JPH0824936A - 金属帯の圧延方法および設備 - Google Patents

金属帯の圧延方法および設備

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JPH0824936A
JPH0824936A JP16360594A JP16360594A JPH0824936A JP H0824936 A JPH0824936 A JP H0824936A JP 16360594 A JP16360594 A JP 16360594A JP 16360594 A JP16360594 A JP 16360594A JP H0824936 A JPH0824936 A JP H0824936A
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JP
Japan
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rolling
metal strip
agent
stainless steel
cleaned
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Application number
JP16360594A
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English (en)
Inventor
Nobukazu Tsukuda
宣和 佃
Shintaro Kaneyasu
信太郎 兼安
Mitsuyuki Umeo
満之 梅尾
Yasuhiko Yamamoto
靖彦 山本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属帯などを冷間圧延する際の生産効率を高
め表面品質を向上させる。 【構成】 ステンレス鋼帯31は、焼鈍装置36、機械
的脱スケール装置30および化学的脱スケール装置37
に後続して配設されるタンデム圧延設備で冷間圧延され
る。機械的脱スケール装置30は、たとえばスケールブ
レーカ53やショットブラスト55を含む。これらの機
械的脱スケールによって、焼鈍炉6aで1100℃程度
にまで加熱されたステンレス鋼帯31の表面に形成され
るスケール層に亀裂を生じさせ、化学的脱スケール装置
37で確実にスケール層の除去を可能にしている。さら
に初段スタンドの圧延機41に用いる圧延剤は、循環系
統で混入する汚れを分離するための清浄化装置52も有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼帯や高合
金鉄帯などの金属帯を連続通板して圧延する金属帯の圧
延方法および設備に関する。
【0002】
【従来の技術】金属帯を冷間圧延するためには、金属帯
を焼鈍して材料の歪を解消させ、焼鈍の際に金属帯の表
面に形成される酸化皮膜を除去する必要がある。これら
一連の工程を連続的に行って工程間仕掛かりを解消さ
せ、効率的に圧延を行う先行技術は、たとえば特開平5
−212410号公報、特開平5−228504号公報
などに開示されている。
【0003】図9は、先行技術に開示されている一連の
連続焼鈍装置および脱スケール装置に後続配設される冷
間圧延設備の構成を示す。ステンレス鋼帯1は、ペイオ
フリール2から巻戻され、デフレクタロール3を経て前
処理装置4に供給する。前処理装置4は、複数のコイル
から巻戻されるステンレス鋼帯1を溶接などによって連
続化させ、ルーパ装置5を経て焼鈍装置6に連続通板さ
せる。ルーパ装置5は、焼鈍装置6内に一定の通板速度
でステンレス鋼帯1を供給するために設けられる。焼鈍
装置6内には、焼鈍炉6aと冷却装置6bが含まれる。
焼鈍炉6aで高温度に加熱されたステンレス鋼帯1の表
面には酸化皮膜がスケール層として形成されるので、化
学的脱スケール装置7で酸化皮膜を除去する。化学的脱
スケール装置7には、酸洗槽7aと洗浄槽7bが含まれ
る。化学的脱スケール装置7の出側にもルーパ装置8が
設けられ、下流側の装置における通板速度の変化を吸収
する。ルーパ装置8の出側にはレベラ装置9およびブラ
イドル装置10を介して初段スタンド圧延機11が設け
られる。ステンレス鋼帯1の仕上げ仕様に応じて、前記
初段スタンド11のみを使用して剪断機12で溶接部分
を切離し、デフレクタロール13を介してテンションリ
ール14で巻取る動作モードが選択可能である。また初
段スタンド圧延機11でステンレス鋼帯1を圧延した
後、さらにセンタリング装置15を介して後段スタンド
圧延機16に通板させ、一連のタンデム式冷間圧延機と
して動作させるモードも選択可能である。後段スタンド
圧延機16の出側には2Hロール17が設けられる。前
述のブライドル装置10と2Hロール17とは、ステン
レス鋼帯1に圧延に必要な張力を付与するために設けら
れる。
【0004】2Hロール17の出側には、後処理装置1
8が設けられ、前処理装置4で連続化したステンレス鋼
帯1を再び元のコイルに切離し、デフレクタロール19
を介してテンションリール20で巻取る。後処理装置1
8では、ステンレス鋼帯1を巻取るテンションリール2
0を実線で示すものと破線で示すものとを交互に切換え
ることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図9に示すような一連
の連続焼鈍装置および脱スケール装置に後続配設される
冷間圧延設備は、初段スタンド圧延機11と後段スタン
ド圧延機16とに分離される。初段スタンド圧延機11
のみを使用する動作モードの間は、後段スタンド圧延機
16はステンレス鋼帯1の圧延を行わないので、多くの
スタンドの圧延機を後段スタンド圧延機16として設け
ることは効率的ではない。したがって、できるだけ少な
いスタンド数の圧延機で後段スタンド圧延機16を構成
する必要がある。少ないスタンド数の圧延機で効率的な
圧延を行うためには、各スタンドの圧延機では高圧下率
を得る必要がある。高圧下率でもロールスリップを起こ
さないためには、ロールの表面の粗さを上げることが考
えられる。また高圧下率で圧延するのでステンレス鋼帯
1とロールとの間での摩擦が大きくなり、温度上昇も甚
だしくなるので焼付きなどのおそれも生じる。このため
圧延剤を使用し、ロールの冷却を充分に行う必要もあ
る。圧延剤を使用すると、さらにロールとステンレス鋼
帯1との間のスリップが起こりやすくなるので、高圧
下、高粗度ロールの必要性が高まるけれども、ステンレ
ス鋼帯1の表面を削り取って鉄分や夾雑物分が発生しや
すくなる。これらの鉄分や夾雑物分は、圧延剤中に汚れ
として混入し、圧延剤の循環使用とともに、汚れた圧延
剤が再び圧延ロールに供給されると、圧延ロール表面に
付着して押込まれ、疵となってステンレス鋼帯1の表面
に転写され、表面品質を低下させる。
【0006】ステンレス鋼帯や高合金鉄帯では、焼鈍の
際に母材表面に厚く気密な酸化皮膜がスケール層として
形成される。図10は、そのような酸化皮膜の構成を示
す。母材21の表面には、中間層22を介してスケール
層23が形成される。スケール層23は、多孔質の酸化
皮膜であり、比較的脆い。中間層22は、ステンレス鋼
や高合金鉄の場合には、緻密で硬く、母材21の表面に
密着しているサブスケールとも呼ばれる層であり、非常
に除去しにくい。このような中間層22が残っている状
態で、高圧下、高粗度ロールで圧延すると、母材21の
表面から剥離して鉄分や夾雑物分が発生しやすくなる。
【0007】本発明の目的は、金属帯の母材表面に焼鈍
の際に形成されるスケール層を確実に除去し、少ないス
タンド数で効率的な冷間圧延を行うことができる金属帯
の圧延方法および設備を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属帯を連続
通板して、焼鈍処理、機械的脱スケール処理、化学的脱
スケール処理および冷間圧延を行うことを特徴とする金
属帯の圧延方法である。
【0009】また本発明は、前記機械的脱スケール処理
をショットブラストによって行うことを特徴とする。
【0010】また本発明は、前記機械的脱スケール処理
を、金属帯に繰返し曲げを施しながら行うことを特徴と
する。
【0011】また本発明は、前記機械的な脱スケール処
理を、金属帯をロール間で押圧することによって行うこ
とを特徴とする。
【0012】また本発明で前記冷間圧延は圧延剤を用い
て行い、圧延剤は清浄化しながら循環使用されることを
特徴とする。
【0013】さらに本発明は、複数のコイルから金属帯
を連続的に供給する連続供給装置と、連続供給される金
属帯を連続通板しながら焼鈍する焼鈍装置と、焼鈍装置
の出側に設けられ、連続通板しながら金属帯の表面のス
ケール層を機械的に除去する機械的脱スケール装置と、
機械的脱スケール装置の出側に設けられ、連続通板しな
がら金属帯の表面のスケール層を化学的に除去する化学
的脱スケール装置と、化学的脱スケール装置の出側に設
けられ、連続通板しながら圧延剤を使用して金属帯を冷
間圧延するタンデム式冷間圧延装置と、タンデム式冷間
圧延装置の出側に設けられ、冷間圧延された金属帯を順
次複数のコイルとして巻取る巻取り装置とを含むことを
特徴とする金属帯の圧延設備である。
【0014】また本発明の前記タンデム式冷間圧延装置
は、圧延剤に混入する汚れをスラッジとして沈殿させる
清浄化槽を備え、清浄化された圧延剤を繰返して使用す
ることを特徴とする。
【0015】また本発明の前記タンデム式冷間圧延装置
は、圧延剤に混入する汚れを除去して清浄化させるため
の遠心分離機を備え、清浄化された圧延剤を繰返して使
用することを特徴とする。
【0016】また本発明の前記タンデム式冷間圧延装置
は、圧延剤に混入する汚れをスカムとして浮遊させて除
去するための清浄化槽を備え、清浄化された圧延剤を繰
返して使用することを特徴とする。
【0017】また本発明の前記タンデム式冷間圧延装置
は、圧延剤に混入する汚れを除去して分離するための電
磁フィルタを備え、清浄化された圧延剤を繰返して使用
することを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明に従えば、金属帯を連続通板させなが
ら、焼鈍処理後、機械的脱スケール処理および化学的脱
スケール処理を行ってから冷間圧延を行う。焼鈍処理に
よって金属帯の表面に形成されるスケール層は、硬くて
脆い部分は機械的脱スケール処理によって除去され、金
属帯の母材の表面に形成される緻密な中間層は化学的脱
スケール処理によって除去されているので、冷間圧延を
粗度の大きい圧延ロールを用いて高圧下で行っても、金
属帯表面の脆いスケール層が削られて圧延の際に金属帯
の表面品質を低下させるおそれが少なくなる。化学的脱
スケール処理の前に機械的脱スケール処理を行わない
と、化学的脱スケール処理で金属帯の母材表面の中間層
よりも外側に形成される脆いスケール層を除去するのに
時間をとられ、緻密な中間層まで化学的に除去するため
には長い時間がかかる。時間が長くかかると、化学的脱
スケール装置が大形化し、生産効率が低下する。
【0019】また本発明に従えば、機械的脱スケール処
理をショットブラストによって行う。ショットブラスト
では、酸化スケール層に鋼球を高速で打ち付け、金属帯
の表面に形成されるスケール層に亀裂を生じさせること
ができる。この亀裂は、化学的脱スケール装置で用いら
れる酸洗を行う際に、中間層などの緻密な層への酸洗液
の接触の機会を大きくし、緻密な中間層などの除去が迅
速に行うことができるようになる。
【0020】また本発明に従えば、金属帯に繰返し曲げ
を施すことによって、金属帯の母材の表面に付着形成さ
れるスケール層に亀裂を生じさせ、化学的脱スケール装
置による脱スケールの負担を軽減することができる。
【0021】また本発明に従えば、金属帯をロール間で
押圧することによって、金属帯の表面に形成されている
酸化皮膜であるスケール層に割れ目などを生じさせ、化
学的脱スケール装置内での除去効率を高めることができ
る。
【0022】また本発明に従えば、冷間圧延の際に圧延
剤を使用し、圧延剤は清浄化しながら循環して使用す
る。圧延剤は繰返して使用され、しかも循環途中で清浄
化されるので、圧延ロールによって金属帯の表面から除
去された汚れなどは圧延剤の循環経路中で除去され、清
浄化された圧延剤を使用して表面品質の向上した金属帯
を安定に得ることができる。
【0023】さらに本発明に従えば、複数のコイルから
供給される金属帯を連続化して通板し、熱処理して機械
的脱スケール処理を行ってから化学的脱スケール処理を
行うので、化学的脱スケール処理を効率的に行うことが
できる。
【0024】また本発明に従えば、化学的脱スケール装
置に先行して機械的脱スケール装置を設けているので、
機械的に除去可能なスケールを迅速に除去し、残留する
緻密なスケールを化学的に迅速に除去することができ
る。タンデム式冷間圧延装置には、清浄化された圧延剤
が循環して供給されるので、圧延剤中に汚れの混入がな
く、良好な表面品質の金属帯を圧延することができる。
【0025】また本発明に従えば、圧延剤に混入する汚
れをスラッジとして沈殿させて清浄化するので、特に圧
延剤がソリューシヨンタイプの場合に有効に清浄化を行
うことができる。
【0026】また本発明に従えば、圧延剤の清浄化を遠
心分離機を用いて行うので、鉄分や夾雑物分などの粒子
を圧延剤から確実に分離させることができる。
【0027】また本発明に従えば、圧延剤に混入する汚
れをスカムとして浮遊させて除去するので、圧延剤が特
にソリブルタイプの場合など、圧延剤の表面に浮遊しや
すいとき有効に清浄化を行うことができる。
【0028】また本発明に従えば、電磁フィルタを用い
て圧延剤の清浄化を行うので、特に鉄分などの除去を確
実に行うことができる。
【0029】
【実施例】以下図面によって本発明の実施例について説
明する。図1は、本発明の一実施例のライン構成を示
し、図2および図3は図1の実施例に用いるショットブ
ラスト装置の構成を示し、図4は初段スタンドの圧延機
に対する圧延剤の供給系統を示し、図5は本発明の他の
実施例のライン構成を示し、図6〜図8は本発明のさら
に他の実施例における初段スタンドの圧延機に対する圧
延剤供給系統を示す。
【0030】図1は本発明の一実施例に基づくライン構
成を示す。本構成は、図9に示したような先行技術のラ
イン構成に類似しているけれども、機械的脱スケール装
置30が設けられていることが特徴である。ステンレス
鋼帯31はペイオフリール32から供給され、デフレク
タロール33を介して通板方向が揃えられ、前処理装置
34で先行するステンレス鋼帯と後行するステンレス鋼
帯との溶接などが行われる。連続化されたステンレス鋼
帯31は、ルーパ装置35を介して焼鈍装置36に導入
される。ルーパ装置35は、一定量のステンレス鋼帯3
1を貯蔵することができ、上流側と下流側との通板速度
の差を吸収する。焼鈍装置36は、通板速度を一定にし
て熱処理条件をステンレス鋼帯31の全体にわたって均
一にする必要がある。一方前処理装置34では、ステン
レス鋼帯31の溶接時など、ステンレス鋼帯31の通板
速度が大きく変動する。このためこの速度差を解消する
必要があり、ルーパ装置35が設けられている。ルーパ
装置35内にはループカー35aおよびブライドルロー
ル35bが含まれる。ループカー35aは、ルーパ装置
35の上流側と下流側とのステンレス鋼帯31の通板速
度差を吸収するため、一定量までステンレス鋼帯31を
貯蔵することができる。ブライドルロール35bは、ス
テンレス鋼帯31に張力を付与するために設けられる。
【0031】ルーパ装置35の下流側の焼鈍装置36に
は、連続通板されるステンレス鋼帯31を1100℃程
度まで加熱する焼鈍炉36aと、加熱されたステンレス
鋼帯31を冷却する冷却装置36bが含まれる。
【0032】冷却されたステンレス鋼帯31は、機械的
脱スケール装置30を経て化学的脱スケール装置37に
導入される。化学的脱スケール装置37には、酸洗槽3
7aや清浄槽37bが設けられている。酸洗槽37a
は、たとえばフッ酸と硝酸との混酸や硫酸などの酸によ
って脱スケールを行う。中性塩浴中で電解によって脱ス
ケールする方法がある。
【0033】化学的脱スケール装置37の下流側には、
ルーパ装置38、レベラ装置39、ブライドル装置40
を経て初段スタンド圧延機41に至る。
【0034】初段スタンド圧延機41は、ステンレス鋼
帯31に対してスキンパスと呼ばれる比較的圧下率の小
さい調質圧延を行う動作モードがある。このときは剪断
機42によって、前処理装置34が溶接した部分を切離
し、デフレクタロール43を介してテンションリール4
4に別個のコイルとして巻取る。
【0035】スキンパス圧延を行わない動作モードで
は、初段スタンド41で可能な限り圧延されたステンレ
ス鋼帯31は、センタリング装置45を介して後段スタ
ンド圧延機46に導入される。後段スタンド圧延機46
は、初段スタンド圧延機41とともにタンデム式冷間圧
延装置を構成し、ステンレス鋼帯31を大きな圧下率で
冷間圧延する。このために必要な張力は2Hロール47
によって付与される。2Hロール47の出側には、後処
理装置48が設けられる。後処理装置48は、前処理装
置34によって溶接され連続化されたステンレス鋼帯3
1を、溶接部分を切断して、元と同様の別個のコイルと
して巻取る準備を行う。切離されたステンレス鋼帯31
は、デフレクタロール49を介してテンションリール5
0に巻取られる。
【0036】初段スタンド圧延機41には、ポンプ51
によって清浄化装置52から清浄化された圧延剤が供給
される。圧延剤の組成はたとえば次の表1に示すような
水溶性のソリューション液であり、鉄分などの異物が混
入しやすい。このため圧延剤の循環系統には清浄化装置
52を設けるほうがよい。
【0037】機械的脱スケール装置30の例としてはス
ケールブレーカ53、ブライドル装置54およびショッ
トブラスト55などが好適に使用される。スケールブレ
ーカ53およびブライドル装置54は、ロールによって
ステンレス鋼帯31に繰返し曲げ変形を与え、脆いスケ
ール層を剥離させる。
【0038】図2および図3は図1の機械的脱スケール
装置30の一例としてのショットブラスト55の構成を
示す。図2は正面から見た状態、図3は左側方から見た
状態をそれぞれ示す。ショットブラスト55の機械的な
基礎となるのはフレーム60であり、このフレーム60
を基準に複数のエンペラ61が設けられている。通板さ
れるステンレス鋼帯31の表面には、上下からエンペラ
61によってショットと呼ばれる鉄球による打撃が加え
られる。各エンペラ61は、モータ62によって回転駆
動され、車輪63がレール64上を移動することによっ
て、ステンレス鋼帯31の表面に鋼球を衝突させる頻度
の高い位置を移動して調整することができる。
【0039】フレーム60の上流側および下流側には、
ステンレス鋼帯31の通板方向を変える案内ロール6
5,66がそれぞれ設けられる。ショットブラスト55
内でステンレス鋼帯1を一定のパスラインに維持するた
め、複数の支持ロール67,68が設けられる。
【0040】ステンレス鋼帯31の表面に打撃を与える
ための鋼球であるショットは、ショット供給装置70か
ら供給される。ショットの垂直方向の運搬のために、バ
ケットエレベータ71が設けられる。バケットエレベー
タ71で最上段まで運ばれたショットは、スクリューコ
ンベア72で通板方向の下流側に移動され、ショット供
給管73を介して各エンペラ61に供給される。各エン
ペラ61は、ショット供給管73から供給されるショッ
トを吹飛ばし、ショット74としてステンレス鋼帯31
の上下両面を均一に打撃する。
【0041】エンペラ61によってステンレス鋼帯31
の上下にスケール層が付着している場合が多いので、こ
のように上下方向からエンペラ61を用いて鋼球である
ショットをスケール層に衝突させ、下側のスクリューン
ベア75に集め、バケットエレベータ71に戻す。エン
ペラ61は、モータ62の回転軸に取付けられている羽
根車であり、ショットを構成する鋼球をはじき飛ばして
ステンレス鋼帯31の表面のスケール層に打撃を与え
る。
【0042】図4は本発明の実施にかかわるタンデム式
冷間圧延装置としての構成を示す。タンデム式冷間圧延
装置は、たとえば初段スタンドの圧延機41、後段スタ
ンドの複数の圧延機46によって構成される。このうち
初段スタンドの圧延機に対しては、清浄化槽であるタン
ク80からポンプ81によって汲上げられ、フィルタ8
2およびクーラ83、ノズル84および受皿85を介し
て圧延剤についての循環系が形成される。ステンレス鋼
帯31の表面に付着したりして持去られる量に対応し
て、新液供給管86から新液が供給される。
【0043】圧延剤は、たとえば大同化学工業株式会社
製の商品名ダイスキンST−200であり、その成分は
次の表1に示される。
【0044】
【表1】
【0045】受皿85からタンク80に戻される圧延剤
中には、鉄分などの汚れが混じっている。この汚れはス
ラッジ87として、タンク80中で沈殿する。またフィ
ルタ82の目の粗さは50μmとしており、汚れを取除
いている。
【0046】次の表2は、タンデム式冷間圧延機を構成
する各スタンドにおけるロール粗度、圧下率および圧延
剤の種類を示す。
【0047】
【表2】
【0048】ロール粗度は、最終段スタンドを除いてR
aで0.6〜1.0と比較的大きい。ロール粗度がこれ
以上大きいと圧延されるステンレス鋼帯31の表面の粗
さが大きくなってしまい、ロールの粗度がこの範囲より
も小さいと、スリップがしやすくなる。最終段スタンド
ではロール粗度をRaで0.2〜0.3として小さく
し、仕上がるステンレス鋼帯31の表面を平滑にしてい
る。また圧延剤としては、初段スタンド41では前述の
ようにソリューションを用いているけれども、後段スタ
ンドでは高粘度のソリブルタイプを用いている。
【0049】図5は、本発明の他の実施例にかかわるラ
イン構成を示す。本構成は図1に示す構成に類似し、対
応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきは図1
で機械的脱スケール装置30の一部として、スケールブ
レーカ53を用いているけれども、本構成ではその代わ
りに2重形圧延機88を用いている。2重形圧延機88
は、焼鈍されたステンレス鋼帯31を上下から押圧し、
表面のスケール層を噛み砕いて化学的脱スケール装置3
7で容易に除去可能にしている。
【0050】図6は本発明のさらに他の実施例にかかわ
る初段スタンドの圧延機41の圧延剤循環系統を示す。
注目すべきは、タンク90に複数のせき91,92が設
けられ、圧延剤中に混入する鉄分をまず沈殿させた上
で、さらに遠心分離機93によって圧延剤と汚れとを分
離し、ポンプ94から目の粗さが150μmのフィルタ
95を介してノズル84に送るようにしていることであ
る。タンク90中での沈殿と遠心分離93による分離に
よって重い汚れは分離されているので、フィルタ95の
目の粗さも比較的大きくすることができ、目詰まりが起
こりにくい。
【0051】図7は、本発明のさらに他の実施例にかか
わる初段スタンド圧延機41の圧延剤循環系統を示す。
本実施例で注目すべきは、受皿85が受けた圧延剤を、
タンク100に導き、汚れをスカムとして表面に浮遊さ
せ、とい101にスクレーパ102で掻き出して、スカ
ムタンク103に送出す点である。スカムタンク103
では、さらに汚れの本来のスカムと、一緒に送られて来
た圧延剤とを分離し、ポンプ104で圧延剤の部分はタ
ンク100に戻すようにしている。タンク100から供
給される圧延剤は、ポンプ105によってフィルタ95
を介して初段スタンド圧延機41のノズル84に送られ
る。
【0052】図8は、本発明のさらに他の実施例による
初段スタンド圧延機41の圧延剤循環系統を示す。本実
施例で注目すべきは、受皿85からの圧延剤を、ホフマ
ンフィルタ110で濾過し、清浄化された圧延剤をタン
ク111で貯留する。さらにタンク111内に貯留され
ている圧延剤を、ポンプ112でDEMフィルタ113
に流し、電磁的な作用で、圧延剤中の鉄分を300pp
m以下に抑えるようにしている。このようにタンク11
1内の圧延剤が清浄化されているので、ポンプ114に
よって汲み出し、初段スタンドの圧延機41に圧延剤と
して供給する。
【0053】以上の各実施例では、金属帯としてステン
レス鋼帯31を連続処理する場合について説明している
けれども、ニッケルを多く含有する高ニッケル鉄などの
鉄合金や非鉄などを含む他の金属帯であってもよい。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、化学的脱
スケール処理を機械的脱スケール処理の後で行うので、
機械的脱スケール処理によって金属帯表面のスケール層
が除去しやすい状態となり、化学的脱スケール処理によ
って確実に除去することができる。スケール層を確実に
除去した金属帯を冷間圧延するので、高圧延率で高圧下
をかけても、脆い酸化物が残留していないので、鉄分や
夾雑物分の発生が押えられる。これによって良好な表面
品質が得られ、またタンデム式圧延機のスタンド数など
も少なくすることができる。
【0055】また本発明によれば、ショットブラストに
よって機械的脱スケールを行うので、金属帯表面に形成
されているスケール層に亀裂を発生させ、化学的脱スケ
ールを容易にすることができる。
【0056】また本発明によれば、金属帯を繰返し曲げ
することによってスケール層を剥離させる機械的脱スケ
ールを行い、化学的脱スケール処理によってスケール層
の除去を迅速に行うことができる。
【0057】また本発明によれば、機械的脱スケールを
金属帯をロール間で押圧することによって行う。ロール
が金属帯表面を押圧すると、表面に形成されている酸化
皮膜であるスケール層に亀裂が入り、化学的脱スケール
によって除去しやすくなり、スケール層を完全に除去し
た状態で冷間圧延を行うことができる。
【0058】また本発明によれば、清浄化しながら循環
使用される圧延剤を用いて冷間圧延するので、汚れなど
が発生して圧延剤に混入しても、再使用されるときには
汚れが除去され、圧延剤の供給に伴ってかえって表面品
質を低下させる事態を防止することができる。
【0059】さらに本発明によれば、機械的脱スケール
装置の出側に化学的脱スケール装置を設けているので、
機械的脱スケール装置である程度除去しやすい状態とな
ったスケール層を化学的に確実に除去することができ
る。これによって圧延の際に高圧下で高粗度の圧延ロー
ルを用いても、金属帯の表面から削られる対象となりや
すいスケール層が残らないので、ロールによって表面が
削られて発生する汚れを防ぐことができる。
【0060】また本発明によれば、圧延剤の循環経路に
汚れをスラッジとして沈殿させる清浄化槽を備えるの
で、確実に鉄分などの金属帯表面から削り取られた微小
な粒子を除去することができる。
【0061】また本発明によれば、遠心分離機によって
圧延剤を清浄化させるので、圧延剤に混入した鉄分や夾
雑物分などを、その重量差を利用して確実に除去するこ
とができる。
【0062】また本発明によれば、遠心分離機によって
汚れが分離された圧延剤を循環して使用するので、圧延
剤の汚れに起因する問題を解消することができる。
【0063】また本発明によれば、金属帯の圧延の際に
発生する汚れをスカムとして除去し清浄化された圧延剤
を繰返して使用するので、圧延剤の汚れに起因する金属
帯の表面品質低下を防止することができる。
【0064】また本発明によれば、圧延剤の汚れを電磁
フイルタで除去するので、鉄分など強磁性の汚れを確実
に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかわるライン構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1の構成に含まれるショットブラスト装置の
正面図である。
【図3】図2のショットブラスト装置の左側面図であ
る。
【図4】図1に示すライン中に設けられるタンデム式冷
間圧延装置の簡略化した構成を示す配管系統図である。
【図5】本発明の他の実施例にかかわるラインの構成を
示すブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例による圧延剤循環系
統図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例による圧延剤循環系
統図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例による圧延剤循環系
統図である。
【図9】加工処理ラインについての先行技術の構成を示
すブロック図である。
【図10】金属帯についてのスケール層の生成形態を示
す簡略化した断面図である。
【符号の説明】
30 機械的脱スケール装置 31 ステンレス鋼帯 34 前処理装置 36 焼鈍装置 37 化学的脱スケール装置 41 初段スタンド圧延機 42 剪断機 43 デフレクタロール 44 テンションリール 45 センタリング装置 46 後段スタンド圧延機 47 2Hロール 53 スケールブレーカ 54 ブライドルロール 55 ショットブラスト 88 2重形圧延機 93 遠心分離機 102 スクレーパ 103 スカムタンク
フロントページの続き (72)発明者 山本 靖彦 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯を連続通板して、焼鈍処理、機械
    的脱スケール処理、化学的脱スケール処理および冷間圧
    延を行うことを特徴とする金属帯の圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記機械的脱スケール処理をショットブ
    ラストによって行うことを特徴とする請求項1記載の金
    属帯の圧延方法。
  3. 【請求項3】 前記機械的脱スケール処理を、金属帯に
    繰返し曲げを施しながら行うことを特徴とする請求項1
    記載の金属帯の圧延方法。
  4. 【請求項4】 前記機械的な脱スケール処理を、金属帯
    をロール間で押圧することによって行うことを特徴とす
    る請求項1記載の金属帯の圧延方法。
  5. 【請求項5】 前記冷間圧延は圧延剤を用いて行い、 圧延剤は清浄化しながら循環使用されることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の金属帯の圧延方法。
  6. 【請求項6】 複数のコイルから金属帯を連続的に供給
    する連続供給装置と、連続供給される金属帯を連続通板
    しながら焼鈍する焼鈍装置と、 焼鈍装置の出側に設けられ、連続通板しながら金属帯の
    表面のスケール層を機械的に除去する機械的脱スケール
    装置と、 機械的脱スケール装置の出側に設けられ、連続通板しな
    がら金属帯の表面のスケール層を化学的に除去する化学
    的脱スケール装置と、 化学的脱スケール装置の出側に設けられ、連続通板しな
    がら圧延剤を使用して金属帯を冷間圧延するタンデム式
    冷間圧延装置と、 タンデム式冷間圧延装置の出側に設けられ、冷間圧延さ
    れた金属帯を順次複数のコイルとして巻取る巻取り装置
    とを含むことを特徴とする金属帯の圧延設備。
  7. 【請求項7】 前記タンデム式冷間圧延装置は、圧延剤
    に混入する汚れをスラッジとして沈殿させる清浄化槽を
    備え、清浄化された圧延剤を繰返して使用することを特
    徴とする請求項6記載の金属帯の圧延設備。
  8. 【請求項8】 前記タンデム式冷間圧延装置は、圧延剤
    に混入する汚れを除去して清浄化させるための遠心分離
    機を備え、清浄化された圧延剤を繰返して使用すること
    を特徴とする請求項6記載の金属帯の圧延設備。
  9. 【請求項9】 前記タンデム式冷間圧延装置は、圧延剤
    に混入する汚れをスカムとして浮遊させて除去するため
    の清浄化槽を備え、清浄化された圧延剤を繰返して使用
    することを特徴とする請求項6記載の金属帯の圧延設
    備。
  10. 【請求項10】 前記タンデム式冷間圧延装置は、圧延
    剤に混入する汚れを除去して分離するための電磁フィル
    タを備え、清浄化された圧延剤を繰返して使用すること
    を特徴とする請求項6記載の金属帯の圧延設備。
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WO2000037190A1 (en) * 1998-12-18 2000-06-29 Avesta Sheffield Aktiebolag (Publ) Method for manufacturing of strips of stainless steel and integrated rolling mill line
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CN104416331A (zh) * 2013-09-02 2015-03-18 南京利河伯合金材料有限公司 一种贵廉金属贯穿复合带材的制备工艺

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