JPH09128827A - 光磁気記録媒体、記録方法及び光磁気記録装置 - Google Patents
光磁気記録媒体、記録方法及び光磁気記録装置Info
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Abstract
光磁気記録媒体及び当該光磁気記録媒体に信号を記録す
る記録方法及び記録装置を提供する 【解決手段】 磁界を印加してレーザ光を照射しながら
信号を記録する光磁気ディスクにおいて、透明基板を有
し、螺旋形状又は同心円状の案内溝を一部又は全面に有
して、案内溝と案内溝との間が信号記録領域とされ、案
内溝の幅をW(μm)、再生光の波長をλ(μm)、対
物レンズの開口数をNA、トラックピッチをTP(μ
m)、案内溝の深さをd(μm)及び透明基板の基板材
の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満たすようにする。
Description
ーザ光を照射しながら信号を記録する光磁気記録媒体、
この光磁気記録媒体に記録する際の記録方法及び光磁気
記録装置に関するものである。
クピッチTPは、再生光の波長λ及び対物レンズの開口
数NAにより決まるスポット径の値により制限されてい
た。すなわち、トラックピッチTPがスポット径よりも
狭いと、両側のトラックからの信号漏れこみ、すなわち
クロストークが増大するために、信号を読み取れなくな
るという問題があった。従って、クロストークの影響を
受けない範囲として、トラックピッチTPは、 TP>0.80λ/NA の式を満足することが必要とされ、このため、トラック
密度、すなわち記録容量を大きくすることができなかっ
た。
実効的に上記式で示される範囲よりも狭くする例も存在
している。
ックピッチTPの条件式にて示した範囲よりも狭い範囲
でトラックピッチが設定されている場合、記録媒体の案
内溝の深さについての議論がなされてないものがあり、
これらについては、案内溝の深さを狭いトラックにとっ
て最適な値に設定することによって得られるトラック密
度の向上分を考慮していない。
基板あるいは案内溝が形成される一般のプラスティック
基板を用いるのではなく、ガラス上に金属膜から成る案
内溝を螺旋状にフォトリソグラフィで形成した基板を用
いる場合に得られる効果を利用したものがあり、この場
合、通常のプラスティック成型基板に比べて基板の生産
性が劣りコストが高くなるという欠点を有している。
は案内溝内の何れか一方にのみ信号を記録するという通
常の記録方法を用いるのではなく、案内溝間及び案内溝
内の双方に信号を記録することによって、トラック密度
を向上する記録方法を用いているものもあり、この場
合、トラッキングの切り換え方法やプリフォーマットア
ドレス信号をどのように記録するかという問題等が生じ
るという欠点を有している。
されたものであり、通常の形状でありながら記録密度が
向上する光磁気記録媒体、当該光磁気記録媒体に信号を
記録する記録方法及び光磁気記録装置を提供することを
目的としている。
媒体は、上述の問題を解決するために、磁界を印加して
レーザ光を照射しながら信号を記録する光磁気記録媒体
において、螺旋形状又は同心円状の案内溝を一部又は全
面に有し、該案内溝と案内溝との間が信号記録領域とさ
れ、上記案内溝の幅をW(μm)、再生光の波長をλ
(μm)、対物レンズの開口数をNA、トラックピッチ
をTP(μm)、上記案内溝の深さをd(nm)、及び
光磁気記録媒体の基板材の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足することを特徴としている。
基板平面と垂直な方向の平均屈折率との差が、0.00
03以下であることが挙げられる。
度すなわち記録密度が向上するとともに、再生する際に
実用的なクロストークとCNRとが得られる。
基板平面と垂直な方向の平均屈折率との差を0.000
3以下とすることで、例えばプラスティック性の基板を
用いた場合にも光磁気記録媒体の高トラック密度化を実
現することができる。
題を解決するために、磁界を印加してレーザ光を照射し
ながら光磁気記録媒体にデータを記録する記録方法にお
いて、上記光磁気記録媒体は、螺旋形状又は同心円状の
案内溝を一部又は全面に有し、該案内溝と案内溝との間
が信号記録領域とされ、上記案内溝の幅をW(μm)、
再生光の波長をλ(μm)、対物レンズの開口数をN
A、トラックピッチをTP(μm)、上記案内溝の深さ
をd(nm)、及び光磁気記録媒体の基板材の屈折率を
ns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足し、記録又は消去用に用いられるレーザ光と
して、光量が時間とともに変化するパルス状に発振され
るレーザ光であって、かつパルス発光する時間の割合が
50%以下であることを特徴としている。
明基板からなり、螺旋形状又は同心円状の案内溝を一部
又は全面に有し、上記案内溝と案内溝との間に信号記録
領域を有する光磁気記録媒体と、上記光磁気記録媒体に
対向して設けられた対物レンズと、パルス状に発振しか
つパルス発光する時間の割合が50%以下である信号記
録用レーザ光を、上記対物レンズを介して上記光磁気記
録媒体に照射する光照射手段とからなり、上記案内溝の
幅をW(μm)、再生光の波長をλ(μm)、対物レン
ズの開口数をNA、トラックピッチをTP(μm)、上
記案内溝の深さをd(nm)、及び光磁気記録媒体の基
板材の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足することを特徴としている。
気記録媒体に信号を記録する際に、クロストークを低減
することができるとともに、再生するのに十分な強度で
信号が記録される。
体の具体的な例である光磁気ディスク及び本発明に係る
記録方法が適用される光磁気記録装置の具体的な例を、
図面を参照しながら説明する。
に、磁界を印加してレーザ光を照射しながら信号を記録
する光磁気ディスクにおいて、透明基板を有し、螺旋形
状又は同心円状の案内溝を一部又は全面に有しており、
案内溝と案内溝との間に信号が記録される領域とされ、
上記案内溝の幅をW(nm)、再生光の波長をλ(μ
m)、対物レンズの開口数をNA、トラックピッチをT
P(μm)、上記案内溝の深さをd(nm)、及び光磁
気記録媒体の基板材の屈折率をns とした場合、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/NA) ・・・(1) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) ・・・(2) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) ・・・(3) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) ・・・(4) の式を満足するようになっている。なお、案内溝幅は、
案内溝深さdがd/2となるような幅を指している。
長及び対物レンズの開口数に基づいて規格化された値で
あることを示す。
ように、基板1から順に、窒化硅素層2、磁性層3、窒
化硅素層4、アルミニウム層5、保護膜及び潤滑剤層6
から成る。
rization法)にて案内溝が形成された厚さ1.2mmの
ガラス基板である。続いて、窒化硅素層2は、スパッタ
リング法にて基板1上に成膜された膜厚70nmの薄膜
である。
素層2の表面に成膜された膜厚20nmの薄膜であり、
この磁性層3はアモルファステルビウム−鉄−コバルト
(TbFeCo)/ガドリニウム−鉄−コバルト(Gd
FeCo)交換結合2層膜から成り、例えばTbFeC
o層が15nm、GdFeCo層が5nmの膜厚を有し
ている。
法にて磁性層3の表面に成膜された膜厚25nmの薄膜
である。また、アルミニウム層5は、スパッタリング法
にて窒化硅素層4の表面に成膜された膜厚60nmの薄
膜である。
潤滑剤層6が形成されており、保護膜は紫外線硬化樹脂
により保護膜が形成された膜で、潤滑材は該保護膜の表
面に塗布されたシリコン系潤滑剤である。
るのに、例えば磁界変調記録方法をとる。図3に、記録
用レーザ光と変調磁界とを模式的に示し、また、表1に
記録再生時の条件を示す。
ルステッド(Oe)、また、記録時のレーザ光は12m
Wのパルス出力で12ns間だけ照射される。さらに、
レーザ光の変調磁界に同期したある一定の周期すなわち
チャンネルクロックは26MHzであり、パルス間隔は
15nsである。また、表1によれば、再生時のレーザ
光パルス出力を1.2mWとしている。
ックピッチTP、案内溝深さdに関する説明では、この
変調磁界を印加しながら記録用レーザ光を照射して1.
6MHzの信号を予め記録した光磁気ディスクを表1に
示した条件で再生して得られた結果を用いて説明する。
内溝深さdが70nmである光磁気ディスクを用いて案
内溝内に単一周波数である1.6MHzの信号を記録し
た場合において、図4は、このときの案内溝幅Wとクロ
ストークとの関係を示す図である。また図5は、このと
きの案内溝幅Wと各案内溝幅で評価された信号対雑音比
(carrier to noise ratio:CNR)との関係示す図で
ある。
B)を示し、横軸は案内溝幅W(μm)を示している。
また、図5において、縦軸はCNR(dB)を示し、横
軸は案内溝幅W(μm)を示している。さらに、記録す
る信号の周波数として1.6MHzである場合と、4.
3MHzである場合とについて示す。
案内溝幅Wが大きくなると、クロストークが増大し、ま
た、CNRも増大する。また、記録する信号の周波数が
高くなるとCNRが低下する傾向も見られる。
するために、トラックピッチ及び案内溝幅を表1に示し
た波長λ及び対物レンズの開口数NAにて規格化し、ま
た、案内溝深さdを表1に示した波長λ及び基板の屈折
率ns にて規格化して得られた結果を図6及び図7に示
す。また、基板の屈折率ns として1.5を用いた。
TPを波長0.69μm、対物レンズの開口数0.55
にて規格化すると0.68(λ/NA)になり、70n
mの案内溝深さdを波長0.69μm、基板の屈折率
1.5にて規格化すると0.152(λ/ns )とな
る。
B)を示し、横軸は波長λ及び対物レンズの開口数NA
にて規格化された案内溝幅(λ/NA)を示している。
また、図7において、縦軸はCNR(dB)を示し、横
軸は波長λ及び対物レンズの開口数NAにて規格化され
た案内溝幅(λ/NA)を示している。また、図7にお
いては、記録する信号の周波数として1.6MHzであ
る場合のみを示す。
るかを調べるために、ディスクの半径方向の反り量を変
えて意図的にクロストークを変えた場合に生じるバイト
エラーレートとクロストークとの関係を、図8に示す。
なお、線記録密度は0.35μm/ビット(規格化する
と0.279(λ/NA)/ビット)であり、デジタル
オーディオディスク用の変調方式であるEFM(eight
to fourteen modulation)に用いられるEFM符号を用
いてエラーレートを見積もった。
10-4以下であれば通常のエラー訂正すなわち冗長語で
あるECC(error correction code )を用いたエラー
訂正によりエラーの修復が可能となる。従って、図8に
よれば、クロストークが−25dB以下の範囲であれば
通常のエラー訂正によりエラーの修復を行うことができ
る。
同一線記録密度である場合他の符号と比較しデータウィ
ンドウが狭いためクロストークに対して影響を受けやす
い。そこで、よりデータウィンドウの広い他の符号例え
ばNRZI(non return tozero inverted )符号や
(1,7)符号を用いれば、クロストークが同じであっ
てもEFM符号より低いエラーレートが得られる。従っ
て、本具体例の効果は、データウィンドウがより広い符
号を用いた変調方式においても有効である。
5dB以下である案内溝幅Wは、0.68μm(規格化
すると0.54(λ/NA))以下となる。また、線記
録密度を向上させるためには高いCNRが望ましいた
め、クロストークとは逆に案内溝幅Wが大きい方が有利
である。どの程度のCNRがあれば十分かは、符号、帯
域等に依存するが、一般にはCNRは45dB以上あれ
ばよいとされている。図5及び図7より、案内溝幅Wは
略0.54μm(規格化すると0.43(λ/NA))
以上であればよく、実際の使用においては1乃至2dB
の誤差が許容される。
μmあるいは規格化して0.43〜0.54(λ/N
A)までの間に入っていればよい。
85μmと設定したが、ここで、条件を一般化するため
に、これ以外のTPについて述べる。
大きい場合、クロストークが−25dB以下であるため
には上述より案内溝幅Wは、(5)式の関係を満たす値
であるば十分であることが分かる。
くして案内溝幅Wをその分広くとれば、記録される信号
量が増加し、かつトラックピッチTPが広くなるためク
ロストークが減少する。
dB以下であることで決定され、この場合トラックピッ
チTPが多少異なった値をとっても案内溝幅Wが同一で
あるならば、略同じ程度のキャリアレベルが得られるた
め、トラックピッチTPの値に依らずCNRは一定とな
る。従って、案内溝幅Wの下限値は、0.54μmであ
る。すなわち、案内溝幅Wは0.54μm以上であれば
よい。
より小さい場合を考える。ここで、上記表1の記録再生
条件にてトラックピッチTPが0.80μm、案内溝幅
Wが0.67μm、案内溝深さdが70nmである光磁
気ディスクを再生した場合に得られるクロストークは、
−25dBである。従って、0.80<TP<0.85
の条件においては、案内溝幅Wは、以下の(6)式を満
たせばよい。
において、案内溝幅Wが(6)式の関係を満たす値をと
ればクロストークから設定される制限をクリアーする、
すなわち上述の範囲のトラックピッチTP及び案内溝幅
Wである光磁気ディスクを再生しても問題となるクロス
トークが生じる虞がない。また、0.80μm以上の範
囲のトラックピッチTPである光磁気ディスクであっ
て、案内溝幅Wが0.54μm以上であるものを再生し
た場合、CNRに関する問題は解消される。すなわち、
再生に十分なCNRを得ることができる。
を満たせばよいことになる。 0.54μm<W<(TP−0.18)μm, 但し 0.80μm<TP,かつλ=0.69μm, かつ NA=0.55 ・・・(7) この(7)式を一般化するために、再生用レーザ光の波
長λと対物レンズの開口数NAとを用いて規格化する
と、以下の(8)式になる。 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/NA) ・・・(8) この(8)式は、上記(1)式と同等である。
に、案内溝深さdを変化させて、トラックピッチTPが
0.85μmであるときの案内溝幅Wを0.60μmと
して、0.85μm以外のトラックピッチにおいて、案
内溝幅Wを0.85μmのトラックピッチに対して0.
60μmの案内溝幅の割合を変えずに変化させた光磁気
ディスクを再生して、クロストーク及びCNRを評価し
た結果を図9及び図10に示す。
クとの関係を案内溝深さ毎すなわちdが35nm、57
nm、70nm及び83nmである場合についてプロッ
トして得られたグラフであり、図10は、案内溝深さと
CNRとの関係をプロットして得られたグラフである。
大きく、かつ案内溝深さがある程度大きい場合におい
て、−25dB以下のクロストークが得られることが分
かる。また、図10によれば、案内溝深さが大きくなる
に従い、CNRが僅かに減少しているが、例えば案内溝
深さdが83nmのときのCNRと、70nmのときの
CNRとを比較すると、dが83nmのときのCNRの
方が1dB程度小さいだけである。前述のように1dB
は許容範囲にあることからCNRにて制限される案内溝
深さdの上限値は83nmと見積もることができる。
長λ及び光が透過する基板の屈折率ns の関数になるた
め、前述のように、一般化するためにはこれら変数で案
内溝深さを規格化する必要がある。例えば、83nm
は、λが0.69μm、ns が1.5であるため、0.
18(λ/ns )と表される。
般化するために、トラックピッチを前述のように規格化
し、また、案内溝深さを上述のように規格化してプロッ
トしたものを、図11及び図12に示す。なお、図11
では、案内溝深さが0.076、0.124、0.15
2、0.180(λ/ns )のときのプロットが示され
ている。これらは、上述の再生記録条件において、35
nm、57nm、70nm、83nmに対応する。
28dB以下を実現するトラックピッチに対して案内溝
深さをプロットしたグラフを図13に示す。四角形のプ
ロットで形成される曲線11はクロストーク−25dB
以下を実現する場合のプロットを指し、円のプロットで
形成される曲線12はクロストーク−28dB以下を実
現する場合のプロットを指している。
ストークが問題にならない程度、すなわち再生する際の
クロストークが−25dB以下で、高密度記録が実現さ
れるトラックピッチTP及び案内溝深さdの範囲は、略
0.77μm<TP<1.0μmと、40nm<d<8
3nmと、曲線11とで囲まれた部分で示される。
される記録再生システムとするために、トラックピッチ
TPと案内溝深さdとが例えばクロストークが−28d
B以下を実現する範囲を満たすものとすると、トラック
ピッチTP及び案内溝深さdの範囲は、0.84μm<
TP<1.0μmと、56nm<d<83nmと、曲線
12とで囲まれた範囲で示される。
ラックピッチTPの上限値を1.0μmとしたのは、以
下の理由による。
トークの影響を受けないために、トラックピッチTP
は、 TP>0.80λ/NA ・・・(9) の式を満たす必要があった。
=0.55を代入すると、 TP>1.0 となり、従来のトラックピッチTPは1.0μm以上で
あったが、本発明の実施の形態の目的は、従来よりも高
密度のトラックピッチを提供するものであるからであ
る。
に規格化して得られたグラフを図14に示す。図14に
おいて、クロストークが−25dB以下を実現するプロ
ットは曲線13で示され、−28dB以下を実現するプ
ロットは曲線14で示される。
B以下の高密度記録を実現させるには、トラックピッチ
TP及び案内溝深さdの組み合わせの範囲が、0.62
(λ/NA)<TP<0.8(λ/NA)と、0.08
4(λ/ns )<d<0.18(λ/ns )と、曲線1
3で囲まれる範囲内に含まれていればよい。同様に、ク
ロストークが−28dB以下の高密度記録を実現させる
には、トラックピッチTP及び案内溝深さdの組み合わ
せの範囲が、0.66(λ/NA)<TP<0.8(λ
/NA)と、0.121(λ/ns )<d<0.18
(λ/ns )と、曲線14で囲まれる範囲内に含まれて
いればよい。
下の高密度記録を実現させるには、トラックピッチTP
及び案内溝深さdの組み合わせの範囲が、前述した
(2)〜(4)式、すなわち、 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) ・・・(2) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) ・・・(3) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) ・・・(4) の範囲内にあればよい。
う場合には、基板で生じる複屈折により信号品質が劣化
することが知られている。線記録密度及びトラック密度
が高くなる程、この複屈折による信号品質劣化の影響が
大きい。
ポリカーボネート(polycarbonate)が用いられてい
る。このポリカーボネートは、案内溝等の転写性、軟化
温度、水の吸水量等の観点で他の材料より優れている
が、複屈折の生じ易さは、例えば超LSI加工用の電子
線レジストに用いられているアクリル樹脂(ポリメチル
メタアクリレート:polymethyl methacrylate 、PMM
A)と比較して大きく、特に基板の面内方向と厚さ方向
との屈折率の差が大きいことが知られている。
型にて案内溝を成型した基板を作製し、このポリカーボ
ネートで形成された基板と、2P法にて形成されたガラ
ス2P基板との複屈折とクロストークについて検討し
た。
及び成型後の基板アニール条件は、基板の面内方向の複
屈折を十分小さい値に抑えることができるような最適な
条件を用いた。
ネート基板の厚さ方向の屈折率と面内方向の屈折率との
差であるNxzとクロストークとの関係を示す。なお、厚
さ方向の屈折率については、基板に対して測定用レーザ
光を斜めに入射させて測定した値を用いており、また、
各方向への屈折率は、それぞれの方向での平均の屈折率
で表されている。また、トラックピッチが0.85μm
で、案内溝深さが70nmである光磁気ディスクを用い
て測定を行った。
い、クロストークも増加している。また、上述のよう
に、冗長度も加味してクロストークが−25dB以下で
ないといけないが、ポリカーボネートでは、 この−2
5dB以下のクロストークを実現しようとすると、ガラ
ス基板を用いて得られたトラックピッチ及び案内溝深さ
の範囲を満たすことができなくなる。
クの上昇分を3dB程度とすると、ポリカーボネートに
て−28dB以下のクロストークが実現されると、ガラ
ス基板にて−25dBを実現したのと同等の効果が得ら
れる。従って、屈折率差Nxzが0.0003以下である
とよいことになる。
安価なプラスティック成型基板、例えばポリカーボネー
ト基板を用いても高トラック密度が実現される。
する記録方法について説明する。
を満たす光磁気ディスクに信号を記録する方法であっ
て、記録又は消去用に用いられるレーザ光が、光量が時
間とともに変化するパルス状に発振されるレーザ光であ
って、かつパルス発光する時間の割合が50%以下であ
ることを特徴としている。
ークや記録時の隣接トラックへの影響も問題となる。ま
た、光磁気記録では、記録あるいは消去される領域は、
記録又は消去用レーザ光が照射されることにより磁性膜
の温度上昇が起こる領域となる。従って、トラックピッ
チが狭くなるに従い記録あるいは消去の対象となるトラ
ックに隣接するトラックの温度上昇が大きくなり、つい
には隣接トラックに予め記録されていたデータを消去し
てしまう虞がある。
ィスクに信号を記録するためには、隣接トラックにでき
るだけ熱が拡散しないようにする必要がある。
熱伝導の低い材料を用いることが考えられるが、この場
合、光磁気信号強度が低下すること等の問題が派生す
る。
伝導が高くなるような連続発光して得られるレーザ光で
はなく、発光時間が短いいわゆるパルス状のレーザ光を
光磁気ディスクの照射することで信号を記録する。この
場合、磁性層の温度上昇は、集光されたレーザ光の強度
プロファイルと一致するため最も熱の伝導が少ない状態
になる。
光変調記録方法及び磁界磁気記録方法に分けられる。前
者は、記録に先立ってデータの消去を行っており、通常
連続光が用いられている。また、磁界変調記録方法にお
いても連続発光するレーザ光が用いられる場合もある。
これらの記録方法においては、高トラック密度の光磁気
ディスクを用いても、クロストークが大きくなる虞があ
り、すなわち狭いトラックピッチに対応できない虞があ
る。
案内溝深さが70nmのガラス2P基板を用いて、線速
度を4.5m/s、チャンネルクロックを26MHz
(38.5ns)にして3Tの信号、すなわち0.52
μmのマーク長の信号を磁界変調記録方法により記録
し、この際の隣接トラックへの影響を検討した。
ある。
度(%)を表し、横軸は記録パルスデューティ(%)を
表している。また、パルスデューティ(pulse duty)
は、磁界と同期する記録用レーザ光のチャンネルクロッ
クに対する割合であり、31%、50%、100%と変
化させた。ここで、パルスデューティ100%は連続光
であることを意味する。
への熱の影響を定量化するための値であり、隣接トラッ
クに損傷を与えずに自己トラックを再生するのに十分な
信号を記録することが可能になる記録パワーの範囲を表
す量である。具体的には、被記録トラックの両サイドに
信号が飽和する記録パワーで予め信号を記録しておき、
その後当該被記録トラックへの記録を行い、この被記録
トラックの信号が飽和時の信号レベルに対して、1dB
以内の減少であり、かつ隣接トラックの信号レベルの劣
化が0.1dB以内となる記録パワーを使用可能パワー
と見なし冗長度を求めた。
増加すると、記録パワーの冗長度は減少している。一般
に、光磁気記録システムにおいて必要とされる記録パワ
ーの冗長度は、±20%であるが、より好ましくは±2
5%程度以上である。この条件を満たすためには、記録
パルスデューティが50%以下であるパルス光を用いて
記録又は光変調記録時に消去することが必要となる。
を行う場合、パルスとパルスとの間は必ずしもレーザは
動作停止している必要はなく、パルスのピークパワーの
20%以下程度のパワーがオフセットとして重畳されて
いてもよいことになる。
気記録媒体によれば、トラックピッチをクロストークが
−25dBを超えないように設定し、案内溝深さをCN
Rが45dBより下回らないように設定し、この範囲で
案内溝幅を設定することで、光磁気記録媒体の記録密度
を向上しても、当該光磁気記録媒体を再生するのに実用
的なクロストークとCNRを実現することが可能にな
る。
基板平面と垂直な方向の平均屈折率との差を0.000
3以下とすることで、例えばプラスティック性の基板を
用いた場合にも光磁気記録媒体の高トラック密度化を実
現することができる。
ラックピッチをクロストークが−25dBを超えないよ
うに設定し、案内溝深さをCNRが45dBより下回ら
ないように設定し、この範囲で案内溝幅を設定して高ト
ラック密度化を図った光磁気記録媒体に信号を記録する
際に、クロストークを低減することができるとともに、
再生するのに十分な強度で信号が記録される。従って、
高トラック密度化に対応した光磁気記録媒体の記録方法
を提供することが可能になる。
っても同様に、高トラック密度化に対応した光磁気記録
装置を提供することができる。
ディスクの具体的な構成を示す図である。
を示す図である。
ザ光と、変調磁界とを模式的に示す図である。
との関係をプロットして得られるグラフである。
係をプロットして得られるグラフである。
示すグラフである。
ラフである。
トークとバイトエラーレートとの関係をプロットして得
られるグラフである。
トークとの関係を各案内溝深さに関してプロットして得
られるグラフである。
の関係をプロットして得られるグラフである。
般化して示すグラフである。
すグラフである。
実現することができるトラックピッチと案内溝深さとの
範囲を示す図である。
ッチと案内溝深さとの範囲を一般化して示す図である。
平均屈折率と間の差とクロストークとの関係を示すグラ
フである。
ューティを説明するグラフである。
媒体は、上述の問題を解決するために、磁界を印加して
レーザ光を照射しながら信号を記録する光磁気記録媒体
において、螺旋形状又は同心円状の案内溝を一部又は全
面に有し、該案内溝と案内溝との間が信号記録領域とさ
れ、上記案内溝の幅をW(μm)、再生光の波長をλ
(μm)、対物レンズの開口数をNA、トラックピッチ
をTP(μm)、上記案内溝の深さをd(μm)、及び
光磁気記録媒体の基板材の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足することを特徴としている。
題を解決するために、磁界を印加してレーザ光を照射し
ながら光磁気記録媒体にデータを記録する記録方法にお
いて、上記光磁気記録媒体は、螺旋形状又は同心円状の
案内溝を一部又は全面に有し、該案内溝と案内溝との間
が信号記録領域とされ、上記案内溝の幅をW(μm)、
再生光の波長をλ(μm)、対物レンズの開口数をN
A、トラックピッチをTP(μm)、上記案内溝の深さ
をd(μm)、及び光磁気記録媒体の基板材の屈折率を
ns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足し、記録又は消去用に用いられるレーザ光と
して、光量が時間とともに変化するパルス状に発振され
るレーザ光であって、かつパルス発光する時間の割合が
50%以下であることを特徴としている。
明基板からなり、螺旋形状又は同心円状の案内溝を一部
又は全面に有し、上記案内溝と案内溝との間に信号記録
領域を有する光磁気記録媒体と、上記光磁気記録媒体に
対向して設けられた対物レンズと、パルス状に発振しか
つパルス発光する時間の割合が50%以下である信号記
録用レーザ光を、上記対物レンズを介して上記光磁気記
録媒体に照射する光照射手段とからなり、上記案内溝の
幅をW(μm)、再生光の波長をλ(μm)、対物レン
ズの開口数をNA、トラックピッチをTP(μm)、上
記案内溝の深さをd(μm)、及び光磁気記録媒体の基
板材の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足することを特徴としている。
に、磁界を印加してレーザ光を照射しながら信号を記録
する光磁気ディスクにおいて、透明基板を有し、螺旋形
状又は同心円状の案内溝を一部又は全面に有しており、
案内溝と案内溝との間に信号が記録される領域とされ、
上記案内溝の幅をW(μm)、再生光の波長をλ(μ
m)、対物レンズの開口数をNA、トラックピッチをT
P(μm)、上記案内溝の深さをd(μm)、及び光磁
気記録媒体の基板材の屈折率をns とした場合、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/NA) ・・・(1) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) ・・・(2) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) ・・・(3) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) ・・・(4) の式を満足するようになっている。なお、案内溝幅は、
案内溝深さdがd/2となるような幅を指している。
Claims (6)
- 【請求項1】 磁界を印加してレーザ光を照射しながら
信号を記録する光磁気記録媒体において、 螺旋形状又は同心円状の案内溝を一部又は全面に有し、
該案内溝と案内溝との間が信号記録領域とされ、 上記案内溝の幅をW(μm)、再生光の波長をλ(μ
m)、対物レンズの開口数をNA、トラックピッチをT
P(μm)、上記案内溝の深さをd(nm)、及び光磁
気記録媒体の基板材の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足することを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 上記基板の平面方向の平均屈折率と、該
基板平面と垂直な方向の平均屈折率との差が、0.00
03以下であることを特徴とする請求項1記載の光磁気
記録媒体。 - 【請求項3】 上記トラックピッチTPは、0.77μ
mから1.0μmまでの間であることを特徴とする請求
項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項4】 上記案内溝の深さdは、40nmから8
3nmまでの間であることを特徴とする請求項1記載の
光磁気記録媒体。 - 【請求項5】 磁界を印加してレーザ光を照射しながら
光磁気記録媒体にデータを記録する記録方法において、 上記光磁気記録媒体は、螺旋形状又は同心円状の案内溝
を一部又は全面に有し、該案内溝と案内溝との間が信号
記録領域とされ、上記案内溝の幅をW(μm)、再生光
の波長をλ(μm)、対物レンズの開口数をNA、トラ
ックピッチをTP(μm)、上記案内溝の深さをd(n
m)、及び光磁気記録媒体の基板材の屈折率をns とす
るとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足し、 記録又は消去用に用いられるレーザ光として、光量が時
間とともに変化するパルス状に発振されるレーザ光であ
って、かつパルス発光する時間の割合が50%以下であ
ることを特徴とする記録方法。 - 【請求項6】 透明基板からなり、螺旋形状又は同心円
状の案内溝を一部又は全面に有し、上記案内溝と案内溝
との間に信号記録領域を有する光磁気記録媒体と、 上記光磁気記録媒体に対向して設けられた対物レンズ
と、 パルス状に発振しかつパルス発光する時間の割合が50
%以下である信号記録用レーザ光を、上記対物レンズを
介して上記光磁気記録媒体に照射する光照射手段とから
なり、 上記案内溝の幅をW(μm)、再生光の波長をλ(μ
m)、対物レンズの開口数をNA、トラックピッチをT
P(μm)、上記案内溝の深さをd(nm)、及び光磁
気記録媒体の基板材の屈折率をns とするとき、 0.431(λ/NA)<W<(0.8TP−0.143)(λ/N
A) 0.62(λ/NA)<TP<0.80(λ/NA) 0.084(λ/ns)<d<0.18(λ/ns) d/(λ/ns)≧0.48−0.53TP/(λ/NA) の式を満足することを特徴とする光磁気記録装置。
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JP8225403A JPH09128827A (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-27 | 光磁気記録媒体、記録方法及び光磁気記録装置 |
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JP22058095 | 1995-08-29 | ||
JP8225403A JPH09128827A (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-27 | 光磁気記録媒体、記録方法及び光磁気記録装置 |
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