JP3968830B2 - 排煙脱硫装置の吸収塔 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙脱硫装置の吸収塔に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、ボイラ等の燃焼機器からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する装置の一つとして湿式の排煙脱硫装置が知られている。
【０００３】
図４は従来の排煙脱硫装置の吸収塔の一例を示すもので、吸収塔本体１内における底部の液溜まり部２に、炭酸カルシウム等の吸収剤を含むスラリー状の吸収液３が貯留されており、前記吸収塔本体１内における上方位置には、水平方向に延びる複数本のスプレー管４が上下方向に所要の間隔で多段に架設されている。
【０００４】
前記液溜まり部２と各段のスプレー管４とは吸収液供給管５を介して接続されており、該吸収液供給管５の途中には、前記液溜まり部２から吸収液３の一部を汲み上げて各段のスプレー管４から噴霧させるようにした循環ポンプ６が設けられている。
【０００５】
また、前記吸収塔本体１の下部一側には、液溜まり部２とスプレー管４との間に排ガス７を導入するようにしたガス導入口８が設けられており、前記吸収塔本体１の上部他側には、硫黄酸化物を除去した排ガス７を排出するようにしたガス導出口９が設けられている。
【０００６】
図４の循環ポンプ６により液溜まり部２から吸収液３の一部を汲み上げて各段のスプレー管４から噴霧させ、斯かる状態で、脱硫しようとする排ガス７をガス導入口８から吸収塔本体１内に導入すると、前記排ガス７は吸収塔本体１内部を上昇しながら各段のスプレー管４から噴霧された吸収液３と接触して硫黄酸化物を吸収液３に吸収され、ガス導出口９より排出される。
【０００７】
一方、スプレー管４から噴霧されて排ガス７から硫黄酸化物を吸収した吸収液３は、液溜まり部２に滴下する。
【０００８】
液溜まり部２には電動機１０によって回転駆動されるようにした撹拌翼１１が備えられていると共に、吸収液３中に酸化用空気１２を吹き込む空気供給管１３が配設されており、該空気供給管１３から酸化用空気１２を吹き込みながら前記撹拌翼１１を回転して吸収液３を撹拌することにより、排ガス７から硫黄酸化物を吸収することにより吸収液３中に生成された亜流酸カルシウムを酸化させて安定な石膏（硫酸カルシウム）を生成させるようにしており、生成された石膏は図示しない石膏取出口より抜き出して回収するようにしている。
【０００９】
前記スプレー管４から噴霧される吸収液３は、大半が微細な液滴のまま吸収塔本体１内を下降することにより排ガス７と接触して排ガス７中の硫黄酸化物を吸収除去する作用を発揮することになるが、吸収塔本体１の内壁面１４に衝突した吸収液３’は、図４に示すように前記内壁面１４を伝わって下方に流れ、そのまま液溜まり部２に流入する。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
図４に示した従来の吸収塔本体１においては、前記吸収塔本体１の内壁面１４を伝わって下方に流れ、そのまま液溜まり部２に流入してしまう吸収液３’が非常に多大な量となっている。
【００１１】
このように吸収塔本体１の内壁面１４を伝わって流れてしまう吸収液３’は、殆んどが排ガス７と接触しない、即ち脱硫に供せられないままに液溜まり部２に戻ってしまうものであり、従ってこのような脱硫に供せられない吸収液３’が多量に存在することは、吸収塔の硫黄酸化物の吸収効率を低下させる原因となっている。
【００１２】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、吸収塔本体の内壁面を伝わって流下する吸収液を回収して、排ガスと接触させるようにすることにより硫黄酸化物の吸収効率を高めることができるようにした排煙脱硫装置の吸収塔を提供することを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、吸収塔本体底部の液溜まり部から吸収液を汲み上げて上方から噴霧させ、該吸収液を落下中に下部のガス導入口から導入されて上部のガス導出口から導出される排ガスと接触させて硫黄酸化物を吸収して前記液溜まり部に戻すようにしている排煙脱硫装置の吸収塔であって、前記ガス導入口上部に設けた集液タンクと、該集液タンクの吸収液を前記ガス導入口の内部に噴射するように設けたノズルと、前記吸収塔本体の内壁面に備えて該内壁面を流下してくる吸収液を前記集液タンクに導くようにした集液レールとを備え、該集液レールが、吸収塔本体の前側の内壁面に対し前記集液タンクの上部開口に沿って水平に設けた前側の集液レールと、吸収塔本体の左右側の内壁面に対し前記前側の集液レールに向って下り勾配となった側部の集液レールと、吸収塔本体の後側の内壁面に対し中間部が高く且つ両端が前記側部の集液レールの高くなっている後端部に向かって下り勾配を有した後測の集液レールとからなることを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔、に係るものである。
【００１４】
請求項２に記載の発明は、ガス導入口の上部に集液タンクを備え、該集液タンク内の吸収液をガス導入口の上部に設けられたノズルに供給する送液ポンプを備えたことを特徴とする請求項１に記載の排煙脱硫装置の吸収塔、に係るものである。
【００１５】
請求項１に記載の発明では、従来、吸収塔本体の内壁面を伝わって液溜まり部に流れることにより硫黄酸化物の吸収除去には殆ど供せられることがなかった吸収液を、集液レールにより回収し、集液タンクを介してノズルから噴射されることにより排ガスと接触させて硫黄酸化物の吸収除去に供するようにしたので、循環ポンプによって循環される吸収液が有効に利用されるようになり、よって吸収塔本体における硫黄酸化物の吸収効率を高めることができる。
【００１６】
請求項２に記載の発明では、集液タンクに集められた吸収液を送液ポンプによってノズルに供給するようにしているので、ノズルに供給する吸収液の圧力を高めて良好な噴霧を行わせることができ、よって排ガス中の硫黄酸化物の回収効果を更に高めることができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【００１８】
図１及び図２は請求項１に記載の発明を実施する形態の一例を示すもので、図４と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【００１９】
前述した図４と略同様に構成した排煙脱硫装置の吸収塔本体１において、図１、図２に示すように、ガス導入口８の上部に吸収塔本体１の幅方向に亘って延びる集液タンク１５を設け、該集液タンク１５の吸収液３’を前記ガス導入口８の天井部を貫通してガス導入口８の内部に噴射するようにしたノズル１６を設ける。
【００２０】
更に、吸収塔本体の内壁面１４には、該内壁面１４に沿って流下してくる吸収液３’を回収して前記集液タンク１５に導くようにした集液レール１７を備える。
【００２１】
図１、図２の例では、前側の内壁面１４ａには前記集液タンク１５の上部開口１５ａに沿って水平な集液レール１７ａを設け、更に左右側の内壁面１４ｂ，１４ｃには前記集液レール１７ａに向って下り勾配となった集液レール１７ｂ，１７ｃを設け、また後側の内壁面１４ｄには図２に示すように、中間部が高く、且つ両端が前記集液レール１７ｂ，１７ｃの高くなっている後端部に向って下り勾配を有した集液レール１７ｄを設けている。図中１８は、前記ガス導入口８における前記ノズル１６の下部位置において底部を液溜まり部２に向って下り勾配に形成した傾斜面である。
【００２２】
次に、上記実施の形態例の作用を説明する。
【００２３】
循環ポンプ６の作用によってスプレー管４から噴霧される吸収液３は、大半が微細な液滴のまま吸収塔本体１内を下降することにより排ガス７と接触して排ガス７中の硫黄酸化物を吸収除去する作用を発揮しながら液だまり部２に落下する。
【００２４】
一方、吸収塔本体１の内壁面１４に衝突した吸収液３’は、該内壁面１４を伝わって下方に流れる。
【００２５】
この内壁面１４を伝わって流下する吸収液３’は、吸収塔本体１の内壁面１４に設けられた集液レール１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに流れ込むことにより回収され、該集液レール１７に回収された吸収液３’は集液タンク１５に集液される。
【００２６】
集液タンク１５に集められた吸収液３’は、その水頭圧によってノズル１６からガス導入口８内部に噴射されるようになり、このようにしてノズル１６から噴射された吸収液３’は、ガス導入口８内を流動する排ガス７と接触して排ガス７中の硫黄酸化物を吸収除去する反応に供せられた後、傾斜面１８に沿って流れて液溜まり部２に流入する。
【００２７】
上記により、従来、吸収塔本体１の内壁面１４を伝わって液溜まり部２に流れることにより硫黄酸化物の吸収除去には殆ど供せられることがなかった吸収液３’が、集液レール１７により回収され、集液タンク１５を介してノズル１６から噴射されることにより排ガス７と接触して硫黄酸化物の吸収除去に供せられることにより、循環ポンプ６によって循環される吸収液３が有効に作用するようになり、よって吸収塔本体１における硫黄酸化物の吸収効率を高めることができる。
【００２８】
図３は、請求項２に記載の発明を実施する形態の一例を示すもので、図１、図２の形態例に示したように集液タンク１５をガス導入口８の上部に設け、且つ前記集液レール１７で集めた吸収液３’を、集液タンク１５に導くように接続し、更に該集液タンク１５に集められた吸収液３’をガス導入口８の上部に設けられたノズル１６に供給するようにした送液ポンプ１９を設けている。２０ａは吸液管、２０ｂは送液管を示す。
【００２９】
図３の形態例によれば、前記集液タンク１５に集められた吸収液３’を送液ポンプ１９によってノズル１６に供給するようにしているので、ノズル１６に供給する吸収液３’の圧力を高めて良好な噴霧を行わせることができ、よって排ガス７中の硫黄酸化物の回収効果を更に高めることができる。
【００３０】
尚、本発明の排煙脱硫装置の吸収塔は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００３１】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明によれば、従来、吸収塔本体の内壁面を伝わって液溜まり部に流れることにより硫黄酸化物の吸収除去には殆ど供せられることがなかった吸収液を、集液レールにより回収し、集液タンクを介してノズルから噴射されることにより排ガスと接触させて硫黄酸化物の吸収除去に供するようにしたので、循環ポンプによって循環される吸収液が有効に利用されるようになり、よって吸収塔本体における硫黄酸化物の吸収効率を高めることができる効果がある。
【００３２】
請求項２に記載の発明によれば、集液タンクに集められた吸収液を送液ポンプによってノズルに供給するようにしているので、ノズルに供給する吸収液の圧力を高めて良好な噴霧を行わせることができ、よって排ガス中の硫黄酸化物の回収効果を更に高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１に記載の発明を実施する形態の一例を示す切断側面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。
【図３】請求項２に記載の発明を実施する形態の一例を示す切断側面図である。
【図４】従来の排煙脱硫装置の吸収塔を示す概略切断側面図である。
【符号の説明】
１ 吸収塔本体
２ 液溜まり部
３ 吸収液
３’ 吸収液
７ 排ガス
８ ガス導入口
９ ガス導出口
１４ 内壁面
１５ 集液タンク
１６ ノズル
１７ 集液レール
１９ 送液ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙脱硫装置の吸収塔に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、ボイラ等の燃焼機器からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する装置の一つとして湿式の排煙脱硫装置が知られている。
【０００３】
図４は従来の排煙脱硫装置の吸収塔の一例を示すもので、吸収塔本体１内における底部の液溜まり部２に、炭酸カルシウム等の吸収剤を含むスラリー状の吸収液３が貯留されており、前記吸収塔本体１内における上方位置には、水平方向に延びる複数本のスプレー管４が上下方向に所要の間隔で多段に架設されている。
【０００４】
前記液溜まり部２と各段のスプレー管４とは吸収液供給管５を介して接続されており、該吸収液供給管５の途中には、前記液溜まり部２から吸収液３の一部を汲み上げて各段のスプレー管４から噴霧させるようにした循環ポンプ６が設けられている。
【０００５】
また、前記吸収塔本体１の下部一側には、液溜まり部２とスプレー管４との間に排ガス７を導入するようにしたガス導入口８が設けられており、前記吸収塔本体１の上部他側には、硫黄酸化物を除去した排ガス７を排出するようにしたガス導出口９が設けられている。
【０００６】
図４の循環ポンプ６により液溜まり部２から吸収液３の一部を汲み上げて各段のスプレー管４から噴霧させ、斯かる状態で、脱硫しようとする排ガス７をガス導入口８から吸収塔本体１内に導入すると、前記排ガス７は吸収塔本体１内部を上昇しながら各段のスプレー管４から噴霧された吸収液３と接触して硫黄酸化物を吸収液３に吸収され、ガス導出口９より排出される。
【０００７】
一方、スプレー管４から噴霧されて排ガス７から硫黄酸化物を吸収した吸収液３は、液溜まり部２に滴下する。
【０００８】
液溜まり部２には電動機１０によって回転駆動されるようにした撹拌翼１１が備えられていると共に、吸収液３中に酸化用空気１２を吹き込む空気供給管１３が配設されており、該空気供給管１３から酸化用空気１２を吹き込みながら前記撹拌翼１１を回転して吸収液３を撹拌することにより、排ガス７から硫黄酸化物を吸収することにより吸収液３中に生成された亜流酸カルシウムを酸化させて安定な石膏（硫酸カルシウム）を生成させるようにしており、生成された石膏は図示しない石膏取出口より抜き出して回収するようにしている。
【０００９】
前記スプレー管４から噴霧される吸収液３は、大半が微細な液滴のまま吸収塔本体１内を下降することにより排ガス７と接触して排ガス７中の硫黄酸化物を吸収除去する作用を発揮することになるが、吸収塔本体１の内壁面１４に衝突した吸収液３’は、図４に示すように前記内壁面１４を伝わって下方に流れ、そのまま液溜まり部２に流入する。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
図４に示した従来の吸収塔本体１においては、前記吸収塔本体１の内壁面１４を伝わって下方に流れ、そのまま液溜まり部２に流入してしまう吸収液３’が非常に多大な量となっている。
【００１１】
このように吸収塔本体１の内壁面１４を伝わって流れてしまう吸収液３’は、殆んどが排ガス７と接触しない、即ち脱硫に供せられないままに液溜まり部２に戻ってしまうものであり、従ってこのような脱硫に供せられない吸収液３’が多量に存在することは、吸収塔の硫黄酸化物の吸収効率を低下させる原因となっている。
【００１２】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、吸収塔本体の内壁面を伝わって流下する吸収液を回収して、排ガスと接触させるようにすることにより硫黄酸化物の吸収効率を高めることができるようにした排煙脱硫装置の吸収塔を提供することを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、吸収塔本体底部の液溜まり部から吸収液を汲み上げて上方から噴霧させ、該吸収液を落下中に下部のガス導入口から導入されて上部のガス導出口から導出される排ガスと接触させて硫黄酸化物を吸収して前記液溜まり部に戻すようにしている排煙脱硫装置の吸収塔であって、前記ガス導入口上部に設けた集液タンクと、該集液タンクの吸収液を前記ガス導入口の内部に噴射するように設けたノズルと、前記吸収塔本体の内壁面に備えて該内壁面を流下してくる吸収液を前記集液タンクに導くようにした集液レールとを備え、該集液レールが、吸収塔本体の前側の内壁面に対し前記集液タンクの上部開口に沿って水平に設けた前側の集液レールと、吸収塔本体の左右側の内壁面に対し前記前側の集液レールに向って下り勾配となった側部の集液レールと、吸収塔本体の後側の内壁面に対し中間部が高く且つ両端が前記側部の集液レールの高くなっている後端部に向かって下り勾配を有した後測の集液レールとからなることを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔、に係るものである。
【００１４】
請求項２に記載の発明は、ガス導入口の上部に集液タンクを備え、該集液タンク内の吸収液をガス導入口の上部に設けられたノズルに供給する送液ポンプを備えたことを特徴とする請求項１に記載の排煙脱硫装置の吸収塔、に係るものである。
【００１５】
請求項１に記載の発明では、従来、吸収塔本体の内壁面を伝わって液溜まり部に流れることにより硫黄酸化物の吸収除去には殆ど供せられることがなかった吸収液を、集液レールにより回収し、集液タンクを介してノズルから噴射されることにより排ガスと接触させて硫黄酸化物の吸収除去に供するようにしたので、循環ポンプによって循環される吸収液が有効に利用されるようになり、よって吸収塔本体における硫黄酸化物の吸収効率を高めることができる。
【００１６】
請求項２に記載の発明では、集液タンクに集められた吸収液を送液ポンプによってノズルに供給するようにしているので、ノズルに供給する吸収液の圧力を高めて良好な噴霧を行わせることができ、よって排ガス中の硫黄酸化物の回収効果を更に高めることができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【００１８】
図１及び図２は請求項１に記載の発明を実施する形態の一例を示すもので、図４と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【００１９】
前述した図４と略同様に構成した排煙脱硫装置の吸収塔本体１において、図１、図２に示すように、ガス導入口８の上部に吸収塔本体１の幅方向に亘って延びる集液タンク１５を設け、該集液タンク１５の吸収液３’を前記ガス導入口８の天井部を貫通してガス導入口８の内部に噴射するようにしたノズル１６を設ける。
【００２０】
更に、吸収塔本体の内壁面１４には、該内壁面１４に沿って流下してくる吸収液３’を回収して前記集液タンク１５に導くようにした集液レール１７を備える。
【００２１】
図１、図２の例では、前側の内壁面１４ａには前記集液タンク１５の上部開口１５ａに沿って水平な集液レール１７ａを設け、更に左右側の内壁面１４ｂ，１４ｃには前記集液レール１７ａに向って下り勾配となった集液レール１７ｂ，１７ｃを設け、また後側の内壁面１４ｄには図２に示すように、中間部が高く、且つ両端が前記集液レール１７ｂ，１７ｃの高くなっている後端部に向って下り勾配を有した集液レール１７ｄを設けている。図中１８は、前記ガス導入口８における前記ノズル１６の下部位置において底部を液溜まり部２に向って下り勾配に形成した傾斜面である。
【００２２】
次に、上記実施の形態例の作用を説明する。
【００２３】
循環ポンプ６の作用によってスプレー管４から噴霧される吸収液３は、大半が微細な液滴のまま吸収塔本体１内を下降することにより排ガス７と接触して排ガス７中の硫黄酸化物を吸収除去する作用を発揮しながら液だまり部２に落下する。
【００２４】
一方、吸収塔本体１の内壁面１４に衝突した吸収液３’は、該内壁面１４を伝わって下方に流れる。
【００２５】
この内壁面１４を伝わって流下する吸収液３’は、吸収塔本体１の内壁面１４に設けられた集液レール１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに流れ込むことにより回収され、該集液レール１７に回収された吸収液３’は集液タンク１５に集液される。
【００２６】
集液タンク１５に集められた吸収液３’は、その水頭圧によってノズル１６からガス導入口８内部に噴射されるようになり、このようにしてノズル１６から噴射された吸収液３’は、ガス導入口８内を流動する排ガス７と接触して排ガス７中の硫黄酸化物を吸収除去する反応に供せられた後、傾斜面１８に沿って流れて液溜まり部２に流入する。
【００２７】
上記により、従来、吸収塔本体１の内壁面１４を伝わって液溜まり部２に流れることにより硫黄酸化物の吸収除去には殆ど供せられることがなかった吸収液３’が、集液レール１７により回収され、集液タンク１５を介してノズル１６から噴射されることにより排ガス７と接触して硫黄酸化物の吸収除去に供せられることにより、循環ポンプ６によって循環される吸収液３が有効に作用するようになり、よって吸収塔本体１における硫黄酸化物の吸収効率を高めることができる。
【００２８】
図３は、請求項２に記載の発明を実施する形態の一例を示すもので、図１、図２の形態例に示したように集液タンク１５をガス導入口８の上部に設け、且つ前記集液レール１７で集めた吸収液３’を、集液タンク１５に導くように接続し、更に該集液タンク１５に集められた吸収液３’をガス導入口８の上部に設けられたノズル１６に供給するようにした送液ポンプ１９を設けている。２０ａは吸液管、２０ｂは送液管を示す。
【００２９】
図３の形態例によれば、前記集液タンク１５に集められた吸収液３’を送液ポンプ１９によってノズル１６に供給するようにしているので、ノズル１６に供給する吸収液３’の圧力を高めて良好な噴霧を行わせることができ、よって排ガス７中の硫黄酸化物の回収効果を更に高めることができる。
【００３０】
尚、本発明の排煙脱硫装置の吸収塔は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００３１】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明によれば、従来、吸収塔本体の内壁面を伝わって液溜まり部に流れることにより硫黄酸化物の吸収除去には殆ど供せられることがなかった吸収液を、集液レールにより回収し、集液タンクを介してノズルから噴射されることにより排ガスと接触させて硫黄酸化物の吸収除去に供するようにしたので、循環ポンプによって循環される吸収液が有効に利用されるようになり、よって吸収塔本体における硫黄酸化物の吸収効率を高めることができる効果がある。
【００３２】
請求項２に記載の発明によれば、集液タンクに集められた吸収液を送液ポンプによってノズルに供給するようにしているので、ノズルに供給する吸収液の圧力を高めて良好な噴霧を行わせることができ、よって排ガス中の硫黄酸化物の回収効果を更に高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１に記載の発明を実施する形態の一例を示す切断側面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。
【図３】請求項２に記載の発明を実施する形態の一例を示す切断側面図である。
【図４】従来の排煙脱硫装置の吸収塔を示す概略切断側面図である。
【符号の説明】
１ 吸収塔本体
２ 液溜まり部
３ 吸収液
３’ 吸収液
７ 排ガス
８ ガス導入口
９ ガス導出口
１４ 内壁面
１５ 集液タンク
１６ ノズル
１７ 集液レール
１９ 送液ポンプ
Claims (2)
- 吸収塔本体底部の液溜まり部から吸収液を汲み上げて上方から噴霧させ、該吸収液を落下中に下部のガス導入口から導入されて上部のガス導出口から導出される排ガスと接触させて硫黄酸化物を吸収して前記液溜まり部に戻すようにしている排煙脱硫装置の吸収塔であって、前記ガス導入口上部に設けた集液タンクと、該集液タンクの吸収液を前記ガス導入口の内部に噴射するように設けたノズルと、前記吸収塔本体の内壁面に備えて該内壁面を流下してくる吸収液を前記集液タンクに導くようにした集液レールとを備え、該集液レールが、吸収塔本体の前側の内壁面に対し前記集液タンクの上部開口に沿って水平に設けた前側の集液レールと、吸収塔本体の左右側の内壁面に対し前記前側の集液レールに向って下り勾配となった側部の集液レールと、吸収塔本体の後側の内壁面に対し中間部が高く且つ両端が前記側部の集液レールの高くなっている後端部に向かって下り勾配を有した後測の集液レールとからなることを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔。
- ガス導入口の上部に集液タンクを備え、該集液タンク内の吸収液をガス導入口の上部に設けられたノズルに供給する送液ポンプを備えたことを特徴とする請求項１に記載の排煙脱硫装置の吸収塔。
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| JP3968830B2 true JP3968830B2 (ja) | 2007-08-29 |
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