JPH0910546A - 湿式排煙脱硫装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置

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JPH0910546A
JPH0910546A JP7159344A JP15934495A JPH0910546A JP H0910546 A JPH0910546 A JP H0910546A JP 7159344 A JP7159344 A JP 7159344A JP 15934495 A JP15934495 A JP 15934495A JP H0910546 A JPH0910546 A JP H0910546A
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立人 長安
Noboru Ishii
登 石井
Masakazu Onizuka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収塔タンク内に吹込まれた気泡のポンプへ
の巻き込みや、さらには循環スラリのいわゆるショート
パスが低減されたタンク酸化方式の湿式排煙脱硫装置に
関する。 【構成】 底部のタンクにカルシウム化合物含有スラリ
が供給される吸収塔と、前記タンク内のスラリを吸収塔
上部に送って排煙と接触させるための循環ポンプと、前
記タンク内に酸化のための空気を供給する空気供給手段
と、前記タンク内のスラリを抜出す抜出しポンプとを備
えたタンク酸化方式の湿式排煙脱硫装置において、前記
タンクの側壁における前記循環ポンプ用または前記抜出
しポンプ用の出口開口部の少なくとも上側を覆うよう
に、前記タンクの側壁の内面から斜め下方に伸びる傾斜
板を設けてなる湿式排煙脱硫装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸収塔タンク内に吹込ま
れた気泡のポンプへの巻き込みや、さらには循環スラリ
のいわゆるショートパスが低減されたタンク酸化方式の
湿式排煙脱硫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、湿式排煙脱硫装置としては吸収塔
のタンク内に空気を送込み、そこで亜硫酸ガスを吸収し
たスラリ溶液(石灰石などのカルシウム化合物からなる
もの)と接触せせて酸化を行うようにし、酸化塔を不要
としたもの(いわゆるタンク酸化方式)が主流となって
いるが、この場合タンク内において如何に効率よく空気
とスラリ溶液とを接触させるかが、消費空気量及び消費
動力を節約し、ぇた処理速度の向上、タンクの小型化な
どを図る上で問題となる。タンク内に空気を送込みスラ
リ溶液と接触させる手段(すなわち、空気供給手段)と
しては、タンク内に通気管を固設して単なるバブリング
を行うものがあったが、さらに効率のよい空気との接触
を得るために、出願人はタンク内で回転する攪拌棒の背
面に空気を供給するいわゆるアーム回転式の空気供給手
段、及びそれを適用した湿式脱硫装置を開発し実用化し
ている。
【0003】図6は、このアーム回転式の空気供給手段
7を適用した湿式石灰石膏脱硫装置の一例を示す図であ
る。この装置は、いわゆる充填式(グリッド式)の気液
接触装置を使用したもので、主な構成として、吸収剤ス
ラリ(カルシウム含有スラリ、この場合石灰石スラリ)
が供給されるタンク1と、このタンク1の一側部に上方
に向って延設された吸収塔2と、タンク1の他側部に上
方に立上がるように形成された排煙導出部3と、タンク
2内の吸収剤スラリを吸上げて吸収塔2の塔上部2aに
送る循環ポンプ4と、吸収塔2の塔上部2a内に設けら
れ、循環ポンプ4より送込まれた吸収剤スラリを流出さ
せるノズル5aが複数形成されたヘッダパイプ5と、吸
収塔2内の塔上部2aの下方に配設され、ノズル5aか
ら流出して流れ落ちた吸収剤スラリをホールドさせて大
きな気液接触面積を確保する充填材6とを備え、排煙中
の亜硫酸ガスを吸収剤スラリに気液接触させて吸収させ
た後、この吸収剤スラリを全量酸化して副生品として石
膏を得るものである。
【0004】すなわち、この装置では吸収塔2の塔上部
2aに未処理排煙Aを導き、循環ポンプ4によりヘッダ
パイプ5のノズル5aから噴射した吸収剤スラリに気液
接触させて、未処理排煙A中の亜硫酸ガスを吸収除去
し、排煙導出部3から処理済排煙Bとして排出させる。
そして、ノズル5aから流出し亜硫酸ガスを吸収しつつ
充填材6を経由して流下する吸収剤スラリはタンク1内
において空気供給手段7により供給された空気により酸
化され、さらには中和反応を起こして石膏となる。
【0005】なお、アーム回転式の空気供給手段7はタ
ンク1内に中空回転軸8により支持されて図示省略した
モータにより水平回転する攪拌棒9と、前記中空回転軸
8から伸びて開口部10aが攪拌棒9の下側に延長され
た空気供給管10と、前記中空回転軸8の基端側を空気
源に接続するためのロータリジョイント11とを備え、
ロータリジョイント11から空気Cを圧入しつつ中空回
転軸8を回転させることで、空気供給管10より攪拌棒
9の回転方向背面側に生じる気相域に空気Cを供給し、
攪拌棒9の回転により生じる渦力によりこの気相域終縁
部の千切れ現象を起こして略均一な微細気泡を多数発生
させ、タンク1内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリ
溶液と空気とを効率よく接触させるものである。また、
これらの処理中に起きている主な反応は以下の反応式
(1)乃至(3)となる。
【0006】 (吸収塔) SO2+H2O → H++HSO3 - (1) (タンク) H+ +HSO3 - + 1/2O2 →2H+ +SO4 2- (2) 2H+ +SO4 2- +CaCO3 +H2O →CaSO4 ・2H2O+CO2 (3)
【0007】こうしてタンク1内には、石膏と吸収剤で
ある少量の石灰石が懸濁または溶解し、これらが抜出し
ポンプ12により吸出されて固液分離機15に供給さ
れ、ろ過されて水分の少ない石膏E(通常、水分含有
率:10%程度)として採出される。一方、固液分離機
15からのろ液はろ液タンク16に送られ、ここで石灰
石Gが加えられ吸収剤スラリとしてスラリポンプ17に
より再びタンク1に供給される。
【0008】なお、図6には除塵部を設けていない脱硫
装置を示したが、充填式気液接触装置自体は除塵作用が
ほとんどないので、高い除塵性能が要求される場合に
は、吸収塔2の上流側に水を噴射するノズルが複数形成
されたパイプを有する除塵部が設けられる。また、従来
この種の脱硫装置に使用される気液接触装置としては、
例えば実開昭59−53828号公報に示されるような
いわゆる液柱式のものがある。これは充填材を使用せ
ず、吸収剤スラリをノズルから液柱式に高く噴射して気
液接触を行うものである。
【0009】また、上記図6に示す脱硫装置はいわゆる
並流式の吸収塔が一つ設けられたものであるが、出願人
は一つのタンクの排煙導入側と導出側とに、並流式の吸
収塔と向流式の吸収塔とをそれぞれ設けた、いわばハイ
ブリッドタイプの気液接触装置からなる脱硫装置を提案
しており、このタイプの脱硫装置であれば、高い脱硫性
能を確保しつつ装置の小型化や消費動力の低減化が図れ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
脱硫装置では、アーム回転式の空気供給手段7によっ
て、図6で矢印N1で示すような気泡を含む大きな流れ
がタンク1内に発生し、この流れN1の外周部から分岐
するような流れN2が直接かつスムーズに循環ポンプ4
や抜出しポンプ12に接続された出口開口部から吸出さ
れていた。このため、多量の気泡がそのまま流れN2に
含まれて、循環ポンプ4や抜出しポンプ12内に流入
し、各ポンプの性能低下や損傷、あるいは騒音や振動の
増大を招いていた。また、排煙と接触して吸収塔2から
落下してきたスラリが気泡と接触することなく直接循環
ポンプ4などに吸込まれる流れN3(すなわち、ショー
トパス)が多く生じて脱硫性能など向上の支障になる問
題もあった。
【0011】なお、上記図6に示すような一塔式の脱硫
装置ではポンプの出口開口部を吸収塔のある側とは反対
側に設けることにより、スラリの落下位置から出口開口
部を遠ざけてショートパスを回避することができるが、
この場合設計の自由度が劣化するという問題がある。ま
た、前述のハイブリッドタイプの脱硫装置では何れの側
にポンプの出口開口部を設けていても、その上部には排
煙と接触したスラリが落下してくるから、上記流れN3
のようなショートパスが避けられず、やはり性能向上の
支障になる。
【0012】なお、この種のタンク酸化方式の脱硫装置
において、ポンプへの気体の吸込みを防止するための技
術として、例えば特公平5−26525号公報に示され
るように、タンク底部に仕切壁を立設して液溜部を形成
し、この液溜部にポンプの抜出し口を設ける技術が提案
されている。これはポンプの抜出し量に応じて前記液溜
部に生じる流下速度が気泡の上昇速度より下回るように
液溜部の断面積を設定することにより、気泡の吸込みを
防止せんとするものであり、空気供給手段が例えば単な
るバブリングによるもの(いわゆる固定式のエアスパー
ジャなど)であれば、気泡吸込み低減に有効であると考
えられる。しかし、この構成によっては、液溜部の上部
近傍に落下してきたスラリが直接ポンプに吸込まれてし
まう流れ、すなわちショートパスを抑制できない。さら
に、空気供給手段が上記アーム回転式のもののように、
タンク中心部で上昇しタンク側壁部で下降する大きな流
れN1を生じさせるものである場合には、前記液溜部の
流下速度をその段面積だけで調整することは実際不可能
である場合があり、気泡吸込みを有効に低減することは
できない。
【0013】そこで本発明は、タンク側壁に沿って下降
する気泡を含む流れが生じる空気供給手段(または攪拌
機)を採用した場合でも、また、ポンプの出口開口部の
上方近傍にスラリが落下するような吸収塔構成(または
ポンプ出口開口部の配置構成)とした場合でも、ポンプ
への気泡の混入やショートパスが抑制される湿式排煙脱
硫装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の湿式排煙脱硫装置は、底部のタンク
にカルシウム化合物含有スラリが供給される吸収塔と、
前記タンク内のスラリを吸収塔上部に送って排煙と接触
させるための循環ポンプと、前記タンク内に酸化のため
の空気を供給する空気供給手段と、前記タンク内のスラ
リを抜出す抜出しポンプとを備えたタンク酸化方式の湿
式排煙脱硫装置において、前記タンクの側壁における前
記循環ポンプ用または前記抜出しポンプ用の出口開口部
の少なくとも上側を覆うように、前記タンクの側壁の内
面から斜め下方に伸びる傾斜板を設けたことを特徴とす
る。
【0015】また、請求項2記載の湿式排煙脱硫装置
は、前記傾斜板の下部先端と前記タンク底面との間を区
分けするように、前記タンク底面上に多孔板を立設した
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明では、タンク側壁内面に沿って下降する
流れがあっても、この流れは傾斜板によりポンプの出口
開口部から遠ざかる方向に導かれ、この流れからは分岐
するようにして直接かつスムーズに出口開口部に流入す
る流れの発生は阻止され、気泡分離が実現される。ま
た、ポンプの出口開口部の上方に落下するスラリも、こ
の傾斜板に沿ってタンク中心側に流れることで少なくと
も気泡が多量にある領域を通過し、ショートパスが低減
される。
【0017】また、傾斜板の先端とタンク底面との間を
区分けする多孔板が立設された場合には、出口開口部に
流入する流れは、この多孔板の働きにより気泡分離がさ
らに促進される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図3に基
づいて説明する。なお、図6に示した従来の湿式排煙脱
硫装置と同様の要素には同符号を付してその説明を省略
する。本実施例の湿式排煙脱硫装置は図1に示すよう
に、吸収剤スラリを排煙と気液接触させ、さらに酸化の
ための空気とも接触させるための気液接触装置として、
図2に示すようなハイブリッドタイプの気液接触装置1
00を有する。この気液接触装置100は吸収剤スラリ
(カルシウム含有スラリ、この場合石灰石スラリ)が供
給されるタンク101と、このタンク101の一側部
(図では左側)から上方に延設され、未処理排煙Aを導
入するための排煙導入部111がその上端部に形成され
て排煙が下方に向って流れる導入側吸収塔110と、タ
ンク101の他側部(図では右側)から上方に延設さ
れ、処理済排煙を導出するための排煙導出部121がそ
の上端部に形成されて、導入側吸収塔110を通過しタ
ンク101内上部を経由した排煙が上方に向って流れる
導出側吸収塔120とを備える。
【0019】そして、各吸収塔110,120にはスプ
レパイプ112,122がそれぞれ設けられ、これらス
プレパイプ112,122には、吸収剤スプレを上方に
向って液柱状に噴射する複数のノズル113,123が
形成されている。また、タンク101の両側には、タン
ク101内の吸収剤スラリを吸上げる循環ポンプ11
4,124が設けられ、循環パイプ115,125を介
して吸収剤スラリが各スプレパイプ112,122に送
込まれ、各ノズル113,123から噴射されるように
構成されている。さらに、この場合、導出側吸収塔12
0の上端部には、同伴ミストを補集除去するためのミス
トエリミネータ130が設けられている。なお、このミ
ストエリミネータ130で補集されたミストは例えば導
出側吸収塔120内を滴下することにより直接タンク1
01内に戻る構成となっている。なお、図2において符
号11aで示すものは、ロータリジョイント11を介し
て空気供給手段7に空気を供給する空気ブロワである。
【0020】そして、符号102で示すものは、タンク
101の側壁における各ポンプ114,124の各出口
開口部105(図3に示す)の上側及び前面側を覆うよ
うに、タンク101の側壁の内面から斜め下方に伸びる
ように設けられた傾斜板である。この場合、この傾斜板
102は図2に示すように、タンク101の奥行方向全
長にわたって配設されて、各ポンプの出口開口部に対し
て一括して設けられており、この傾斜板102の先端と
タンク101の底面との間には、この部分を奥行方向全
長にわたって区分けするように多孔板103(殆どは図
示省略)が立設されている。この多孔板103は、具体
的には例えば開口率50%のパンチングメタルである。
このような傾斜板102及び多孔板103が設けられる
ことにより,後述するように気泡の各ポンプへの吸込
み、及びいわゆるショートパスが抑制される。なお、図
2には隔壁104が設けられた状態が図示されている
が、これは本実施例では不要であり、この隔壁104を
設ける態様については後述する。
【0021】次に、上記のように構成された脱硫装置の
動作を説明する。タンク101内の吸収剤スラリは循環
ポンプ114,124により、それぞれ循環パイプ11
5,125を通ってスプレパイプ112,122にに供
給される。一方、排煙は先ず排煙導入部111を通って
導入側吸収塔110内に導入され下降する。スプレパイ
プ112に供給された吸収剤スラリはスプレパイプ11
2のノズル113から上方へ噴射され、上方に噴き上げ
られた吸収剤スラリは頂部で分散し次いで下降し、下降
するスラリと噴き上げたスラリとが相互に衝突して微細
な粒子状になり、微細な粒子状になったスラリが次々に
生じるようになり、粒子状のスラリは塔内に分散して存
在するようになり、やがてゆっくりと落下するようにな
る。こうして、亜硫酸ガスを含む排煙が粒子状のスラリ
が存在する塔内を流下するため、体積当たりの気液接触
面積が大きくなる。また、ノズル113近傍では排煙が
スラリの噴き上げ流れに効果的に巻き込まれるので、ス
ラリと排煙とは効果的に混合し、先ずこの並流式の吸収
塔110においてかなりの量の亜硫酸ガスが除去され
る。例えば、この導入側吸収塔110における吸収剤ス
ラリの循環流量や液柱高さを従来よりも低く設定したと
しても、60〜70%程度の脱硫率で亜硫酸ガスを吸収
除去することが可能である(従来は、一つの塔で90〜
95%の脱硫率を達成している)。
【0022】次に、吸収塔110を流下した排煙はタン
ク101の上部を横方向に流れた後、下部から吸収塔1
20に入り、吸収塔120を上昇する。吸収塔120で
は、吸収剤スラリがスプレパイプ122のノズル123
から上方へ噴射され、吸収塔110と同様に微細な粒子
状となってゆっくりと落下して、向合って流れる排煙と
接触する。また、ノズル123近傍では排煙がスラリの
噴き上げ流れに効果的に巻込まれるので、スラリと排煙
とは効果的に混合し、さらにこの向流式の吸収塔120
において最終的に残りのほとんどの亜硫酸ガスが除去さ
れる。例えば、最終的に90〜95%以上の脱硫率で亜
硫酸ガスが吸収除去される。
【0023】なお、タンク101内では、従来例におい
て説明したように、空気ブロワ11aからロータリジョ
イント11、中空回転軸8及び空気供給管10の開口端
10aを通って、空気Cが攪拌棒9の背面側の前述の気
相域に供給され、攪拌棒9の回転により生じる渦力によ
りこの気相域終縁部の千切れ現象を起こして略均一な微
細気泡が多数発生しており、各吸収塔110,120に
おいて亜硫酸ガスを吸収して流下した吸収剤スラリがこ
れら空気と接触して酸化され、従来と同様に石膏が得ら
れる。
【0024】そして、この際、タンク101内において
はアーム回転式の空気供給手段7の作用により、図3の
矢印N5に示すように大きな循環する流れが発生し、タ
ンク101の側壁内面近傍においては下降する流れが定
常的に生じている。しかし、このうよなタンク側壁内面
に沿って下降する流れがあっても、この流れN5は傾斜
板102により図3に示すようにポンプの出口開口部1
05から遠ざかる方向に導かれ、この流れから分岐して
直接かつスムーズに出口開口部105に流入する流れの
発生は阻止される。すなわち、流れN5から分岐するよ
うにして出口開口部105に流入する流れN6は、傾斜
板102の先端側において迂回するような流れとなる。
またこの流れN6は傾斜板102の先端下側で、多孔板
103によりスムーズな流入を阻止されて、流れの方向
を乱しながらさらに紆余曲折することになる。このた
め、タンク101内の気泡(流れN5に多量に含まれる
気泡)は傾斜板102の先端側のこの迂回部分におい
て、さらには多孔板103の手前において流れN6から
分離され、傾斜板102の下側の空間(すなわち出口開
口部)にはほとんど流入しない。
【0025】一方、ポンプ出口開口部105の上方に落
下する吸収剤スラリはアーム回転式の空気供給手段7に
よる大きな流れN5にひきずられるようにして、タンク
101の側壁に沿う流れN7となって下降する。しか
し、この流れN7も傾斜板102により図3に示すよう
にポンプの出口開口部105から遠ざかる方向に導か
れ、さらには多孔板103の作用により、この流れN7
が直接かつスムーズに出口開口部105に流入すること
(すなわち、ショートパス)が回避される。すなわち、
落下した吸収剤を含む流れN7はこの傾斜板102に沿
ってタンク中心側に流れ、多孔板103により流れの向
きを乱しながら傾斜板102の下側の空間に流入するこ
とで、少なくとも気泡が多量にある領域を通過して、そ
のほとんどが気泡(空気)と反応した後に出口開口部1
05に吸込まれる。
【0026】以上説明したように、上記実施例の気液接
触装置100を有する脱硫装置によれば、一つのタンク
で気液接触(亜硫酸ガスの吸収)を2段階に行うことが
できる。このため、装置の横寸法(主にタンク101が
占める面積)を従来と同等に維持しながら、しかも各吸
収塔の高さやスラリの循環流量を従来と同じかそれ以下
としても、従来と同等またはそれ以上の気液接触効率
(脱硫率)が得られる。そして、上述した傾斜板102
と多孔板103の作用によって、各ポンプ114,12
4,12への気泡の流入が従来に比し格段に低減され、
ポンプの性能低下または損傷、あるいは騒音や振動が確
実に回避される効果がある。また、上記実施例のように
ハイブリッドタイプの気液接触装置100を採用し、ポ
ンプの出口開口部105を吸収剤スラリが落下する位置
から遠ざけられない構成であっても、上述した傾斜板1
02と多孔板103の作用によって、ショートパスをほ
とんど回避することができるので、装置の小型化を図り
つつ、さらなる脱硫率向上、あるい副生品である石膏純
度の向上等が実現できる。
【0027】なお、本発明は上記実施例に限られず各種
の態様があり得る。例えば、図4に示すように、多孔板
103を設けない構成でもよい。また、図5に示すよう
に、先端が下方に屈折した形状の傾斜板102aを設け
る構成でもよい。また、上記実施例においては、各ポン
プの出口開口部105はタンク101の奥行方向に横並
びに配設されているが、傾斜板102及び多孔板103
で画成される横長の空間が、これらの各出口開口部ごと
に仕切られるように、傾斜板102の下側に図2に示す
ような隔壁104が所定間隔で複数立設されてもよい。
このようにすれば、この隔壁104の作用により未反応
石灰石を多く含む吸収剤スラリが循環ポンプ114,1
24により吸上げられる。すなわち、スラリポンプ17
の吐出側を、各循環ポンプ114,124の出口開口部
に対応してこの隔壁104により仕切られた空間に接続
して、各循環ポンプ114,124の出口開口部ごとに
仕切られた空間内に新たな吸収剤スラリを供給するよう
にすれば、未反応石灰石を多く含む吸収剤スラリが循環
ポンプ114,124により吸上げられる。また、この
場合、石膏を副生するためにタンク101内のスラリを
吸出す出口開口部(抜出しポンプ12の吸込み側を接続
する出口開口部)は、各循環ポンプ114,124の出
口開口部とは隔壁104により隔壁されているから、亜
硫酸ガスを吸収して流下し酸化されて石膏を多く含んだ
スラリが効率よく導出されることになる。
【0028】また、上記実施例における導入側吸収塔2
0及び導出側吸収塔30は、液柱式のものであるが、グ
リッド式の吸収塔(接触処理塔)であってもよい。ただ
し、グリッド式の場合には、除塵作用が少ないため除塵
部を設けることが好ましく、このためのポンプや配管も
必要になるので、これらが不要な液柱式の方が優れてい
る。また、本発明の脱硫装置は上記実施例のようなハイ
ブリッドタイプの気液接触装置を採用した方式に限られ
ず、例えば従来の一塔式の構成でもよいことはいうまで
もない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、タンク側壁内面に沿っ
て下降する流れがあっても、この流れは傾斜板によりポ
ンプの出口開口部から遠ざかる方向に導かれ、この流れ
から分岐するようにして直接かつスムーズに出口開口部
に流入する流れの発生は阻止される。また、ポンプの出
口開口部の上方に落下するスラリも、この傾斜板に沿っ
てタンク中心側に流れることで少なくとも気泡が多量に
ある領域を通過する。従って、ポンプの出口開口部に気
泡が多量に流入することが回避され、ポンプの性能低下
または損傷、あるいは騒音や振動が低減されるととも
に、ショートパスも低減される。
【0030】また、傾斜板の先端とタンク底面との間を
閉寒する多孔板が立設された場合には、出口開口部に流
入する流れは、この多孔板の手前でさらに紆余曲折する
ことになる。したがって、気泡がポンプの出口開口部に
流入することがほとんど回避され、ポンプの性能低下、
あるいは損傷や騒音等が格段に低減されるとともに、シ
ョートパスもさらに低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である湿式排煙脱硫装置の全
体構成図。
【図2】本発明の一実施例である湿式排煙脱硫装置の要
部傾視図。
【図3】本発明の一実施例である湿式排煙脱硫装置の要
部側面図。
【図4】本発明の他の実施例である湿式排煙脱硫装置の
要部側面図。
【図5】本は発明の実施例である湿式排煙脱硫装置の要
部側面図。
【図6】従来例である湿式排煙脱硫装置の全体構成図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 登 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 鬼塚 雅和 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部のタンクにカルシウム化合物含有ス
    ラリが供給される吸収塔と、前記タンク内のスラリを吸
    収塔上部に送って排煙と接触させるための循環ポンプ
    と、前記タンク内に酸化のための空気を供給する空気供
    給手段と、前記タンク内のスラリを抜出す抜出しポンプ
    とを備えたタンク酸化方式の湿式排煙脱硫装置におい
    て、前記タンクの側壁における前記循環ポンプ用または
    前記抜出しポンプ用の出口開口部の少なくとも上側を覆
    うように、前記タンクの側壁の内面から斜め下方に伸び
    る傾斜板を設けてなることを特徴とする湿式排煙脱硫装
    置。
  2. 【請求項2】 前記傾斜板の下部先端と前記タンク底面
    との間を区分けするように、前記タンク底面上に多孔板
    を立設したことを特徴とする請求項1記載の湿式排煙脱
    硫装置。
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