JPH09111035A - スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法

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JPH09111035A
JPH09111035A JP27396295A JP27396295A JPH09111035A JP H09111035 A JPH09111035 A JP H09111035A JP 27396295 A JP27396295 A JP 27396295A JP 27396295 A JP27396295 A JP 27396295A JP H09111035 A JPH09111035 A JP H09111035A
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広輝 篠▲崎▼
Masayuki Tanaka
正行 田中
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 予備発泡させたスチレン系予備発泡粒子のセ
ル変化が少なく、表面外観が著しく優れ、かつ、機械的
強度の優れた発泡成形体を製造することができるスチレ
ン系発泡性樹脂粒子の製造方法。 【解決手段】 スチレン系発泡性樹脂粒子の中心付近を
通る断面での表面から半径方向0.1mm以内のボイド
数が100個/mm2 以下であり、かつ、2倍の体積に
発泡させた時の表面スキン層が10〜100μmである
ことを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子、及び、ス
チレン系単量体を重合開始剤及び懸濁剤の存在下で水性
媒体中で懸濁させ、発泡剤を含有させて発泡性樹脂粒子
を製造する方法において、前記単量体の重合転化率が3
0%以上の時点で、水性媒体に対する濃度が、0.02
〜5.0mol/lになるような量の電解質を添加して
重合する工程、及び、スチレン系発泡性樹脂粒子を水性
媒体から分離した後、発泡剤を3〜20重量%逸散させ
る工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予備発泡させたス
チレン系予備発泡粒子のセル変化が少ない、即ち保管条
件によって影響の受けにくいスチレン系発泡性樹脂粒
子、及び、それを得るための製造方法に関するものであ
り、より詳細には、表面外観が著しく優れ、かつ、機械
的強度の優れた発泡成形体を製造することができるスチ
レン系発泡性樹脂粒子、及び、それを得るための製造方
法に関するものである。本発明で得られた粒子は、魚
箱、通い箱、断熱材、ドレンパン等の構造部材、及び、
包装緩衝材等に用いられる発泡成形体の製造に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】スチレン
系予備発泡樹脂粒子は比較的安価で、特殊な方法を用い
ずに低圧の蒸気等で発泡成形ができ、高い緩衝・断熱の
効果が得られる社会的に有用な材料である。しかしなが
ら、そのスチレン系予備発泡樹脂粒子は、保管条件によ
りセルが変化し、セル荒れ(セルが極端に大きくなる現
象)や、セルムラを生じたりして、それを用いて製造し
た発泡成形体の外観や強度を著しく損なうことがある。
それらを改良させるために、特殊な核剤を用いたり、低
温で長期間保管(熟成)させて安定化させる技術が提案
されているが、これら方法によると製造条件等の様々な
条件に制約が生じるため、根本的な解決策ではないのが
現状である。
【0003】また用途によっては、成形品表面の表面外
観が悪く、粒子と粒子との隙間(いわゆる間隙)がある
ため、水漏れ等の問題を生じたり、融着が悪いために強
度低下を招くといった問題もあり、これを解決する方法
として、スチレン系発泡性樹脂粒子に特定の被覆成分を
被覆させた後、比較的高温で強制的に表面近傍の発泡剤
を逸散させる方法が提案されているものの(特開昭63
−69844号公報、特開平1−289841号公報、
特開平1−289843号公報及び特開平2−7743
8号公報参照)、特殊な被覆剤を被覆させる必要があっ
たり、一旦発泡性樹脂粒子に含浸した発泡剤を多量に除
去させる工程が必要であり、工業的に不利であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、上記した一般
の発泡性樹脂粒子には、ボイド(小孔)が粒子全体に渡
って平均的に200〜500個/mm2 程度存在するも
のであるが、例えばスチレン系発泡性樹脂粒子の重合中
若しくは重合完了後の冷却時に電解質を添加すること等
によって、そのボイドをスチレン系発泡性樹脂粒子の表
面近傍のボイド数を少なくして存在させ、2倍の体積に
発泡させた時の表面スキン層を10〜100μmになる
ようにすれば、著しく表面外観が向上すること、また更
には表面近傍のボイド数を少なくするだけでなく粒子内
部のボイドを従来よりも多目に存在するように制御すれ
ば、セルをより安定化させることができ、それを用いる
と特殊な被覆剤を被覆させなくとも、また少量の発泡剤
の逸散量、即ち、より低い温度や短い時間の熱処理で
も、外観が優れ、表面が美麗で、かつ充分な機械的強度
を有する発泡成形体が得られることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、スチレン系発泡性樹脂粒
子の中心付近を通る断面での表面から半径方向0.1m
m以内のボイド数が100個/mm2 以下であり、か
つ、2倍の体積に発泡させた時の表面スキン層が10〜
100μmであることを特徴とするスチレン系発泡性樹
脂粒子である。更には、スチレン系発泡性樹脂粒子の中
心付近を通る断面での表面から半径方向0.3mm以内
を除く半径方向内部のボイド数が250個/mm2 以上
であるのが好ましい。
【0006】更にまた、スチレン系発泡性樹脂粒子の粒
径が0.3〜3mmであるのが好ましい。また、本発明
は、このようなスチレン系発泡性樹脂粒子を得る方法の
1つとしての、スチレン系単量体を重合開始剤及び懸濁
剤の存在下で水性媒体中で懸濁させ、発泡剤を含有させ
て発泡性樹脂粒子を製造する方法において、前記単量体
の重合転化率が30%以上の時点で、水性媒体に対する
濃度が、0.02〜5.0mol/lになるような量の
電解質を添加して重合する工程、及び、スチレン系発泡
性樹脂粒子を水性媒体から分離した後、温度Tが、次式
の範囲 Tg−20℃≦T≦Tg+10℃ (尚、Tgは重合体のガラス転移温度である。)で発泡
剤を3〜20重量%逸散させる工程からなることを特徴
とするスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法である。
【0007】更に、電解質は塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、琥珀酸二ナトリウムからなる群から選ばれる少なく
とも1種であるのが好ましい。更にまた、発泡剤を逸散
させる工程における温度は、25℃〜55℃であるのが
好ましい。
【0008】ここで、スチレン系発泡性樹脂粒子の製造
方法において、単量体の重合転化率が0〜30%の間
に、過硫酸のアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩を
水性媒体に対し0.5〜30ppmになるような量添加
するのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒
子は、その粒子の中心付近を通る断面での表面から半径
方向0.1mm以内(以下「表面部」と呼ぶことがあ
る)のボイド数が100個/mm2 以下、好ましくは0
〜70個/mm2 であり、かつ、2倍の体積に発泡させ
た時の表面スキン層が10〜100μm、好ましくは2
0〜80μmである。
【0010】表面部のボイド数が多過ぎると、成形品外
観の優れた発泡成形体が得られないし、また、2倍の体
積に発泡させた時の表面スキン層が薄過ぎても、著しく
表面外観が優れた成形体が得られにくい。逆に表面スキ
ン層が厚過ぎても、成形の際の2次発泡力が不充分であ
る為に粒子表面の伸びが悪くなり、優れた表面外観を有
する成形体が得られない場合があり好ましくない。
【0011】更には、スチレン系発泡性樹脂粒子の中心
付近を通る断面での表面から半径方向0.3mm以内を
除く半径方向内部のボイド数が250個/mm2 以上、
好ましくは350個/mm2 以上、更に好ましくは50
0個/mm2 以上であって、また10000個/mm2
以下であるのが、充分な機械的強度を有する発泡成形体
が得られるので好ましい。
【0012】尚、本発明で言う「ボイド」とは、スチレ
ン系発泡性樹脂粒子中に存在する、直径0.1〜30μ
m程度の小孔であり、その内部にはポリスチレン以外の
物質、即ち水、発泡剤、溶剤、可塑剤、残存モノマー等
を含んでいても良い。また、ボイド数は、スチレン系発
泡性樹脂粒子の中心付近を通る断面をミクロトームで切
り出し、この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、写真を
撮り、この写真よりボイド数を計測し、1mm2 当たり
の値に換算することによって求められる。また、スチレ
ン系発泡性樹脂粒子を、屈折率を合わせるために屈折率
が約1.51の屈折率調整剤(例えばツェーデル油、キ
シダ化学社製、1級品、屈折率=1.514〜1.52
2)に浸した状態で光学顕微鏡(透過光)で観察する方
法によって、ある程度のボイド数をより簡便に求めるこ
とができる。
【0013】尚また、本発明で言う「表面スキン層」と
は、スチレン系樹脂粒子を、100℃の水蒸気で加熱し
て約2倍の体積に発泡させた際に存在する粒子表面部の
発泡していない層であり、スチレン系樹脂粒子を、10
0℃の水蒸気で加熱して約2倍の体積に発泡させ、この
予備発泡粒子の中心付近を通る断面を切り出し、この断
面を走査型電子顕微鏡で観察し、写真を撮り、表面スキ
ン層(表面部の発泡していない層)の厚みを計測するこ
とにより求められる。
【0014】尚、これらスチレン系発泡性樹脂粒子の粒
径は通常0.3〜3mmである。本発明のスチレン系発
泡性樹脂粒子は上記の通りであるが、製造後24時間以
内の粒子中の内部水分量が少ない方が、その後の発泡剤
を逸散させる工程での発泡剤逸散率が高く、また、比較
的低温若しくは短時間での処理でも充分に発泡剤を逸散
させることができ、外観の優れた成形体が得られるので
好ましい。この内部水分量は好ましくは樹脂粒子中0.
1重量%以下である。
【0015】上記した本発明のスチレン系発泡性樹脂粒
子を得る1つの方法としては、スチレン系単量体を重合
開始剤及び懸濁剤の存在下で水性媒体(重合系内に存在
する水全てを言う。以下同様)中に分散させた後に、重
合反応を開始し、重合転化率が30%以上の時点で、水
性媒体に対する濃度が、0.02〜5.0mol/lに
なるような量の電解質を添加して懸濁重合を行い、懸濁
重合中に発泡剤を添加するか、又は重合後に発泡剤を含
浸させて、例えば粒径0.3〜3mmの大きさのスチレ
ン系発泡性樹脂粒子を得、その後スチレン系発泡性樹脂
粒子を水性媒体から分離し、温度Tが、次式の範囲 Tg−20℃≦T≦Tg+10℃ (尚、Tgは重合体のガラス転移温度である。)で発泡
剤を3〜20重量%逸散させる方法が挙げられる。
【0016】本発明のスチレン本発明のスチレン系発泡
性樹脂粒子の製造方法において使用されるスチレン系単
量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−エチルスチレン、2,4−ジ
メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、
p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−
n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n
−ヘキシルスチレン、p−オクチルスチレン、スチレン
スルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げら
れる。また、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2
−エチルヘキシル等のアクリル酸の炭素数1〜10のア
ルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸の炭
素数1〜10のアルキルエステル;ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタク
リレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシ
ブチルメタクリレート等の水酸基を有する不飽和化合
物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリ
ル基含有不飽和化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等の有機酸ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1
−ブテン、2−ブテン、イソブテン等の不飽和モノオレ
フィン類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の
ジエン化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
ル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;ビニルメチル
ケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
のビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエー
テル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロール等の
N−ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド等のアミド基を有する不飽和化合物;ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の不飽和カルボ
ン酸;N−フェニルマレイミド、N−(メチル)フェニ
ルマレイミド、N−(ヒドロキシ)フェニルマレイミ
ド、N−(メトキシ)フェニルマレイミド、N−安息香
酸マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレ
イミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピ
ルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブ
チルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイ
ミド系化合物;ジビニルベンゼン、エチレングリコール
ジメタクリレート等の架橋性多官能ビニル化合物;グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエ
ポキシ基を有する不飽和化合物、などの各種のビニル系
化合物を併用しても良い。
【0017】また、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子
の製造方法において使用される重合開始剤としては、た
とえばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、
クメンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモ
ノカーボネート、ジクミルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等の単量体に可溶な開始剤が挙げられ
る。重合開始剤の使用量は、通常、仕込み単量体の全重
量100重量部に対して0.01〜3重量部が好まし
い。
【0018】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子の製造
方法において使用される懸濁剤としては、一般に市販さ
れているものが利用でき、例えばポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶
性高分子、ピロリン酸マグネシウム、第3燐酸カルシウ
ム等の難溶性無機塩等を用いることができ、これらは界
面活性剤を併用してもよい。なお、難溶性無機塩を用い
る場合は、アルキルスルホン酸ソーダ、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を併用す
るのが好ましい。
【0019】懸濁剤の使用量は、仕込み単量体の全重量
100重量部に対し0.01〜5.0重量部が好まし
く、前記した難溶性無機塩とアニオン性界面活性剤との
併用系では、それぞれ仕込み単量体の全重量100重量
部に対し難溶性無機塩を0.05〜3.0重量部、アニ
オン性界面活性剤を0.0001〜0.5重量部が好ま
しい。
【0020】また本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子の
製造方法において使用される電解質は、水溶液中でイオ
ン解離する物質であればよく、例えば、塩化リチウム、
塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、
硝酸カリウム、硝酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ア
ンモニウム等の無機塩類、或は酢酸カリウム、酢酸ナト
リウム、オクタン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、
琥珀酸二ナトリウム等の水に可溶なカルボン酸のアルカ
リ金属塩等が挙げられる。特に塩化ナトリウムは、少量
の添加重量で本発明の表面部の発泡開始点となり得るボ
イドの少ないスチレン系発泡性樹脂粒子を容易に得るこ
とができ、また工業的に安価に大量に入手できるので好
ましい。
【0021】また、本電解質の添加は、重合転化率が3
0%以上の時点で行うことが肝要である。重合転化率が
30%未満でのみ添加した場合は、本発明のボイド形態
のスチレン系発泡性樹脂粒子が得られない。又、最終的
に得られる発泡性樹脂粒子の粒子径が粗大化したり、変
形を起こすことがあり、条件によっては重合中の懸濁状
態が不安定になり塊化する場合がある。尚、本電解質の
添加は、好ましくは重合転化率が50〜100%、更に
好ましくは75〜100%の間で行う。
【0022】これら電解質は粉体若しくは水溶液として
添加されるが、その添加方法は、重合転化率が30%以
上の時点であれば、1回若しくは数回に分割してもよ
い。但し、水性媒体のpH調整等の目的で、懸濁状態の
不安定化を生じず、本発明の目的を損なわない範囲で、
上記電解質を重合率が30%未満の時期に少量添加する
ことは差し支えない。
【0023】なお、ここでいう重合転化率は、比重液
法、赤外吸光分析法、ガスクロマトグラフィー等の方法
で知ることができる。また、重合率30%以上の時点で
水性媒体中に添加する電解質の量は、該水性媒体に対
し、0.02〜5.0mol/l、好ましくは0.03
〜1.0mol/lになる量である。添加量が少な過ぎ
ると、表面部のボイドが多くなりやすく、ひいては得ら
れる成形品の外観が劣ることとなる。逆に添加量が多過
ぎると重合を安定に行うことが困難となり、塊化し易く
なる上、添加量に見合った効果が得られない。
【0024】更に、重合転化率が0〜30%、好ましく
は0〜20%の間に過硫酸のアルカリ金属塩若しくはア
ンモニウム塩を水性媒体に対し0.5〜30ppm、好
ましくは0.5〜20ppmになるような量添加する
と、粒子内のボイド数をより多く存在させることができ
るので好ましい。余り重合が進みすぎた時点で添加して
も粒子内部のボイド数を充分に形成させることが難しく
なるし、またこの添加量が少な過ぎると、粒子内部のボ
イド数を充分に形成させることが難しくなり、逆に添加
量が多過ぎると表面部のボイド数が多くなり過ぎ、成形
品外観の優れた発泡成形体が得られにくくなるので好ま
しくない。尚、重合添加時期が上述の間であれば、2回
以上に分割して添加することは差し支えない。
【0025】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子の製造
方法において使用される過硫酸のアルカリ金属塩若しく
はアンモニウム塩としては、例えば過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法において
は、内部のボイド数を増加させるために、ポリエチレン
ワックス、エチレンビスアミド、ヘキサブロモシクロド
デカン、タルク、及び、メタクリル酸低級アルキルエス
テル単位を5重量%以上含むメタクリル酸低級アルキル
エステル系共重合体からなる群から選ばれる少なくとも
1種以上を、スチレン系単量体に対し0.0001〜
0.95重量%水性媒体中に存在させることが好まし
い。
【0026】また、更に必要に応じて、その重合反応系
に分子量を調整するために、ドデシルメルカプタン等の
アルキルメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー
等の連鎖移動剤を重合反応系に添加することができる。
その連鎖移動剤の使用量は、重合させる全単量体100
重量部に対して、0.01〜3重量部が好ましい。単量
体の水性媒体への添加方法は、予め一括に仕込んでもよ
いし、徐々に添加しながら行っても良い。(特公昭46
−2987号、特公昭49−2994号参照)
【0027】また、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子
の製造方法においては、必要に応じて、重合反応系に生
成重合体の可塑剤、たとえばジオクチルフタレート等の
フタル酸エステル、その他脂肪酸エステルやキシレン、
トルエン、シクロヘキサン等の有機化合物等を添加する
ことができる。
【0028】さらに、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、
導電化剤、粒度分布調整剤等の一般的に発泡性樹脂粒子
の製造に使用されている添加剤を適宜添加したり、ブタ
ジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等のゴム成分を
混合することもできる。本発明のスチレン系発泡性樹脂
粒子の製造方法では、懸濁重合の途中又は懸濁重合終了
後に発泡剤を添加して重合体粒子に発泡剤を含有せしめ
た発泡性重合体粒子を製造する。
【0029】その発泡剤としては、たとえばプロパン、
ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソ
ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水
素;シクロブタン、シクロペンタン等の脂環族炭化水
素;塩化メチル、ジクロルフルオロメタン等のハロゲン
化炭化水素等の物理発泡剤;さらには炭酸ガス、窒素、
アンモニア等の無機ガスが挙げられる。これらの発泡剤
は1種類を単独で、又は2種以上を併用して使用でき
る。発泡剤は、通常、生成重合体粒子中の発泡剤含有量
が1〜20重量%になる程度の量が供給される。
【0030】本発明のスチレン系発泡性趣旨粒子を製造
する方法において、こうして得られたスチレン系発泡性
樹脂粒子を水性媒体から分離し、温度Tが、次式の範囲 Tg−20℃≦T≦Tg+10℃ (尚、Tgは重合体のガラス転移温度である。)、好ま
しくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上であっ
て、好ましくは55℃以下、更に好ましくは50℃以下
で、発泡剤を3〜20重量%逸散させるのが肝要であ
る。
【0031】Tg−20℃未満の温度で加熱しても発泡
剤の逸散率が低く工業的に不利であるし、逆にTg+1
0℃を超える温度で加熱すると得られる発泡性樹脂粒子
が微発泡し、白化現象を起こすので好ましくない。ま
た、発泡剤の逸散率が少な過ぎると、それを用いて得ら
れる成形体の外観向上の効果が充分ではなく、逆に逸散
率が多過ぎてもそれに見合う外観向上の効果が得られな
いばかりでなく、発泡剤が逸散され過ぎるため、融着が
不充分となりやすい。成形体により良い外観を望む場合
は5重量%以上発泡剤を逸散させるのが好ましい。
【0032】尚、本発明におけるTgは上述した通りガ
ラス転移温度であるが、このTgは、指差走査型熱量計
(DSC)において、スチレン系発泡性樹脂粒子を密閉
式耐圧容器に入れ、密閉後10K/分の昇温速度で昇温
した際の立ち下がり温度(吸熱を開始する温度)とす
る。曲線が緩やかで開始点が明確でない場合は、各々を
理想的な直線と見なし、その交点とする。
【0033】尚また、本発明における発泡剤の逸散率は
加熱処理前の含有発泡剤量と処理後の含有発泡剤量の差
を、処理前の含有発泡剤量で除した値とする。本発明に
おける発泡剤を逸散させる手法については、特に限定さ
れるものではなく、所定の温度で所定の比率だけ発泡剤
が逸散され得れば良い。例えば、原料投入口と排出口、
所定の温度の空気若しくは不活性ガスの導入口と排出口
を有する容器に原料を投入し、所定の温度の空気若しく
は不活性ガスを容器内に導入し、所定の量の発泡剤を逸
散させる。この際、空気若しくは不活性ガスの導入は、
断続的でも連続的でも良く、また、原料の投入及び逸散
処理も、バッチ方式であっても連続方式であっても良
い。更には、逸散した発泡剤は、工業的な見地や環境的
見地から、回収するのが好ましい。
【0034】また、上記した発泡剤を逸散させる工程に
先立って、操作上の観点からある程度得られた発泡性樹
脂粒子を発泡剤が実質的に逸散しない程度に乾燥させて
おいても良い。
【0035】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげて本発明を
さらに詳述するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。 実施例1 撹拌器付き50リットルオートクレーブに、イオン交換
水20リットル、第3リン酸カルシウム(太平化学産業
社製)50g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.6gを投入した。次いで撹拌下に、t−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート45g、t−ブチルパ
ーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート27g、
可塑化剤としてシクロヘキサン270gをスチレンモノ
マー18kgに溶解させたものを投入した。
【0036】オートクレーブ内を窒素ガスで置換した
後、撹拌下で30分間室温のまま放置し、1時間半かけ
て90℃まで昇温した。内温が60℃に達した時点で、
過硫酸カリウムの1%水溶液を12g添加した。次いで
90℃から100℃まで5時間半かけて昇温させ、その
途中の4時間30分目にオートクレーブから懸濁液をサ
ンプリングし、重合転化率を調べたところ、75%であ
った。ここで25%の塩化ナトリウム水溶液700g
(水性媒体に対する濃度は0.15mol/lに相当)
を5分間かけてオートクレーブ内に投入した後、ブタン
1.7kgをオートクレーブ内に圧入した。更に100
℃から110℃まで1時間半かけて昇温し、2時間保持
した。
【0037】30℃まで4時間かけて冷却した後、酸洗
浄して発泡樹脂粒子表面に付着していた第3リン酸カル
シウムを除去した。その後、遠心分離器にて脱水し、帯
電防止0としてビスヒドロキシエチル脂肪族アミン(ラ
イオンアクゾ社製 商品名アーモスタット410)0.
05%を添加した後、流動乾燥装置で表面付着水分を除
去し発泡性樹脂粒子を得た。その後、篩で0.8〜1.
2mmの粒分を製出し、ブロッキング防止剤としてステ
アリン酸亜鉛0.1%を樹脂粒子表面に付着させた後、
箱型通気乾燥器内に入れ40℃で20分間加熱して、発
泡剤を逸散させて本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子を
得た。尚、加熱前のスチレン系発泡性樹脂粒子の一部を
取り出し、ガラス転移温度を測定したところ、38℃で
あった。
【0038】このスチレン系発泡性樹脂粒子を予備発泡
機(ダイセン工業社製、DYH−850)で、常法によ
り嵩密度20g/lに発泡させ、こうして得られた予備
発泡粒子を、1日室温で放置(熟成)した後、これを2
8×35×15cmの大きさの箱型の金型内に充填し
0.6kgf/cm2 ・Gの蒸気吹き込み圧で20秒間
加熱して成形し、発泡成形体を得た。
【0039】上記のようにして得られる本発明のスチレ
ン系発泡性樹脂粒子中のボイド数、表面スキン層厚み、
内部水分量、予備発泡粒子のセルの安定性及び発泡成形
体の表面外観、融着率及び落球衝撃強度高さを下記の方
法で評価し、その結果を表2に示した。
【0040】評価方法 1)ボイド数;スチレン系発泡性樹脂粒子の中心付近を
通る断面をミクロトームで切り出し、この断面を走査型
電子顕微鏡で観察し、写真を撮る。この写真より、表面
部のボイドの計測には0.1mm×0.3mmの範囲か
ら、また内部のボイドの計測には0.2mm×0.2m
mの範囲のボイド数を計測し、これを1mm2 当りの値
に換算して求めた。
【0041】2)表面スキン層厚み;スチレン系樹脂粒
子を、100℃の水蒸気で加熱して約2倍の体積に発泡
させた。この予備発泡粒子の中心付近を通る断面を切り
出し、この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、写真を撮
り、表面スキン層(表面部の発泡していない層)の厚み
を計測した。
【0042】3)内部水分量;製造後24時間以内及び
発泡剤逸散処理工程後のスチレン系発泡性樹脂粒子を、
加熱溶融させ生じた水分をカールフィッシャー法にて測
定した。
【0043】4)予備発泡粒子のセルの安定性;スチレ
ン系発泡性樹脂粒子を下記〜の条件で保存後、上記
方法にて予備発泡、成形してセルの安定性を目視により
下記基準にて評価した。 オートクレーブより抜きだし表面付着水分を除去した
直後 オートクレーブより抜きだし表面付着水分を除去した
後、0℃にて7日間保管(熟成)した後
【0044】オートクレーブより抜きだし表面付着水
分を除去した後、40℃にて3日間保管した後 良;セル荒れやセルムラが生じたりせず、保管条件によ
ってセルが変化しない。 不良;セル荒れやセルムラが生じ、保管条件によってセ
ルが変化する。
【0045】5)表面外観;発泡成形体の表面外観を目
視により下記基準にて評価した。 優;粒子間の間隙がなく、見栄えが非常に良い。 良;粒子間の間隙が殆どなく、見栄えがよい。 やや不良;粒子間の間隙があり、外観がやや劣る。 不良;粒子間の間隙が多くあり、見栄えが悪い。
【0046】6)融着率;成形体を手で割った時の破断
面のうち、発泡粒子間の境界面で割れたものではなく、
発泡粒子の内部で引き裂かれた粒子の全粒子数に対する
割合(%)とする。 7)落球衝撃強度高さ;発泡成形体に重量255gの剛
球を垂直に落下させ発泡成形体の50%が破壊したとこ
ろの落下高さとする。(JIS K7211に準拠)
【0047】実施例2 25%の塩化ナトリウム水溶液の添加量を1500g
(水性媒体に対する濃度は0.32mol/lに相当)
とし、発泡剤を逸散させる工程における時間を10分と
した以外は、実施例1と同様に行った。 実施例3 25%の塩化ナトリウム水溶液の添加量を300g(水
性媒体に対する濃度は0.06mol/lに相当)と
し、その添加時期を重合開始後4時間目(その時の重合
転化率を調べたところ60%であった。)とした以外
は、実施例1と同様に行った。
【0048】実施例4 発泡剤を逸散させる工程における時間を40分とした以
外は、実施例3と同様に行った。 実施例5 25%の塩化ナトリウム水溶液に代えて、酢酸ナトリウ
ムの20%水溶液1450g(水性媒体に対する濃度は
0.11mol/lに相当)を冷却を開始した時点(そ
の時の重合転化率を調べたところ99%であった。)を
添加し、発泡剤を逸散させる工程における温度を35℃
とし、同時間を60分とした以外は、実施例1と同様に
行った。
【0049】実施例6 スチレンモノマー18kgを、粒径が0.2mm以下の
スチレン系発泡性樹脂粒子3.6kgをスチレンモノマ
ー14.4kgに溶解させたものに変え、また発泡剤を
逸散させる工程における温度を45℃とし、同時間を2
0分とした以外は、実施例5と同様に行った。
【0050】実施例7 スチレン単量体に、重合開始剤、可塑化剤の他にメタク
リル酸メチル重合体(三菱レイヨン社製、BR−80)
0.5g(スチレン系単量体に対して0.0028%に
相当)を添加して重合を開始し、内温が60℃に達した
時点で、過硫酸カリウムの1%水溶液を5.4g添加し
て実験を行なった。その他の条件は実施例1と同様に行
なった。
【0051】実施例8 メタクリル酸メチル重合体(三菱レイヨン社製、BR−
80)の添加量を1.8g(スチレン系単量体に対して
0.01%に相当)、過硫酸カリウムの1%水溶液の添
加量を18gにして重合を行なった。25%の塩化ナト
リウム水溶液は、冷却を開始した時点(その時の重合転
化率を調べたところ、99%であった。)に、700g
(水性媒体に対する濃度は0.15mol/lに相当)
を10分間かけてオートクレーブ内に投入し、また、発
泡剤を逸散させる工程における時間を30分とした以外
は、実施例1と同様に行なった。
【0052】実施例9 過硫酸カリウムの1%水溶液の添加量を9gにして重合
を行い、90℃から100℃まで5時間半かけて昇温さ
せる途中の4時間目(その時の重合転化率を調べたとこ
ろ、60%であった。)に酢酸ナトリウムの20%水溶
液1450g(水性媒体に対する濃度は0.1mol/
lに相当)を10分間かけてオートクレーブ内に投入
し、重合終了後は30℃まで6時間かけて冷却し、ま
た、発泡剤を逸散させる工程における時間を10分とし
た以外は、実施例1と同様に行なった。
【0053】実施例10 メタクリル酸メチル重合体の代わりに、ヘキサブロモシ
クロドデカン(デッドシーブロム社製、HBCD−LM
S)100g(スチレン系単量体に対して0.60%に
相当)を添加し、25%の塩化ナトリウム水溶液の添加
量を500g(水性媒体に対する濃度は0.11mol
/lに相当)にし、重合終了後は30℃まで3時間かけ
て冷却し、また、発泡剤を逸散させる工程における温度
を35℃とし、同時間を50分とした以外は、実施例7
と同様に行った。
【0054】実施例11 過硫酸カリウムの1%水溶液の添加時期を、90℃から
100℃まで5時間半かけて昇温させる途中の1時間目
(その時の重合転化率を調べたところ、25%であっ
た。)に変更し、また発泡剤を逸散させる工程における
温度を45℃とした以外の条件は、実施例9と同様に行
ない評価した。
【0055】実施例12 25%の塩化ナトリウム水溶液の添加時期を、90℃か
ら100℃まで5時間半かけて昇温させる途中の2時間
半目(その時の重合転化率を調べたところ、40%であ
った。)に変更し、また発泡剤を逸散させる工程におけ
る温度を30℃とし、同時間を60分とした以外の条件
は、実施例9と同様に行ない評価した。 実施例13 過硫酸塩を添加しなかった以外は、実施例7と同様に行
った。
【0056】比較例1 25%の塩化ナトリウム水溶液を添加しなかった以外
は、実施例1と同様に行った。 比較例2 実施例1に於て、25%の塩化ナトリウム水溶液を添加
せずに、発泡剤を逸散させる工程における温度を45℃
とし、同時間を60分とした以外は、実施例1と同様に
行った。
【0057】比較例3 発泡剤を逸散させる工程を行わなかった以外は、実施例
3と同様に行った。 比較例4 25%の塩化ナトリウム水溶液を添加しなかった以外
は、実施例6と同様に行った。
【0058】比較例5 実施例7に於て、メタクリル酸メチル重合体(三菱レイ
ヨン社製、BR−80)の添加量を0.2g(スチレン
系単量体に対して0.0011%に相当)にし、90℃
から100℃まで5時間半かけて昇温させる途中の4時
間目(その時の重合転化率を調べたところ、60%であ
った。)に塩化ナトリウム7kg(水性媒体に対する濃
度は6mol/lに相当)を10分間かけてオートクレ
ーブ内に投入し、重合終了後は30℃まで8時間かけて
冷却した。また、発泡剤の逸散処理時間を10分にして
実験を行い、同様の評価をした。
【0059】比較例6 過硫酸塩と塩化ナトリウム水溶液を添加しなかった以外
は、実施例10と同様の実験と評価を行なった。 比較例7 25%の塩化ナトリウム水溶液700g(水性媒体に対
する濃度は0.15mol/lに相当)の添加時期を9
0℃に到達した時点(その時の重合転化率を調べたとこ
ろ10%であった)とした以外は、実施例8と同様の実
験を行なった。
【0060】比較例8 25%の塩化ナトリウム水溶液700g(水性媒体に対
する濃度は0.15mol/lに相当)の添加時期を9
0℃から100℃まで5時間半かけて昇温させる途中の
4時間目に添加し、過硫酸カリウム1%水溶液18gの
添加時期を、その後の4時間半目とし、発泡剤を逸散さ
せる工程における時間を10分とした以外は、実施例1
と同様の実験と評価を行なった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】本発明の発泡性樹脂粒子は予備発泡させ
た後の予備発泡粒子のセル変化が少ない、即ち保管条件
によって影響の受けにくく、それを用いて成形された発
泡成形体は表面が美麗で且つ充分な機械的強度を有する
ものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系発泡性樹脂粒子の中心付近を
    通る断面での表面から半径方向0.1mm以内のボイド
    数が100個/mm2 以下であり、かつ、2倍の体積に
    発泡させた時の表面スキン層が10〜100μmである
    ことを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 スチレン系発泡性樹脂粒子の中心付近を
    通る断面での表面から半径方向0.3mm以内を除く半
    径方向内部のボイド数が250個/mm2 以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載のスチレン系発泡性樹脂
    粒子。
  3. 【請求項3】 スチレン系発泡性樹脂粒子の粒径が0.
    3〜3mmであることを特徴とする、請求項1記載のス
    チレン系発泡性樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 スチレン系単量体を重合開始剤及び懸濁
    剤の存在下で水性媒体中で懸濁させ、発泡剤を含有させ
    て発泡性樹脂粒子を製造する方法において、前記単量体
    の重合転化率が30%以上の時点で、水性媒体に対する
    濃度が、0.02〜5.0mol/lになるような量の
    電解質を添加して重合する工程、及び、スチレン系発泡
    性樹脂粒子を水性媒体から分離した後、温度Tが、次式
    の範囲 Tg−20℃≦T≦Tg+10℃ (尚、Tgは重合体のガラス転移温度である。)で発泡
    剤を3〜20重量%逸散させる工程からなることを特徴
    とするスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 電解質が塩化ナトリウム、塩化マグネシ
    ウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウ
    ム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウ
    ム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウ
    ム、琥珀酸二ナトリウムからなる群から選ばれる少なく
    とも1種である、請求項4記載のスチレン系発泡性樹脂
    粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 発泡剤を逸散させる工程における温度
    が、25℃〜55℃であることを特徴とする、請求項4
    記載のスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 単量体の重合転化率が0〜30%の間
    に、過硫酸のアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩を
    水性媒体に対し0.5〜30ppmになるような量添加
    することを特徴とする、請求項4記載のスチレン系発泡
    性樹脂粒子の製造方法。
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