JPH08500173A - スリップ制御付液圧ブレーキ装置に特に適する電磁弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 製造容易な電磁弁を提供するために，保持マグネット（２２）上に要する軸方向空隙の精密な調整を簡単な手段で行うことができ、又，必要な場合，電磁弁の実質的な構造的修正を要することなく、ダイアフラム（３）を個々に選択することができ、弁座部材（１）は同軸的に移動可能であり、弁支持部材（５）内で弁ニードル（２）に対し調整可能である。図１．

Description

【発明の詳細な説明】 スリップ制御付液圧ブレーキ装置に特に適する電磁弁 本発明は電磁弁，特に請求項１の前提部に記載された構造のスリップ制御付液 圧ブレーキ装置用電磁弁に関する。 独国特許出願Ｎｏ．Ｐ４１４１５４６．９に電磁弁が示されており、この電磁 弁は、圧力流体の流れを制御するために，弁支持部材内にしっかり固定された弁 座部材と、同時にダイアフラムボアを有する弁座部材が設けられている。 上記弁座部材は、全弁構成部材の組立てに先立って、弁支持部材のボア部内に配 置されるため，各弁構成部材の公差により生じる弁座部材の調整は実質的にもは や出来ない。弁座部材は上記ボアの段部に適合するように位置決めされ，充填位 置に保持される。さらに，上述の特許出願に示される電磁弁は、使用可能な構造 的容積に限りがあるため，特にスリップ制御付きブレーキ装置用として逆止弁の 弁支持部材と一体化することは出来ないという不利点がある。弁座部材を有する ダイアフラムボアは、弁支持部材内に充填されるユニットの形態をなしているた め，結合されたシステムとして夫々要求されるダイアフラム機能の調整は行うこ とができない。 従って，本発明は、簡単な方法で，マグネットコアと保持マグネット間の軸方 向における空隙の精密な調整を行うことが出来、又必要とあれば，電磁弁におけ る実質的な修正を何等要することなく，ダイアフラム部材を個々に選択すること が出来るようにした製造容易な電磁弁を提供することを目的とするものである。 上記問題は、請求項１の特徴部分に示される構成を実施することにより達成さ れ、弁ニードルと対向する弁座部材が同軸に移動する構成によれば，弁支持部材 と弁座部材との適切な設計により，応用自在でコンンパクトな電磁弁を提供する ことができる。 従属請求項に示される構成は本発明の好適な実施例に属するものであり、本発 明の他の特徴及び利点に関し，図面を参照しつつ以下より詳細に記載し，説明す る。上記図面において， 図１はその基本位置において開かれている電磁弁の断面図、 図２は電磁弁内を部分的に示す弁座部材の変形例、 図３は弁座部材及び逆止弁の他の変形例 を示すものである。 図面によれば，図１はその基本位置において開かれている電磁弁の断面図を示 しており、電磁弁はブロック状の弁収容部材８（詳細には記載せず）内に位置し 、好ましくはアルミニュウムで形成されている。以下の記載は、夫々発明に関連 する電磁弁の構成を示すものである。上記電磁弁は、弁収容部材８の段付きハウ ジングボア内に挿置される弁支持部材５を具備し、弁支持部材５はハウジングボ アに設けられている圧力流体通路９，９′をシールするため円周方向にシール部 材１０，１０′が設けられている。上記弁支持部材５はハウジングボアに適合す る大きさを有し，弁支持部材５の周方向 （図面では，弁閉塞部材の高さ位置に配置）には凹所が設けられており、環状フ ィルタを収容するハウジングの環状チャンバが形成されると共に，横方向ボアと して形成される圧力流体通路９′を介して，圧力流体通路９（図面では，弁ニー ドルの下方に配置）及び上記圧力流体通路９′との間に圧力流体の接続路を形成 する。上記ハウジングのか環状チャンバには、上記環状フィルタ部材１１のさら に上方に、弁収容部材８に対向する弁支持部材５をシールするシール部材１０′ が設けられている。 上記シール部材１０′の上方に位置し、弁支持部材の周方向に設けられている傾 斜環状溝は、弁収容部材８の溝に当接するスナップリング１２を収容する。同様 に，図示において，弁座の下方に設けられている圧力流体通路９は板状フィルタ １３を有し、それによって，弁座に設けられた通路開口部を介して全ての側から の塵芥の侵入，従って又ダイアフラム３内への侵入を防止する。圧縮スプリング ６は、上記板状フィルタ１３に先だって結合されるストップディスク１４の上に 支持され、ダイアフラム３を備えた弁座部材１をハウジングストップ１５上に保 持する。上記弁座部材１は、弁ニードル２と同軸に配置されたボア領域内におい て軸方向移動可能にガイドされ、かつ弁支持部材５の内側環状溝に挿入されたシ ール部材１６によって円周方向にシールされている。キャップ形状をなすダイア フラム３は、クリップ効果に相当する開拡効果を有するように薄いプレス部材か らなることが好ましく、実質的に中空筒状をなす弁支持部材５の内側環状溝１７ に係合する。弁収容部材８におけるボア段部の深さは、弁支持部材５の段部の長 さより大きく選定されており、それによって適切な軸方向の遊びが長期に保証さ れる。さらに，弁組立て及び弁収容部材８における弁の偶発的かつ過剰なインプ レッション（impression）を防止するために，弁底部と弁支持部材５間に、対応 する剛性を備えた圧縮スプリング１９を設けることが適切である。この相対的な 剛性を有する圧縮スプリング１９は、全ての作動状態下で，弁支持部材５がスナ ップリング１２に当接するように保持する。弁支持部材５が好ましくは強磁性体 からなり、磁気の流れを制御するためスティールディスク２０が設けられている 。上記スティールディスク２０はそれに関連する磁気コイル２１と弁支持部材５ との間の磁気回路を閉じる。又，スティールディスク２０は保持マグネット２２ 方向に延びる延出部２３を介して遊挿し，弁支持部材５に中心を合わせている。 中空筒状の上記延出部２３には保持マグナット２２を取り巻く弁スリーブ２４が 取付けられている。図面において，弁スリーブ２４は延出部２３にかしめ接続に より保持されている。上記固定点をシールするため上記延出部２３と弁スリーブ ２４間にシール部材が設けられている。その他の固定手段として溶着或いはかし めによる接続はシール部材を別途要することなく同様に使用し得る。 作動方法： 本発明が特徴とする構成の作動方法を、図１による電磁弁の上記記載を参照し てより詳細に記載する。 図１は電磁的には非作動状態の解放位置にある電磁弁を示す。弁ニードル２は 、弁支持部材５と保持マグネット２２間に設けられた圧縮スプリング２５によっ て，弁座から離間している。従って圧力流体通路９，９′間の圧力流体の接続は 開かれている。弁が電磁的に作動すると，上記弁ニードル２は、弁座部材１にか かる圧縮スプリング６の力が、電磁的な基準力，及び２つの圧力流体通路９，９ ′における圧力差によって生じる液圧反作用力に対し，少なくとも同一或いはよ り大きい間，弁座部材を介して圧力流体通路を閉じる。具体的な適用例，例えば アンチ−ロックモードでブレーキ装置内にブレーキ圧力保持段階に適用すると、 ブレーキペダルの解放により圧力流体通路９（図示における下方の通路）の圧力 が減少する場合、圧力流体使用部（ホイールブレーキ）に通じる圧力流体通路９ ′（図示における上方の通路）内に封入される圧力流体は、圧縮スプリング６に 抗して弁座部材１を移動させる。その結果，ホイールブレーキ圧は、弁ニードル ２から離間する弁座部材、及びダイアフラム開口部を介して圧力流体通路９（図 示によれば，下方の通路）に通じる。これは圧力流体通路９′（圧力流体使用部 ）と圧力流体通路９（圧力流体供給部）との間に，構造的には簡単方法で逆止弁 機能を併せ持つことになる。 図２は逆止弁機能を有する弁座部材１の実施例の代替例を示すものである。上 記弁座部材１は、弁座部材の周囲に延長する溝２６が形成されている点において ，図１のものと相違し、それによって弁座部材１の環状領域は、弁支持部材５と 直角に当接するシーリングシート面２７を形成し、上記環状領が域弁支持部材５ から離間すると，圧力流体を、圧力流体通路９に接続する圧力流体供給部（マス ターブレーキシリンダ）方向に流れ抵抗が相対的に低いくなっている延長溝２６ を介して，圧力流体通路９′（使用側であるホイールブレーキ）から逃がす。 上述の実施例に対向し，図３は、予め組付けられる保持マグネットとマグネッ トコア間における軸方向の空隙を精密に調整するため，弁支持部材５に調整可能 になっている弁座部材１を示す。弁座部材１の弁支持部材５内における軸方向の 調整に際し，弁ニードル２は空隙が形成されるように弁座ボディ１に当接し、上 記弁座部材１の調整後，弁支持部材５に例えば，径方向の圧縮によって固定され 、その後，板状フィルタ１３が挿入固定される。逆止弁機能はボール逆止弁２８ によって作用可能に構成され、構造的には弁支持部材５内に弁座部材１と平行に 配置される。 軸方向の空隙を正確に保持するため，図３における弁座部材１の調整は、図１ 及び図２による調整がさらに行われる。そのため，弁座部材１は種々の公差を有 する弁座を使用して低コストで製造される。水平なシーリングシート面２７を有 する弁座部材において，軸方向の空隙は上述の工程の選択に 適合させて強度の異なるスペーサの使用によって調整可能である。上記工程に関 係なく，ダイアフラム部材は弁座部材１内に取り外し可能に接続されるため、何 時でも取換え可能である。 参照符号のリスト １ 弁座部材 ２ 弁ニードル ３ ダイアフラムボディ ４ 逆止弁 ５ 弁支持部材 ６ 圧縮スプリング ７ ボア段部 ８ 弁収容部材 ９，９′ 圧力流体通路 １０，１０′ シール部材 １１ 環状フィルタエレメント １２ スナップリング １３ 板状フィルタエレメント １４ ストップディスク １５ ハウジングストップ １６ シール部材 １７ 環状溝 １８ ボア底部 １９ 圧縮スプリング ２０ スチールディスク ２１ 磁気コイル ２２ 保持マグネット ２３ 延長部 ２４ 弁スリーブ ２５ 圧縮スプリング ２６ 延長溝 ２７ シーリングシート面 ２８ 逆止弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディンケル、ディーター ドイツ連邦共和国、デー―6239 エップシ ュタイン／テーエス、アドルフ ― グー ケス ― ベーク ２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．弁スリーブを収容する弁支持部材が弁収容部材のケーシングボア内に圧力流 体に対しシール手段により固定されており、上記弁スリーブに設けられ，電気的 に付勢可能な磁気コイルに応答してストローク動作する弁スリーブに取り囲まれ た保持マグネットを有し、弁支持部材内に固定される弁座部材を介して，上記保 持マグネットにモールドされた弁ニードルが、少なくとも１つの第１及び第２の 圧力流体通路間における圧力流体の接続を制御し得るスリップ制御付液圧ブレー キ装置に特に適する電磁弁において、上記弁座部材（１）が弁支持部材内で上記 弁ニードル（２）に対し同軸に移動可能であることを特徴とする電磁弁。 ２．取り外し可能に接続されたダイアフラム（３）が設けられ、前記弁座部材（ １）に直列に位置付けされていることを特徴とする請求項１に記載の電磁弁。 ３．前記ダイアフラム（３）が弁座部材内に堅固，かつ摩擦係合的に取付けられ ていることを特徴とする請求項１又は２に記載の電磁弁。 ４．前記弁座部材（１）及びダイアフラム（３）が実質的にキャップ形状をなし ていることを特徴とする前記請求項の少なくとも１つに記載の電磁弁。 ５．キャップ状をなす弁座部材（１）及びダイアフラム部材（３）の拡大開口部 は、弁ニードル（２）から離れる方向に面する前側に設けられていることを特徴 とする請求項４に記 載の電磁弁。 ６．逆止弁（４）が作用的には弁座部材（１）に並列に配置され、上記逆止弁（ ４）は弁支持部材（５）に設けれていることを特徴とする請求項１〜５の少なく とも１つに記載の電磁弁。 ７．前記逆止弁（４）が弁座部材（１）と前記弁ニードル（２）の方向に弁座部 材（１）に負荷する圧縮スプリング（６）とを有し、上記圧縮スプリングは弁座 部材（１）から離れた位置で弁支持部材（５）内に固定されるストップ部（１４ ）に支持されていることを特徴とする前記請求項のいずれか１つに記載の電磁弁 。 ８．前面を有する弁座部材（１）が、圧縮スプリング（６）の作用により弁支持 部材（５）のボア段部（７）と密接して当接するように位置付されていることを 特徴とする前記請求項の少なくとも１つに記載の電磁弁。