JPH09137317A - 極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸装置、その紡糸方法及び製造方法 - Google Patents

極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸装置、その紡糸方法及び製造方法

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JPH09137317A
JPH09137317A JP29429995A JP29429995A JPH09137317A JP H09137317 A JPH09137317 A JP H09137317A JP 29429995 A JP29429995 A JP 29429995A JP 29429995 A JP29429995 A JP 29429995A JP H09137317 A JPH09137317 A JP H09137317A
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spinning
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cooling air
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Hisashi Kuroda
久 黒田
Hideo Sakakura
秀夫 坂倉
Hiroshi Kon
博史 今
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速で紡糸した場合にも断面斑及び繊度斑の発
生を抑制できるポリエステル極細マルチフィラメントの
溶融紡糸装置、その紡糸方法及び製造方法を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】溶融押出装置(1) 、冷却装置(4) 、油剤付
与装置(5) 及び巻取装置(9) から構成される溶融紡糸装
置において、紡糸口金(11)面と冷却風の吹出部の上端面
(4a)との距離を15〜60mmに設定し、紡糸口金パッ
クを装着する紡糸頭の下面と冷却域の間の冷却風の流入
を遮断し阻止する仕切り板(2) を設けると共に、前記紡
糸口金パックの下部と前記仕切り板(2) との間に紡糸口
金パック周囲への冷却風の流動を防ぐ円筒状の仕切り手
段(3) を設けることにより、冷却風による紡糸口金(11)
面の温度斑を減少させて同口金(11)面の雰囲気温度を安
定させ、フィラメントに生じる断面斑及び繊度斑を低減
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製糸操業性に優れ、染
め品質が良好なポリエステルの極細マルチフィラメント
を紡糸するための溶融紡糸装置とその紡糸方法及び製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極細繊維は、柔軟性に富み優れた風合い
を有していることから、人工皮革、ピーチスキン調織
物、高密度織物等の素材として広く用いられている。か
かる極細繊維のうち極細フィラメントを製造する方法と
しては、例えば、 海島型繊維の海成分を溶解除去して極細の島成分を
取り出し極細フィラメントを製造する方法、 2成分を相互に介在させて複合紡糸した接合型複合
繊維を割繊にて極細繊維に分割し極細フィラメントを製
造する方法、 通常の紡糸・延伸工程の諸条件を極細繊維向きに改
良して極細フィラメントを製造する方法、 などの方法が知られている。の方法においては、海島
型繊維は2種以上のポリマーを使用して紡糸され、この
紡糸には特殊な紡糸機が使用されることに加えて、極細
フィラメントを得るためには、最終仕上げ工程で海成分
を溶解除去しなければならず、工程が複雑である上に、
その製品コストも非常に高額なものとなる。
【0003】また、の方法においても、特殊な紡糸機
を使用して2種以上のポリマーを複合紡糸しなければな
らず、また、同複合繊維は必要に応じて延伸等の加工工
程を経た後に最終仕上げ工程において割繊がなされるた
め、工程が複雑で、製品コストが高額となる。更には、
工程安定性を確保するために紡糸工程及び加工工程にお
いて複合繊維の部分的な割繊を制御しなければならな
い。また最終仕上げ工程での割繊が不完全であった場合
には染品質が劣る等の問題が生じる。
【0004】一方、の方法は、従来の紡糸・延伸工程
の諸条件を改良したものであり、特殊な装置や複雑な工
程を必要としないため、製品コストを安価にすることが
できる。しかし、単糸繊度をより小さくした場合には、
糸条に発生する断面斑および繊度斑が増加し、紡糸・延
伸工程での製糸安定性を確保しつつ染品質に優れた極細
フィラメントを得ることが困難となる。そのため、従来
から紡糸口金の吐出孔の孔径、孔長/孔径の比、吐出孔
の配列等紡糸口金の改良がなされ、また冷却風の温度、
風速の制御及び冷却風の整流化等により断面斑及び繊度
斑の低減を図っている。
【0005】しかしながら、その改善も十分とはいえ
ず、更に繊維構造がPOYの糸物性を示すように高速で
紡糸する場合においては、依然として、断面斑および繊
度斑が多数発生し、染品質にも劣るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
の紡糸装置において改良を施すことにより、断面斑及び
繊度斑を更に低減させ、高速で紡糸した場合にも断面斑
及び繊度斑の発生を抑制することのできるポリエステル
極細マルチフィラメントの溶融紡糸装置を得ることを課
題とする。更には、その装置を使用した紡糸巻き取り後
の単糸繊度が1.0d以下であり染品質にも優れたマル
チフィラメントを得るための紡糸方法、及び紡糸した後
に延伸処理を施して、単糸繊度が0.6d以下であるフ
ィラメントを得るための製造方法を提供することをも課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ポリエチレンテレフタレートを主成分と
するポリエステルポリマーを溶融して紡糸口金から糸条
を吐出し、前記糸条に冷却風を吹き付けて冷却固化し、
前記糸条に油剤を付与した後に一対の引取ローラーを介
して前記糸条を巻き取る溶融紡糸装置において、前記紡
糸口金面と前記冷却風の吹き出し部の上端面との距離を
15〜60mmに設定し、紡糸口金パックを装着する紡
糸頭の下面と冷却域の間に冷却風を遮断しその流入を阻
止する仕切り板を設けると共に、前記紡糸口金パックの
下部と前記仕切り板との間に紡糸口金パック周囲への冷
却風の流動を防ぐ円筒状の仕切り手段を設けることを特
徴とする極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸装置を主
要な構成とする。
【0008】前記仕切り手段は、紡糸口金パックの下部
から延在し、上記仕切り板と接するように配設された円
筒形仕切り板であることが好ましく、また、前記仕切り
手段の他の好ましい態様としては、前記仕切り手段は紡
糸口金パックの下部の一部により構成され、上記仕切り
板に接する円筒部とする。
【0009】上述のように、紡糸口金面と前記冷却風の
吹き出し部の上端面との距離を15〜60mmに設定す
ることにより、各フィラメントを均一に冷却することが
でき、また冷却風による糸揺れを最小限に抑えることが
できる。更に、紡糸頭の下面と冷却域の間に仕切り板を
設けると共に、前記紡糸口金パックの下部と前記仕切り
板との間に円筒状の仕切り手段を設けることにより、冷
却風による紡糸口金面の温度斑が減少して同口金面の雰
囲気温度が安定し、フィラメントに生じる断面斑及び繊
度斑を低減させることができる。
【0010】更に、前述の装置を用いて、相対粘度が
1.45〜1.55である溶融ポリエステルポリマーを
巻取速度2000〜4000m/分で巻き取ることを特
徴とする極細マルチフィラメントの紡糸方法も本発明の
他の主要な構成をなす。前述の装置を用いることに加
え、相対粘度が1.45〜1.55である重合度が低い
ポリマーを使用することで伸長粘度が低下し、冷却固化
に伴う細化変動が安定に行われ、巻取速度2000〜4
000m/分の高速紡糸においても、フィラメントの断
面斑及び繊度斑が低減される。
【0011】好ましくは、上述の紡糸方法においては、
溶融紡糸装置は70以上の吐出孔を有する前記紡糸口金
を有し、同溶融紡糸装置を用いて、単糸繊度が1.0デ
ニール以下であるポリマー極細マルチフィラメントが製
造される。紡糸口金の吐出孔数が70未満である場合
に、単糸繊度を1.0d以下である極細マルチフィラメ
ントを得ようとすると吐出量が少なくなりすぎて全て紡
糸孔への均一なポリマー分配が難しく、糸切れの発生が
多い。一方、紡糸口金の吐出孔数が70以上とすると、
全ての紡糸孔へポリマーを均一に分配でき、吐出斑によ
る糸切れが防止され、特に単糸繊度が1.0d以下であ
る極細マルチフィラメントをも得ることができる。
【0012】更には、上述の方法を用いて紡糸された糸
条を更に延伸し、単糸繊度が0.6デニール以下のポリ
エステル極細マルチフィラメントを製造するすることを
特徴とする極細マルチフィラメントの製造方法をも本発
明の更に他の主要な構成をなす。
【0013】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細に説明
する。本発明におけるポリエステルとしては、ポリエチ
レンテレフタレートを主成分とするポリエステルを使用
する。その性質を本質的に変化させない範囲であればそ
の他の成分として、イソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸等のジカルボン酸、プロピレングリコー
ル、又は1.4−ブタンジオールやポリエチレングリコ
ール等のジオールを共重合させたコポリエステルを使用
することもできる。また、これらのポリエステルには艶
消剤、安定剤、表面改質剤等を添加することも可能であ
る。
【0014】ポリエステルポリマーの重合度を、溶融し
た状態にあるポリマーのフェノール/テトラクロルエタ
ン=1/1の混合溶媒中で測定した相対粘度で表すと、
通常の衣料用繊維の繊度に紡糸する場合に紡糸口金から
吐出される溶融ポリエステルの相対粘度は1.57〜
1.60である。これに対し、本発明ではポリエステル
ポリマーの相対粘度が1.45〜1.55である重合度
の低いポリマーを使用することが好ましい。これは、重
合度が低いポリマーを使用することで伸長粘度が低下
し、冷却固化に伴う細化変動が安定に行われるためであ
る。
【0015】以下、本発明の溶融紡糸装置の一実施例に
ついて図1を参照して詳細に説明する。本発明の溶融紡
糸装置は、溶融押出装置1、冷却装置4、油剤付与装置
5及び巻取装置9とを備えている。溶融押出装置1は紡
糸口金11を有しており、同装置1において溶融された
ポリマーは同紡糸口金11から吐出される。この紡糸口
金11の吐出孔の形状は、丸断面、三角断面、又は多葉
断面等の多様な断面形状のうち、いずれか所望の断面形
状を有するフィラメントを得るために適宜選択でき、限
定されるものではない。紡糸口金11から吐出された溶
融状態にある糸条は冷却装置4において冷却固化された
後、油剤付与装置5により油剤が付与され、その後一対
の引取ローラー7,8を介して巻取装置9により巻き取
られる。冷却装置4は、吐出された糸条に対して直交し
て冷却風を当てるタイプの装置を採用し、糸条に対し全
周方向から冷却風を吹き出す円周クエンチ方式や、糸条
に対し一方向から冷却風を吹き出す横吹きクエンチ方式
等を採用することができる。なお、図の符号6は仮撚付
与装置を示す。
【0016】同溶融装置1において、紡糸口金11面と
冷却装置4の上端面、即ち冷却風の吹出部の上端面4a
との距離Lは未延伸糸の繊度斑の良否を支配するうえで
重要である。繊度斑の発生を防止するためには紡糸口金
11から吐出された糸条を安定して急冷することが効果
的であり、また、同距離Lが大きくなると、吐出直後の
固化していない糸条に対する冷却風の吹き付けによる糸
条の揺れが大きくなり、断面斑、繊度斑が多数生じる。
そのため、紡糸口金11と冷却風の吹出部の上端面4a
はできるだけ近接させることが好ましいが、一方では、
紡糸口金11と冷却風の吹出部の上端面4aが近すぎる
と、同冷却風により紡糸口金11面に部分的な温度斑が
生じ、紡糸口金11面の雰囲気温度が大きく乱れ、各フ
ィラメントを均一に冷却することができず、各フィラメ
ント間に構造斑が発生する。
【0017】本発明者等は、かかる点から様々な検討の
結果、紡糸口金11面と冷却風の吹出部の上端面4aの
適正な距離Lを15〜60mmに設定することが重要で
あることを知った。すなわち、前記距離Lが15mm未
満では、冷却風による紡糸口金11面の雰囲気温度の乱
れが大きく、各フィラメント間の不均一冷却が発生し、
60mm以上では未固化領域が拡大するため、糸揺れが
大きく影響し、断面斑、繊度斑の改善効果が見られなく
なる。
【0018】また、本発明の溶融紡糸装置には、紡糸口
金パックを装着する紡糸頭の下面の直下で同下面と冷却
域との間には仕切り板2が設けられている。この仕切り
板2は冷却風が紡糸口金11面の雰囲気温度を乱さない
ように、冷却風を遮断しその流入を阻止している。更
に、紡糸口金パックの下部と前記仕切り板との間には円
筒状の仕切り手段が形成されている。この円筒状仕切り
手段として、図示実施例では、円筒形仕切り板3を採用
し、同仕切り板3を紡糸口金パックの下部と上記仕切り
板との間に互いが接するようにして配されている。この
円筒形仕切り板3により紡糸口金パック周囲の空気の流
動が防止される。
【0019】上述のように、紡糸口金面の雰囲気温度に
着目し、紡糸口金11面と冷却風の吹出部の上端面4a
との距離Lを15〜60mmの範囲に設定すると共に、
更に仕切り板2及び円筒形仕切り板3により冷却風を遮
断することにより、極細フィラメントの紡糸であっても
フィラメントに生じる断面斑及び繊度斑のいずれをも著
しく減少させることができ、各単糸間の構造のバラツキ
が改善され品質が向上する。
【0020】また、本発明にあっては前記円筒形仕切り
板3に代えて、紡糸口金パックの下部の一部を円筒状に
延設させて上記仕切り板2に接するようにさせてもよ
い。
【0021】更に、紡糸口金11の吐出孔数は、得られ
る糸条の繊度とフィラメントの単糸繊度により設定され
るが、単糸繊度が1.0d以下である極細マルチフィラ
メントを得るためには70〜170孔に設定することが
好ましい。70孔未満では、単糸繊度が1.0d以下で
ある極細マルチフィラメントを得るために同口金11へ
供給される溶融ポリマーの量は少ないために、全ての紡
糸孔へポリマーを供給することは難しく、吐出斑により
糸切れが発生し、生産性に劣る。一方、170孔以上で
あると、紡糸口金の直径は通常60〜80mmであるた
め、吐出孔同士の間隔が狭くなりそこから吐出されるフ
ィラメントを均一に冷却するのが困難となり、繊度斑が
増大して染品質が悪化し、更には紡糸時の糸切れの一因
ともなる。
【0022】また、上述の装置において、巻取装置9の
巻取速度は2,000〜4,000m/分に設定される
が、このような高速の巻き取りに対しても断面斑、繊度
斑が少ない染品質に優れた、単糸繊度が1.0d以下で
ある未延伸ポリエステル極細マルチフィラメントを安定
して紡糸することができる。
【0023】更に、この未延伸極細マルチフィラメント
は、通常のローラー加熱タイプ等の延伸機により容易に
延伸し得るものであり、本発明にあっては前記未延伸極
細マルチフィラメントを延伸させて単繊維繊度が0.6
d以下の延伸ポリエステル極細マルチフィラメントを製
造するに適している。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に更に具
体的に説明する。フェノール/テトラクロルエタン(1
/1重量比)の混合溶媒に試料を溶解し、ウベローデ粘
度計により25℃で測定した相対粘度が1.485、融
点256℃のポリエチレンテレフタレートを図1に示す
溶融紡糸装置を用いて紡糸した。紡糸口金として直径
0.20mmの紡糸孔を72孔有するものを使用し、吐
出量は冷却延伸後の延伸糸繊度が40d、伸度が30%
となるよう表1に示す値にそれぞれ設定し、紡糸温度は
295℃とした。紡糸口金と冷却風の吹出部の上端面と
の距離は表1に示すように様々に変化させて設定した。
全ての紡糸において紡糸頭と冷却装置の間には仕切り板
を設けたが、円筒状の仕切り板は表1に示すように配置
した。冷却には横吹きクエンチ方式の冷却装置を使用
し、冷却風は温度20℃、風速0.1mm/秒に設定し
た。冷却した糸条は、紡糸口金と引取ローラーの間に設
置した給油ガイドに導き、目標油分が計算上0.75w
t%となるような油分供給量で給油すると同時に集束
し、引き続き、給油ガイドの下方30mmの位置に設け
たエアー交絡装置でエアー圧0.3kg/cm2 で軽く
エアー交絡処理をした後、2個1対の引取ローラーを介
して2700m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。
【0025】更に、巻き取られた未延伸糸に、2段ロー
ラー加熱タイプの延伸機を使用して延伸温度85℃、熱
セット温度150℃、延伸後の延伸糸の伸度が30%と
なるように表1に示す伸倍率で延伸速度600m/分で
延伸処理を施し、延伸糸を得た。
【0026】上述のようにして得られた未延伸糸及び延
伸糸の物性について、下記の方法により測定し、その結
果を表1に示す。 粘度・伸度:島津製作所社製オートグラフ「SD−10
0C特形」にて測定。 試長=20cm、引張速度=20cm/分、初荷重=
0.03g/d 沸水収縮率(BWS):カセ法にて測定。 試長=1m×10回巻き、測定荷重=0.03g/d 100℃で30分沸水処理を施した後、収縮率を測定。 繊度斑(糸斑):計測器工業社製イブネスター「KET
−80C」にて測定。 (長周期)糸速=200m/分、測定モード=Iner
t 測定時間は1分。 (中周期)糸速=15m/分、測定モード=1/2In
ert 測定時間は1分。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示すように、本発明の範囲内におい
て紡糸された実施例1及び2はいずれも、未延伸糸及び
延伸糸ともに満足できる繊度斑、染品質のものであり、
未延伸糸はフィラメント数72、単糸繊度0.72〜
0.90dの極細マルチフィラメントであり、延伸加工
を施すと単糸繊度0.56dの更に極細の好適なマルチ
フィラメントが得られた。
【0029】これに対し、口金面と冷却風の吹出部の上
端面との距離が10mmである比較例1はその製糸安定
性が悪い。更に未延伸糸においても、特に中周期の測定
では繊度斑が多数測定され、また、断面斑が多数発生し
た。一方、口金面と冷却風の吹出部の上端面との距離が
100mmである比較例2は、製糸安定性は確保される
ものの、実施例と比較して未延伸糸の繊度斑及び断面斑
がどちらも劣り、更に、延伸糸における染品質が悪い。
即ち、口金面と冷却風の吹出部の上端面との距離は20
〜60mmの範囲に設定することが好ましい。
【0030】また、円筒状仕切り板が配設された実施例
2と配設されていない比較例3とを比べると、円筒状仕
切り板が配設されていない比較例3は製糸安定性が悪
く、更に未延伸糸の繊維斑が多数発生する。断面斑も実
施例2よりも多く、延伸糸においてもその繊維斑はかな
り多く、染品質も実施例2よりかなり劣るものである。
【0031】このことから、紡糸頭と冷却装置の間の仕
切り板に加えて更に円筒状仕切り板を設けることによ
り、冷却風が紡糸口金面に吹き付けるのを阻止し、紡糸
口金面に温度斑が生じることがなく、フィラメントを均
一に冷却してことができ、繊度斑及び断面斑の発生を低
減する。
【0032】
【発明の効果】本発明の装置によれば、紡糸口金面と前
記冷却風の吹出部の上端面との距離を15〜60mmに
設定することにより、口金面の温度斑がなくなりフィラ
メントが均一に冷却されると共に、冷却風による糸揺れ
が最小限に抑えられ、安定した糸条の吐出がなされる。
更に、紡糸頭の下面と冷却域の間に仕切り板を設けると
共に、前記紡糸口金パックの下部と前記仕切り板との間
に仕切り手段を設けることにより、冷却風が紡糸口金面
に直接吹き付けるのを阻止すると共に冷却風の口金面へ
の流入が遮断され、紡糸口金面の温度斑が減少して同口
金面の雰囲気温度が安定し、フィラメントが均一に冷却
され、断面斑及び繊度斑が更に低減される。
【0033】更に、前述の装置を用いて、相対粘度が
1.45〜1.55の低粘度の溶融ポリエステルポリマ
ーを使用して紡糸する方法によれば、伸長粘度が低下す
るために、冷却固化に伴う細化変動が安定に行われる。
また、70〜160の吐出孔を有する紡糸口金を採用す
ると、全ての紡糸孔へポリマーを均一に分配でき、吐出
斑による糸切れが防止され、特に単糸繊度が1.0d以
下である極細マルチフィラメントをも良好に得ることが
できる。更に、巻取速度2000〜4000m/分で高
速に巻き取る紡糸方法においても、上述の装置を用いる
ことで断面斑及び繊度斑が低減され、繊度が1.0d以
下の好適な極細マルチフィラメントが得られる また、
上述の方法を用いて紡糸された糸条を更に延伸すること
で、単糸繊度が0.6デニール以下のポリエステル極細
マルチフィラメントを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸
装置の概略図である。
【符号の説明】
1 溶融押出装置 11 紡糸口金 2 仕切り板 3 円筒形仕切り板 4 冷却装置 4a 上端面 5 油剤付与装置 6 仮撚付与装置 7,8 引取ローラー 9 巻取装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
    するポリエステルポリマーを溶融して紡糸口金から糸条
    を吐出し、前記糸条に冷却風を吹き付けて冷却固化し、
    前記糸条に油剤を付与した後に一対の引取ローラーを介
    して前記糸条を巻き取る溶融紡糸装置において、前記紡
    糸口金面と前記冷却風の吹き出し部の上端面との距離を
    15〜60mmに設定し、紡糸口金パックを装着する紡
    糸頭の下面と冷却域の間に冷却風を遮断しその流入を阻
    止する仕切り板を設けると共に、前記紡糸口金パックの
    下部と前記仕切り板との間に紡糸口金パック周囲への冷
    却風の流動を防ぐ円筒状の仕切り手段を設けることを特
    徴とする極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸装置。
  2. 【請求項2】 前記仕切り手段が紡糸口金パックの下部
    から延在し、上記仕切り板と接するように配設された円
    筒形仕切り板である請求項1記載の極細マルチフィラメ
    ント糸の溶融紡糸装置。
  3. 【請求項3】 前記仕切り手段が紡糸口金パックの下部
    の一部により構成され、上記仕切り板に接する円筒部で
    ある請求項1記載の極細マルチフィラメント糸の溶融紡
    糸装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置を用いて、相対粘度
    が1.45〜1.55である溶融ポリエステルポリマー
    を巻取速度2000〜4000m/分で巻き取ることを
    特徴とする極細マルチフィラメントの紡糸方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の溶融紡糸装置において紡
    糸口金が70以上の吐出孔を有してなり、同溶融紡糸装
    置を用いて、単糸繊度が1.0デニール以下であるポリ
    マー極細マルチフィラメントを製造する請求項4記載の
    紡糸方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の方法を用いて紡糸された
    糸条を更に延伸し、単糸繊度が0.6デニール以下のポ
    リエステル極細マルチフィラメントを製造するすること
    を特徴とする極細マルチフィラメントの製造方法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100404545B1 (ko) * 2001-06-29 2003-11-05 주식회사 효성 폴리에스터 극세 섬유의 제조방법
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CN104831384A (zh) * 2015-04-14 2015-08-12 上海大学 施加可调控脉冲磁场的熔体纺丝的方法及熔体纺丝装置
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CN106283229A (zh) * 2016-08-17 2017-01-04 江苏鸿顺合纤科技有限公司 一种可用于自粘无经纬向无纺布的中强涤锦复合丝的生产方法
CN112176434A (zh) * 2020-09-30 2021-01-05 福建凯邦锦纶科技有限公司 一种5dpf以上侧吹锦纶长丝的生产方法
CN115449905A (zh) * 2022-09-02 2022-12-09 新凤鸣集团湖州中石科技有限公司 一步法涤纶40s纺棉生产方法

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