JPH09109041A - ソケットレンチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はユニバーサル式ソケットレンチのソ
ケット部の姿勢を安定させ、ボルト頭部等に対する嵌合
を円滑に行えるようにすることを目的とする。 【解決手段】 ボルト又はナットの頭部に嵌合するソケ
ット部２に軸部３を介して回転トルクを伝達し、ソケッ
ト部２と軸部３とがユニバーサルジョイントにより結合
部５で連結させるユニバーサル式ソケットレンチにおい
て、軸部３とソケット部２の間にコイルスプリング６を
介装し、ソケット部２の姿勢がふらふらしないようスプ
リング力で中立姿勢側に付勢する。コイルスプリング６
の代りに、複数の板バネ１５、…を使用しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト、ナット等
の締結作業等に用いられるユニバーサル式ソケットレン
チの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、軸線から角度を持ってボルト等を
締結するような締結工具として、例えば図７に示すよう
なユニバーサル式ソケットレンチ５１が知られている。
このユニバーサル式ソケットレンチ５１は、ボルト等の
頭部を嵌合せしめるソケット部５２と、このソケット部
５２にトルクを伝達する軸部５３とがユニバーサルジョ
イントによって結合部５４で連結され、軸部５３の軸線
方向に対してソケット部５２を任意の角度で傾かせるこ
とが出来るようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ユニバーサル式ソケットレンチ５１は、ソケット部５２
が極めて軽い力で傾動するため、特に軸部５３が長いよ
うな時は先端のソケット部５２をボルト等の頭部に嵌合
させようとしてもふらふらして姿勢が安定せず、作業性
が悪いという問題があった。また、ソケット部５２が完
全に嵌合していない状態で締付作業を開始すると、ソケ
ット部５２が外れて他部に損傷を与える可能性もあり、
しかもソケット部５２の首振り角度が大きいため、トル
ク確認時等にソケット部５２が外れやすくなるという問
題もあった。そこで、ボルト等に対する嵌合をスムーズ
に行え、しかも嵌合が外れにくいユニバーサル式ソケッ
トレンチが望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、ボルト等の頭部に嵌合するソケット部と、こ
のソケット部にトルクを伝達する軸部とがユニバーサル
ジョイントで結合されているユニバーサル式ソケットレ
ンチにおいて、軸部とソケット部の間に、非嵌合状態の
ソケット部を中立姿勢に戻す弾性部材を介装するように
した。

【０００５】この際、弾性部材は例えばコイルスプリン
グとか、板バネ等であり、この弾性部材でソケット部を
中立姿勢側に付勢することでソケット部の姿勢を安定さ
せ、ボルト等の頭部にスムーズに嵌合させる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て添付した図面に基づき説明する。ここで図１は本発明
のソケットレンチの斜視図、図２はソケットレンチの適
用の一例を示す説明図、図３は弾性部材をコイルスプリ
ングにした場合のスプリング受け部の各種構成例図、図
４及び図５は弾性部材として板バネを使用した構成例を
示すものである。

【０００７】本発明のソケットレンチ１は、例えば図２
に示すようなボルト等の自動締付機Ｈのアタッチメント
部品として構成され、図１に示すように、ボルト等の頭
部に嵌合可能な例えば六角形状の嵌合凹部を備えたソケ
ット部２と、このソケット部２に回転トルクを伝達する
ための軸部３を備えている。そして、このソケット部２
と軸部３とはユニバーサルジョイントに結合部５で連結
されており、前記ソケット部２と軸部３との間には、弾
性部材としてのコイルスプリング６が縮装されている。

【０００８】そしてこのスプリング６の付勢力は、ソケ
ット部２が軸部３の軸線方向から傾動する際にはあまり
大きな抵抗力とならず、ソケット部２がフリーな状態で
は中立姿勢に戻る程度の比較的軽い力にしている。

【０００９】このコイルスプリング６を受けるスプリン
グ受けは、軸部３側にあっては軸部３の所定部にセパレ
ート式のセットカラー７をネジ８で固定する一方、ソケ
ット部２側にあってはソケット部２の後端面にプレート
９を密着させて配設し、これらセットカラー７とプレー
ト９間に前記コイルスプリング６を挟装するようにして
いる。この際、前記セットカラー７は着脱自在であり、
例えばアタッチメントが破損したような場合に新しいア
タッチメントに取り付けることも可能であり、しかも、
軸部３に対する取付位置は前後に移動調整可能であるた
め、コイルスプリング６の強さを調整することが出来
る。

【００１０】因みに、前記セットカラー７は、図３
（Ａ）に示すようにワッシャー１０の後面側をサークリ
ップ１１で固定するようにしても良く、或いは図３
（Ｂ）に示すように、軸部３に嵌装した鍔付きカラー１
２を丸ピン１３で固定するようにしても良い。

【００１１】また、前記ソケット部２側のプレート９
は、スプリング６のテンションを広範囲に受けるため大
径にしており、実施例ではソケット部２と別体のウレタ
ン製プレートとしているが、ソケット部２の後端を大径
にしてソケット部２と一体に成形するようにしても良
い。

【００１２】以上のようなソケットレンチ１の作用につ
いて図６に基づき説明する。例えばエンジンにコンバー
ターを締め付ける作業において、コンバーターセルフロ
ックナットＮを締め付けるような作業で本発明のソケッ
トレンチ１が使用される。この際、ソケット部２は締付
軸線からずれた方向から接近させるが、ソケット部２先
端の嵌合凹部の開口部の一部をセルフロックナットＮに
係合させて軽く力を加えるとソケット部２はふらふらす
ることなく締付軸方向に一致するよう屈曲し、スムーズ
に嵌合させることが出来る。

【００１３】そして、この嵌合状態は、ソケット部２に
軽い押圧力を加えていれば外れることはなく、締付時及
び締付トルクの確認時等においても確実に嵌合状態を保
持出来る。因みに、このようにコイルスプリング６でソ
ケット部２の姿勢を安定させた場合、従来であれば１ヵ
所のセルフロックナットに嵌合させる時間が約１秒程度
であったものが、約半分の０．５秒程度に短縮された。

【００１４】ところで、以上のようなコイルスプリング
６に代えて板バネを使用することも出来る。そこで、こ
の板バネを使用した一例を図４及び図５に基づき説明す
る。図４は、ソケット部２の後端部から後方に向けて円
周方向に４枚の板バネ１５、…を張出させ、これら板バ
ネ１５、…の先端部を軸部３の外周に圧接状態で当接さ
せたものである。

【００１５】この場合もソケット部２の姿勢は中立状態
に付勢され、嵌合状態を外れると中立姿勢に戻る。そし
てこの板バネ１５、…の弾性力も、ソケット部２の傾動
にあたって大きな抵抗力とならず、しかも確実に中立姿
勢に戻すことが出来るような程度にする。

【００１６】また図５は、軸部３に板バネ止めリング１
６を固定し、この板バネ止めリング１６から複数の板バ
ネ１５、…を前方に張出させる一方、ソケット部２の後
面に中空凹部２ａを形成し、この中空凹部２ａの内周面
に前記板バネ１５、…の先端を圧接状態で当接させた構
成例である。この場合も板バネ１５、…の弾性力でソケ
ット部２の姿勢は中立状態に保持される。

【００１７】そして、上記図４及び図５の場合も、ソケ
ット部２の姿勢はふらふらせずに安定し、締付軸からず
れた方向からソケット部２を嵌合させる際に、円滑に嵌
合させることが出来、しかも嵌合状態の保持が確実にな
される。勿論、板バネ１５、…の数等任意である。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明のソケットレンチ
は、ソケット部と軸部との間に弾性部材を介装し、ソケ
ット部の姿勢が中立状態になるように付勢したため、ボ
ルト等に対する嵌合がスムーズとなり、締付作業時、及
び締付トルク確認時等において外れるような不具合を抑
制することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のソケットレンチの斜視図

【図２】本発明のソケットレンチの適用の一例を示す説
明図

【図３】弾性部材をコイルスプリングにした場合のスプ
リング受け部の各種構成例図であり、（Ａ）はワッシャ
ーをサークリップで止めたもの、（Ｂ）は丸ピン止めし
たもの

【図４】弾性部材として板バネを使用した構成例を示
し、ソケット部に板バネを取り付けたもの

【図５】弾性部材として板バネを使用した他の構成例を
示し、止めリングに板バネを取り付けたもの

【図６】本発明のソケットレンチの作用図

【図７】従来図

【符号の説明】

１…ソケットレンチ、２…ソケット部、３…軸部、５…
ユニバーサルジョイントの結合部、６…コイルスプリン
グ、１５…板バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルト等の頭部に嵌合するソケット部
   と、このソケット部にトルクを伝達する軸部とがユニバ
   ーサルジョイントで結合されているユニバーサル式ソケ
   ットレンチにおいて、前記軸部とソケット部の間に、非
   嵌合状態のソケット部を中立姿勢に戻す弾性部材を介装
   したことを特徴とするソケットレンチ。