JPH0853786A - 金属帯の酸洗装置 - Google Patents

金属帯の酸洗装置

Info

Publication number
JPH0853786A
JPH0853786A JP18965994A JP18965994A JPH0853786A JP H0853786 A JPH0853786 A JP H0853786A JP 18965994 A JP18965994 A JP 18965994A JP 18965994 A JP18965994 A JP 18965994A JP H0853786 A JPH0853786 A JP H0853786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pickling
metal strip
sink roll
pickling solution
receiver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18965994A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Kudo
学 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP18965994A priority Critical patent/JPH0853786A/ja
Publication of JPH0853786A publication Critical patent/JPH0853786A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属帯表面に酸洗液が落下することを防止す
る。 【構成】 シンクロール1を金属帯2よりも上方の待機
位置で待機させ、酸洗液6に浸漬させないで通板するバ
イパス工程において、シンクロール1と金属帯2との間
に酸洗液受け3を吊下げる。酸洗液受け3は大略的に浅
型のボート状または樋状であり、金属帯2の板幅より長
く、底面の中央部が両端部よりも高くなるように傾斜を
付けられており、両端部に孔8が設けられ、移動装置1
0によって移動される。シンクロール1が下降して金属
帯2を押圧し酸洗する酸洗工程においては、酸洗液受け
3は酸洗液6面上に浮いた状態または前記面上から離れ
た状態で待機する。またバイパス工程でのシンクロール
1の待機位置の近傍には、シンクロール1の表面または
酸洗液受け3の裏面に空気を吹付けるスプレー装置7ま
たは9が設けられ、酸洗過程で前記面に付着残存した酸
洗液6を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続通板する金属帯の
酸洗装置、特に酸洗条件を変更でき得る金属帯の酸洗装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板などの金属帯製品は、熱
間圧延工程あるいは冷間圧延工程等で加工硬化した影響
を除去するために行う焼鈍工程などの製造工程におい
て、金属帯表面に金属酸化物(以後スケールと称する)
の層が生成される。このスケールは硬くかつもろい性質
を有しており、たとえばスケールを残したまま冷間圧延
を行うと、表面が平滑で美麗に仕上げられた冷間圧延ロ
ールを傷付けるおそれがある。と同時に冷間圧延によっ
て、傷付いた冷間圧延ロールで圧延されたり、金属帯表
面にスケールがかみ込まれたりしてしまうので、金属帯
の表面品質が低下し、最終的に金属帯製品の商品価値が
低下したり、あるいは商品にならなくなったりする。し
たがって、金属帯表面のスケール層を完全に除去してか
ら冷間圧延を進めなければ、良質の製品を生産すること
ができない。このために、種々様々な脱スケール方法が
提案され、また実施されている。
【0003】脱スケール方法には、種々の酸や塩類を用
いた酸洗処理または電解処理などの化学的処理、ショッ
トブラスト処理や繰り返し曲げ加工処理やブラッシング
処理などの機械的処理、またはこのような化学的処理と
機械的処理との組合せ処理などの方法が用いられてい
る。最も基本的な方法でかつ広く実施されている処理方
法は、硫酸、硝酸、塩酸、弗酸など、またはたとえば硝
酸と弗酸との混酸の如く前記酸の混酸などから成る酸洗
液に連続的に金属帯を浸漬させ、スケールを溶解剥離さ
せて除去する酸洗処理である。このような酸洗処理だけ
を行う脱スケール方法では、連続通板する金属帯を高速
処理して生産性を高め、かつ安全な脱スケールを行って
表面品質の良好な最終製品を得るという要求を満たすこ
とが困難であるため、前述の如く、酸洗処理を行う前に
前処理として電解処理などの化学的処理、またはブラッ
シング処理などの機械的処理、あるいはこれらを組み合
わせた処理を行う場合もある。また酸洗処理を行なわず
に他の前記処理を行って脱スケールする場合もある。さ
らに、ステンレス鋼などでは、鋼種に応じて酸洗液や電
解を組合せてこれらを使い分ける必要もある。
【0004】脱スケール工程はこのように様々な処理工
程を組み合わせたものであり、またこれらの脱スケール
工程は、焼鈍工程などと一体となった生産ラインを形成
する。前記生産ラインにおいては、脱スケール工程にお
いて特定の酸洗液による酸洗処理を行う金属帯と酸洗処
理を行わない金属帯との両方の金属帯が同一の生産ライ
ンに通板されることもある。また同一の生産ラインにあ
って複数の酸洗液による酸洗処理のうちの特定の酸洗液
の酸洗処理のみ行わない場合もある。
【0005】図5は、第1の従来技術を用いた酸洗装置
の構成図である。酸洗処理を行う場合、シンクロール1
1は仮想線で示すように連続通板する金属帯12を押圧
して酸洗槽15内部の酸洗液16内を通過浸漬させ、酸
洗処理を行う。このときシンクロール11の一部も酸洗
液16内に浸漬される。酸洗処理を行わない場合、シン
クロール11は上昇して待機位置に移動し、金属帯12
は押圧されないので、酸洗液16内に浸漬されることな
く、酸洗槽15の上部をバイパスされて通過する。以上
のようにシンクロール11を上昇、下降させることによ
って、酸洗処理を行う酸洗工程と酸洗処理を行わないで
酸洗槽の上を通過させるバイパス工程とを切換えてい
る。
【0006】酸洗工程では、シンクロール11の一部も
酸洗液16内に浸漬しているためシンクロール11表面
に酸洗液16が付着しており、次にバイパス工程に切換
えて酸洗したくない金属帯を連続通板させているとき
に、金属帯12よりも高い位置で待機させているシンク
ロール11から酸洗液16が落下(滴下)し、酸洗した
くない金属帯表面に対して落下(滴下)した部分が局部
的に表面性状を変化させてしまうなど、金属帯長手方向
のかなりの長さにわたってその表面性状を悪化させ、バ
イパス工程で連続通板した金属帯の表面品質、ひいては
その製品歩留まりを低下させる。前記表面性状の悪化を
防止するために、本従来技術では、予め酸洗処理を行う
金属帯とバイパス工程処理により酸洗処理を行わない金
属帯との間にダミーの金属帯もしくはダミーのコイルを
接合し挟んで連続通板して、酸洗液16の落下(滴下)
が終了してから本格的に金属帯の切換えを行っている。
【0007】また前記表面性状の悪化を防止するための
第2の従来技術として、実開平6−4066が開示され
ている。図6は、本従来技術を用いた酸洗装置の構成図
である。本従来技術では、バイパス工程に切換えたとき
に、金属帯の上部で待機させているシンクロール11を
洗浄用水洗スプレー装置19を用いて水洗した後、乾燥
用エアスプレー装置20を用いて乾燥させて酸洗液16
を除去する。また待機位置にあるシンクロール11の入
口側には、金属帯に付着した酸洗液16を除去するため
の除去用エアスプレー装置21が設置されている。たと
えば、前記除去用エアスプレー21から圧縮空気を金属
帯表面に吹付けて、酸洗液16を除去する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術では、
バイパス中の金属帯の表面性状の悪化を防止するため
に、酸洗処理する金属帯と処理しない金属帯との間にダ
ミーの金属帯またはコイルを挟んで通板させているた
め、余計なダミーの金属帯またはコイルを必要とし、製
造コストを上昇させるとともに、無駄な通板による能率
や生産性の低下の問題がある。
【0009】また第2の従来技術では、シンクロール1
1を水洗した廃液が酸洗槽や金属帯表面に落下あるいは
付着する。この廃液が酸洗槽に落下することで酸洗槽内
の酸洗液の濃度が薄まって酸洗状態が変化し、酸洗液管
理が複雑、困難、負荷大となり、何よりも確実にスケー
ルを除去することが困難になる、また多量の酸洗液の濃
度を一定に保つために酸洗槽内の酸洗液に酸や水を追加
して均一に濃度調整しなければならないので、この濃度
調整中の金属帯の酸洗不良や比例費が上昇するなどの問
題が生じる。また廃液が金属帯表面に付着することによ
って、表面形状が悪化するなどの問題もある。前記悪化
を防止するために、現状では酸洗処理する金属帯と処理
しない金属帯との間に、第1の従来技術と同様に、ダミ
ーの金属帯を接合し挟んで連続通板させている。このた
めに、作業効率が低下している。
【0010】第1および第2の従来技術では、いずれに
しても酸洗工程とバイパス工程との切換えの際に前述し
たいくつかの問題が現れるため、前記切換えの際に数々
の防止策を講じなければならず、本来不要なダミーの金
属帯を準備し、接合したりあるいは切り離したりしなが
ら使用しなければならず、製造コストを上昇させ、能率
や生産性が低下する。
【0011】本発明の目的は、簡単な構成で金属帯表面
に酸洗液が落下(滴下)することを容易にかつ確実に防
止することができる金属帯の酸洗装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続通板する
金属帯の表面から酸化物層を除去するための酸洗槽に金
属帯を浸漬させたり、酸洗槽から金属帯を引上げてバイ
パスさせたりすることが可能なシンクロールを有する金
属帯の酸洗装置において、金属帯のバイパス時に、シン
クロールと金属帯との間に挿入される酸洗液受けを含む
ことを特徴とする金属帯の酸洗装置である。また本発明
は、金属帯のバイパス時のシンクロール位置近傍に、シ
ンクロール表面に空気を吹付けるスプレー装置を設ける
ことを特徴とする。さらに本発明の前記酸洗液受けは、
大略的に浅型のボート状または樋状に形成され、金属帯
の板幅よりも長く、底面の中央部が両端部よりも高い位
置となるように傾斜が設けられ、両端部には孔が設けら
れていることを特徴とする。さらに本発明の前記酸洗液
受けは、シンクロールの両ロールネック部またはその近
傍に吊下げられており、金属帯の浸漬時にはシンクロー
ル直下から離隔して移動され、酸洗液の表面に浮いた状
態に保持されるか、または酸洗液の表面から離れた状態
に保持されるように構成されていることを特徴とする。
また本発明は、金属帯のバイパス時の酸洗液受けの近傍
に、酸洗液受けの裏面に空気を吹付けるスプレー装置を
設けることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明に従えば、シンクロールは金属帯の表面
から酸化物層を除去するための酸洗槽に、金属帯を浸漬
させたり、酸洗槽から金属帯を引き上げてバイパスさせ
たりすることが可能である。金属帯のバイパス時にシン
クロールと金属帯との間に酸洗液受けを挿入することに
よって、シンクロール表面から落下(滴下)する酸洗液
を酸洗液受けによって受け止めることができ、連続通板
する金属帯の長手方向にわたってその表面に酸洗液が落
下(滴下)することを容易にかつ確実に防ぐことができ
る。
【0014】好ましくは金属帯のバイパス時のシンクロ
ール位置近傍に、シンクロール表面に空気を吹付けるエ
アスプレー装置を設けるので、このシンクロールの表面
に付着した酸洗液を除去し、かつシンクロールの表面を
乾燥させることができる。
【0015】好ましくは前記酸洗液受けは、大略的に浅
型のボート状または樋状に形成され、金属帯の板幅より
も長く、底面の中央部が両端部よりも高い位置となるよ
うに傾斜が設けられ、しかもその両端部には孔が設けら
れているので、酸洗液受け上に落下(滴下)し蓄積され
た酸洗液を金属帯に全く付着させることなく酸洗槽内に
そのまま戻すことができる。
【0016】好ましくは前記酸洗液受けは、シンクロー
ルの両ロールネック部またはその近傍に吊下げられてお
り、金属帯の浸漬時にはシンクロール直下から移動さ
れ、酸洗液の表面に浮いた状態に保持されるか、または
酸洗液の表面から離れた状態に保持されるように構成さ
れているので、金属帯の浸漬時においてシンクロールが
金属帯を酸洗槽の酸洗液内に押圧するとき、この酸洗液
受けがシンクロール直下にいないため全く障害とならな
いようにすることができる。
【0017】好ましくは金属帯のバイパス時の酸洗液受
けの近傍に、酸洗液受けの裏面に空気を吹付けるスプレ
ー装置を設けるので、酸洗液受けの裏面に付着した酸洗
液やその両端部に設けた孔から裏面に漏洩して付着して
いる酸洗液を飛散させて除去することができ、連続通板
する金属帯の長手方向にわたってその表面に酸洗液が落
下(滴下)することを容易にかつ確実に防止することが
できる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の酸洗装置の正面
構成図である。図2は、図1で用いられた酸洗液受け3
の正面図である。図3は、酸洗液受け3の移動装置10
を省略した本発明の一実施例の酸洗装置の側面構成図で
ある。図4は、本発明の一実施例の酸洗装置の斜視図で
ある。
【0019】図1の実線で示すように、連続通板する金
属帯を酸洗しないで通過させるバイパス工程とか同一の
生産ラインにあって種々の酸洗液をそれぞれ保有してい
る複数の酸洗槽のうちで金属帯の種類や表面仕上条件な
どによって特定の酸洗槽のみ金属帯を浸漬させずにバイ
パスさせて通過する場合などにおいては、シンクロール
1は金属帯2よりも高い待機位置に待機する。この図1
および図4に示すように、シンクロール1は両ロールネ
ック部1a端をそれぞれ軸受1bで軸支されており、こ
の両軸受1bをたとえば油圧シリンダなどの駆動源によ
って鉛直方向に所定位置間を昇降動作するように構成さ
れる。そして、シンクロール1自体は、図示しないが、
連続通板する金属帯2に接触して連れ回りする回転自在
なタイプと、付勢回転(ヘルパードライブ)手段を備え
たタイプとがある。
【0020】さらに図3にも示されるように、このよう
なシンクロール1と連続通板する金属帯2との間には、
酸洗液受け3が設けられている。酸洗液受け3は、柔軟
性のある吊下げ紐またはこれに準ずるものによって、前
記シンクロール1の両ロールネック部1aまたはその近
傍から吊下げられている。この酸洗液受け3は、バイパ
ス工程においてシンクロール1が待期位置にあるとき
は、当該シンクロール1の真下(直下)、かつ金属帯2
の真上である中間位置に保持されている。また図1に示
す如く、酸洗液受け3は、金属帯2を浸漬する酸洗工程
において、シンクロール1が仮想線で示される位置にあ
るときは、この酸洗液受け3の一端に固定された柔軟性
のある移動紐10aまたはこれに準ずるものを含む移動
装置10を作動させて、シンクロール1の真下(直下)
から移動され、シンクロール1の側方の酸洗液6の表面
に浮いた状態に保持されるか、あるいは酸洗液6の表面
から離れて浸漬されない状態に保持されている。このよ
うな移動装置10は、たとえば移動紐10aや案内プー
リや油圧シリンダなどから成り、金属帯2のバイパス時
と酸洗液6への浸漬時との間にあって、シンクロール1
の所定位置間の昇降動作に連動させて、前記酸洗液受け
3自体をその待期位置からいずれかの状態下にある保持
位置まで移動させることができる。
【0021】特にこのような移動装置10による規制さ
れた動作によって、たとえ金属帯2の浸漬時において
も、酸洗液受け3は、いずれかの状態下における保持位
置に正確に保持され、酸洗槽5内を勝手に動けないよう
になっている。
【0022】したがって金属帯2を浸漬する酸洗工程に
おいては、酸洗液受け3はシンクロール1の前後の酸洗
液6の表面に浮いた状態あるいはこの表面から離れて浸
漬されない状態に保持されながら待機し、シンクロール
1は仮想線で示される位置まで全く支障なく下降し、金
属帯2を押圧して酸洗液6に浸漬させることができる。
またバイパス工程においては、シンクロール1は上昇し
所定の待期位置で待機し、連続通板する金属帯2はこの
シンクロール1や酸洗液受け3などに何ら接触すること
なくそのまま酸洗槽5の上方を通過する。このとき酸洗
液受け3はシンクロール1の真下かつ金属帯2の真上で
ある中間位置に移動して保持されているので、シンクロ
ール1から落下(滴下)する酸洗液を途中で受け止めて
しまい、下方で連続通板している金属帯2の表面にまで
至らせないようにすることができる。
【0023】またバイパス工程において、シンクロール
1の待機位置の近傍にはスプレー装置7が設けられてお
り、スプレー装置7からシンクロール1表面にたとえば
圧縮空気を吹付けることによってシンクロール1に付着
した酸洗液を速やかに除去し、かつシンクロール1を乾
燥させる。一方、金属帯2の真上である中間位置に移動
して待期位置に保持される酸洗液受け3の裏面には、こ
の酸洗液受け3を酸洗液6に浸漬した場合に付着した酸
洗液が残存していたり、シンクロール1から落下(滴
下)した酸洗液がその両端部に設けた孔から漏洩して付
着残存したりする場合が出現するが、このような場合に
おいても、前記待期位置に保持されている酸洗液受け3
の近傍に、酸洗液受け3の裏面に空気を吹付けるスプレ
ー装置9を設けているので、このように裏面に付着残存
している酸洗液を速やかに飛散させて除去することがで
き、下方で連続通板している金属帯2の長手方向にわた
ってその表面に酸洗液が落下(滴下)することを確実に
防止することができる。
【0024】図2に示すように酸洗液受け3は、浅型の
ボート状または樋状に形成され、その底面の中央部3a
が両端部3bより高くなるように傾斜が設けられた構造
となっている。またこの両端部3bには、それぞれ孔8
が設けられている。このような酸洗液受け3およびこれ
に固定される前記移動装置10の移動紐10aやこれに
準ずるものは、酸洗槽5内にあって酸洗液6に浸漬され
たりあるいは酸洗液の蒸気や飛散する酸洗液が付着した
りするから、かかる酸洗液に侵されない、たとえば十分
な耐酸性を有する合成樹脂や化繊などで形成される。こ
のような合成樹脂などで十分ライニングされたものであ
っても好適に使用することができる。
【0025】図3に示すように、酸洗液受け3の横幅長
さは、金属帯2の板幅よりも広い構造となっている。バ
イパス工程において、酸洗液受け3はシンクロール1の
真下かつ金属帯2の真上である中間位置に移動し、シン
クロール1から落下(滴下)する酸洗液6を受け止め
る。前述のように酸洗液受け3はその底面の中央部3a
が両端部3bより高くなるように傾斜が設けられた構造
となっているので、受け止められた酸洗液6は酸洗液受
け3の両端部3bに移動し、その両端部3bに設けられ
た孔8から排出され、酸洗槽5内に直接落下する。この
とき、酸洗液受け3の横幅長さは金属帯2の板幅よりも
広いため、酸洗液6は金属帯2の表面に落下して付着す
ることなく酸洗槽5内にそのまま落下する。
【0026】図4に示すように、バイパス過程における
シンクロール1の待機位置の近傍にスプレー装置7を設
置する。スプレー装置7は、たとえばシンクロール1の
待機位置の斜め上方の2箇所に固定されており、前記待
機位置に移動し保持されているシンクロール1の表面
に、たとえば圧縮空気を吹付ける。これによりシンクロ
ール1の表面に付着していた酸洗液6は、シンクロール
1の下部に強制的に集められ、かつシンクロール1の表
面を乾燥させることができる。シンクロール1の下部に
集められた酸洗液6は、酸洗液受け3内に落下し、酸洗
液受け3の両端部の孔8から酸洗槽5内に直接落下す
る。またスプレー装置7をたとえばシンクロール1の待
機位置の斜め下方にも設けておいて、待機位置に保持さ
れているシンクロール1の表面に圧縮空気を吹付けれ
ば、シンクロール1の表面をより速く乾燥させることが
できる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属帯の
表面から酸化物層を除去するために酸洗槽内の酸洗液に
金属帯を浸漬させたり、酸洗槽から金属帯を引上げて浸
漬させずにバイパスさせることが全く支障なく可能とな
る。金属帯のバイパス時にシンクロールと金属帯の間に
酸洗液受けを挿入することによってシンクロールの表面
に付着した酸洗液を酸洗液受けによって受け止めること
ができ、金属帯表面に酸洗液が落下することを防ぐこと
ができる。このことによって、バイパス工程で連続通板
する金属帯の表面性状を悪化させることなく、その製品
歩留まりを向上させることができる。そして、良好な表
面品質や表面仕上げに仕上げられた金属製品を提供する
ことができる。またダミーの金属帯およびコイルなどを
接合し挟み込む必要がなくなるので、能率や生産性など
生産効率が向上し、またバイパス工程と酸洗工程との切
換えは迅速、容易、確実となる。
【0028】好ましくは金属帯がバイパス時のシンクロ
ール位置の近傍に、シンクロール表面に空気を吹付ける
スプレー装置を設けるので、シンクロールを浸漬してい
た際に付着した酸洗液を充分かつ迅速に除去し乾燥する
ことができる。空気を吹付けるので水で薄くなった廃液
が生じず、酸洗槽内の酸洗液が薄まらず濃度管理も楽に
なり経済的である。また好ましくは、前記酸洗液受けは
大略的に浅型のボート状または樋状に形成され、金属帯
の板幅よりも長く、底面の中央部が両端部よりも高い位
置となるように傾斜が設けられ、両端部に孔が設けられ
ているので、酸洗液受け中に落下して溜められた酸洗液
を、金属帯に付着することなく酸洗槽内にそのまま戻す
ことができるため、酸洗槽内の酸洗液の減少速度は遅く
なり、酸洗液を補充する量や頻度を減少させることがで
きる。したがって酸洗液の比例費が低減する。
【0029】また好ましくは前記酸洗液受けはシンクロ
ールまたはその近傍に吊下げられており、金属帯の浸漬
時には酸洗液の表面に浮く状態または表面から離れて浸
漬されない状態に保持されているので、酸洗工程におい
て、シンクロールが金属帯を酸洗液内に押圧し浸漬する
ときに酸洗液受けが全く障害とならず、酸洗工程とバイ
パス工程との切換えが容易となる。これにより同一の生
産ラインで様々な酸洗条件を有する金属帯の酸洗処理が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の酸洗装置の正面構成図であ
る。
【図2】図1の実施例で用いられる酸洗液受け3の正面
図である。
【図3】図1に示す酸洗液受け3の移動装置10を省略
した本発明の一実施例の酸洗装置の側面構成図である。
【図4】本発明の一実施例の酸洗装置の斜視図である。
【図5】第1の従来技術を用いた酸洗装置の構成図であ
る。
【図6】第2の従来技術を用いた酸洗装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 シンクロール 1a シンクロールのロールネック部 1b シンクロールの軸受 2 金属帯 3 酸洗液受け 4 吊下げ紐 5 酸洗槽 6 酸洗液 7,9 スプレー装置 8 孔 10 酸洗液受けの移動装置 10a 移動紐

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続通板する金属帯の表面から酸化物層
    を除去するための酸洗槽に金属帯を浸漬させたり、酸洗
    槽から金属帯を引上げてバイパスさせたりすることが可
    能なシンクロールを有する金属帯の酸洗装置において、 金属帯のバイパス時に、シンクロールと金属帯との間に
    挿入される酸洗液受けを含むことを特徴とする金属帯の
    酸洗装置。
  2. 【請求項2】 金属帯のバイパス時のシンクロール位置
    近傍に、シンクロール表面に空気を吹付けるスプレー装
    置を設けることを特徴とする請求項1記載の金属帯の酸
    洗装置。
  3. 【請求項3】 前記酸洗液受けは、大略的に浅型のボー
    ト状または樋状に形成され、金属帯の板幅よりも長く、
    底面の中央部が両端部よりも高い位置となるように傾斜
    が設けられ、両端部には孔が設けられていることを特徴
    とする請求項1または2記載の金属帯の酸洗装置。
  4. 【請求項4】 前記酸洗液受けは、シンクロールの両ロ
    ールネック部またはその近傍に吊下げられており、金属
    帯の浸漬時にはシンクロール直下から離隔して移動さ
    れ、酸洗液の表面に浮いた状態に保持されるか、または
    酸洗液の表面から離れた状態に保持されるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3までのいずれか
    に記載の金属帯の酸洗装置。
  5. 【請求項5】 金属帯のバイパス時の酸洗液受けの近傍
    に、酸洗液受けの裏面に空気を吹付けるスプレー装置を
    設けることを特徴とする請求項1,3または4記載の金
    属帯の酸洗装置。
JP18965994A 1994-08-11 1994-08-11 金属帯の酸洗装置 Withdrawn JPH0853786A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18965994A JPH0853786A (ja) 1994-08-11 1994-08-11 金属帯の酸洗装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18965994A JPH0853786A (ja) 1994-08-11 1994-08-11 金属帯の酸洗装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0853786A true JPH0853786A (ja) 1996-02-27

Family

ID=16245028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18965994A Withdrawn JPH0853786A (ja) 1994-08-11 1994-08-11 金属帯の酸洗装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0853786A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122988A (ja) * 2008-01-17 2008-05-29 Nitto Denko Corp 光学フィルムの製造方法
JP2009068073A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Jfe Steel Kk 鋼板の縦型酸洗装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009068073A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Jfe Steel Kk 鋼板の縦型酸洗装置
JP2008122988A (ja) * 2008-01-17 2008-05-29 Nitto Denko Corp 光学フィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU685541B2 (en) Continuous method for producing final gauge stainless steel product
KR950007969A (ko) 열간 압연 보통 강대의 제조법, 탈 스케일 방법 및 그 설비
CN117139395B (zh) 一种合金铜带生产用表面清理工艺及清理装置
JPH0853786A (ja) 金属帯の酸洗装置
JPH0610171A (ja) フェライト系ステンレス熱間仕上鋼帯の処理方法
US5725696A (en) Process and plant for production of raw stainless steel castings
JPS6254194B2 (ja)
US6544402B2 (en) Method and apparatus for manufacturing a wire
US6491761B1 (en) Process for removing stains from steel sheet in a continuous pickling line
JP3218796B2 (ja) 金属帯の液切装置
JPH1161467A (ja) 銅合金の表面酸化被膜除去方法及び表面酸化被膜除去装置
JP3123353B2 (ja) 熱間圧延普通鋼帯の製造法、脱スケール方法およびその設備
JPH0612467U (ja) ストリップの連続酸洗ライン
JPH02270978A (ja) 鋼板の連続酸洗処理方法
JP2002275545A (ja) 連続焼鈍設備
JP4581251B2 (ja) 表面品質の良好な鋼板の製造方法
JP2991646B2 (ja) ステンレス鋼帯の脱スケール前処理用鋼帯冷却装置およびステンレス鋼帯の脱スケール前処理方法
CN1485463A (zh) 一种酸洗金属带的工艺和装置
JPH064066U (ja) ステンレス鋼帯の酸洗装置
JPH0824936A (ja) 金属帯の圧延方法および設備
JPH062177A (ja) 冷間圧延ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗方法及び装置
JPS58135715A (ja) 熱延鋼板の連続脱スケ−ル装置
WO1998047634A1 (en) Process and apparatus for cleaning metal strip
JPH0517827A (ja) ステンレス鋼帯の焼鈍・脱スケール方法
JP2002097585A (ja) バフ研磨性の優れた冷延鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20011106