乾燥し、疎水化原綿を得た。得ら
れた疎水化原綿それぞれを同様にクイックスピンシステ
ムを用いて29.53texの紡績糸を得た後、これら
の紡績糸を使用して丸編み機を用いて編地を作成し、試
料No.13〜No.16とした。得られた各試料の吸
水性、速乾性、染色性、風合を測定し、その結果を表3
に示した。
【0033】
【表3】
【0034】表3より明らかな通り、実施例1、実施例
2の疎水性加工剤とは異なる疎水性加工剤である樹脂加
工剤、疎水化架橋剤及び疎水化剤を用いても、吸水性を
ほとんど低下させることなく、速乾性、染色性及び風合
が向上した。
【0035】
【発明の効果】本発明セルロース繊維の加工方法により
得られたセルロース繊維を用いた繊維製品は、セルロー
ス繊維本来の特徴である吸水性、染色性、風合いがより
優れているのみならず、速乾性が優れているので衣料品
の素材として好適に用いることができ、特に夏季におい
て着心地が勝れる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L031 AA02 AB01 BA11 CA01 4L033 AA02 AB01 AB03 AB05 AB06 AC03 AC15 CA49 CA50

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無緊張状態のセルロース繊維をアルカリ
    金属水酸化物水溶液で処理し、水洗後に疎水性加工剤で
    処理することを特徴とするセルロース繊維の加工方法。
  2. 【請求項2】 疎水性加工剤が樹脂加工剤、疎水化架橋
    剤又は疎水化剤であることを特徴とする請求項1に記載
    のセルロース繊維の加工方法。
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