JPH10158932A - ポリエステル極細繊維とその製造方法 - Google Patents

ポリエステル極細繊維とその製造方法

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JPH10158932A
JPH10158932A JP30920696A JP30920696A JPH10158932A JP H10158932 A JPH10158932 A JP H10158932A JP 30920696 A JP30920696 A JP 30920696A JP 30920696 A JP30920696 A JP 30920696A JP H10158932 A JPH10158932 A JP H10158932A
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spinning
polyester
fiber
speed
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JP30920696A
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Tadayoshi Koizumi
忠由 古泉
Kenichi Yoshioka
謙一 吉岡
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ループや毛羽の発生、繊度斑がなく均一性に
優れ、しかも強度や伸度などの力学特性や染色性にも優
れるポリエステル極細繊維を提供する。 【解決手段】 ポリエステル溶融紡出糸条をガラス転移
点以下に冷却し、加熱装置内を走行させて延伸熱処理
し、4000m/分以上で引き取るに際し、口金単孔吐出量(g
/min)/口金単孔面積(mm2 )をM、加熱装置の入口径
をG(mm)、紡速V(m/分)、延伸後の単糸デニールを
D、フィラメント数Nとしたとき、下記式を満たす条件
にて紡糸して得られる単糸デニールが1d以下、赤外吸
収法による全トランス分率のうち結晶領域のトランス分
率が50%以上のポリエステル繊維。 10≦M+5D≦65 (1) −20≦G−0.2N≦5 (2) −85≦M−0.02V≦−35 (3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊度斑が少なく糸質
性能の極めて優れたポリエステル極細繊維とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、強度や伸度などの
力学的特性、寸法安定性、その他の点から延伸して用い
るのが一般的である。従来のポリエステル繊維を製造法
により区分してみると、紡糸と延伸の2工程により得ら
れた糸(FOY)、紡糸直結延伸の1工程で得られた糸
(SDY)、5000m/分以上の高速で引取られた糸(DS
Y)等に分けられる。
【0003】しかし、FOYは工程が2工程に分けられ
工程間の移動による品質低下や、それによる次工程での
生産能率低下等の問題を生じることが多く、結果として
量産性の点でコスト面等の苦労が多かった。
【0004】また、SDYでは紡糸・延伸を1step化す
ることにより、工程性、量産性には優れているがローラ
ー上での熱処理において銘柄によっては糸切れが著しく
捲付の原因となる。更に繊維物性の点においてもFOY
に比べると一般的に収縮応力が低く、加工後の評価では
膨らみ感に乏しいものであった。さらにDSYでは工程
性、量産性は良好であるが、この製糸化方法では低収縮
(4〜5%)の糸しか得られず用途面で限られた。
【0005】更に1step法の一種として溶融紡出したポ
リエステル繊維を例えば4000m/分以上、または2000〜45
00m/分という高速で引き取りながら(高速で走行させな
がら)一旦そのガラス転移温度以下の温度にまで冷却し
た後、引続いて加熱帯域を通過させてその加熱帯域で延
伸させる方法が知られている(特公昭45- 1932号公報お
よび特公昭55-10684号公報)。
【0006】この方法では紡出させた糸条が高速で加熱
帯域を走行している間に、その加熱帯域内で空気抵抗が
走行糸条に作用して糸条の張力が増大して延伸が行われ
る。そのため、回転速度の異なる複数のローラーを用い
るというような機械的な延伸装置を特に使用する必要が
なくなり、簡略化した設備により延伸したポリエステル
繊維を効率的に製造できるという長所がある。しかしな
がら、この方法では延伸がローラー速度差による機械延
伸でないため加熱帯域の温度、糸条の走行速度、走行糸
条にかかる張力などによって繊維の品質が大きく左右さ
れ、加熱帯域における糸条の走行速度や走行糸条にかか
る張力などが微妙に変動しても延伸斑が生じ易く、それ
により断糸、ループ、毛羽、繊度斑などが起こり易いと
いう欠点がある。殊に、単糸デニールが1.0デニール
以下になると、工程性に関する前述の問題点は一層顕著
になり易かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ルー
プや毛羽の発生、繊度斑がなく均一性に優れ、しかも強
度や伸度などの力学特性や染色性にも優れる、高品質の
ポリエステル極細繊維とその製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者らは糸質性能の良好なポリエステル繊維の
繊維構造物性について検討し、更にその繊維を得るため
の製糸化方法として、紡出させたポリエステル糸条を一
旦ガラス転移温度以下に冷却した後、引き続いて高速で
引取りながら加熱帯域を通過させて加熱帯域で直接延伸
させてポリエステル繊維を製造する直接紡糸延伸法を行
うにあたりM値(単孔吐出量Q/単孔面積L)と単糸デ
ニール、M値と紡速、加熱帯域径とフィラメント数等に
ついて適性紡糸条件を定めることにより加熱帯域温度、
糸条の走行速度、走行糸条にかかる張力などに変動が少
なく、ループ、毛羽の発生がなく、しかも繊度斑のな
い、力学特性にも優れた延伸したポリエステル極細繊維
が良好な工程性で効率よく製造できることを見出して本
発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、単糸デニールDが1.
0d以下であり、かつ赤外吸収法による全トランス分率の
うち結晶領域のトランス分率が50%以上を占めることを
特徴とするポリエステル極細繊維である。
【0010】更に、本発明は、繊維形成性ポリエステル
を紡糸口金より、溶融紡出し紡出糸条を一旦ガラス転移
点以下の温度に冷却し、次いで加熱装置内を走行させ
て、延伸熱処理した後、油剤を付与し、4000m/分以上で
引き取る紡糸方法において、紡糸条件として、口金単孔
吐出量Q(g/min)/口金単孔面積L(mm2 )をMとし、
加熱装置の入口径をG(mm)、紡速V(m/分)、延伸後の
単糸デニールをD、フィラメント数Nとしたとき、下記
式(1)〜(3)を同時に満たす条件にて紡糸すること
を特徴とする上記のポリエステル極細繊維の製造方法で
ある。 10≦M+5D≦65 (1) −20≦G−0.2N≦5 (2) −85≦M−0.02V≦35 (3)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリエステルとは
溶融紡糸可能なポリエステルであればいずれでもよく特
に限定されないが、ポリエステルがポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート、或いはエチレ
ンテレフタレート単位および/またはブチレンテレフタ
レート単位を主たる構成単位とし、これに少量の他の共
重合単位を含有させたコポリエステルであるのが好まし
く、特にポリエチレンテレフタレートであるのがより好
ましい。
【0012】ポリエステルとして、エチレンテレフタレ
ート単位および/またはブチレンテレフタレート単位を
主とするコポリエステルを用いる場合には、コポリエス
テル中における他の共重合単位の割合が10モル%以下で
あるのが好ましく、その際の他の共重合単位の例として
は、イソフタル酸、フタル酸、2,6ナフタリンジカル
ボン酸、5−アルカリ金属スルホイソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸、また
はそれらのエステル形成性成分に由来するカルボン酸単
位;ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンシオールまたはエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどか
ら誘導される単位を挙げることができる。そして、コポ
リエステルは前記した共重合単位の1種又は2種以上を
含んでいることができる。
【0013】更にポリエステル中に必要に応じて蛍光増
白剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防
止剤、帯電防止剤、難燃剤、つや消しのための無機微粒
子その他添加剤の1種または2種以上含まれていてもよ
い。
【0014】本発明ではポリエステルの粘度や分子量に
ついては特に限定されず、溶融紡糸可能な粘度や分子量
であればよい。しかしウベローデ型粘度計においてフェ
ノールとテトラクロロエタン等量混合液中、30℃で測定
したときにその極限粘度〔η〕が0.60〜0.65のポリエス
テルを用いるのが紡糸性や得られるポリエステル繊維の
物性の点から好ましい。
【0015】また、本発明のポリエステル極細繊維とは
単糸デニールが1.0デニール以下、更に好ましくは
0.8デニール以下であるものをいう。1.0デニール
を越えると衣料用織物用途等に使用した場合に、目標と
する極細繊維の風合に欠けるものとなる。フィラメント
数に関しては特に限定されないが、デニールに応じた、
あるいは用途に応じたフィラメント数を採用することが
出来る。
【0016】次に、本発明のポリエステル極細繊維の繊
維構造は、赤外吸収法による全トランス分率(A)のう
ち結晶領域のトランス分率(B)の占める割合(B/
A)が50%以上であることを必要とする。すなわち、赤
外吸収法は下表1のようにコンホーメーション解析によ
り、非晶部をトランスとゴージュの2種に分類して比較
できるが全トランス分率(トランスCTtotal )のうち
50%以上、更に好ましくは60%以上が結晶領域のトラン
ス(CTcrys)である必要がある。全トランス分率のう
ち結晶領域のトランス分率が50%未満の場合には熱収縮
応力が低いものとなり織物とした場合に極細繊維として
の風合や表面感の乏しいものとなる。
【0017】
【表1】
【0018】次に本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は紡糸口金より溶融紡出した繊維形成
性ポリエステルの糸条を一旦ガラス転移点以下の温度に
冷却し、次いで加熱装置(加熱帯域と称することもあ
る)内を走行させて延伸−熱処理した後油剤を付与し、
4000m/分以上の引取速度で巻取るものである。この場合
の溶融紡出温度、溶融紡出速度などは特に制限されず、
ポリエステル繊維を製造するのに通常用いられているの
と同様の条件下で行うことができるが、一般に溶融紡出
温度を(ポリエステルの融点+20℃)〜(ポリエステル
溶融点+40℃)の範囲の温度(例えばポリエチレンテレ
フタレートの場合は一般に約280〜300℃)にし、
かつ溶融紡出速度(溶融紡出量)を約15〜50g/紡糸孔1
mm2 ・分程度とすると、品質の良好なポリエステル極細
繊維を良好な紡糸工程性で得ることができるので好まし
い。また、紡糸口金における紡糸孔の大きさや数、紡糸
孔の形状なども特に制限されず、目的とするポリエステ
ル極細繊維の単繊維繊度、総合デニール数、断面形状な
どに応じて調節することができる。紡糸孔(単孔)の大
きさは約 0.018〜0.07mm2 程度にしておくのが望まし
い。
【0019】そして、上記によって溶融紡出したポリエ
ステル繊維を、一旦そのガラス転移温度以下の温度、好
ましくはガラス転移温度よりも10℃以上低い温度に冷却
する。この場合の冷却方法や冷却装置としては、紡出し
たポリエステル繊維をそのガラス転移温度以下に冷却で
きる方法や装置であればいずれでもよく特に制限されな
いが、紡糸口金の下に冷却風吹き付け筒などの冷却風吹
き付け装置を設けておいて、紡出されてきたポリエステ
ル繊維に冷却風を吹き付けてガラス転移温度以下に冷却
するようにするのが好ましい。その際に冷却風の温度や
湿度、冷却風の吹き付け速度、紡出糸条に対する冷却風
の吹き付け角度などの冷却条件も特に制限されず、口金
から紡出されてきたポリエステル繊維の揺れなどを生じ
ないようにしながら速やかに且つ均一にガラス転移温度
以下にまで冷却できる条件であればいずれでもよい。そ
のうちでも、冷却風の温度を約20〜30℃、冷却風の湿度
を20〜60%、冷却風の吹き付け速度を 0.4〜 1.0m/秒速
度として、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け方向を紡
出方向に対して垂直にして紡出したポリエステル繊維の
冷却を行うのが、高品質のポリエステル繊維を円滑に得
ることができるので好ましい。また、冷却風吹き付け筒
を用いて前記の条件下で冷却を行う場合は、紡糸口金の
直下にやや間隔をあけてまたは間隔をあけないで、長さ
が約80〜 120cm程度の冷却風吹き付け筒を配置するのが
好ましい。
【0020】次に、ガラス転移温度以下にまで冷却した
ポリエステル繊維を引き続いてそのまま直接加熱帯域に
導入して延伸する。加熱帯域の温度はポリエステルの種
類などに応じて異なり得るが、ポリエステルのガラス転
移温度よりも40℃以上高い温度としておくと、得られる
ポリエステル繊維の物性を実用上満足のゆくものとする
ことができるので好ましく、例えばポリエチレンテレフ
タレート繊維の場合は加熱帯域の温度を約100℃以上
とするのが好ましい。加熱帯域の上限温度は、加熱帯域
内で繊維間の融着や糸切れ、単糸切れなどが生じないよ
うな温度であればよい。
【0021】加熱帯域の種類や構造は、加熱帯域内を走
行するポリエステル繊維を加熱帯域内の加熱手段などに
接触せずに加熱することができ、しかも加熱帯域内を走
行する糸条とそれを包囲する空気との間に抵抗を生じさ
せて糸条張力を増大させて、繊維に延伸を生じさせるこ
とのできる構造であればいずれでもよい。そのうちで
も、加熱帯域としては、筒状構造の加熱帯域が好ましく
用いられ、特に筒状壁自体がヒーターとなっている内径
約20〜50mm程度のチューブヒーターなどが好まし
い。
【0022】加熱帯域の紡糸口金からの設置位置、加熱
帯域の長さなどは、ポリエステル繊維の種類、ポリエス
テルの紡出量、ポリエステル繊維の冷却温度、ポリエス
テル繊維の走行速度、加熱帯域の温度、加熱帯域の内径
などに応じて調節できるが、紡糸口金直下から加熱帯域
の入口までの距離を 0.5〜 3.0m程度、特に極細繊維の
場合、糸ゆれ等の糸条走行安定性の点から 0.5〜 1.0m
が一層好ましく、そして加熱帯域の長さを 1.0〜 2.0m
程度としておくと、加熱帯域内でポリエステル繊維を加
熱して均一に円滑に延伸することができるので望まし
い。
【0023】そして、加熱帯域で延伸されたポリエステ
ル繊維に対して、必要に応じて油剤を付与してから、高
速で引き取る。本発明では、上記した一連の工程からな
る延伸したポリエステル繊維の製造工程を、ポリエステ
ル繊維の引取速度を4000m/分以上とすることが必要であ
り、引取速度が4500m/分以上であるのが好ましい。ポリ
エステル繊維の引取速度が4000m/分未満であると、加熱
帯域において繊維の延伸が十分に行われなくなり、得ら
れるポリエステル繊維の機械的物性が低下し、しかも上
記した一連の工程からなる本発明の方法が円滑に行われ
ず、特に加熱帯域における糸条の張力変動、過加熱など
が生じて、均一な延伸が行われにくくなる。
【0024】また、本発明を行うに当たってはM値(単
孔吐出量Q/単孔面積L)と単糸デニールD、加熱帯域
入口G(mm)とフィラメント数N、M値と紡糸V(m/
分)について 10≦M+5D≦65 (1) −20≦G−0.2N≦5 (2) −85≦M−0.02V≦35 (3) を同時に満足している必要がある。(1)式においてM
+5Dの値が10未満であるとノズル背圧が低く吐出不良
による断面不良あるいは巻付きの要因となる。一方、M
+5Dの値が65を越えるとノズル背圧が高すぎるため
メルトフラクチャー傾向となりやはり断面均斉度が悪く
なる。より好ましくは15≦M+5D≦50の範囲であ
る。
【0025】次に(2)式においてG−0.2Nの値が
−20未満であると紡糸時にフィラメント数に対して、
加熱帯域の入口径が小さくなりすぎ、ガイド抵抗による
単糸切れが生じやすくなり工程性を悪化させることとな
る。一方、G−0.2Nの値が5を越えると加熱帯域の
入口径が大きくなりすぎ、加熱帯域中の温度が冷される
ため糸条の延伸、熱処理が十分行われず繊維物性として
満足なものが得られない。加熱帯域出口径については品
質的にはできるだけ小さいことが望ましいが導糸時の糸
おろし作業性等を考えるとフィラメント数等銘柄に応じ
て8mm〜15mmが適当である。
【0026】また(3)式のM値と紡速VについてはM
−0.02Vの値が−85未満であるとノズル背圧不足
となりM−0.02Vの値が−35を越えるとノズル背
圧が高すぎることとなり、いずれの場合も繊度不良や工
程調子悪化の原因となる。この(1)〜(3)式を満足
することにより従来問題となっていた糸条の走行速度や
走行糸条にかかる張力変動からくる延伸斑による断糸、
ループ、毛羽等が大幅に改善される。また本発明では、
ポリエステル極細繊維の断面形状なども特に限定され
ず、通常の丸断面だけでなく、例えば楕円形、三角形、
方形、多角形、中空形、多葉形、アレイ形、V字形、T
字形などの異形断面であってもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明について実施例をあげて具体的
に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。尚、各実施例、比較例における物性値等は以下の方
法で測定した。 <繊維の強伸度>インストロン製の引張試験機を用いて
得られる応力−歪曲線より強伸度を求めた。 <トランス分率の定量>日本電子製FT−IR(JIR-5500)
及びMTEX社製光音響分光装置を用い988cm-1バンド
(結晶化バンド)のピーク面積A988 、793cm-1バン
ド(内部標準)のピーク面積A793 より( 1')式を用い
て結晶分率CTcrysを求めた。 CTcrys={ 1.12×( A988 /A793 ) + 0.092} ×100 (1’) また973cm−1バンド(トランス):O−C stre
tchingのピーク面積A973と793cm-1バンド(内部標
準)のピーク面積A793 より(2')式と(3')式から全
トランス分率CTtotal 及び非晶中のトランス分率CT
amorを求めた。 CTtotal =0.12×(A973 /A793 )×100 (2') CTamor=CTtotal −CTcrys (3') <ポリエステル繊維の均一性(ウースター斑:U%)>
ツエルベーカー社製ウスター斑試験機を用いて、糸を電
極間に一定速度で通し(糸速100m/分、レンジ±1
2.5%、チャート速度10cm/分)断面変化に比例
する電気容量の変化を連続測定し、糸の一定長さの平均
偏差係数U%を測定した。 〈製糸化工程評価〉工程調子良好(○)、量産としては
今一歩のレベル(△)、量産性ナシ(×) 〈染色・風合評価〉得られたポリエステル繊維を経糸お
よび緯糸として使い平織物を製織し通常の減量染色、仕
上加工を施し織物を得、これについてパネラー評価を実
施し、良好(○)、今一歩(△)、不良(×)で示し
た。
【0028】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(〔η〕=0.65)を孔数96
個(孔径0.15mmφ)の口金を用いて紡糸温度 295℃、単
孔吐出量(Q)0.40g/分で溶融紡出し温度25℃、湿度60
%の冷却風を0.5m/secの速度で紡出糸条に吹付け糸条を
70℃以下にした後、紡糸口金下方1.0mの位置に設置した
長さ1.0m、入口径10mm、出口径10mm、内径30mmφのチュ
ーブヒーター(内温 180℃)に導入してチューブヒータ
ー内で延伸した後、チューブヒーターから出て来た糸条
にカラス口ガイドで給油し2個の引取ローラーを介して
4700m/分の速度で巻取り75d/96fの延伸したポリエス
テル繊維を得た。その時の製糸化条件とできた繊維の構
造物性及び染色・風合評価を表2、表3に示した。
【0029】
【表2】
【表3】
【0030】実施例2 ポリエチレンテレフタレート(〔η〕=0.65)を孔数 1
44個(孔径0.15mmφ)の口金を用いて紡糸温度 298℃、
単孔吐出量(Q)0.26g/分で溶融紡糸し、温度25℃、湿
度60%の冷却風を0.5m/secの速度で紡出糸条に吹付け糸
条を70℃以下にした後、紡糸口金下方1.0mの位置に設置
した長さ1.0m、入口径12mm、出口径10mm、内径30mmφの
チューブヒーター(内温 180℃)に導入してチューブヒ
ーター内で延伸した後、チューブヒーターから出て来た
糸条にカラス口ガイド給油し2個の引取ローラーを介し
て4500m/分の速度で巻取り75d/144fの延伸したポリエ
ステル繊維を得た。その時の製糸化条件と出来た繊維の
構造、物性及び染色・風合評価を表2、表3に示した。
【0031】実施例3 ポリエチレンテレフタレート(〔η〕=0.65)を孔数96
個(孔径0.15mmφ)の口金を用いて紡糸温度 295℃、単
孔吐出量(Q)0.23g/分で溶融紡糸し、温度25℃、湿度
60%の冷却風を0.5m/secの速度で紡出糸条に吹付け、糸
条を70℃以下にした後、紡糸口金下方1.0mの位置に設置
した長さ1.0m、入口径10mm、出口径10mm、内径30mmφの
チューブヒーター(内温 200℃)に導入してチューブヒ
ーター内で延伸した後、チューブヒーターから出て来た
糸条にカラス口ガイド給油し2個の引取ローラーを介し
て4000m/分の速度で巻取り50d/96fの延伸したポリエ
ステル繊維を得た。その時の製糸化条件と出来た繊維の
構造、物性及び染色・風合評価を表2、表3に示した。
【0032】比較例1 紡糸口金を孔数96個(孔数 0.3mmφ)とし、単孔吐出量
(Q)0.35g/分、巻取速度を4000m/分に変えたこと以外
は実施例1と同様に製糸し75d/96fの延伸したポリエ
ステル繊維を得た。工程調子は断糸が多く不調だった。
また繊維の断面均斉度は不満足なレベルであり、U%波
形、織物評価の結果も良くなかった。出来た繊維の構
造、物性及び染色、風合評価を表2、表3に示した。
【0033】比較例2 単孔吐出量(Q)0.32g/分、巻取速度3700m/分に変えた
こと以外は実施例1と同様に製糸し、75d/96fの延伸し
たポリエステル繊維を得た。物性的に伸度が大きく熱応
力値が低目で織物評価は風合が乏しかった。出来た繊維
の構造、物性及び染色、風合評価を表2、表3に示し
た。
【0034】比較例3 チューブヒーター入口径を8mm、紡速を4000m/分とした
こと以外は、実施例2と全く同じ条件にて製糸し、75d
/ 144fの延伸したポリエステル繊維を得た。工程調子
は著しく悪く、断糸が頻発した。出来た繊維の構造、物
性を表2、表3に示した。しかし工程調子が悪く織物評
価に供するには至らなかった。
【0035】実施例1〜3により得られた繊維は、いず
れもその製糸化工程調子は良好であり、繊度斑がなく織
物評価も良好だった。一方、比較例1〜3では工程調子
が得られなかったり、工程調子が得られても物性的に不
十分であり、結果的に織物評価が不満足なものとなって
いた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸デニールDが1.0d以下であり、
    かつ赤外吸収法による全トランス分率のうち結晶領域の
    トランス分率が50%以上を占めることを特徴とするポ
    リエステル極細繊維。
  2. 【請求項2】 繊維形成性ポリエステルを紡糸口金より
    溶融紡出し、紡出糸条を一旦ガラス転移点以下の温度に
    冷却し、次いで加熱装置内を走行させて、延伸熱処理し
    た後、油剤を付与し、4000m/分以上で引き取る紡糸方法
    において、紡糸条件として、口金単孔吐出量Q(g/min)
    /口金単孔面積L(mm2 )をMとし、加熱装置の入口径
    をG(mm)、紡速V(m/分)、延伸後の単糸デニールを
    D、フィラメント数Nとしたとき、下記式(1)〜
    (3)を同時に満たす条件にて紡糸することを特徴とす
    る請求項1項に記載のポリエステル繊維の製造方法。 10≦M+5D≦65 (1) −20≦G−0.2N≦5 (2) −85≦M−0.02V≦−35 (3)
JP30920696A 1996-11-20 1996-11-20 ポリエステル極細繊維とその製造方法 Pending JPH10158932A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003041432A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Asahi Kasei Corp ポリエステル超極細繊維
CN102168318A (zh) * 2011-04-23 2011-08-31 无锡市太极实业股份有限公司 单部位四头2200dtex高模量低收缩聚酯工业丝的直接纺丝方法
CN102168319A (zh) * 2011-04-23 2011-08-31 无锡市太极实业股份有限公司 高强力高模量低收缩聚酯工业丝的生产方法
CN102181954A (zh) * 2011-04-23 2011-09-14 无锡市太极实业股份有限公司 高强力高伸长低收缩聚酯工业丝的生产方法

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